看護士のこり
看護士の女性。主訴は右仙骨外側と右下肢後側の痛み。軽い椎間板ヘルニアが腰の“真ん中あたり”にあると言われている。足に冷えを自覚すると言うが、触ってみるとほとんど冷えはない。
右肩上部僧帽筋の頚の付け根部分“肩根点”に硬結がある。それより斜め背側に2cm程下がった肩甲挙筋にも硬結がある。右上肢は軽度内転内旋し、猫背姿勢の作業が通常化していると考えられる。
右上肢外転90°で肘を90°屈曲し肩関節の内旋運動をすると、クリック音がする。
肩こりがひどくなると締め付けられるような頭痛がしてくることがあり、時々右手先がしびれると言う。頚を左へ少し回旋した姿勢が日常的になっている。
両側の大腿四頭筋の起始である下前腸骨棘下部に硬結がある。これは患者さんを抱きかかえる時に椎間板ヘルニアをかばうため、膝を曲げた中腰の姿勢から大腿四頭筋の力で膝を伸展させているからだと考えられる。
その時に猫背姿勢で右上肢を内転内旋させて患者さんの背中に入れ、頭を下げ頚を左回旋して、反対側から腰に入れた左上肢とともに起こしているようだ。
普通なら腰にかかる体重を大腿四頭筋に分散しているのだ。右肩を下げた姿勢から抱えて持ち上げることになる。
全身指圧をし、下肢後側の座骨神経痛様の痛みは緩和することができたが、右肩2点の硬結は満足できるゆるみ方ではなかった。ただし、猫背を解消した良姿勢で肩上部を圧しても痛みはなかった。
こうしたことから、肩関節を後ろに動かす、上方挙上、後方挙上のストレッチや外旋のストレッチが肩こりの解消に有効と考えられる。タオルストレッチやぶら下がり運動、水泳などをすすめ施術を終えた。右肩にはオイルマッサージもしておくとよかったかもしれない。
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