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2007年4月22日 (日)

対角線のこり

 O脚で右足に体重をかけていれば右大腿の外側がこります。それにつられて対角線の左大腿内側にもこりが生じます。このあたりは主訴とする人がまずいないので、いきなり強い刺激をすると非常に痛がるので注意が必要です。

 右利きの人は、顔を左に向けることは容易ですが、右には向けにくい傾向があります。顔を右に向けにくい人に施術する場合は、右側頚部と左前頚部という対角線のこりに注目します。

 左肩上部と右肩甲間部という対角線がポイントになることもありますし、右肩甲下部と左腰部という対角線が痛む場合もあります。

 腰椎下部と上腹部という対角線の痛みはギックリ腰でよくありますし、左大腿後部と右大腿前部という対角線が痛む場合は、右利きの人が野球やゴルフで豪快なスイングを続けた後にありがちです。

 思えば昨日、左大腿内転筋と右大腿筋膜張筋を圧してとても痛がられ、圧していくうちにこりがやわらいできたので「痛みが変わってきたでしょう?」と聞くと「さっきと同じに圧しているんですか?」と言われてしまいました。

 始めは壊れ物を扱うようにそっと触れたのに痛みがあったのです。だから「いいえ」と答えました。受けている側の感覚では、始めは強く圧して、今はわざと力を抜いているから痛くないのではないかというものだと思います。

 しかし実際は、始めは軽く触れて、硬さがゆるんでいくにつれて強く圧していたのです。

 そんなこともあるので、いきなり強く圧してはいけないのです。痛いところは施術者のマニュアルの圧刺激では痛すぎるのです。一点圧に体重の移動だけで刺激を調整しても、そんな感じをもたれるのです。

 痛みのある部位の対角線を、いきなり指の力で押し潰したり、ねじったりすれば、とても不快な時間を我慢していただいているコトになります。

 主動筋、拮抗筋、筋の神経支配、体のバランス(ここで対角線の意識が役立ちます)、これらを的確に判断しながら状況に応じたタッチをしていくのです。知識とセンスと体力と気力がそろわないと、かなり残念なもので終わってしまいます。

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