痛散湯って?
薬のCMでは、非常に良く効きそうだと思えるものがたくさんあります。その一つに大衆薬の『痛散湯』があります。関節痛や神経痛に効くと宣伝されています。どんなものか調べてみました。
痛散湯は健康保険適応の漢方薬の『麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)』に似ています。
麻杏薏甘湯は、麻黄、杏仁、薏苡仁(ヨクイニン)、甘草からなり、関節痛、神経痛、筋肉痛に適応があります。ここから薏苡仁の量を半分に減らして、同じく利尿作用のある漢防巳(カンボウイ)を加え、麻黄と杏仁を少し減らしたものが痛散湯です。
どちらの薬も、発汗、鎮痛、利尿といった水を排出し痛みを止める効能のある生薬で構成されています。
こうして比較してみると、痛散湯が麻杏薏甘湯に比べて格段に優れた効能があるとは思えません。むくみや痛みの質によっては、麻杏薏甘湯のほうが良く効く人がいると思います。
サメ軟骨でお馴染みの『コンドロイチン神話』への警鐘が最近報道されています。大衆薬や民間療法で効果があった人や効果があったと思い込んでいる人はそれでもいいのです。
ただ、大衆薬や民間療法に高いお金をかけているのに一向に効いた気配がしないという膝痛や関節痛で苦しむ人がいたら、セラピストとして正しい情報を提供したいと思うのです。
痛散湯は膝の痛みや関節痛に効果のある大衆薬だと思います。しかし、生薬の構成を比較検討してみたところ、万人に効く魔法の薬のようなものではないという結論を得ました。
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