肩が下がる
野球の投手が、全盛期はオーバースローで真上から投げ下ろしていたのに、だんだんと球を離す時の肩の高さが下がってくることがあります。
これは肩関節の挙上・外転・外旋という動きが重力に逆らって大きな力を溜める激しい筋肉運動なので、筋肉疲労の蓄積や柔軟性の衰えなどによってできなくなるということが理由です。
投球動作を脊柱に注目して見ると、猫背の矯正運動には筋力が必要で、猫背になるのは比較的に容易であることがわかります。
肩周囲の筋肉の疲労は筋長を短縮させ、肩が下がります。何も持っていなくても、重い物を持っているような状態です。
若い頃速球派でならしたピッチャーも、余程のメンテナンスを続けない限り真上から投げ下ろす球の威力は衰えてきます。弓の弦を引きしぼるような筋力と体のしなやかさを兼ね備えていないと、大きな反動をパワーに上乗せすることはできなくなるのです。
アマチュア野球を続けている方に指圧をして思いました。症状はプロの選手と同じ野球肩です。上半身の筋肉が硬く緊張し、腹筋や殿筋を含む下半身の筋肉が衰えてきています。プロ野球の選手が自主トレで走り込みをする理由がよくわかりました。
肩を下げて歩くというのは寂しい姿です。やはり下半身の筋肉を使うことで全身のバランスを取り戻すことが大切です。球の威力は何割か落ちても、それをカバーする技術や経験や味があれば、常に新しい境地でプレーすることは可能だと思います。
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