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2008年11月30日 (日)

前腕・指伸筋の痛みが上腕二頭筋下部に移行したケース

 肘に近い、右前腕外側・指伸筋の痛みを訴える30代の女性、整形外科では「腱鞘炎ではないか」と言われたそうですが、そんな感じはしません。

 この時期、印刷の仕事は年末進行で忙しく、ハサミを使って切り抜く作業が多いとのことです。

 指圧でいうところの前腕外側1点目の指伸筋に強い痛みがあります。指伸筋を手首の方向に圧していくと2点目、3点目、と示指と中指が伸びるので、橈骨神経の麻痺などはないと思っていいでしょう。

 また肘の橈側、大腸経の『曲池』にも圧痛があります。

 伏臥位では右背部の上部広背筋と肩甲下部脊柱起立筋に頑固なこりがあります。右腕内転・内旋、体幹右側屈の姿勢でハサミを使っていたようです。

 今までは少し安静にすれば治っていた症状だということです。30代といっても筋肉の衰え、体力の衰えはあるでしょう。また年齢的に女性ホルモンがピークであれば、筋肉を維持することは大変です。

 全身指圧後、右肘周囲にローズマリー・シネオール+スイートアーモンドオイル(濃度1%)でアロマオイルマッサージをしました。

 この時すでに、指伸筋の痛みと『曲池』の痛みはほとんどなくなっていました。

 母指軽擦で探っていくと、肘を越えて上腕二頭筋の痛みが浮き上がってきました。

 腱というよりも、力こぶの山の中腹くらいまでの筋肉に痛みが集中しています。

 『肘を曲げていたこと!』、ここまできて、痛みの原因が明らかになってきました。

 ハサミを使うたびに、曲げていた肘に力が加わり、上腕二頭筋下部が等尺性収縮のような運動を続けていたわけです。

 母指軽擦から強擦に変え、上腕二頭筋の老廃物を流す意識でオイルマッサージをすると、5分もかからずに痛みは消失しました。

 全身指圧をしているのでオイルマッサージの効果が短時間で発揮されたということは間違いありません。

 ローズマリーが浸透し、時間をかけてさらに筋肉痛を和らげてくれることでしょう。

 クライアントの主訴や病院での治療を参考に施術をしていいのですが、それだけでは今回のように上腕二頭筋の痛みを見つけることはできません。

 指圧で主訴の部位は治療され、痛みが上部に移っていったと考えることもできます。

 ①『言われないとやらない』、②『言われたことをやる』、③『主訴の部位から周囲まで広く探ってすべてゆるめる』、私は③ができるセラピストが増えてほしいと思います。

 ③の施術ができるようになるには、“フワッと触れて感触を確かめる”しかないと思います。

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2008年11月29日 (土)

命は神経でできている

 脳・脊髄の中枢神経は頭蓋骨と脊柱に守られ、そこから末梢神経が伸びて生命活動に必要な動きを可能としています。

 中枢という中心が守られている人間は、命を維持するため、本能的に“守りに入る”傾向があるのではないかと思います。

 そのひとつが『依存』ではないでしょうか。

 依存には、お酒や麻薬など“モノへの依存”と“ヒトへの依存”があると思います。

 おそらくヒトへの依存が満たされていればモノへの依存は減ります。

 しかし、ストレスの多くは人間関係にあると言ってもいいと思います。

 先日、職場が老人病棟から内科に変わったばかりの30代の女性が指圧にいらっしゃいました。

 以前より筋肉の硬さはありませんが、ひどく背中が曲がっています。

 入院中の患者さんを抱き起こし、抱きかかえる機会が減ったのですが、夜勤が始まりました。

 新しい環境にまだ慣れていないようで、『小さな力ですむことを、抱き起こすような力を使っていたのではないか』と申し上げると、うなづいていました。

 筋肉はあまり疲れていないのに、その筋肉を使う神経が疲れていると感じました。

 精神的なストレスもあると思います。彼女は老人病棟の勤務が大好きでした。

 全身指圧を終えると、よく眠り目覚めた夜勤明けの彼女は、本格的に眠るために帰っていきました。

 「下半身ももっと痩せてくると思いますよ」、帰り際にそう声をかけるとニコッと笑いました。彼女は努力して健康的に体重を落としています。

 もし私のタッチに依存できているなら無理のない依存だと思います。

 脳脊髄の形はみんな同じ“オタマジャクシ”あるいは“勾玉(マガタマ)”。

 そこに到達するようなタッチ、プライドを傷つけることのない施術でありたいと思います。

 肉体から神経に触れて感じるのは、どの命も繊細であるということにおいて平等だということです。

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2008年11月28日 (金)

“即効冷え解消” 足趾の趾紋部で体重を支える

 次回の生活の木の講座のテーマは『即効冷え解消』です。

 末梢の冷えは動脈血の血行不良なので、爪先立って足趾(あしゆび)で体重を支えることで下肢全体の筋肉を使うことになり、ポンプの力で血液循環が促進されます。

 これは指圧の時に手指が温かくなるのと同じことです。

 肘を伸ばし手関節背屈、指節関節伸展で指紋部を使う指圧の構えは、爪先立ちのようなものです。

 爪先立ちをすると、膝をしっかりと伸展させることで大腿四頭筋を使い、踵を上げることでふくらはぎの筋肉を使います。

 縄跳びもこの形になりますが、立位で爪先立ってから“前のめり”になると、より足趾の趾紋部に体重が乗ります。

 講座では仰臥位で、立位で爪先立ったような抵抗をかけた趾紋部の指圧をしようと思っています。

 普段は爪先でしっかりと地面を蹴らずに母趾球、小趾球で地面を蹴って歩いている人が多いと思います。

 爪先で蹴る時に伸び上がるように体重を乗せて歩くと、ふくらはぎが張ってきます。

 エクササイズとしては強い運動になると思うので、足がつりそうに感じたら無理をしないようにします。

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2008年11月27日 (木)

ウッドリチュアル

 『ウッドリチュアル』、今日の新聞で見つけた箱根のホテルにあるスパのコンセプトです。

 造語だと思いますが、(言いたいことはわかりますが)、う~ん…。

 企業が差別化をはかるのは大変なことなのだなと思いました。

 『ウッドマテリアルを使って…』ともあります。

 おそらくウッドリチュアルは“森林セラピー+スピリチャル”、あるいは“木の持つスピリチャル”ということで、ウッディな精油を使ったトリートメントをするのでしょう。

 木の棒がウッドマテリアルであったりすると面白いのですが。

 スギの棒を使ったマッサージで、花粉症が治るとか…。

 セラピストが変わればタッチから受けるイメージは違ってきますが、“良いタッチ”というものはあまり変わらないものです。

 コンセプトは、そこに集まるセラピストの最大公約数的な“マニュアル”に反映することはできますが、それを良いタッチにできるまで自分のものとして昇華できるセラピストは数少ないと思います。

 『ウッドリチュアル』、ひとりでもそのコンセプトをキャッチフレーズとして続けていくセラピストがいてほしいものです。

 ポピュラーな言葉になりそうな感じを受けず、言葉の響きとして、もたついた印象を受けました。

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2008年11月26日 (水)

暖かい日でも寒がる~体の奥に入り込んだ風邪~

 『前日に商工会のイベントに出店し、椅子に座って“からみ餅”用の大根の皮剥きをしていた』という70代の男性、玄関を上がるなりしきりに寒がります。

 朝から暖かい一日でしたが、その男性は『今日は朝から寒い』と感じています。

 イベントの日は寒く、イベント終了後の飲み会まで車のエンジンをかけ暖房にして休んでいたということです。もうこの時点で風邪のひき始めの感じがします。

 主訴は腰痛です。椅子に座って慣れない大根の皮剥きを数十本もしていれば、腰も腕も疲れます。

 背中から腰の筋肉が指圧で緩むと「背中がゾクゾクする」ということなので、暖房の温度上げ、足元に赤外線ヒーターをあてました。

 指圧で筋肉が緩むのと、鎮痛解熱薬で筋肉が緩む原理は同じです。

 血行が良くなって末梢毛細血管が拡張し、筋肉の炎症による熱が発散します。

 手足の冷えや額の熱は感じませんでしたが、おなかに冷えがありました。

 全身指圧後、頬が紅潮していますが、まだ寒がり、少し足元がふらつきます。

 脳梗塞や大動脈瘤のようなものが検査で見つかったことはないということです。

 やはり風邪が表証の時期を過ぎ、かなり奥まで侵入している感触です。

 前回の風邪でも下痢をして治るまで20日間かかったということですから、今回もおなかの冷えからすると胃腸症状が出るかもしれません。

 高い熱が出る前兆のような症状なのですが、年齢からして高熱が出るほどの体力がないということもあります。

 指圧の後「明日点滴に行ってくる」と言って帰っていかれました。

 「良くならなくてすみません」と申し上げると、「いや、疲れ過ぎだ…」と、本当に疲れた足取りで玄関を出て行かれました。

 ゾクゾクッとする引き始めのまだ表証にある風邪には指圧はよく効くものです。インフルエンザでなければ良いのですが…。

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2008年11月25日 (火)

左肩痛がなかなか治らないケース

 60代女性、「半年くらい前から左手で髪をいじったり、洗濯物を抱えたりする時に左肩に痛みがある」ということです。

 左肩甲骨上の棘下筋を圧して痛みがありますが、左肩の前方挙上は180°可能で、外旋の時だけ痛むようです。

 左棘下筋自体は通常のこりで、特別しつこい小硬結がいくつもあるわけではありません。

 小円筋にもさほどの硬さはないので、すると腱板損傷のようなものが疑われます。

 肩の周囲の筋肉の腱が集まって肩関節を包む腱板の付近に傷があるか、石灰化した老廃物の沈着がしつこいということも考えられます。

 右利きで筋肉の硬さは右のほうに感じるのですが、痛みは左肩にあります。

 左で肘枕をしてテレビを見る習慣や、“使わない”ということが左肩痛を長引かせているということもあります。

 それにしても、そういったケースで前方挙上で痛みがないということは今までありませんでした。

 本当にごく小さな傷なのだろうと思うのですが、私のイメージができていないからか、捉えた感じのタッチというものがまだないように思います。

 角度とか深さを変えたり、1ミリずらしたり、圧しながら関節運動をしたりと、いろいろやってはいます。

 実は手技療法で緩和する痛みは、全てこのような試行錯誤の結果です。

 治るものもあり、手強いものもあり、セラピストが治すことも、セラピストが痛めつけることも、時間が治すことも、クライアント自身の体に備わった力が治すこともあります。

 いずれにしてもクライアント自身のケアが症状の緩和には大きくかかわってきます。

 それでもストレッチ不足や肘枕のせいにはしたくありません。“これか!”という原因へ到達したようなタッチの後の、クライアントと秘密を共有したような感覚、あれはなかなか良いモノです。

 “病院でなければ”という状態に悪化しているわけではないので、何とか痛みをゆるめたいと思っています。

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2008年11月24日 (月)

幻肢痛…切断面付近で神経線維が再生し続けていると考えると…

 糖尿病から下肢閉塞性動脈硬化症が併発し、壊疽で左4・5趾を失った男性の主訴が、風呂に足をつけるときなどに『足の感覚がないこと』に変わってきました。

 熱さや痛さの感覚がなければ、火傷や怪我に気づかないおそれがあります。

 以前は坐骨神経に沿って臀部から症状があったのですが、2年間毎週1回指圧を続けた今は、ふくらはぎまでの感覚が戻ってきています。

 足先に冷えはなく、指圧後、足底にローラーを転がしてみるとはっきりとした感覚があるので、血行が良い状態が続けば足の感覚にも違和感がなくなってくるだろうと思っています。

 神経線維や毛細血管は再生します。しかし傷口や切断面では渦巻き状になるなどして、以前より感覚が過敏になることがあります。

 この男性の下肢の神経線維や毛細血管は、足趾の切断や動脈硬化によって、いくつもの断線があったのだろうと思います。

 それが無理なく時間をかけて再生しているのでしょう。

 そこで幻肢痛についても、次のように考えてみました。

 『切断面より先へ元の形を再生しようとして神経線維は伸び続けるので、肉体の終点に到達した神経の指令は、渦巻き状の神経線維の長さの分だけ失った先端の感覚となっている』

 これは施術を通して得た考え方ですが、すでに定説となっているようでしたら勉強不足で申し訳ありません。

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2008年11月23日 (日)

短時間の施術でもクイックなタッチではいけない

 昨日肝に銘じたこと。『丁寧なタッチでないと、すぐにわかってしまう!』

 御家族を車で指圧に連れてきて、今回自分は指圧を受けないつもりだった女性。次の予約がなかったので、「せっかく来たのだから少し指圧しておきましょうか?」と勧めてみました。

 昼前の中途半端な時間だったので、「では背中を…」ということで指圧を始めました。

 滅多にやらない短時間の指圧の上、特に時間も決めていなかったので、料金は頂かなくても…くらいのつもりで始めました。

 指圧では通常圧法1点3秒を肩甲下部ならば10点×3回というのが基本です。しかも左右両側同時に圧すということは基本ではしません。

 オーダーは『背中』なので、仰臥位で腰までは基本指圧のような施術をしました。

 そして臀部。“下半身はそこそこで…”的な考えはズバリ伝わってしまいました。

 重要ポイントなのでいつもは片側ずつ丁寧に圧す中殿筋を左右両側同時に母指圧すると、「イタイッ…」という小さな呻きが洩れます。

 斜め左側にスタンスをして両側を斜めに指立て伏せするようなものなので、自分でも『ろくでもないなぁ…』と思った瞬間の呻き声でした。

 『バレタ!ゴマカセナイ!ン~ムッ…』

 『“シェフのおまかせコース”のみ、しかし素材が違うわけだから毎回同じ施術はない』などと思っていましたが大間違いでした。

 お客様の舌は料理とともに確実に繊細な味覚を研ぎ澄ましてきたわけです。

 味が落ちればすぐにわかるということです。

 “セラピストとクライアントが作るおまかせコース”と思っていなければいけません。

 短時間の施術であっても、クイックなタッチをしてしまっては、私の仕事ではないということがよくわかりました。

 『クイックマッサージでもクイックなタッチでいいわけがない』、これは頭ではわかっていても実際にはタッチを流してしまいがちなので、今まで短い時間の施術を避けてきました。

 でもよくわかりました。スジを通しましょう。短時間でも丁寧なタッチだけをします。×3を×1にしても、全身施術に近づけることが私の“クイック”です。

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2008年11月22日 (土)

左右反転鏡が売り切れていたこと

 マスコミで取り上げられた“左右反転鏡”が、先日池袋の東急ハンズで在庫切れになっていました。

 “他人に見られている自分の顔を知りたい”というニーズが多かったということでしょう。

 普通の鏡に映る自分の姿こそ反転像で、客観的ではないわけです。

 それでも昔から、鏡や水面に映る自分の反転像をもとに身だしなみを整えてきました。

 自分の姿を客観的に見るというのは、とても良いことだと思います。

 反転鏡では角度によって見落としがちな顔の細部の肌荒れなどに気づくことがあると思います。

 普通われわれは従来の鏡の中に主観的な自分の姿を見ていますが、他人はリバースの姿を認識しています。

 そこにギャップが大きいほど、反転鏡が役立ちます。

 像を結ぶ以前の実体としての自分がいて、従来の鏡の反転像があって、反転鏡に映る他人から見た自分像があります。

 ややこしくなりましたが、健康もそうですし、治療や施術にも実体と主観と客観の多角的な見方ができたほうがより良いと言えます。

 自分を知りたいと思った人が多かったのでしょう。左右反転鏡が売り切れで、悪い気はしませんでした。

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2008年11月21日 (金)

ウォーキングでサル発見!

 今朝ウオーキング中、6時48分頃、電柱を見上げている御夫婦がいて、その視線の先にはサルがいました。

 サルは素早い動きで電柱から霊園の塀づたいに北の方角に移動し、それから姿は見えなくなりました。おそらく若いニホンザルです。

 今日この町ではあちこちでサルの騒ぎが起きるでしょうか?もうすぐ登校時間です。

 サルの姿が消えてから、しばらくは森のカラスが騒いだり、近所の犬が鳴きたてたりしていました。今は静かです。

 そういえば2年ほど前に指圧の常連さんのお宅の2階にサルが入ってきて、警察による捕獲作戦が繰り広げられたという話を聞いたことがありました。捕獲はならなかったということですが…。

 私は朝のウォーキングでタヌキとキツネに出会ったことがありますが、サルは初めてです。

 この近くで野生のサルの話を聞いたこともありません。一緒に目撃した男性も、「何十年も歩いているけど、サルは初めて見た」と言っていました。

 日の出が遅くなって、冬が始まり、野生動物の行動にも変化が現れたようです。寒くなると“魍魎(もうりょう)”でさえもルーズになって、人間の時間にズレ込んで来るような気がしています。

 山にエサがなくなって、高尾や秩父から遠征してきたサルなのかもしれません。

 渋谷にサルが出没する時代ですが、この町で騒ぎが起きるか、サルは山へ帰って行ったか?

 ちょっと心配ですが、まだ大騒ぎをするわけにもいかず、あまり人目につかずに山へ帰って行ってほしいと思っています。

 

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2008年11月20日 (木)

鼡径ヘルニア手術後4ヶ月、体力の回復。

 鼡径ヘルニアの手術後1ヶ月では指圧をした時に筋力の衰えを感じた30代の男性、主訴は背中の痛みです。

 肩甲下部で腰椎よりは上、両側の強い痛みに始めは腎臓結石や急性膵炎の可能性も考えましたが、軽い刺激の指圧をしていくにつれておなかが鳴り出し痛みも軽減していきました。

 仰臥位の施術中はほとんど眠り、最後に椅子に座ってもらって背中を圧してみると、ほとんど硬さはなくなっていました。

 身長が高いので、背中を丸めて建築関係の仕事をしているために、筋肉の限界を超えて起きた背部の痛みのようです。

 両上腕二頭筋の硬さからも、背中を曲げながら重たい物を持っているのでしょう。仕事特有の筋肉の使い方なのだと思います。

 よく体力が回復したものです。前回の指圧では下半身の筋肉が特に弱くなっていることを指摘していました。

 帰る時に、「頑張って仕事しているんだね、体はそれほど悪くないみたいだよ」と言うと、とても嬉しそうでした。

 5針縫ったという手術から4ヶ月、しかしいまだに下腹部が痛むこともあるようです。

 それでも体にはたくましい仕事の筋肉がついていました。プロフェッショナルな仕事特有の筋肉です。

 体が回復する、素晴らしく素敵なことです。

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2008年11月19日 (水)

ダメ押しをしない~もうひとつ押し込んでいることに気づく~

 指圧は“肘を伸ばした指立て伏せ”のようなものです。

 『肘を曲げてから伸ばす指立て伏せ』をしていては、“もうひとつ押し込んでいる不快感”を与えます。

 相撲で土俵を割った力士にさらに激しい突き押しをするようなものです。

 毎朝指立て伏せをしていて感じるのは、曲げた肘を伸ばしていく時に圧の制御はできないということです。

 肘が伸展していく時に母指の指紋部には体重を支える急激な力が加わります。

 また、肘を曲げたまま母指圧をしている人を見ると、体重移動が伝わらないので指力を使っているのがわかります。

 中手指節関節を突き出して手掌の位置が高くなっているフォームができていなければ、手指が安定しないので上滑りした斜めの圧になりがちです。すると筋肉を捻るので効果が無い上に揉み返しが起こります。

 指力を使うと適量刺激で止めることができません。ダメ押しを出していることになります。

 肘を伸ばした体重移動の指圧でさえもダメ押しをしてしまうことがあります。

 思ったよりも押し込む必要はないのです。

 そのことを指摘されたのは指圧を習い始めた頃ですが、実際に納得でき、施術に反映できるようになるまでには何年もかかりました。

 優れた感覚の受け手に教えられなければ、なかなかわかるものではありません。

 優れたタッチに出会えていなければ優れたタッチにたどり着くのは難しいことですが、優れた受け手に育てられる機会はどのセラピストにもあります。

 ほとんどの人は思ったよりも押し込んでいます。“ダメ押し”を指摘されたら、せっかくちょうど良い刺激だったのに蛇足をつけて台無しにしてしまっていたということです。

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2008年11月18日 (火)

右2趾から5趾のしびれ

 右2趾から5趾にしびれがある60代の女性、足が内反・背屈気味です。

 右足趾を牽引気味に指圧すると、1趾以外に痛みがあります。

 足関節内反・背屈の上、足趾の伸展で痛みがあり、2趾から5趾の範囲なので『長指伸筋(深腓骨神経)』の問題が一番大きいだろうと考えました。

 腰から下肢後側の坐骨神経に沿った痛みがなかったことも、下腿前側から足趾前側にかけての問題と考えた根拠になります。

 この一週間くらい右を下にして横向きに寝ていたということで、これは右足を内反させ、前側の外側を刺激することになりやすい姿勢です。

 圧迫により足関節もやや背屈気味に固定されていたかもしれません。

 肘枕をしていたようで、同様に右手指にもしびれがあります。

 右足の甲を横に広げ中足骨の間隔を広げるように指圧し、足関節の底屈・外反のストレッチ、足趾の屈曲のストレッチをしていきます。

 支配神経が深腓骨神経なので、下腿の前脛骨筋で“足三里”の周囲は念入りに緩めておきます。

 股関節のストレッチ、下肢牽引挙上伸展のストレッチなどで下肢全体の可動性も高めておきます。

 施術後、右足趾と右手指のしびれはなくなりました。

 横向きの寝る姿勢の影響が大きかったようですが、右足の内反・背屈癖は以前からあったと思います。

 歩行では右母趾が浮いた着地をしているのかもしれません。

 足趾全部を使って大地をつかまえる意識が必要です。足趾をしっかりと使えるようになれば、冷えやむくみも軽くなります。

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2008年11月17日 (月)

効果の無かった酸素ボックスから思うこと

 初めて行った温泉施設に座って入る形の酸素ボックスがあって、アロマ効果も謳っていたので試してみました。

 結果、『酸素が濃いとは思えない。精油を入れ忘れたのではないか?』と思いました。

 ライトがピンク、緑などいくつかの色に変わり、それがカラーセラピーを意識したものなのでしょうが、ミスト立ち込める中で雑誌を持って入ることを勧められたのを考えても意味がわかりません。

 手に持った雑誌の読みにくい、残念な15分間でした。

 ミストサウナのレモンの香りがどこの温泉施設よりも良かっただけに期待はずれでした。

 たぶん、そのスタッフは酸素ボックスに入ったことがなかったのでしょう。あったとしても自分の感覚で捉えてはいないと思います。

 今朝は素敵な霧に包まれてウォーキングをしてきました。酸素の濃さも木々のアロマも際立っていました。

 毎朝酸素に包まれて歩いている上に、アロマのミストを焚いて腹式呼吸で指圧をしているので、酸素は十分なのかもしれません。

 立派で高価な酸素カプセルでも、この体にはさほど訴えてくる感じはしないかもしれません。

 それにしても、せめて精油の種類がわかるくらいのミストでないと、アロマ効果を謳うのはどうかと思いました。

 「精油は入れてあるはずです」と言うスタッフに、『じゃあ何パーセントなんだ?』とよっぽど聞こうかと思いましたが、答えられるほど知らなそうなのでやめました。

 まず自分の感覚でどうなのか、他人に勧めるならば検証しておかなければいけません。

 ライトの色が数十秒で変わり、霧が立ち込める中で雑誌を勧めるのがマニュアルならば改めなければいけません(ライトは消せますが、消せば雑誌はなおさら要りません)。

 『森を歩く>酸素ボックス』と感じさせるようなことを平気でやっていてはいけないなぁと思いました。

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2008年11月16日 (日)

耳鳴りが消えた指圧のあと…

 先週、指圧で耳鳴りが消えた女性のお話し。

 右手三里のこりから便秘かと尋ねるとその通りだということでしたが、帰りの車の途中で便意を催して快便であったということでした。

 「これだけは先生に話しておかなきゃと思って…」とそれに続いて話してくれたのは、「いつになくおなかが空いて、ご飯の味をとても美味しく感じました。目もハッキリと見えて…」ということです。

 いつも言うことですが、指圧の最終的な目標はホルモンの分泌と内臓の働きを活発にすることです。

 全身の筋肉のストレッチと骨格の矯正までの意識では十分ではありません。

 顎の周囲の指圧は唾液腺を刺激し、前頚部の指圧は迷走神経を刺激して心臓と胃腸の働きを活発にします。

 今まで体の全身的なメンテナンスをしたことがない方には、味覚や嗅覚や視覚などの感覚器系に顕著な効果が現れるようです。

 聴覚症状の耳鳴りを触圧覚刺激で施術して、他の感覚に改善がみられるのは面白いことです。

 しかし、耳鳴りが止んでいたのは火曜日までで、どうやら畑仕事で腕から背中までの筋肉が硬くなって、また耳鳴りが始まったようです。

 指圧後、また耳鳴りは治まりました。体を使い過ぎず、血流が良ければ起きることのない耳鳴りのようです。

 加齢によって、人間には必ず無理ができなくなる日がやってきます。指圧を通して耳鳴りの原因と対処法を考えてみることで、体との付き合い方を見直す機会になったのではないでしょうか。

 

 

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2008年11月15日 (土)

「駅の階段で意識を失う」 脳貧血と背中の曲がり

 「池袋駅のホームから階段を降りている途中で意識を失い、気がついたら階段の下でうずくまっていた」、昨日指圧を受けに来た60代の女性に起きた、数日前の出来事です。

 背中がひどく曲がっています。

 仕事が終わってから出かけた時のことなので、その時もひどく背中が曲がっていたと思います。

 猫背で足元を見て階段を降りる時、頚動脈と椎骨動脈も折れ曲がっています。脳への血液供給不足で数秒間、脳貧血(一過性脳虚血)の状態になったのだと思います。

 幸い階段を3段残したくらいから意識がないということなので、怪我もなく、その後の用事も済ますことができたということです。

 誰かが駆け寄って助ける間もないような短い時間の出来事のようです。

 遠近両用眼鏡をかけているので、これも視覚から体のふらつきを誘うことがあります。

 降圧薬を服用していることで、血圧が下がり過ぎていたということもあるかもしれません。

 また低血糖になっていたということもあったかもしれません。

 ここでできることは背中を伸ばし、頚から脳への血流を改善することです。

 閉経以後で背中がひどく曲がっている場合、骨粗鬆症を考えて軽い刺激で時間をかけて背中を伸ばす必要があります。

 背中が曲がりやすい、しかし指圧で矯正できるという時は、骨が脆くなっていると思っていなければ危険です。衝撃的な刺激を与えてはいけません。

 指圧をしていくと、いつもはない腰の張りと下肢の硬さ、そしてふくらはぎのむくみがあります。

 そのことを告げると、階段で意識を失った日から、弾性ストッキングをはき始めたということです。

 弾性ストッキングの締め付けと階段で意識を失ったこととを直接結びつけるわけにもいきませんが、現時点で弾性ストッキングは全く効果がないように思います。

 施術後、背中は伸びました。ということは骨が脆いとも言えます。

 動脈硬化もあるでしょうし、背中が丸くなれば脳への血液供給が減少します。

 病院に受診しているので主治医の先生におまかせすることが多くなります。

 ここでは背中を丁寧に軽い刺激で伸ばすことを続けていきましょう。日常生活でひどい背部痛や腰痛が起きた時、圧迫骨折も頭に入れておかなければいけません。

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2008年11月14日 (金)

『曲池』『手三里』は日本刀の刃を見るように捉える

 ツボを独立した点として捉えても手技療法本来の効果としては十分ではありません。

 筋肉のストレッチを考えるならば、ツボは線で捉えてこそ経絡の考え方にも合致します。

 前腕橈側の大腸経『曲池』『手三里』のツボを捉えるとき、私は長橈側手根伸筋の曲線を日本刀のようなイメージで見ています。

 例えば被術者の右肘を軽く曲げて、手背が外側を向くようにして手首の尺側に左手掌を添えて、肘関節から示指先端までの大腸経を一本の線で結びます。

 被術者の肘の伸展と屈曲を軽く繰り返すと長橈側手根伸筋の曲面の頂点が見えてきます。

 肘関節手前に『曲池』、そこからおよそ2寸手前を『手三里』として母指で捉えると精度が増します。

 そんなのは当たり前のことだと笑われてしまうかもしれませんが、生活の木の講座で教えてみると、神経と筋肉と経絡がわかってツボを捉えることができるという事実は高いハードルであることがわかります。

 せめてツボの点を線で結ぶとそこには筋肉の走行があるという見方はしてほしいと思っています。

 皮膚の表面の奥にある見ているようで見ていなかったものが見えるようになった時から、私には前腕橈側のラインが日本刀の刃のようにキラリと光る瞬間があります。

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2008年11月13日 (木)

“腐乱・死臭・除霊” 消臭リフォームの看板

 昨日驚いたこと…。

 関越高速を練馬で降りて目白通りを進んでいた時、“腐乱”や“死”という文字を書いた看板が目に飛び込んできました。

 渋滞で、ミステリー小説の新刊の宣伝だろうかと思ってよく見ると、“消臭リフォーム”の会社の看板でした。

 死臭、悪臭の除去、腐乱死体消臭に加えて“除霊”までを、消臭リフォームの看板には掲げてありました。

 近くに巨大団地を抱えてその住人の高齢化が話題になる地域です。

 都会の孤独死はこんな仕事を生み出したのかと愕然としました。

 そんなに前からあった看板ではないと思います。

 これもアロマテラピーの分野なのだろうか…。重たいテーマだ…、と思いながら渋滞にはまっていました。

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2008年11月12日 (水)

トータルペイン

 今朝の産経新聞で“トータルペイン”という言葉が目に留まりました。

 終末期医療の記事だったのですが、“体の痛み、心の痛み、社会的な痛み、魂の痛み”、これを合わせたものをトータルペインとしていました。

 東洋医学の“心身一如”という考え方に基づけば、タッチによって『体の痛みを緩和できれば心の痛みも緩和できる』ということになります。

 環境や学習や感性によって形成されてきた“心”には、体の健康が大きく影響します。

 一方、タッチセラピストが“社会的な痛み”や“魂(おそらく生命の根源としての共通の沸き立つような中心)の痛み”まで緩和することができるかというと、考え込んでしまいます。

 多くのケースは福祉行政や宗教家、あるいは心理の専門家に任せることになると思います。

 社会的な痛みに気づくことはよくあります。そこに踏み込むことはできないと、( )でくくって、施術の空白にしておくことはよくあります。

 それでもその( )の中に、タッチから浸透していくものがあるように感じることもあります。

 体の痛みが緩和されて心の負担が軽くなれば、魂の痛みは和らぐだろうか?

 そんな感じもするし、また、魂は生きている限り叫び続け、痛みを抱えているような感じもします。

 “トータルペイン”、そこまでは向き合ってこなかった…、と思います。

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2008年11月11日 (火)

“クララが立った!”という指圧

 「宝くじで3億円当たったら先生にあげるよ」

 右膝の手術後、自転車に乗れなかった女性が、持病の喘息の受診で医大まで自転車で往復してから指圧を受けに来て、その施術中に言われた言葉です。

 医大まで約3km、ここに来るのもタクシーかと思って、帰りは車で送っていくつもりでいました。

 前回の施術後は歩くのもかなり楽になったようです。適切なリハビリと指圧の効果、そして“言葉かけの大切さ”、何よりも人間の持つ回復する力の素晴らしさにはあらためて感慨深いものがあります。

 私にとっては毎日の当たり前の出来事なのですが、その施術に3億円の価値を見る人がいたりするわけです。(もし宝くじが当たったらの話ですが…。君子たらぬ私ですが、一応丁重にお断りしておきました。)

 絶大な効果を喜ぶ人を目の前にすると、『アルプスの少女ハイジ』の“クララが立った”シーンを思い出します。

 クララはもう歩ける状態にあったのだろうということです。

 ハイジやペーターや周りの人達の応援が心に届いた時、クララは不安を押しのけてチャレンジすることができたのです。

 タッチセラピーなので体の構造的・生理的な支障を緩和した上での心理的な支えであることが望ましいと思っていますが、不安材料を減らしてチャレンジできるようにするための対話の重要性はいつも感じています。

 この一週間でいただいたもの、お花、サツマイモ、喉が痛い人がくれたのど飴一袋(自分が舐めればいいのに…)、そして“宝くじが当たったらの3億円”。

 それぞれのストーリーに楽しませてもらっています。

 

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2008年11月10日 (月)

低気圧の時に肩こりや頭痛が起こることを陽の気の不足で説明してみましょう。

 『砂風呂遊び』で重体になった中学生は、体育座りで砂をかけられて胃の中にまで砂が入っていたそうです。これでは『砂風呂遊び』ではなく、きっと歴史で習った『屈葬』ごっこか『生贄』ごっこで、いじめだとしたらとんでもなくたちの悪いイジメです。

 さて話は変わって、昨日は空気の重たい日曜日でした。指圧を頼まれてお宅に伺う途中、車を運転しながら低気圧の時に血行が悪くなることについて考えていました。

 気圧の低い日や台風が近づいた日に頭痛や肩こりがひどくなるという方がたくさんいらっしゃいます。

 大気圧は軽い全体的な圧なので、晴れた気持ちのいい日には、体に不快な影響を受ける人はいないと思います。

 “高気圧の日は高い圧力を受けて体全体の血管がやや収縮し、血流が良い”、この状態を普通と考えると、気圧が低い日は“陽の気である大気”の影響が足りないわけです。

 “低気圧の日は気圧が足りないので血管がやや拡張し、血行が悪くなる”、これが低気圧の日に頭痛や肩こりがひどくなる人の状態であろうと思います。

 東洋医学的に言えば“陽の気の不足”が結果として陰の気を増加させていることになります。

 説明がくどいかもしれませんが、晴れた気持ちのいい高気圧の日は“陽の”気圧の影響で血流が良いので頭痛や肩こりが悪化しにくく、低気圧の日は“陽の”気圧が足りない状態なので、血の停滞によって頭痛や肩こりが悪化します。

 どなたか低気圧頭痛の人が来たら、もう少し練っておくので説明に使ってみようと思います。

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2008年11月 9日 (日)

『砂風呂遊びで中2男子重体』のニュース

 『砂風呂遊びで中2男子重体』というニュースを今朝知りました。

 クラブ活動の後だということなので、水分が足りなくなっていたところに砂の重さの圧迫を受け、砂から出た時に血栓か塞栓が脳の血管(あるいは肺か心臓)を塞いだということがあったのかもしれません。

 エコノミークラス症候群が頭に浮かびましたが、違う診断であったとしてもその直接の原因は砂の重さによる全身への圧刺激です。

 頭部顔面を除いた全身の血管が収縮していたことでしょう。

 砂場の砂なので、外気にさらされて湿っていれば重さは増します。

 四肢と体幹に、数人で同時に強い圧刺激を加え続けたようなものです。

 体の許容量を超えた刺激は心臓に負担をかけます。

 これは強圧刺激で全身施術をしてしまうことにも言えると思います。

 同じ強圧刺激の持続で済ませられるほど、人間の体は単純ではありません。

 重体になった中学生が回復することをお祈りいたします。

 これが砂風呂廃止につながらないといいのですが…。

 以前、指圧ゴッコというのが流行った時に、浪越指圧の前頚部の指圧を真似て頚を絞めてしまうという事故があり、“指圧はよくない”と弾劾する風潮があったと聞いています。

 効果があるものには理論やテクニックや適量があります。

 浪越の前頚部指圧の迷走神経への刺激と、頚を絞めるのとでは全く違います。

 コンニャクゼリーのようなことに砂風呂がならないようにと思っています。

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2008年11月 8日 (土)

「膝の手術後、自転車に乗れない」

 もうとっくに治っていることと思っていたら、右膝の手術を2ヶ月前にした60代の女性が、膝の回復が思わしくないということで指圧にいらっしゃいました。

 「朝夕の犬の散歩はできるが、自転車には乗れない」ということです。しかし、玄関を上がってくる様子に、あまり悪い印象を受けません。

 どうやら右膝を曲げていくと脛骨と大腿骨の接触によって痛みが出るようです。右大腿はひどくむくんでいます。

 下肢伸展挙上の運動をやっているかと尋ねると、「病院では朝晩40回ずつやるように言われたが、5回がやっとなのでやめてしまった」ということです。

 そして犬の散歩以外はコタツでテレビを見ているそうなので、それではリハビリが足りません。

 伏臥位で指圧をすると、左腰で椎間関節がはまる音がします。運動不足により背中の筋肉は凝り固まり、下肢はむくんでいます。特に右大腿は左と比べて二周り以上むくんでいます。

 不眠や食欲がないのも当然で、右膝の痛みの不安でリハビリ運動をやめてしまったことに問題があります。

 個別の適切なリハビリ指導さえあれば、もっと早く回復していると思います。

 外国人の先生がやっている膝の手術に特化した病院のようなのですが、後のフォローやシステムの話を聞くと何ともドライです。

 施術中、右大腿のむくみは驚くほど流れ、施術後すぐにトイレに行きました。

 90°近く膝を曲げるのは無理でも、135°からの抵抗運動はできるのでこれを数回繰り返しました。これは自転車をこぐのと同じ動作です。

 脛骨と大腿骨の接触が強くなければ痛みはでないので、下肢の牽引も有効です。

 立ち上がると、下肢のストレッチができているので膝のぶつかりが少なく、歩いてもぎこちなさはありません。

 この状態なら痛みも出にくいので、自転車をこぐこともリハビリになりそうです。

 そして大腿四頭筋を鍛えることが肝心なので、下肢伸展挙上の運動とともに膝を軽く曲げて足底で壁押しをすることも勧めてみました。

 膝のリハビリには、膝を深く曲げない“足漕ぎボート”のようなものがいいだろうなと、施術後に思いました。

 

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2008年11月 7日 (金)

筋肉との拮抗がなければ漸増圧を抑え気味にする

 昨日の日本シリーズ第5戦で、西武の中島選手が空振りをして左脇腹を痛めました。

 力一杯のスイングに抵抗するはずのボールとコンタクトできずに、腰の速い左回旋によって左脇腹の筋肉が強く過伸展されたようです。

 階段を降りる時にカラ足を踏んだ時も、予想より着地点が近いために衝撃を受けます。

 この空振りというのは、筋肉や骨にダメージを与えます。

 指圧の場合に空振りで体と接触しないということはありませんが、筋肉との拮抗がないのに大きく漸増圧をかければ、傷つくのはお客様のほうです。

 3kgの圧でよいところに自分のタイミングで15kgの圧をかけてしまえば、その衝撃は筋肉を突き抜けてお客様の体にダメージを与えます。

 ミートだけを考えてフルスイングをしないのが良いタッチです。どこでも漸増を止められる圧のかけ方をするべきです。

 そのためには施術姿勢を安定させるためにスタンスをこまめに調整し、自分の体がそれに対応できるだけの柔軟性を獲得していなければなりません。

 野球選手がバッティングフォームにする微調整は、タッチセラピストにも参考になります。

 指圧で肩を内側にしぼり過ぎれば(肩関節内旋)、三角筋前部の際に沿って肩を痛めることがあります。

 中手指節関節を突き出すことができずに、手掌が体表面に近く指を伸ばした押圧では、指の力だけで押すことになるので必ず指を痛めます。

 リラックスした状態で施術をする、施術で体の一部に力を入れ過ぎない、フルスイングをしない、どこでも止められるような圧刺激の漸増。

 中島選手がベンチへ下がった時、指圧のことを考えていました。

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2008年11月 6日 (木)

単なる施術の域を超えるモノ

 昨日の生活の木の講座で、タッチの仕事をしている生徒さんから、ある施術例をあげて、「気持ちよかったと言ってもらってたけれど、もうひとつ深い所まで届いている気がしない。どうしたらいいか?」というに内容の質問をされました。

 精油の選択は妥当で、体質を考えての施術もしていたようです。そこからさらに考えなければいけないこととは?

 まず私が施術をする時、主訴を聞いてそれを頭には入れますが、そこに結論を持っていこうとはしていません。

 体から受ける情報を拾っていきながらも、それがどこへ向かうのか、どういう答えを見つけて施術を結ぶのかは、いつもわかりません。

 “To be continued…”で終わる感じ、もっとこの先が知りたいけれど今日はここまでとするような終わり方、つまり『もの足りないくらいがちょうどいい』ということは、よく頭に入れておくといいと思います。

 触圧刺激は後々まで体を刺激することがあります。満腹中枢と同じように、満足感は時間を置いてわかるもので、もっともっとと満足感を得るまで施術をするのはやりすぎになります。

 それと、自分の普通だと思う刺激が受け手に普通の刺激ではないかもしれないと思って、常に刺激を調整しなければいけません。

 自分の技を同じタイミング、同じ強さで提供するなら、単なる施術です。

 施術中にクライアントが頭の向きを頻繁に変えたり、足をブラブラと動かしたりする時は、深い満足感がないということです。

 そもそもうつ伏せが圧迫感で不快な人もいるのです。肥満の方や心臓病や高血圧がある方なら、仰向けから緩めていくという方法もあります。

 そしてそれぞれのマイベストな状態には、陰気が少し勝っていたり、不整脈であったりということもあるのです。

 状態を変え過ぎない、自分の思う健康を押し付けない、クライアントが自分自身の力で調整する余裕、あるいはのりしろのようなものを残して施術を終えることが大切です。

 この質問を受けて、自分の経験や考え方を話している時、とても楽しい幸せな時間でした。

 単なる施術の域を超えるための壁に、たくさんのセラピストが気づき、そして悩むことだと思います。

 それがとても大切な次へのステップになります。大丈夫、気づいたら施術は進化します。

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2008年11月 5日 (水)

太極と宇宙~陰陽と対称性の破れ~

 『太極とは、“天地が分かれる以前の宇宙万物の元始”であり、そこに軽い陽気が生じて天となり、重い陰気が生じて地となった』、陰陽五行説はここから広がっていきます。

 『陰陽の二気から四季が生じ、さらにそれによって人を含めた万物が生ずる』

 太極という円の中で、陰気と陽気はどちらかが増えればどちらかが減り、拮抗を崩したり戻したりしています。

 これは『対称性の破れの理論』と似ています。

 宇宙の誕生を解明しようとする現代科学の理論と、伝統的な東洋医学の理論が同じだと感じた人は多いはずです。

 その両者のインスピレーションには、“自らの命を成した時の記憶”や、DNAに連綿と刻まれた命の記憶が関与しているのではないかと思います。

 内臓の痛みが背中に現れる背部兪穴について、今日は講座をしてきます。

 『陽が当たり、陽の経脈である背側の膀胱経に、陰である腹部の痛みが現れ、指圧によって背中の痛みがとれると、おなかの痛みが楽になる』、これが内臓反射のツボを施術することの意義です。

 デルマトームや絡脈の説明もしながら、『ツボは縦横に繋がっているので、タッチでは1点のツボ圧しにこだわるよりも、広く反応点を見つけていくことが大切である』という結論にもっていくつもりです。

 陽のツボは陰に繋がり、陰陽の考えは宇宙万物にまで広がっていきます。興味が湧いて、もっと深く知りたいというきっかけになるような講座にしたいと思います。

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2008年11月 4日 (火)

右を下にして横に寝るとガス抜きになる

 TBSテレビ日曜朝の『カラダのキモチ』で、ガス抜きについて納得したことがあります。

 それは、『ガス(おなら)は空気より軽いので、右を下にして横に寝ると上行結腸から横行結腸、下行結腸へとガスが動く』ということです。

 胃の出口である幽門が体の右寄りに向かうということからして、右を下にして横向きに寝るというのは消化機能を助ける姿勢です。

 さらに、その姿勢がガスを排出方向に動かすということは、その空圧で排便も促すことになります。

 番組の中で、背中を上に向けてお尻を高くする“ネコのポーズ”をガス抜きのポーズとして勧めていましたが、これも“ガスが軽い”ということから、わかりやすくて納得しました。

 ヨガでは仰臥位で両膝をおなかに抱え込むガス抜きのポーズが有名ですし、以前テレビで見た“おならを自在に出せるおじさん”もこのポーズでしたが、私はそれに納得するほどの効果を感じたことがありませんでした。

 前からネコのポーズのほうが私には効果があると感じていたのです。

 ガス抜きができると便通が良くなります。これは実感です。

 明確な理屈がわかって、最近では一番スッキリした説明を聞いた感じです。

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2008年11月 3日 (月)

セラピストの若々しさ 施術をすると成長ホルモンが分泌される

 “スロートレーニングが成長ホルモンを分泌させる”、先週NHKの『ためしてガッテン』で、スロートレーニングを続けているうちに、以前より健康で丈夫になったという高齢者の方々を紹介していました。

 スロートレーニングは“7秒エクササイズ”と考えればわかりやすいと思います。ゆっくりと7秒かけて体を起こす腹筋や腕立て、7秒かけてお尻を沈めていくスクワット、戻す時に7秒かけるのも筋肉に持続的な緊張が生じます。

 この時に成長ホルモンが分泌され、それは瞬発力を要する運動よりも効果的だということです。

 指圧師もアロマセラピストも若々しく、健康的で元気な人が多いのは何故か?

 それは指圧やアロマトリートメントがスロートレーニングになるからです。施術をすることで成長ホルモンが分泌されます。

 だから元気がなく暗い顔で施術をしている人は、瞬発的な力を使っているのかもしれません。

 息を吐きながら、手指の方向に体重をかけてから戻す、このゆったりとした繰り返しがスロートレーニングになるのです。

 私が生活の木の講座で皆さんに毎回お話しするのは「タッチをすることで自分も健康になるんだよ」ということです。

 自分が疲れるだけのタッチは何かが違います。

 自分を擦り減らすだけなら、数をこなせば大変な運動量になる手技療法が、仕事として残っているわけがないと思っています。

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2008年11月 2日 (日)

効果的な指圧法 こりと圧を拮抗させてから“必ず負けてあげる”

 『強く圧しては何故いけないのか?』、何となく感じていても、もうひとつ自信がない人のために、こんな例をあげてみましょう。

 リハビリ運動の中に抵抗運動があります。例えば、『膝の手術をした患者さんの大腿四頭筋を鍛えるために、患者さんは曲げた膝を伸ばそうとし、セラピストは足底を押して押し戻そうとします。この力を拮抗させてから、セラピストが必ず負けてあげるのが抵抗運動です。最終的には膝を伸ばすようにします』

 膝を伸ばすということに負荷をかけ、それを乗り越えて膝を伸ばせたという事実は、精神的な達成感の効果もあると思っています。

 こりの指圧を抵抗運動として考えてみましょう。

 凝り固まってストレッチのできない筋肉がこりですから、そこに母指の指紋部で圧刺激を加えると、こりと母指の指紋部が拮抗する段階があります。

 拮抗する段階で静止したら、漸減圧で戻す(負けてあげる)のが指圧です。

 ストレッチをさせようとする母指圧に対してこりは抵抗します。抵抗に負けてあげて圧を抜いていくと物足りないのではと不安になるかもしれませんが、この拮抗の段階の静止があれば、抵抗運動と同じような、あるいはそれ以上の肉体的、精神的効果があるのです。

 こりと拮抗しないで押し潰そうとすれば、それは指力に頼った強圧刺激です。

 何度も何度も負けてあげると、こりだって気分がいいから油断して緩みます。こりを擬人化すればそういうことです。これが気持ちのいい刺激の効果です。

 いきなり足を踏まれたら、温厚な人でも一瞬は倍にして踏み返してやりたいと思うほどのストレスになります。

 タッチがストレスを溜めるようなものであってはいけないのです。

 クライアントに我慢をさせない、セラピストも無理をしない、抵抗を突き破ろうとすればクライアントは痛いだけだし、セラピストも指を傷めます。

 意図して負けてあげるのは、強くなければできないのです。こりをいい気分にさせながら懐柔していくということです。高度でクレバーな作戦です。

 強圧刺激をしていれば適量刺激を超えてしまいます。適量刺激のひとつの目安として、抵抗運動のような指圧を考えてみるといいと思います。

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2008年11月 1日 (土)

800食の盛り付け 上腕三頭筋痛

 大学病院の職員食堂でその日も800食の盛り付けをしてきたという60代の女性、左利きですが右上腕三頭筋の痛みが主訴です。

 背中が丸くなったことで、第3腰椎棘突起が後方に突出しています。両肩上部に肩こりがあって、胸鎖乳突筋下部の鎖骨周囲にも詰まりを感じます。

 左手で盛り付けて、右手で定食のお皿を差し出しておぼんに載せていたのでしょうか。右肘の伸展を毎日800回繰り返せば、右上腕三頭筋は疲労を積み重ねています。

 仕事で鍛えた筋肉ですが、衰えもあり、小さな断裂か小さな傷が中央部分にあるような痛がり方です。

 全身指圧の終盤、頭の指圧を「すごく気持ちいい」と仰います。

 右上腕三頭筋は、指圧でストレッチされたことによって傷が塞がれる方向に伸びたので、痛みは軽減しましたが、肘を使うことで傷口は開きます。

 2、3日は痛みが残ると思います。

 この施術で大事なことは、頭の指圧を『気持ちいい』と感じてもらったことです。

 頭のこり、目の疲れ、精神的な緊張、本人の気づかない疲れにアプローチして、それが緩んだ感覚で帰ってもらうことこそ、この施術の収穫です。

 鹿児島出身でゴーヤは子供の頃から食べていたという方で、『熟れて赤くなったゴーヤの種が甘くて美味しい』という耳寄りな情報を頂きました。手に入れば是非試してみたいと思います。

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