30代男性、頚の痛みがあり整形外科で牽引をしてもらっても効果がないということです。
最近頭痛が続き、手のしびれだけでなく、足にもしびれがあります。
椅子に腰かけた姿勢で、頚が肩より前にはっきりと突き出し、腰椎が後弯し、骨盤が後ろに倒れています。
右股関節は外旋し、右の爪先が斜め外側を向いています。
パソコンワークによる肩関節内転内旋姿勢を続けているとみえて、キーボード操作による前腕内・外側のこりも、手指のしびれの原因と思われます。
頚をゆっくりと動かしてみると、後屈で痛みがありますが、前屈・側屈・回旋で痛みはありません。前頚部は比較的ゆるんでいて、後頭骨の下際を押圧していくと、“瘂門”から左右の“天柱”“風池”“完骨”に痛みがあります。
猫背による頚肩腕症状と坐骨神経症状があると考えて指圧を始めました。
電話の声の感じからアレルギー性を感じて芳香浴にアロマミストでユーカリ・ラディアータを焚いておきました。聞いてみると花粉症があるとのことです。
施術では頚椎から仙骨までを伸ばしていくことと、右股関節の矯正を重視しました。
右肩上部僧帽筋と右肩甲下部の脊柱起立筋がだいぶ硬くなっています。右臀部梨状筋の硬結も坐骨神経症状に関与していると思われます。
伏臥位から眠り、仰臥位では時々いびきをかいて眠っていました。
上肢の指圧では右肘に骨折をしたことがあるとわかりました。上肢を伸ばした時に右前腕がやや内旋します。問診時には骨折のことを話していませんでしたが、これも手のしびれの原因かもしれません。上腕二頭筋と円回内筋に長い間この状態だったと思える硬結が存在します。
腹部の指圧では肝臓の硬さを感じました。パソコンによる目の疲れとストレスも“東洋医学”では肝臓と関係していると診ます。
最後に腰のストレッチをしてから、頚と肩のセルフストレッチを覚えてもらって施術を終えました。
施術後に感想を聞くと「よくなったかどうかよくわからない」ということです。実際、後頭骨下際のツボを押しながら頚の後屈をすると痛みが残っています。
長い間かけて固まってしまった姿勢を急激に矯正することはよくありません。
おそらく、今日より明日のほうが全身の血行が改善された事により楽になっていると思います。
後は肩の上に頚を乗せるようにできるかということです。姿勢に気をつけることと毎日頻繁にストレッチをすることにかかっていると思います。
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