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2007年6月30日 (土)

上肢手背側、小腸経のツボ

 上肢手掌側のツボは肺経、心包経、心経で呼吸器系、循環器系の経絡に属しています。 

 一方、上肢手背側のツボは大腸経、三焦経、小腸経で消化器系の経絡に属しています。 

 手掌側のツボは胸部から起こり指先へ向かいますが、手背側のツボは指先から起こり肩を通って頭部、顔面に影響します。

 よって手背側の消化器系のツボには、肩こりや頭痛の緩和に効果を発揮するものが多くみられます。

 経絡の走行によって、大腸経のツボは前頭部、三焦経のツボは側頭部、小腸経のツボは頭頂部から後頭部の頭痛に効果があります。

 特に小腸経のツボは尺骨神経に沿って走行し、肩甲骨の外側を周って後頚部にまで影響するので、頑固な肩こりの時に硬結する部位にあたります。

 手軽に圧せて効果のある小腸経のツボをあれこれ考えてみると、手背尺側、三角骨と第5中手骨間陥凹部の“腕骨(わんこつ)”ではないかと思います。

 尺骨神経に触れるので、ジーンとツボを捉えた感覚がわかります。上肢のツボで治療穴として取り上げられる事が意外と少ないのが小腸経のツボです。

 今日の施術では小腸経、特に“腕骨”の指圧を意識してみようと思います。

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2007年6月29日 (金)

筋肉増強ステロイドで鬱の副作用

 プロレスラーが家族を殺害して自殺するという事件がアメリカで起きました。筋肉増強剤の長期連用による鬱が原因だと言われています。

 男性ホルモンを筋肉増強剤として使用すると、始めは攻撃的な性格になりますが、使い続けるうちに一部がエストロゲンに変化して、乳房が女性化したり、肝機能障害を起こしたり、鬱の症状が出るということです。

 人間の体が過剰な男性ホルモンの存在を危険とみなして女性ホルモンに変化させるのは、なるほどなと思います。

 男性型の脱毛や爪や皮膚の荒れなど、鬱の症状が出るまでに様々な体の不調が出ていたはずです。

 ホルモンの代謝に関わる肝臓が、働き過ぎで機能低下になることも頷けます。

 鍛えぬいた体は免疫力が低下し、アスリートは風邪をひきやすいということも耳にします。

 一品だけ過剰に摂取する食生活が体に悪い結果をもたらすように、中庸というバランスを保ちながら、人間は生きています。

 だから手技療法でも人間の体に対する刺激が過剰になってはいけないのだということを、アメリカでの事件から考えさせられました。

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2007年6月28日 (木)

山本晋也監督の電話相談

 水曜日の午前9時25分頃から、TBSラジオで山本晋也監督の電話相談を放送しています。

 他と違って凄いのは、ここではほとんど何も起こらない感じがすることです。

 答えは始めから相談者が持っているようで、山本監督の傾聴とその中からの事実のピックアップがあって、相談者は答えに自信を持つようです。

 それは知り合いの頼れる普通のオジサンに相談しているという様子です。

 知り合いの相談できる人がいないという人がどれだけいることか。

 傾聴がカウンセリングの重要な柱です。誰が聞いてもそうだろうという当たり前の答えにたどりつくところに、山本監督の良さがあります。

 昨晩、『顔も見てくれず、痛みはあるのにもう治っていると整形外科で言われた』という不満に溢れた電話をいただきました。

 回復が早くなる特別の方法はないと思うのですが、傾聴し、いくつかの治療法のお話しをしました。山本監督の応対はセラピストには参考になると思います。

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2007年6月27日 (水)

便秘に効くオリーブオイル

 昨日指圧にいらっしゃた60代の女性に「最近便秘の具合はどうですか?」と伺ったところ、寝る前にオリーブ・エキストラヴァージン・オイルを小さじ2杯飲むことを続けたら、長年の便秘症が解消したということです。

 調べてみたところ、量は小さじ1杯から大さじ2杯まで個人差があるようですが、空腹時にオリーブオイルを摂取することで、胆汁の分泌が増加して腸の動きが活発になり、便秘に効果があるようです。

 その女性は寝る前に飲んでいるようですが、朝食前という人もいるようです。

 コレステロールを下げたり、胃酸を減少させる効果もあるので、高脂血症や胃炎にも良いようです。

 小腸を刺激するため、大腸を刺激する下剤のような下痢にはならないという利点もあります。成分が母乳に近いと書いてある文献もありました。

 オリーブ・エキストラヴァージン・オイルは、乾燥肌のアロマオイルマッサージに適したキャリアオイルですし、紫外線防止効果もあります。

 “便秘にオリーブオイル”という知識だけはありましたが、実践している方のお話しを聞いて、オリーブオイルがこの国にも浸透してきたものだと感じました。

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2007年6月26日 (火)

棘下筋のストレッチ

 最近施術に取り入れた“棘下筋のストレッチ”のやり方です。

 まず“前へ習え”の先頭の姿勢のように、片側の肘を曲げてから“手の甲”を脇腹に密着させます。チアリーダーがボンボンを持ってダンスを始める時の姿勢と言ったほうがよいでしょうか。

 次に反対側の手で曲げた肘を持って、ゆっくりと息を吐きながら、体の中心に近づけていきます。肩甲骨中央から下の筋肉が伸びているのがわかると思います。これが最近取り入れた“棘下筋のストレッチ”です。

 この時に三角筋前部、大胸筋、肩甲下筋に痛みを感じる人がいます。むしろこの事が重要であると考えています。

 あまりすることのない動きなので、注意をして徐々に動かし、その後、痛みを感じた部位への押圧と、肘を伸ばし手を下げて後ろへ反らし、次に斜め後ろへ反らすストレッチを加えます。

 肩こりが僧帽筋肩上部への施術でゆるまない時に試してみると、これが肩こりのポイントで、その後効果が持続することがあります。

 肩関節外旋筋である棘下筋のストレッチは、拮抗筋のこりの検査にもなります。

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2007年6月25日 (月)

緊張と便秘

 精神的な緊張は体を硬くさせて筋肉を硬くします。交感神経が過剰になると胃腸の働きが低下します。緊張(ストレス)が便秘の原因ということはよくあります。

 精神的な緊張は筋肉の硬さをゆるめることで緩和することができます。便秘に効果的な指圧やマッサージのポイントは、いかにリラックスして気分転換をしてもらうかということに尽きます。

 交感神経の働きが過剰で、胃腸機能が低下して便秘をしている時はゆったりとした気持ちのいいタッチで施術をします。

 このことから副交感神経の働きが過剰で、胃腸が動きすぎて下痢をしている時には、体を目覚めさせるようなテンポの良いタッチが必要であることがわかります。

 ストレス性の便秘では、気分転換が上手にできると不快な症状が解消できるはずです。

 例えばこの季節は、髪を切るという頭部への刺激が便秘解消につながることもあります。頚の周りの髪の量が減るだけで、頚椎下部の温度センサーが快適な風通しを感じて、体温調節が容易になることで緊張をほぐします。

 普段食べないような食材を食べる事も便秘には大切です。ストレスは食の豊かさを削る傾向にあるからです。味や食感やその他の感覚を刺激する新しい発見があれば気分転換になります。

 猫背はストレス姿勢と言えます。姿勢を正し腹圧をかけた横隔膜を上下させる呼吸ができれば胃腸は動きます。

 うつむきがちな姿勢は足元ばかりを見て、視野が狭くなり世界を狭めます。地平線を見るくらいの気持ちで無限大遠くを見て、週末に迷うくらいの気持ちで新しい発見を探して歩き回れば、便秘は解消します。

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2007年6月24日 (日)

納得できるような説明をする努力

 4ヶ月ぶりに指圧を受けた女性がとても痛がりました。「前はこんなに痛くなかった」と言います。筋肉の頑固なこりが神経を過敏にしているのです。

 頑固な筋肉の緊張をゆるめるために硬結を圧す“治療的な手技”の選択は、この時点でやめることにしました。

 ある程度一回の施術でこりをゆるめようとすると、痛みのポイントをはずした誘導的な手技だけでは足りないと感じることがあります。

 しかし、クライアントの希望が眠れるような施術であれば、タッチの方法を考え直す必要があります。80%こりが緩和するところが40%になってもです。

 「痛みが強ければ風にあたっても痛いとよく言うのですが、クライアントの納得する“落としどころ”を探しながら施術を変えていかなければ、説明を理解はできても、本当の納得は得られないと感じています。

 少しはゆるんでもすぐにこってしまうような場合には、原疾患がどこかにあってそのポイントを捉えていないこともあります。

 昨日は60代の男性と“とても痛がった”女性について、坐骨神経痛のポイントをしっかりと捉えた施術と、あえてポイントをはずして相対的な緩和を狙った施術をしました。

 どちらも長く付き合っていく症状なのですが、どちらが納得し、どちらのほうが効果があったかはわかりません。

 自分としては形にとらわれず、どちらにも納得できるような説明と施術をしたつもりです。

 つまり自分の中には形の良い施術をしたいという願望があります。しかし時々自分が当たり前だと思っている事が、伝わっていないとわかることがあります。

 また言葉を選んで、タッチを変えて、施術後に文献などを調べることになります。“いい気になるなよ”といつも誰かに言われているかのようです。

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2007年6月23日 (土)

腎臓結石の腰背部痛

 50代の男性、しばらく指圧に来ないので、どうしているかと思っていたら、腎臓結石で入院していたのだそうです。

 退院して一週間になりますが、まだ痛みがあり、時々座薬を使っているとのことです。

 両方の僧帽筋が盛り上がっていて肩をすくめて痛みに耐えていた様子がうかがえます。背中も丸くなっています。

 左腎結石だということですが、右肩上部と右肩甲間部と左腰部のこりが半端でない硬さです。明らかに筋肉の使い過ぎとは違うモノを感じます。

 座位で触診した時点では腎臓結石の話を聞いていなかったのですが、普段との違いがわかりました。

 主訴は腰痛と体のだるさです。ふくらはぎのむくみは腎機能の低下を示しています。老廃物が体に溜まっていることがわかります。微熱もあるということですが、座薬を使ったからか、手に感じる熱さはありません。

 背部の腎臓周囲に強い刺激はできません。軽く持続した指圧を肩甲下部に繰り返します。そして第2~第3腰椎棘突起間の“命門”に持続的手掌圧をします。

 肩から背部のこりは尋常ではない硬さですが、この場合はほぐれなくても仕方がないと考えます。体力的にも、長い施術になることは避けたいところです。

 途中時々いびきをかいて眠るのですが、何度も目が覚めるようです。全身の施術を終えると一時間を超えてしまいました。

 肩のこりはほとんどゆるみ、背中の丸みは伸びましたが、腰背部のこりはましになったものの残っています。

 この場合まだ腎臓結石からくる痛みが体を硬くしているので、もう少し軽い刺激で、そして短い時間で施術を終えたほうが良かったかもしれません。

 結果は次回聞いてみないとわかりません。腎臓結石の体はとても、とても筋肉を硬くしていました。救急外来へ行ってそのまま入院したという痛みを想像させるものでした。

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2007年6月22日 (金)

ビリーのコーチング

 ビリーズ・ブート・キャンプが人気なのは、あのコーチングにあると思います。

 厳しさの中にも限界に近づいた時の巧みな励ましの言葉かけがあり、それを新鮮だと感じた人は多いことでしょう。

 古い映画ですが、『愛と青春の旅立ち』のパイロット訓練の厳しさと、資格を得て上官となった若者たちを送り出す鬼教官の敬礼シーンを思い出します。

 “成果を上げる方法を教えてくれた上、寄り添って自分のことをしっかりと見ていてくれる”人が求められているのだと思います。

 テレビ出演の連続で、ビリーは疲れているように見えました。これは一時のブームであることも(アメリカではそれほどでもないという声もあります)わかっていると思います。

 万人向けのエクササイズではないし、流行に飛びついた人で続けられる人はほとんどいないでしょう。

 あまり多くの人を対象にしてはいないエクササイズを日本のマスコミが持ち上げたことによって、ハイテンションで演じ続ける彼を気の毒に思います。

 指圧の治療院をかまえていて、ひとりの相談を受けるだけでも大変な精神力が必要です。頭を使い、言葉を選び、指圧をして効果を上げるには、自分をメンテナンスする時間がとてもたくさん必要になります。

 ビリーのエクササイズとコーチングはしっかりとしたものです。しかし、あまりにも多くを対象とするかのようなブームになった時には、ひとりに対する深さが維持できないのだと肝に銘じました。

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2007年6月21日 (木)

圧発汗反射

 あんま・マッサージ・指圧理論では『圧迫側は発汗が抑制される』ということを含む高木説(高木健太郎博士)が取り上げられています。

 昨日のNHK『ためしてガッテン』の脇腹を棒で圧すと反対側の顔だけに汗をかくというのは高木説の『圧発汗反射』です。

 これは発汗が交感神経支配なので、触圧刺激によって圧迫側の交感神経が抑制されたことを示すものです。

 時々テレビで取り上げられる健康情報の中に、あんま・指圧・マッサージの世界では常識であることが不思議なことのように紹介される場合があります。

 番組のアドバイザーが医学博士である場合が多いので、手技療法的には掘り下げられている事柄も、医学的には簡単に扱われているのではないかと思います。

 先日も有名な精神科の先生が、あがり症克服のために前頚部上部の圧迫をすればドキドキがおさまるとすすめていましたが、「理由はわからない」と語っていました。これは『頚動脈洞反射』によって心拍数が下がるのです。

 生理学と結びつきの深い手技療法と、生理学を忘れてしまうこともある医学という構図を時々目にします。だからこそ、生理学に基づいたタッチをしていく意義を感じます。

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2007年6月20日 (水)

項窩と手三里

 一週間前から頭痛が続いている30代の女性、お得意様です。

 老人病院で40人の入浴介護をしてから、指圧を受けにいらっしゃいました。昨日この付近では、光化学スモッグ注意報が発令されていました。

 両腕はパンパンです。左大殿筋と右中殿筋がこっているので、「左足を後ろに引いて、右足を外側に開いていなかったか?」と尋ねたところ、その通り、それが入浴介護の時の姿勢だったそうです。

 頚から腰まで背柱は丸くなっています。最近寝ていて右足をつったことがあったそうです。両下肢には、こりもむくみもあります。

 背筋は皮膚まで硬さを感じます。横臥位、伏臥位と指圧が終わったところで、トイレに行かれました。血行が促進されて、むくみが尿に変わったようです。

 仰臥位ではすぐに寝てしまったので、右手三里に強いこりを見つけましたが、軽い指圧だけにしておきました。

 ストレッチをしてから仕上げに座位で頚から背中を指圧すると、項窩中央の“瘂門(あもん)”に激しい痛みが残っています。これは意外です。かなりゆるんでいると思っていました。

 そこで残しておいた右“手三里”を、しっかりと重ね母指で肘を伸展させるように指圧します。始めは跳び上がるほど痛がりましたが、橈骨神経を通して頚から項窩を刺激するため、圧を調整しながら繰り返し押圧します。

 やがて手三里のこりと痛みが消えたところで、“瘂門”を突き上げ気味に圧迫しても痛みはなくなりました。

 右手三里のこりは『ニンテンドーDS』のやりすぎもあります。顔がゲームで下を向いて、後頚部や“瘂門”の痛みと、このところの頭痛になったということも考えられます。

 40人の入浴介護というのも過酷すぎる労働だと可哀想に思いましたが、「この後『パイレーツ・オブ・カリビアン』を見る約束がある」の言葉に、そんな元気があるなら、ま、いいかと思いました。

 ふうふう言いながらやってきたのに、ここで頭痛が治ることが折り込み済みの予定があることには驚かされました。こういう人たちの期待に応えるだけのレベルは保ちたいと、こんなことからも思います。

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2007年6月19日 (火)

胃炎の肩こり

 結婚をして引っ越してからも、近所のクイックマッサージでは体に合わないと言って、電車に乗って来てくれる女性がいます。

 主訴は肩こりで、左は側頚部から肩上部と肩甲下部右は肩上部がこっています。

 橈骨動脈の拍動が左右とも弱いので、頚・肩・腋窩のあたりで血管が圧迫されていると考えられます。

 資格試験のため勉強をしているそうで、肩こりは姿勢の影響が考えられます。現在は仕事をやめているそうで、仕事をしていた時ほど腰に硬さはありません。

 全身指圧の最後に、胃の強い動悸に触れました。胃下垂気味で骨盤周囲は少し太めです。何度も胃炎を繰り返しています。施術を通しておなかが鳴るということがありませんでした。胃腸が健康ではないというしるしです。

 施術後、舌を診せてもらうと黄色がかった白苔が覆っています。激しい症状とは思えませんが、胃炎の証と言えます。病院で胃薬をもらっていたそうですが、治療を途中で止めてしまったのだそうです。

 このケースでは、姿勢だけでなく胃炎の反射としての肩こりも考えなければいけません。退職や主婦業といった環境の変化や、資格試験の勉強がストレスになっていることもあると思います。

 肩こりが緩和されたことで胃炎も快方に向かうはずです。このような肩こりでは、体の前面を通る胃経の指圧、特に腹部と下肢前側の指圧が有効です。

 クイックマッサージの肩だけの施術では、体に合わないと感じるのも頷けます。

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2007年6月18日 (月)

大ベテランの鍼の先生のお話

 昨日大ベテランの女性の鍼の先生とお話しをする機会がありました。

 ピアニストのばね指の治療をしている話になった時、先生は「私は結婚をして妊娠を望む女性にはピアノをやめさせました」とおっしゃいました。

 『ピアノのペダルは腎経を刺激して子宮や卵巣によくない。湿気の多いこの国ではそもそもピアノが適さない。』要約するとこのような考えです。

 五行からみれば“湿”は“腎”を支配する相克関係にあります。『そういうケースはあるかもしれない』と思いました。しかし、全てにあてはまるとは思いません。

 視点が自分と違う、できれば極論を知ることができるとワクワクします。『やりたいことをできるようにする』施術ばかり考えていると、こういう発想にはならないので新鮮でした。

 ただし先生は「私がそう言った女性たちは子供を授かりましたが、それでよかったのかと思うことがある」とおっしゃいました。

 その時の判断と変わってくることがあるほうが自然です。その言葉を聞いて、その当時はそれが正しい判断だったのだろうと思いました。

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2007年6月17日 (日)

脊柱の両側をゆるめる

 全身施術の時間配分からすると、頚から背中の筋肉をゆるめる時間がどうしても長くなります。

 実際に筋肉が硬くなりやすいということもありますが、脊柱の両側が末梢神経の出入り口であると考えることが重要です(末梢神経のことを考えれば、脳神経が支配する頭や顔の施術も同じように重要です)。

 脊柱の両側から出た神経は、体のほとんどの部分に広がります。内臓のツボが脊柱の両側にあるのもそのためです。

 胃炎の反射として肩から腰までの筋肉が緊張している場合は、背部の筋肉をゆるめることで、胃の痛みも緩和されます。

 胃炎や肝臓の疲れがなかったとしても、施術の配分からいけば背中の時間が長くなります。立位姿勢はそれだけで背筋を緊張させます。姿勢が悪ければなおさらです。

 時間をかけた施術が必ずしも良いとは限らないので、できるだけ一時間くらいで全身をゆるめたいと思うのですが、それができない原因を考えると、ほとんどが“脊柱の両側の硬さ”です。

 質と量を兼ね備えれば『かなりのもの』だと思うのですが、今の質を提供するためには数をこなすことが大変です。

 脊柱の両側への施術をどうとらえるか、効果が確かで短い時間で施術ができれば、もう少し多くの人を診ることができます。

 最初の数分のタッチから施術のリズムが決まってしまうということもあります。自分の体調もあり、お客様の呼吸や脈拍もあります。

 問診から座位、横臥とストレッチを入れて伏臥と仰臥の施術をすると、どうしても全身施術は一時間を超えてしまいます。これは一つの施術スタイルとして良いと思うのですが、予約が重なる時などは、もう少し短い時間で効果が出せたほうが社会的貢献度が上がるのではないかと考えます。

 予約をできるだけ断らないために、脊柱の両側をもう少し短い時間でゆるめるための施術を考えておきたいと思います。

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2007年6月16日 (土)

左頚から肩甲間部のこり

 久しぶりに、こりがとりにくい体に出会いました。

 4ヶ月程前、肺炎の診断がある時に左の胸に痛みがあり、左が悪いと認識していたそうですが、「右肺の裏のこりのほうが強いですね」と指圧の時にお話ししたことがあります。

 その後病院を変えてみたところ、肺炎は右肺にあったのだそうです。前の病院では説明不足だっただけかもしれませんが、右肺の痛みが左に出ることはあるのだそうです。

 そして今回は、左肩甲骨と脊柱の間の“肺兪”を含む上の部分に指圧をしてもほとんどゆるまないこりがあります。

 咳が出ることはないそうです。しかし普通であればもう少し体はゆるむはずだと感じます。

 本人の主訴は『小腸の調子が悪くて、栄養の吸収ができていないようだ』ということです。

 痩せ型で胃下垂タイプですが、2kg太ったということも辻褄が合わないことです。

 手の冷えは頚と背中のこりからだとしても、普通であれば施術後にもう少し温かくなってもいいような気がします。

 施術中、おなかに動きもありませんでした。

 『動脈硬化の進行』か、今度こそ『左に肺炎がある』のではないかと感じました。

 70代女性、今日は少し楽になったか、気になります。

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2007年6月15日 (金)

症状の評価

 指圧を受ける動機が重い症状や慢性疾患の場合に、本人が思っているほど悪くないことがあります。

 自分の痛みや不安な症状と他の人のそれとを比べることは難しいのですが、全身を診るセラピストには客観的な評価がある程度可能です。

 施術で骨格の矯正ができ、痛みがとれ、こりやむくみが解消していれば、重症ではありません。

 後は本人の姿勢や食事や運動や休息の問題です。

 「他ではこれほどゆるんだことがない」という方には「次はいつ来たらいいか?」と尋ねられますが、ゆるんだのであれば重症ではないので、次回の予約を決める必要はないのです。

 ずっとそのままならそれでいいわけで、「気持ちがいいと思ったらまた来てください」と言うしかありません。

 重症度を比べるのもナンセンスですが、客観的に診て指圧が適応で、一度で改善してしまうような症状なのに、今まで良い施術者に出会わずに痛みを抱えているという方はたくさんいます。

 指圧の先生に限っていえば、評価の高い先生はマスコミへの露出が少ないように思います。それはこの手技の本質がそうさせるのだと思います。

 もし運良く紹介されるようなことがあれば、敷居が高いとは思いますが、思い切って尋ねてみる価値があります。

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2007年6月14日 (木)

施術後のフォロー

 予約とは関係なく、電話で相談されることがよくあります。何度か施術をしている方なら、こちらが考えている体の状態をお話ししながら、今後の見通しや他にはどういう治療があるかなどを一緒に考えたりします。

 一昨日も、ばね指改善のために指圧をしている方から電話で相談を受けて「近所の整形外科にも行ってみる」ということになったのですが、昨日施術前に聞いたところ整形外科に行くのはやめたということです。

 どうしてかと聞くと「痛みがないのでお医者さんに説明することが難しいから」なのだそうです。

 指圧をしてみても押圧で痛みが出ることはありません。使い過ぎれば左手小指に弾発現象が起こることもあるそうですが、日常生活での問題はなさそうです。

 両上肢から頚、特に屈筋を指圧でゆるめて、誘導的に傷の回復を促すということで効果はあるようです。

 それまでに、冷やす、温める、はり、注射、外用薬、コンドロイチンからビタミンB群、イソフラボン、コラーゲン、ヨーガ、半導体レーザー、アロマテラピー、指圧を取り入れてきています。

 はりと注射は合わなかったようですが、施術後に「お灸はどうか?」という話になりました。結局痛みもなく指圧で手が汗ばんでくるくらいなので、お灸は採用されないことになりました。

 前回の指圧では風邪気味で施術を受けたので、その後すぐ、ぐっすりと寝てしまったということです。指圧も体に大きく作用するのです。それでも微妙な感覚で仕事をする人たちは、もっと良くならないかと考えます。

 お医者さんでは付き合ってくれないような事に付き合っていくのがCO-MEDICINEの立場だと思っています。私の施術よりも症状を改善する最適な方法があるならば、探し出して紹介したいと思います。オーダーメードの施術には、日々の情報収集も大切です。

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2007年6月13日 (水)

妊娠の脈

 東洋医学では妊娠すると『玉を転がしたような』と表現される“滑脈”になるとされています。触れた感覚は『元気で、勢いがあり、はっきりとした』脈です。

 血液を胎児に送るために、生理的に体をむくませて体液の総量を確保し、血圧を上げて血液循環を潤沢にしているのだと思います。

 妊娠初期の方に指圧をしたところ、手首の橈骨動脈だけでなく、肩上部や足首でも『玉を転がしたような、元気な』脈がとれました。そして手首尺側の“神門”でも脈を感じました。

 「妊娠中の方はご遠慮ください」と掲げたマッサージ関連のお店をよく見かけますが、薬を使いにくい妊婦さんこそ、腰痛や頭痛、食欲不振や不眠、足がつるなどといった症状に、軽いマッサージが適応です。

 気持ちのいい刺激のマッサージができなければ論外ですし、妊婦さんとおなかの赤ちゃんに負担のない体位での施術ができなかったり、マッサージでさえないようなものならば、そもそもヒトサマの体に触れてはいけません。

 体力の弱った人や体の辛い人に触れる気持ちと技術に揺らぎがなければ、どんな状態の人でも施術の対象となるものです。

 滑脈に触れて、それが滑脈であると認識することもセラピストにとっては財産になります。クレームを恐れて『妊婦さんお断り』にしているお店が多いのは、残念なことです。レベルがわかってしまいます。

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2007年6月12日 (火)

大学病院と開業医

 変形性膝関節症の女性が、大学病院から整形外科の診療所に治療先を変えたそうです。

 膝の注射も痛くなくて、話も良く聞いてくれるし、日曜日の午前中も診療してくれると絶賛です。

 大学病院で診てくれた先生は、この開業医の先生の後輩だったのだそうです。確かに大学病院の先生全てが必ずしもキャリアが豊富であるとは限りません。

 話の内容をよく分析してみると、治療に大きな差はありません。大学病院の治療が効いてきたので、その後の注射が痛くなかったということもありそうなことです。

 “向き合ってくれている感じ”がより多いのが、この開業医の先生のほうだったようです。

 これから付き合っていかなければならない症状に対して、適切なアドバイスができる、改善する方法を持っているということは、手技療法者に対する期待でもあります。

 左膝が悪いので右に体重をかけていて、「右足(右下肢)のほうが左より短く感じる」ということなので指圧の後に左右の長さを比べてみました。

 仰臥位で明らかに右の爪先のほうが左の爪先より伸びています。左膝の軟骨が擦り減っていて膝を伸ばしにくいために、左下肢長がいくらか短いということです。

 これなら理屈に合っています。右には体重をかけているだけで、短くなってしまったと心配するような異常はありません。この指圧も具体的に現状を把握していただく方法になったと言えます。

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2007年6月11日 (月)

仕事の連鎖

 日曜日に持ち帰りの仕事がある女性の頭痛を治すために、指圧をすることになりました。仕事は仕事を作ります。

 昨夜届け物のため深夜ドライブをしたことから、肩こりや頭痛がひどくなったようです。一日の耐えられる仕事量を超えてしまうと過労になります。明日できることは今日やらないという決断も、健康のためには大切です。

 ここのところ休みのつもりの日にも指圧をしていることが多くなりました。「助けてください」と電話で言われることもよくあります。

 頼りにされていることは有難いのですが、毎日朝にはストレッチをして準備をしていても、休日の夜には力を使い果たしているか、ゆるみ過ぎているかのどちらかです。

 用意をして施術を終え、頭痛や肩こりや腰痛を楽にすることはできます。しかし、完全にオフモードの、ほとんどは温泉帰りの体は、普段とは違う力が入っていると感じたり、“気”が足りないという感じは否めません。

 準備万端の状態で指圧を受けた方で、今までどこでも良くならなかった症状が楽になったという方は、他を考えることなく期待してくださっているので、それは真摯に受けとめています。

 ただ“先生”の役作りに時間がかかるので、できれば営業時間中の定期的な施術をお勧めしています。仕事は仕事を呼び、過労は過労を作ります。

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2007年6月10日 (日)

ストレッチの効果

 半年ぶりに指圧にいらっしゃた男性の体の状態が随分と良いので聞いてみると、ここで教わったストレッチを続けていたのだそうです。

 半年前と言えば一月なので、冷えもこりも手強いという印象がありました。片方の腎臓摘出手術を受けている方なので、血液循環だけでなく消化器内臓の状態もあまり良くないと感じていました。

 ところが、椅子に座った時から背筋が伸びていて、姿勢に気をつけていることがわかります。パソコンの仕事をする長身の男性にしては、こりの程度は軽いものです。

 とは言っても、探してみると深部のこりや長い間の疲労に触れるので、全身を指圧やストレッチでゆるめていきます。

 冷えはなく、むくみもほとんど問題にしなくてもいい程度ですから、血行の良さと指圧でますます体はゆるみます。おなかもドキドキや硬さがなく、内臓の働きは良さそうです。

 左膝が痛いというので、大腿四頭筋の衰えを指摘して、大股で歩くことを勧めて施術を終えました。指圧と下肢伸展のストレッチで膝の痛みはなくなったようです。

 私も毎日ストレッチをしています。体の疲れは入浴と朝のストレッチとウォーキングでほとんど解消することができます。だから私の体をゆるめる方法を教えるのですが、それを実践し、それでも足りなければ指圧に来るという方が一番嬉しいお客様です。

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2007年6月 9日 (土)

脊髄係留症候群による腰痛

 昨日テレビのニュースで初めて知ったのですが、腰痛の原因に“脊髄係留症候群”があるのだそうそうです。

 “脊髄係留症候群”は脊髄に脂肪腫が発生し、その癒着によって腰を曲げる動作などで脊髄が引っ張られて激しい腰痛が起きるのだそうです。

 ヘルニアの症状に似ていますがレントゲン検査では鑑別できず、整形外科では見落としてしまうことも多いようです。

 手術による脂肪腫の切除が唯一の治療法ですが、これも完治には至らないことが多いようです。

 骨に穴を開け脊髄神経から脂肪腫を取り出すのは大変なことです。保存的な治療を選択し、手技療法で痛みの緩和をはかるという方もいらっしゃるでしょう。

 ヘルニアは安静や指圧で軽快することが多いと感じているのですが、中にはヘルニアの診断を受けていても脊髄係留症候群の場合があるのだそうです。

 今まで施術が難しいと感じた腰痛の中には、脊髄係留症候群もあったかもしれません。

 どのような症状であっても、体全体をゆるめることで、ある程度痛みの緩和に役に立つものです。施術とはそれだけでもいいのかもしれません。しかし、セラピーやトリートメントに治療という意味もあることを考えると、医学的な知識に基づいて施術しなければいけないと思います。

 手元の腰痛関連の本の中に脊髄係留症候群がなかったということは、腰痛に触れる機会の多い指圧やマッサージ、接骨、整体でもあまり知られていないのだと思います。テキストなどには書き加えられなければいけないと思いました。

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2007年6月 8日 (金)

安心できる時間の提供

 “眠れるようなタッチ”ができれば、その施術は効果があったと言っていいと思います。緊張からの解放、不安を一瞬でも忘れるということは体にとって大切なことです。

 リラックスできている人は周囲をリラックスさせることができます。“あの人を見ているだけで元気がもらえる”という人が、組織や地域を活性化させていることがあります。

 お母さんがリラックスできていれば、子供は安心できるものです。

 逆にイライラや不安を抱えた人は、周囲にマイナスな雰囲気を発散します。

 何年も前に社会保険事務所を訪れた時の対応に、これではここに来る人たちを不安にさせてしまうと感じました。その混雑ぶりやお役所的な対応は現在も改善されていないようです。

 年金問題では、民間では許されないような社会保険庁のミスが発覚しています。これで多くの人が安心できなくなりました。

 例の介護の大手の問題も、福祉と企業の営利活動という両輪のうち、不正を含めた営利の追求が、多くの人を不安にしてしまいました。

 安心して眠ることができないようなサービスは、何かが間違っているようです。自分がリラックスできていなければ、誰かをリラックスさせることは難しいことです。

 まず自分をリラックスさせて、ひとりづつその影響を広げていく、タッチでできることはとても地道な作業ですが、こんな時こそ安心できる時間を提供することが必要だと感じます。

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2007年6月 7日 (木)

触圧刺激で神経をストレッチする

 遠心性にでも求心性にでも、大腿後側に触圧刺激を加えていくことは坐骨神経に触圧刺激を加えていくことになります。

 このように屈筋で考えると理解しやすいと思いますが、触圧刺激を筋肉の走行に沿って行えば、筋肉をストレッチするだけでなく神経をストレッチすることになります。

 これは PNF(固有受容性感覚器神経-筋促通法)と同じようなことではないかと思います。

 脳梗塞になった指圧師が病床で自己指圧をして、麻痺の回復が驚くほど早かったという話はよく耳にします。

 筋肉の走行に沿って、神経に沿ってということができればアロマセラピストにも同じような麻痺の回復が期待できます。

 昨日の生活の木の講座は、『腰痛は骨盤と大腿後側に注目』というテーマで行いました。

 仙骨神経、上殿神経、坐骨神経を直接ストレッチ方向に刺激していくということで腰痛の回復をはかるという実技をしたのですが、皆さん腰だけでなく体全体が楽になったという感想でした。

 腰に直接施術できない場合に、誰にでも腰痛を緩和できる方法であるということと、PNFとの類似点を、生徒さんの様子から確認することができました。

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2007年6月 6日 (水)

坐骨神経痛と梨状筋

 梨状筋は、仙骨の内側から大腿骨大転子の後側に停止する股関節の外旋筋で、その下から坐骨神経が下肢へ伸びていきます。

 伏臥位では、膝を曲げて反対側の下肢方向に足を倒すと梨状筋が収縮することになります。坐骨神経痛があって、この動きで痛みが強くなるようであれば、梨状筋をゆるめることによって坐骨神経痛が緩和される事が考えられます。

 骨盤を中央から大腿の付け根に向かって指圧することと、膝屈曲で外側に足を倒すストレッチが梨状筋の緊張を緩和します。

 腰への指圧で痛みが強い場合は、骨盤や大腿後側への施術で直接坐骨神経を刺激することのほうが安全で有効であると思います。

 梨状筋の下部、梨状筋下孔から坐骨神経は出てくるのが一般的ですが、中には梨状筋を貫いていたり、梨状筋の上部から坐骨神経が出る場合もあるそうです。

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2007年6月 5日 (火)

筋肉痛の解消法

 体の使い過ぎで筋肉痛になった場合、冷やしたり、冷湿布を貼ったりするのが一般的です。

 食事から栄養を補給することは大切ですし、ビタミンB1を中心としたサプリメントを摂ることも疲労回復につながります。

 それに加えて睡眠を十分にとっても効果が薄いようなら、次回から、ぬるい温度で半身浴をして汗をかくことと、軽いマッサージと、ストレッチを足してみることです。

 筋肉を使い過ぎて痛い所があるのはわかっても、湿布を貼るポイントがずれていたり、ストレッチをしても筋肉がしっかりと伸ばせていないと効果がみられないこともあります。

 ある程度キャリアがあって、評判の良い指圧師やマッサージ師のことを耳にしたら、是非一度全身の施術を受けてみることをお勧めします。

 そういった先生たちは、丁寧に体を診てくれるはずです。全ての先生がストレッチのアドバイスをしてくれるかどうかはわかりませんが、施術を受けることで体をどうやってゆるめていけばいいかがわかると思います。

 昨日、高枝切りバサミで枝を切って、筋肉痛だった私が言うのです。今日はあの普段使わない筋肉の痛みは解消しています。ちょっとしたコツがいろいろとあるのです。

 どこへ行っても同じなどと思わず、ご近所に評判のいい先生がいたら、是非一度全身の施術を受けてみてください。人生観まで変わると思います。

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2007年6月 4日 (月)

内臓筋肉反射としての背中のこり

 『朝から背中が痛くてご飯が食べられない』という30代の女性に指圧をしました。

 背中は腰から丸くなっていて、長い間のこりであることがわかります。骨盤の開き、内臓下垂もあります。

 体力を使う仕事で甘い物ばかりを食べていたと言います。体力を使う仕事は、その手順や様々な瞬間的な選択で脳を使っているものです。

 脳の唯一のエネルギーは糖です。『適度な甘味は胃・脾を栄養し、過度な甘味の摂取は胃・脾を傷める』というのが東洋医学的な考え方です。

 急性膵炎では、背中の症状がもう少し激烈かと思うので、胃炎を頭に入れて指圧をします。

 背中は肩甲下部の脊柱起立筋、第7胸椎から第5腰椎の範囲でこりかたまっています。第12胸椎傍線の胃兪のみがこるということはなかなかないことです。

 上半身の硬さ、下半身のむくみ、体全体はやや熱感があります。肩上部僧帽筋のこり、前腕のこりもあります。

 今回特に気になったのは、前腕外側、三焦経のこりです。三焦経は口から大腸まで、広く消化器官に対応します。

 手指の伸展を司る指伸筋がある部位でもあります。手指をよく使ったということだと思います。

 肩上部、背部のこりをゆるめ、骨盤の開きを調整し、前腕にはローズマリーを使ったアロマオイルマッサージもしました。

 前腕のこりは急性の筋肉痛です。仕事の後に流水で冷やすなどクールダウンが必要です。

 おなかに動きもあり、施術後には背中の痛みがとれたということです。上腹部と右脇腹に圧痛がありましたが、それも手掌圧を繰り返すうちに消失しました。

 体力を使う仕事では、マラソンランナーなみに合間のエネルギー補給も必要です。仕事の能率を維持するための糖分補給はしたほうがいいと思います。

 ただし、エネルギーの質は考える必要があります。炭水化物から摂る、果物から摂るということも考えないと、甘いお菓子やジュースばかりでは胃を荒らして背中の痛みという信号が点滅することもあります。

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2007年6月 3日 (日)

のどと胃腸症状、やはり黄砂か?

 昨日指圧に来た方の中に、声がかれていて胃腸症状がある肩こりの女性が二人いました。

 鼻炎のある方もいました。やはり黄砂の影響でしょうか?

 食中毒の季節でもあり、衣替え後の思いがけない冷えの影響もあるかもしれません。

 考えてみれば6月は唯一祝日のない月です。仕事のできる月でもあり、疲労が溜まっていると体調を崩しやすい一ヶ月になります。

 指圧をすると、咳が出て声のかれが治っていたり鼻が通ったりするので、風邪ではなさそうな気もします。

 エアコンで冷える女性もこれから多くなります。黄砂が加わって症状が悪化するケースが増えていくように思います。

 冷えから体を守ることは必ず、血液の循環を良くする指圧やマッサージはできれば早めにしておくと夏バテ予防になります。

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2007年6月 2日 (土)

はしかの影響

 しばらく前から、また指圧を受けたいと言っているとお母さんから聞いていた女子大生の方が、はしか休学を利用して指圧を受けに来ました。

 前回は右の腰が悪かったのですが、部活も休みだそうなので、今回ひどく悪い所はなさそうです。

 右肩上部には姿勢による通常のこりがあり、左上腕、背部、大腿後側に、少し古いこりが点在しています。そこそこ体の休養にもなっているのでしょう。はしかにかかっているわけでもなく、本人はいたって元気です。

 最初の左前頚部の指圧から、おなかに動きがあります。“ツボが開通している”感じがあります(ひどく痛んだ体では、始めからツボが内臓筋肉反射の反応点として機能することはないと感じています)。

 すぐに寝てしまったので、眠れるような施術をします。

 部活で疲れていたもう少し前は、体が疲労のピークだったのかもしれません。疲れた時に私の施術を思い出してくれる人がいるのは、有難いことです。

 久しぶりに、悪い部位の少ない体に施術をしました。回復力のある筋肉と可動域の広い関節、そして最後まで寝ていた受け手としての感性がすぐれていると思いました。

 頭の指圧で、眠りながらニコッと白い歯を見せたのが印象的でした。どんな夢を見ていたのでしょう。

 気持ちよく、疲労回復になり、心も爽やかになる、そういうことだよなぁと指圧を終えてその効果と方向性が確認できました。

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2007年6月 1日 (金)

背中が気持ち悪いという訴え

 軽く触れても「背中が気持ち悪い」と訴える女性がいました。触診のための座位でも、横臥に移ってからも同じです。

 ということは、仰臥位で普通程度の刺激はできないということです。胃腸症状による吐き気とは違う感覚だと言うのです。

 考えられるのは脊髄神経が何もしなくても圧迫されているということです。ヘルニア、骨棘形成、靭帯硬化症のどれかかもしれません。神経が過敏になっていることは間違いないと思います。

 2週間近く我慢してきたようですから、『どうなってしまうんだろう?』という不安で一杯だったと思います。背中はむくんでいて、血行の悪さも背中の気持ち悪さの原因だと思われます。

 仰臥位で下肢から本格的な指圧をします。右足首の痛みと右股関節の回旋運動などから、右座骨神経痛があることがわかりました。これが背中の気持ち悪さの直接の原因かどうかはわかりませんが、原因になり得る症状ではあります。

 上肢の指圧で肩甲下筋の圧痛を確認します。特徴的なのは背中の姿勢が良すぎることと、前胸部のこりがないことです。

 一般的に肩甲下筋のこりがあれば、肩関節の内転内旋姿勢のため前胸部がこります。背中の症状を抑えるために、無理な力が入っていたのだと思います。

 極めてソフトタッチで顔面、頭部、腹部をゆるめ、伏臥位にうつります。

 肩上部僧帽筋は圧されて気持ちがいいという感覚だそうです。肩甲間部から腰部にかけては、母指の指紋部を乗せておく感覚で指圧をしていきます。

 始めは圧されて気持ち悪い感覚が背中に残っていましたが、繰り返すうちに気持ちの悪さはなくなっていきました。

 そして骨盤から下肢後側の座骨神経に沿った指圧をして施術を終えました。

 右腰部はもう少しゆるめられる思ったのですが、施術時間が長すぎるのも疲れさせてしまう場合があるので、慎重を期しました。

 立ち上がった時に、「今まで他で経験したことがないくらい、軽くなりました」という言葉をいただきました。

 毎日股関節のストレッチをしていくと、腰から下肢にかけての辛さは緩和されていくはずです。

 これは非常に難しい施術例です。クライアントの「背中の気持ち悪さ」をどう受けとめるかで施術の成否が決まります。

 苦痛のニュアンスを自分の体に置き換えて考えることができなければ、今回のような施術は成立しません。

 世の中にそういった施術者が少ないのであれば、その領域は活躍の場となります。指圧やアロマテラピーに流れるスピリットを自分のものにできていれば、そんなセラピストを必要としている方がたくさんいるのです。

参考:アロマミスト使用 フランキンセンス3滴、ベルガモット2滴、水70ml      CD『MENTAL DETOX』  

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