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2008年4月30日 (水)

指圧後血圧117-78-(脈拍80/分)

 体のだるさが主訴の60代男性の指圧です。

 背部の筋肉が硬く、伏臥位からよく眠りました。

 基本的に体がだるい場合は副交感神経の亢進と考えて、血管を収縮させて体を起こすテンポの良いタッチで施術していきます。癒し系のタッチが万能だと思っていたら間違いです。

 それでも眠ってしまいました。

 だからと言って、無理な強い刺激で体を起こす必要はありません。

 顔色も良く、背中も伸びて気持ちは良さそうです。

 こんな時に何かやっておく事はないかと考えて、血圧を測ってみることにしました。

 この年代の男性であまり診ませんが、もしかしたら普段は低血圧なのかもしれません。

 「117-78-80」と血圧と脈拍が表示されました。指圧後の血圧なので、良い数値にはなっているはずですが、普段の血圧や脈拍も異常はなさそうです。

 全身指圧は、迷走神経を刺激して血圧と脈拍を下げる前頚部の頚動脈洞反射や眼球掌圧によりアシュネル反射を発現させる手技を含んでいます。

 幾つかの漢方薬の効き方にも共通する東洋医学的な面白さは、高い血圧は下げ、低い血圧は上げるように調整される点です。脈拍にも同様の効果があります。

 数値化された素晴らしい血圧と脈拍を確認して、笑顔で帰っていかれました。こんな演出も効果ありです。

 「悪かったら工夫のしようもあるのですが…」、笑顔に笑顔のダメ押しで見送りました。それが魔法になって、健康の確認から体のだるさを克服することだってあると思います。

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2008年4月29日 (火)

マッサージで風邪をひいた話

 昨日大竹まことさんがラジオの番組で『マッサージで風邪をひいた話』をしていました。

 大竹さんは滅多にマッサージを受けないそうですが、芝居で体がガチガチだったので劇場近くのマッサージ店に行ってみたのだそうです。

 そこは男性の施術者が汗をかくためか冷房をガンガンかけていて、受ける側の大竹さんには寒かったそうです。

 頚を押されて痛かったので「もう少し弱くしてください」と言うと、一旦は弱くなったのですが、肩に移るとまた強くなったので「弱くしてください」とまた言ったそうです。

 しかし背中に移るとまた強くなったので『一回言ったら力加減を覚えんか!』と怒れてしまい、全くリラックスできず、おまけに寒かったので風邪をひいてしまったという話です。

 指圧やマッサージを受けようというお客様の動機は、疲労や筋肉の緊張がベースであることがほとんどなので、『体が弱っている→体力が落ちている→免疫力が落ちている』と考えておかなければいけません。

 基本的にはお客様を温めるようにすると考えれば、体を使う施術者とベッドに寝るお客様の快適な温度は違います。

 “マッサージ師が自分に快適な温度を選らんでどうなる!”という話です。

 冬は暖房で汗をかき、夏は冷房を強くできずに汗をかくのがセラピストです。そのおかげで代謝がよくて健康なら有難いことだと思わなければだめです。

 タッチの力加減も、『まず自分がする普通のタッチ』をするから痛がられるのです。

 お客様が気持ちいいと思う力加減を探って触れていかなければ、体の緊張が増して、不快な長い時間を“拘束”しただけのことです。

 大竹さんは早く終わってほしいと熱望したことでしょう。挙句の果てに風邪をひかせてしまいました。

 項背部のこりをほぐせるかほぐせないかは、風邪をひく時の分かれ目です。これは葛根湯が風邪の初期症状に果たす役割を考えてもわかります。葛根湯は肩こりへの処方もできるのです。

 大竹さんには大変お気の毒ですが、レベルの低いマッサージを何の疑問も持たずに続けている者など少ないとは言えないのです。

 今日もいろいろな所で我慢を強いられるお客様が出てくると思います。残念なことです。

 セラピストに必要なのは、自分がお客様の体と入れ替わってみて感じるくらいの想像力と心配りなのです。 

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2008年4月28日 (月)

新人女性理学療法士の汗

 指圧中にお客様からうかがった話です。

 リハビリをする時に、自分に合う理学療法士と合わない理学療法士がいるそうです。

 汗まみれになってリハビリに付き合ってくれた新人の女性理学療法士はとても良かったそうです。

 リハビリの抵抗運動は、例えば患者さんが肘を曲げようとする時に、(理学療法士が)曲げさせないように力を加えて、最終的には『負けてあげる』ということです。

 『力を拮抗させた後に施術者が脱力する』、その力加減、ゆるめ加減で運動の効果が違ってきます。

 適量刺激を探すために緊張もし、力が入り、汗が流れる、この女性理学療法士の姿が目に浮かびます。

 美しいとはそういうことです。

 考えてみれば指圧の押圧も同じです。硬く緊張した筋肉と、密着させる母指の指紋部との抵抗運動のようなものです。

 力の拮抗を探して圧を入れていく、そして『負けてあげて』圧を抜いていくということです。

 このクレッシェンド→デクレシェンドの流れが、クレシェンドのまま終われば痛いし組織を傷つけます。

 このお客様は、気にいらない理学療法士のリハビリは断っているそうです。

 体力や腕力があるだけに、自分勝手な力でリハビリをする理学療法士は男性に多いそうです。

 ヘタクソなマッサージは受けないほうがいいのと理由は同じです。

 力を入れないために力を使っているので、指圧で汗をかくのは仕方がないのかなと思いました。

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2008年4月27日 (日)

後縦靭帯骨化症の疑い

 頚痛の方が続きます。50代女性、朝起きる時に頚を持ち上げようとすると痛みが走ります。

 頚の筋肉は柔らかいと言ってよく、頚椎の変形もありません。頚はやや右に回旋しています。

 肩こり、背部のこり、上肢のこりがあり、肩が内転・内旋していて、腕をよく使っていることがわかります。

 頚の痛みは腕の使い過ぎからくることも考えられますが、頚椎の変形がないことから、一番怪しいのは『後縦靭帯骨化症』ではないかと思います(頚椎の変形があれば頚の筋肉は緊張しているはずです)。

 結合組織(コラーゲン)である靭帯の加齢的変化で、椎体と椎間円板の裏側にある後縦靭帯が硬く変形して、神経を圧迫しているのではないでしょうか。

 幸い手先のしびれや膀胱直腸症状などは出ていません。

 今は頚から背中にかけての筋肉をほぐす保存的治療で症状を緩和していくのが一般的だと思います。

 仰臥位の施術が終わるとその女性は、体を起こすのに一旦横向きになってから起き上がりました。

 起き上がる時の頚の前屈での痛みが主ですが、思った以上に日常生活に支障があるようです。

 椎体と棘突起の間の直接触れられない部位なので、手技療法では難しい症例です。

 牽引や頚椎の矯正法などをしては危険だと思います。

 それでも楽になったと言って帰られたので、何とか慎重なタッチで症状の緩和に努めたいと思います。

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2008年4月26日 (土)

寝違えと頚椎カラー

 「昨日寝違えて頚を動かすと痛い、できるだけ早く指圧をしてほしい」という40代の女性、朝一番で指圧をすることになりました。

 車を運転して来たのですが、交差点で左右の確認をするのが厳しいということです。バックで入る駐車場も大変だということです。幸い此処の駐車スペースは広いので、こういう方には楽です。

 頚椎カラーを頚に巻いています。鎮痛剤と筋弛緩薬も飲んできたということです。そのせいか頚や肩から背中を触診しても熱はありません。

 寝違え直後から湿布をしたということで、完全武装とも言える対応なのですが、その上『指圧でさらに良くなる』と信頼されての施術です。ハードルはかなり上がっています。

 『急性3日』と考えれば、あと一日でかなり痛みは取れてきます。傷を広げないための押圧の技が必要です。

 左側頚部斜角筋C3~5の間に硬結があります。そして左肩上部斜角筋隙と鎖骨上外3分の1の部位に神経症状を伴う圧痛があります。

 頚から腰まで固まったような感じになったという痛みのピークは、ギックリ腰の上行性の硬直の波及とは逆に、痛みが脊髄を下行したようです。

 原因は頚よりも背部の硬さにあると思いました。

 仰臥の背中が高くなっています。C7~Th1を頂点に急角度のスロープになっています。

 フェザータッチから始めて、軽圧の刺激を持続の調整だけで繰り返し、頚から腰までゆるめていきます。

 頚をゆらさないようにすることも大切なので、圧を入れる時と抜く時は横にぶれないように気をつけました。

 仰臥になる時に「頚が動くぞ…!?」と声が上がります。

 「傷が塞がりかけているのだから、あまり動かさないほうがいいですよ」と声をかけます。

 筋肉の線維が縦に小さく裂けた肉離れか、靭帯などを含んだ軟部組織の傷かということだと思います。

 傷をはずして押圧する、血行を促進して誘導作用による早期回復を目指す、ポイントはこの2点です。頚よりも背中、そして下肢のむくみをとるような遠隔操作の施術が、マイルドで理に適った最善策だと思います。

 仰臥位では眠り、いつも必ずする頚のストレッチはせずに施術を終えました。

 いいイメージのまま施術を終えることも大切です。

 「カラーが良かったですね。昨日からの手当てがみんな適切で上手だったからかなり楽になっていると思いますが、傷を広げないためにもう一日くらいはあまり動かさないようにしてください」

 誉めて終わるのも大切です。施術の最後にできることは、希望を土産に、いい気持ちになって帰ってもらうための言葉かけです。

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2008年4月25日 (金)

耳鳴りをアロママッサージで

 3回の指圧をした耳鳴りがするという30代の女性に、アロマオイルマッサージをしました。

 症状の緩和には子宮内膜症の瘀血の改善がポイントだと考えました。

 ローズマリー・シネオール2滴、グレープフルーツとゼラニウム各1滴をスイートアーモンドオイル20mlに希釈した1%のブレンドオイルを使用しました。

 精油の選択は、女性ホルモンを刺激し過ぎないことと、むくみよりもセルライトの除去に主眼を置きました。

 よくあることなのですが、予約の電話をした時よりも、此処に着いた時のほうが状態が良くなっています。顔色も綺麗です。

 肌は色白で肌理細かく、乾燥肌でも脂性肌でもありません。

 足先に冷えはなかったのですが、大腿外側に冷えがあり、セルライトがあります。

 外眼角から始まる『胆経』の経絡が耳の周囲を巡ってから体側を下行することを考えると、大腿外側のセルライトと耳鳴りには関係がありそうです。

 大腿内側と肩甲骨外側にむくみはありましたが、どちらかといえば絞れる表面的なむくみは少ない体です。

 臀部と頭部顔面は指圧で施術し、最後におなかのオイルマッサージをしました。

 右季肋部の硬さも“京門”から“日月”に向かう『胆経』です。

 肝・胃・脾と上腹部は硬く、右下腹部には広い抵抗がありました。

 全身の施術を終えると、トイレに向かいました。着いてから3回目のトイレです。

 腎を刺激し過ぎない選択のつもりでしたが、十分な利尿効果があったようです。

 オイルで直に肌に触れてわかる感覚もありました。大腿のセルライトは予測できても、衣服の上からの指圧では微妙な冷えは感じませんでした。

 思ったよりも健康的な肌であることもわかりました。

 車で来たので眠くならないブレンドのつもりですが、白い肌がピンク色になっていたので、全身運動をした後の心地良い疲労感は出るかもしれません。

 指圧で診てきたことを裏づける施術になりました。

 

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2008年4月24日 (木)

硫黄の臭いを残して逝くことの間違い

 洗剤で硫化水素ガスを発生させた自殺がまた起きました。

 今回は多くの住民が避難することになりました。

 この方法では『ガス発生中』の貼り紙が決め事のようです。ネットで紹介されたのでしょう。

 幼稚な親切心なのか、干渉を嫌ったのか、何人もこの世にアウシュビッツを作る自由などないのです。

 古来、切腹の作法でも白装束に香を焚き込めています。志半ばで望まずに迎える死であっても、畏怖や宗教観や残された者に対する配慮から良い香りを残す教えがありました。

 「卵が腐ったような臭いがした」と周りに迷惑をかける自分勝手が許されるわけがありません。

 嫌な臭いは危険だと体から遠ざけるのがまっとうな人間です。

 小さいことを言えば洗剤の使い方を間違えています。もったいない。

 胎児から死の瞬間までの人に私は触れてきました。

 胎児は「生まれたい、生まれたい!」と躍動しています。決して親が勝手に命を成したのではない、あなたが生まれたくて生まれてきたのです。

 苦しくて「死にたい」と言う臨終の近づいた方も、指圧で痛みが紛れると、ご飯を食べたり、生きる希望が湧いてくるのを見てきました。

 気持ちは「死にたい」と思っても、命は常に「生きたい」のです。体の多くの細胞が死んでも、まだ生きている細胞は生きたいのだと思います。

 絶望的な苦しく長い時間が、矢のように楽しく過ぎていく時間になるには、とにかく健康になるように努力して生き続けていくことです。

 グレープフルーツの香りを身にまといなさい。パラディソに近づきたいのなら、硫黄の臭いをさせるようではいけません。

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2008年4月23日 (水)

片手の逆手で下に凸に頚部圧迫することはできます。

 昨日注目の裁判で極刑が言い渡されました。

 ニュースでは今までの裁判の経過を放送していましたが、その中で気になったことがありました。

 弁護団が提示した“新供述”では、『片手の逆手で下に凸に頚部圧迫はできない』ので、捜査に問題があり、始めの自供は真実ではないというのです。

 私は、片手の逆手で下に凸に頚部を指圧することができます。

 これができない者は、“指圧ができていない”と思ったほうがいいでしょう。

 指圧は活法ですから、これを学ぶ者は前頚部の指圧の注意を肝に銘じて技を修練します。

 薬は毒にもなることを学び、活法を殺法に転じてはいけないことを学び、指圧は弱いものを助けるためにあることが沁み渡ります。

 肘と手首の使い方、母指と四指の対立圧の構え、ステップと体重移動の調整をすれば、片手の逆手で下に凸の前頚部指圧ができます。

 悪用されたくないので詳しくは記述しませんが、タッチがわかっているセラピストならできるはずです。

 もし裁判員制度が始まり、選ばれてこの裁判に参加していたら、私は義憤にかられ、この技を公開したでしょうか?

 今の私は活法を殺法に見せることも、その場にいることも抵抗があります。

 弁護団にあれだけ人がいて、『片手の逆手で下に凸に頚部圧迫はできない』としてしまうのはどういうことでしょう?

 浪越(日本指圧専門学校)出身の指圧師で、これが気になった人は多いと思います。

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2008年4月22日 (火)

クレーンゲームのようなタッチは最低です!

 最近『これはひどい!と思ったタッチは、某温泉の整体ルームを外から覗いた時に目にした“クレーンゲームのようなタッチ”です。

 伏臥位のお客様に対して足を肩幅に開いた施術者が、ピアノでも弾くように肘を曲げ指を拡げて、背中をチョン、…、チョンと押しています。

 着地がぶれているので骨にあたっているのではないかと思います。指頭叩打のタイミングであれば許せたかもしれませんが、あれでお金をとるのはひどすぎます。

 動きのロスを失くさなければ、施術の精度を始めから終わりまで維持することはできません。

 女子水泳でオリンピック代表に選ばれた中村選手のバタフライ泳法の特長は、肩甲骨の動きの柔軟性と、水の中での体の浮き沈みの少なさだといいます。

 セラピストの体の動きはアスリートに学ぶところ大です。

 体幹から切り離された肘から先のクレーンゲームのようなタッチは最低です。

 それを戒めとすれば、体重を手指に伝えるにはどうすればいいでしょうか?

 頭を下げない、背中が伸びている、体幹そして肩から手指に体重を伝えるために肘が伸びている、膝の柔軟性などのチェックポイントがクリアできていなければなりません。

 クレーンゲームのように見えるということは器械的なタッチをしているわけで、癒しを掲げた“看板に偽りあり”と見ました。指導者の技量も疑われます。

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2008年4月21日 (月)

「2+2の4と2×2の4は違う」

 昨日、車を運転しながらラジオの『子ども電話相談室』を聞いていました。

 その中で、久々に出演された無着成恭先生が、「2+2の4と2×2の4を、君は同じと思うか?」と、「どうして物事がわかると嬉しいの?」と質問をしてきた少年に、逆に質問をしました。

 少年は「同じだと思う」と答えましたが、無着先生は、「リンゴ2個と2個を足せば4個になる。同じ物だから足すことができる」

 「かけるということは、リンゴを2個ずつ二人にあげようとするとリンゴが4個必要になるということをあらわしている。始めの2と次の2は違う物だから4の意味が違ってくる」と明確にお答えになりました。

 2mに2mを足すと距離は4mになりますが、タテ2mにヨコ2mをかけると4㎡になります。

 これを明確に答えられるものこそセラピストだと思いました。

 『Ahーha体験』による心の癒しと言えるでしょう。

 落語のネタになりそうでもあり、レトリックのようでもありますが、算数では当たり前のことです。

 同じ刺激の軽擦を繰り返して定量的な施術で終わるのと、同じ回数の軽擦で施術が終わっても、いろいろなタイミングで様々な刺激量を調節しながら施術をするのとでは全く違います。

 「2+2の4と2×2の4は違う」と即座に答えられるようになるには、マニュアルがやっとこなせるだけの技術では無理です。

 ひとつ上を行くためのシナジー効果(相乗効果)を求めて、ブレンドの、コラボレーションの、ミックスの、センスを磨き、とにかく足し算では終わらせないように頭を使うのがセラピストです。

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2008年4月20日 (日)

タッチの密着とは空気を実質にする事と考えてみる

 本題に入る前に、今朝テレビで「“スポーツマッサージ”筋肉の流れに沿って刺激していく」と放送されていましたが、筋肉の走行に沿わない手技療法などあってはいけないのです。

 『筋肉の起始と停止にある腱の腱紡錘を刺激することで筋肉が緩む』くらいまでセラピストが語れるとよかったのですが、編集されているかもしれないので、ま、それはいいでしょう。

 気になったのは、四指のばらつきがあって、そのタッチを素晴らしいとは思えなかったことです。

 何故四指がばらついて、隙間ができてはいけないのでしょう?

 おにぎりやにぎり鮨を考えてみてください。名人が作るものは、米の一粒一粒の間に空気をはらみます。

 材料の一つ一つを味わうためには、空気が介在して口の中でほどけることが大切です。

 空気があって味が複雑になる、あるいは際立つと言えます。

 この米粒の間の空気は職人の技術と個性そのものであり、目に見えなかった空気が窒素、酸素などの実質となるだけでなく、作り手の『気』をはらみます。

 だから、ただ力まかせに一つに固めただけのおにぎりやにぎり鮨とは味が違うのです。

 タッチにおける密着も、真空になるわけがないので、ポイントは皮膚と手指の間の空気をどう実質にかえて操るかということだと考えています。

 むしろ密着しきれない空気に『気』をこめて積極的に利用すると考えると、そこには熱がこもった特別な空間が出来上がります。

 お母さんのおにぎり、お母さんのタッチ、それは特別なものです。

 そこに含まれる空気をどう考えるか、それがわかればタッチは“特別なモノ”に進化します。

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2008年4月19日 (土)

その8ヶ月ぶりの指圧・本当の問題は偏頭痛

 8ヶ月ぶりでも、その顔をはっきりと覚えていました。“顔”の記憶があるのは、表情に出ていた不安が印象深かったからだと、後になってわかりました。

 30代男性、猫背気味ですが、頚の前屈・後屈、左右の側屈・回旋、頭頂部からの圧迫、頚椎の牽引のいずれにも痛みはありません。

 整形外科の診断と同じく、頚椎の問題ではないと思いました。

 右肩上部肩根点に硬結があり、鎖骨上の胸鎖乳突筋や斜角筋群のこりもあります。

 目が疲れるということで、前頚部の筋肉の緊張によって頚動脈から眼動脈にいく血流が阻害されていると考えると納得できます。

 週末にはガンガン響くような頭痛がよく起きるそうです。『せっかくの休みが一日寝て終わってしまう、どうしてだろう?』と不安になっています。

 整形外科では「頚椎に異常なし、問題ありません!」ということで、それ以上不安を訴える気持ちにもなれなかったのでしょう。

 「その頭痛は普段のストレスからの急激な解放によって、一部の血管がゆるみ過ぎて拡張し、神経を刺激して起こる偏頭痛のようです。                    

 休みの日も寝過ぎないように、できれば普段通りの時間に起きて、眠たくなったら昼寝をすればいい。                                     

 そして頭痛が起きてしまったら、部屋を暗くして、音のしない静かな環境を作って、頭を冷やすと血管が収縮します。

 整形外科では取り上げないかもしれないけれど、指圧では肩こりと偏頭痛という組み合わせはよくあることです。」

 クライアントが安心するまで、言葉を換え、納得できそうなニュアンスを探しながら、体の状態を伝えることはセラピーの大きな柱だと思っています。

 指圧を始めると、のどがイガイガするのか空咳をする様子があるので、「花粉症がありますか?」と聞くと、やはり花粉症です。

 これでのど、鼻、目に炎症を持つことになり、この一ヶ月前くらいから調子が悪くなってきたという『彼が“頚”と表現するしかなかった症状』の一つの原因と言えます。

 伏臥位からよく眠りましたが、右腰部の指圧と、仰臥位右下腿前側・足三里の指圧で体が不随意に跳ね上がりました。普段は緊張から神経が過敏になっている部位があるということです。

 全身指圧が終わり、前回は終わってから随分話したことを思い出しました。自分で理解のできない体の不安を抱えたまま帰しては、解決とは言えず、痛みは消えません。

 今回も少し覚悟していたのですが、あっさりと納得の様子で帰っていきました。お酒のあとに頭がガンガンするということからも偏頭痛を起こしやすいことは間違いないでしょう。

 他人と違っていいのです。無理して付き合いでお酒を飲まなくてもいいのです。

 「僕もそんな感じだったよ。でもそのうち図太くなる。今はまだわからないことばかりでも、そのうち大丈夫になる。」                            

 この言葉が彼の心にお守りのように蘇えることはあるでしょうか?

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2008年4月18日 (金)

8ヶ月効果のあった頚の指圧

 昨年8月に一度だけ指圧をした男性から電話をいただきました。

 「あれから調子がずっとよかったのですが、最近頚が痛くなって、整形外科でレントゲンを撮ったら骨に異常はないということで、指圧の予約をしたいのですが…」

 『僕のこと覚えていますか?』というニュアンスが伝わってきました。

 顔は思い出せないのですが、体に触れば蘇える記憶があるものです。指圧のタッチの一つ一つはそれほどに濃厚な接触なのです。

 前回もレントゲンでは頚に異常がないということでした。8ヶ月効果があればたいしたものです。

 体をリラックスさせるタッチのタイミングや微妙な角度が上手く合えば、今回も症状の改善が期待できます。

 適量刺激は、無限の組み合わせの中から覚悟を決めて運命を引いてくるような技術があればこそ成立するものです。

 偶然だけではできない、そして命に対する謙虚さが必須です。

 この試合(施術)も楽しみです。

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2008年4月17日 (木)

入間にできたアウトレット

 入間市の国道16号線沿いに関東最大級と言われるアウトレットができました。

 道路はどの方向からも混雑していますが、早い時間なら圏央道を入間インターで降りると比較的混雑が避けられます。

 近接してできたコストコも見たかったので、ちょうど東村山で指圧の予約があった昨日、途中で寄ってみました。

 コストコはアメリカの大量消費生活の象徴のようです。年会費を払って会員になるのですが、会員証の写真はとてもボケた写りのアバウトなものでした。

 入口では会員証の提示を求められます。

 中に入ると巨人国に迷い込んだガリバーになった気分が味わえます。

 見上げるように高く積み上げられた商品の数々は、一つ一つのサイズが大きい上に、箱買い、ロット買いのものが多かったり、包装された個数が日本のスーパーマーケットの倍くらいあるものもあります。

 いなりずし30個とか、10kgの米袋くらいの大きさのお菓子とか、アメリカの規格なのかもしれませんが、メタボ撲滅の気運には逆行しています。

 そして意外と安くはないと思いました。

 アウトレットでは石塚英彦さんがテレビの取材をしていました。たまたまドーナッツ屋さんで素の顔を見てしまって、大変なんだろうなと思って素通りしましたが、いろいろな店を覗いていると今度は寿司屋で取材をしていました。

 昼前だし、順番も何だかだし、囲まれて写メは取られるしで、大変なんだなと目を伏せて通り過ぎました。

 あまり紹介されていませんが、コラーゲン入りを掲げる、豚足しゅうまいの『美肌調整所』はお勧めです(渋谷にもあります)。

 ウルトラ美肌セット1250円をいただきましたが、しゅうまいらしい味のしゅうまい2個とカレー味のしゅうまい2個、豚の角煮、(コラーゲン入りと言っていいのでしょう)スープ、プーアル茶ゼリー、ごはんという内容で、量も多すぎず、美味しくいただきました。女子と健康がテーマである人はここでしょう。コラーゲンボール入りのラーメンもあります。

 アウトレット初出店の店が目玉のようですが、よく見かける店が多かったという印象です。スポーツウエアのブランドは充実しています。一階の日本茶のお店は変わったブレンドやこだわりが感じられて、贈答品はここもいいなと思いました。

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2008年4月16日 (水)

体を託す側の期待

 昨日は『予約の電話をした後にかなりよくなった。ここに来るまでにほとんどよくなった。』という方がいました。

 そこには体を託す側の期待があります。

 私の施術は体に蓄えられた物語を読んでいくことです。

 そして感じた事実を伝えます。

 答えは本人が持っています。でもいろいろな要素の中でどれが一番あやしいか、自分で客観的に判断するのは難しい事です。

 指圧中は、体に残る事実(冷えやむくみや筋肉のこりや骨の歪み、お酒、たばこ、服薬、その他もろもろ)からわかることを一緒に考えていく時間になります。

 そういう意味では、占いで言われたことに思いあたることがあると、そこから扉が開けるのに似ています。断片的な断定でも、明確な評価は答えを導くためのヒントになります。

 信じるに足る価値のある基準を持つ“先生”と思われていることをあらためて重く受けとめました。

 高度経済成長に大きく影響したと言われる植木等さんや、師である浪越徳治郎先生の“突き抜けた明るさ”を演じきる壮絶な覚悟に頭が下がります。

 とても狭い地域の中ではありますが、カリスマでないと言ってしまっては治るものも治らなくなるので、こんな私も覚悟しなければいけません。

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2008年4月15日 (火)

女性のギックリ腰・腹圧がかからない

 50代女性、一年の間に2回、ギックリ腰になりました。

 洗濯機から洗濯物を取り出す時、テレビのリモコンを取ろうとした時、2回とも何気ない日常の動作がきっかけです。

 胸が張れていて、姿勢は概ね良いと言えます。ただ、“腹圧がかからない”ので腰椎の前弯がやや強めです。

 いろいろな検査をした結果、これが最大の弱点だとわかりました。ヘルニアや腰椎のズレなどが原因で起きた急性腰痛ではありません。

 肩甲間部の脊柱起立筋の硬さに比べて、腰部の筋肉はゆるんでいます。

 右肩のこりから考えると、右腕の動きで生活が成り立ち、腰から下の筋肉はあまり使われていません。

 何かを取ろうとした時に肩甲間部の筋肉は硬くて伸びようがないそして腰の筋肉はゆるいので腹圧がかかっていないこともあって急激に伸ばされてしまう、それで肉離れが起きてギックリ腰になったのだと推測できます。

 全身指圧とストレッチをし、ほとんど痛みもなく施術ができたので、ギックリ腰はすでに治っています。

 頭を上げる時におなかを床に押し付ける意識で腹筋をすることと、四つん這いの猫のポーズで肩甲間部を突き上げて頭を胸に近づけていく背筋のストレッチを毎日やってもらうことを提案して施術を終えました。

 ギックリ腰は癖になると聞いて腰痛ベルトをしているということですが、今痛みがなければ、いつもおなかを引っ込めるように意識をすることのほうが、ギックリ腰の再発を防ぐ根本的な解決法になります。

 良い姿勢と思って胸は張れても、おなかに力がはいっていない方がたくさんいます。ギックリ腰予防のポイントのひとつは“腹圧生活”です。

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2008年4月14日 (月)

ほったらかし温泉・行ってわかったこと

 山梨県のほったらかし温泉を地図で見ると、かなり山の道が細くてどんなものかと思いましたが、中央高速の一宮御坂インターから車が擦れ違えないような道はありませんでした。

 最後の富士屋ホテルを超えてからが道路が細くなっているところもありますが、舗装はされています。

 しかし駐車場は舗装されていません。観光バスで来る人たちもいます。駐車場に車を止めて温泉の入口に向かう間は、車と擦れ違うと土ぼこりにまみれます。

 ほったらかし温泉には“あっちの湯”と“こっちの湯”があって、600円で別料金です。

 靴箱のロッカーはなく、靴は棚に入れます。超高級な靴で行くところではありません。

 脱衣所のロッカーは100円が帰ってきません。剥き出しの脱衣カゴにそのまま服を脱いで棚に置いていくこともできます。

 建物は建築現場でよく見られるトタンむき出しのアレです。

 富士山は天気の良い日なら、南西の山の向こうに先っちょだけ見えます。八合目より上くらいでしょうか。

 大きな富士山を見ながらほったらかされたいと思っていくとがっかりします。富士五湖側の温泉とは違います。

 地下1500mから汲み上げた温泉は無色透明のアルカリ性です。露天からの眺めどころは、伸び上がって甲府盆地と笛吹川ということでしょうか。

 地下2500mからの飲料水はぬるいです。

 そういう事実がわかった上で、日帰り温泉雑誌の表紙になったほったらかし温泉に行くと、がっかり感は少なくてすみます。

 そう広くない地元の人たちが山頂に手造りした温泉が、マスコミに取り上げられて混雑するようになったのだと思います。

 いい意味でほうっておいてもらったような気持ちよりは、ほったらかしにされてしまったような気がしました。

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2008年4月13日 (日)

耳鳴りの指圧・3回目

 30代女性、右耳の耳鳴りが1回目の指圧後からずいぶん良くなったのですが、パンクロックのライブに出かけてひどくなりました。

 聴覚刺激に対する感受性が敏感になっているのだと思います。高架下の電車の音でも、工事の音でも、騒音をきっかけに耳鳴りがひどくなることはあると思います。避けられるものは避けるようにするべきです。

 前回、漢方薬の証の話をしたのですが、婦人科の先生に相談したところ桂枝茯苓丸が処方されたということです。私の見立てと同じだったのでほっとしました。一見水太りタイプなので、本人は当帰芍薬散はどうかと先生に相談したそうですが、腹証はもう少し体力がある桂枝茯苓丸タイプです。

 薬を飲み始めて間もないのですが、右下腹部の瘀血が緩和されたように感じます。ただ、耳鳴りがひどくなったので強い薬(ステロイドか?)を飲んだということで、胃と肝臓には硬さがあります。

 全身指圧をし、その間よく眠りました。体はゆるみ、耳鳴りもしなくなったようです。

 施術後、アロマオイルマッサージについて聞かれました。一年間で5kg太ったことは、かなり気になっているようです。

 彼女は子宮内膜症があります。子宮筋腫の切除手術もしています。指圧師の感覚なのですが、太った原因は女性ホルモンにあると感じています。間違った指令が体を太らせるようにしています。この、筋肉に脂肪をまとった体を痩せさせることは難しい、内腿以外はあまり絞れるものがありません。

 次回は希望があればアロマオイルマッサージをしてみようと思いますが、女性ホルモンを刺激しないという意味もあって、ジュニパー、フェンネルのような精油は使わないようにします。

 漢方薬や指圧・マッサージで、時間はかかると思いますが少しずつ下腹部の瘀血をとる、それが耳鳴りの緩和にもスリミングにもつながると思っています。

 

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2008年4月12日 (土)

大阪名物“くいだおれ人形の店”のおかみ、記者会見での一言

 今週「これはうまいな!」と思った一言。

 大阪“くいだおれ食堂”閉店の記者会見で、おかみが笑顔で言った「何を“囁いて”よいのやら…」。

 久々にセンスの良いユーモアを聞いた気がしました。

 「ソウユウヒトでワタシはありたい」と思います。

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2008年4月11日 (金)

映画『山のあなたに~徳市の恋』草彅剛のマッサージ

 スマップの草彅剛さんが映画でマッサージ師を演じたということで、テレビでマッサージをしている様子を見ました。

 温泉場のマッサージの典型として一般的に認知されていて演じやすいということもあるのでしょうか、それは“あん摩から派生した日本式マッサージ”でした。

 志村けんさんが『ヒトミばあさんのコント』でするマッサージと同じです。

 演じやすい、まねしやすいということは、プロでなくてもできるということです。もちろん、あん摩、マッサージの奥義には到達できませんが、表面的なことは素人でもまねがしやすいと言えます。

 『あん摩マッサージ指圧理論 (社)東洋療法学校協会 編』では、あん摩・マッサージ・指圧を、力学的刺激、器械的刺激と書いています。

 力学的刺激に反論はありませんが、“器械的刺激”と書かれていることには残念な思いがあります。

 あん摩・マッサージ・指圧に携わり研究する方々の中にも、器械的刺激で良いと考えている方がいるということです。

 器械的刺激なら素人でもできます。マッサージチェアでもできます。

 指圧ではそう教わった記憶がありません。アロマテラピーでも器械的なタッチは違います。

 10回擦って保険適応の範囲で器械的刺激をするものとは別モノが世の中には存在し、私はそれをやっているつもりです。

 一人前になるのに10年時間がかかるとすると(それでも足りない人もいます)、映画で演じることは難しいとは思いますが…。

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2008年4月10日 (木)

ドライブスルーの調剤薬局

 隣町にドライブスルーの調剤薬局ができました。

 ハンバーガー、コーヒー、クリーニングとあるのは知っていましたが、今やドライブスルーの調剤薬局は珍しくないのだそうです。

 感染防止になることやFAXを事前に送っておけば待ち時間が少ないなど、体の不自由な方や足の弱い高齢者には特にメリットがあります。

 そもそも医薬分業の二度手間が患者側の負担となり、ドライブスルーの調剤薬局を生み出したとも言えます。

 医薬分業はダブルチェックになり、ジェネリック(後発医薬品)の使用を推進し、医療費を抑えることには貢献しています。

 しかし実際には調剤薬局は病院の“門前薬局として近所付き合いのような関係が当たり前になっているので、だったら以前の院内処方のほうがはるかに患者に優しいシステムです。

 医師の処方に性善説が通じないなら別ですが、保険医療の範囲の投薬であれば大きな違いはありません。

 院内に別会社の調剤薬局を設置してもいいと思います。

 ドライブスルーであっても二度手間であることは変わりません。

 ドライブスルーなみに待たせない院内薬局があれば、病気の方たちはもっと楽になります。

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2008年4月 9日 (水)

「勘を分解すれば甚だしい力になる」

 NHKの昔の番組の再放送で、将棋の故・升田幸三名人が、必要なものとして「運・勘・技・根」をあげていました。

 これは将棋に限ったことではないと思います。その中で「勘(という字)を分析(分解)すれば、甚だしい力になる」と仰っています。

 勘は感性だけではなく、努力と経験によって磨かれていくものなのだと、私には響きました。実力があるからこそ正しい勘が働くのだと思います。

 天の意志に感謝することで引き当てる運もあります。天災とあきらめることもまた運です。

 「運・勘」が鍛錬して身につける技や根(気力)の先に来ることも意味深いものがあります。

 また「人生は話し合い」であり、将棋の勝負もまた「話し合い」である、「一生創作」など、無頼な風貌から訥々とこぼれる至言は、将棋をそのまま指圧・マッサージに置き換えた私の思いと同じです(大変僭越すぎますが)。

 人間とのライブセッション、だからこちらからの一方的な働きかけでは通用しない、それに気づくのは指圧だけのことではないのだと心強い思いがしました。

 升田名人は他にも様々な場面で名言を残しているようです。ピュアに自分を生きた方だから言葉に重みがあるのだと感じます。

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2008年4月 8日 (火)

救命措置から人工呼吸が消える

 アメリカで長年にわたる研究の結果、『人工呼吸は心肺蘇生に効果的ではない』というデータが発表され、日本でも救急救命措置としての人口呼吸はしなくてよいことになるようです。

 感染のおそれのある人工呼吸は、救命措置へのためらいの大きな原因でもありました。感染予防シートを常備している一般人などまずいないでしょう。

 常識は覆され、“いったい人工呼吸って何だったんだ”と思います。

 あんま・マッサージ・指圧師としては、心臓マッサージが有効であることはうなづけます。

 心臓マッサージより、横隔膜から心臓を動かす“上腹部マッサージ”のほうがさらに有効であるというデータもあり、胃の内容物の逆流による肺炎の可能性に目をつぶれば(心肺蘇生のほうが優先ということで)、近いうちには上腹部マッサージが主流になるかもしれません。

 血流の促進ということでは、上肢のマッサージでも下肢のマッサージでも、心臓を助ける力はあります。

 マッサージの力を実感しながらも、人工呼吸は因習のようなものだったのかと今まで洗脳されていたような憤慨もあります。

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2008年4月 7日 (月)

何か違う…夜だけインスリンが変わった

 糖尿病と下肢痛で毎週指圧をしている男性、今回は“何か違う感じ“がしました。

 唇と手が白く見える、時々ゲップ(胃液?)が込み上げてくるようである、何かいつもと微妙に違います。

 体の硬さはいつもとさほど変わらず、冷えもなく、最初に指圧をした時から比べると見違えるように体調は良くなっています。

 インスリン注射をしているので、恐いのは低血糖です。指圧は血糖値を下げる効果があります。

 指圧前にトイレに行っているので、おなかをこわしているのかもしれません。

 全身指圧が終わり、唇と手の白さは気にならない色に変わりました。

 「おなかを触って胃腸が悪いようには感じないのですが、何か変わったことがありますか?」と聞いてみました。

 「夜だけインスリンをピークの山が低い、効果の安定したものに変えた」ということです。

 4月から今まで使っていたインスリンが使えなくなり、手持ちのインスリンがなくなり次第、全て新しいインスリンになるので、夜だけ新しいインスリンを使って体を慣らしているところなのだそうです。

 今までの血中濃度のピークが高くなるインスリンでは、何回か低血糖で意識を失ったことがあるとうかがっています。

 使い慣れたインスリンとそれに見合った食事から、新しいインスリンに体が慣れるまでには時間がかかると思います。

 何となく体はいつもと違っていました。

 健康な人でも指圧をしてみると毎回体は違います。

 集中力で違いを診て、毎回違うタッチをすることが手技療法の真髄です。違和感を感じたら言葉で伝えることです。たとえ勘違いでも『よく診ている』ことが伝われば、クライアントの持つ信頼感や安心感が違ってきます。

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2008年4月 6日 (日)

潰れた耳、右拳のタコ

 営業の途中、車のナビで調べたと、50代男性が指圧にいらっしゃいました。埼玉県東部にお住まいだそうで、情報システムの発展があればこそのお客様です。

 主訴は頚から肩のこりと目の疲れです。

 肥満体型で股関節が外旋し(がに股)、猫背で頚は肩より前に突き出ています。

 肝機能の検査値が高く、拡張期(下)の血圧も高いということなので、動脈硬化があることは間違いないでしょう。

 筋肉はしっかりしていますが、おなかは出ています。腰椎が後弯し、脊柱は弓なりになっています。

 頚の屈曲はどの方向にも問題なく、伏臥位から爆睡し、仰臥位の指圧が終わって声をかけ起こしても、腰のストレッチをしてもなかなか起き上がれませんでした。

 『両耳が軽く潰れている、右拳に正拳突きのタコがある』、指圧をしながらどんなスポーツをしていたのだろうと考えていました。

 柔道かレスリングにしては耳の潰れ方が軽い、空手にしては拳のタコが薄いと思いましたが、「柔道か空手をしていましたか?」と聞いてみました。

 すると「少林寺拳法をやっていました」という答えが返ってきました。

 『おしかったなぁ、もうちょっと考えればなぁ。そうだよなぁ、少林寺はそんな感じかもなぁ』

 これから耳と拳が“そんな感じの人”には“少林寺やってましたか?”と聞くことにします。

 姿勢が良くなり、眠そうに営業車で帰っていかれましたが、今日はもう少し楽になっているでしょうか?

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2008年4月 5日 (土)

顔のほてり-頬が赤い-

 古希(70才)のお祝いの電動自転車でやってきたのは、お馴染みの女性です。

 都内の病院で『神の手ドクター』に膝に注射をうってもらっていたそうで、久々の指圧です。

 本人のしゃべったカタカナ語がヒアルロン酸とステロイドの中間だったので、おそらくそのどちらかか、両方を注射したのでしょう。

 「ほぅら、朝夕犬の散歩をしている人に人工関節の手術はしなかったでしょう?」と言うと、「私より膝の悪い人ばかりだった」ということです。

 とにかく膝を動かしてみても痛みはないようですし、本人も納得しているようなのでよかったと思いました。

 『神の手ドクター』でも注射は痛かったようです。

 トイレが男女共用であるとか、カーテンのしきりだけのベッドに患者を寝かせて問診がまる聞こえで、次々に注射をうっていくということで「合理的な先生なんだね」という話になりました。台湾出身の先生だということです。

 今日はここに来る前に神経内科と皮膚科にも行ってきたそうで、問題は“頬の赤さ”だということです。

 ステロイド注射の影響でしょうか、体はむくんでいます。しかし冷えはなく、これならば指圧だけでもよかったかなと思います。

 神経内科では加味逍遥散(かみしょうようさん)が処方されていたようですが、神経質なタイプではありますが、季肋部と下腹部の抵抗もなく、ちょっと違うかなと思います。

 むしろ水の代謝が悪く、膝が悪いので、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の証のように思います。

 全身指圧をし、頬の赤味が薄らぐと、あっというまに電動自転車で帰っていきました。膝に痛みがないうえに自転車がパワーアップしています。

 「先生だから話すけど…」で始まるあれこれの病院話、世間話は大変勉強になります。

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2008年4月 4日 (金)

“後期高齢者”とネーミングしてしまうセンス

 4月1日に改正された『後期高齢者医療制度』が不評です。

 知らぬ間に“後期高齢者”となってしまった方々は、『終しまいの始まり』の烙印を押されたような嫌な気分にさせられてしまいます。

 『長寿~』とネーミングの変更も考えているようですが、これは『75才以上~』としておけば問題はなかったはずです。

 それよりも多くの75才以上の方々の年金から保険料が天引きされしまうことが、がっかりな制度だと思います。

 社会保険庁の杜撰な仕事ぶりが露見した上、健康保険制度も年金制度もかなり危ういことはわかります。

 後期高齢者医療制度開始前に亡くなった方たちは、まさかこんな事になるとは思わなかったでしょう。

 平均寿命が高い日本では、75才からの後期高齢者の時代がとても長い方もいらっしゃいます。

 『そろそろ亡くなる方も多い年齢ですから』と慇懃無礼に決めたネーミングのようで、『後期高齢者』と制度に付けてしまうホスピタリティの無さにはびっくりします。

 こんなネーミングをしてしまうような人たちは、指圧やアロマの世界ではとても通用しません。

 制度の維持にお金が足りないので痛み分けのような年金からの天引きなのでしょうが、残念です。

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2008年4月 3日 (木)

胸郭出口症候群で肩が上がらない

 昨日は生活の木飯能校で『肩関節周囲炎(五十肩)のツボとアロマ』をテーマに講座をしてきました。

 僧帽筋や頚から肩甲間部への施術だけでなく、肩甲骨上の棘上筋、棘下筋、小円筋の捉え方を中心に、指圧とアロマトリートメントの実技をしていただきました。

 芳香浴のアロマミストにはラベンダーとグレープフルーツを使って緊張緩和を促し、ブレンドオイルにはブラックペパーとペパーミントを使って急性炎症を目的としました。

 精油の使い方については、同じ作用のものを使うよりも、逆の作用を持つものを併せて使うことによってブレンドの妙がでます。過剰な効果を抑えることもできます。参考にしていただければと思います。

 講座が終わって、ずいぶん前から右肩が上がらないという生徒さんがいたので、立位で腰を90°に曲げて、机に左手をついて右上肢伸展でペットボトルを振り子運動するコッドマン体操をしてもらいました。

 腰を90°に曲げたほうが普通は重力が軽減されて肩が上がりやすいのですが、この方は立位のほうが肩が上がります。

 棘上筋などへの施術が効いたので前方挙上しやすくなったということもあると思います。

 おかしいなと思って、大胸筋鎖骨部、腋窩後側の肩甲下筋、鎖骨上の斜角筋停止部を指圧すると強い痛みがあります。胸郭出口症候群と言っていいと思います。

 鎖骨周囲や腋窩の施術は難しいので今回はやらなかったのですが、こちらをやっておけば肩は上がるようになっていたかもしれません。

 ほんの数分ですが、大胸筋、肩甲下筋、鎖骨周囲を軽く指圧をしたところ肩は上がりやすくなりました。これは後ろ側がゆるんでいるということが大きいわけで、今日の講座内の生徒さん同士の施術の効果もしっかりあったと思います。

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2008年4月 2日 (水)

画像に写らない頚の痛みの原因

 『レントゲンやMRIの画像では異常がないのに、頚を真っ直ぐにすることができない、こりやすく激しく痛むことがある』という60代の女性、「整体に通ったことがあると」整形外科で医師に話すと「整体なんか行くから痛めたんだ」と言われたそうです。

 確かにひどい整体もありますが、この医師の言い方もあんまりです。検査に出ない症状は湿布や(あまり細かく刺激を加減しているようには思えない)物理療法でというのが整形外科では一般的のようです。

 だから検査に出ない症状もオーダーメードで取り上げることのできる指圧のような手技療法の需要があるのだとも言えます。

 昨日は暴風が吹き荒れ、昼過ぎから急に調子が悪くなり指圧にいらっしゃいました。

 頚が右に回旋し、右肩上部と鎖骨周囲が詰まって、腕神経叢や頚動脈などの血管を締め付けています。花粉症もあって、呼吸器系にも負担がかかっています。

 さらに下半身の筋力が弱く、上半身の硬さとのアンバランスが顕著です。

 頚・肩・鎖骨周囲を中心に上半身は弱い刺激で時間をかけてゆるめていきます。

 下半身は速いテンポの刺激で神経・筋肉を起こしていきます。

 全身指圧を終えても、自然と頚はやや右回旋します。しかし、肩甲間部が伸びて猫背が矯正されたので肩上部にかかっていた頭の重さからは解放されています。

 このケースで頚を無理に矯正するのは危険です。

 下半身の筋力減退に着目し、ウォーキングと立位下肢伸展での足首の上下運動を勧めました。

 下半身の筋力を使えば上半身の血行を促進することができるはずです。これはリフレクソロジーの理論にも繋がります。

 

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2008年4月 1日 (火)

右腰痛と狭心症

 「右腰が痛い」と70代の女性が指圧にいらっしゃいました。「高血圧の薬と睡眠薬を毎日飲んでいる」ということです。後でわかるのですが、降圧薬は狭心症を目標に処方されているようです。

 「坂道を上ると息がきれる」、「真っ直ぐ歩けていないような気がする」、「胸が締めつけられることがある」、「時々頭がボーっと靄がかかったようになる」などの症状があります。

 立位で腰を動かすと、後屈だけ痛みがあります。また、手先、足先が冷えていて、手足の冷えで夜眠れないこともあるようです。

 下部腰椎の前方すべりによる脊柱管狭窄が疑われますが、狭心症の症状も全身に影響しています。

 横臥、伏臥と指圧をして、右腰部の筋肉に痛みはありません。

 指圧中「心臓は手術のできないところが詰まっていると言われた」とお話になります。心臓の裏側の冠状動脈にでも血管の詰まりがあるのでしょうか?

 仰臥位、下肢、上肢と指圧をしていくと足先、手先が温かくなってきます。効果を実感したのでしょう、「指圧に通えば(心筋梗塞のような)発作は防げるじゃろか?」と広島弁でお聞きになります。

 言葉に詰まりました。血流を良くしておけば有利ですが、指圧で発作を回避できると断言することはできません。

 この体の感覚は前にも診ています。一日一日、命と向き合って生きていく段階に入っていると思いました。

 全身指圧を終え、膝を開いて胸に近づけるストレッチをすると「スジが痛い」とのことです。

 この“スジ”の解釈が“筋”なのか“靭帯のようなところ”か微妙なニュアンスが把握できません。

 脊柱管狭窄症のようではありますが、『狭心症の関連痛が右腰背部に起きているのではないか』、これも後で浮かんできた疑わしい感覚です。

 「調子が悪くなる前に来てください」と申し上げると、「ちょっとおかしいなと思ったらまた来るわ」仰いました。

 手足が温かくなっただけでも体は楽だと思います。心臓のポンプの力が弱まり、無理ができないので体全体の筋力も弱まり、筋肉のポンプの力も衰えています。

 しかし指圧で心臓の働きを補うことはできます。

 

 

 

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