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2006年9月30日 (土)

臀部の痛みの症例

 左臀部の痛みを主訴に指圧に来られた方がいます。椅子に座ると痛みがあるということです。こんなケースでは、まず坐骨神経の影響を考えます。

 体全体はむくんでいる感じがあり、気候の変化で汗をかきにくくなったこともあり、血液の循環はやや停滞気味であると思えます。

 左の大臀筋、中臀筋に特別な硬さはなく、仙骨側面の上臀神経を深く圧迫した場合に軽い痛みを訴えます。

 坐骨神経の圧痛点である大腿後側中央の『殷門』や膝窩中央の『委中』にも、さほど痛みはないようです。下肢後側の筋肉の緊張はないといってよく、むしろむくみを感じます。

 腰部は右の腰椎上部の脊柱起立筋に圧痛がありましたが、これも指圧を繰り返すうちになくなりました。

 伏臥位で左下肢を伸展挙上し、股関節の回旋運動を左右に行うとコキッという音がしました。仙腸関節のずれが矯正されたのだと思います。

 全身指圧後、骨盤のストレッチをし、椅子に座ってもらって臀部を圧迫しても痛みは再現されませんでした。

 むくみの影響や運動不足もあると思うのですが、軽い仙腸関節のずれが臀部の痛みを引き起こした施術例です。

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2006年9月29日 (金)

“QBカット”とクイックマッサージ

 “QBカット”はすごく便利で、ビジネスの目のつけどころにも関心しています。髪をカットすることだけに特化して、付け足しのようなマッサージがないことも良いと思います。

 ただし、短時間での仕上がりは今一歩ということも多く、結局自分で微調整することになります。

 美容室、理容室に対するQBカットは認めているのに、「30分でいくらですか?」というような電話を受けると、「体を時間で緩めることはできないんですよ」とか、「全身をほぐさなければ、効果は持続しません」とか、断り口調で応対してしまい、またやってしまったと思います。

 急に電話に出た場合、本音が出てしまうのですが、言い値で、言われた通りに体に触れさせていただけばいいじゃないかと後で思います。

 自分の理想とする施術スタイルや手技療法のあるべき姿など聞いたこともない人がほとんどなのだから、実際に触れることで、こちら側の世界に引っ張ってくればいいのです。

 『お金じゃないんだよなぁ』と思います。自分の施術スタイルの愛好者を募る一種の布教活動でいいと思うのですが。どうしても頑固職人のようになってしまう。自分を出しきれずにどこかで微調整されたら本当に嫌だなと思います。

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2006年9月28日 (木)

クライアントに甘えられるセラピストになる

 信頼感があれば、要求が自然と出てくるものです。全身指圧の時にも、手足の冷えや関節の痛みなどにはオイルのマッサージをすることがあります。

 腱鞘炎で「手だけオイルでやってみますか?」と聞くと、おなじみの方は大きく上腕のほうまで袖をまくり上げます。手だけに必然性を感じていても、肘を越えてマッサージをすることになるのですが、悪い気はしません。

 この時間が長く続くことを望んでいただくことは、この施術がとても豊かなものであったことの証しです。そんな時、子供がお母さんに甘えるような視線を感じます。時間とともに子供に還っていけたのだとしたら、退行催眠のような癒しの効果があったのだと思います。

 一時、自分の抱えている問題を忘れられる場所があることはとても幸せなことです。指圧の“母心”というスピリットは、演歌調で口に出して言うと少し気恥ずかしいような気がしますが、それに変わる表現もなかなか思いつくことができません。

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2006年9月27日 (水)

見逃していた肩の症状

 二度目、三度目の指圧となると、効果があったからこそ来てくださる方なので、安心して見逃してしまった症状がありました。

 左肩の後部の痛みとなると、肩関節の外旋筋である棘下筋と小円筋の硬結が疑われ、実際それを緩和する指圧をしてきたので、今回もそれを中心に全身指圧をしました。

 肩の前方挙上はでき、外旋にやや痛みを残したものの、かなりよく緩めることができたと思っていました。

 「少し肝臓が硬かったですね…」と言うと「昨日飲み過ぎて…」という順当な答えをいただきました。そこまでは良かったのですが、「ここに来るようになって、左手の握力が戻りました」と話が続きました。

 『ちっとも知らなかった!』問診でも出てこなかったことです。いつのまに治していたことやら。とにかく全身の施術をすればラッキーヒットもあるので、そういうこともあるなと引きつりながら思ったのですが、「左肩がまだ上がりにくくて」という言葉に、『そっちかい!』とやや青ざめることになります。

 肩関節の外転がしにくいのです。三角筋後部線維の下にあり肩甲骨関節上結節から始まる上腕二頭筋腱長頭に硬結があります。帰り際の椅子でする座位指圧だからこそ触れやすい部分でもあるのですが、伏臥、仰臥では全く気づきませんでした。前の施術でも。

 クライアントが痛みの部位を特定するのはとても難しいことです。外旋の検査は外転も含み、小円筋と上腕二頭筋腱長頭が近いこともあって、自分の主訴を私が理解しているものと思っていたことでしょう。

 症状が改善されていることもあって、細かいことは言わずに『そういうやり方でも良くなるんだな』と思わせてしまっていたのです。「もうちょっとやりましょう」と言うと「だいぶ楽になったので、また近いうちに来ます」とのことでした。

 後姿を見送りながら、『あのこりは今日とれたな』と、もう少し楽にできたはずの施術を悔やむこととなりました。

 

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2006年9月26日 (火)

肩こりもストレスもほぐす気持ちで

 筋肉の緊張はその背景に肉体的・精神的ストレスがあることを、施術の際に意識していたいものです。

 単に肉体的疲労の蓄積なのか、内臓の病気なのか、運動不足か、精神的なダメージか、その背景をイメージすることで、肩こりであっても、ヘッドマッサージにポイントを置いてリラックスしてもらう、下肢のむくみをとって血液循環を促進させるなどの施術の方針が決まってきます。

 本当はしたくない役割を演じていたり、過剰な期待がプレッシャーなっているようなストレスは、必ず肉体的な変調をきたすと思っています。本人がそれを当たり前の重圧として原因を意識していない場合、肩こりや不定愁訴となって体に現れます。

 精神的なストレスで肩に力が入って肩こりになった場合、肩こりをほぐしていくと、精神的なストレスもほぐれていくものです。現実に背負っているプレッシャーは変わりませんが、体の緊張がリセットされた分だけストレスに対する余裕が生まれます。

 本音がポロリとこぼれ出して、涙を見るのはこんな時です。慰める言葉もなかなかうまくみつからないのですが、この場面が“正しいマッサージの姿”です。涙は心を浄化し、ストレスを緩和します。

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2006年9月25日 (月)

“うつ”と桂枝雀さん

 “笑いは緊張と緩和である”という理論を、亡くなった桂枝雀さんは掲げていました。阿呆を極端にまで演出し、芸の完成を求めて奮闘していたのは、自分の“うつ”との闘いでもありました。

 残念なことに、枝雀さんの死は自殺でした。落語という芸と自分の本来の性格との心中であったように思います。

 私は、阿呆を演じている枝雀さんをテレビで見ると、痛みを感じて心から楽しむことができませんでした。

 “うつ”や不安を訴える方に会うたびに、その空気感は伝染し蔓延していくものであると感じます。自分もその気持ちに触れると、楽しい気持ちで過ごすことは不可能になってしまいます。

 “うつ”の方が無理に楽しいふりをするのも、潰されてしまいそうでいいことではありません。解決にはなりませんが“うつ”は人間が簡単になってしまう状態で、当たり前のことなのだと思います。

 抜け出せないほどの“うつ”になってしまったら、できれば“うつ”を吐き出させる専門家を見つけて、できるだけそこでうつを吐き出してしまうのがよいと思います。

 今日もたくさんの不安や落ち込んだ気持ちが世間を飛び交うことだと思います。今そうでない方は“うつ”のサイクルにはまりこまないように、不安もあるでしょうが気分転換をして、どうか思いつめないでください。

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2006年9月24日 (日)

点描と線描のボディアートとして

 指圧は点描画のように、マッサージは線描画のように、体全体を描くことだと思います。

 丁寧で緻密な施術をすれば、その芸術性はともかく、人間の体を一枚の絵として描きあげたことになります。

 正確なポイントをとらえていけるようになるのが理想ですが、その感覚がまだはっきりしないというセラピストの方は、手数を多くするということも丁寧で緻密な施術を生み出します。

 指圧は点で線を描いていきます。ツボ一点ではなく、ツボの流れである経絡全体に作用するように点圧を線に結びます。アロマトリートメントは指圧と比べると大きな筆を使って一気に線を描くことになります。気を集中して手掌で線を描くのがアロマトリートメントです。

 大芸術家のパフォーマンスでは書き損じはできないところですが、指圧やマッサージはむしろ微調整しながら書き直しをしていくパフォーマンスだと思います。

 まず体のラインにふわりと触れて、体全体を点描し、線描していきます。施術に悩んでしまったら、そんなふうに考えてみるのもいいと思います。

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2006年9月23日 (土)

“右の肩こり”の施術例

 先日、「夕方になると右肩が痛くなるという方が指圧にいらっしゃいました。

 姿勢は右肩が下がり、頚は左から右に軽く側屈しています。痛みを訴える部位は肩甲挙筋のようですが、圧してひどく痛むということはありません。加齢により背中が丸くなってきたことと、骨盤の開きによる内臓下垂も見られます。

 頚の位置が常に肩より前にあるので、鎖骨周囲のつまりがあります。そして横臥から伏臥に移って右肩甲骨外縁の小円筋を圧すと、飛び上がるほどの痛みを訴えました。

 右の肩こりで、右僧帽筋の肩上部を圧して終わりにするだけではいけないということは、こんなことからもわかります。本人の感じている痛みは、神経を介して別の場所のものであることがよくあるのです。

 右の肩こりというと、まず肝臓の影響を疑います。このケースでは、右肝兪、肝の経絡である内転筋、そして右上腹部にわずかに触れる肝臓自体に硬さがありました。特に左内転筋の停止部と右手三里を圧すと激しい痛みを訴えました。手三里は大腸経の経絡ですが、頚の側屈による神経根症状を触診の段階から疑っていました。

 施術後、右肩の痛みはなくなり、体が大変軽くなったということでしたが、臍の周囲にも硬結があり、肝臓を含め内臓の病気も考えられますので、病院への受診を勧めました。

 姿勢のくせと、加齢による骨の脆弱さ、運動不足、体のメンテナンス不足が右の肩こりの原因ですが、実際には肩だけではなく、もっと多くの問題点が全身の施術によって浮かびあがったケースです。

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2006年9月22日 (金)

靴底がとれ足がつったこと

 丸の内のカウパレードを見に行く途中、大手町を歩いているとビルの一角にこんもりと木の茂った場所を見つけました。植木の手入れの最中で、『平将門の首塚』であることがわかりました。

 この辺りにあることは知っていたのですが、始めてその場所を見つけました。お参りもせず、横目で通り過ぎ、信号待ちをして歩き出すと、足に違和感があります。右の爪先の靴底がパタパタと、急にはがれたのです。よく晴れた日の路面の影響なのかもしれませんが、しばらくそのまま歩いてから、歩きにくいので右の靴底を思い切ってはがしました。

 ウォーキング用の革靴なので底は厚く、わりと不自由なく歩けるものだと思っていたら、今度は左の靴底もパタパタとはがれだしました。ほんのわずかの時間差で、それまで何でもなかった靴が急に寿命を迎えたかのようでした。

 2枚の靴底を持って、カウパレードをやっている丸の内まで歩き、ティファニーの前にある友だちの友だちの作品を鑑賞することができました。牛の体を様々な記号を書いたペットボトルのふたで埋めつくした、ユニークな作品です。

 カウパレードとは、世界的な平和と芸術の運動なのだそうです。丸の内は今、牛だらけです。

 そして帰りに、靴底が何かのたたりであってはまずいと、平将門の首塚にお参りしてしばらくすると、右のふくらはぎの外側が急につったのです。少し時間をおいて、左のふくらはぎもつりました。

 翌日、新聞に神田明神の将門例大祭の広告を見つけました。今日9月22日がその日です。あの植木の手入れは例大祭のためにされていたのだと知りました。

 将門は関東を守ろうとして首が飛び、何故か私はカウパレードを見ようとして、靴底がはがれ足がつりました。底がない1cm程度のために、空足を踏んで足に負担がかかっただけかもしれません。

 でもちょっとミステリー寄りに、この偶然を不思議がっていたいと思います。

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2006年9月21日 (木)

肘を使った腹筋のエクササイズ

 脇腹をサイズダウンするための腹筋のエクササイズでは、肘を屈曲させて脇に密着させ、臍の方向に絞り込むと効果的です。

 これは立ったままでもでき、場所を選ばないので、いつでも腹筋を鍛えることができます。ただし、腹筋のエクササイズの場合は、息をしっかりと吐いて、筋肉を緊張させながら行わないと効果が期待できません。

 この肘の使い方は、肩関節の外転、内旋という猫背パターンの逆で、肩関節の内転、外旋という動きになります。

 つまり、普段のねじを緩めてしまう体の使い方から、ねじを締める体の使い方をすることになります。

 立位で、肘をしっかりと曲げて脇に密着させると、胸郭が開き猫背姿勢が矯正されます。この時に息を吐ききって腹筋を緊張させれば、それだけでも脇腹は締まります。

 要は良姿勢で腹圧をかけ続けることなので、それならば起きている間はできるはずです。腹筋のエクササイズは強く意識をすれば、床に寝なければできないという訳ではありません。

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2006年9月20日 (水)

伸ばす筋肉は曲げて圧す

 大腿四頭筋は膝を伸ばす筋肉なので、膝枕をして、膝を少し曲げて圧したほうが、筋肉がゆるんで刺激が柔らかくなります。

 同様に、上腕三頭筋は肘を伸ばす筋肉なので、肘を少し曲げて圧したほうが筋肉がゆるんで刺激が柔らかくなります。

 逆に、屈筋の大腿二頭筋では、膝を伸ばして圧したほうが刺激が柔らかくなり、上腕二頭筋では肘を伸ばして圧したほうが刺激が柔らかくなります。

 このように伸筋は曲げて圧す、屈筋は伸ばして圧すというような配慮をすると、ひどい筋肉痛の場合には当たりが柔らかくなって、クライアントの痛みを軽減する施術ができます。

 胸鎖乳突筋は筋肉を際立たせるために頚を曲げて施術することが多いようですが、頭を後屈させ、頚を側屈・回旋させる筋肉なので、頭に枕をして正面に顔を向けたまま、つまむように圧すと痛くない施術ができます。

 メンテナンスのできていない体は、圧すと痛いと考えて、自分には伸ばしたまま圧す筋肉も、関節を曲げることで緊張が少しゆるむと考えて施術ができるようになると、一つ上のレベルの施術ができると思います。

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2006年9月19日 (火)

マッサージ中の眠り

 眠りの始めの状態は、体を休めるレム睡眠です。指圧やマッサージ中の眠りは突然訪れるように思います。『今話していたと思ったら』、という感じです。

 筋肉が緩むことによって、血管が拡張し、血圧や体温がわずかに下がりだすと眠たくなってきます。この時の眠りによって、さらに体の緊張がほぐれ、軽い頭痛ではほとんど全快します。

 手術と同じく、指圧やマッサージのような手技でも“侵襲的でない(痛みやダメージが少ない)”ということが、体の回復を速めます。

 いびきをかいていても「眠っていない」と言い張る方もいるのですが、これは脳が起きているレム睡眠の状態をよく表していると思います。

 子供の頃、こたつで寝てしまって、親にふとんまで抱きかかえられて運ばれたことを何となく覚えているような。

 眠れるようなタッチはセラピストの理想です。マニュアルの複雑な手技を時にははぶいて、波のような呼吸に合わせたタッチにしたほうが体をよく緩めることがあります。

 その眠りで見た夢は覚えていないことのほうが多いようですが、時々寝起きの子供のような目で夢の話を教えていただくと、幸せと秘密を分けていただいたようで、何だか得をしたような気分になります。

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2006年9月18日 (月)

冷えが熱に変わる体

 足が冷え、頭がのぼせる“冷えのぼせ”や、下腹部の瘀血(古血の滞り)による血行不良では、指圧やマッサージ後に血液の循環を取り戻すと、それまでの冷えた体が嘘のように熱を産生することがあります。

 筋肉のこりや老廃物の蓄積で、末梢の血管に通行止めのような状態があるケースでは、体がほぐれ、堰き止められた老廃物が流れ出すと、酸素に富んだ血液が体中を暖め、それまでの冷えを取り戻すかのように熱が発散します。

 手、足、顔の血色が良くなると、自然で健康的なボディメイクが出来上がり、体全体に安定感が生まれます。

 人間の体に備わった自然治癒力を感じるのはこんな時です。セラピストはあくまでも人間の体が持つ“薬”を引き出すまでが仕事です。冷えに悩んでいた体が熱を産み出しているのを見る時、クライアントの感受性に助けられてこの手技は成立しているのだと思います。

 どんなに巧みな手技を持ってしても、クライアントの感受性に響かなければ結果は伴わないのです。この共同作業の“主”はクライアントの体であって、セラピストの手技は“補”であるというスタンスを忘れてはいけないと思っています。

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2006年9月17日 (日)

とらわれた心をほどいてゆく

 一見して、『そんなことはないのになぁ』という容姿に関することに心が囚われて、がんじがらめになってしまっている方が指圧にいらっしゃいます。

 本人にとっては大問題で、インターネットで調べ、病院にかかり、それでも納得は得られずに、自分の抱え込んだ思いに脅迫されているようにおびえています。

 まず、お話を聴いてから、体に不調として現れた緊張をほぐしていきます。その間も、“ソレ”を治すツボの話や、仕事のストレスなど次々と不安が言葉として吐き出されていきます。

 様々な事を乗り越えてきてある“今”を認めるように、時にはなだめ、時にはすかし、全身のこりをほぐしていきます。

 こういうケースでは途中でトイレに行きたくなる場合が多く、「これも原因物質のデトックスになっています」と言ったりもします。

 笑顔で“大丈夫感”を植えつけるしかないのです。自分が納得するまで心配し続ける、それもひとつの勉強です。いつかその不安な思いを上手に心に収めることができたら、少しタフになっているはずです。

 絶世の美女もその顔は“死んだ皮膚が覆い、加齢とともに味を出す素敵な俳優もいます。太っているからこそ信じられないくらい素晴らしい歌声を聞かせてくれる歌手や、ヘアスタイルが寂しくなっても輝くオーラを持つ人はいます。

 今のあなたには、何を言っても納得はできないかもしれません。それでもまたここに来たら、笑顔で“大丈夫”と言うと思います。だって大丈夫だから!

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2006年9月16日 (土)

内踝(うちくるぶし)の周囲のツボ

 内踝の後側を回って足底に後脛骨動脈が血液を送ります。またそれに寄り添う静脈が血液を心臓に還しています。坐骨神経から分かれた脛骨神経がこの部位の運動を支配し、皮膚の知覚神経である伏在神経は、第3、4腰神経の支配を受けています。

 腎経のツボは足底中央前方の『湧泉』から内踝の後側を通って下肢内側を上行していくので、静脈やリンパの流れに沿った内踝周囲のツボは水分の排出に関係します。

 解剖学的な研究が十分になされていたとは考えられない時代にあっては、動静脈や神経の流れを敏感に感じとって、腎経という経絡の概念を作り出したとしか思えません。

 リフレクソロジーでも内踝の周囲は腰や子宮・精巣の反射区なので、解剖学的な神経支配と一致していると考えられます。

 マッサージへ応用する場合の一つの考え方は、土踏まずから、内踝の後側を通って、下腿内側を上行していく軽擦や強擦です。

 むくみをとるだけでなく、腰や骨盤内臓の不調を改善することができるはずです。内踝の周囲のツボは、単に圧迫するだけよりは、上行性、求心性の刺激が有効な部位であると考えられます。

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2006年9月15日 (金)

“鉄人28号も、27号までは失敗だったんだ”

 しばらく前から時々思い出すのが、“鉄人28号も、27号までは失敗だったんだ”というフレーズです。

 TBSラジオ、『安住紳一郎の日曜天国』という番組で耳にしました。車で走っている時に何気なく聞いていたのですが、いきなり28号ということはないので、27号までの数々の失敗にもめげず、試行錯誤と強い気持ちを持ち続けたのは凄いことだと感心しています。

 何気ない言葉が気持ちをとらえたり、ふと目にした風景に心が和んだりすると、とても得をした気分になれます。

 27号までの努力を考えたこともなかった“鉄人28号”が、緊張を緩和するための引き出しに収まりました。

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2006年9月14日 (木)

『曲池』の圧し方

 自分が痛みを感じて始めてわかるツボの圧し方というのがあります。

 肘を曲げたときにできるしわと肘の骨(上腕骨外側上顆)の間にあるツボが『曲池』です。長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋が位置します。この二つの筋肉は手首を背屈、橈屈させるので、卓球のバックハンドのように、手首を返す動作をする時に使います。

 手背を上にして『曲池』を真上からぼんやりと圧せば腕橈骨筋を圧すことになり、ツボをとらえた感覚は少なくなります。かなり細いものをとらえれば短橈側手根伸筋の腱をとらえたことになり、響くような痛みを感じます。

 『合谷』に向けて2寸下がった『手三里』も長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋です。肩こりなどの大腸経の治療穴としては『手三里』を重視していたのですが、『曲池』に痛みを感じて始めて圧し方に工夫をすることができました。

 手首を握手の形に立てて、斜め45°に圧し込むことで長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋をとらえることができます。

 3kgの鉄亜鈴を使って毎朝ストレッチをしているのですが、手掌を上にして左肘を伸ばした時に、重みで手首が返って痛めたのだと思います。

 痛めてみないと気づかないことがあります。

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2006年9月13日 (水)

ウォーミングアップが必要です。

 日曜日の夏の陽射しから一転、気温が20℃に近づくと、長時間強い冷房の中にいるようなものです。

 起きたての体の筋肉は硬く、引き戸の開け閉めや、ゴミを出しに行く時の動作の中にも、体を痛める危険性をはらんでいます。

 夏の気温に慣れた体は、気温の低下に強い影響を受けています。何気なくしている引き戸を開ける動作には前腕の回内、手首の屈曲、肘関節の屈曲伸展など、複雑な筋肉の動きが伴い、柔軟性の乏しい起きてすぐの体では、思わぬ痛みを抱えることにもなりかねません。

 この時期は特に体の暖気運転が必要です。布団の中で、手首、肘、足首、膝というように、動かせる関節の曲げ伸ばしをおこない、家から外に出る前に、頚、肩、腰、股関節などのストレッチをしておくとよいでしょう。

 寒さで震えるのは、体に熱を産むための生理現象です。震えないように暖かい服装も必要ですし、ストレッチをして血管を拡げておく、体を暖めておくことがケガの予防になります。

 ウォーミングアップなしに慌てて走り出したりすると、硬くなったアキレス腱では断裂してしまうこともあります。暑さも体には不快ですが、冷えは血流を阻害し、免疫力を低下させます。

 襟のあるシャツが必要な季節になりました。暖かい心で過ごすには、暖かい体をキープするように自分で努力しなければなりません。

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2006年9月12日 (火)

自分を許してあげる時間

 緊張で張り詰めた体を見ていると、自分を許してあげる時間が必要だと思います。そして信頼できるセラピストに体を預けている時間は、許された時間なんだなと思います。

 背中が丸くなるのは、腰背部の筋肉の緊張だけでなく、内臓をかばう防御姿勢です。ストレスは筋肉や内臓に影響し、人間は内臓の痛みを軽減するために無意識に背中を丸めて圧をかけます。

 人間が仰向けに寝ることは脊柱の重力の負担を軽減し、緊張を解き放つ手段ですが、野生の動物が腹を上に向けて寝ることは、命を危険に曝すことになります。

 人間も本能的には頚動脈のある前頚部や腹部を触られることを好ましく思っていないはずです。指圧やマッサージで前頚部や腹部の施術が重要なのは、許された時間と認めていただくための信頼感を築きあげるポイントだからです。

 車の点検のように任せきるのではなく、自分の体の点検作業に付き合っていただき、確認し、理解していただくのが指圧であり、マッサージです。

 “この体なら、生きているのもそう悪くない”と感じていただけるように、疲れ果てた体には“よくやった”と認めてあげられるように、そんなふうにリフレッシュしていただくのが、手技療法の目指すところではないでしょうか。

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2006年9月11日 (月)

個性的な筋肉

 毎日の仕事によって作られる特別な筋肉や、体の使い方の癖で発達したり、痛めてしまう筋肉があります。

 材木屋さんの肩甲骨の内縁に、ウズラの卵大の筋肉の塊を見つけたことがあります。長い材木を肩に担ぐのは髪をいじるのと同じく、肩関節の外旋が必要になります。毎日材木を担いで棘下筋が発達したのだと思います。右の棘下筋だけが発達していたので、右肩に材木を担ぎ続けてきた仕事の様子が想像できます。

 高くて狭い足場で建築の仕事をする人は、落ちないように爪先を外側に開いて踏ん張っているので、大腿筋膜張筋や前脛骨筋など、下肢の外側寄りの筋肉が硬くなったり、腰痛になったりします。

 ピアニストや外科医には猫背の人が多く、頚や肩がこり、腱鞘炎になる人もいます。

 筋肉には個性的な使い方があり、人生の道のりや仕事への集中を感じ、時々頭が下がる思いをします。

 これといって運動も、特別な体の使い方をする仕事もしていない人の筋肉も、個性を持っています。体質の遺伝もあり、一概には言えないのですが、先日相談を受けた前腕外側のグリグリは、腱への移行部ということで良いのか、脂肪の塊のようなものなのか、あまり経験したことのないタッチは、いつも判断に悩みます。

 意識をする、しないに関わらず、筋肉はその人の生活の様子が蓄積していきます。スガシカオさんの『Progress』の歌詞にある“ぼくが歩いてきた 日々と道のりを ほんとは“ジブン”っていうらしい…”というのは正にそのとおりだと思います。

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2006年9月10日 (日)

タッチ&レスポンス 

 指圧やマッサージは、体の状態を感じ取って刺激を与えていくこと、そして刺激を与えた体の反応を感じ取って刺激を調整していくことです。

 クライアントの主訴や不安に対して返事をし続けることでもあります。それはタッチであっても、言葉であってもいいと思います。

 セラピストとクライアントの間に生まれる感覚は、セラピストの調整力に大きく関わってきます。痛いと感じさせてしまったら刺激を弱くする、気持ちよさそうにしていたら同じ事を続けるといった気配りのある対応をすることで、クライアントの信頼感は深まります。

 クライアントは、自分の体に対して丁寧に向き合ってくれるセラピストを選びます。疑問に対して的確な答えは出せなくても、セラピストはその場での自分なりのベストの返事をし続けることが大切です。それはタッチでも言葉でもいいのです。

 セラピストは決して豪華でなくても、よく磨かれた鏡であるように努力することです。クライアントの漠然とした不安の正体を写し出すことができれば、それだけでも苦しみを少しやわらげることができます。

 セラピストは錆や汚れを落とす努力が必要です。気分転換の達人になれなければ、他人様を癒している場合ではありません。波を鎮めた水面のような心にリセットして、また大きな不安を写し出していくのです。

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2006年9月 9日 (土)

昇圧作用のある精油

 低血圧の方に「血圧を上げるにはどうしたらいいか」と聞かれることがあります。

 指圧やマッサージの触圧刺激では、速いテンポで短時間の刺激をすれば交感神経が刺激されて血圧が上昇します。ボクシングのラウンド間にセコンドがするマッサージや、力士が取り組み前に顔や体を叩いているのは、体の刺激により交感神経を緊張させて戦闘モードに入るためです。

 痛い刺激や急激なストレスも血圧を上昇させます。しかし、これは望んですることではありません。

 低血圧を改善するには、息が切れるくらいまで速足で歩くことを毎日の習慣にすることです。朝が弱い場合は、布団の中でストレッチをしたり、体をリズムよく軽く叩いてから起き上がり、熱めのシャワーを浴びます。

 浴室にペパーミントやユーカリ、ローズマリーなどケトン類の芳香成分を含む精油を2~3滴たらしてシャワーを浴びると、昇圧作用があり体にエンジンがかかりやすくなります。もちろん、香りを嗅ぐだけでも効果があります。

 ローズマリーは少量の使用では血圧降下作用があるので、少し多く使ったほうがよいようです。

 精油というと、ラベンダーなど鎮静効果のあるものに目が行ってしまいがちですが、興奮作用のある精油もTPOに合わせて使いこなせるとアロマテラピーの世界が広がります。

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2006年9月 8日 (金)

ラベンダーとの出会い

 ラベンダーという言葉に最初に出会ったのが、筒井康隆さんの『時をかける少女』であったという人は多いのではないでしょうか。

 小説、テレビ映画と出会いの場は違っても、ラベンダーは、三次元+時空間=四次元への魔法の薬のように思えたものでした。

 講座でアロマテラピーを伝えようとする時に、どうしてもラベンダー(トゥルー)がファーストチョイスになってしまうのは、『時をかける少女』がアロマテラピーへの入口になっているからだと思います。

 ラベンダーの成分表を見ると、エステル類やアルコール類が多く、鎮静効果優れていることがわかります。

 症状を緩和するための手技を教えさせていただいているので、精油をブレンドして「これぞアロマテラピー」というアロマテラピー体験をしていただきたいと思うのですが、ラベンダーを前にすると、いわゆる慢性的な肩こりに対してであれば、単独のほうが良いのではないかなどと考えこんでしまいます。

 明らかなむくみがある、冷えがある、関節痛があるといった場合でなければ、成分表の円グラフで見るラベンダーのバランスの良さを変える必要はないのではないかと思います。

 アロマテラピーを大好きになってもらって、精油の良さ、アロマトリートメントの効果、それに付け加えて指圧を含めたタッチセラピーとストレッチの効果を知っていただきたいと思います。

 アロマテラピーの魅力をもっとわかっていただくための入口は、深いラベンダー体験をしていただくことでいいのかなと考えています。

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2006年9月 7日 (木)

施術に集中する

 温泉施設のマッサージ屋さんなどを覗いてみて感じるのは、施術者に楽しそうな雰囲気がないということです。

 『さぞお疲れになることでしょう』と労われてしまいそうな絵ばかりが浮かびます。

 たくさんのベッドが並んだ中で自分の世界を作るのは難しいと思います。その条件の中での施術では、私も大したことはないかもしれません。

 しかし、私を惹きつけるものがない、中へ入ろうという気になれないというのは、価値ある仕事をしている真剣さが滲み出ていないからだと思います。

 施術の内容を左右するのは、施術者の集中があるかないかです。体の声を聴くためには、施術者の集中と微妙なタッチが必要です。

 時間が来るまで体に触っていれば仕事をしているようには見えます。しかし、どこにいても自分の世界を作れるだけの集中力がないと、いつまでたってもただ触るだけのつまらない仕事をしていくことになります。

 集中して仕事をする姿は美しいはずです。わずかな体重移動がしっかりと伝わる施術をすれば、施術者も気持ちよく、自然と輝いているはずなのですが、これがなかなか目にすることができない。残念なことです。

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2006年9月 6日 (水)

関節を過伸展させてはいけない

 “関節を過伸展させてはいけない”というのは、セラピストの手指と肘の使い方の基本です。

 手首や肘を逆関節に伸ばすのは、格闘技でもわかるようにロックされて痛みを伴います。しなやかな体重移動によって刺激量を調節するためには、関節のわずかなたわみや余裕が必要になります。

 指圧でも、中手指節関節(指の付け根)を過伸展させると指の力で圧すことになり、緊張した圧を伝えることになります。そこで一点圧に体重を集中し指の力で圧さないためには、中手指節関節を意識して突き出す(屈曲させる)必要があります。ただし例外として、指紋部で広く体重の移動を受けとめるために、末節の指節関節は過伸展させることになります。

 特に腹部のマッサージでは、軽く触れて感じることが大切になります。腹部大動脈の拍動や胃の振水音、肝臓や子宮の腫れなど、柔らかいタッチで施術経験を積むことによって、自分の中に判断の基準が作り上げられていきます。

 “の”の字型の腹部掌圧は、セラピストでなくても誰もが健康管理として毎日してほしいと思います。お守りのようなルーティーンがひとつ増えると、安心感が増すだけでなく、実際に精神安定や消化機能改善の効果が得られると思います。また、病気の早期発見ということにも繋がります。

 おなかを触る時のタッチに関節の過伸展がないということが、タッチ・セラピーの奥深さに繋がっています。

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2006年9月 5日 (火)

膝痛が股関節の硬さで起きたケース

 左の偏頭痛では、左眼の周囲に痛みがある事があり、左大腿外側の胆経の経絡に沿って筋肉が緊張していることがあります。

 これは外眼角から側頭部を回って体幹側部→下肢外側を下降する胆経の流れを考えると理解しやすいと思います。

 左の偏頭痛で左眼の周囲に痛みがあり、3日薬を飲んでも治らないという方が指圧にいらっしゃいました。

 階段を上がる時に痛むという膝の痛みは、頭痛とは別の問題として始めは考えました。典型的な膝痛では、大腿の膝周囲の筋肉が緊張しています。しかし、この方の場合は“脛の痛み”という表現をされていました。

 大腿の筋肉も前脛骨筋も特に異常はありません。しかし、左の股関節の動きは屈曲・伸展・回旋ともに詰まった感じを受けました。

 左膝を曲げることができないということでしたが、下肢を指圧したあとにストレッチをしてみると痛みもでずに曲げることができました。

 考えてみれば、左の肩井に母指の指紋部3個分のこりがありました。肩井も胆経のツボです。頚、肩、背部、腰部、臀部、下肢とゆるめていくうちに胆経の経絡がゆるんで、股関節の引き攣れがなくなり膝の運動制限がなくなったのだと思います。

 また、腰部、仙骨部がゆるんだことで、股関節と脛への腰神経・仙骨神経の影響が緩和されたのだと思います。

 頚の左から右への回旋による鎖骨上の胸鎖乳突筋の硬さに始まり、左肩上部の硬結、脊柱起立筋の短縮など、頭痛の原因となるものは施術をしながら感じることができました。そして膝痛も、結局は胆経を通じて頭痛から派生したものであると考えています。

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2006年9月 4日 (月)

ジャムのアロマテラピー 沢屋

 軽井沢、沢屋のジャムとの出会いはもう随分と昔の事ですが、私のジャムの概念を覆し、国産と無添加にこだわるその姿勢は、信じられる大人の仕事として深く尊敬しています。

 沢屋のジャムは信州の地の果物と国産のグラニュー糖にこだわり、ペクチンやゲル化剤などの添加物を一切使わずに作っています。

 日本では馴染みのなかったルバーブのジャムをいち早く商品化したのも、沢屋の優れたところだと思います。

 ルバーブは葉柄をジャムにしますが、セロリのような形でパックされて売られているのを時々目にすることがあります。漢方では根茎を“大黄”と呼び、便秘に効果のある緩下剤として使います。

 信州は薬用人参などの生薬の栽培が盛んなので、ルバーブを栽培しジャムにするという西洋の食習慣も受け入れやすかったのかもしれません。

 今では軽井沢に沢屋の店舗が増えました。“さるなし“グースベリー(すぐり)”など珍しいジャムに出会うととても豊かな気持ちになります。ルバーブも酸味があって野菜とは思えない爽やかな美味しさでした。

 嗅覚には精油のアロマテラピーがありますが、味覚のアロマテラピーと言ったら沢屋のジャムが一番に浮かびます。

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2006年9月 3日 (日)

ストレス反応としての頬骨筋の硬さ

 ストレスが溜まった方の頬の筋肉から、張りつめた感触を受けることがあります。

 頬の骨を斜めに横断し口輪筋に達する頬の筋肉は、内側に小頬骨筋、外側に大頬骨筋があります。

 気分が沈むと口角を引き上げて笑うことが少なくなり、表情が乏しくなって顔の筋肉が硬くなります。“表情が固い”というのは、精神的な面とともに肉体的な面も表しています。

 瞳の下から胃経の経絡が始まるので、頬の筋肉の硬さはストレス反応→胃炎、胃潰瘍といった関連性を想定させます。

 実際に、頬の筋肉を指圧で緩めるとおなかがグーッと動き出すということがありました。頬の筋肉の刺激が唾液腺にも伝わり、消化管の運動を促進したのではないかと思います。

 精神的なストレスは表情を固くし、体全体にも暗雲立ち込めた状態を作っています。頬の筋肉を緩めることでおなかがグーッと動き出したのは、背部、下肢、上肢を先に緩めていたからだと思います。

 おなかがグーッと鳴る時の胃経のポイントは下肢の前側にあることが多いのですが、頬の筋肉がポイントである場合もあると感じた症例です。

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2006年9月 2日 (土)

棘下筋と小円筋のこり

 四十肩、五十肩と呼ばれる症状で痛みが出やすいのが、棘下筋と小円筋です。

 棘下筋と小円筋は、肩甲骨の上4分の1を横切り、鎖骨と関節する肩甲棘の下に位置し、上腕骨大結節に停止する肩の外旋筋です。

 外旋とは、肘を90°に曲げて弓の弦を引き絞るような肩の動作です。ピッチャーの投球動作で、肘が一番後ろに引かれ、力の入った状態も肩の外旋です。

 棘下筋と小円筋の上腕骨大結節への停止は、三角筋の下で腕側面の中心よりやや後ろ側につきます。

 猫背になってデスクワークや家事などをし続けると、棘下筋と小円筋は働きのないまま停止部付近が折れ曲がり、不動性拘縮を起こします。老廃物が蓄積し凝り固まって、髪をいじったり、帯を結んだり、トイレでお尻を拭くのが困難になるのが、四十肩、五十肩です。

 また、野球の投手が力投をして、使い過ぎで痛むこともあります。

 施術のポイントは、停止部近く、特に三角筋の下にある部位の硬結をゆるめることです。通常圧法の指圧や軽擦の後に、母指の強擦や押圧した皮膚の位置はずらさずに皮下組織を渦巻き状母指柔捏して、老廃物を分解、排出するようにします。

 上肢を肩の高さに外転し肘を90°屈曲内反し、手掌を前方に向けた状態から下に降ろしていき、肩関節を内旋するストレッチは必須です。

 押圧もストレッチも痛みが出ない範囲ですることが大切です。通常の施術ではどうしても痛みが出ることは避けられないと思います。しかし、それで何も考えずタッチの刺激量を調整しないようでは筋肉の緊張を増強させて、施術前より悪い状態を作ることになります。

 少し動かしても痛い場合のタッチの工夫があるかないかが、手技療法者の実力のバロメーターになります。

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2006年9月 1日 (金)

ヘバーデン結節

 爪のある手指の末節骨関節付近にできる結節がヘバーデン結節です。へベルデン結節と覚えていたのですが、ヘバーデンと発音するほうが主流のようです。

 加齢的な骨の変形ということなのですが、中年以降の女性のほうが発症しやすいということから、ホルモンや骨粗鬆症との関係も考えられると思います。

 私の診た方の中には、全ての指の末節骨背側にヘバーデン結節がある女性がいらっしゃいました。動作に少しぎこちなさがあるということでしたが、痛みはないということでしたので、通常通りの施術をしました。

 末節骨の関節付近が膨らんで、万年筆のペン先のような形に見えたらヘバーデン結節を疑ってみることです。痛みのない場合は、無理をさせないようにする保存的治療をしていくことになるようです。

 アロマテラピーのハンドトリートメントでも時々出会うことになると思います。オイルを使う場合は、痛みがなければ特に注意をすることはありませんが、中節骨や基節骨の関節に多発するリウマチとのおおよその鑑別ができれば、病院への受診のアドバイスをすることができますし、お客様の満足感も違ってくると思います。

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