« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月31日 (木)

背中の反り過ぎた折込広告

 今日の新聞に、背筋をきれいに見せるという下着の折込広告が入っていたのですが、明らかに背中が反り過ぎた腰痛姿勢です。

 強調したいのでしょうが、おなかを突き出して背中を反らせると、腰椎の前弯が増強して腰に負担がかかります。その不自然さを校正の段階でチェックできなかったのでしょうか。

 常々ストレスは背中に現れると感じています。朝一番に健康への意識の希薄さが感じられてしまうストレス満々な写真を見てしまうとは残念なことです。

 きれいな背中であるためには、おなかを突き出すのではなく、腹筋に力を入れて腹圧をかけなければなりません。また、頭が肩の上にあって天を指し、乳頭線上の胸骨を突き出す必要があります。

 背中は内臓の働きが反映されるということもあり、きれいな背中であるためには、肝機能や腎機能、呼吸器系、消化器系、循環器系、生殖器系など様々な要素が健康でなければなりません。

 残念ながら筋肉のガードルに優る補正下着はありません。もう少し正しい姿勢の写真に差し替えないと、売れ行きにも影響するかと思うのですが。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年8月30日 (水)

坐骨神経領域の腰痛

 仰臥位で下肢を伸展挙上し、痛みがあれば30°~60°に下げて足関節を背屈し、痛みの再現があれば第4腰椎から第3仙椎までの坐骨神経の神経根の挟み込みを疑います。これをSLR(Strait Leg Rising Test = 下肢伸展挙上テスト)といいます。

 坐骨神経領域の腰痛は、筋肉や靭帯を原因とするいわゆる腰痛症の他に、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、変形性脊椎症などがあり、骨粗鬆症による圧迫骨折や悪性腫瘍、その他の内臓の病気である場合もあります。

 指圧師、マッサージ師は診断をしてはいけないのですが、施術の方針を決めるためには鑑別が必要です。

 坐骨神経領域の腰痛まではわかります。施術を通してある程度確信が持てればいいのですが、そうでない場合は後で調べることになります。

 年齢や仕事、姿勢や圧痛点など、医学書などを参考に頭の中で二転三転答えが変わることもあります。

 これを書きながら、昨日の腰痛の方の、坐骨神経領域の痛みでありながら、前屈の制限があるのはどういうことかとずっと考えていたのですが、やはり、疲労による筋肉や靭帯の放散痛という最初の印象でよいと考えがまとまりました。

 こんなことをほとんど一晩考えてしまうというのは、やはり体をまかせていただくことを重く受け止めないわけにはいかないからだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月29日 (火)

とれないコリは残す

 姿勢の悪さや長時間の作業の繰り返しでできた筋肉の硬結は、毎日硬さを増強しているようなもので、通常の手順で指圧、マッサージをしても完全に筋肉が緩むということはありません。

 楽になると勘違いして、自分で強く圧してコリ固めている方も多いものです。そんな方のリクエスト通りに強く圧してしまうと、その時の痛み止めにはなりますが、結果として筋肉疲労を増強してしまいます。

 圧刺激が痛みの刺激の伝達を止めることを“ゲート・コントロール”と言います。痛覚の神経線維は細く、触圧覚の神経線維は太いため、痛みのある部分を圧すと、その部分を「圧されている感覚」が優位に脊髄に届き、痛覚を伝える入口が閉ざされて、触圧刺激だけを脳が感知することになります。

 強圧刺激は脳に痛みが止まった感覚を与えるだけで、筋肉の血流を堰き止め、筋線維を押し潰すので炎症を起こし、筋肉が硬くなります。

 血管を拡張し、血流を改善して、何層にも積み重なった老廃物を排出するためには、“快刺激”を筋肉の走行に沿って繰り返すしかありません。

 そして、癒着した軟部組織を引き離すためには、牽引の方向にストレッチをする必要があります。

 通常より時間をかけてとれないコリは残して終わるしかないのです。こねくりまわして妙な粘土細工のような筋肉にしてしまうよりは、毎日のストレッチと姿勢の改善について、セラピストとしての全知識を絞り出してじっくりとお話をするべきです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月28日 (月)

筋肉疲労をとる工夫

 庭の手入れやゴミの片付けを始め、慣れない運動やロングドライブをすると、体の思わぬ筋肉に痛みを感じることがあります。

 クールダウンのストレッチやウォーキング、そしてアイシングができればいいのですが、体全体に疲労があると、すぐに休みたくなり翌日、体のあちらこちらに筋肉痛を抱えることになります。

 予防法としては、スポーツドリンクなどの吸収のよい水分をこまめに補給しておく必要があります。特にレモンや梅干などのクエン酸を一緒とると、エネルギーの供給が促進され、疲労を溜めにくくなります。

 筋肉の疲れを感じて体がほてっているようなら、冷水のシャワーを筋肉の走行に沿って体全体にかけることがマッサージにもなって効果的です。

 次に、体を洗うときに、石鹸の泡で体全体を手掌軽擦し、特に痛みを感じる筋肉には母指強擦をしておくと、乳酸などの老廃物が排出されやすくなります。入浴は、ぬるめのお湯でみぞおちまでの半身浴をします。

 入浴後は水分を十分補給し、果実酢などを20%くらいに割った水を飲むと、疲労回復効果があります。

 肩と腰のストレッチはしておいたほうがいいと思います。バスタオルなどの両端を持って、上肢の前方挙上から、肩関節を回転させて腕を頭上通過させ、腰の両側まで落とします。体の硬い人でも上肢の間隔を広くとればできると思いますので、これを数回繰り返します。

 腰は仰向けに寝て、両脇に膝を抱え込むストレッチ(腰椎前弯の解消)や、片方の膝を曲げて反対側にひねる骨盤回旋のストレッチを行います。また、片側の大腿の後ろで両手を組んで、下肢の振り子運動によって体を起き上がらせる運動をしておくと、大腰筋などのインナーマッスルに効果があります。

 疲れはツールの問題もあります。たまにしか使わない草刈の鎌や日曜大工のノコギリが切れにくいものだと大変な体の負担になります。また、車はスポーツタイプの低い着座姿勢より、ワンボックスタイプのほうが体の負担は少なくなります。

 関越自動車道で、ものすごいチョッパーのバイクを見ました。両手を頭の高さに上げて走り去りましたが、笑わそうとしているのか、肩こりと腰痛を作る実験なのか、きっとバイクを降りたらあの手の形のまま歩くことになると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月27日 (日)

肩こりがない人

 肩こりになったことがないという人が時々います。しかし、肩を触ってみると筋肉が硬いということもあります。正確には、肩に苦痛を感じたことがないということだと思います。

 肩こりを感じたことがない人の特徴は、肩幅が広く肩の筋肉が発達しています。これに頚が短いという条件が加われば、頭の重さによる肩こりにはなりにくくなります。

 逆に、なで肩で筋力が弱く頚が長い体型では肩こりになりやすくなります。指圧やマッサージで肩こりを緩めても、パソコンやデスクワークですぐに肩がこってしまいます。

 肩こりにならないためには、頚と肩の周囲の筋力を鍛えることはもちろんですが、体全体の筋力を鍛える必要があります。痩せ型で肩がこりやすい人は、胃下垂である場合が多く、腹圧が弱いために内臓全体が下垂し、猫背姿勢になっています。

 筋肉は簡単に太くなるものではないので、同じ姿勢を続けないようにして、こまめにストレッチをしながら、食生活も改善していかなければなりません。胃下垂ではたくさん食べても吸収が不十分で、体に栄養を蓄えることができなくなっています。

 肩こりを感じない人は筋力があり、筋肉が疲労して硬くなっても体に余裕があるのです。体質は性格にも現れることが多く、筋肉質である人は、性格的にもタフな人が多いと思います。

 肩こりになりやすい人は痩せていてスタイルも良く、繊細な心を持っていることが多いのですが、筋肉を蓄えていくことができれば、もっと活動的で打たれ強くなって、人間的にも成長でき、何よりも生きることが楽になると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月26日 (土)

余命の告知はいらないのでは

 終わっていく命に対して、懸命に働く人たちがいます。命がある間は、少しでも苦しくないようにと、自分の体を削るように働いています。

 昨夜、芸能人の余命を宣告するテレビ番組を見ました。バラエティ化して、余命を放送してしまうことは、不遜な事であるし、『余命の告知』を世論が肯定しているかのように錯覚させてしまうものです。

 そもそも、余命などはっきりとはわからないし、命の終末が近づけばわかるものです。病人という弱者に更なる不安を与える必要はないのではないかと思います。

 もちろん、様々な理由で余命を知りたい方には見通しを告げればいいと思います。

 指圧やマッサージのように、施術とは、ある一定の効果が認められる手技を行えばよく、その際にあと何日の命であるのかは関係がないことです。

 終末期を迎えた病人の少しでも楽になりたいという気持ちを、私はいつも感じました。

 災害や事故で、次の瞬間に終わってしまうかもしれない命を誰もが抱えているのです。命のある限り“よく生きる事”こそ大切で、先入観のために努力目標を失ってしまう可能性のある余命を知る必要はないのではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月25日 (金)

炭酸水素塩化物泉を使ったマッサージ

 先日、涼しい露天の温泉に入りたくて、軽井沢に行ってきました。その日は軽井沢も蒸し暑く、源泉かけ流しのトンボの湯でも、思ったほどの清涼感はありませんでした。

 トンボの湯は、“美肌の湯”とされる炭酸水素塩化物泉で、マッサージオイルに代われそうなスベスベ感があります。飲泉もあり、マスコミでもよく取り上げられているのですが、サウナに臭いがこもっていたり、水風呂が冷た過ぎたり、管理が行き届いていない感じを受けました。

 ごく近くに同じ炭酸水素塩化物泉の千ヶ滝温泉があり、こちらのほうが古く、温泉成分は薄い感じなのですが、設備や管理などを含めた評価では決して劣らず、穴場感があります。

 せっかくの温泉なのですが、男風呂に限っていえば、効果的な入浴法をしているようにも思えず、温泉を肌に浸透させるようなマッサージがあればいいのにと思います。

 マッサージベッドの高さの浅い浴槽を作って、軽擦を中心に短時間の全身マッサージを行えば、疲労回復効果と美肌効果が得られます。温泉成分を肌に浸透させる目的であれば、マッサージの資格はなくてもできると思いますし、マッサージやトリートメントとは別の物として割り切ってしまってもいいと思います。

 露天にゆったりと浸かって、高原の空気を吸い込みながらセルフマッサージをしてくる自分には効果抜群なだけに、シチュエイションに頼っているだけでは都会の温泉に負けてしまうと、勝手な心配をしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月24日 (木)

心を体に戻す

 “心ここにあらず”、“心にポッカリと穴が開く”、“心残り”、“浮ついた心”、どうやら心は体から離れてしまうことがあるようです。

 どこかに置いてきてしまった心は、その分少し小さくはなりますが、今現在の自分を認めることができれば、ポッカリと開いた穴を埋めることができるでしょう。

 幽体離脱のように体から離れてしまった心は、ピーターパンが探した影のように、縫いつけてくれるウエンディのような人が必要です。

 体に触れていくと、不安定な心は腹部大動脈の拍動に現れます。脳の前頭前野に形成される心と、体から離れてしまう“魂である心”は違うもののように思います。

 人間の“魂である心”は、肉体を超越し、時としてストレスによる痛みを持った体から、“命の根源を生き永らえさせるために”離れてしまっているように思います。

 指圧やマッサージは“魂である心”を体に縫い付ける針仕事のようなものです。痛みが消えれば“命の泉が湧き”心の隙間が埋まるのです。“母心”とはよく言ったものだと思います。酸素カプセルにはできないことだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月23日 (水)

スタンプ圧しではいけない

 “スタンプ圧しはいけない”と教えられました。会社の書類に決済の印をいくつも圧していくようなやり方です。

 ポン、ポン、ポンと母指で衝撃的に圧しても、それはへたくそな肩叩きにも劣ります。

 叩打法であれば、体と手が密着する時間をできるだけ短くして、当たった瞬間に上に戻す意識が大切であり、指圧であれば、体と母指が密着する時間を持続させて、深部に到達させる意識が大切になります。

 スタンプ圧しは圧が安定しないため、皮膚や筋肉をねじることになり、揉み返しの原因になります。

 伏臥位で肩上部僧帽筋を圧す場合、皮膚の表面に母指の指紋部を密着させて垂直に圧すと、第7胸椎に向けて圧すことになります。左肩なら胃に、右肩なら肝臓に到達する意識を持つことになります。

 ツボ圧しが雑誌やテレビで紹介され、その通りにやっても効果がないという人は、安定した持続が足りないのだと思います。

 ツボ自体正確に捉えていない場合も多いと思うのですが、生理的な反応は多少ツボからずれても起こります。

 指圧の垂直圧は実際にはかなり難しい技術です。しかし、手掌圧なら誰にでもできると思います。ツボを中心に少し長い時間浸透するまで手を当てていると、体の奥から反応が起こってきます。

 じっと待つこと、少ししか変化しないことは物足りなく思って力で圧したり、すぐに位置を変えてしまいがちですが、続けていくとそれがスタンプ圧しよりも体に効果的なテクニックであることがわかるはずです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月22日 (火)

検査のタッチを持つこと

 問診をし、姿勢を診て、あきらかに異常を感じた場合、皮膚の表面に手を当てて深部に浸透するのを待つような“検査のタッチ”を自分のものにする必要があります。

 変形性の頚椎症で、頚の後屈が制限され、猫背になり、肩より頚が前にある場合、背側から頚椎の変形した骨が神経を圧迫していると考えられます。

 伏臥位で、後頚部から強く圧しこむ圧迫や強擦などの手技は、ギックリ腰のときのように、頚・肩から腕神経叢を介して上肢までを固まらせてしまうことがあります。

 施術者の手・効果器と被術者の体・受容器は別の神経によって支配されているのです。一方的に自信神満々な刺激をしてしまうと危険を伴うことがあります。臆病なタッチ、微弱なタッチを磨き、そこから徐々に刺激を強くしていくということを、いつも実践していくのが無理のない施術です。

 骨の変形によって常に神経が刺激されやすい状態では、神経を刺激しないために猫背にならざるをえないということもあります。

 常に筋肉を硬く緊張させて痛みを避けているとしたら、施術者が自分の思うように緩めることができないことのほうが多いと思います。

 そこは“あきらめること”を学ばなければなりません。施術者の満足感を満たすために施術をするのではありません。求めて此処に来てくださった方に自分は何を提供できるかということです。

 痛みを抱えた方は、真剣に体と向かい合った時間を、必ず評価してくださいます。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月21日 (月)

東洋医学からみた蒸し暑さと体

 東洋医学では“湿邪は脾胃を犯す”とされています。水は下に流れる性質があるので、湿気によって下肢のむくみやだるさ、下痢などの症状が現れやすくなります。

 汗を吸収しにくい化学繊維のストッキングも湿邪の原因になります。

 湿邪は水分を停滞させ脾胃の消化吸収能力を妨げるので、蒸し暑い環境で食がすすまないのは無理のないことです。

 東洋医学での“脾”の概念は、現代医学の胃と小腸に指令を送るようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。中身の詰まった実質臓器の“臓”と、管である“腑”をペアにして考えるのが東洋医学の考え方です。

 小腸に集合リンパ節があり、脾臓もリンパ組織であることから、昔は小腸と脾臓の仕事を混同していたのかもしれません。しかし、現代のように解剖学的、生理学的研究が十分でなかった時代に、共通点をみつけていたのだとしたら凄いことです。

 臍の上一寸(親指の幅)正中線上に“水分”というツボがあります。横行結腸がそこまで下がっている場合もあるでしょうし、小腸のある部位ですが、大静脈を圧すつもりで指圧をすると、水分の停滞を緩和することができるはずです。

 また、回腸下部に集合リンパ節が多いということから、恥骨側から臍に向かう下腹部のマッサージも、水分の停滞を緩和します。

 湿気だけでなく、熱さで熱がこもり、汗をかき、脱力感を覚える毎日です。東洋医学からみると、除湿は消化の働きを助けます。適度なエアコンの使用は、体力の衰えた体には、癒しになります。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月20日 (日)

不整脈が治っている!

 一ヶ月ほど前に初めて指圧をした方が、再び指圧にいらっしゃいました。どことなく落ち着いたような印象を感じながら脈を診たところ、確かに不規則に跳んでいたはずの不整脈がありません。

 勧めたのですが、病院の受診もしていないし、ウォーキングも続かなかったということです。

 とりあえず、全身指圧をすることにします。肩上部と背部には筋肉の硬さがありますが、左鎖骨周囲の硬さは前回ほどではありません。

 「肩がこって、10分ほどのマッサージを何回か受けた」ということです。何のことはない、マッサージを受けた部分が硬くなっているのです。

 どうやら鈴木指圧院は何か特別なことをするところで、肩こりはマッサージ屋さんにいくのだと思ってしまっているようです。(肩こりこそ、ココに来なさい!)

 気候のせいもあって、血管は拡張し、多くの筋肉は緩んでいて、まだ私が施術した感じが残っています。時々、前に緩めた筋肉の感触が残っていて、自分の署名入りであるように感じられることがあります。

 心地よさそうな寝息とともに一時間で施術が終わりました。体が悪くないのです。余計なことをする必要はありません。

 また脈を診ましたが、脈は跳びません。施術中も脈を診ましたが、異常はありませんでした。

 こういうこともあるのだなぁと思います。不規則な脈の拍動が作り出した不安定な精神状態が、体のバランスの調整によって緩和され、また脈の安定を促していく。

 もちろん私の指圧など、きっかけに過ぎません。方向性を示しただけです。人間の体の恒常性を保とうとする力が素晴らしいのです。

 指導者の能力として注目されている“コーチング”という言葉や、枯れ井戸の水を復活させるための“誘い水”という言葉が頭に浮かんできました。

 こういうこともあるのだなぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月19日 (土)

“関元”-腹部の隙間を圧す-

 セラピストが目指す肉体的な成果は、筋肉を緩め、骨の間隔を拡げて、体の各所に隙間を作り、可動性や巧緻性を高めることだと思います。

 人間が重力により体を圧縮されていることは、地球に帰還した宇宙飛行士の身長が伸びているという報告からもわかります。

 女性の腹部にはダグラス窩(直腸子宮窩)という隙間があり、ほぼその上端が“関元”というツボになります。男性では“関元”の位置は直腸膀胱窩上部になります。

 腹式呼吸で最終的に一番へこむあたりを“関元”と思っても良いでしょう。腹圧がかかると、この隙間によってさらに内圧が高まり、生殖器、消化器、動脈、静脈、門脈などに影響を与えることができます。

 “関元”の高さに位置するのが、男性では精管、女性では卵管ということから、人間の生物としての重要な役割が何であるかを考えさせられます。

 実際には上から圧しても、皮膚や脂肪や筋肉や小腸で隙間を感じることはできません。大切なのは、この隙間に到達する持続的な刺激をすることです。

 顔面の副鼻腔でもそうですが、体にある隙間は、万が一のために膿をためる防御的な働きもします。

 健康の源とされる“関元”に命のための空間を作ることも、セラピストの仕事の成果になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月18日 (金)

モーツァルトではマッサージがしづらい

 癒し効果が注目を浴びているモーツァルトの楽曲ですが、指圧やマッサージのBGMとしては、とても施術がしづらいのです。

 浅薄な私の感想なのですが、モーツァルトの楽曲は、急に音量が減弱することによって聴こうとする意識が惹きつけられ、巧みな音の強弱と、高頻度のリズムの変化によって、聴覚からの刺激によりマッサージを受けているような効果があると思います。

 主題のメロディーに戻っても、少し和音を変えてみるなど、作曲家としての技巧がふんだんに盛り込まれ、創作の力量だけでなく職人としての力量も見せつけられることになります。

 モーツァルトの楽曲は一定のリズムで流れることがなく、注意を惹きつけるための技巧が盛り込まれているので、指圧やマッサージのBGMとして流すと、ハッとして手が止まってしまい、もうひとりに別のリズムでマッサージをされているようで、とてもやりにくいことになってしまいます。

 私の指圧・マッサージのBGMは、ぼんやりと考える余地を残す、変化に富まない音楽が最適です。できれば歌のない、歌えないような知らないメロディーがいいと思っています。

 私の施術に、アロマオイルと音楽は欠かせません。精油と音楽の力をかりて成り立っていると思っています。もちろん、そのBGMに使いにくいからといってモーツァルトの楽曲の癒し効果を否定する訳ではありません。

 森の中の木漏れ日のカフェのテラスで、酸味と苦味のバランスの良い珈琲を味わう時に、流れてくる音楽がモーツァルトなら素敵です。

 インターネットで調べると、モーツァルトを施術のBGMに使っている方もかなりいらっしゃるようです。どちらかというと、リフレクソロジーであったり、鍼灸のような、部分の施術をする所に多いようにも思いました。

 だから少数意見かもしれませんが、全身をセラピストがリズム感を持って施術する時に、モーツァルトではやりにくいという人は私だけではないと思います。モーツァルトはきっと、音楽でマッサージをしようと思っているので、私のタッチとバッティングしてしまうのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月17日 (木)

心が折れてしまっても

 順風満帆な人生など、たぶん誰にもなく、容赦ない一言の上に砂までかけられるような思いをすることだってあります。

 心にも体にも痛みなど無いほうがいい。でも痛みを辛く受けとめたなら、周りに痛みを与えないようにしようとすることはできます。

 心が折れてしまったことがないと気づかない思いやりだってあります。

 たぶん心は透明だから、何度折れてもくっついて、前よりも大きなあなたの心になります。

 必死に立ち上がって走り回るあなたは、とても勇気があって素晴らしいのですが、大きな敵と闘っているようにも見えてしまうのです。

 時間は意外にゆっくりと進めることができるのです。構えずに笑うあなたのほうが素敵です。

 あせる気持ちにもなると思いますが、時の魔法が必要なら、一度此処へいらっしゃい。ありのままのあなたを認めることができるようになるはずです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月16日 (水)

頚と肩のこりを緩めることで軽快した喘息

 長年肩こりと喘息に悩んでいる方に、一週間おきに指圧をしたところ、頚の右側屈が改善されるにつれて肩こりが緩和され、喘息の発作がおきなくなりました。

 前頚部の胸鎖乳突筋と後頚部から肩上部と背部に位置する僧帽筋は副神経支配で、迷走神経とともに、頚動脈に沿って分布します。迷走神経は気管を含む胸腹部の内臓を支配し、副交感神経なので緊張が緩和されたときに活動が活発になります。

 頚部と肩上部、背部の筋肉を緩めることは、副神経とともに迷走神経を刺激して、胸腹部の内臓の働きを活性化します。前頚部から指圧を始めると、次第に喉の奥に詰まった痰が切れてくることから、気管の運動が活発になっていくのがわかります。

 頚の側屈を矯正し、背部のこりをやわらげて胸が張れるようになると、肺が拡張し、気道と気管が拡張されることになります。

 骨盤内臓は仙骨神経が支配し、仙腸関節の矯正は手技療法でよく注目されていますが、前頚部から胸腹部の迷走神経についても、もっと意識をした施術をする必要があります。

 アロマトリートメントでデコルテ(前胸部)と腹部を施術する意味を、筋肉だけのものとしてしか意識していないとしたら、大変残念なことです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月15日 (火)

氷枕の世界

 病室では、検温で熱があると看護婦さんが氷枕を持ってきてくれます。長く患った頭に氷があたって痛くはないだろうかといつも思いました。病室は氷枕の世界です。

 病人は指圧をするとむくみが楽になってトイレへ行けるというので、毎朝指圧に通いました。その時間は医師団の回診があり、私が指圧をしていると、遠くから医師が病人に声をかけました。

 

 病人は「おかげさまで、日に日に薄紙をはがすように楽になっています」と答えました。一瞬、誰もの頭に“そんなはずはない”というスピーチバルーンが浮かび、曖昧な作り笑いを残して、医師達は次の病室へ移っていきました。

 医師達に私の姿は奇異に映ったことでしょう。インチキ霊能者か偏屈な民間療法を行う詐欺師のように思われていたかもしれません。でも確かに、病人は“日に日に楽になっている”ように感じていたと思います。

 自分が喪失感を味わいたくなくて、毎朝、毎晩向かわせた病室で、私は医学の外に存在していました。そして、そんな指圧が“ゆっくりとお別れをする儀式”として、命を失うショックをやわらげてくれました。死という避けられない運命への秒読みが始まった病室では、触れるということは触れられることであり、癒すということは癒されることでした。

 氷枕は、鎮痛解熱の医学の世界にあります。そして時々私は、医学の外へ飛び出してしまう自分に気づきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月14日 (月)

ある整体で見たとても残念な圧し方

 ショッピングモールなどによくあるオープンなマッサージ関連のお店で、一所懸命に施術する姿を見るのが好きです。

 なかなかしてほしいというタイミングで圧している人はいないもので、マッサージを受けたいと思わせてくれる人がいないのは、時間に縛られたクイックマッサージが多いということが原因だと思います。

 昨日見た整体では、ベッドの上に施術者が乗って、お客様の体をまたいで脊柱起立筋の両側を思いっきり指の力で圧していました。体重をかけて圧しているつもりなのでしょうが、体重移動の方向が前で、肘を曲げて圧しているので、体重が指に伝わっていないのがわかります。

 せめて、弱い圧から徐々に強い圧にしていけばもう少しましになるのにと思いました。指圧やマッサージをその程度のものだと思ってしまった人が、マッサージチェアを買うのでしょう。

 昔は新聞をまたいでも叱られたものです。お客様をまたぐとは。美しくない光景は、その施術の完成度を予測させます。明日になれば背中が痛くなるのではないかと心配になります。

 どこでもやっていることかもしれませんが、それは指圧とは全く違うレベルのものです。指圧を勉強して資格をとっても、働く環境は整体やリフレ関連であることも多いと思います。

 私は生活の木ハーバルライフカレッジのアロマ指圧講座でいつも「素人もプロもない。タッチに思いを込めることができて、それを好きだと言ってくれる人がいれば、あなたはその人にとって世界で一番のセラピストになれる」と言っています。

 感動やミラクルが無ければ、人は癒されません。力や時間や流れ作業を超えなければ、マッサージチェアと同じです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月13日 (日)

腕が上がるようする指圧

 主訴とは別に、診察段階で気づく症状があります。手のしびれが主訴の方では、手指と手関節の次に、頚椎の変形や上肢の筋肉の硬結部位を診ます。また、問診で糖尿病がわかれば、糖尿病性の末梢神経障害の可能性もあります。

 問診は椅子で行い、主訴の患部に次いで頚部から腰背部を触診し、肩関節の前方挙上、後方挙上、外転、内転、外旋、内旋を診ます。

 手のしびれがあり、前方挙上(朝礼の前へならえの腕の上げ方から頭上へ)で痛みが出る場合、三角筋の前部と烏口腕筋と大胸筋の鎖骨部に指圧をして、関節可動域を広げる必要があります。

 その理由は、前へならえの姿勢までは、この部位が肩関節前方挙上の主動筋になるからです。仰臥位で上腕の付け根の内縁を緩めると、腕は上がるようになります。

 腕が上がるにつれ、三角筋は中部から後部が収縮し、これに棘上筋と上腕二頭筋も加わってきます。

 会話をしながら施術をしていくと、肝心な原因は終了間際に話してもらえるようなことがほとんどです。つまり、原因がはっきりしていて予防に努めていれば避けられるようなことに気がついていない方が多いということです。

 あるケースでは、狭いところで体をねじって、遠近両用眼鏡のため顎を上げてパソコンをしているという日常が浮かび上がってきました。

 手技療法の施術は対症療法で良いと思っていますが、筋肉の硬結部位や関節運動から推測すると、原因究明のリーディングに自然となっていくものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月12日 (土)

妊娠の姿勢による頭痛

 以前アロマオイルトリートメントを受けていただいた20代前半の女性から、妊娠中期に入り頭痛がするので施術をしてほしいという電話をいただきました。

 オイルよりも指圧がいいでしょうとお答えし、音楽と芳香浴の精油を準備することになります。

 『ナイト・ライト』というプレム・プロモーション(株)の出しているCDは、子宮の音を収録しトロピカルな音楽をかぶせたもので、母子ともにリラクセーション効果があるとされているので、エンドレスに流し始めておきます。

 アロマランプには、頭痛に効果があり、妊娠中の禁忌がないグレープフルーツとユーカリ・グロブルスの精油を各々2滴使って室内に芳香を漂わせておきます。また、玄関にも2滴、指圧のダブルサイズのマットの近くにも2滴、グレープフルーツの香りを陶器の皿にたらしておきます。

 室内は暗くし、足元には小さなすだれで囲ったライトをつけておきます。冷房は微風にし、温度を27℃から調整していくことにしました。

 まず、診察の机の上に胸用と膝用のクッションをおいて、抱きかかえるように椅子に座ってもらい、頚部から背部を診ます。この時点では、天柱を始めとする後頭骨と頚の際に痛みがあり、肩甲間部(肩甲骨と脊柱の間)から第9胸椎の脊柱起立筋が硬くなっています。

 おなかが大きくなってきて、顎が上がり背中を反らせていることが多いことがわかります。伏臥位はおなかに負担になるので、横臥位と仰臥位でマットに移り指圧をします。

 右天柱、右脊柱起立筋がより硬いので、右に体重がかかっていたことがわかります。上肢も下肢もむくみがありますが、冷えはありません。仰臥位では膝にクッションを入れ少し高くして、腰を浮かせないようにします。

 下肢、上肢、顔面、頭部と移るにつれ眠りが深くなっていきます。おなかも触らせていただきましたが、しっかりとした健康なおなかで、新しい命も手掌圧を嫌がる気配はありませんでした。

 施術後、やや右天柱に痛みが残りましたが、一時間を超えていましたので、やり過ぎは禁物と思い、後は全身の血行改善により、誘導作用によって時間が痛みを解消していくことに期待することにします。

 楽になったと言っていただき、一安心しながら迎えの車のドアを閉めさせていただきました。どうかこの夏を元気で乗り切ってください。健康そうでなによりでした。新しい命もこの手を覚えていてくれますように。またお待ちしています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月11日 (金)

腱鞘炎に全身指圧をする効果

 接骨や整体に通っても治らないという方の抱えている症状は、指や肩や膝や腰などの運動器の問題がほとんどです。

 部分の施術の場合は、効果の持続時間が短いのが一般的です。電気をあてても、その時だけ痛みを緩和できるくらいのことです。血管や神経の折れ曲がりを患部だけ矯正しても、そこに溜まった老廃物がどこかでパイプを詰まらせるかもしれません。また、一ヶ所の痛みは、その延長線上に何ヶ所かの不具合を作っていることが多いようです。

 先日、指のしびれがある方に全身指圧をしたところ、大変調子が良いようで、同じように指の動きに違和感がある方を紹介してくださいました。今までの施術例でも腱鞘炎のような末梢の症状を緩和するのに、全身指圧は驚くべき改善を示すことがあります。

 心臓から出てまた心臓に還る血液の循環と、脳・脊髄の中枢神経と、脳・脊髄から出てまた脳・脊髄へ還る末梢神経全てに影響を与えてこそ、部分の障害は全体の流れの正常化によって緩和されていくのではないでしょうか。

 肩こりに「肩だけを揉んでくれという電話もいただくのですが、私はほとんど“揉みません”し、肩だけ10分の施術で肩こりほど苦痛を伴う難治性の症状をどうにかできるだけの技術も持っておりません。

 忙しくない時だけ、言い値で施術をさせていただきますが、結局は全身の施術をすることにしていますので、時間がなかったり、良心が咎めて予定外にお金を全身分払ってしまいそうな方は、他をあたっていただいたほうが精神衛生上良いかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月10日 (木)

指圧の指の微調整

 圧される側の体調が毎回違うのと同じように、圧す自分の体調も毎回違うので、少しずつフォームを調整をしながら圧していかないと体に違和感を覚えることになります。

 指圧は指を伸展し、指の付け根の中手指節関節を突き出して圧します。それは母指にも四指にも言えることなのですが、ここのところ意識をして中手指節関節を突き出すために、全ての指の指紋部を手前に引いていました。被術者の皮膚も手前に引いて、母指の指紋部に圧を集中させるためのテクニックなのですが、指の伸展時に抵抗を感じるようになりました。

 指、特に四指の伸展に力が入り過ぎていたのです。おそらく受け手にはわからない程度のことです。ここ数日、指の伸展に普段感じない違和感を覚えました。

 基本はとても大切で真理に到達する道であると思うのですが、体の柔軟性や疲労度などによって、もう少し自然な方向を模索していないと、思わぬ障害を背負うことになるかもしれません。

 まず力が抜けて再現性のあるプロフェッショナルな仕事ができるのだと、あらためて感じています。

 量と質を兼ね備えれば天才と呼ばれるかもしれませんが、私は質の追求に終始しそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 9日 (水)

次の指圧はいつ来ればいいのか?

 施術後に、「次はいつ指圧に来たらいいのか」とよく聞かれます。私には、「受けたくなったら」と答えるしかありません。

 突き放した答えのようですが、効果器(施術者の手指)と受容器(被術者の体)の感覚が違うということが、手技療法における適量刺激の難しいところです。

 少なくとも施術後2日は、何らかの影響を体に与えるだろうという考え方もあります。一週間後に指圧をしても、まだ自分の圧した感覚が筋肉に残っていることもあります。

 指圧によって調整のできた体をどれだけ維持できるかは、自分自身のストレッチや日常生活にかかってきます。

 もちろん、気持ちがいいからという理由で指圧を受けていただくのは大変嬉しいことなのですが、調整のできた体を指圧する時間は自然と短くなります。

 指圧をしてイタリア旅行に出かけられた方から電話をいただきました。旅行は滞りなく日程をこなせたようなのですが、最終日に風邪をひき、帰国後喘息の発作がでて10日間点滴を受けたとのことです。

 「指圧に行ってもいいでしょうか?」と聞かれたのですが、答えはNOです。なぜならば、あなたは自分の体がO.Kを出せば、必ず指圧に来る人だからです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 8日 (火)

指圧の後の涙

 指圧の後に涙が込み上げてきたあなたは、いつもとてもドキドキしていて、外見や態度からはそう思えないくらい緊張して生きていて、いつも闘ってきたのだろうと思います。

 おなかがグーッと何度も鳴ったので、指圧は効いていると思います。体の歪みも矯正されて、スタイルもよくなりました。まだ硬い筋肉も体の癖もありますが、矯正し過ぎないようにしているので、毎日体の癖と反対方向のストレッチをしてください。

 足の先までボカボカに温まっているので、本当の冷え性ではないと思います。おなかにあった硬いところが瘀血のポイントではないかと思います。寝る前に手掌をあてて、腹式呼吸をしてください。

 よくあるんですよ。どうしてか。いろんな泣き笑いでこの空間はできていて、今日の涙でまたここの癒し感が増したと思います。また来たいなと思ったら、予約をしてください。精油の香りを選びながらお待ちしています。

 ちなみに、今日のアロマライトの香りはスパイクラベンダーでした。帰りは急に眠くなることもあるので、車の運転に気をつけてお帰りください。遠いところからありがとうございました。またお待ちしております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 7日 (月)

アスペルガー症候群と指圧

 今日の産経新聞に、アスペルガー症候群とされている人の中に『圧刺激』に敏感なタイプがあるという記事がありました。

 アスペルガー症候群の定義は難しいようですが、知的障害がないことが多く、注意欠陥障害や多動性障害などを含み広汎性発達障害と呼ばれることがあり、自閉症に含めるかどうかは意見が分かれるところのようです。

 触圧覚視覚、聴覚、味覚など五感が敏感で、過剰な反応を示すことが特徴としてあげられます。幼い頃に触れられたり抱き上げられることを嫌がったアスペルガー症候群の子供を知っています。

 アスペルガー症候群で圧刺激に敏感な場合、急に触られたり、強く触られたりすることは嫌がりますが、逆に、お気に入りのハンカチなどを顔にこすりつけたり、ゴムボールを集めてその上に座るような触圧刺激は安心感が増して癒されているように見えました。

 記憶力や言語能力はむしろ天才的なものがあり、そういえば、信長やダヴィンチやビル・ゲイツまでがアスペルガー症候群だったのではないかと言われています。

 成長とともに、アスペルガー症候群の子供でも指圧を受けてくれるようになります。気持ちのいい刺激であるということが大前提ですが、指圧やマッサージは、アスペルガー症候群にも、混乱した五感を調整できるという手応えを感じています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 6日 (日)

背中のこりをほぐす

 肩、腰の筋肉と並んで、肩甲骨下部の脊柱起立筋は最も硬くなりやすい筋肉です。

 翼の根元のように腕を支え、パソコンや家事の時など、日常生活動作のほとんどの場面で、頭と腕の重さを支えるのが肩甲骨下部の脊柱起立筋です。

 骨を圧さないように、脊柱に近い内側から外に引き気味に筋肉を圧します。非常に硬くなると、筋肉にはね返される感覚や圧し込めない感覚があると思います。

 指圧では、肩甲骨下部から骨盤の手前までを10点に分けて圧していきます。始めは軽圧で、そして徐々に体重をかけて10点の指圧を繰り返します。

 圧刺激が筋肉に線となって伝わっていくことが、生理学的には重要です。無理に強い圧をかけようとしても、長い時間をかけて凝り固まった筋肉にはストレスを与えるだけです。

 硬結を圧しつぶしたり、筋肉の線維を横断するような強い刺激をするくらいなら、手掌圧を加える、手掌軽擦をするといった柔らかい手技のほうが、後の経過が良好になります。

 特に第7胸椎から第9胸椎両側の筋肉は硬くなります。全身の指圧・マッサージをしてからもう一度圧してみると、始めははね返すほどだった筋肉も少し扱いやすくなっているものです。

 力まかせに圧さなくても、全身を緩めることで最も硬くなった筋肉を誘導作用によって緩めることができます。強く叩き続けたりすると、その時の痛み止めにはなりますが、後で炎症を広げることになります。

 一晩寝て、翌朝筋肉の緊張がとれていることを目指すのが、体に無理のない極上のこりのほぐし方です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 5日 (土)

内側側副靭帯損傷を疑う膝痛

 急な膝痛に、靭帯損傷があります。原因として、事故やスポーツ時の転倒などがあげられます。

 内側側副靭帯損傷が考えられるケースの場合、老人性の加齢による骨の摩耗と違う点は、大腿を固定して、下腿に外反のストレスをかけると痛みが出ることです。

 大腿筋膜張筋の緊張など、膝周囲の大腿外側の筋肉が硬くなり、前脛骨筋も内側をかばうために硬くなります。

 施術は大腿の筋肉を緩めることに重点をおきます。仰臥位の施術は、膝の下に枕やタオルを入れて、膝関節を軽く曲げて行います。曲げ過ぎると痛みが出る場合があるので、確認しながら膝の位置を決めます。

 片側の膝痛は、肩から腰背部の筋肉を緊張させます。伏臥位では、膝を軽度屈曲させるために、足首を枕かタオルで高くして施術し、背部から下肢後側の緊張を緩めます。

 痛みのある下肢のストレッチは、痛みの出ない範囲で行い、できなくてもかまいません。アロマオイルマッサージでは、セントジョーンズワートをスイートアーモンドオイルで抽出した浸出油にローズマリー・シネオールをブレンドして使うと、抗炎症作用が強く、関節周囲の炎症を緩和するのに適しているのではないかと思います。

 キネシオテープを引き伸ばしながら、筋肉を伸ばすように痛みのある部位に貼ると、筋肉を補強して膝の動きが楽になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 4日 (金)

“さようなら”と“GOOD-BYE”の違いからわかる方向性

 一昨日の産経新聞のコラムを読んで、“さようなら”と“GOOD-BYE”の違いを考えさせられました。

 コラムでは、“さようなら”は「そうしなければならないのであれば」、“GOOD-BYE”は「GOD BY(神と共に行く)」という意味があると書いてありました。

 辞書で調べると、「左様ならば」と「GOD BE WITH YA」という古語が説明してあります。

 “さようなら”には、留まり残されるものの「不本意ではありますが」という諦観が、“GOOD-BYE”には、「お互いに対等な立場で別れの時を迎え、その後の幸運を祈る気持ち」が感じられます。

 農耕民族と狩猟民族の違いが表れているのだろうと思います。

 マッサージが求心性に末梢から心臓に向かって施術をし、按摩や指圧が心臓から末梢へ向かって遠心性に施術をするのは、『心は神を蔵す』という東洋医学の考え方からすると、必然的に決まってきたことのように思います。

 西洋のマッサージは心(神)に向かい、東洋では大いなる運命(神)には逆らわずに、離れていくという現実を受けとめる、それが施術の方向性にも表れたのではないかと感じました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 3日 (木)

指の形による肩のリラックス

 “なんば走りで有名な古武術家甲野善紀さんの、「もみじ返し」の指の形について考えてみました。

 中指と薬指を曲げて、他の3指を伸ばすのが「もみじ返し」の指の形です。一度手の甲を自分の体に向けてから、手首を返して、掌を自分の体に向けて動作を始めるのだそうです。

 これは、手掌側から続く上肢の内側には屈筋があり、手背側から続く上肢の外側には伸筋があるので、指の屈筋と伸筋をバランスよく使うことによって、指の主動により上肢の屈筋群と伸筋群を過剰に緊張させないようにするという理にかなった方法だと思います。

 指を全て曲げれば、前腕回内、肩関節内旋位に導かれ、手の甲が前を向きます。また、指を全て伸展させれば、前腕回外、肩関節外旋位に導かれ、深呼吸の時のように掌が前を向いて上肢が後ろに引かれていきます。

 “もみじ返し”は腕を一本の棒のように使い体重の移動によって、重いものを持ち上げたり、投げ技をする時の指の形です。腕を一本の棒のように体側に沿わせるには、前腕回内回外中間位をとる必要があります。そのために、曲げた指と伸ばした指とで前腕のバランスをとるというのは上手なやり方だと思いました。

  肩をリラックスさせ腕の力を抜いて、自分の体重を利用して技をかけるために、指の伸筋と屈筋をバランスよく使うというのは、指圧の指の形に通じます。

 伝統的な体のさばきには、運動力学的な経験則が凝縮されていて大変参考になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 2日 (水)

やや後ろの肩こり

 僧帽筋の肩上部頂上より肩甲骨寄りに肩がこる場合があります。頭部と腕の前傾での作業が続くと、肩の頂上が背側に移動します。そのことによって、腕の中心も外側に移動し、小指の延長線上にある小腸経の経絡にある筋肉が緊張することになります。

 この場合は、肩甲骨外側の小円筋などにも硬結がみられます。また、高い所に手を伸ばして作業する場合も、頚と肩甲骨を結ぶ肩甲挙筋にこりが生じ、やや後ろの肩こりになります。

 頭だけの前傾による重さで肩がこる場合は、僧帽筋の頚に近い部位がこり、腕だけの重さで肩がこる場合は、僧帽筋の中心部がこると考えていいと思います。

 頭を肩の上に乗せて、胸を張り、無限大の遠くを見ていれば、肩はこりにくいはずです。船で遠くを見張る仕事なら、肩はこりにくいのではないかと思います。遠くを見る、絶景を見る、緑を見るということは、眼の疲れを解消するだけでなく、肩こり解消の矯正法です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 1日 (火)

道具は直角に使う

“いのちのスープ”の辰巳芳子さんが、テレビ番組の中で、「すりこぎを使う時は直角に使い、すり鉢のへりを汚さないようにしなさい」とプロの料理人に教える場面がありました。

 “道具は直角に使うものだ”という経験に裏打ちされた説得力のあるシンプルな言葉は、とても胸躍る響きがありました。

 指圧の垂直圧も、まさに一点に力を集中させるための技法です。動きの無駄を省いて洗練された体の使い方が、何か素晴らしい結果を出すというのは、業種を超えた共通の奥儀なのだと感じました。

 命を養う食の重要性を追求し、80才を過ぎてなお現役で活躍されていることは、頭が下がります。命を養う食では補いきれないものをやっているつもりである者としては、大変勉強になりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »