足の感覚麻痺のポイントが下腿にあるケース
糖尿病と閉塞性動脈硬化症で足の感覚が鈍いという60代の男性、前回の指圧でポイントが長母指屈筋にありそうだということがわかってきました。
長母指屈筋は腓骨下3分の2から始まり第1趾末節骨基部に停止します。
長母指屈筋は、腓腹筋とその下のヒラメ筋、さらに後脛骨筋を斜め横から押し上げてとらえないと到達できない筋肉です。
上から垂直にとらえたのでは腓腹筋やヒラメ筋に対する施術になってしまいます。
「下腿は痛いので強く圧してはいけない」と刷り込まれてきているので、今まで見逃していたのが長母指屈筋です。
足底に伸びる腱の部分は、リフレクソロジーでも長母指屈筋の施術をすることになりますが、どうやらポイントは下腿の筋肉部分にあったようです。
大きな筋肉を押し上げて長母指屈筋をとらえると、硬いベルトのような感触があります。
そこをとらえた時点で足の第1趾は屈曲し、ポイントにあたっていることが確認できます。
クライアントの感覚とも一致し、痛い施術になってしまいましたが、施術後は足底の着地感がよくわかるようになったということです。
神経の麻痺に対しては強い刺激や長時間の刺激は禁物なので、次回に様子を聞いて圧の調整をしようと思っています。
セラピストの技術の向上は、クライアントとの出会いから始まります。
訴えに対して聞く耳を持ち、症状を想像し、下調べをして、次回の施術に備えます。
健康なセラピストなら未知の感覚ばかりです。簡単ではありませんが、困っている人がいたら、一生懸命考えてタッチの工夫をし、良い結果を喜んでもらえたなら、またそれがやりがいになります。
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