指圧後血圧117-78-(脈拍80/分)
体のだるさが主訴の60代男性の指圧です。
背部の筋肉が硬く、伏臥位からよく眠りました。
基本的に体がだるい場合は副交感神経の亢進と考えて、血管を収縮させて体を起こすテンポの良いタッチで施術していきます。癒し系のタッチが万能だと思っていたら間違いです。
それでも眠ってしまいました。
だからと言って、無理な強い刺激で体を起こす必要はありません。
顔色も良く、背中も伸びて気持ちは良さそうです。
こんな時に何かやっておく事はないかと考えて、血圧を測ってみることにしました。
この年代の男性であまり診ませんが、もしかしたら普段は低血圧なのかもしれません。
「117-78-80」と血圧と脈拍が表示されました。指圧後の血圧なので、良い数値にはなっているはずですが、普段の血圧や脈拍も異常はなさそうです。
全身指圧は、迷走神経を刺激して血圧と脈拍を下げる前頚部の頚動脈洞反射や眼球掌圧によりアシュネル反射を発現させる手技を含んでいます。
幾つかの漢方薬の効き方にも共通する東洋医学的な面白さは、高い血圧は下げ、低い血圧は上げるように調整される点です。脈拍にも同様の効果があります。
数値化された素晴らしい血圧と脈拍を確認して、笑顔で帰っていかれました。こんな演出も効果ありです。
「悪かったら工夫のしようもあるのですが…」、笑顔に笑顔のダメ押しで見送りました。それが魔法になって、健康の確認から体のだるさを克服することだってあると思います。
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