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2006年7月31日 (月)

手足のほてり、おなかの冷え

 梅雨が明け、二転三転した天候の影響を受けて気分が沈みがちだという方が指圧にいらしゃいます。

 女子大生で、最近うつ気味だという方のおなかは冷えていました。また、生理が遅れているという30代の女性のおなかも冷えていました。

 むき出しの手足は夏の陽射しの影響で熱をおびているくらいなのに、体の中心に冷えが溜まっています。お店や電車の冷房で体が冷やされ、直射日光で皮膚の表面が熱せられると、温冷交代浴のように、露出した部分の体温が上昇します。しかし、体の中心の冷えはかえって凝縮されていくようです。ちょうど氷の表面が融けても、中心はあくまでも氷であるように。

 指圧では全身指圧の最後に腹部の施術をし、特に臍の下の関元の掌圧に注目します。丹田とも呼ばれる部位で、命の根源はここに宿っているのではないかと思っています。

 ぬるいお湯で半身浴した後に関元の掌圧をすると、体の深部の血流が蘇えり、生命力がみなぎり、前向きな気持ちを思い出すことができます。

 手足は温かいのにおなかが冷えていたら冷えのぼせで、天候の不順と冷房の影響による自律神経の不調と考えられます。脳の前頭前野で考えこむよりも、おなかの中心を温めながら命の発する声に耳を傾けてみてください。冷えによる古い血の滞りが解消されて、気持ちが安定してくるはずです。

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2006年7月30日 (日)

便秘、動悸、神経症のツボ“神門”の圧し方

 神門は掌側手関節の尺側屈筋腱の橈側(中央寄り)、豆状骨際の陥凹部にあります。小指側の手根部の円い骨を手関節に下った腱の中央寄りです。

 神門は心経のツボなので動悸を静め、『心は神を蔵す』ので精神活動を安定させます。また、便秘にも効果があり、小指の先端で小腸経に連なり、消化、吸収に影響を与えると考えられます。

 動悸を静めるという一点からも、神門のツボ指圧は興奮を抑え、副交感神経の働きを活発にして排泄を促すと考えられます。

 神門の圧し方は、背面の手関節に示指を、残りの三指を前腕外側にあてて、母指を豆状骨の方向に圧し上げ気味にしたほうが、ツボを捉えた感覚がわかりやすいと思います。

 ハンドトリートメントの場合には、そのままブラブラと手関節の背屈、掌屈のストレッチをしながら圧すと、違和感なくツボ指圧が取り入れられ、便秘がちな女性には効果があると思います。

 骨際のツボは、ピンポイントで捉えないと効果が出ない場合が多いので、自分なりに圧す方向やツボの場所の確認はしておかなければいけません。

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2006年7月29日 (土)

『チャングムの誓い』から学ぶ

 NHKで放送されている『チャングムの誓い』は、東洋医学に関わる者として毎回面白く見ています。

 韓国の漢方と日本の漢方とでは違いがあるはずなのですが、考証し日本語訳をするスタッフが優秀なのか、違和感なく見ることができます。

 医食同源の食に対する考え方や、ツボの捉え方、脈診からの病態の推察など、「自分の感覚では、どう対処するだろう」と思って見ていると、なかなか勉強になります。

 ツボの圧し方を按摩だと思ったり、脈をとってから判断するまでのタイミングがちょうどよかったり、自分が施術しているかのように感情移入して見ることができます。

 たぶん、鍼の先生や東洋医学に関わる方たちで、見ている方は多いと思うのですが、一般の視聴者の方には少し難しいかなと思うところもあります。

 今、王様の母君が「胃卑の証」で、吐き気があり、現在の病名なら胃癌にあたるのではないかと推察しているのですが、今日の放送でどうなるでしょう。

 

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2006年7月28日 (金)

血圧と心拍数を下げる指圧

 指圧の前頚部一点目、つまり顎の下の胸鎖乳突筋内縁の頚動脈拍動部の指圧は、頚動脈洞反射によって血圧と心拍数を下げます。

 指圧の操作がこの部位から始まることは、緊張をほぐすという意味において、とても興味深いことです。注意点は、筋肉の内縁を外側に引き気味に圧すことによって、気道を圧迫しないようにするということです。緊張していると、始めは頚動脈の拍動を感じることも、難しいかもしれません。指圧の技量が計れる部位でもあります。

 眼球掌圧も、アシュネル反射によって血圧と心拍数を下げます。決して強く圧迫するのではなく、眼窩周囲を手掌でしっかりと覆って、眼瞼には10秒間ソフトに密着させるようにします。コンタクトをしている場合は、眼瞼の部分の手掌を浮かせます。

 頚動脈洞反射は頚動脈小体から迷走神経へ、アシュネル反射は三叉神経から迷走神経へと興奮が伝わることによって起こります。副交感神経性の迷走神経が刺激されることによって、緊張が緩和され、血圧と心拍数が下がるのです。

 施術の際に、生理学的裏づけを思い出せると、タッチに対する意味合いが違ってきます。あがり症の方にも、覚えておいていただきたい指圧です。

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2006年7月27日 (木)

つまむマッサージ

 皮膚や筋肉を圧すのと逆のベクトルを持つ刺激に、“つまむ”という手技が考えられます。フェイシャル・エステなどでは、顔をリフトアップする施術としておなじみです。

 被術者の皮膚に施術者の手指を密着させて、吸引するように引き上げることは、押圧とベクトルとしては逆ですが、効果としては同じなのではないかと思っています。

 前腕内側の指圧を考えた場合、指圧点に母指の指紋部を、裏側に四指の指紋部を密着させ、母指の中手指節関節を肘側に移動させることで(手関節の尺屈)栓抜きの原理で圧を入れます。

 この逆に、もう少し大きくつかんで、あるいは狭く指でつまんで手首を下げる方向に移動する(手関節の橈屈)と、“つまむ”リラクセイションのタッチになります(尺屈でも可能です)。

 皮膚をつまみながら波のように軽擦していく結合織マッサージや、指圧にも吸引圧法という手技があります。圧す、擦る、ということとともに、つまむというタッチを研究してみると、いろいろなケースでの対応に幅が出ると思います。

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2006年7月26日 (水)

頭痛に指圧と紀の善の抹茶ババロア

 私の指圧は、頭痛をよく治すことができると思っています。たまたま頭痛持ちの方に指圧をすることが多かったので、精油や音楽や照明などの効果を含めて、薬よりも有効だと思っています。バファリンやセデスや葛根湯が効かない方が、指圧を試してみるということも多いようです。

 必ずしも指圧師が頭痛を得意としている訳ではないと思いますので、当たりハズレはあるのですが、持続的な圧迫は痛みを鎮めることができます。

 薬は意外と効かないことがあり、今までよく頭痛に効いたと思うものに、神楽坂紀の善の抹茶ババロアがあります。

 少々お高いのですが、カフェインの量が半端ではないのだと思います。生クリームとあずきが付いて、ババロア自体はビターな味です。後でまた、お茶と薄いお煎餅が出るのも気が利いています。頭痛の時に、強い利尿作用とともに、食後しばらくしてすっかり気分が爽快になったことがあります。

 家の押入れの下段や廊下の柱がカビになるほど、今年の梅雨は大変な湿気で、体にも大きな影響を与えています。頭痛の指圧をしていて、紀の善の抹茶ババロアを突然思い出しました。飯田橋駅西口からすぐなので、近くで頭痛になったら試してみる価値があると思います。

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2006年7月25日 (火)

朝の森林セラピー

 ストレス→筋肉の緊張→体の痛みという一連の流れを断ち切るためには、生活の中で自分なりの気分転換が必要になります。

 朝の森でのウォーキングは、新しい発見があり、痛みに集中した神経を緩め、運動だけでなく、アロマテラピーにもなります。

 この頃は雨も多く、森を歩くとすべりやすい傾斜もあるのですが、SF的なドーム型をしたキノコを見つけることができます。あまりにも白く、触れると弾けて菌糸を撒き散らすものや、見るからに毒々しい赤い斑点のあるキノコもあります。

 家の庭や町で見ると何でもないことなのですが、森の低木から、意外に低く飛ぶ小鳥は、妖精とはこのことかと思わせます。

 森の中にいて、森の一部になると、動物や昆虫と擦れ違うこともあります。早朝にキツネやタヌキを見たこともありました。

 都会に暮らしていると森は無理でも、神社やお寺の緑にはおもしろい発見があるはずです。

 早朝は、物の怪たちも気を許している頃で、擬似妖精体験ができる時です。私は毎朝続けているのですが、おもしろがって歩いていると、森林セラピーの効果がわかってきます。

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2006年7月24日 (月)

腰痛のセルフケア

 急性の激しい痛みを伴う腰痛の場合は、3日間の安静でかなり状態が改善される場合が多いと思います。

 急性の腰痛で体を動かせるようになった時や、慢性の腰痛では、痛みの出ない範囲で毎日朝と晩にストレッチをします。

 仰向けに寝て両腕は180°に伸ばし、膝を45°位に立てて、左右に倒します。痛みの出ない範囲で行い、始めは無理に床につける必要はありません。可動範囲が1cmでも広がれば良いのです。

 次に、仰向けで、壁に足底をあてて膝と床が90°になるようにします。足底全体で壁を押すように力を入れます。微振動が骨盤から腰椎に伝わり、骨格だけでなく、深部の筋肉や神経を調整します。

 入浴後など、体が温まっている時にストレッチをするのが効果的です。

 ウォーキングは、下肢をしっかりと伸ばして踵から着地をする時に坐骨神経が伸展することになります。腰痛の場合は腹筋、坐骨神経痛や膝痛の場合は膝を伸ばす大腿四頭筋を鍛えることで、痛みの緩和につながります。

 ストレッチの関節可動域が広がれば痛みの緩和につながり、筋肉の緊張は緩みます。3ヶ月がひとつの目安です。結果をあせらず、日課にすると、いつのまにか生活の質が向上していることに気がつくと思います。

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2006年7月23日 (日)

80才の体への指圧

 高齢の方に施術をする場合、疲れさせないことが必要だと思います。平成生まれと大正生まれに同じ施術をすることは、決して誉められたものではありません。

 少し離れた町に住むその方のカルテには、“大正”に丸がついています。お友だちに車で送迎をしてもらうのですが、新潟のバス旅行の前に指圧に来られました。

 「もっと近くだったら、ちょくちょく来たいのに」と言ってくださいます。まだ畑仕事は現役で、声にも張りがあり、緑内障以外の治療は受けていません。

 背中は丸くなり、右下肢は外反しています。時々、下腿前側に焼けるような感覚が走るというのは、腰の影響だと思います。

 脊柱起立筋は硬いのですが、筋肉や骨の弱さも感じます。若くて丈夫な体には、骨格の矯正や筋肉の硬さをほぐすのが施術の主眼になりますが、高齢者の場合は、気持ちの良い刺激を全身にすることと、調整しすぎないようにすることを心がけています。

 指圧やマッサージの全身への刺激は、2日ほど体に何らかの影響を与えると考えています。

 骨格を矯正しすぎると脆くなった骨には危険であり、刺激のしすぎで体のバランスを崩すこともあると思っています。

 無理な姿勢も長くはとらせず、軽いストレッチで施術は終了し、お話の時間をできるだけとるようにします。

 亡くなった旦那さんのこと、民謡の大会で優勝したこと、お話を聞きながら、それが心を圧すことになるように、前向きな気持ちに盛り上がったタイミングで、送り出すようにします。

 送迎の方は、車で眠っていました。いつも長くなってすみません。

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2006年7月22日 (土)

ガリガリ君

 これも少し前のお話です。夜中の一時に電話が鳴りました。「…先生、たすけてください…」

 末期の癌患者だった高齢の彼女は、もうほとんどご飯が食べられませんでした。ひとりで暮らすお宅まで車を運転して向かいます。不安で、不安で、不安で、電話をかけてきたのです。

 病院でも、救急車でも、同じ町で暮らす家族でもなく、不安を伝えたかったのは私だったかと思うと、眠くても疲れていても、車で駆けつけることになります。

 家の中に入ると、彼女はニコッと笑って頭を深々とさげました。「先生は神様だ…」

 何度この言葉を聴いたことでしょう。何もできないのに。

 これ以上ないほど膨れ上がった大腿は、リンパを戻すことができなくなっている体の状態を示しています。睡眠薬を服んでも眠れないのに、グレープフルーツやペパーミントの香りを枕元に置いて指圧をすると、ウトウトと眠ります。体に触れていると、涙が込み上げてきました。

 指圧が終わると胃腸が動いて、「何を食べようかな、卵かけご飯かな、でもガリガリ君が一番美味しいな」と言います。もうこの頃は食べても吐いてしまい、アイスキャンディのガリガリ君のようなものが、微熱を持った体に受け入れられる数少ないものでした。

 「朝までいようか」と聞くと、「いいよ、先生が疲れちゃうよ」と言ってくれます。朝になるとヘルパーさんがやってきます。もしかしたらこれが最後になるかと思い、涙のスクリーン越しに前を見ながら、深夜の道を車で帰ったものです。

 何度も往療し、やがて彼女は亡くなりました。今でもガリガリ君を見ると思い出します。とても神様にはほど遠いけど、その気持ちを裏切れないと。

 『いつかもう少しましになるよ、頭を下げるのはこっちだよ。自分のようなものでも役に立つかもしれないと思えるようになった。感動させてもらった…』

思い出すと今でも涙がにじんで…。

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2006年7月21日 (金)

貯金箱の指圧

 それは、ずいぶん前のお話です。

 突然旦那様を亡くされて、二人のお子さんとの生活のために、スーパーの鮮魚売り場で働き始めた方が、冷えと疲労に耐え切れずに、始めて指圧にいらっしゃいました。

 電話で心配そうに料金を尋ねたそのお客様は、お子さんに話をして、お子さんの貯金箱を割ってもらってお金を用意してきたと話をされました。

 決して丈夫そうには見えない痩せた体は、冷えと疲労とストレスを何層にもまとっていました。

 初めて受けた指圧に、「どこを圧されても気持ちがいいです」「今何をしたのですか」と感激と質問を繰り返します。

 指圧をしながら『お金をいただくのはやめようか』と何度も思いました。そして大切な貯金箱を割って、お母さんに指圧のお金を差し出したお子さんの気持ちを考えました。

 『そのお金の重さに負けないだけのことをしよう。他で受けられる倍の施術をしよう。もしかしたら、もう二度と指圧に来る余裕などないかもしれない、それならば“指圧というものは信じられないくらい気持ちがよかった”と彼女の中で伝説になるくらいのことをしよう』と思いました。

 その日以来、そのお客様にお会いしません。あの時お金を受け取ることができたことが、私の本当の意味でのプロとしての始まりです。今でも皆さんによく言います。「伝説になりたいんだ。できるだけ一回の指圧で、一生健康でいてくれない?」

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2006年7月20日 (木)

ポイントの移動動作を速めると圧が強くなる

 マッサージ関連の仕事をする女性の悩みに、『もっと強く圧せ』と言われることがあります。

 特に、施術の経験も多少の自信もある場合は、職場を変えてマニュアルを教わる時に指摘されると、自分の技量を否定されたようで悩みも深刻です。

 圧を強めるには、体重をかける、圧の面積を広くする、圧の持続を長くするという三つの方法があります。指に力を入れるのは指を痛め、痛い刺激になるので論外です。

 女性は体格的には男性に及ばないことが多く、母指の指紋部や手掌自体の面積が狭いので、圧の持続を長くすることで強い刺激も出せるようにします。

 指圧点の移動の時、圧を抜いて次のポイントに移る間を0.5秒速くして、その分を圧の持続にまわします。本当にわずかな持続の増加なのですが、これが指圧点毎に増えると、総刺激量が増加し、印象としては丁寧で熟練した指圧を受けた感覚になります。

 アロマトリートメントの場合でも同様に、ポイントの移動時間をストロークの時間に移し変えると、同じ施術時間で総刺激量が増加します。

 気持ちが良ければ弱い圧でも、お客様は評価してくださいます。プライドなどは、人間の体を前にして通用しません。指摘されたことには一理あると受けとめてください。

 しかし、女性ならではの施術方法があり、自分ならではの施術方法があります。ステージに立てば今日から始めたという言い訳も、経験者であるというプライドもいりません。今の時点でのマイベストを尽くしてください。

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2006年7月19日 (水)

オーダーメードの施術

 クライアントが施術を受けようとした動機に答えるためには、臨機応変なオーダーメードの施術をすることになります。

 要求に対して答えるためには、いろいろな引き出しが必要です。

 数日前の蒸し暑いさから一転して、昨日は涼しい一日でした。胃弱のため、よく口角炎を作って指圧に来られる方がいます。2日前に予約をいただいたのですが、昨日は口角炎もなく、顔色は淡いピンク色に見えました。

 電話をいただいた日は、吐き気もあり頭痛もしたということですが、肩と背部の筋肉が硬いくらいで、胃経のツボに手応えはありません。

 暑気あたりだったのでしょうということで施術を終えて、虫除けの話になりました。ミントの葉を肌に擦り込めば虫除けになるかと聞かれたのですが、庭のミントを見る限り、随分と虫に喰われているので、それで虫除けになるかはわかりませんとお答えしました。

 アロマの講習会で知ったという、精油で作るアトピー性皮膚炎の軟膏の話にもなりました。

 結局、軟膏を作りたいので、材料を用意してくれということになり、精油と蜜蝋などを用意して、かかった実費でお分けすることになりました(精油の販売はしていませんので、頼まれたときには注文して取り寄せることになります)。

 そして、ペパーミントと精製水で作った虫除けスプレーと、葉に油分が多く虫がつかない庭のセージを、試しに持ち帰ってもらいました。

 指圧をして思ったより悪くなかった時、隠れた施術の動機と向かい合うことがあります。体の不調や心の不安を取り除くだけでなく、知的好奇心や物質的欲求に答える情報や手段を持つことも、オーダーメードな施術に含まれると思っています。

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2006年7月18日 (火)

ひどく間違っているオーラを発散している人

 お客様ではありますが、電話のコールから、ひどく間違ったオーラを発散している方がいます。

 休日の夜に外出先から帰って、留守電を解除してシャワーを浴びていると、電話がかかり、そのうち止んで必要ならかけ直すだろうと思っていたのですが、いつまでも鳴り止まない電話に、何事かとびしょぬれのまま電話に出ました。

 電話は、お客様から紹介された50代後半の女性からの翌日の予約でした。体の不調を伺ったのですが、特に施術の動機を汲み取ることはできませんでした。

 声の印象は、気が立っている、壁を持っている、という感じでした。

 翌日問診で、健康診断でコレステロールが高いことと、不整脈を指摘されたことがわかりました。病院に受診していないとのことでした。

 脈を診ると左手首の脈がとれないほど微弱で、30秒に一回脈がとびます。期外収縮です。頻脈でも徐脈でもありません。左の胸鎖乳突筋、僧帽筋、脊柱起立筋、上肢の筋肉が硬く、左の脈の弱さは動脈硬化や心臓の影響が十分に考えられます。また、体中がかゆく、皮膚科で軟膏と内服薬をもらっているとのことでした。

 姿勢も非常に悪く、猫背で右肩が下がり、仰臥では膝が曲がり、下肢がしっかりと伸びません。おまけに両足に外反母趾もあります。

 かゆみの強い皮膚炎なので、オイルは使わずに全身指圧をし、施術中はよく眠りました。左手首の脈は、はっきりととれるようになりましたが、30秒に一回脈がとびます。

 血行が促進されかゆみが増したようで、しきりに体を掻こうとします。皮膚科の薬を使っていないことや、できれば病院にかかりたくないことなど、『壁』が崩れて次々と内面に溜めてきたものが溢れ出してきます。

 混乱したまま開かれた心は、他人との付き合いが苦手であることや、転居が体に影響を与えたと祈祷師的な人から言われたことを気にしているなど、問題山積であることを露呈していきます。

 まず、不整脈について近所の診療所で診察してもらって、抗アレルギー薬は、次に起こるアレルギー発作を予防する薬だから毎日服んでもらって、健康食品に高いお金を出すよりも、低塩、低脂肪、青魚や緑黄色野菜を積極的に摂るなど食生活を見直してもらって、しっかりと大股で下肢を伸ばして歩いてもらって……。

 施術後は、喧嘩を覚悟で、体全体に触れて感じた事実を申し上げます。自分勝手な間違った判断をしていること、言い訳をして先延ばしにしてきたから、今の状態があるということ。

 指圧は、素直に聞く耳を持たせる効果を持っています。しかし、また難しい方を引き受けることになりました。

 

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2006年7月17日 (月)

ばね指のマッサージ

 ばね指は、腱鞘炎です。中高年の女性に多くみられ、手指の屈伸時に痛みがあり、ひどくなると、弾かれて戻る弾発現象が起こります。

 指の付け根の中手指節関節付近の靭帯性腱鞘が肥厚して、それを包む滑膜性腱鞘が炎症を起こします。

 鎮痛薬のボルタレンをゲル状にしたボルタレン・ゲルでマッサージをしたところ、腱鞘炎の症状が非常に緩和できたことがあります。この薬は医師の処方がないと手に入れることができませんので、病院への受診が必要です。

 また、必ずこの薬が処方されるわけではありません。しかし、よく処方されるモビラートなどの軟膏でも、患部と、患部の手背側、手掌側、指の付け根と、擦り込むようにマッサージをすれば、血行が促進され、症状の緩和につながります。(モビラートは肝臓から分泌され血行を促進する、ヘパリンの類似物質から作られています)。

 曲げにくい、伸ばしにくいという症状がある関節よりも手首側に、その動作を妨げているポイントがあります。曲げにくい場合は手掌の屈筋に、伸ばしにくい場合は、手背の伸筋に注目します。

 マッサージの誘導作用で炎症を緩和するには、そのまま、前腕、上腕と刺激をしていきます(もちろん、軟膏は痛みのある部分だけに塗ります)。

 指先にしびれがある場合は、患部から末梢へ向かう遠心性のマッサージも必要です。

 アロマオイルを使う場合は、セントジョーンズワートをスイートアーモンドオイルで浸出したキャリアオイル(生活の木にあります)に、スイートマジョラム、カモマイル、ペパーミント、などの鎮痛作用にすぐれた精油をブレンドして、マッサージをします(この場合は、手指だけでなく、上肢全体をオイルマッサージします)。

 むくみが強い場合はジュニパーを使ってもよいですし、キャリアオイルは使い慣れたものでもよいと思います。毎日患部と、むしろ患部より手首に近い部分にマッサージをすることで、症状が緩和されます。

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2006年7月16日 (日)

痛みが強い時のフェイクなタッチ

 ここ数日の蒸し暑さで、湯気が出るほど汗をかいて来ていただく方たちの筋肉は、普段より硬くなっています。

 体に触れると、体温が非常に高く感じられます。外の暑さと冷房の環境との出入りは、血管ストレスになっていると思われます。紫外線、高温、蒸し暑さ、発汗、冷房による急激な冷えなどの要因は、自律神経の調節を狂わせ、筋肉疲労を増長させます。

 ここ数日の肩こりをみていると、痛みが強いのが特徴です。湿度の高さが汗の蒸発を妨げ、血液循環を悪化させ、疲労物質を停滞させるのだと考えています。

 肩上部を圧して痛い時、同時に反対側の手で、同側の上腕を軽くつかんで手首を回転させます。筋肉というよりも、結合組織レベルで軽くつまんでひねるようにします。

 肩のタッチが痛みを避けられない場合、同じ神経上に気持ちのいいタッチを同時にすることで、痛みの感覚が緩和され、施術がしやすくなると思っています。

 基本的には、軽擦などの微弱なタッチから施術をして緩めていき、指圧も微圧、軽圧、快圧で施術をしていけばよいのですが、どうしても痛みを伴うタッチになってしまうと感じたら、フェイクなタッチを同時に使うと、マイルドな施術になります。

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2006年7月15日 (土)

頚椎に変形がある場合の施術

 側頚部に触れてみて頚椎が左右どちらかに突出している場合、肩上部の僧帽筋や鎖骨上窩の胸鎖乳突筋を指圧すると、体が浮くほど痛がることがあります。これを神経根症状とみてよいと思います。

 

 仮に頚椎の中央が左に突出する側屈の場合、頭部は左に回旋し、右肩が下がるケースが多いように思います。

 

 人間の体は対角線にバランスを取ることが多く、この場合は大体、左の腰、右足と重心を移していきます。つまり、左側頚部→右肩上部→左腰部→右下肢(特に外側)の筋肉が硬くなります。そして、重心のない左の下肢はむくみます。

 

 やっかいなのは、一ヶ所の脊柱の変形は、バランスを取るために数ヶ所の変形を生み出すということです。それぞれの重心を分散した部分に神経根症状が出ることもあります。

 

 風があたっても痛い時があるくらいなので、触れただけで痛がられることがあります。弱刺激から快刺激の間で施術をしていくのですが、神経の伝達による痛みの連鎖で、凍結したように硬くなった筋肉への適量刺激は難しく、圧が届かない感覚を受けることもしばしばです。

 

 実際に骨の形が変形している場合、それを治す方法はレーザーや外科手術しかありません。手技療法では、変形のある側に多く施術し、左右のバランスを矯正する意識が大切です。

完治するということにはなかなか結びつきませんが、そのまま放置をしておけばさらに状態が悪化することがあります。生活の質を向上させるために、施術後少しでも症状が緩和できていればよいと思います。そう自分に言い聞かせているのですが、無力感を感じてしまうこともあるのが、骨に変形がある場合の施術です。

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2006年7月14日 (金)

医療の枠からこぼれてしまっている方たちの受け皿として

医療難民と呼ばれ、痛みを抱えながら行き場のない人々がいます。不運にも納得できる治療に巡り会えないまま、いくつかの病院を転々として、なかば治療をあきらめてしまった人もいます。

部分の治療ではとれない痛みも、全身への手技で緩和できることがあります。指圧やマッサージを代替医療という側面から考えると、病院では治らない、接骨院にいくら通っても痛みがとれないという方たちと、じっくりと向き合う姿勢が必要だと思います。

施術を流さず、ひとつひとつのタッチに意味を持たせ、できるだけ多くのポイントにアプローチをし、疑問点には時間をかけてお答えするといった、タッチ&ストレッチ&トークによって、私程度の施術でも、痛みがとれた、歩けるようになった、という結果を出すことがあります。

緊張の糸を緩めることができれば、たくさんの困惑した人々を救えるのではないかと思います。

医療の見直しが行われ、保険が使えるリハビリ期間が短縮されます。私は、単に擦るだけではない、理論と心を兼ね備えたタッチングの力によって、緩和できる症状がたくさんあると思っています。

指圧やマッサージだけでなく、アロマトリートメントで体を緩める技術があれば、たくさんの人を助けることができるはずです。アロマセラピストの活躍の場として、ボランティアでもいい、保険の範囲では治せない痛みを緩めることができることを、どこかで考えていてほしいと思います。

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2006年7月13日 (木)

熱中症の注意

 気持ちの悪い蒸し暑さが続いて、頭が痛くなりました。これは軽い熱中症なのではないかと思います。

 

 指圧やマッサージをすると、体が熱を作り出していることを感じます。示指の先端や手掌の中心『労宮』から、“気”が送り出されるとも言われています。

 

 汗もかき、体力も気力も使い、皮膚の表面はアルカリ性に傾いて、そのままにしておくと免疫力が低下します。

 エアコンの空間から出ると、蒸し暑さは汗の蒸発を低下させ、体温調節機能は奪われて体に熱がこもります。これが頭痛の原因だと思います。

 

 指圧やマッサージは屋内の仕事ではありますが、こまめに水分と塩分の補給をする、体を拭く、シャワーを浴びる、下着を着替えるなど、蒸し暑さ対策をしないと深刻な熱中症になる危険性もあります。

 

 梅雨明けまで、後に回せる仕事は無理をせずに、体力の温存と、体に熱をこもらせないためのスキンケアが必要です。

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2006年7月11日 (火)

パニック障害の方の指圧

 昨日は、抗不安薬や選択的セロトニン再取込阻害薬などを服用中の、パニック障害の診断を受けた初老の男性に指圧をしました。

 問診で、このセロトニンを脳内に不足させないようにする薬がでてきた時点で、指圧の有効性を感じました。

 うつの傾向にある方には、指圧の施術後の幸福感を味わっていただきたいと思っています。この幸福感は、おそらく脳内のセロトニン量の増加によるものだと思います。

 頭がボーっとするという訴えがあるのですが、抗不安薬であるデパスは肩こりにも処方され、これらの薬の相乗効果で、緊張をとる=緩み過ぎていると感じました。

 パニック障害やうつになる方は、自分の仕事の完成度や達成感が落ちてきたことに悩むような、真面目で繊細な性格であることが多いように思います。

 数年の引きこもりのような生活から、大腿の筋肉は衰え気味で、上腕や下腿にはむくみがあります。この指圧を受けに来たのも、前から指圧に来てくださっている奥様の度々の勧めから、やっと腰を上げたということのようでした。

 いつも思います。指圧やマッサージの効果を左右するのは、受け手の感性です。ひとつひとつの関節や筋肉に油をさし、サビをとる全身指圧の爽快さや、あるべき長さに伸びたストレッチ後の体の正しさを感じてほしい。そして、会話を重視した施術をしていますので、カウンセリングというよりも、心身の気分転換になってほしいと思っています。

 施術後、薬を少し減らしたいとお医者様に話したことや、朝、奥様と歩き始めた35分のウォーキングを、もっと増やしたほうがいいかということを聞かれました。最近パニックの発作は起きていないということから、薬は徐々に減らせるのではないかと申し上げました。また、ウォーキングの時間は今のままにして、大股で歩くことで運動量を上げることをお勧めしました。

 人間の体にアプローチをして、より良くしたいと願うならば、良い点は肯定することが大切だと思います。

 苦しいばかりではない、自分の体には圧して気持ちのいい部分があると知ることは、ひとつの転機になります。歩き始めたこと、そして薬を減らしていければと思ったこと、それが大きな回復であると、拍手をする気持ちで肯定し、体全体を指圧した後は全てをありのままに見守る、それが私にできることです。

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2006年7月10日 (月)

This is a pain.

You have a pain.

When I touch your pain , I feel the pain and  the pain soul.

I want to take your ease.

I pray every morning , no pain and if everyone can , no die.

It's  my only silly pray ?

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2006年7月 9日 (日)

ニュートラルなタッチを磨く

 ジーコさんが「シュートはゴールへのパスだ」と語っていたそうです。それを言い換えれば、正確さこそがキックの命で、あとは距離とコースに応じて加減をするということになるのでしょう。

 シュートにも、力の強さより正確さのほうが大切であると、最高レベルのプレイヤーが辿り着いた境地には、納得できるような気がします。

 タッチングにおいても、自分の基本となるニュートラルなタッチを開発して、それの加減によって、すべてのクライアントに対応していくということが、最高の境地ではないかと思います。

 アロマトリートメントでは、軽擦が基本となるでしょう。自分の体調や体の歪みなどによって、毎日ニュートラルなタッチを微調整していく必要はあると思います。

 スタンスや姿勢、ベッドの高さも調整すべき日があると思います。筋肉に対しては起始から停止までを触れることが施術の効果を向上させます。解剖学の本は繰り返し見て、イメージを定着させるようにしておきたいものです。

 浪越の指圧では、基本圧法に体重のかけ方を変えて圧の強弱を加減しているので、この基本圧法の手指の構えやスタンスなどの姿勢を絶えず修練することになります。

 ニュートラルなタッチの感覚が、日々少しずつ進化していければいいと思います。プロフェッショナルの世界を追求していけば、単純化こそが王道ではないかと考えています。

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2006年7月 8日 (土)

体が語る物語を読む

 セラピストが挫折してししまう原因は、体調の問題や職場の人間関係や、深く人間の内面にかかわる仕事の内容から、自分の人間的未熟さを痛感してしまうことなどがあると思います。

 どれもたやすく超えられる問題ではないのですが、「自分の成長のためにもなるし、多くの人を幸せにすることができる」といったような初心を持って始めたのだとしたら、不満やプライドなどはしばらく括弧でくくっておいて、無心になって人間の体が語る物語を、手で、指で読み解いていくことです。

 厖大なストーリーが、皺に、傷に書き込まれ、笑いも涙も怒りも憎しみも、ぶつかりながら、へこみながら、体に刻み込んで生きる人間の宿命の物語を読むことができます。

 どんな小説より、どんな映画より、リアルで複雑な物語です。それを理解する力がなかったとしても、その物語を、手で、指で読むという作業を続けることで、自分の存在意義が生まれます。

 体につかまらせていただいて、この社会から落ちてしまわないアイデンティティを与えていただいているのです。

 同じ方の体であっても、絶えず細胞は生まれ変わり、同じ肩こりの物語であっても、常に新鮮なエピソードを添えて物語は展開されていきます。

 夢中になって体が語る物語を読んでいると、時間の感覚を忘れ、大きな命の中に包み込まれているように感じます。

 不思議に思う、知りたいと思う、何かできることはないかと心が動く、そんなふうに感じたら、手で、指で、大事に大事に、体が語る物語を読み解いていくだけでいいと思います。

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2006年7月 7日 (金)

セラピストの呼吸

 ストレッチは、血圧を上げて筋肉を緊張させないために、息を吐きながら行います。

 そのことからも、セラピストが軽擦のストロークの時に息を止めていると、血圧が上がり筋肉が緊張して、当たりのきつい刺激になってしまいます

 施術の時のセラピストの呼吸は、被術者の呼吸を支配すると言ってもいいと思います。ストロークを押し出していく時に息を吐いて、戻る時に息を吸います。

 簡単なことなのですが、私も教わった覚えがなく、このことに気づかなければ施術全体が緊張したものになってしまうという、重要なポイントです。

 一時間から、長い施術では二時間の間セラピストは動き続けるのですから、これが意識した有酸素運動でない場合は、とても疲れることになります。

 もちろん緊張したタッチを受け続ければ、被術者も大変不快な時間を過ごすことになって、リラックスなどできません。

 施術の始まりの儀式のようなホールディングが、調子合わせと訳されているのは、体温を伝え、血流を伝え、呼吸を伝えて、セラピストと受け手が一体化することにあると思います。

 伏臥位での背中の浮き沈みを見て、被術者の呼吸に合わせることから始めても良いと思います。しかし、呼吸のリズムが同調してきたなら、セラピストがより深い呼吸をすることで、被術者の呼吸に働きかけていくべきです。

 深く大きく息を吐かせ続けることができれば、それはひとつのデトックスです。カウンセリングを謳うまでもなく、本音の溜息がでるほど深く息を吐いてもらう時間をつくれるかどうかは、セラピストの呼吸が握っています。

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2006年7月 6日 (木)

左右のバランスが違うときの骨格矯正

 O脚の場合、どちらかの膝がより外側に向いていることがよくあります。

 こういったケースでは、より変形しているほうの下肢への圧刺激を強くするのでなく、左右とも同じ圧で、刺激する回数を増やすようにしています。

 O脚では、大腿外側の大腿筋膜張筋と下腿外側の前脛骨筋が緊張し、大腿内側の内転筋群の筋力が衰えているケースが多いので、まずここに注目します。

 より開いている下肢の外側に少し回数を多く指圧やオイルマッサージなどの施術をします。

 その後、下肢伸展、足関節背屈内反で第一指が向き合うように両手で押し込み、股関節を内旋させて骨盤が揺れるように左右に微振動をかけます。

 さらに、膝を曲げて股関節の内旋・外旋運動などをしていくのですが、このようなストレッチも、より開きの大きい側に回数を多くするようにします。

 左右のバランスをとる場合は、麻痺があるなどの側が大きく変形しやすいので、神経促進の刺激は快刺激であることを頭に入れて、強い刺激にならないようにし、施術の回数で左右のバランスをとるようにしています。

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2006年7月 5日 (水)

逆転の発想をする

 「背は腹から」施術をする考えが、東洋医学には流れています。

 傷んだ部位をいじるよりも、離れた部位を刺激して、誘導作用によって、あるいは同じ神経を刺激することによって、症状を改善することが、ツボ刺激の考え方でもあります。

 この遠隔操作ということが、必ず心臓に還る血流にはとても重要で、第2の心臓とよばれる下肢の施術によって、肩こりが解消していく様は、たびたび経験しています。

 実際、大腰筋は背側から触れることができないので、施術をする場合は、腹側からの手技も必要になってきます。

 寝たきりの方の体を起こす場合、自分の体幹と上肢を固定できれば、背中に上肢を差し込んで、自分の体重を斜め後ろ側に落とし込むことによって、井戸のつるべ方式で、寝ている体を起こすことができます。

 柔道でも、前に投げる時には、相手の体重を後ろに崩し、倒れまいと前に抵抗する力を利用して、投げるのです。

 むくんだ体も、水を飲むことによって体液が薄められ、体が塩分濃度を一定に保とうとする働きによって、むくみが尿に生成され、排出されます(腎臓や心臓の病気にかかっている場合は、塩分を控えることのほうが優先されます)。

 力学的な視点があれば、手技療法に逆転の発想が必要なことがわかります。すごく硬い背筋には、まず腹筋を緩めたり、棘筋などの脊柱にごく近い細かい筋肉にアプローチしてみると、困難な状況が打開できる場合があります。

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2006年7月 4日 (火)

とても太った方への施術

 肥満にも、実証と虚証があります。デットクスが流行ですが、虚証の肥満に過激なデットクスを行えば、必ずトラブルにつながるのではないかと、最近の傾向を危惧しています。

 実証と虚証の簡単な見分け方は、元気があるかということです。声が大きく、顔色も良く、活発な生活をしている場合は実証、その反対なら虚証と診ればよいでしょう。

 肥満の方は睡眠障害を持っている場合が多く、睡眠時無呼吸症の診断を受けている方もいますので、問診時に注意が必要です。

 また、服薬の有無は必ず確認すべきで、高血圧や心臓疾患がある場合には、伏臥位をとらせないほうが良い場合がありますし、伏臥位がとりにくければバストマットやサポートタオルが必要になります。

 実証でも虚証でも肥満の方は、施術中にいびきをかいて眠ってしまう場合が多いので、呼吸の停止がないか気をつけておくことも大切です。

 指圧の場合、確かな技術があれば、体重によって施術に影響がでることはほとんどありません。垂直圧というのは、体積の影響をあまり受けないからです。

 アロマトリートメントの場合は、表面積に対して施術をしなければいけないので、同じ時間の施術では、やせた方のほうが肥満の方よりは施術がしやすいと言えるでしょう。しかしそれは、全身施術の場合、やせた方よりも肥満の方に大きな刺激を与えることになるということを、セラピストは頭に入れておくべきです。(私はアロマトリートメントでも、太った方の施術が特別に負担になるようでは、セラピストの工夫が足りないと思っています)。

  虚証の肥満の場合、あまりにもデットクス的な手技を重ねると疲労させてしまい、起き上がれなくなることがあります。執拗に腹部を絞り上げるような手技は、体に負担になるのです。

  虚証の肥満の方は、マニュアルの施術を受けても、自分の老廃物が体中から集まってきて処理をする際に、大変なだるさを感じる場合が多いようです。

  過激なデットクスは、やせていても太っていても体に負担になります。ひとつの命を診る姿勢がぶれなければ、やせた方に対しても、太った方に対しても、自分が疲れない施術、そして受け手を疲れさせない施術ができるようになるはずです。

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2006年7月 3日 (月)

広範囲をカバーする施術

 手技による刺激量を大きくしようとする場合に、どうしても強い刺激にしてしまいがちですが、弱い刺激でも時間を長くすれば刺激量は増大します。

 そして、忘れてしまいがちなのが、刺激をする面積を広げれば、刺激量は大きくなるということです。

 しっかりと皮膚の表面に密着させて、できるだけ広範囲をカバーする施術をすれば、弱い刺激であっても、総体的に刺激量は増大します。

 例えば肩甲骨を伏臥位で施術する場合でも、肩をベッドから浮かして、肩甲骨を高くしてその周囲を軽擦、押圧すれば、皮膚の表面積が広がるので、全身施術の総刺激量は、肩をベッドにつけたままの施術よりも増加します。

 耳、胸骨、腋窩、指間といった部位が施術のマニュアルにはなかったとしても、十分に施術をする意味を持つ部位ですし、見逃してしまいがちですが、気持ちのいい部位でもあります。

 同じところを繰り返し施術をすることでも刺激量は大きくなりますが、サービス精神と個性をだしたいなら、まず自分の体に触れて研究してみることです。

 ボディメンテナンスという面からは、一箇所でも多くのパーツを磨いたほうが、施術の質が上がると思います。

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2006年7月 2日 (日)

制汗のアロマテラピー

 制汗作用があるとされている精油に、サイプレスやクラリセージがあります。どちらも鎮静作用の強い精油で、ホルモン調節作用もあるとされています。

 発汗は交感神経の作用によって促進されるので、緊張を緩和する鎮静作用のある精油には、制汗作用があるとも考えられます。しかし、ジュニパーやフェンネルなどのむくみをとる精油には、利尿作用とともに発汗作用があるので、よく考えて使う必要があります。

 第6胸髄より上位の脊髄損傷では、自律神経過剰反射が起きやすいとされています。発汗を抑えるための手技は、頚から肩甲骨までの脊柱周辺の施術を重視するとよいでしょう。

 月経前緊張症や更年期障害による発汗には、女性ホルモン様の働きをするクラリセージが効果的だと思います。

 市販の制汗剤で効果がない場合は、精神性発汗を抑える必要があり、自分のリラックスできる香りの精油を見つけることや、頚から背部のストレッチは、汗を抑える効果があると思います。

 そして、リラックスできる背部のアロマトリートメントや緊張をほぐす指圧、マッサージは、体液の循環を正常化し、過剰な発汗を抑えることができます。

 

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2006年7月 1日 (土)

仕事に選ばれた人

 仕事を選ぶのは大変なことです。選んだ仕事であっても、仕事に選ばれるたと思える人は、ごくわずかだと思います。

 続けていくうちに、自分の存在を必要とする人が増えてくれば、まるで仕事に選ばれたかのように、やりがいを感じて働くことができます。

 そして何度も困難に出会い、打ちのめされ、這い上がり、それでもその仕事に時間を忘れて没頭している自分に気づいたら、仕事に選ばれたのかもしれません。

 手技療法は、評価してくださる方がいて、始めて存在意義を持つ仕事です。経済活動としては、見合わないと思ったほうがよいでしょう(豊胸手術をする女性医師の時給換算を聞いてびっくりしました。指圧もマッサージも、全身の施術後は、最もソフトで効果的な豊胸になると思っています)。

 自分の感覚で「気持ちのいいタッチ」を続けていくことです。「気持ちのいいタッチ」が自分を幸せにしてくれるように、周りを幸せにできることを信じて続けていけたら、この大変な仕事に選ばれた人になれます。

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