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2007年9月26日 (水)

顔を見て痩せたと思った

 第一印象には“何かある”と思っていたほうがいいと思います。

 顔を見て『痩せた』と感じた男性に、そう話すと「いや、むしろ体重が増えたんですよ」ということでした。この時は顔が日焼けしたからかと思いました。

 主訴は右肩の棘下筋の痛みです。腰に手を廻す外旋がしにくいということですが、何もしなくても痛みがあるようです。

 右側頚部と肩の交わる腕神経叢の出口を圧すと、右棘下筋に響くようです。

 肩甲下部の脊柱起立筋がかなり硬くなっています。左臀部から大腿二頭筋にかけて、坐骨神経痛があります。両ふくらはぎはむくんでいます。

 頚の回旋で痛みが出るので、フェイス枕とバストマットを使って伏臥位の指圧を終えると、汗をびっしょりとかいています。

 仰臥位で指圧をすると眠ったり起きたりしながら、最後には膝を立てたり、伸ばしたりしています。

 「だるくてどうしようもなくなってきた」のだそうです。

 上腹部、特に左季肋部の硬さがあります。胸脇苦満があり半表半裏(病気がやや深く体に侵入してきた)の状態だと思いました。

 右棘下筋の痛みは少し緩和されて、肩もいくらか動かしやすくはなりました。しかし、肩関節周囲炎(五十肩)の典型的な症状ですし、腱板の断裂はなさそうですが、石灰化をしているように思います。

 老廃物が溜まっているなと思いながら、おなかの硬さの話をしていると、「腎臓結石がまだ残っていて検査がそろそろある」ということです。

 『それか!』と思いました。背中の硬さ、施術中の汗、施術後半から施術後のだるさ、腎臓結石が体液の循環を鈍らせているところへ指圧をしたので、老廃物や痛み物質が体全体を回っているのだと思いました。

 家に帰ったら寝ると言って帰っていかれましたが、この施術はもう少し短い時間で終えていたとしても、体にだるさをもたらすことになったと思います。

 第一印象で感じた“痩せた顔”は、“日焼けした”からではなく、下に滞って上にのぼせていることを表すシグナルだったのです。

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