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2008年5月31日 (土)

押し込むストレッチはケガをすることがある

 指圧に来た70代の女性が「体操教室に参加しているが、体が硬くて…」と仰います。

 どうやら床に座って膝を曲げ、左右の足底を合わせて、膝を床に近づけていく、『相撲の股割り』のようなストレッチが他の人ほどできないようです。

 当たり前です!

 膝が悪くて下肢の筋力が落ちている高齢者の股関節が、そんなことを容易くできるわけがありません。

 まさか補助者が付いて、上から膝を押さえ込んではいないでしょうが、高齢者にストレッチを教えるなら、個人個人に目標を理解させていなければいけません。

 他の人と違っていい、少ししか動かせなくても、自分の関節可動域が少しでも拡がればいいのです。

 人数が多くなれば目が行き届かないということもあるでしょうが、高齢者の健康増進が目的の体操教室でケガをさせるようなことがあってはいけません。

 実際に、体操教室の無理なストレッチで寝込むことになった方を知っています。

 指導者は、高齢者には関節痛があることを前提に、『無理をしないストレッチ』を教えてほしいと思います。

 相撲部屋や体育会系の運動部のストレッチのノリで高齢者にストレッチを教えているなら、病人や寝たきりを増やす事になります。

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2008年5月30日 (金)

ファミリー病?それはファブリー病のことでした。

 「昨日病院で血圧が180-110だった。今日は頚を右に向けられない。血管が破裂するのではないか」、言葉の呂律もままならない電話がかかってきました。

 予約のない時間だったので、すぐにやって来たのは60代後半の女性です。

 心臓肥大、不整脈、高血圧、狭心症の診断があり、服薬中で、昨日は甲状腺と腎機能の検査もしたようです。

 両手首の脈をとると、左右差はほとんどないのですが、7拍に1回、3拍に1回、2拍に1回というように不規則な遅滞があります。

 左右肩根点から肩甲間部のこりと右肩甲下部のこり、そして下肢、特に足首から足の甲のむくみと手の甲から手指のむくみが顕著です。

 心臓性の浮腫と、検査で明らかになれば腎臓性の浮腫もあるのかもしれません。

 何しろ、自分のCT検査の前に緊急で検査に入った人がそこで亡くなったのを知って、心臓がバクバクしてCT検査ができなくなったという女性です。

 まず落ち着かせること、ラベンダーとグレープフルーツをミストで蒸散しながら、ゆったりとしたタッチで頚から背中のこりをゆるめていきます。

 前頚部の頚動脈洞の指圧と、アシュネル反射で血圧と脈拍を下げる眼球掌圧は施術の要点になります。ただし緑内障があるので、強い刺激にならないようにします。

 足首や手の甲はむくんでいるので「気持ちがいい」と仰います。

 指圧中、「ファミリー病の検査もしたが、陰性だった」ということなので、遺伝的なことを調べたのかと思って聞いていました。

 これは後で調べてわかったのですが、『心ファブリー病』という病気があって(遺伝性ではあるのですが)、症状から疑われたということのようです。

 全身指圧を終え、ストレッチをして、血圧を測ってみました。

 163-93、脈拍53でした。

 血圧はもっと下がっているかと思いましたが、脈拍がこれ以上下がると問題なので、アロマ指圧の効果はあったと言えるでしょう。

 座位で頚から背中を指圧し、頚を右に回旋してもらうと痛みもなくできるようになりました。

 頭のむくみもなかったので、血管が破裂する心配はないと思います。そしてそう思っていただけたでしょう。

 「電話で先生の声を聞いて安心した」と言っていただきましたが、呂律の回らない電話の声を聞いた時には、『脳梗塞かもしれない…』と思いました。

 そしてファミリー病でも、ファブリー病でもなくてよかったです。

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2008年5月29日 (木)

メンタルトレーナーでもある

 タッチセラピストには体のケアをするだけでなく、メンタルトレーナーの要素も含まれています。

 『心身一如』という考え方は、東洋医学以外でも人間の普遍的な法則として認められるようです。

 これは実際にあったケースです。

 ある50代の女性に、左の小円筋停止部と三角筋中部のこりがあり、左上肢には放散痛がありました。

 『放散痛はこれらの筋肉のこりによるもので、これは五十肩に間違いなく、このままさらに悪くなっていくのではないか』という不安を抱えていました。

 施術をしてみると、左上肢の前方挙上や外転で少し痛みはあるものの、ほとんど可動域に異常がなく、肩関節周囲炎ではありますが五十肩というほどではなく、頚の左回旋・側屈姿勢が斜角筋隙の腕神経叢を圧迫した神経根症状だとわかり、その事実が明らかになることによって気持ちに大きな変化が現れました。

 整形外科での診断も同じだったようですが、説明に納得できていなかったようなのです。

 頚や肩関節を指圧ほど丁寧に触れていくことは整形外科の保険診療ではあり得ません。タッチにはわかりやすさがあり、説得力があるのです。

 タッチをさせていただくということは、肉体の個人トレーナーになるということです。そしてそれはタッチの持つ性質から、メンタルトレーナーも兼ねることになるのです。

 モチベーションをくすぐるのがタッチです。パフォーマンスに生気を取り戻させるのがタッチです。

 タッチの時間は混乱を整理する時間なのです。

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2008年5月28日 (水)

Sharing all the world

 指圧・マッサージやアロマテラピーを学んでいくと、“人間の体はひとつの広大な宇宙である”という考え方にぶつかります。

 60兆個ともいわれる数の細胞が共生して、ひとりの人間の体は成り立っています。

 体に有益な腸内細菌や外部から侵入してくる病原菌やウイルスも含めて、人間の生命活動は1個の命だけが働いているわけではなく、体の中にはたくさんの命を抱えていることになります。

 だから体について考える時には、部分を診るのではなくて、たくさんの命の繋がりとして捉えた、体の総合的な判断力が必要になります。

 リフレクソロジーやフェイシャルマッサージは部分の施術です。そこから体全体に影響を与えることは実際には難しく、それらの部分の手技を統合して、体全体に隈なく影響を与えようとするものが全身施術であると言えます。

 全身施術を部分で取り出せば、それがリフレクソロジーになりフェイシャルマッサージになることは当然です。

 部分のタッチを極めて、全身施術ができるようになり、そこに独自の総合的な判断をのせて、体の生命活動が潤沢に行われるように導く、それができてやっとタッチセラピストと言えます。

 “Sharing all the world” はJhon Lennon 『Imagine』 の歌詞で、“live as one”と結ばれます。

 一人の人間の体でも、地球という惑星でも、宇宙、あるいは次元という広がりの中でも、一つの現象は複雑な要素が絡み合って起きています。

 体の一部の問題であっても体全体の問題であり、他人事、他所事であっても自分の問題であるということです。

 たくさんの命が複雑に影響し合って、一つの命であるかのように生きています。それに触れているのだと想像して(Imagine)行うタッチであれば、伝わる感動が違ってきます。

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2008年5月27日 (火)

足のむくみチェックにティッシュ箱飛ばしなんていらない。

 テレビの健康バラエティ番組で紹介された『足のむくみチェックのティッシュ箱飛ばし』をやって、手首を骨折した方がいたというニュースがありました。

 番組のホームページには事故が起きたことと、注意が必要という記載がされていましたが、反省がぬるいように感じました。

 この『ティッシュ箱飛ばし』は、“両足でティッシュ箱を挟んで前に3m以上飛べば大腰筋が衰えていないので足はむくみにくい”ということだそうですが、一般にはわかりにくいことです。

 確かに大腰筋や骨盤周囲の深部の筋肉まで鍛えていれば足はむくみにくいのですが、逆に考えれば、足がむくみやすい人がティッシュ箱飛ばしをすると、筋肉をバランス良く使うということができていないため、着地の時に転倒したり、手をついて骨折をするという事故につながります。

 体の丈夫な人が健康な人のために考えた方法は、高齢者や体の弱い人には無理があり、テレビで放送するとこのような事故を招きがちです。

 筋肉を使っていないからむくむ、重力によってむくむ、塩分の摂り過ぎでむくむ、心臓や腎臓の働きが衰えてむくむ、ふくらはぎがプヨプヨしていれば“むくんでいる!”と思っていいのです。

 何か思い当たることがあれば原因を取り除き、後は爪先立ちなり、スクワットなり、水泳のバタ足なり、指圧・マッサージを受けアロマテラピーを活用するなり、できる人はすればいいのです。

 足のむくみのチェックに、ティッシュ箱飛ばしなんて必要ありません。

 ティッシュ箱飛ばしは、体力のある人ができる大腰筋チェックです。

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2008年5月26日 (月)

上級テクニック・硬い背中の圧し方

 硬い筋肉を母指で押し込もうとすると、指の力で押すことになり“痛い刺激”になります。

 体重移動で圧せるようになっても、沈まない筋肉を扱う時には指力が入ってしまうという人が多いと思います。

 そこで発想を転換して、『母指を支点として体を起こすこと』だけに専念します。

 肘を伸展し背中を伸ばして、母指が下へ向かう力と二等辺三角形を作る気持ちで、斜め上方向に頭頂部が向かうようなプッシュアップで重ね母指圧をします。

 当然の基本ですが、上になる母指が下の母指を圧してはいけません。あくまでも一点圧に絞るために、両肩関節を内旋させ上の母指は添えているだけです。

 顔は正面を向いている、下を見ないという条件で、斜め上方向に伸び上がる体重移動は、斜め下方向の背中の緩斜面に垂直圧をかけます。

 思い切って『圧す』という発想の束縛から突き抜けてみると、『綺麗な形』の中に技が潜んでいることがわかると思います。

 基本を分析できるまでに実力がつけば、その中の奥義(上級テクニック)に気づく日が来ると思います。

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2008年5月25日 (日)

良い変化があればそれで良しとする

 体調の悪い方ほど予約の時間より早くいらっしゃいます。

 決めているわけではありませんが、できるだけお客様同士が会わないように、帰っていただくまで一人のお客様だけに集中していたいと思っています。

 それは心おきなく本音を出していただける環境を作りたいということや、様々な不安や体のコンプレックスを抱えた方から受ける雰囲気に、秘密のシェルターを求めてやってきたとのだと感じずにはいられないものがあるからです。

 だから十分に時間の間隔を空けて予約を入れているつもりなのですが、施術が長引いてしまい、その後のお客様が早く到着すると、顔を合わせるということもあります。

 車でいらっしゃた方は、なんとなく車で待っているような暗黙のマイナールールができているのですが、歩きで来られた方は待合室で待つことになり、先に来た方が帰るまでは集中していますので、稀に遠くからいらした方を駅まで車で送る間、ポツンと待合室に取り残されることになる方もいます。

 待たせるのが嫌だということと、不安や不調を推し量りながら一人に集中して施術が繰り返されるので、早く来た方には早く施術を始め、後で自分が水分を摂っていないことや施術の後の仕事が溜まっていくことで、疲れがとれにくくなっていくのがわかります。

 お客様の訴えを超えた視点から体全体に施術をした上で、さらに良くなるのではないかという要求に答えようとすると、どうしても予定の時間で収めることが厳しくなってきます。

 次の予約がある時は、全身を施術して良い変化があればそれで良しとすればいいのですが、つい調子にのって自分の体を取り戻すための時間を削ってしまいます。

 施術の質を維持し、最後の施術まで頭が働くようにしておくには、どうしてもリフレッシュする時間が必要です。

 それがたとえ5分でもいいのです。水分を摂り、汗を拭き、場合によっては下着を着替え、トイレを済ませる、当たり前のことなのですが、『一刻も早く!』という勢いを前に、ついメンテナンスがおろそかになって疲れを溜めてしまいます。

 施術で腰が疲れてきたら、仰臥位に寝て体を伸ばすだけでもそれまでの疲労の蓄積が軽くなります。これは単純ですが、疲労回復に効果があります。

 タッチの効果は施術の終わりが終わりではなく、その後2~3日は血行が改善され、姿勢が矯正されたことによって体調を整えていきます。またそうでないものは効果的なタッチではないということです。

 だから『もの足りないくらいで終える』、やりきってしまった感があればそれは『やり過ぎ』で、体を疲れさせているのかもしれないのです。

 わかってはいるのですが、『もっともっと!』という要求には、効果の実感と期待があるわけで、悩ましいところです。

 看板を出さずに、いいスープが出来た時には骨をぶら下げて営業中をしらせるラーメン屋さんがありますが、時々無理をした夕方は『骨をしまいたい』と思っています。

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2008年5月24日 (土)

「トリートメント後お客様に発疹ができた」というセラピストのお話し

 「トリートメント後お客様の腋に発疹ができた」ことを悔やむセラピストの女性に指圧をしました。

 悩みはそれだけでなく、家族の旅立ちやお別れ、そしてそのあげくの腰痛もあります。

 お話しでは、「以前使ったことがありその時は問題のなかったクリームを使った施術」で、「フェイシャルは別のクリームを使ったが、やはり発疹ができた」ということです。

 「カウンセリングにもっと時間をかけておけば違ったのではないか」、「乳房から腋にかけて、丁寧に拭くように念を押していれば(セラピストが拭きにくい部分なので)…」、などが頭を悩ませているようです。

 お客様がとても疲れた状態でいらっしゃたようなので、クリームが発疹の原因かどうか、はっきりとはわからないと思いました。

 カウンセリングにも限界はあります。

 今回のことで彼女は、さらにカウンセリングを充実させ、クリームの拭き取りについて一言付け加えることに気づきました。

 いろいろと悩み、仕事をやめたほうがいいのではないかと考えたようですが、他のマッサージを受けたり指圧に来たり、とてもタッチを愛していることがわかります。

 体調によることもあります。そして、100%安全とは言えない部分が、精油にはあります。

 手の温かい、腰以外はメンテナンスのよくできた彼女の体は、右腰に重心をかけ過ぎて腰痛になったようですが、まだまだバランスのよい体の使い方ができるまでには工夫と実践が必要です。

 発疹ができたお客様は、きっとまた来てくださいます。それだけ悔やみ、悩んだ個性を、タッチは必ず伝えているはずです。

 こんな優れた人材がタッチの世界からいなくなるのは、業界の損失でしかありません。私はそう思います。

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2008年5月23日 (金)

視線を断つマッサージの常識が通じなかったこと

 初めて施術をする方には、体の状態を把握するための様々な“調子合わせ”が必要です。

 視診・問診・触診をしても、施術中にわかることがあるのが常です。

 40代女性、主訴は肩こりです。

 指圧をしていくと、猫背による左肩甲挙筋の痛みと、腰椎前弯のための左腰痛が浮き上がってきました。

 仰臥位に移り、ガーゼで目を覆いました。

 視線を合わせないためにタオルなどで目を覆うことは、セラピストの常識です。当然のマナーとして、何ら疑いを持ったことがありませんでした。

 この女性はガーゼをずらして、「わたし、“閉所”だから…」と仰いました。

 少し考えて、それは“閉所恐怖症”のことだとわかりました。

 その後、仰臥位の指圧ではよく眠り、全身指圧を終えました。

 左肩甲挙筋を圧すと痛みは残るものの、全身がゆるんでいます。

 今までその部位ばかりゴリゴリ圧されるマッサージを受けてきて悪くしたようでもあるので、今回は筋肉の疲労を考えてここまでとしました。

 それにしても、です。

 視線を断つ当然のマナーだと思っていた“目隠しのガーゼ”が通用しない方がいるとは思ってもみませんでした。

 そういえば、たまにガーゼをずらす方はいます。

 神経質だと印象を受ける方の中には、“目隠し”を不快に感じる方がいるようです。

 初めてわかりました。このマッサージの常識が、全ての方に通用すると思っていてはいけません。

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2008年5月22日 (木)

ナイルさんのピカピカの黒い革靴

 銀座のナイルレストランで、名物のムルギーランチを初めていただきました。

 ムルギーランチは、地鶏の骨付きもも肉の入った野菜ペーストのカレーで、銀のワンプレートにターメリックライス、マッシュポテト、茹でキャベツと一緒に盛られています。

 『全部しっかりと混ぜて食べないと怒られる』と、カレー好きにの間では有名ですが、店内を見廻したところ、よく混ぜていない客もいて、そこそこ混ぜて食べれば大丈夫でした。

 ニンニクがきつくなく、辛さも抑えてあり、スパイス使いも日本人向きな、さっぱりとした和印折衷の味がしました。

 インド料理というよりは、下町の洋食と思って食べると納得できると思います。

 材料が正しい、襟を正した一品ではありますが、期待が大きかっただけに、感動するほどの新しい味覚ではありませんでした。

 昭和通りに面した50年を超える歴史を持つ古びた店で、一番の発見はナイルさんが履いていたピカピカの黒い革靴です。

 靴屋の新品の靴よりピカピカの、未だ生涯こんな黒光りのする靴は見たことがないほどピカピカの黒い革靴で、ナイルさんは階段を降りてきました。

 その後接客をし、レジに立ち、ナイルさんは「小銭でお支払い頂けると有難い」を繰り返していましたが、あの靴の輝きはタダモノではありません。

 ギーで磨いているのではないかと思ったりしたのですが(そんなことはないでしょうが)、銀座の男のオシャレを見た気がしました。

 人あたりの良さ、靴に注ぐ神経、その二つだけでもナイルさんが魅力的な人物であることが滲み出ています。

 カレーはともかく(これは味の好みの問題なので)、サービス業の身だしなみとして勉強になりました。あのピカピカの黒い皮靴は、強烈なオーラを発していました。

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2008年5月21日 (水)

頭痛に座位のヘッドマッサージはあまり勧められない

 座位のマッサージの問題点は、体重移動による刺激の調整が難しいということです。

 特に押圧では、垂直圧に相当なテクニックを要します。

 ヘッドマッサージでは、力の入れ方によって頚が動いてしまうと、余計に圧が逃げる上に、頭痛ではこの頚を動かすことで症状が悪化する場合があります。

 “頭痛=ヘッドマッサージ”と考えがちですが、頭痛の原因は頚・肩・背中にある場合も多く、私の経験では下肢の施術中に症状が緩和するケースがたくさんありました。

 仰臥位のヘッドマッサージでは、垂直圧であれば足趾まで圧が通ることを“振動”によって確認することができます。

 座位のヘッドマッサージの盲点は、後ろからの施術になるのでクライアントの表情や反応が読み取りにくいということにあります。

 健康な人が対象の理容や美容のスカルプケアであれば別ですが、頭痛のヘッドマッサージの場合、座位でしかも頭から肩くらいまでの施術で症状を解消することは難しいと思っていなければいけません。

 あまり経験のない人のヘッドマッサージを見ていると、①クライアントの頚を動かしてしまう②肘を張り前腕を固定して体重移動をするテクニックができていない③そもそも圧が上滑りをしている、などの問題点があります。

 背の低い人が後ろから座位で施術をすると、これらの問題点が一層際立ちます。

 頭痛を解消するには“頚を安定させて眠ってもらうこと”も重要です。

 私は一時間全身を施術させていただければ、かなりの頭痛を緩和できると思っていますが、「15分の座位であれば、そこそこ楽にできるくらいのことだと思います。

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2008年5月20日 (火)

“羽根付き餃子”のような肩

 土曜日は予約がいっぱいで、お断りしてしまった女性が、月曜日に指圧にいらっしゃいました。

 座位の触診後、両肩を摑んで持ち上げようとすると、肩がパリッパリッと音を立てました。

 羽根付き餃子をフライパンから剥がすような感触です。

 新しく浅い表面的な癒着が肩関節にありました。

 土曜日に昼の休憩時間を削って指圧をしておけばよかったようなものですが、先に予約をしていただいた方々の施術の質を落とすことは許されないので、結果として症状が重くなってしまったかもしれません。

 8時間以上施術を続けても、タッチ自体はあまり違わないかもしれません。しかし、体の物語を読むという集中力は著しく衰えるので、申し訳ありませんが昼休みを十分にとらせていただき、一日の施術も6人までにさせていただいています。

 羽付き餃子のような肩は、こちらの予想以上に痛みがあったようです。始めのうちは触れただけで痛みがありました。

 痛い刺激にならないように、考えて考えて触ってこのレベルです。自分の体では痛みを出さないように触れることが簡単にできるのに、他人の体の痛みは、時々自分の痛覚の予想を超えます。

 これがクリアできればと、いつも思う所です。単にマニアルで触れているうちは到底思いもよばない領域ですが、その微妙な感覚の追求が施術の完成度と一致すると思い、毎回の施術が反省材料になります。

 全身指圧が終わり、もう一度座位で両肩を挙上します。

 回旋腱板や僧帽筋、広背筋、菱形筋などの浅層筋、そして腕を使う姿勢で働く内転筋群がゆるんで、羽根付き餃子のようなだった肩の動きは正常に回復しました。

 パリッという肩を持ち上げた時の音のインパクトと、自分の最高に丁寧に触れた指圧でまだ痛みがあったというショックは、咀嚼され、記憶され、施術はさらに複雑な試行を続けることになります。

 

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2008年5月19日 (月)

モロッコ風ミントティー

 モロッコ風ミントティーは①ミントの生葉②中国緑茶(龍井茶(ロンジンチャ)など)③大量の砂糖、がレシピです。

 大量の砂糖は気候風土が必要とするもののようで、実際にやってみると、この国では少量の砂糖もいらないように感じます。

 半発酵している青茶(鉄観音など)や完全発酵している紅茶と比べて、中国緑茶のほうが生ミントの成分と近い味を含むように思います。

 蒸して作る日本の緑茶と違って、釜炒りで作る中国緑茶(蒸すものもあるそうです)のほうが甘味が抑えられてミントとの相性が良いようです。

 そのあたりのお茶のチョイスが工夫されえていて、遙か中国からアフリカ大陸まで運ばれて文化として定着したモロッコ風ミントティーひとつからも、歴史やカスバの街の熱風が伝わってきます。

 半袖シャツや冷たい飲み物ではしのげないほどの気候風土では、大量の砂糖の入った熱いミントティーをフーフー冷ましながら飲む長いティータイムがとても重要なのでしょう。

 今年も庭に大量に生えたミントの先っちょを摘んで、土壁の家の中でティータイムを過ごすモロッコの車引きの映像を浮かべながら、ミントティーをいただいています。

 砂糖抜きで。

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2008年5月18日 (日)

過緊張にミルラ+柑橘系ミックス

 『頚が痛い(胸鎖乳突筋上部が硬くなってしまう)…』という女性。

 左右の脈を診ると、浮いた速い緊張した拍動が伝わって、左の尺中(膀胱・腎)の脈が弱く、肩関節の硬さと背部の筋肉のこりが目立ちます。

 会話のテンポもそうですが、“慌てた感じ、強い緊張”があります。

 自分がはっきりしなくなっているような、“依存”の傾向も気になりました。

 病院で病気の治療もしているようですが、ここではそれとはむしろ逆の方向に持っていきたいと思いました。もしかしたら薬が効き過ぎているのかもしれません。

 いつもは精油を黙って用意したり、あらかじめ病状に合わせて焚いているのですが、今回はあえて儀式的に、精油をアロマミストデフューザーに入れる所から説明しました。

 このケースではまずミルラを使ってみました。

 精神的な強壮作用と、肺の中から異物を取り去ってスッキリできるのではないかということに期待しました。

 それだけでははっきりとした心地よい香りとは言えないので、ライムを入れて指圧を始めました。

 左横臥位、左前頚部の指圧から始めましたが、頚動脈の拍動は速く強く、緊張を感じます。

 伏臥位に移るときに、ミストにマンダリンを足しました。ライムのシャープな香りだけでなくマンダリンの安心感のある柑橘系の香りが必要な気がしました。

 背部のこりと下半身のむくみの解消を考えながら指圧し、仰臥位に移った時に、ミストにグレープフルーツを足しました。

 幸福感を体に感じとることが治療になると、指先が収集した情報から反射的にグレープフルーツを足したくなったようです。

 頭部・顔面の指圧では、顎関節周囲の筋肉に緊張があり、これは胸鎖乳突筋上部が硬くなることと同じ原因だと思いました。

 緊張で無意識に奥歯を噛み締めてしまうようなことはありそうです。もしかしたら寝ている間に歯ぎしりをしているのかもしれません。

 仰臥位の姿勢では、頚は左から右にやや回旋しています。しかし伏臥位で頚の左右回旋姿勢に問題がなかったことからも、頚椎には異常がないようです。

 腹部には“臍動”があり、神経性の疾患の存在を伝えます。ゆっくりとした掌圧を繰り返すうちに“臍動”は減弱していきました。

 仰臥位のストレッチをし、座位で前頚部に触れたところ、違和感はなくなったようです。脈もおだたかになっています。

 初めての指圧が終わって、何もわからなかったかもしれません。

 それでもいいのです。脈は落ち着き、定まらなかった目の動き、鼻の横の汗も止まりました。

 顎関節周囲の筋肉、胸鎖乳突筋、肩関節、背筋、全てゆるんでいます。正常です。

 あとは、ここに何かあると感じていただけたら、また予約をしていただければいいのです。

 何時来ていただいても、今日と同じくらいにゆるめることはできます。

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2008年5月17日 (土)

尿のあわ

 よく聞かれる質問に「おしっこのあわ」があります。

 病院で診療中の病気がある方や高齢者の方には、都市伝説のように知られています。

 尿ができる時に腎臓がたんぱくや糖を再吸収するので、普通は尿が泡立ちにくく、『たんぱくや糖が出ていれば泡立ちやすい』ということになります。

 しかし、甘い物の食べ過ぎなどの食事の影響や妊娠時など、体調によることもあります。

 “泡立つ要因としては他に、尿の勢いや便器の汚れ、洗剤の影響などもあります。

 尿のあわができたことよりも、『尿のあわが毎回できて消えにくい』場合は病院に受診するとよいでしょう。

 今はドラッグストアで尿の検査紙を購入することができます。

 自分で尿検査をする時は、初めの尿は捨てて、『中間尿を検査する』ということも見逃してしまいがちな基本です。

 尿のあわを健康のバロメーターとして、食事や生活習慣を見直すきっかけにすればいいと思います。

 定期的に病院で診察を受けている方は、血液検査で腎機能を確かめているはずですから、過剰な心配はいらないと思います。

 病院とは無縁の方で尿のあわが気になるようなら、まず御自分で尿検査をして、不安があれば専門医に受診するのがよいでしょう。

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2008年5月16日 (金)

立位の骨盤傾斜が約60°かを診る

 座位では骨盤上口が座面と水平になり、立位では骨盤が55~60°前傾します。

 骨盤の前傾とは骨盤上部が前へ倒れることです。恥骨が前に突き出ることではありません。これを迷ってしまう人はかなりいると思います。

 立位で脊柱のS字カーブが正常であれば、腰椎の前弯と第5腰椎と仙骨との関節角度によってヒップアップされることになります。

 立位でお尻が下がっている場合は、猫背などによって腰椎の前弯が弱くなっているか、骨盤が側方に開いているか、腹圧がかからないか、などを診ます。

 「椅子に座る時は左足は普通に床につけるが、右膝を曲げて右足を座面に乗せて座るのが楽だ」という高齢の女性がいました。

 猫背で骨格が歪んでいるからその姿勢が安定するのでしょうが、腰痛になってしまいました。

 指圧に来た時の姿勢は、背中を丸め、恥骨が突き出た“へっぴり腰”でお尻の筋肉は垂れていました。

 全身指圧をし、伏臥位から上半身をプッシュアップで伸ばすストレッチと猫のポーズを交互にやってもらったところ、背中が伸びて坐骨神経の絞扼感が解消しました。

 (ストレッチは、やってみせてから、やらせてみて、誉める、『山本五十六方式』を採用しています。)

 高齢の女性で骨が弱くなった方でも、指圧とストレッチ、そして日常生活の姿勢を見直せば、綺麗な立位姿勢を取り戻すことができます。

 若いうちなら、立位の骨盤前傾約60°を維持するようにすれば、自然と骨格が矯正されて綺麗なプロポーションが得られます。

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2008年5月15日 (木)

点滴BAR

 点滴BARというものがあります。

 病院で自費でビタミンや美容の点滴を受けるのですが、“バー”とはよくぞ名付けたものです。

 カジュアルでおしゃれな響きがあります。

 ビタミンB群の注射を“ニンニク注射”と名付けた先生もいらっしゃいますが、点滴BARは、より医療を離れた感じがします。

 鍼治療が何本もの鍼を刺すことからすれば、一本の鍼を刺すだけの点滴はお手軽にさえ思えます。

 『サプリメントを静脈から摂るだけのこと』なのでしょうが、私にはモヤモヤ感があります。

 口から食べ物を適量に食べて、胃腸で消化して、それが肝臓に運ばれて、体の栄養になってというサイクルは、いつか無くなってしまうのではないかと心配になります。

 点滴に固定された入院中の患者さんを見ると、何も動ける者が自ら点滴に繋がれなくてもと思います。口から食べ物をいただける喜びをもっと大事にしたほうがいいと思うのですが…。

 健康管理がオートメーション化されて、食文化がさらに衰退する(片や大食い、片や過剰なダイエットや拒食)、そんな図式のレールが見えるのは私だけでしょうか。

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2008年5月14日 (水)

むくみのトリートメントのコツ“爪先立ちさせるように”

 ふくらはぎのむくみのアロマオイルトリートメントのテクニックとして、“膝を伸ばし足を底屈させるようなタッチをする”ということを忘れてはいけません。

 つまり下腿三頭筋は、足を底屈させる(爪先立つ)時と踵を上げる時に働き、膝を曲げていては働かないからです。

 重力と塩分も関係しますが、バレリーナのように爪先立って下腿三頭筋を使うことがないから、ふくらはぎがむくむとも言えます。

 ふくらはぎの筋肉が過緊張してつった時に、思わず足を背屈させる(足趾を手前に引く)ことからも、足の背屈はふくらはぎの筋肉をゆるめ、足の底屈はふくらはぎを緊張させることがわかります。

 伏臥位のトリートメントが、膝を伸ばし、足の甲がベッドに付いている状態で求心性の圧をかけていくということは、むくみ解消の理にかなっています。

 さらに、仰臥位で足の甲に遠心性の圧をかければ、爪先立つようにストレッチをかけることになり、ふくらはぎの筋肉には収縮の刺激を与えることができます。

 実際の施術では、下腹部の腸骨動脈・腸骨静脈、鼡径部の鼡径動脈・鼡径静脈・鼡径リンパに問題があってむくむことがあるので、仰臥位の遠心性の施術がむくみを解消するポイントになるということもあります。

 日常生活では、爪先立つほどしっかりと下腿三頭筋を使うことはありません。筋肉の働きを頭に入れて、普段使わない筋肉を運動させるつもりでタッチをすると効果が違ってきます。

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2008年5月13日 (火)

茶道具“建水”が音を立てやすいという演出による緊張と緩和

 お茶会で表千家の御点前を頂く機会がありました。

 清冽な“成田の井戸水”が主役のお茶会でした。

 御点前を拝見しながら、茶器を温めたお湯を捨てる“建水”の扱いに惹きつけられました。

 それは円筒形の磁器の建水で、円形の蓋がついています。

 お湯を捨てる際に、蓋を取って円筒形の磁器に立てかけます。

 丁寧に扱わなければ不要な音を立てます。円形の蓋を円筒形の磁器に立てかけることも、簡単なことではありません。

 その張り詰めた空気を、主人と客が共有することになります。

 緊張とその後に訪れる緩和のための見事な演出です。

 作法や様式美の中には、見る目があれば普遍の法則や真実を感じ取ることができます。

 お茶席は、茶器や掛け軸や棗や茶筅、その目利きを試されているようでもあります。

 一杯のお茶に対して、惜しみなく小道具から演出していく“遊び”の感覚とその場が作り出す緊張と緩和は、指圧・マッサージにも大いに役立つ感性の刺激になりました。

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2008年5月12日 (月)

病気の気功の先生に指圧をする

 昨日は休みたいと思って出かけていたのですが、帰って留守電を解除したとたん、「胆嚢の摘出手術をして4日目だが、背中から左下肢の坐骨に沿って痛くて眠れないので、病室に指圧に来てくれ」という電話がありました。

 声の印象は高齢の女性で、透析もしているそうです。

 坐骨神経がわかり、「浪越の指圧も勉強した」と仰ったので、先輩の先生だと思い、『これは何を差し置いても出かけなければ』と、急いで仕度をして駆けつけました。

 よくお話しを聞いてみると、中医学の学校を開き、気功の治療をされていたということで、浪越の指圧は一般の公開授業に参加したということのようです。

 (ちょっとがっかりしました。)

 今は気功の治療はしていないようです。気功が効かなくなって病気になったということかなと思いました。気が病んだので気功治療をやめるという決断をしたのかなとも思いました。

 おなかは手術の痛みがあり、左前腕には透析のシャント(動脈と静脈を交通させる)があります。

 腰椎の前弯がありますが、膝をおなかに近づけるような矯正法では痛みがあります。

 左横臥位から指圧を始めると、坐骨神経ではなく、下肢外側の胆経に緊張があります。

 両足の爪先が外側を向いているので、股関節の外旋、骨盤の開き、腰椎の前弯ということです。

 指圧をしていくと「凄い“気”が出ている!」と誉められました。

 これが“気”だというなら、慣れない病室で初めての患者さんであっても、自分のテクニックとニュートラルな自分を発揮できるようにしている“準備のパワー”ということでしょうか?

 右横臥、仰臥と指圧し、“それ”が“気”なのか試すつもりで頭部の指圧をしたのですが、どうも私が今まで他の方たちにも言われてきた“それ”は、“気”と言ってよいらしいです。

 眠れないということなので、ラベンダーのオイルマッサージを下肢にして施術を終えました。

 どうやらアロマも初めてのようで、『タッチについてはよくわかってないな』と思いました(もちろん“気”で治療をする先生ですから…)。

 むくみもありますが、腎臓を刺激するジュニパーなどは使えません。コットンにラベンダーとマンダリンを滴らして置いてきました。

 指圧中、おなかもグーッと鳴っていたので、調子が良くなったとみえて、いろいろなお話をし、占いもしていただきました。

 私は指圧師なので、明日は指圧をする必要がないと申し上げましたが、気功では病気の時は毎日治療するほうがよいので、明日もお願いしたいと言われています。

 “病気になった気功の先生に指圧をするの巻”でした。

 

 

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2008年5月11日 (日)

赤ちゃんがお母さんの耳を触るように

 赤ちゃんが生まれて4ヶ月に近づいたお母さんの指圧をしていて、右耳の擦り傷を見つけました。

 授乳の時、抱っこの時、赤ちゃんの指がお母さんの耳を引っ掻いたのでしょう。触っていたのかもしれません。

 柔らかいものを触る感触は気持ちのいいものです。

 気持ちよく触っていれば、触られた側も気持ちいいものです。

 赤ちゃんは大切な物を触る感覚を、お母さんの乳房や耳や手から覚えます。

 お母さんは惜しみなく体を提供して、愛を与えます。このお母さんが耳の傷に気づいていなかったことからも、それがわかります。

 45cm以内に近づくのは“恋人の距離”なのだそうです。

 指圧・マッサージなどのタッチは、その距離の中に踏み込んで行われます。“距離を縮める何か”を持たなければ、不快な思いをさせてしまうことになります。

 赤ちゃんの時にお母さんの耳を触ったようなタッチができたら、それは素晴らしいタッチになります。

 今日は母の日です。最後の最期まで、体を惜しみなく提供して“愛(=タッチ)”を教えてくれた、そして与えてくれたことに感謝します。

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2008年5月10日 (土)

等尺性収縮を利用した肩こりの解消法

 昨日テレビ朝日の夕方のニュースで、『肩こり解消法』の特集を放送していました。

 目新しいことは何もありませんでしたが、『痛みを止めることによって肩こり憎悪の悪循環を断ち切る』や『肩こりのストレッチ』など、その内容は的を射ていたと思います。

 しかし、その中に指圧・マッサージがなかったことにはがっかりしました。指圧・マッサージでも全く同じ効果を発揮する手技があるのです。

 一方で、肩こりの悪循環に加担しているようなマッサージが多いことは、重症の肩こり患者さんなら体験済みで、マッサージの評価が低いというのも仕方がないことではありますが…。

 放送の中で、『肘を伸ばして小さい円を描きながら雑巾で窓拭きをするエクササイズ』を取り上げていました。

 この方法は、肘の関節を曲げずに肩の深層筋や上肢の筋肉を収縮させる“等尺性収縮運動(アイソメイトリック)”になります。

 腰を曲げ上肢を下垂して、手に持ったペットボトルで小さな円を描く“コッドマン体操”にも通じます。

 大きく動かすと痛みがある場合は、痛みの出ない範囲で動かしていき関節可動域を拡げていくのが基本です。

 等尺性収縮運動の後は、筋肉の緊張後に“はっきりとした緩和をもたらす”という効果もあります。

 支える筋肉を鍛えることが、肩こりを緩和することにもなります。

 指圧の上肢の使い方も等尺性収縮です。

 等尺性収縮運動は、あまり場所も取らずにできる効果的な運動です。

 ピラティスや今流行りの美腰体操も等尺性収縮だなと思いながら、テレビを見ていました。

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2008年5月 9日 (金)

丁寧なお辞儀をすれば痩せる

 痩せる方法として『大腰筋ダイエット』があります。

 踏み台昇降や、腿上げ、仰臥位での下肢伸展挙上をします。

 大腰筋と大殿筋が立位を支えるため、大腰筋を鍛えることは高齢者の転倒防止にも効果があることがわかっています。

 大腰筋ダイエットは、陸上の短距離のアスリートの体をヒントに提唱されるようになりました。

 オリンピックレベルの100m走の選手は、大腰筋が太く鍛えられて、内臓脂肪や体脂肪の少ない体をしています。

 100mのレースは背中を立てて腿を高く上げて走り、大腰筋を極限まで働かせています。

 大腰筋は立位を支え、大腿を挙上する筋肉でもありますが、下肢を固定すれば体幹を前屈させる筋肉でもあります。

 つまり、『深々と丁寧なお辞儀をする人』は、大腰筋を働かせています。

 開店時間にデパートに入ると、入口で『深々と丁寧なお辞儀』で迎える女性達は、皆痩せているように見えます。

 スタイルの良い女性を配置しただけではなく、毎日のお辞儀がスタイルの維持に一役買っているのだと思います。

 『丁寧なお辞儀』に日常ではあまりお目にかからなくなりました。

 “7秒エクササイズ”のつもりで、7秒かけた丁寧なお辞儀を習慣づければ、タダ者ではない感じを与えられますし、大腰筋が鍛えられて“痩せるはず”です。

 武家社会なみに『丁寧なお辞儀』が世間で流行れば、ギスギスした社会が変わる上に、メタボリック対策にもなります。

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2008年5月 8日 (木)

“Press”のタッチをする。“Push”ではない。

 “Press”は「圧す、圧迫する、圧力をかける、圧搾する」 などの意味で使われ、“Push”の意味は「押す、押し動かす、突き出す」などとなります。 

 “Push around”に「乱暴な取り扱いをする。いじめる。」という意味があることからもわかるように、タッチでするのは“Press”であって、“Push”ではありません。

 “Press”が「密着してから圧力をかける」のに対し、“Push”は「離れた所から急に力を加える」ことになります。

 「プレッシャーを徐々にかけていき、そしてプレッシャーから解放していく」ことが指圧です。

 「プレッシャーは人生のスパイスになる」ということもあり、一圧し毎の指圧は、とても前向きな感覚を与えていることにもなります。

 指圧は外国でも“Shiatu”として広く認知されていますが、あえて言うなら“Finger pressure”でしょうか(この“Finger=指”とは言い切れない、正確には体重を指紋部に移動することなのですが…)。

 タッチをする時に『“Press”をする、“Push”をしてはいけない』ということは、是非理解していてほしいと思います。

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2008年5月 7日 (水)

紙で指が切れることから広く密着するタッチを考える

 紙で指を切ることがあります。薄い紙でもその薄いところに力は集まります。紙を包丁のように水平に引くと皮膚を切ることがあるのは、その薄さに力が集まることが原因です。

 針やキリや槍などの鋭利な先端に力が集中することも、これと同じ原理です。

 薄さは水平方向に、鋭利な物は垂直方向に大きな力を集めることになります。

 これはそのまま軽擦の水平方向の刺激と、指圧の垂直方向の刺激に当てはまります。

 手掌を広く皮膚に密着させる、母指の指紋部を広く皮膚に密着させる、これができないと痛みを感じさせたり、傷つけることがあるということは、“紙と鋭利な物”の例からわかると思います。

 昨日テレビでは“お笑いの罰ゲーム”として『痛い足裏マッサージ』をされた芸人さんが、のけぞって痛がっていました。

 『またか』と食傷気味ですが、もはや『痛い足裏マッサージ』は、お笑いとして世間に認知されるようになったと言えます。

 指の先端や関節部分を使い、『皮膚に当たる指の面積が狭い押圧』は、指圧ではやってはいけない事として教えられます。その理由はもちろん、筋肉や組織を傷つけるからです。

 しかも椅子に座って指の力で押す施術者を見て、『お笑いだと割り切れているのだろうか? これからもそれでいくつもりなのか? どんな気持ちでテレビに出てきたのだろう?』と、複雑な気持ちになりました。

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2008年5月 6日 (火)

深夜の指圧、その翌日

 昨晩、急性腰痛、坐骨神経痛で指圧をした女性から「今日も指圧をしてほしい」という電話をいただきました。

 本来なら「指圧後3日は効果があると思われるので、安静のほうが大事で来る必要はありません」と申し上げるところですが、この方の場合は別です。

 極端な心配症がアドレナリンを過剰に分泌してだと思っているのですが、肺炎の際に血糖値が跳ね上がったというエピソードを持つくらいのツワモノです。

 年齢は60代だと思っていましたが、すでに70才を超えていました。

 息子さんが車で送ってくれるものと思っていましたが家族で出かけているらしく、心臓の悪い旦那さんと一緒に歩いて来られました。

 悪いことをしました。それならこちらから往診にうかがうべきでした。

 帰りは車で送ると旦那さんに申し上げて帰っていただき、右横臥から体を診ていきます。

 「昨晩あれから眠れましたか?」と尋ねると、「心配で眠れなかった…」ということです。

 これに私は鍛えられました。ラベンダーも『究極の眠れるCD』も跳ね返してしまうような、不安を抱え込んでしまう性格です。

 一晩の心配で右肩から肩甲間部にかけての強い緊張があります。

 左横臥になっていただく時に体位変換で腰に痛みはありません。昨日の坐骨神経の張りも左大腿後側にありません。

 仰臥位でおなかを診ます。腹部大動脈が異様な緊張の拍動を示しています。急性腰痛、坐骨神経痛の施術としては昨晩の指圧はとてもよく効いています。 

 問題は多くの老人の特徴でもあるメンタル面の弱さ、不安が痛みを増幅し病気を重くしていくという悪循環です。

 おなかを掌圧しながら、昨日から具体的に良くなっている点を説明していきます。筋肉や靭帯に小さな傷があれば3日は痛いこと、本当に症状が重ければここまで歩いて来れないことなどを話しました。

 そうして次第に腹部の動悸は小さくなっていきました。

 股関節の運動法や仙腸関節の矯正法で今日も痛みはなく、伏臥の指圧も正常にこなせました。

 最後にもう一度腹部の指圧と、座位で肩から腰、そして気にしている左足底のしびれに指圧をし、車でお宅まで送っていきました。

 車から降りた時に「ずいぶん良くなりました」と言ってくださいました。

 今日は本当に指圧をする必要がありませんが、「もしかしたら…」とは思っています。

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2008年5月 5日 (月)

深夜の急患!

 昨夜は電話で目が覚めました。

 「腰が痛いので指圧してもらえないか?」

 その電話に「今からですか?」と答えながらも、これはやらないわけにはいかないだろうと思っていました。

 それは4年間指圧をしていなかった60代の女性からの電話でした。

 この女性は、私を“先生”にしてくれた人の中でも特別な一人です。

 息子さんに車で送られてきたその姿は、生まれたばかりの仔馬が始めて立った時のような不安定なものでした。

 かつては肩こりと腰痛で、毎週のように指圧をしていました。しかしこの4年間は特に苦しいようなことはなかったと仰るのです。

 それが本当か、(他でたまに治療することはあって)遠慮しているのかわかりませんが、左下肢から足底にかけてのしびれから“坐骨神経痛”の症状であることが診てとれます。

 椅子に座れないというので、マットに「楽な姿勢で寝てください」と申し上げると、左半身を下にした横臥の姿勢をとりました。

 左腰に痛みがある場合の典型です。

 右頚部から背部、腰部、下肢と、右半身に強い痛みがないことを確認してから、左背部、腰部と軽い指圧をしていきます。

 2月に肺炎になったそうで、肩甲間部のこりは、この急性腰痛の原因の一つです。

 左第4腰椎の傍らに圧痛点があり、臀部の仙骨沿いの外旋筋群と大腿後側の坐骨神経を圧すと強い痛みがあります。

 左半身を下にした横臥位の施術の後、仰臥位になれるか試してみます。

 恐る恐るでしたが、痛みもなくできたようです。膝裏にクッションをあて、腹部の掌圧をします。腹筋などほとんど発達していない方でしたが、腹筋に緊張が診られます。

 そのまま下肢の指圧、股関節の運動法、仙腸関節の矯正法などをしてみましたが、痛みでできないということはありませんでした。

 上肢、頭部顔面、前胸部と指圧し、もう一度腹部の指圧、さらに伏臥位になってみてもらいましたが、これも額枕+バストマットでできたので、そのまま伏臥の指圧もしました。

 いろいろな腰痛のストレッチをしてみましたが、全てできました。

 息子さんにまた迎えに来てもらった帰り際に、「まだ左の足のうらがしびれてるけど、大丈夫かなぁ?」と仰います。

 「大丈夫、ひどく悪くしたのなら熱が出るし、今、体の血行が良くなって足に血をどんどん送っているから。明日になればもっと良くなりますよ」

 『そうそう、こんなだったなぁ』と思い出しました。私はこの方の“不安”に随分勉強させていただきました。

 連休の深夜で他にどこもやっていないからという理由でもいいのです。もし本当に4年間肩も腰もひどくならなかったのならそれは嬉しいことです。

 その後、コーヒーを飲んだからかもしれませんが、『ヤンキースVSマリナーズ』を見てしまうほど、もうあまり眠れず、今日はいつもにもまして暗いうちから起きています。

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2008年5月 4日 (日)

お出かけの不安を解消出来たことの嬉しさ

 孫と娘が車で迎えに来て、横浜のスパに行く予定の80代の女性、風邪を引いたようで、体調に不安があります。

 体に触れてみると熱も冷えもないのですが、背中は硬くなっています。

 東洋医学では、第2・第3胸椎棘突起間・外1寸5分に『風門』があり、ここから風邪(ふうじゃ)が侵入するとされています。

 昨日の『オーラの泉』で江原さんも、邪気や悪霊がこのあたりから入ると仰っていました。

 タッチを続けていると、どうしても、どうしても、科学だけでは説明しきれないことも起きてしまって、手技療法がスピリチャルや易・占いと同じルーツを持つことを私は納得しています。

 閑話休題(あだしごとはさておき…)。

 施術中はよく眠りました。

 全身指圧を終えると、「スーッと楽になった!」と仰います。これで横浜に行けると喜んで帰っていかれました。

 『背中に霊が憑いていた』などではありません。

 加齢により骨が弱くなり、体も硬くなって背中が曲がると、肺や心臓が圧迫されて血液循環が悪くなります。背中が丸くなれば消化器も窮屈に押し潰されます。

 それを無理なく伸ばしただけのことです。

 嬉しかったのは、その80才の不安を抱えた体から、この程度の軽いタッチで蘇える、命の力を見せていただいたことです。

 お年寄りの方々に指圧をして、『不思議と楽になる』とか『指圧の後、階段が楽に上がれてびっくりした』とか、よく言われることがあります。

 不思議でびっくりするのは私のほうです。お年寄りの体の中にある力、人間の命の力が湧き上がってくるのを見るのは一番嬉しいことですが、物凄いことだと思います。

 今日が横浜のスパに行く日ですね。お天気が良くて何よりです。次にいらした時に、温泉情報は是非うかがいたいと思います。

 

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2008年5月 3日 (土)

上前腸骨棘を手にぶつけていくタッチ

 手と上肢の構えはできているとしても、タッチの体重移動の時に腰が残ってしまう人がいます。

 ベッドでは後ろ足、マットでは後ろ膝から手指に体重移動をすることになるのですが、背中が丸くなり頭が下がっていては、腰が引けて上手な体重移動ができません。

 そこで上前腸骨棘を手にぶつけていく、つまり骨盤主動で体重移動をしていく意識を持つことで背中が起きて、上手な体重移動ができるようになります。

 これはコーチングのテクニックでもありますが、改善のための具体的なポイントを示すことや表現のニュアンスを換えることで、心から納得できる人を増やすことができるのです。

 同じ事を言っていても、ほんの少し表現力が足りないと、伝言ゲームのように核心をはずした伝達がされていくことになります。

 ひとつのテクニックに対して、掘り下げて考えた事のある先生に教わるのと、マニュアルを棒読みする程度にしか理解できていない先生に教わるのとでは、雲泥の差が出るということです。

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2008年5月 2日 (金)

肩関節内旋・前腕回内でタッチをすることの意味

 指圧・マッサージの手の使い方は、肩関節内転方向の体重移動を伴います。

 体幹からの体重移動を手に伝えるためには、肩関節内旋・前腕回内により肘が伸びている必要があります。

 これによって手の甲が上・内側を向くので、手指の指紋部(特に母指)や手掌が使いやすくなるということはすぐにわかると思います。

 意外と気づかないのは、肩関節内旋・前腕回内で肩を内転方向に動かすということは、“広背筋”を使うことになるということです。

 広背筋から上肢にかけての筋肉の緊張は、体幹から手への体重移動を容易にし、背中を手にぶつけていく感覚を得ることができます。

 これは古武術の体の使い方を介護等の場面に応用することを提案している甲野善紀さんの体の使い方と同じです。

 実は昨日テレビで甲野さんの体の使い方を見ていて気づきました。

 このように教わったことがなかったのですが、教え方としては『肩関節内旋・前腕回内の構えは、肩を内転させることによって広背筋を使うことになり、背中から手に体重移動ができる、つまりタッチの刺激を体幹からの体重移動によって調節できる』、というようになります。

 次の生活の木の講座から、これを繰り返し教えていきたいと思います。

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2008年5月 1日 (木)

“後期高齢者”緑の羽根募金を断る

 あるお客様からうかがったお話です。

 毎年町内の自治会で緑の羽根募金を集めていますが、今年はそれを断る人が増えたのだそうです。

 新制度に移行して以来、出費には今まで以上に慎重な選択を迫られているのが“後期高齢者”の現実です。

 「募金が必要なのはこっちのほうだ!」と言いたいのが多くの高齢者の方の率直な気持ちでしょう。

 今までは奥さんの入院している病院の行き帰りにタクシーを利用していた方が、途中でタクシーを降りて、家までの山道を歩いているという話も聞きました。

 若い頃に購入した自然に恵まれた家の、周囲の開発が計画通りに進まず、秘境に取り残されてしまったような気持ちで暮らしている方もいることと思います。

 国保の10億円を競艇に使った馬鹿者や税金を使って電車のある時間にタクシーで帰宅する不心得者は、老いの苦しみを人一倍味わうことになるはずです。不正に楽を得た者には“天網恢恢疎にして漏らさず”ということです。

 町内会の付き合いのお金が出せない苦しさ、入院費や生活費のために弱った足で山道を歩く老人の姿、それは後期高齢者医療制度がこの4月から導入されたことによって生まれた現実です。

 政府が調査するのなら、高齢者の方々が直面している不安を聞き取ってほしいと思います。

 それが過剰な反応だと言えるものなら、具体的なサポートプランを示してほしいと思います。

 何もしなくても痛みを感じている高齢者が多いことは指圧をしていて感じます。わずかな年金で、自力で生活することが苦しみでしかないと言うのであれば、未来に希望はありません。明日は我が身なのですから。

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