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2007年10月31日 (水)

ソープバトラー

 リッツ・カールトン・大阪には“ソープバトラー”がいて、客室で宿泊客に石鹸を切り分けてくれるのだそうです。

 ただし、ザ・リッツ・カールトン・スイーツ(1泊55万円)と“エステdeキレイパッケージ”で宿泊した場合だけのサービスです。

 素材の危うい物ばかりがニュースになる中で、こうしたサービスは贅沢感と気が利いた感じを与えてくれます。

 温泉宿でも、浴衣が選べるサービスをしているところがありますが、アメニティである石鹸が選べるサービスもこれから増えていくかもしれません。

 品質への関心が高まる中、最近は固形石鹸ブームなのだそうです。

 温泉でアルカリが強いボディソープやシャンプーが置いてあると、かなり興醒めさせられます。

 地産地消で、御当地の名産を活かしたナチュラルな石鹸が温泉にあれば、嬉しくなると思います。

 石鹸は香りも楽しめ、(そうでない物であっては困りますが)スキンケアにもなります。最近はソープカービング(石鹸彫刻)の教室も流行っているようです。

 六本木ヒルズにある生活の木の“石鹸工場(狭いガラス張りの一画ですが)”を思い出したら、石鹸が作りたくなってきました。

 生活の木の“ソープキット”は1,050円、石鹸素地だけなら1kgでも945円です。注文してみることにしました。

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2007年10月30日 (火)

人助けができると治り始める

 お得意様が予約の時間より遅いなぁと思っていたら、「そこの通りまで来たら、古タイヤに腰掛けて休もうとしたおばあさんがタイヤの穴にお尻がはまって倒れてしまったから、車から降りて通りかかった人と一緒に抱き起こしてきた」とお話になります。

 「調子が悪いので今から急いで行く」という電話だったのですが、とても立派な行動で感心しました。

 田舎で人通りも少ないので咄嗟に『自分が助けなければ!』という気持ちが働いたのでしょう。

 近所の方が通りかかって気づいてくれたことも幸運でした。幸い大事ではなかったようなので、本当に良かったと思います。

 そんな話を聞いてから指圧を始めると、下痢をして肩こりがあり、右の小鼻にできものがあることから、左の“合谷”を圧してみるととても痛がります。

 大腸経の症状であることがわかります。

 そして右鼡径部に痛みがあって股関節の外旋をすると痛いというのですが、『外旋』をヒントに触っていくと、右臀部の仙骨と大腿骨大転子を結ぶ外旋筋群と右大転子下の腸脛靭帯に圧痛点を発見しました。

 右腸脛靭帯には、下肢の外転・外旋姿勢の繰り返しにより小さな傷があるようです。右下肢に体重をかけて仕事をしているということです。

 しかし、いつもよりも精神的に落ち着いていますし、筋肉のこりが緩むのも速いようです。

 ひとつの善行が、画期的に免疫力を高めるスイッチを入れたのだと思いました。

 施術後はこれから出かけるとのことでしたので、調子も良くなったのでしょう。

 利己的なニュースばかりの毎日ですが、“徳を積む”ことや“周りへ気を配り手を差し伸べる”ということが、自分の体を治そうとする力も向上させた場面を見た気がしました。

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2007年10月29日 (月)

大腿を細くする簡単なエクササイズ

 スクワットをしていて気づいたのですが、爪先が真っ直ぐ前を向いていないと、肩幅に足を開いて背中を伸ばしたまま膝の曲げ伸ばしをしても、大腿前部の大腿四頭筋を鍛えることはできません。

 正しいスクワットができれば、膝を曲げることで大腿の裏側の大腿二頭筋をシェイプアップすることができ、膝を伸ばすことで大腿四頭筋をシェイプアップすることができます。

 女性が気にしていることの多い大腿内側のシェイプアップには、肩幅に足を開いて爪先を真っ直ぐ前に向けて立ってから、爪先を15°くらい内側に向けます。

 あまり内側に向け過ぎると効果がなくなります。しかっり膝が伸びていれば大腿内側内転筋群の緊張がわかります。

 そのまま前に体重をかけてみると内転筋群の下部に、後ろに体重を移動すると内転筋群の中部から上部に緊張する部位が移るのがわかります。

 爪先を前に向けて立ってから、爪先を少し浮かせて内側に向け、8秒くらい内転筋群を緊張させてから元に戻し、これを数回繰り返します。

 同様に肩幅に足を開き爪先をやや外側に向けてしっかりと膝を伸ばせば、大腿外側のシェイプアップになります。

 テーブルに手をついてでも、電車の中でもできますが、ヒールの高い靴を履いていると効果的なエクササイズをするには難しくなります。

 コツがわかると椅子に座っていてもできるようになります。座ってできれば膝痛のリハビリにも応用できます。

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2007年10月28日 (日)

心の傷みが体に現れる

 触れただけで痛い”と言われることはよくあることです。

 特に虚証の肥満体質では、血液循環が悪く、痛み物質を溜めやすい傾向があるとみています。

虚証は『喜按(痛みのある部位を按じると軽快し喜ぶ)』と言われますが、太っていて正気が不足している場合は『拒按』の傾向が一層強まるように感じています。

昨日指圧をした女性は、左天柱穴、右側頚部、右肩根点、腰背部の広い部位、右仙腸関節、左大腿外側、両大腿後側の膝上の押圧をとても痛がりました。

頭を垂れ、頚を右から左に回旋し、猫背で左股関節を開いて、右坐骨に体重をかけてずっと座っていたのでしょう。

「毎日ストレッチをしないと、自分の重さでどんどん体が悪くなっちゃうよ!」

 

私は怒りました。圧すたびに『ウッ!ウッ!』と声を上げるのですが、世界中どこに行ったって、体に溜めこんだ痛み物質がこんなにある限り、痛みを感じさせずに施術できる人などいないだろうと思いました。

『これからはグラムに換算して料金を貰いたいものだ』、痛みをできるだけ感じさせないようにする施術は大変で、そんな事まで考えていました。

施術後、彼女は14年間一緒に暮らした犬が5日前に死んだのだと話しました。そして「今日、それほど痛くはなかったですよ」と言いました。

筋肉はいつもほど硬くはありませんでした。どうして痛がるのかと思うような感触だったのです。

“ペットロス”という心の傷みが、この5日間のとても多くの時間を、彼女に椅子で項を垂れさせたのではないかと思いました。圧すたびに聞こえた『ウッ!ウッ!』という声は、彼女の意識に上らない心の叫びだったのかもしれません。

「泣けるなら泣いたほうがいいよ、汗をかくのもいい」そう言うと彼女の両目が少し潤んだように見えました。

“ペットロス”の本当の悲しみは、もう少し後に来るような気がしました。

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2007年10月27日 (土)

揉捏の『捏』はツクネと読む

 『捏』一字でなんと読むか?答えは『ツクネ』でした。

 テレビのクイズ番組を見ていて、思わずのけぞりました。

 揉捏の『捏』はツクネなのです。“こねる”というように理解していましたが“ネツ”は“デツ”とも読み、“つくねる・でっちる・こねくる”などとも辞書に書かれています。

 意味は『①土などに水を混ぜて固まるまでねる ②手でこねて丸くする ③乱雑に積み重ねる ④あれこれ考えてやってみる ⑤無理な事を言って困らせる』とあります。

 揉捏を『柔捏』と書いていることも多いのですが、本来は『揉む・こねる』の揉捏が正しいのだと思います。

 『揉む・捻る』の揉捻(ジュウネン)という表現はあるのですが、『柔捏』は“やわらかくツクネを作るのだ”と言っているようで少し違うような気がします。

 揉捏がツクネを作るのではないということは、土でも、魚介類のすり身でも、ひき肉でもない生身の人間の体に手技をするのですから、わかっているはずです。

 しかし、『ツクネを作るならそれでいい』というような揉捏をしている人も結構見かけます。

 揉捏がツクネを作る手指の動きと変わらなければ、筋肉の繊維を断裂させてしまいます。

 『捏』は“ツクネ”と読む、揉捏の手技を教える一時間目に戒めとして是非教えるべきです。

“蛇足:今年クイズ番組で知ってもうひとつ驚いた事→『正式には「丁字路(ていじろ)」で、T字路(ティーじろ)のほうが間違い』→丁字路と言う人は滅多にいませんが、馬鹿にしていた自分が悔やまれ、Tシャツや他のTが付く言葉にまでしばらく疑心暗鬼になりました。”

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2007年10月26日 (金)

自律神経免疫-痛みを治そうとする働き-

 鍼灸を使った自律神経免疫治療は、癌などの痛みを伴う病気の疼痛緩和に応用されています。

 『鍼を刺すとその痛み刺激を和らげようとして、副交感神経が活発に働らいて患部の疼痛緩和につながる』というのが自律神経免疫治療の理論です。

 人間の体に備わっている疼痛緩和の働きを引き出すことができれば、薬だけに頼るよりも効果が期待できます。

 だからといって鍼と同じようにツボ指圧を『痛がられるような圧刺激をすれば自律神経免疫治療になる』と考えてしまうのは危険です。

 鍼は微小な点刺激ですが、母指圧では筋肉の面をとらえます。筋繊維をいくつもとらえれば、たとえ垂直圧であっても限度が必要です。

 頑固な肩こりに強過ぎる母指圧をすると、痛みの後に副交感神経が活性化されて『痛み止め』の効果で良くなったように感じますが、筋繊維自体は炎症の上に傷を広げて揉み返しが起こります。

 台湾式の棒を使った足裏マッサージのように、“終わってホッとする”ような痛み刺激は、筋肉に対しては“いじめ”です。

 鍼と違って、手指での自律神経免疫治療は痛くてもいいというわけにはいきません。

 手の温かさや肌の触れあいという大きな要素があるのですから、その特長を活かした自律神経免疫治療は、メンタルな部分も含めて自ずと見えてくるはずです。

 例えば刺激を強くしたければ、弱い刺激を持続するだけでいいのです。

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2007年10月25日 (木)

宣伝と責任

 花をたくさんいただきました。

 「先生に見てもらおうと思って…」と、その方はお孫さんが自転車の練習をするのにサドルを下げられてしまったままの自転車で、自宅で育てたいろいろな菊やとりたての葱を持ってきてくれました。

 「その後お体の調子はいかがですか?」と尋ねると、「まぁ何とかやってます」と答えてすぐに帰っていかれました。

 それだけのお話しですが、『思っていてくださる方がいる』ことは有難いことです。しばらく施術はしていなくても、『そろそろ来る頃か』と思っていると予約の電話がかかってきたり、そうでなくても街中で見かけて少し立ち話をするようなこともあります。

 たくさんの方に施術できればいいのですが、不特定多数の方に声を大にして呼びかけるほどのキャパシティは、心身ともにありません。

 縁があって施術できた方には、その後も責任を持たなければいけないと思っています。

 両手と時間をかけて丁寧にする仕事が『手間』です。プロの仕事は作品が完成した後にも熟成していくものだと思います。

 よく広告のセールスの電話をいただくのですが、お断りしています。

 どんな施術をする所かとかけていただく電話でも、『本当に求めているとは思えない方』には、やんわりと施術を受けるためのハードルを上げてしまうような私です。

 責任を持てない所まで範囲を広げてしまうと、『三つ売るより一つ残すな!』と言ったとされる、和菓子の老舗の会長のようになってしまいそうです。

 頂いた大輪の菊、小菊、黄色や赤紫やオレンジの花の素朴で誉めどころが難しかったのが余計、気取らないこういう関係の必要さを感じるのです。

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2007年10月24日 (水)

方法を手口とよばれないように

 「これくらいは許されるのではないか」と決まりを拡大解釈していき、その油断が重なっていつのまにかローカルルールと常識との違いに鈍感になったまま作業を続けていると、その方法では“手口”と呼ばれてしまうのだと、最近の食品偽装問題は教えてくれます。

 作業の無駄を省くこと、省力化、効率化、簡略化、それを目指すのは良いのですが、質が落ちるのであれば問題です。

 いくら技術が進歩したとはいえ、機械と手作りでは質感が違い、出来立てと冷凍では風味や食感が違います。

 指圧やマッサージでも、マッサージ椅子と指圧師・マッサージ師では触感が違います。当然です。

 施術の工程を省いて手技を“手口”と言われたくはありません。『指圧偽装』『アロマテラピー偽装』と新聞の見出しになっては困ります。

 本質をとらえてそのど真ん中を提供し続けるように努力したいと思います。

 指圧やアロマテラピーは社会に貢献できる価値あるもので、何よりも自分の心身を健全にしてくれる素晴らしいものだからその名を汚すようなまねはできないと思っています。そう思える限り、手技を“手口”と呼ばれる心配はないと思います。

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2007年10月23日 (火)

風邪と胸鎖乳突筋鎖骨部のこり

 クライアントが鼻をグシュグシュとしていたり、風邪気味であるとわかる兆候があれば、左右どちらかの胸鎖乳突筋鎖骨部のこりを確認しておくといいと思います。

 ここは気管を圧してしまうことがないように、『胸鎖乳突筋の内縁をとらえて外側に引き気味にして圧すようにします。

 鎖骨の中に指が入るくらいにしたいものですが、この筋の起始部への施術が甘いと筋全体をゆるめることが難しくなります。

 仮に右胸鎖乳突筋鎖骨部にこりがあるとすると、右肩下がりになって右腕を使っている傾向があります。すると猫背になり、肩甲間部がこり、背面からと前面の上部から呼吸器を圧迫することになります。

 右利きの人が右腕を使って肩の周囲にこりを作れば、疲労が溜まり、免疫力が低下します。

 呼吸が浅くなって、異物を気道粘膜の繊毛運動によって排出しにくくなるということもあるでしょう。

 のどの痛みや風邪の症状がなくても、肩こりがあれば胸鎖乳突筋鎖骨部のこりが左右どちらかにあるものです。

 風邪を未病のうちに治すという意味でも、胸鎖乳突筋鎖骨部のこりはゆるめておきたいものです。

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2007年10月22日 (月)

『ねこ鍋』考 -ほど良い圧迫感-

 『ねこ鍋』を見ていると、土鍋のほど良い圧迫感がリラクセーション効果を高めているのがわかります。

 それは『ほど良い狭さということにも通じます。

 砂漠の温度と湿度を快適なものにしても、そこで両手両足を広げて大の字に寝て、長い時間リラックスするということは難しいと思います。

 それは『胎児の姿勢』にも通じることです。

 リラックスするためには、ほど良く狭い空間を囲って『他からの圧を感じる』ほうがより安定したストレッチを保つことができます。

 手技療法で全身に適度なタッチを受けた後の顔は、どなたも『ねこ鍋』の中でまったりする猫の表情に似ています。

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2007年10月21日 (日)

胃炎で感じる腰背部痛

 背柱起立筋を指圧していて「胃がスーッとしてきました」と言われることがよくあります。

 内臓疾患では患部をかばうために背中が丸くなり、腰背部の筋肉が緊張します。これは肝臓疾患でも、腎臓疾患でも、胃炎でも、便秘でも起こります。

 兪穴でいえば胃兪は第12胸椎と第1腰椎の間にありますが、胃炎の反応点としての筋緊張はその上下の広い範囲に及んでいます。

 ツボ指圧の盲点として、内臓に対応する典型的なツボである兪穴への施術のみで満足してしまうと、クライアントが「スーッとしない」事態が起こってしまいます。

 胃下垂や内臓下垂がある場合は、脊髄神経の位置にとらわれずに、典型的な兪穴より下にも反応点があると考えたほうが自然です。

 また、背部では筋肉の緊張により、7ケの頚椎、12ケの胸椎、5ケの腰椎の1箇所が曲がれば、かなり離れた部位にもそれに拮抗するための緊張が起こります。

 寝違え、腰痛が主訴の方への背部の指圧で、「胃がスーッとしてきました」と言われたら、寝違え、腰痛の原因が胃にあると考えて施術をしてもいいと思います。

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2007年10月20日 (土)

木の実が風を起こし、森を鳴らす。

 朝の森に足を踏み入れると、突然風が起こり、乾いた音が森に響き始めました。

 

 注意して聞いてみると、ドングリがあちこちで枝を揺らしながら一斉に落下して、木の根元の乾いた枯葉を潰している音です。

 

 ドングリがぶつかった枝は不規則に揺れて風を起こし、砕ける枯葉達の音が重なって、森が鈍い呻き声を上げているようで不気味です。

 

 ドングリはやがて芽を出して、新しい木が育ちます。

 

 人間の知らない間に不思議な風が起こり、森が音を立てていることを知りました。

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2007年10月19日 (金)

チコリーのダイエット効果

 生活の木『2007年秋冬カタログ臨時増刊号』を見ていたら、ダイエットのタイトルがあるページに、グレープフルーツ、フェンネルと並んで、“チコリー”が載っていました。

 サラダで食べることの多い“セロリの白い部分を花びらの形にしたような”チコリーですが、イヌリンという食物繊維からは甘味料を作ることができ、コーヒーの代用にもなり、血糖効果作用、利尿作用、心拍数を下げるなどの効果が期待できるのだそうです。

 生活の木で精油やハーブとして単独の商品はないようですが、ハーブティーの『プリンセス』『ローズヒップ-C』『エキナセアベア』『ムーンガーデン』には含まれていて、『ハーブコーヒー』としても販売しています。

 「代用コーヒーは…」と敬遠していたのですが、ちょっと目に付いてしまったので買ってみようかと思います。

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2007年10月18日 (木)

五行の真ん中が曲者である

 五行説では木・火・土・金・水の代表的な五つの物質の特性に、自然や人間の体や感情などを当てはめて分類し、様々な現象を理解していこうとしています。

 しかし春夏秋冬の季節や東西南北の方角は、四つの要素で代表されるので、五行の真ん中の『土』に『長夏』や『中央』を当てています。

 これがなかなか曲者で、普通に四季を考えていれば『土』を秋としてしまい、ひとつ足りないぞということになりがちです。

 例えば筋・血脈・肌肉・皮毛・骨髄という五主でも、『土』に相当する肌肉は、筋と皮毛の間の微妙な部分(現在で言えば結合織でしょうか)を指しています。

 五能の生・長・化・収・蔵も、生まれて、成長して、収穫して、蔵に収めるというのはわかりますが、『土』に相当する『化』は、どこで化けたと見るか、その変化のタイミングというのは、それぞれにおいて違いがあります。

 臓腑では脾と胃、五臭では『香』になります。この『カンバシクサイ』という臭いもなかなかクセモノです。香水をつけ過ぎた人とエレベーターで乗り合わせた時の臭いのようなものですが、確かに胃癌の方にこのような臭いを感じたことがあります。

 少量であれば香りと言えるのに過剰であれば臭いと呼ばれてしまうような、そんな微妙なところを『土』の性質はおさえています。

 そのワンクッションがなければ自然というおそろしくフレキシブルな事象を網羅できないので生み出したような『土』の性質の事柄は、最も東洋医学的で、そしてここを理解することが、見た目だけではない、少し捻った深層まで理解することになるのではないかと思います。

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2007年10月17日 (水)

妊娠中は胎児も診ていくということ

 これはテキストに書かれていることではないかもしれませんが、私が妊娠中の女性に施術をする時には、母体と胎児と二人の施術をしていると思っています。

 母体への施術が胎児への血流に影響するということだけでなく、この環境が胎児にとって『産まれて来るに値する世界』であると感じてもらえるように、音楽や精油の香りや、実際におなかに触れてタッチの感触を選んでいます。

 普段はマッサージミュージックとして、曲として耳慣れたものではないゆったりとしたリズムのヒーリングミュージックを選択する事が多いのですが、胎児に聴覚が芽生え始める妊娠後期には、クラッシックの名曲が入ったCDなどを選んでいます。

 疲れた(大人の)体には呼吸を楽にするリズムが重要で、耳慣れたメロディに気が行って聴いてしまうと、感覚全体のリラックスができなくなると考えていますが、胎児は肺呼吸自体していないので、聴覚を楽しませるメロディが効果的ではないかと考えてのことです。

 妊娠中の芳香浴は柑橘系が中心になり、便秘や冷えがあればスイートオレンジを使うことが多くなります。おなかに触れて胎児が時々手掌を蹴り返してくれるようなら良しと考えています(それは当たり前の生命活動で良しのサインではないのですが、他に判断材料もないので強引にではありますが…)。

 股関節のストレッチは出産に必要と考えて、体を揺らさないようにしながら、いつも以上に慎重に行っています。つまり可能な範囲でということと、絶対に足をドサッと落としたりしないということです。

 おなかが大きくなるにつれて、腰椎前弯による腰痛が起こってきます。慎重にチョコチョコ歩くので大腿四頭筋が使えず、下腿の前脛骨筋が硬くなってふくらはぎがむくみ、足先が冷たくなるということも起こります。

 対症的な施術で緩和はできますが、生理的にまた腰痛が起きたり、むくみや冷えは起きてきます。

 その施術の際も、おなかの動きや体が発する音に気をつけています。お母さんには気づかない母体や胎児の発する音を聴くこともあります。

 命を育む壮大なプロジェクトのお手伝いができるのは素晴らしいことです。この世界が産まれて来るに値する物と感じてもらえるように、あの時フワッと包んでいたのはこの掌かといつか見て、もしかしたら触れた時に思い出してもらえるように、そんなことを思いながら、私は妊娠中の女性とそのおなかの中にいるとてつもなく素晴らしい可能性を秘めた命を診ています。

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2007年10月16日 (火)

芸人小島よしおの“フェーッ~”で肩の力が抜けた理由

 関根勤さんが「ゴルフで打つ前に、小島よしおの“フェーッ~”をやってふざけていたら、肩の力が抜けていいショットが打てた」とラジオの番組で話していました。

 その映像を浮かべて考えてみると、その理由は肩関節外転・外旋、前腕回外、肘関節軽度屈曲の運動であるからだとわかりました。

 ゴルフの構えは肩関節内転・内旋、前腕回内、肘関節伸展になります。

 これを簡単に言えば、手の甲が上になれば、指に力が入って肩に力が入るということです。パソコンでも、我々の施術でも、手作業をする場合はほとんど手の甲が上になります。

 手掌を上に向けることは、座禅の時の指の形でも、小島よしおの“フェーッ~”であっても、前腕の回外を伴い、指に力が入りにくい状態を作るので、肩の力が抜けることになります。

 前腕を回外すると胸を開くことができ、バストアップするという効果もあります。あの“フェーッ~”はベリーダンスなどセクシーダンスに見られるバストを強調する振りと同じです。

 声を出すということも、肩の力を抜く要素としては重要です。

 ただし、ゴルフ場のマナーから言えば「大きく息を吐き出す」ことで代用したいものです。

 「ふざける」ということも肩の力を抜く要素になりますが、肩の力を抜くために皆が“フェーッ~”でふざけるわけにはいかないので、肩関節外転・外旋、前腕回外、肘関節軽度屈曲、手掌を上に向ける、実はこれが深呼吸でよくする動きであることがわかっていればいいと思います。

 極度に緊張してどうしても肩の力が抜けない人は、逆に思いっきり緊張させる“そんなの関係ねぇっ!”を続けてやった後のほうが、肩の力が抜けているということもあります。

 

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2007年10月15日 (月)

肋間筋の痛みと広背筋の痛み

 気づくと左肋間に痛みがありました。乳頭下部に痛みの感覚がありましたが、指で探ると第6~7肋間の体幹側面にもっと痛みを感じる部位を見つけました。

 さらに指で探ると、広背筋の広い範囲に圧痛点があります。

 朝のストレッチか鉄アレイを使っている時にでもひねったのでしょうか。

 自分が身を持って体験しないとわからないものです。肋間筋の痛みは肋間筋自体を対象に考え、肋間神経痛に結びつけていましたが、広背筋を考えに入れないといけない場合もあるのです。

 肋間神経痛と脊柱起立筋の硬さの関係は頭にあったのですが、脊柱起立筋と同じ胸背神経支配の広背筋を考えてみたことはありませんでした。

 広背筋は上腕を内転させる筋肉で、腰に手を廻すようにすると緊張するのがわかります。

 よって仰臥位で肩を外転させながら圧すと、結構上手いポイントをつかめるものだと、体を探りながら見つけることができました。

 他人の痛みを感じるためには、大怪我でない程度に筋肉を痛めることも勉強になります。

 「怪我の功名」、「転んでもただでは起きない」、セラピストというものは嫌らしい意味ではなく、身を粉にして勉強するものです。

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2007年10月14日 (日)

仰向けに寝られない腰痛

 腰痛が主訴で仰向けに寝られないという場合、布団と腰の間に隙間があると考えていいと思います。

 背筋の硬さと腹筋の弱さで腰椎の前弯が増強しているとわかれば慢性の腰痛ですから、施術によってその日のうちに完治することはないと思っていいでしょう。

 筋肉の硬直が何層にも重なっているので、上から何層までゆるめられるかは毎回体の状態によるのでわかりませんが、マイルドなタッチで施術をします。

 硬直の限界まで達した筋肉を圧すと、軽く触れただけでも、はずれかけた関節や靭帯がブチッと音を立てることがあります。

 上から無理やり圧し込んで、大きな怪我をさせることだけは避けたいものです。

 下肢伸展挙上テストや触診で坐骨神経痛や椎間板ヘルニアを除外できたら、体の硬さと腹筋や殿筋の弱さと同じ姿勢の連続による慢性腰痛というパターンが浮かび上がります。

 施術後に立位肩幅開脚の前屈で痛みが出るなら、腹筋の弱さによる腰椎前弯の増強を改善していくしかありません。

 このような方は猫背であることが多いので、常におなかを引っ込めて肩の上に頭が乗る姿勢を意識してもらいます。

 仰臥位で少し股関節を開いて両膝を曲げ、両腋に抱え込むスチレッチは腰椎を伸ばすことができます。両膝を立てて左右に倒すストレッチとともに、息を吐きながら、痛みの出ない範囲で朝晩の日課にしてもらいます。

 パソコンワークや運転などの姿勢からくる慢性の腰痛は、施術だけで治そうとしても無理なので、クライアントに毎日のストレッチで協力してもらうということが絶対に必要です。

 

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2007年10月13日 (土)

食物繊維・水・クエン酸

 腎臓結石について調べてみたところ、その予防として食物繊維と水(硬水)とクエン酸が有効であるとされていました。

 食物繊維とミネラルを多く含む水は、尿酸や脂肪などの老廃物を吸着させて排出するのに役立ちます。

 クエン酸には体内の酸を減らす効果があります。

 食物繊維と水(硬水)とクエン酸の摂取はダイエットにも当てはまります。

 また、激しい運動の後の脱水症状によって、体内の尿酸値が高まり痛風が起きやすいということからも、水、特にミネラルを多く含んだ硬水を飲むことは、尿酸をからめとって排出し、痛風の発症や尿酸結石の凝集を予防すると考えられます。

 逆に腎臓結石を悪化させる食品として、動物性タンパク質・アルコール・カフェイン・塩・砂糖などがあります。

 このことからも腎臓結石を予防するためだけでなく、健康な体を維持するためには、できるだけ精製されていない日本の伝統的な食品を摂るということが我々日本人に適しているようです。

 ミネラルを含んだ岩塩や海水塩が見直され、黒糖を使用した食品が目立つようになったのは、体の要求に答えたものであるように思います。

 そういった点では、キンピラゴボウや切干大根などのお惣菜や梅干など、和食には健康な体を維持するために優れたメニューがたくさんあることがわかります。

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2007年10月12日 (金)

顎関節症マッサージロボット「WAO-1」

 早稲田大学と朝日大学の共同開発という顎関節症マッサージロボット「WAO-1」の施術をテレビで見ました。

 下顎骨に沿った咬筋の輪状柔捏と軽擦、そして側頭筋への施術を、左右同時にセラミックのボールを使って行っていました。

 「われわれは患者さんに5分間ずつのマッサージはとてもできない」というコメントがされていたのには驚きました。

 さらに驚いたのはインターネットのプレスリリースに「顎関節症のマッサージは熟練した医師以外が適切に行うことは難しく、熟練者が少ない上、専門メニューも確立されていない」という内容が記されていたことです。

 熟練したあんま・指圧・マッサージ師であれば、下顎骨周囲とこめかみの5分間のマッサージなら、状態に応じたメニューを考えることも個別に刺激を工夫することも簡単なことです。

 手技療法の本質を知るマッサージ師は部分の施術では満足できないということがあるので、病院勤務のマッサージ師の数は少ないはずです。

 そして病院の保険適用範囲でのマッサージは、タッチの本質であるマニュアルを超えた部分を提供できず、マッサージロボットの如き手技になります。

 マッサージロボットのタッチは、熟練した医師が保険適応の範囲で考え出したものです。

 それは私が良しとするものとは別ものでした。

 1000万人といわれる顎関節症の患者さんの多くは、いずれマッサージロボットの施術を受けることになるかもしれません。

 私はそのうちの何人に施術をすることができるかわかりませんが、ロボットとは別ものの私の良しとする感覚で施術をしていきます。

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2007年10月11日 (木)

アクアリゾート清里 天女の湯

 清里にある天女の湯は、源泉掛流しの炭酸水素塩化物泉で、PH7.4の表示ながらそのお湯の滑らかさはPH10に匹敵するものを感じました。

 やや黄褐色のお湯の色は、温泉の湧出口やタイルの湯の花を見ても鉄と硫黄を含んでいるようです。しかし、富士山麓の泉質のようなカルシウムを含んだ硬さはありません。

 内湯のほうがやや滑らかさに富んでいるようで、湯面には二酸化炭素の気泡が少し見えます。

 建物の外観や内装から期待はしていなかったのですが、シーズンオフの露天は高原の林の中で赤トンボが群れをなし、涼しく青く静かな秋の正しい空気に満ち溢れていました。

 内湯と露天と高温サウナと水風呂という少し古い設備ですが、温泉の良さは確かなものです。

 「丁度良く 同じ機体の長さして 遠く飛行機 近くに蜻蛉」

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2007年10月10日 (水)

若いシェフの左手のしびれ

 30代の男性シェフが『3日前から左手がしびれる』ということで、初めて指圧にいらっしゃいました。

 むちうち症などの事故や怪我はなく、頚の筋肉のこりもほとんどないので頚椎症は除外していいと思いました。

 脈をとると、手関節に近い橈骨動脈(寸口)の拍動が弱いようです。

 左肩の内旋運動で手にしびれが強くなりますが、内旋筋である左の肩甲下筋に圧痛はなく、内転・内旋筋である左大胸筋停止部付近は明らかに硬く緊張しています。

 長・短橈側手根伸筋に位置する左の“曲池”・“手三里”とその延長線の“合谷”、つまり大腸経の経絡上に圧痛があります。

 左手のしびれは、フライパンなどを持って振るような動作を繰り返すことで起こった、大胸筋と前腕橈側伸筋群の筋肉疲労が原因であることが考えられます。

 頚と肩上部、肩甲間部の筋肉は珍しいくらい緊張がありません。

 右の肩甲下部から腰にかけては、はっきりと緊張がみられます。右足に体重をかけています。腹筋と殿筋と左下肢の筋肉はあまり使われていません。それは左ふくらはぎのむくみからも明らかです。

 全身指圧を終え、一日の仕事が終わったら流水で前腕を冷やすことと、歩く時間を作ることを勧めました。

 手根管症候群(正中神経麻痺)の可能性はあるかもしれませんが手指と爪がまっすぐできれいなうえ、押圧や牽引で痛みもなかったことから、リウマチや腱鞘炎の可能性は除外していいと思います。

 施術後症状が緩和されていることと、頚の状態が悪くないことと、手指の変形が見られないことなどから、翌日にはもっとよくなっていると期待しています。

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2007年10月 9日 (火)

反動をつけないということ

 タッチでもストレッチでも、『反動をつけるな』と教えられます。

 その理由は、力(刺激)の向かう方向の正確さが必要であって、力の強さはむしろ害になるからです。

 怪我などで関節の可動域が制限されているような場合のストレッチでは、普通にできることができないわけですから、痛みの出ない範囲を探しながら、微妙な力加減でその時に可能な伸展をすることになります。

 怪我や炎症がある部位のタッチにも、患部を悪化させないために同じような慎重さが必要です。

 野球のピッチャーがワインドアップで(振りかぶって)投げる時は、反動が大きいので、球の勢いはあってもコントロールが悪いということがありがちです。

 コントロールをつけるためにノーワインドアップで投げたら、球の勢いが増したというピッチャーもいます。

 反動をつけると直線的な力のベクトルを一定にすることが難しくなります。ワインドアップで投げると球のリリースポイントが定まりにくく、コントロールを乱しやすいことはそれを示しています。

 反動をつけないということは、頭がぶれない、視線を切らないということです。

 タッチやストレッチをする時のセラピストの目は、射撃競技やアーチェリーの選手のようであるべきだと思います。

 豪速球だけれどコントロールの悪いピッチャーのようであったり、ハンマー投げの選手のようであったりすれば、クライアントの体は破壊されてしまいます。

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2007年10月 8日 (月)

背中を伸ばして施術するということ

 皮膚は脳と同根の外胚葉由来の感覚器ですから、『触られる』ことによって快・不快の感情が湧き上がります。

 体に触れるという行為が、“いきなり”であったり、“乱暴に”であったり“了解もなく”ということであれば、もってのほかであることは誰でもわかります。

 手技療法がいくら美や健康を謳ってもタッチが快刺激でなければその目標は遙か遠いかけ離れた所に掲げられているに過ぎません。

 快刺激の施術をするためには、まず手指の力に頼らないことを体で覚えなければなりません。

 刺激量は体重のかけ方で調整するのです。

 丁寧なお辞儀(立位で背中を伸ばしたまま骨盤から倒していく)をすると、大腿四頭筋が緊張することがわかります。これは施術で腰を痛めないためのヒントになります。

 丁寧なお辞儀の体の使い方では、朝起きて顔を洗ってギックリ腰になることも防げます。

 相撲の蹲踞から手を付く姿勢も、体を前に突進させるために、骨盤から背中が伸びて、相手の攻撃に備えるために顔が上がっています。

 和式トイレも背中を丸めすぎると後ろに倒れてしまうので、普通は背中が伸びています。

 手指の力に頼らない施術は体重移動で刺激を調節できるため、体との接点である手指を安定させることができます。まずこれが快刺激の第一歩です。

 背中を伸ばして骨盤から倒していくような体重移動は、日本古来の武道や礼法や生活様式では当たり前でした。

 手技療法は殺法ではない、活法であるけれども、武道の体の使い方は大いに参考になります。また礼法のお辞儀や正座は、肩や腰を痛めない動きや姿勢を示唆しています。

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2007年10月 7日 (日)

腎臓結石とジュニパー

 腎臓結石の方に施術をしています。肩甲下部の硬さは腎臓結石の影響だと思っています。

 『石が出ない!もっと効く薬があるのではないか?石を出す治療法があるのでは?』と長引く症状に苛立ちをつのらせています。

 おそらく体外衝撃波破砕法という、石を砕く治療をしていると思うのですが、石が腎臓に刺さっていることもあり、なかなか排出されないようなのです。

 服薬中の薬は、利尿薬か石の凝集を予防するようなものだと思いますので、本人が『もっと効く薬はないのか!』と言っても、その薬の成分を強くしたところで、石が溶けてなくなるという訳ではないようです。

 インターネットを調べたところ、『ジュニパーのブレンドオイルをおなかと背中に塗布したところ、3ヶ月程で石が排出された』というブログに出会いました。しかも毎日塗っていたわけではないようです。

 アロマテラピーの本には、ジュニパーについて『むくみをとる・利尿作用』に続いて、『腎臓結石を排出する』と記載されていることがほとんどです。

 もっと早く使っておけばよかったと思います。指圧で不快な症状はとれるので、昨日の苛立った声を聴くまでジュニパーの感覚が心に響いてくることがありませんでした。

 次回からジュニパーのオイルマッサージをしてみようと思います。我慢の限界が近づいた訴えに対してアロマセラピスト心が共鳴しています。

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2007年10月 6日 (土)

施術の翌日だるくなったと言われたら

 「施術を受けた翌日は体がだるかったんだけど、次の日は体がスッきりとした」、これはよく言われることです。

 体にこりやむくみがあれば血管に詰まりがあるという事です。全身への手技を行えば、疲労物質や痛み物質などの老廃物や宿便による毒素が、体中を移動することになります。

 また、普段は使わない筋肉を動かすことにもなり、全身への施術は運動と同じような効果をもたらします。

 血管の詰まりが取れて、老廃物を排出するのには1~2日かかるのでしょう。老廃物が排出された後はスッきりするわけです。

 だから全身の施術をした場合は、普通は続けて翌日も施術をする必要はないと考えています。

 私は『好転反応』という言葉を使うのも、使われるのも嫌いです。

 その“上から目線での物言い”や『自分たちはわかっている』といった専門家ぶったニュアンスは不快です。

 好転なのか悪化させてしまったのかは、もっと経過を見ていかなければわからないこともあります。

 大した知識も技術もキャリアもなく、自分の言葉として噛み砕いてもいない口からそんな言葉が漏れてしまうようなら、恥を曝しているということです。

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2007年10月 5日 (金)

垂直圧のための体幹の動き

 圧刺激を筋肉に対して深く浸透させるためには、垂直圧でなければなりません。

 指の構えは、母指と四指の指紋部を皮膚の表面に密着させたまま少し手前に引いて中手指節関節を突き出す、ちょうど影絵でヘビの口をパクパクさせる時のような形になります。

 そしてもうひとつポイントとして、『手関節をやや尺屈(小指側に側屈)させる』ということがあります。このことによって圧の方向が前へ滑るのを防ぐことができ、垂直方向へ圧す構えが完成します。

 この指の構えは、リフレクソロジーの足底と足の甲で母指と四指の対立圧を作るタッチを、背中の同一曲面で行うということです。栓抜きのテコの力がイメージできるといいでしょう。

 重ね母指で圧す時に、蝶のような、鳥のような手の形になっている人は多いのですが、上記のポイントができて初めて垂直圧になるのです。

 そして体幹の動きのポイントは、①背中が伸びている②下を向かない③丹田を突き出すことで体幹を伸ばした上腕にぶつけるようにする、ということだと思います。

 指圧の場合、押圧を始める前は、マットでは後ろ側の曲げた膝に、ベッドでは後ろ側の足に、体重を預けてあります。

 指の構えができている、そして肘は伸展しているという条件で、背中を伸ばしたまま、後ろ膝(足)にかかった体重を丹田を突き出すことで母指に移動していきます。

 『開いていた腋を体幹の移動によって閉める』という体の動きになります。

 これができれば、タッチに関してはかなりの応用が利きます。

 これができなくても、これがわかるだけでかなり有望です。

 これができるようになると自分の体重の半分の重さの圧は力を入れずに扱えるようになるので、施術に余裕が生まれます。

 力ではないということ、筋力や体力がタッチの本質ではないから、70代の女性が現役で施術をしているということがあり得るのです。

 それぞれのセラピストには個性があるので、微調整は必要です。その時の自分の実力や感性に合った構えや体のさばきは、毎日、毎回、工夫する必要があります。

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2007年10月 4日 (木)

圧が斜め前方に逃げてしまうセラピスト

 伏臥位で背中を見ると、腰椎の真ん中あたりからゆるやかな上り坂になっています。

 肩から腰までの施術で腰の脇に足位置を決めて施術をすると、肩に近づくほど体重移動が上滑りして垂直圧がかからなくなり、母指圧にしても手掌圧にしても力の向かう方向が斜め前に向かっていく傾向があります。

 しかし、これに気づいていないか、気づいていても問題にしていないセラピストは非常に多いと、見ていて感じます。

 一つの解決方法は、背中の上部の施術では足位置を前に移動することですが、母指圧の場合、指の関節が伸びきってしまっていると、背中の押圧では圧が斜め前に逃げてしまいます。

 これは軽擦の場合の手首の関節で考えてみると、主にオイルで施術をしているセラピストにもわかるはずです。

 オイルトリートメントでも、手掌圧をかけて背中のゆるやかな坂を上っていく場合、圧をキープしながら移動しようとすれば、手関節は必ず背屈しています。

 その理由は、手関節掌屈では指先しかあてることができず、手関節中間位では体重がかからず手掌圧が上滑りしていくからです。

 つまり、背中の母指圧が上滑りしないためには指節関節は伸展させるのですが、中手指節関節(指の付け根)は必ず屈曲していなければならないということです。そうでなければ体重は乗らずに圧は上滑りしていきます。

 中手指節関節を屈曲させるには、毎日訓練する必要があります。

 私は指立て伏せをしていますが、指立て伏せができなくてもいいのです。ただ指圧の指の構えは、指立て伏せで体重を支えられるようなものです。

 教えられる人がいないから気づかないのだと思います。

 見ていて違う、受けてみて違う、そういうもののほうがはるかに多いように思えてなりません。

 何かを潰そうとするような強過ぎる刺激は論外しかし、『癒し系のタッチだから…』と言って単に弱い上滑りの押圧をすることも違うのです。

 結局、中手指節関節を屈曲できない圧し方は、指先の力だけで“突いている”ようなものなのです。やがて指を傷めます。

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2007年10月 3日 (水)

膝で圧すことの危険性

 以前に指圧の研究会で、仰臥位で大腿後側の施術をする場合に、『被術者の膝を曲げてから自分の膝蓋骨に大腿後側を押し付けることで圧す』という方法を見て、伏臥位のとれない方の施術には取り入れてきました。

 指圧の基本にないことは承知の上、伏臥位ができない場合限定で施術に使っていました。適量刺激の感覚がわかりにくいということと、細かい刺激ができないことは仕方がないと思っていました。

 そして先日、膝圧しをしたところ、膝を痛めてしまいました。下肢の重さで膝蓋骨がずれて、靭帯や腱がある右膝上部内側を捻挫してしまったようです。

 幸い、痛みは3日で治りました。そして膝を使うのはやめることにしました。

 膝蓋骨は可動性があり垂直圧には不向きです。特に下肢を大きく動かせない方への施術では無理な姿勢から膝圧しをすることになったり、不意に下肢が動いたりして、膝蓋骨がずれて膝に下肢の重さがのしかかる場合があります。

 タイ式マッサージでも、被術者の背中に両膝をあててエビ反らせるようなストレッチで膝を痛めることがあるのではないかと思います。

 特に素人の方が安易に膝を使うべきではないと思います。ポイントに適正な刺激ができないうえ、自分の膝を痛める可能性があります。

 指圧で右膝をマットにつけることや、正座に痛みがあった3日の間、これが治らないものだったらどうしようかと思いました。

 私は肘を使ったこともほとんどありませんでしたが、これもかなり前に封印しています。

 膝を使わなくなって、いよいよ指と手だけを使う施術になります。感覚を自分のものにできたと思える指と手を使うことが、自分にとっても安全な施術であることがわかりました。

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2007年10月 2日 (火)

草津温泉の指圧師

 初めてのお客様が電話で症状を教えてくれました。

 「あぁ、それなら坐骨神経痛でしょう」と申し上げると、「草津温泉の指圧の先生と同じ事を言った」と驚いているようです。

 整体に行っても病院に行っても『ヘルニア』や『腰痛』と言われて、納得のできる応対や治療ではなかったと言います。

 「どこへ行っても良くならなかったのに、草津温泉の指圧の先生は、これくらいの坐骨神経痛はチョチョイのチョイだよと言って治してくれた。だから指圧がいいと思った」のだそうです。

 その指圧の先生は目が御不自由だそうですが、ベテランで、ツボ指圧が得意のようです。

 私はどちらかというと、患部から遠い部位をより良くして、痛みのあるポイントはそこだとわかっていてもできるだけマイルドに、できれば触らずに終わらせたいくらいの考えで、全身の施術をします。

 草津の先生はおなかの施術をしなかったそうなので、おそらく浪越の先生ではないと思います。

 このお客様は姿勢の悪さが著しいので、硬くなった筋肉をほぐし、骨格の矯正をすることによって、坐骨神経の圧迫が解放されることは間違いありません。

 そして施術後、股関節の開き、猫背、頚の前屈、肩の緊張が緩和されていました。

 このお客様が『ヘルニア』や『腰痛』と言われても納得できなかったというのはよくわかります。全体症状と腰の触診からヘルニアと診る要素はないのです。

 ただ、整体や病院へ行った時にはヘルニアであったり、急性腰痛の症状もあったのかもしれませんが、明らかに応対のまずさと施術や治療の不十分さがうかがえます。

 どんな手技療法であっても正しく理解していれば、人間の体を診るということに関しては一致するものだと思っています。

 手法や手順は違いますが、私以外に草津の先生が同じ事を感じていたのは嬉しいことです(クライアントから症状を聞いてこれがわからないようでは困るのですが…)。

 毎日のストレッチ法を教え、おなかを含めた全身の施術をした分、私の施術のほうが効果が持続するだろうと予想させていただきます。

 

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2007年10月 1日 (月)

タクティールケア

 タクティールとはラテン語でタッチを意味するそうなので、タクティールケアはタッチケアのことです。

 スウェーデン生まれの、主に認知症の介護を目的としたタッチケアをタクティールケアと呼んでいるようです。

 手と背中への軽擦をするということと、オリーブオイルを使用するということが手技の特徴のようです。

 昨日のテレビ番組で初めて目にしたのですが、タクティールケアはその呼び名こそありませんでしたが、実はもう以前から広く行われていました。

 アロマ環境協会がイベントで行うハンドトリートメントは、精油も使用しますが、その手技はタクティールケアと同じと言ってもいいでしょう。

 外胚葉由来で皮脳同根であるために、皮膚への刺激は脳を刺激し精神を安定させるということが、認知症の方の深夜徘徊を減らす効果や介護者への信頼感を高める効果をもたらすことになります。

 タクティールケアには賛成ですし、私だけでなく、たくさんの手技療法者が以前から同じことをしてきたように思います。

 ここで間違ってはいけないのは、どうしてもタクティールケアでなくてはいけないと介護を必要とする側の方が思ってしまうことです。

 指圧やマッサージやリフレクソロジーの刺激は悪くて、タクティールケアだけが認知症に適しているというわけではないのです。

 訪問介護の指圧をされている先生もいらっしゃいます。上手な施術者であれば、タクティールケアの手技は極初歩的な手技ですし、適量刺激を心得ているのでむやみに強い刺激などしません。認知症の方とのコミニケーションにも長けているのは間違いないと思います。

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