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2007年1月31日 (水)

肩が下がる

 野球の投手が、全盛期はオーバースローで真上から投げ下ろしていたのに、だんだんと球を離す時の肩の高さが下がってくることがあります。

 これは肩関節の挙上・外転・外旋という動きが重力に逆らって大きな力を溜める激しい筋肉運動なので、筋肉疲労の蓄積や柔軟性の衰えなどによってできなくなるということが理由です。

 投球動作を脊柱に注目して見ると、猫背の矯正運動には筋力が必要で、猫背になるのは比較的に容易であることがわかります。

 肩周囲の筋肉の疲労は筋長を短縮させ、肩が下がります。何も持っていなくても、重い物を持っているような状態です。

 若い頃速球派でならしたピッチャーも、余程のメンテナンスを続けない限り真上から投げ下ろす球の威力は衰えてきます。弓の弦を引きしぼるような筋力と体のしなやかさを兼ね備えていないと、大きな反動をパワーに上乗せすることはできなくなるのです。

 アマチュア野球を続けている方に指圧をして思いました。症状はプロの選手と同じ野球肩です。上半身の筋肉が硬く緊張し、腹筋や殿筋を含む下半身の筋肉が衰えてきています。プロ野球の選手が自主トレで走り込みをする理由がよくわかりました。

 肩を下げて歩くというのは寂しい姿です。やはり下半身の筋肉を使うことで全身のバランスを取り戻すことが大切です。球の威力は何割か落ちても、それをカバーする技術や経験や味があれば、常に新しい境地でプレーすることは可能だと思います。

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2007年1月30日 (火)

のどが痛い時のツボ

 のどが痛い時には胸鎖乳突筋の内縁に痛みが伝わるので、圧していると痛みがやわらいで、痰が切れて楽になります。胸骨の上で鎖骨の真ん中の『天突』も、のどの奥の痛みには効果があります。ただし強く圧すのはよくありません。

 咳が続いたり、風邪が長引くと、頚部から背部にかけてこってきます。特に肩甲間部をゆるめることができると、肺の伸展が楽になり痰が切れてきます。

 こういった場合に下肢のむくみの施術もしておくと、伏臥位から仰臥位に体位変換する時に、痰が切れてのどが楽になるということはよくあります。これは本物のデトックスです。

 私はユーカリ、ティートリー、ラベンダーなどの芳香浴と指圧ということが多いのですが、吸入浴や頚部から前胸部と背部のトリートメントでも効果があります。トリートメントの場合は上肢内側で橈側の『肺経』にも注目します。

 風邪が長引いている場合は、うがいや口腔ケアについてお話しすることもあります。口臭が強過ぎる場合は、口の中に雑菌が繁殖して風邪も治りにくい環境になっているのだと思います。言いにくいことなので、余程の場合に、とても遠まわしに話します。

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2007年1月29日 (月)

Ph10.1 花和楽の湯

 テレビの『日帰り温泉王選手権』を見て、花和楽の湯を知りました。車で30分で行ける距離なのですが、気づくことのなかった温泉です。

 日曜の営業開始時刻から間もない時間に行ったのに、駐車場はほぼ満車で、受付に長い列ができています。皆さんテレビの影響を口にしていますので、今まではもう少し余裕で入れたのかもしれません。

 あまり広い施設ではないので混んでいたのですが、温泉は無色透明で、入るとすぐ肌のスベスベ感があり、人気の理由がわかります。

 美肌の湯と言われる秩父の満願の湯でもPh9.5なので、Ph10を超えるアルカリ性の泉質はかなりのものです。露天には蝶が飛んできました。いくら温かい冬だとはいえ、早すぎるようで心配です。それほど露天の温熱が影響しているのでしょうか。

 露天風呂には浅い寝湯もあり、景色は雑木林が見えるだけですが、お湯の質が補ってくれています。

 サウナは乾式のサウナですが、一時間毎にアロマオイルの香りを変えるサービスをしていて、意外に快適です。普段アロマオイルに包まれているので『そんなの大した事はないだろう』と思って入ったのですが、加熱している香花石という石にアロマの芳香水を吹き付けると、鼻のツーンとくる乾燥を防いだり、汗の臭いを防いだり、乾式高温サウナのダメな所をかなりカバーしてくれています。柑橘系のアロマオイルを中心に使っている所に、専門家の存在を感じました。

 花和楽の湯は小川町にあり、埼玉県伝統工芸館にも近いのですが、国道254号から少し入った所にあるので場所がわかりにくいかもしれません。混んでいて不快なことも多いとは思いますが、湯あたりもせず、いまだスベスベの手足からすると、行ってみる価値はあると思います。

 

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2007年1月28日 (日)

肩がこると下顎が痛くなるという症例

 肩がこってくると下顎が痛くなるという方に指圧をしたのは、今回が初めてです。

 頚の前傾、左側屈、左回旋によって肩がこってくると、橋から蝶形骨の卵円孔を通ってくる三叉神経の第三枝が、どこかで圧迫されるということなのでしょう。左の下顎のほうが短縮して見えます。左の歯で噛む癖がありそうです。

 結婚後に太ったということで、肩周囲から背中、上腹部、脇腹に贅肉があります。上肢伸展挙上をすると、不自然な重い動きです。

 血色の良い手掌で、冷えは問題にしなくてもいいと思います。全身の指圧をして最終的に残ったのは頚の側屈です。第4頚椎のあたりが右に突出しています。頚を左に傾けた姿勢を続けてきたようです。

 まずは肩を腕の重さと頭の重さから開放してあげることです。良姿勢を意識して、頭を上げて胸を張る生活をすることで、随分と肩こりは緩和されます。そして贅肉を落とすために運動が必要です。手足の小ささから推測すると、結婚後の急激な体幹の肥満は、肩や腰の負担になっています。

 症状の改善には長い時間がかかるケースです。

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2007年1月27日 (土)

ホリスティックという考え方

 ホリスティックに人間の体を診ていくということは、部分の愁訴を体全体に反映していくということです。そこには当然、心のケアも含まれています。

 手のしびれを手だけの施術で終えてしまえば、ホリスティックとは言えません。上肢で神経が圧迫されているのか、胸鎖関節か、斜角筋隙か、頚椎の問題か、さかのぼって、さかのぼって、考えていくのがホリスティックな施術です。

 手指を検査機器とすると、画像を映すモニターはクライアント自身です。症状から原因をたどって、それが体全体に影響していたことを確認できればホリスティックな施術ができたと言っていいと思います。

 ただ全身に施術をするだけではなく、個の違いに従っていけば自然とオーダーメイドになっていくのがホリスティックな施術です。

 マニュアルや時間に縛られた施術ではなかなか難しいものです。自分のタッチを作り上げて、続けていくことができたら、いつのまにか全てがホリスティックな方向へ向かっていくと思います。

 手を擦るだけでも効果はあるのですが、恥ずかしい自分の生き様を曝け出してクライアントの体全体にタッチをしていくと、神々しい幸福感に包まれていることがあります。その全身の包まれ感がホリスティックということだと感じています。

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2007年1月26日 (金)

薬剤情報

 保健医療では薬剤情報の提供が広く行われるようになりました。薬剤情報提供料が診療報酬に加算されるようになってからはどの医療機関でも洩れなく行われていることと思います。

 昨日指圧に来た方が、少し歩くと息がきれるという話になって、「飲んでいる血圧の薬のノルバスクは、確かカルシウム拮抗薬でしたよね?」とお尋ねしたところ、「いえ、カルシウム拮抗薬が合わなくてノルバスクに変えてもらったんです」ということでした。

 後で調べてみるとノルバスクはカルシウム拮抗薬でした。カルシウム拮抗薬は心筋や冠状動脈を収縮させるカルシウムイオンのとりこみを防ぎ、冠状動脈を拡げたり、血圧を下げたりする薬です。

 狭心症のある高血圧にはよく使われています。同じカルシウム拮抗薬でも成分の違うものもあり、ノルバスクでは副作用が出なかったのだと思います。

 10年も使っているという薬です。カルシウム拮抗薬でないと思って調子良く来たことを考えると、あえて本当のことを伝えなくてもいいとは思います。

 薬剤情報の提供とは、全ての情報を伝えるわけではないということなのです。告知を受け入れられない方もいますし、成分を羅列しても理解できない方もいます。

 お医者さんでフォローできないことができればいいと思っています。もちろん指圧師やアロマセラピストが薬剤情報を提供する立場にはありません。もし次にその薬の話が出るまでは触れないでもいいことではあります。

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2007年1月25日 (木)

気功の本で見つけた指圧で普通に行われている事

  書店でたまたま手に取った気功の本に、指圧では普通に行われている、症状を緩和するための手技が書かれていました。

 もともと気・血・水の流れを調整する同じルーツから派生しているとはいえ、ごく初歩的な指圧法が気功の本で紹介されていたのは意外でした。

 気に働きかけることで、あるいは気を伝えることで体の調整をするのが気功だとすると、体に働きかけることで気の調整をもするのが手技療法です。

 気功師が体に触れるということをしたときに、限りなく手技療法に近づきます。逆に言えば、手技療法者がタッチに気を伝えられたときに、限りなく気功に近づきます。

 おそらくその交わる領域は、強圧刺激のようなセラピストからの一方的な力を排除したところにあるのだと思います。

 目が疲れると目頭を押さえて充血を解消しようとしたり、どこか痛いところがあると手をあてているということは、生来備わった防衛反応だと思います。その延長線上で出すぎることなく治癒力を引き出すことが出来れば、素晴らしい結果につながるのではないかと思います。

 手技療法で難しいのは刺激量の加減です。自分とクライアントは違う神経に支配されているので、痛い刺激か、気持ちのいい刺激か、完璧にわかるということはありません。時には適量刺激を超えて、治癒を遅らせてしまうこともあると思います。

 それでも私は手で触れるということがとても効果のあることだと思っているので、気だけで何かを治そうとは思いません。ただし、催眠や気功によって手を触れないでも体の緊張がとれるということもあるのですから、眠れるような刺激をするとか、全神経を集中して施術しているという姿の信頼感とか、見習うべき点や交わる領域は研究していかなければいけないと思います。

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2007年1月24日 (水)

アカスリとか色の変わるフットバスとか

 目で見て確かめられる事は評価しやすいものです。

韓国式アカスリエステで「こんなにアカが出ました」と山盛りで見せられると、『何て私は不潔だったのだ!こんなに綺麗にしてくれてありがとう!』と体にヤスリをかける勢いで頑張ってくれた人に、素直な方は、賞賛の眼差しさえ送ってしまうことでしょう。

 まだしばらくターンオーバーするはずのない角質層まで削られて、後でヒリヒリすることになるかもしれないのに…。

 色の変わるフットバスも、目で見て変化がわかるので、何だかもっともらしい説明をされると信用してもいいような気になってしまう方もいると思います。重金属が出ているとか、肝臓が悪い人の色になったとか…。

重金属という言い方は、鉄などと特定して言うより作為を感じます(金、銀、プラチナとかが出ていればそれはそれで問題ですが…。単なるエクリン汗腺の汗ですから…)。

どうして『お前たちにはわかるまい』的な上から目線で施術が進んでしまうのでしょう。ブームなら検証され、やがて廃れます。

そこへ行って何も改善しなかった人や体を壊した人が指圧を求めてやってきます。そういったところには足圧であったり、頚の無理な牽引であったり、不適切な刺激を平気でしてしまうような施術がセットされていたりすることもあります。

エンターテイメントの範囲で健康を害さないなら何をしていただいても結構だと思いますし、そういったものに魅かれる心理もわかります。しかしまるで敗戦処理のように痛めつけられた体に触れるのは、とても大変なのです。

 流れのない水は腐り、人間は新陳代謝という入れ替え作業を続けて生きています。時の流れとともに少しずつ変わり続けることが尊く、大きく変わることを推奨するものにはどこか胡散臭いものを感じます。

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2007年1月23日 (火)

例えば開けにくい扉のようなもの

 開けにくい開き戸やなかなか開かない鍵のように、癖のあるものは単純な力加減では通用しないようです。しかし毎日使っている人は、他人がてこずる横からサッと開けてしまいます。

 人間の体もそれぞれ使い勝手が違うようで、同じ肩こりにしても様々な角度から力の微調整をして刺激していかないと、緊張の扉を開放することはできないようです。

 頭痛持ちで初めて指圧を受けに来た方に顔の指圧をしたところ、「頭痛が本当にひどくなると顔までこってくるんです。その時に顔の指圧をされたら気持ちいいだろうなぁ。」と施術後に言われました。

 眼の周囲と頬の指圧が、感覚の鍵穴にピタリとはまったのだと思います。頭痛がひどくなると、三叉神経の第一枝と第二枝にも痛みが現れるということでしょう。

 指圧が顔も含むということを知らなかったから驚きがあったということも共感を深めたでしょうし、それ以外にもこりのポイントを確認し、それがほぐれていくことで姿勢が矯正されて体が軽くなったという新鮮な感覚もあったと思います。

 脈を診る、筋肉の硬さを診る、目の下のくまを見る、何でもいいですから感じたことをクライアントに伝えていくと、それについてクライアントが思い当たることを考えて、お互いがこの時間を作っている感覚が強くなります。

 根拠があって正確に言い当てることができると、施術がより良い方向へ進んでいきます。この頭痛の方とのお話しの中では、後頭部のむくみに対して脳梗塞ではこういうことが起こるとお話ししたところ、脳梗塞で亡くなることの多い家系であるということが返ってきました。

 可能性や原因に対して話を交わせる雰囲気があれば、開けにくい鍵穴でも油をさしたような効果はあります。

 体をゆるめる順番を変えてみるとか、時々は間違った感覚でとらえているとか、それも施術に含まれてリラックスしていただいたり、感動していただいたりするわけです。

 開けにくい扉は、本当は誰にとっても開けにくいものです。力ごなしでは壊してしまうし、一生懸命考えないと通用しません。それを面白いと思って時間を忘れてあれこれやっているうちに、サッと扉が開きます。

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2007年1月22日 (月)

怪しいダイレクトメール

「私たちは怪しいものではありません」と謳ったダイレクトメールが、魔法の商品をパンフレットに載せて届きます。

 『北投石のナントカ』は、「ほくとうせき」とカナがふってある時点で却下です。「ペイトウセキ」と呼んでいる人たちのほうが“こなれた”感じがします。

 『△○×パワーのCD』は病気を治すのだそうで、非常に欲しいと思ったのですが、各症状に対してCDを揃えなければいけないそうなので(効かないとすれば間違ったCDを聞いたからだそうです…)指圧やマッサージのほうが便利だと思い、これも却下です。

 いろいろな療法の講習会の案内もいただきます。「どこかアジアの奥のほうに昔から伝わっているらしいテクニック」とか、きっとすごいのでしょうが、特に必要ありません。

 指圧やアロマテラピーはそんなにまで怪しいものではないので、仲間に入れようとしないでほしいと思います。

 施術者は施術の限界に悩む時があり、治療の限界を感じている病気の方もたくさんいると思います。それでも体に不調を抱えた方たちはセラピストが自分のものにした術を受けたいと思って来てくださるのです。

 工夫をする、勉強をするということは必要ですが、クライアントの真に求めていることは、『何を使ってどのようなやり方をするかということではない』ということははっきりと言えます。

 体を温める道具や刺激をする道具はたくさんあります。しかし少なくとも私のところへ来てくださる方たちは、私が私のものとして発するタッチと、体を映す鏡としての価値と、情報量と、そういったものを総合した個性を必要としているのであって、何流のどういう理論に基づいているとか、何を使うとか、そんなことはどうだっていいと思っているのではないかと感じています。

 ただ体得した術を施すことが施術です。結果が伴わないのだとしたら術が体得できていないということです。新しい変化球を覚えて、持ち味を殺してしまうピッチャーもいます。小手先のテクニックでかわしていこうとすると、中心がぶれてしまいます。最近の様々な不祥事にも当てはまる事だと思います。

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2007年1月21日 (日)

90才のおばあさん

 あれは随分と前の事、冬のとても寒い夜に、90才になるおばあさんが家族の車でやってきました。

 記憶が曖昧になってしまったのですが、「寒い」と言うので、小さな電気ストーブや毛布を出してきたように思います。

 大した事は出来なかった、特別な事は何もしていないはずです。それでも「こんなに親切にされたことはない」と言ってくださいました。

 翌朝、家族の方から電話をいただきました。おばあさんが亡くなったという電話でした。家族の方からも「親切にしていただいて、とても喜んでいました」と伝えられました。おばあさんにも家族にも、最後の時が近づいたという予感のようなものがあったのかもしれません。

 そんな気配を感じることもなかった私は、親切な何をしたのか全く思い出すことができず、もっとできることはなかっただろうかと冷や汗のような涙が流れました。

 今でも渾身のパフォーマンスやサービスが心に届いているかわからない時があり、万全とは言えない施術をとても誉めていただくこともあります。

 今日できることを次回に持ち越さないということを、あの日から更にこだわってきたように思います。あれはお伽噺で本当にあった事ではないような気さえしますが冬の寒い夜には時々思い出します。

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2007年1月20日 (土)

ベテランの介護ヘルパーさん

 介護の仕事の帰りに、ヘルパーさんが初めて指圧を受けにいらっしゃいました。肩、腰、膝にこりや痛みがあるそうです。

 脈が弱く、猫背で骨盤が開き、右の股関節が外旋し、O脚です。車の移動が多く普段歩かないそうです。

 肩甲間部の指圧では上肢が動きます。カイロの施術を受けていたということですが、部分的に過敏な反応を示す筋肉があります。

 大殿筋が弱くお尻は垂れています。股関節は硬く、足首の関節運動もギクシャクします。左より右下肢のほうがむくんでいることが気になります。脇腹も硬く、肝機能障害を疑う感触です。骨盤が開いて内臓が下垂し、おなかに脂肪がたまって下腹部がポッコリと出ています。腰痛を起こす原因のひとつです。

 病院が嫌いで検査を受けたことはないそうですが、会社の健診で血液検査はしているそうです。データを見てみたい気がします。

 上肢の指圧をしても手首から先、特に右の中指に冷感があります。普通この段階では相当な冷え性であってももう少し温かくなっているものです。

 いくつかのストレッチをして施術を終えました。手を触ってみるといくらか温かくなっていましたが脈は弱いままです。年齢からみても動脈硬化はすすんでいるのだろうと思います。

 話をしていくうちに、ケアマネージャーの資格をとったのだけれど、実際にはヘルパーの仕事しかないというような不満が浮かびあがってきました。確かにこの体で介護の仕事をするのは大変だと思います。

 介護の会社はヘルパーさんに自分の体のケアの仕方や、自分の体に無理のないクライアントの介護の仕方を、もう少し丁寧に教育してあげないといけないと感じます。

 ベテランと呼ばれるほど仕事をしてきて、自分の体を無理に使って今まで過ごしてきたとすれば、不満もつのり、サービスの質が低下してしまうこともあるだろうなと思います。

 

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2007年1月19日 (金)

水中毒

 アメリカの水を大量に飲むコンテストで、女性が死亡したというニュースがありました。水中毒により脳が膨張して死に至ったのだそうです。血中ナトリウム濃度が急激に低下したことによって起こるのだそうです。

 生理食塩水の0.9%という塩分濃度を体液が維持することによって、人間の体の恒常性は保たれています。水の多飲は体が必要としないことです。水ダイエットが日本人には向いていないという説を聞いたこともあります。おそらく遺伝的な体質や食生活が関係しているのでしょう。

 最近大食いのテレビ番組がまた放送されていますが、大食いも現代社会では体が必要とする行為ではなく、誰かが真似をして実害がでないことを祈るばかりです。

 水中毒で死んだ方はとても頭が痛かったと思います。昨日も頭痛の方に指圧をして、体全体をゆるめて、途中でトイレに行き、むくみがとれて頭痛が治るということを実感しました。

 余分な水が脳を膨張させることはあるなぁと思います。

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2007年1月18日 (木)

老々介護

 正月に旦那さんが脳梗塞になったという方が指圧にいらっしゃいました。千葉の別荘で食事中にフラフラとなったのだそうです。冬は暖かい海辺で過ごすはずが、かかりつけの病院に駆けつけることになりました。

 前にも何度か指圧をしているのですが、とうとう血圧の薬を飲むようになったとぼやいていました。肩がこって眠れず、睡眠薬も飲んでいます。

 肩こりは手先のしびれを伴っていますが、ゆるめることができないというものではありません。体全体をほぐしていくと、白かった指先がピンク色に変わっています。

「睡眠薬より指圧のほうが眠れそう」と言ってウトウトしますが、話したいことが溜まっているらしく、病院に向かう高速の『海ほたる』から先、前をトラックにふさがれて運転が大変だったことや、比較的元気で気難しい旦那さんについての文句が続きます。

指圧が終わって一時間は喋ったでしょうか、お昼の用意に帰っていかれました。老々介護(老々看護)となると心身ともに大変なストレスを抱えることになります。予定も大幅に変更になり、介護する側も共倒れになりそうな厳しい現実があります。

せめて心と体が軽くなってからここを出てください。旦那さんも指圧をして知っていますので、ストレスが溜まったら、あの顔を思い浮かべながらお話を聞きましょう。

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2007年1月17日 (水)

“アンギオ”

 以前、癌の患者さんのお宅に呼ばれて指圧をしていた頃、「アンギョーは痛いんだぁ…」と何度も聞かされました。

 話の内容から、太腿からカテーテルを入れて血管造影検査をすることだとは思っていたのですが、きっと病院の中では隠語で『暗行』と言っているのだと思いました。とても辛い修行を山のお堂に籠もってしているような言葉の響きがありました。

 年配の患者さんの中には本当に『暗行』と思っている方がいるかもしれません。実際は『アンギオ』と言うのだそうです。局所麻酔をするから痛くないそうなのですが、癌で腫れあがった太腿には修行をしているような痛みがあったのだと思います。

 その方が亡くなってもうすぐ3年になります。夜中に電話で呼ばれるほど最後のほうは頼りにしてくださいました。心筋梗塞のバイパス手術を受けた方と話をしていて、久しぶりに『暗行』を思い出しました。

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2007年1月16日 (火)

凍結した道を歩くと膝裏内側が緊張する

 膝の裏が痛いというと、骨や靭帯や坐骨神経の問題が頭に浮かびますが、縫工筋や半腱様筋の停止部が緊張しているケースがあります。

 縫工筋は下肢を胡坐に組む時に働くので、O脚になると緊張します。半腱様筋、半膜様筋は下腿を屈曲・内旋させるので、これもO脚で踏ん張ると緊張する筋肉です。

 朝、鼻を真っ赤にして指圧に来た方の膝裏内側の痛みは、凍結した道を踏ん張って転ばないように歩いてきたからかもしれません。

 大寒を前にして都内の歩道橋でも日陰では凍結している場合があります。雪の滅多に降らない土地では、凍結した道の歩きには不慣れで、ブーツで捻挫をする、尻餅をついて腰を痛めるということまであります。

 縫工筋などの膝裏内側の緊張が施術の盲点であるということは、凍結の道を歩くということが生活の中でもたまにしか出くわさない盲点だからだと思います。寒さが体に及ぼす影響は履物や道路の状態によっても違ってきます。

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2007年1月15日 (月)

サウナの血管拡張

 手技によって体が温まる感覚とサウナなどの全身を包む温熱によって温まる感覚には違いを感じます。

 指圧やマッサージによって冷えが解消する、体が緩むという感覚は全身の施術であっても刺激量が度を超さなければ体にマイルドな快適さをもたらします。

 しかし、サウナや岩盤浴などの全身性の温熱刺激では、水分を摂りながらでも、熱の浸透が強く、血管が拡張しすぎると思うことがしばしばあります。私の場合は偏頭痛が起きることがあるのです。

 低温のサウナでサラサラの汗をかくのは気持ちがいいものです。汗をかいたら水を飲み、体重計にのってあまり減量しすぎないようにと思っても、冬場は特に後から頭が痛くなることがあります。

 体も血管も低い気温に対応するように調節されてきているので、急激に血管が拡張するとどこかで調節機能がパニックを起こすのかもしれません。心臓疾患や高血圧がある方には禁忌であるとサウナには注意書きがあるのですが、どう考えても血圧の高そうな人がウンウン唸って入っているのを見ると大丈夫かなと思います。

 サウナは低温を選び、水を摂りながら、できればサラサラの汗が出た段階で早めに切り上げることが体にはやさしいのだと思います。やってはいるのですが、なかなか適量刺激を会得することができません。これは、サウナの室温だけでなく外気温や体の疲労など様々な要素が関係してくるからなのでしょう。私が冷え性でも血圧が高いわけでもないということもあります。

 それから考えると、手技療法というものは非常に加減がしやすく、冬に血管を拡張して体を温めるには万人向きだと思います。

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2007年1月14日 (日)

難病の奥様からの電話

 背中の痛みで初めて指圧にいらっしゃたのは、品のいい初老の男性でした。

 頚が肩より前にあり、脊柱のS字カーブが増強しています。環椎後頭関節がやや右にずれていて、右後頚部の『天柱』につまりがあります。左の奥歯を治療中で食事の時は右の歯で噛んでいるとのことです。

ギックリ腰を繰り返している上に、肩こりがひどくなると頭痛がするそうですが、指圧で脊柱を矯正することでほとんどの不調を解消できそうです。

仰臥位の下肢伸展挙上テストで痛みがないので、椎間板ヘルニアの疑いは除外していいと思いました。仰臥位で腹部から始めなければいけないほどの腰背部の症状はないので、横臥・伏臥・仰臥と指圧することにしました。

伏臥の指圧の途中でお客様の携帯に電話がかかってきました。眼科での治療が終わった奥様からの電話でした。この後迎えに行くのだそうです。

奥様は視力が衰えてきていて、全身性に進行する病気なのだそうです。都内でのリハビリを含め3ヶ所の病院にかかっているとのことです。

「時間がもう少しかかりますがいいですか?」と聞くと、奥様は待つのは慣れているからと了承していただきました。この背中はかなり良くなりそうなので、はしょらずに施術を続けます。

仰臥位の上肢からは眠っていました。腹部の施術の後、腰に両手を差し入れてみると腰椎の前弯は解消されています。腰椎と胸椎のストレッチを覚えていただいて施術を終えました。立ち上がると胸椎の後弯の増強も解消されています。

この後続くことが予想される奥様の病気とそれを支える夫としての日々の、暗黙の激励になれたかどうか、次に来て頂くよりも治してしまう勢いで時間を頂戴したのですがいかがだったでしょうか。

今まで受けてきたという部分だけの治療にない感覚を持っていただけたとしたら、奥様を待たせてしまったことも救いになります。

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2007年1月13日 (土)

上肢の痺れと斜角筋

腕や手に痛みや痺れがある場合には、頚の筋肉が関係している場合があります。

腕神経叢の出口が頚を側屈させる前斜角筋と中斜角筋の間を通るので、この筋肉が硬くなっていたり、頚を曲げた姿勢を続けると神経を圧迫することになります。またここは鎖骨下動脈も通るので、頚の姿勢が良くないと上肢の血行不良を起こすことにもなります。

側頚部への施術は、頚の付け根に指が埋まるくらいまで、斜角筋の第1肋骨停止部に届くということがポイントです。胸郭出口症候群、斜角筋症候群に施術をして効果がみられないという場合は、筋の中心部しか施術ができていないということだと思います。

この斜角筋のポイントと、母指一つ分背中に向かう僧帽筋の肩根点を緩めることで腕の痺れがとれた、肩が動くようになったということはよくあります。頚が前傾や側屈して起こる肩こりを解消するには、斜角筋と僧帽筋を圧して手先まで痺れるポイントを探して施術してみると効果があります。

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2007年1月12日 (金)

七福神巡り筋肉痛のその後

 前回は全身が筋肉痛だったので仕事を休んだかと思っていたのですが、その日の仕事もこなし、翌日はさらに楽になっていたそうです。トイレでしゃがんだりする時に筋肉痛があったようですが、越生七福神巡りが難コースであることは知られていて、家族にもお店のお客さんにも、本当に七福神を周ったのかと疑われたそうです。

 体に触れると深部に硬さがあるものの、全体的には日常の体の使い方をした時に今まで診てきたような緊張がほとんどです。痛がることもなく全身の指圧を前回より軽く終えました。

 これは自分の予想以上に指圧の効果があったケースです。お孫さんがいる女性ですし、普段歩く習慣がないので筋肉痛は長引くものと思っていました。

 体をメンテナンスするタイミングと刺激量がちょうど良かったということでしょう。「30分くらい歩いたほうが筋肉痛の解消を速めるかもしれない」というアドバイスを素直に聞き入れて、昨日歩いてみたということも良かったと思います。

 当日のストレッチやアイシングがあればもっと筋肉痛を抑えることができたと思いますし、当日に指圧やマッサージを受けていればより効果的だったかもしれません。

 ただし、年配者の筋肉痛は遅れて強くなってくる傾向にあるので、翌日の施術でも十分に間に合うということだと思います。

 

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2007年1月11日 (木)

得意気な物真似のタッチではクライアントの心に届かない

 昨日は生活の木で『手指と肘の痛み』についての講座をしてきました。

 まず上肢の経絡や腱鞘炎・リウマチなどの病気を説明した後、バスタオルを使った肩のストレッチや手指のストレッチをしました。

 その後に前腕内側の中心を自分で自由に母指で圧した時の感覚と、反体側を四指の指紋部でしっかりととらえて、手首の橈屈や背屈を使って、てこの原理で私が圧した時の感覚の違いを感じてもらいました。

 上肢の便秘のツボ、咳止めのツボ、寝違えのツボ、腰痛のツボなども一人づつ私が圧して感覚を覚えてもらいました。

 その後上肢の指圧と、ローズマリーとセントジョーンズワートの浸出油をスイートアーモンドオイルに希釈したブレンドオイルでアロマオイルトリートメントをしました。この行程の中には上肢と手関節の運動法も含まれています。

 最後に復習として肩と腰の指圧をしたのですが、全体的な感想としては“まだ強い”のです。『ロッキーマウンテン リトリート』(Solitudes)というヒーリング・ミュージックを流していたので、ゆったりとしたリズム感は良いのですが、タッチになると徐々に圧が入って徐々に圧が抜けていくという漸増漸減圧にはなかなかなりません。

 見てきた、あるいは実際にやっている“自分を満足させる物真似のタッチ”になっています。

 ここが一番難しいところなのですが、クライアントのことを考えての“0.5秒のためらい”や“あと0.5秒の持続”が臨床では必ず必要になってきます。上手と下手、セラピストとただマッサージ的なことをする人との違いは、ここで分かれると言ってもいいと思います。

 マニュアルではなく自分の気持ちを乗せたタッチでないと、クライアントの体には届いても心にまで届くことはありません。

 『指圧とは指で圧すことではない。指に体重を移動することである。』から始まって、目から鱗のようなことばかりでしょうが、4回の講座で皆さんとてもよく理解してくれていると思います。しかしいざ実践するとなると自分のタッチを作り上げるまでに練習と時間が必要です。

 タッチの刺激は「弱は強を兼ねる」のですが、強は体力のある人のデットックスには使えても、心身ともに衰えた人の癒しにはなり得ないのです。

 とても難しい講座ではありますが、受け手になった人はほとんど最後には寝ていましたし、咳止めのツボ『孔最』のデットックス効果で咳が出て喉の調子が良くなった人もいました。

 帰りがけにピアノの弾きすぎでテニスエルボーになったという生徒さんには、円回内筋の指圧をしてみましたが、電気をあてて治療してきた今までは何だったんだというくらい良くなっているのではないでしょうか?

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2007年1月10日 (水)

七福神巡り後の全身筋肉痛の指圧

越生七福神巡りをしてきた方が指圧にいらっしゃいました。5000人が参加した日帰りツアーだそうですが、一般の方もお参りしたでしょうから大変な人出だったようです。

 9時スタートの6時間歩きっぱなしという強行軍で、お参りというよりはスタンプラリーと化していたそうです。

 軽いリュックで行ったとはいうものの左の“肩井”に硬結ができています。右の背部から下肢後側まで、圧すと痛みがあります。伏臥位、下肢伸展挙上の大腰筋のストレッチで深部にまで痛みがあることを自覚したようです。

 仰臥位では大腿四頭筋から前脛骨筋まで筋肉痛があります。股関節を回旋すると、臀部や腰部の筋肉痛を自覚していきます。あまりにも疲れていたので、指圧をされて初めて個々の部位の痛みを感じているようです。

 

 最後のほうのお寺は山の中なので、道が凍ってすべり、下半身をずいぶんと緊張させて歩いたのだそうです。腹筋も筋肉痛になっています。

 普段はほとんど歩かない方なので、運動量が多過ぎました。今日指圧をしたことで年配者特有の“遅れて出る筋肉痛”は軽くなっているはずですが、心配だからと木曜日の予約をしていかれました。

帰り際に、七福神巡りはもう二度と行かないと言っていました。確かにそのお参りの仕方では、御利益を期待するのも、体にも、無理があると思います。

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2007年1月 9日 (火)

そして急性腰痛から10日目

 もしかしたらもう起き上がれているかもしれないと思っていたのですが、起き上がろうとしてまた痛めたらしく、5回目の往療です。

 下肢の筋肉こそ衰えていますが、痛みは右腰椎下部の伸展時痛に限局され、関節可動域が狭まったわけでもありません。

 伏臥位からの起き上がりには体の力が足りないので、横臥位から右腰を反らせずにおなかをへこませて起き上がる方法を実際に自分でシュミレイトしてきたので、全身の指圧と関節運動の後にやってみることにしました。

 右腰を下にして横臥位になり両膝をおなかにできるだけ近づけて背中を丸くします。斜め前に指先を伸ばして上肢を伸ばし、掌を下にして徐々に体に近づけて、肘を曲げて踏ん張り、顔を上げていきます。

 これをその場で実演してから(肘を曲げた右前腕を左手で押し潰すようにしてプッシュアップをする方法など、自分では大発見の起き上がり方も角度を変えて何回か演じました)、やってもらいました。

 体を起こすときに腰痛ベルトがあるといいなと思っていたところ、ちょうど家族が用意してあったので助かりました。

 この方法で、上体を30度までなら痛みがなく体を起こしておくことができました。45度まで起こすと痛みが出て本人がそれ以上を望まなかったので、今日のところはこれまでとしました。

 横座りで支えがあれば起きていられる状態にあると思います。あとは腹筋を使って腰を後ろに反らさないようにできるかということです。

 また前の状態に戻ってしまったかと思ってさっきまで暗い顔をしていた御本人は、私がお茶をいただいている横でおなかがすいたと言ってお菓子を食べています。家族も少し安心したようです。

 起き上がる時や座る時にしばらくは痛みがあると思います。あとは体力・筋力の回復と、起きたときの自律神経の調節に時間がかかります。

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2007年1月 8日 (月)

ダークマター(暗黒物質)

 今日の産経新聞に“ダークマター”という言葉が書いてありました。その記事によると、宇宙の全エネルギーの約7割がダークエネルギー、約2割がダークマター、いずれも正体不明なのだそうです。

 人間の目に見える物質は全体のわずかに4%しかなく、銀河の形成には、普通の物質の6倍の重さがあるダークマターが関与したと記されていました。

 圧倒的な割合の正体不明な物やエネルギーの中で、4%の中に数え切れない数の星が存在し、そのひとつに地球があって毎日の生命活動があります。

 その中で人間の体に触れて生命のエネルギーに働きかけていくという行為は、俯瞰の地図がズームされてピンポイントに絞られていきますが、宇宙のエネルギーの縮図でもあります。

 人間の体に手技療法を行う時に、実際は正体不明のダークマター、ダークエネルギーと同じようにわからない部分のほうが多く、もしかしたらダークマターやダークエネルギーの支配を直接的に受けているのかもしれません。

 巨視的に見ても、近視眼的に見ても、人間の体にも宇宙にも“同じ感覚の不思議なスキマ”を感じます。

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2007年1月 7日 (日)

出産後の仙骨周囲の痛み

 20代の主婦。三人目の出産後に右仙骨の周囲に激しい痛みが出るようになった。痛みで歩けなくなったことがある。

 頚が右から左に側弯し、胸椎の後弯が増強、骨盤が開き、X脚である。出産後おなかの周りに脂肪がつき、生理が不順で冷えを自覚する。

 前頚部、肩上部、肩甲間部には、母指を触れただけで跳び上がるほど痛がるポイントが点在する。頚椎から胸椎の間隔が狭まり、神経を圧迫していると考えられる。

 右大腿後側は坐骨神経の走行に沿って痛みがある。伏臥位、膝関節屈曲で股関節を外旋させる梨状筋のストレッチをすると強い痛みが出る。

 仰臥位、膝関節屈曲で股関節の内旋・外旋、内転・外転のストレッチをしても痛みが出る。

 整体に通っていて、右の骨盤と股関節の施術を受けてきたということだが、今この部位を強く矯正するような手技はしないほうがよいような手応えがある。(無理に押し込もうとしたことで?)複雑な傷ができているような痛がりかたをする。

 腹部の指圧中にトイレに行く。血液の循環が改善し、むくみがとれてきたということだ。頚から肩にかけての神経痛様の痛みはなくなり、X脚は目立たなくなっている。下肢の長さだけでも1cmは伸びている。身長全体ではもっと伸びているようだ。

 右仙腸関節は、押し込んでも、開く方向に動かしても痛むので、痛みの出ない範囲でストレッチをしていくしか方法はないように思う。お子さんを抱く時に、右足に体重をかけないようにとお話しさせていただいた。出産と子育てのまさに“プレッシャー”を右の仙腸関節が受けているのだ。

 頚椎・胸椎とX脚の矯正が仙腸関節に良い影響を及ぼしてくれるのではないかと期待している。

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2007年1月 6日 (土)

そして急性腰痛の7日目

 4回目の往療です。顔色は白く、気が病んでいる感じがします。しかし、仰臥位で下肢と腹部の指圧をして股関節の回旋運動をしてみると、痛みを伴わない関節可動域が広がっています。

 両膝を曲げて抱え、下腹部の恥骨スレスレを圧し込んでいきます。4回目の施術でやっと骨盤を浮かして下部腰椎に圧を加えることができました。

 膝を伸ばして姿勢を戻した時に腰の痛みがなくなりました。顔色がピンク色に変わっています。上肢、顔面、頭部、頚部、前胸部と施術をして横臥位に体位変換しても痛みは出ませんでした。一週間の臥床により、背筋は硬くなっていますが、腰を圧して痛みはありません。

 起き上がる時に伏臥位から下部腰椎が前に移動しないように腹圧をかけて、猫の伸びのようにプッシュアップができれば何とか起きられそうです。

 ただし、高齢で貧血気味なことと、食事ができるようになってまだ日が浅いので体力の回復がないと立ちくらみで転倒という事態になりかねません。

 施術の後、自分で体を動かして、今までできなかった仰臥位で腰を浮かしたり、伏臥位になってみたりしていました。ここまで時間がかかりましたが、着実に回復の補助ができていると思います。

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2007年1月 5日 (金)

副作用を伴わない施術

 指圧の特長として「副作用を伴わない」ということがあります。副作用を起こしてしまったとしたら、指圧の基本からはずれたことをしてしまったのです。

 東洋医学では“瞑眩”という快方に向かう時の一時的な病状の悪化を容認しているのですが、瞑眩のないさらにマイルドな治癒を目指しているのが指圧です。

 病人の自然治癒力を最大限に発揮させるようにサポートするのが指圧で、長く患った病気を治すのには時間がかかるのが自然で、大きく変化をさせることは病人に無理をさせることになるという考え方をしています。

 先日寝違えたように頚を痛めた方の指圧をしました。急性の強い筋肉の病変はすぐに治らないことのほうが多いのです。頚の筋肉を緩めてから、手の甲で示指と中指の間の『落枕』というツボを圧してみました。

 感覚神経は橈骨神経支配の部位なので、第5頚神経から第1胸神経に逆行性に圧刺激が伝達されると考えられます。『落枕』の硬さが緩むと、頚を向けにくかった側に向けて寝てしまいました。

 不思議なくらい効いてしまうこともあるのです。それはたまたま体力がある人であったからということもあるでしょうし、ツボと施術感覚の一致があったからということもあります。

 副作用を伴わない施術であるためには、功を焦らないことです。それは体の弱い苦しむ人を前にして、強い施術を我慢することでもあります。精一杯適切な施術をやってみて駄目ならあきらめるということです。

 これは精神的にとても苦しいことで、時には命の無常さや、自分の無力さを思い知らされることになります。しかし世界中のセラピストがその思いを抱えて施術を続けているのだと思います。

 時に100点を超える施術があり、時に苦しい施術があります。

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2007年1月 4日 (木)

そして急性腰痛の5日目

 昨日に続いて腰痛の方のお宅に往療に行ってきました。指圧の後、大量のお通じがあったそうで、ご飯も食べられるようになったということです。

 家族中で指圧の効果に驚いていただいたのですが、それが風評となり、どこかで誇張されて、とても難しい病気の方が訪ねてきたり、年末年始に施術をすることになります。とてもありがたいことですが、なかなか大変です。

 おなかは柔らかくなっています。脈は落ち着いて、手足はやや冷たくなっています。もともと体温の低い方なので、急性期の焼け付くような炎症反応はなくなってきたようです。

 体に触れていくと昨日圧した感覚が残っていて、毎日の施術が必要な感じはありません。痛みが右の腰に限定されてきていて、昨日はできた右を上にしての横向きはできなくなっています。患側を下にしたほうが鎮痛効果があり自然なので、ある意味よくなっている証拠なのかなと思います。

 股関節の可動域は昨日より広がっているので、本人の希望もあって体を起こそうとしてみたのですが、激痛が走り、まだ無理のようでした。自分自身痛い思いが嫌いで、クライアントと相談しながら施術を作っているので、説明と同意と施術がほとんど同時に進行していきます。

 第5腰椎が前にすべっているということがありそうなので、両膝を曲げて右上肢で抱え、おなかの方向に近づけながら、左手掌で下腹部を圧しこみます。この手技で痛みが起こらないということは、上手くいけばこの手技のバリエーション(微調整)の中でミラクルが起こります。

 そしてミラクルは起こらず、本当ならかなり良い仕事をしたはずなのに、少しへこんで帰りました。膀胱直腸障害まではない劇症の急性腰痛が、普通のギックリ腰くらいまでには回復したのですが、周りの期待にいい気になったか、飛べそうな気がしてもハードルは近くにいくと微妙に、もしかしたら非常に高く、ラッキーパンチを拒んでいます。

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2007年1月 3日 (水)

急性腰痛の4日目

 年末に往療した急性腰痛の方のお宅から再びお呼びがかかりました。前回はあまりの痛みに、体に手を触れただけでも痛がっていました。

 今回も触れないかもしれないと思いながら出かけたのですが、3日の安静は大したもので仰臥位がとれるようになっています。

 腰椎下部と右仙腸関節に原因がありそうなことはわかっていたのですが、前回は脊柱が一本の棒のように固まっていて、どこを触っても患部に響くような状態でした。

 今日仰臥位で下肢伸展挙上や膝を曲げて股関節の回旋運動をしても左は全く問題なく、右も慎重に動かせば痛みが出ません。関節のズレか腰部脊椎症や分離症などで右の神経根を後ろから圧迫しているというのが一番考えられることです。それに加えて靭帯や筋肉の傷もありそうです。

 胃が重い感じで、食べたい気持ちはあるけれど食事が喉を通らないと言うので、腹部の指圧から始めます。

 へその脇の“天枢”、その下の“大巨”といった胃経の便秘のツボが硬くなっています。もともと便秘がちで、病院で高血圧の薬と便秘の薬を処方されている方です。

 しばらく腹部の指圧をすると、右手“関の脈”のはねるような拍動が落ち着いてきました(三指でとる脈の中央が胃・脾を表す“関の脈です”)。

 下肢の指圧では右大腿外側に緊張がみられます。右腰部・臀部をかばうために相当緊張させていたのだと思います。下肢のしびれはないのですが、坐骨神経の延長である内踝から足底の圧迫では患部に伝わる感じがするそうです。

 横臥位で腰背部の指圧をしても痛みはありません。ほとんど右骨盤周囲に痛みが限定されてきています。上肢の大腸経を指圧すると、おなかがグルグルと動き出しました。

 前回病院へ行くのを嫌がっていたので、「冷湿布と、熱が出るかもしれないので、あまり痛がるようなら痛み止めが必要な状態です」と言っておいたのはとても良かったと思います。

 やはり、あの後に熱が出たそうです。外にこそ出ていなかったのですが、患部に強い炎症反応があると感じていました。

 最後に起き上がれるかやってみたのですが、体に力が入らず、まずは栄養をとることからしなければいけないと感じました。

 施術中、猫が手を舐めにきました。お宅にうかがって指圧をする時に、子供さんと遊びながらというのはちょくちょくあるのですが(鈴木指圧院はエンターテイメントでもありますので)、圧している手を猫に舐められたのは初めてです。

 ご主人様への感謝の気持ちと、受けとめたいと思います。

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2007年1月 2日 (火)

一ヶ所の痛みを広範囲に施術する。

 どこかで左の踵を打ったのだと思いますが、痛みをださないように爪先立ちで歩いていたら、膝から下の筋肉が前も後ろも痛くなってきました。

 自分でやってみて気づくのですが、爪先立ちで歩くと、足の底屈筋だけでなく、背屈筋も過度に緊張させるのです。

 深部の筋肉の愁訴を明確に伝えられるクライアントは少ないものです。今回私の場合は足を底屈・外反させるアキレス腱外側の短腓骨筋への影響が強いのですが感触だけでこの筋肉にたどりつけるか、他人の体ではわかりません。

 痛みを緩和するのに、患部の持続的圧迫による鎮痛が適さないこともあります。協力筋・拮抗筋など関連する筋肉を広く視野に入れて、施術を構成する必要があります。

 技術だけではいけない、感性だけではいけない、思い込みに流されてもいけない、なかなか手応えのあることをしているのだと、年末年始のどさくさの踵の痛みに思い知らされました。

 

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2007年1月 1日 (月)

楷書の施術をしていきます。

 あけましておめでとうございます。

 この一年が感動のある健やかな日々でありますよう、心よりお祈り申し上げます。

 今窓越しに新年の太陽が昇ろうとしています。一月一日の朝の姿を眺めながら心に尋ねると、ひとつの言葉が浮かびました。『楷書の施術を続けていきたい。』

 飲食店で、色紙に書かれた“達筆な”サインの下にワープロで注釈されているのは何だかおかしな感じがします。達筆なのかもよくわからず、少なくとも多くの人にその文字の読みを伝えようとしてはいないのだと思います。

 指圧やマッサージでも、サラサラと流れるような慣れた手つきは怪しい感じがします。

 触覚を圧刺激に変換するには、脳の考察と手技を決める時間がかかります。刺激の決め方に個性が出るのが手技療法のタッチです。流麗な線を書こうとしているのではないのです。

 私は今年も『楷書の施術』をしていきます。少し時間がかかったり、不器用に見えると思いますが、読みやすいタッチで施術をしていきます。達筆な施術の用意はありませんので、宜しくお願いいたします。

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