良い変化があればそれで良しとする
体調の悪い方ほど予約の時間より早くいらっしゃいます。
決めているわけではありませんが、できるだけお客様同士が会わないように、帰っていただくまで一人のお客様だけに集中していたいと思っています。
それは心おきなく本音を出していただける環境を作りたいということや、様々な不安や体のコンプレックスを抱えた方から受ける雰囲気に、秘密のシェルターを求めてやってきたとのだと感じずにはいられないものがあるからです。
だから十分に時間の間隔を空けて予約を入れているつもりなのですが、施術が長引いてしまい、その後のお客様が早く到着すると、顔を合わせるということもあります。
車でいらっしゃた方は、なんとなく車で待っているような暗黙のマイナールールができているのですが、歩きで来られた方は待合室で待つことになり、先に来た方が帰るまでは集中していますので、稀に遠くからいらした方を駅まで車で送る間、ポツンと待合室に取り残されることになる方もいます。
待たせるのが嫌だということと、不安や不調を推し量りながら一人に集中して施術が繰り返されるので、早く来た方には早く施術を始め、後で自分が水分を摂っていないことや施術の後の仕事が溜まっていくことで、疲れがとれにくくなっていくのがわかります。
お客様の訴えを超えた視点から体全体に施術をした上で、さらに良くなるのではないかという要求に答えようとすると、どうしても予定の時間で収めることが厳しくなってきます。
次の予約がある時は、全身を施術して良い変化があればそれで良しとすればいいのですが、つい調子にのって自分の体を取り戻すための時間を削ってしまいます。
施術の質を維持し、最後の施術まで頭が働くようにしておくには、どうしてもリフレッシュする時間が必要です。
それがたとえ5分でもいいのです。水分を摂り、汗を拭き、場合によっては下着を着替え、トイレを済ませる、当たり前のことなのですが、『一刻も早く!』という勢いを前に、ついメンテナンスがおろそかになって疲れを溜めてしまいます。
施術で腰が疲れてきたら、仰臥位に寝て体を伸ばすだけでもそれまでの疲労の蓄積が軽くなります。これは単純ですが、疲労回復に効果があります。
タッチの効果は施術の終わりが終わりではなく、その後2~3日は血行が改善され、姿勢が矯正されたことによって体調を整えていきます。またそうでないものは効果的なタッチではないということです。
だから『もの足りないくらいで終える』、やりきってしまった感があればそれは『やり過ぎ』で、体を疲れさせているのかもしれないのです。
わかってはいるのですが、『もっともっと!』という要求には、効果の実感と期待があるわけで、悩ましいところです。
看板を出さずに、いいスープが出来た時には骨をぶら下げて営業中をしらせるラーメン屋さんがありますが、時々無理をした夕方は『骨をしまいたい』と思っています。
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