視線を断つマッサージの常識が通じなかったこと
初めて施術をする方には、体の状態を把握するための様々な“調子合わせ”が必要です。
視診・問診・触診をしても、施術中にわかることがあるのが常です。
40代女性、主訴は肩こりです。
指圧をしていくと、猫背による左肩甲挙筋の痛みと、腰椎前弯のための左腰痛が浮き上がってきました。
仰臥位に移り、ガーゼで目を覆いました。
視線を合わせないためにタオルなどで目を覆うことは、セラピストの常識です。当然のマナーとして、何ら疑いを持ったことがありませんでした。
この女性はガーゼをずらして、「わたし、“閉所”だから…」と仰いました。
少し考えて、それは“閉所恐怖症”のことだとわかりました。
その後、仰臥位の指圧ではよく眠り、全身指圧を終えました。
左肩甲挙筋を圧すと痛みは残るものの、全身がゆるんでいます。
今までその部位ばかりゴリゴリ圧されるマッサージを受けてきて悪くしたようでもあるので、今回は筋肉の疲労を考えてここまでとしました。
それにしても、です。
視線を断つ当然のマナーだと思っていた“目隠しのガーゼ”が通用しない方がいるとは思ってもみませんでした。
そういえば、たまにガーゼをずらす方はいます。
神経質だと印象を受ける方の中には、“目隠し”を不快に感じる方がいるようです。
初めてわかりました。このマッサージの常識が、全ての方に通用すると思っていてはいけません。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 70代女性、背中と腰の痛み→単純に腹囲増、太った。(2022.08.09)
- 猛暑復活は朝から。(2022.08.08)
- 朝は小雨の日曜日。(2022.08.07)
- 80代男性、主訴は肩と腰の痛み、胸椎後弯増強。(2022.08.06)
- むくみの指圧、腎と耳の関連。(2022.08.05)
コメント