中医学でもタッチが中心にある
中国での治療を歴史的に見ていくと、北方は灸、南方は鍼、東方は砭石(へんせき=とがった石針でツボを叩く)、西方は薬草、そして中央は導引・按摩が発達しました。
寒い北方で温熱を利用する灸が発達し、日焼けする南方で肌の接地面積の狭い鍼が発達したのは自然なことだと感じます。
東方で鍼と按摩の中間の砭石が広がり、緑豊かな西方で薬草治療が発展したのも頷けます。
中央で広まった導引・按摩は、東西南北全ての地方に影響しています。
腹診・脈診という技術は患部を探るのに欠かせないもので、タッチの技術は全ての治療法に取り入れられています。
私は鍼灸でできることはタッチでできると感じていますし、鍼灸でできないことがタッチでできることは、鍼の先生のお話を聞く機会もあって、間違いないと思っています。
鍼をやりたい人は鍼を看板の最初に掲げ、指圧をやりたい人は指圧を最初に掲げるものです。
鍼の先生のツボ重視の考え方や、理学療法の先生の筋や骨に対する考え方は、『よくそこまで割り切れるな』と感心することがあります。
理屈で割り切れないものを拾うのがタッチだと思います。
だから治療法の中心にあって、他の治療法を補える、また基本となるのだと思います。
もしタッチで行き詰って、鍼や灸の資格を取らなければと考えている人がいるとしたら、それはまだタッチについて知らないのだと思います。
もちろん鍼や灸の有効性が必要であったり、資格を持つことの経済的なメリットや、好きであるという理由があるのなら、それはいいでしょう。
でもタッチが好きで、鍼や灸が好きでないとしたら、もう少し努力してみてください。
タッチはとても難しいことです。上手な人のタッチを言葉で表すのも、とても難しいことです。二つの方法があれば、面倒臭いほうを選んでやるのが良いタッチです。中医学の中心もタッチです。
参考:学研『図説:東洋医学』山田光胤・代田文彦著 企画・構成はやし浩司
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