« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月31日 (水)

骨盤の後傾 左膝の違和感

 今日は大晦日なのですが、今予約を頂きました。指圧をして体を痛めないように、365日、毎朝トレーニングだけはしております。と書いている途中でまた予約を頂きました。

 50代の男性で、骨盤の後傾による腰椎の後弯が膝の違和感になっているのではないかという症例がありました。

 足の甲には正座の座りダコ、足底母趾球にも踏み込みによるタコがあります。

 剣道の昇段試験があるということで練習を続けているようなのですが、主訴は右肩が上がらないことと左膝の違和感です。

 肩は剣道の構えによって内転・内旋の形に固まって、かなりの猫背です。

 座位で触診すると、腰椎は後弯し、骨盤の後傾によってズボンのお尻のポケットが隠れてしまっています。

 腰椎の加齢的な変化による脊柱管狭窄症が疑われます。

 左膝を曲げ伸ばしすると、バリ、バリと抵抗があります。この時点では脛骨の軟骨が磨り減っているのだろうと考えていました。O脚でもあります。

 指圧をしていくと筋肉の質は柔軟性もあるように感じました。しかし肩の外転・外旋のストレッチやおなかを引っ込めて腰椎を前弯させるような意識を全く持ってこなかったことがわかります。

 成人病の指標となる血液検査の数値はどれも高く、かなりおなかが出ていていつギックリ腰になってもおかしくないように思いました。

 仰臥位、右上肢前方挙上のストレッチでおかしな肘の動きがありました。

 「剣道で右肘の腱が伸びってしまっている」ということで、(早く言えよ)と思いましたが、今まで指圧師に気づかせないということは相当我慢して使いつづけてきたということです(私の注意がそこまで足りていなかったとも言えます…)。

 右肩の動きは肘を曲げていさえすればほとんど前方挙上が可能です。

 施術を終えて椅子に座ってもらうと、3cmは背が高く感じます。ズボンのポケットも見えるようになって、腰椎も前弯に矯正できています。

 左足を持って膝の屈伸をすると違和感がなくなっていました。

 おそらく、左膝の違和感は腰の後弯と骨盤の後傾から大腿後側の坐骨神経を介して起こったのではないかと考えています。

 膝の軟骨や靭帯を痛めたにしては、明らかに施術後の動きがスムース過ぎます。

 本当は剣道を休むとよいのですが、反対方向のストレッチだけはしてもらうことにしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月30日 (火)

アロマテラピー用語辞典 モンモリロナイト・モンモリヨナイト

 昨日、(社)日本アロマ環境協会編集の『アロマテラピー用語辞典』が届きました。

 施術の時間が迫っていたのでパラパラと索引を参考に目を通していたら、「モンモリオナイト(緑色のクレイ(粘土))」の下に「モンモリロナイト」と「モンモリヨナイト」と書かれています。

 『えっ!こんな種類を使い分けるの!?』と思ったら、同じ物の言い方を3種類、索引に書いただけでした。

 『ここは( )でいいんじゃないの?』と思わずつっこんだ人が多いのでは…。

 アロマテラピー用語辞典に解剖生理学用語はこれほど載せなくてもいいんじゃないかなと思いもしましたが、資格取得やスクール運営を考えるとこのほうが便利なのかな…(アロマテラピー用語ではないなというものが随分含まれています)。

 じゃあオマエが編集しろと言われても困りますので、有難く¥3,500の品、使わせていただきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月29日 (月)

手足が結露するように汗で冷える

 夜、終わろうと片付け始めた頃に申し訳なさそうな声で電話をかけてきたのは40代の女性、残業が終わった時間なのでしょうか、やって来た時には手足がとても冷たく感じられました。

 主訴は右の肩こりですが、本人の口から出たようにいつもと比べてそれほど悪い感じはありません。

 一年よく働いた体に、お疲れ様の指圧です。

 かなり太目ですが筋肉もしっかりとある体質で、体はむくみを溜めています。

 革靴かブーツを履いていたのでしょうか、指圧を進めるにつれて手足からは冷たい湿り気が発散していきます。

 冬の暖房した室内や車内では意外と汗をかきます。通気性のないブーツを履いて寒い外から過剰な暖房の満員電車に乗ればサウナに入ったようなものです。

 実証で湿を溜めやすい体質では、意外と自分の汗が原因で体を冷やしてしまうものです。

 施術後、肩、腰、体全体の一年の疲れを払う儀式に満足していただいたようです。

 吸湿性にすぐれた靴下ではなかったようなので、吸湿性・速乾性の肌着や靴下を身につけるようにお勧めしました。最近は良い物ができています。

 冬に自分の汗で手足が結露したように冷えていることに気づかない人は多いのではないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月28日 (日)

過外転症候群

 60代男性、肩上部中央のツボ『肩井』が硬結し、頚から右腕にかけてしびれがあります。

 右手首橈骨動脈をとりながら右手首を後ろに引くと同時に右肩を押し下げる『肋骨-鎖骨圧迫テスト』で脈がとれるので、『肋鎖症候群』ではないと考えられます。

 同じく橈骨動脈をとりながら右腕30°外転で 頚右回旋・後屈+左回旋・後屈の『アドソンテスト』でも脈がとれるので『斜角筋症候群』や『頚肋症候群(第1肋骨上に異常な骨ができる)』でもないと考えられます。

 同じく橈骨動脈をとりながら右腕を外転させていくと90°のあたりから脈が消えました。

 これは小胸筋と鎖骨の間で神経と血管が圧迫されている『過外転症候群』であると考えられます。

 胸郭出口症候群の中でも過外転症候群は太った女性に多いと考えていたので、中肉中背の男性に発見したのは意外でした。

 慣れないパソコンワークで肩の内転・内旋姿勢を強いられることが原因であると思いました。

 座位の小胸筋のストレッチは、肘を屈曲したまま60°前方挙上して、肩甲骨に手をあてて固定してから上腕骨頭の方向に肘を押し込みます。

 小胸筋は落とした物を拾う時に前に手を伸ばす動作で働きます。

 猫背のパソコンワークは鎖骨を前下方に引っ張っているようなものです。

 大胸筋に隠れて小胸筋の症状は上っ面に触れているだけでは見落としがちですが、タッチセラピストならばこういった基本的な検査法を使えるようにしておきたいものです。

 施術後、再び座位の小胸筋のストレッチをした後には右腕外転90°を超えても脈がとれるようになりました。見た目も猫背ではなくなって「肩が広がった」と言ってくださったのですが、今度は「頚の後ろが気になる」と…。

 承知致しました。肩関節内転・内旋+肘屈曲・肩甲骨挙上で肩甲挙筋も気になるわけです。

 そう言っていただけるうちが華、オンデマンド、おんでまんど、年末大サービスでございます。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月27日 (土)

わざわざ成田から、そしてアメリカへ

 冷たい風が吹き荒れる中、わざわざ成田から指圧に来てくれた女性が「ここに来るのが楽しみで…」と施術後に微笑んで、帰っていかれました。

 もう正月中にアメリカへ帰るので、次に来るとしても春になるか、夏になるか…。

 初めて指圧をした時は体中に痛みを溜めた方でした。

 アメリカで「先生に言われたようにストレッチをしていた」ということですが、それでも前回の指圧ではむくみも痛みもひどい部類に入りました。

 今回は来た時から顎のラインもウエストもふくらはぎも細くなっていました。クリスマス休暇の2回の指圧で、彼女はたぶん何かをつかんだと思います。

 そして私も彼女の体に触れる刺激量のボリューム・スイッチができたように感じました。

 猫背で前に出た肩なので、腋から肩甲骨の中を圧す肩甲下筋の指圧はあえてはずしておきました。

 そして彼女は施術後に、肩甲下筋の硬さによってストップをかけられている肩関節の硬さを訴えました。

 もう自分の体に対して高いレベルの自覚を持っているということです。

 「力が抜けたら一人前。十年かかってもいい」と話してきた言葉が、いつのまにかそのまま彼女の口からも出るようになっていました。

彼女に肩甲下筋を圧してみせ、跳び上がるほど痛いことを確認してもらってから前から教えてあったストレッチをもっとするようにとアドバイスしました。

 まさか成田からここまで来るのを楽しみだと言われるとは思ってもいませんでした。

 自分の体を大切にしていないと感じる人には結構厳しい事を言ってしまうのですが、この時ばかりはもう少しやさしく対応してあげれば良かったかなと思いました。

 でも真剣勝負なので、新しく来た方には大体厳しい事を言ってしまいます。

 それにしてもアメリカにいて、ここの指圧以外考えていない人がいるなんて、それはとても有難いことだと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月26日 (金)

デイケアサービスの車の事故

 昨日の朝、近所で車の事故がありました。

 後ろからあおるようなエンジン音の後、車同士の追突事故が起きたようです。

 原因はわかりませんが追突したのはデイケアサービスのお迎えの車で、追突されたのは大きな怒声から夜勤明けの男性の車だということがわかりました。

 怒られていたのは白衣の若い男性で、追突した車からは同じく白衣の女性も降りてきていました。

 寒い中、サービスを受ける高齢者の方が乗っていなければいいなと思ったのですが、2階から車の“デイケア…”の文字がやっとわかるくらい離れていたので、どうだったでしょう?

 中に乗っていなくても、お迎えの時間に外に出て待っているという方を時々見かけます。30分以上は停車していたようなので、その日のサービスにも影響が出ただろうと思います。

 大規模で広範囲な業種のリストラが報道される中、福祉や畜産、タクシードラーバーには人材の募集があるようです。

 しかしどれも過酷な仕事の部類に入ります。体力的な問題や長時間労働で離職者が多い3Kと言われるような仕事は、余程の覚悟があってもなかなか続かないものです。

 あのデイケアの送迎車を運転していた男性はすごく疲れていたか、それともやむなく介護の仕事に就いたばかりの人だったか、そんなことを考えました。

 ぶつけられた男性も「夜勤明けですぐに寝たいんだ!!」と叫んでいました。

 どちらが悪いのかわかりませんが、東北なまりで叫んでいた男性の「オレはカタギじゃないんだ!!」と、ひどく虚勢を張っているように聞こえた声が、不況の証明であるように感じました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月25日 (木)

夜明けのサンタクロース

 今朝はやっと明るみ始めた時間からいつもより早くウォーキングに出かけました。

 南南東の空には27.4夜目を終えたソリのスキーのような月が、天空を目指して走っているかのように光続けていました。

 まだ魑魅魍魎と擦れ違ってもおかしくない暗さが残っていたので、『帰りのサンタクロースと出会ったりして…』などと思って歩いていると、体型はサンタでトナカイではなく黒い犬を連れたお爺さんが突然目の前に現れました。

 たぶん森の中から出て来た所なのでしょう。

 よく朝に擦れ違う方と似ていますが、違います。

 月の方向に向かって歩いていったので…、これはそこまでのお話しとして面白い方に余韻を残しておきたいと思います。

 クリスマスが過ぎると、元日から日の出はゆっくりと早くなります。

 日の入りの早いピークは11月28日で、もう日の入りは少しずつ遅くなっています。

 一陽来復という言葉の通り、冬至を過ぎればまた陽は長くなっていきます。悪い時ばかりではない、この秋からの不況も必ず好況に転じる時が来ると思っていたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月24日 (水)

生活の木オリーブスクワラン70ml¥2,940

 生活の木のオリーブスクワランを初めて購入しました。

 肌触りの良い布を撫でるような、質の良い温泉のような、サラッとしていてしかも肌と親和性があります。

 オリーブエキストラバージンオイルを顔に使うと重たい感じがしますが、それとは全く別物です。

 オリーブオイルから抽出できるのが0.2%とも、0.05%とも言われているようですが、皮脂に近い感じがあります(抽出の高い数値では0.7~0.4%低い数値では0.1%などかなりバラつきがあるようです)

 生活の木で扱うようになってからまだそれほど長くはないオリーブスクワランですが、これをキャリアオイルとしてメインに使っているアロマセラピストの方はどれくらいいるのでしょうか?

 触覚の繊細なアロマセラピストならこっそりと自分用に使いたくなるような、そんな気持ちになってしまうのは私だけでしょうか?

 オリーブスクワランは嫌な臭いもなく、精油なしで生(き)のままフェイシャルに使いたくなるようなキャリアオイルです。足のかかとや手荒れ、全身にはちょっともったいない感じがしています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月23日 (火)

信頼されてくれば次々と訴えが出てくる。

 耳鳴りの女性の主訴はその後一時的に眼圧が高くなった目に変わり、前回はそれもよくなって頭痛に変わりました。

 耳鳴りは指圧で治ったと感じていただいているようですが、眼圧を下げたのは眼科の薬が良く効いたのだと思います。

 今回の頭痛は急な冷えや気圧の低下と上肢下肢のむくみが関係していると思いました。耳や眼の症状から運動不足でもあったと思います。

 “次々と主訴が変わる”という印象を受ける方が時々いらっしゃいます。

 施術が効いているから老廃物や痛み物質が動いているということはあると思います。

 そして主訴が変わる方は体の変わる時期であるとも考えられます。

 加齢によるホルモン分泌の低下に大きなストレスが重なれば、体の恒常性は崩れます。

 形状記憶合金のように一晩寝れば回復した体が、気がつけば思うように言う事を聞かなくなっていたと自覚するのは不安です。

 対処の仕方がわからない方に、一つ一つの筋肉、一つ一つの関節の動きを確かめながら触れ合っていく時間に深まるのが信頼感です。

 “あなたの味方である”と語らずともタッチがそれを伝えられたなら、甘えにも似た感情がクライアントの方には芽生えるように思います。

 指圧では母心、マッサージではマザーズタッチという言葉があります。

 次々と訴えが出てくるようなら一つ垣根を越えたと思えばいいでしょう。

 ぬるま湯のような時間でいいと思います。次から次と訴えをぶつけられる人がいるなんて、とても幸せなことだと思います。

 そしてセラピストはまたそれを幸せと感じられるようになるものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月22日 (月)

プロゴルファー石川遼選手の肩

 もう先週のことですが、ゴルフの石川遼選手が、肘を曲げ手の甲を腰に当てて肘頭を体の前に回すパフォーマンスをしていました。

 これは強く肩関節の内転・内旋ができるという証明になります。

 そしてこの動きは肩関節外転・外旋筋のストレッチでもあります。

 大リーグのイチロー選手も、試合前にマシーンを使った肩関節内転・内旋のエクササイズをしてから練習を始めるというのをテレビのドキュメント番組で見たことがあります。

 つまりゴルフで飛距離を出すためやイチロー選手のレーザービーム(遠投)には、振りかぶるために肩の強い外転・外旋が必要になります。

 二人とも、意識的に肩関節内転・内旋のエクササイズをすることで、肩の外転筋や外旋筋を緩めておくということを普段から心がけているわけです。

 トレーナーの指示もあったかと思いますが、その有効性を体感しているから肩関節の強さと柔らかさの関係を理解しているのだと思いました。

 石川遼選手の前へならえをした肘頭が体の矢状面と平行(体の前面と垂直)になるパフォーマンスに、『なるほど、トレーニングもしっかりしている』と思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月21日 (日)

メタボリックなおなかに触れた感触が変わっていたこと

 先日指圧をした腹部肥満の男性の2回目の指圧です。

 猫背や背部のこり、股関節の硬さは前回と同じです。指圧後2回トイレに行ったということで、その後は股関節も楽に動くようになったらしいのですが、2週間で元に戻ったかと思いながら指圧をしていました。

 しかし、腹部の指圧でおなかの硬さが全く違っているのを感じました。

 柔らかくなっていて、今回は内臓の動きが伝わってきます。前回は非常にタチの悪い壁に遮られた感触でした。

 何かが動いたことは確かです。腹囲自体にそう違いはないようですが、中身の質には変化があったと感じました。

 1回の施術後に感じた体の変化の中では、かなり画期的な部類に入ります。

 前回もよく寝ていたので、腹部の指圧で緊張させたようなことはなかったと思います。今回も寝ている間におなかの指圧をしたのですが、胃の動き、腸の動き、そして肝臓の下縁を感じることができました。

 おそらく本人にも新たな健康への自覚ができたのではないでしょうか。少し痛い思いをさせて自覚を促したらどうかなどと考えていたことはすっかり忘れていました。

 最も痛みを溜めた体は手を置いただけで痛いものです。この体は良くなろうとしている、そう思った指圧でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月20日 (土)

右前腕橈骨骨折の後遺症

 40代男性、『2年前に機械に巻き込まれて右腕を骨折していて、右腕を上げることができない』ということで指圧にいらっしゃいました。

 「どこの治療院へ行っても良くならず、どこかいい所はないかと探していた所、知人(お得意様)から紹介された」ということです。

 右前腕・長橈側手根伸筋上に約10cmの縫合痕があります。中には2枚の金属プレートが入っているそうです。

 実は2年前の骨折治療で骨がくっついていなかったために、半年前に再手術をしています。

 それとはわからずに仕事を続けていたそうですが、あまりにも違和感があるので、整形外科を受診して再手術となったそうです。

 2年前の手術後に、ドクターからは「リハビリの必要はない」と言われていたそうです。その病院のリハビリの先生からは勧められたようなので、医療ミスであったのかもしれません。

 実証で熱証のタイプで肥満体です。糖尿・高脂血症・痛風を指摘されたこともあるようですが、現在は服薬などの治療をしていません。

 猫背で、右上肢長は左よりやや短く、右肩の外転と後方挙上、右肘の伸展、右手指の伸展が十分にできません。

 長橈側手根伸筋の『手三里』のあたりから始まる手術痕なので、包丁を使ったり、トンカチを使ったりすることは不自由なようです。

 “血が重い”、痛みを溜めた体のように診ましたが、冷えもなく、血液循環は悪くありません。

 右上肢の指圧後、右肩の関節運動で前方挙上はほぼ180°ぶつかりがなくできるようになりました。

 おなかも柔らかく、不用なものを溜め込んではいますが、糖尿病や痛風が発症している方の感触ではありません。

 いびきをかいて眠ったので、無呼吸になるかと思っていたのですがそれもなく、太っているわりには悪い感じが少ないと思いました。

 骨折したまま、前腕橈側の伸筋の代わりに、その周囲の筋肉や大胸筋を使って仕事をしていたようです。体力も、そこそこの柔軟性もあります。

 施術後、猫背は矯正され右肩の関節可動域は拡がりました。

 しかし金属プレートの入った前腕伸筋群には神経線維の断裂があって、指の伸展と手関節の背屈がしにくくなっているようです。

 いついつまでに良くなるとも言えませんが、できるだけ動きが良くなるようなメニューを考えていきたいと思っています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月19日 (金)

浮力ダンベル

 『浮力ダンベル』を頂いたので、さっそくお風呂で試してみました。

 浮力ダンベルは水泳で使うビート板をダンベルにしたものと考えるとわかりやすいかと思います。

 足に巻くベルトもついているので、太腿に巻いたベルトにダンベルを入れて水面に浮かせ、浮力に抵抗しながら沈めていくと膝痛のリハビリ運動になります。

 このように大腿四頭筋が鍛えられる他に、太腿に挟んで締めれば内転筋のシェイプアップになります。

 浮力をダンベルに使うという逆転の発想が素敵です。

 リハビリ運動として入浴中に無理のない範囲で運動をすれば、温熱効果もあって膝痛にはとても良いと思いました。

 ただし、入浴中に頑張りすぎると心臓病や高血圧がある方には体に悪いので、説明書にあるように温めのお湯で無理をしないことが大切です。

 今朝は大腿に筋肉痛を感じるようなこともなかったので、温泉治療をしている施設で理学療法士かインストラクターがついてリハビリを始めれば、膝の手術後などは、かなり回復が早まるのではないかと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月18日 (木)

タッチで小指を立ててはいけない理由

 タッチの初心者は、よく小指を立ててしまします。

 私の講座は何らかのタッチセラピーで施術をしているセラピストの方も多いのですが、そういう方でもよく小指を立ててしまいます。

 「おしゃれなティータイムじゃないんだから」とよく指摘することになるのですが、何故タッチの時に小指を立ててはいけないのか?

 簡単に言えば、小指伸筋を働かせてしまうと前腕の目的の動作への統一ができなくなるからです。

 同じように指の間隔が空いていても、伸筋群が緊張することになります。

 肩から指の指紋部、あるいは手掌へ直に体重移動するためには、上肢の筋肉に力が入っていてはいけないのです。

 特に指圧の時は、手首をやや屈曲させなければ中手指節関節が屈曲しないので、手関節の背屈方向への動きは避けるべきです。

 しっかりとした密着があって初めて効率のよい刺激の伝達が可能になります。

 特に小指は今まで意識して使ってこなかった人が多いと思いますが、触圧刺激を集中させるためには、指の間隔に隙間があったり指が立ってしまうと密着感が失われます。

 タッチの動きと逆方向に働く筋肉を使ってしまうと、それに抵抗する力が必要になって繊細な刺激ができなくなります。

 何よりも反対方向の筋肉を使うことは無駄だし、施術の疲労を増すことになります。

 繊細な刺激をするのは難しいことです。小指まで神経が行き届いた構えができて、最小限の力を最大限に活かす訓練を積まないと“ガサツ”な印象を与えてしまうタッチから脱却することはできません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月17日 (水)

足裏マッサージ器で窒息死のニュース

 電動の足裏マッサージ器を頚に使って、衣服が巻き込まれて窒息死した女性がこの十年で3人いるというニュースがありました。

 大変お気の毒なことです。それと同時に、足裏に使うものを頚に使えば窒息以前に頚椎を傷めるという危険性があり、何故そこに使ってしまったのかと考えると、正しいマッサージが理解されていないという結論にたどりつきます。

 手技療法を行う者が足裏マッサージ器を頚に当てたような刺激を平気で続けていれば、受ける側は「それが正しいのか」と思ってしまいます。

 骨の突起が少なくそこそこ厚い筋肉のある足裏と、棘突起があり頚神経や椎骨動脈が通る人間にとってとても重要な後頚部が、同じ刺激で良いわけがありません。

 民間療法の間違いの多くは、あまりにも大雑把でリスクを考えない強刺激にあります。

 触圧刺激は痛み刺激の伝達を止めて脳に伝わるので、強刺激でも“痛みが消えた”感じにはなります。

 しかし、その強さゆえに組織を傷つけてまた痛みが出るので、すぐに強い刺激が欲しくなるという悪循環に陥ります。

 体を真に癒すためには理論的な刺激の法則にのっとたタッチが必要です。タッチセラピストが安全なタッチを提供し、正しい情報を伝えることができなければ、これからもこのような事故は起きると思います。

 タッチセラピストがマッサージ器のようなタッチしか提供できないようではいけないのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月16日 (火)

マニュアルの“標準語”を受け手の“お国言葉”に変える

 ピアニストの方とお話しをしながら、気がついたことがあります。

 彼女はクラッシックを学んだので、楽譜を表現しようとすると“標準語”になります。

 そこには正確な音符の長さと記号の指示通りの強弱があって、楽譜に忠実な曲を再現しようとする姿勢があります。

 しかし、ポップスの歌の伴奏を聞くと途端にピアノが「つまらなくなる」のです。

 曲を聴いてそんな辛口な批評をしたのですが、彼女はそのポップスのノリを練習して、また同じ曲を聴かせてくれました。

 それは完璧なポップスのノリではないものの、意味を理解して短期間で修正できる技術はさすがだと思いました。

 クラッシックとポップスとの違いは何かという話になって、それは『なまり』のようなことではないかという結論に達しました。

 クラッシクの標準語でポップスを演奏すると、歌のメロディーの『なまり』と溶け合わないのです。

 民謡も演歌をそうですが、お国言葉にメロディーを乗せた音楽は譜面(=マニュアル)を超えた細かい調整が必要になります。

 風土や気候によっては、口を大きく開けて正確に発音をしない発声というものも生まれ、それに合わせるようにメロディーも“なまり”ます。

 ピアノのタッチと指圧やマッサージのタッチは共通することがたくさんあります。

 ピアノで“手掌の中にボールがあるように”指の付け根の中手指節関節を屈曲させるのは、指圧の構えと同じです。

 音楽という素材と人間を相手とするという違いはありますが、タッチも譜面通りのマニュアルでは、受け手の体に流れる(ネイティブな)リズムをフォローできないのです。

 タッチセラピストが受け手の話す言葉を理解するように体のリズムを聴き取らなければ、譜面通りの伴奏で音楽がつまらなくなるのと同じことになります。

 そういえば、施術中に深層から込み上げてくる本音の言葉や寝言は、お国言葉であることが多いように思います。

 ピアニストとの方とお話ししながら気づいた、タッチに関する考察です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月15日 (月)

心の“切れ”

 今朝ウォーキングをしながら、昨日銀座で見た人たちの姿勢の良さについて考えていました。

 とても寒い雨上がりの夕方に、皆胸を張って歩いているように見えました。指圧を受けに来る方たちの疲れた様子ばかりを見ていたからか、まるで違った人種を見たような気がしました。

 コートやブーツそして冬の重ね着の重さと圧迫によって骨格が矯正されるということはあると思います。

 指圧を受ける方たちは当然コートやブーツを脱いで施術を受けています。

 あの寒い雨の日曜に出かける気になって外を歩いているのですから、気力が充実しているのでしょう。

 クリスマス前、お歳暮シーズンという外出の目的意識もしっかりしています。

 プランタンの前の若い女性のサンタクロースは、決して“人形みたい…”ではなく、素敵な笑顔を振りまいていました。上昇志向があるからか、彼女の才能なのか、そこには人間の強さを感じることができました。

 ニューミュージックと呼ばれた歌が古くなった今、情報の氾濫は明らかに人間に選択肢をたくさん提供するようになりました。

 現実も過去に予習した予測の範囲であれば確実に受け入れ易くなります。

 歩きながらまだ早朝の西の空にある月を見上げて、今まで指圧をした方たちに感じた様々な“切なさ”について考えていました。

 心に深く思い続けて切りがなくなると、だんだん切なくなってきます。悩み、苦しみ、悲しみ、それは心を切なくし、心の切れを奪います。

 昨日寒い中、銀座の街を姿勢良く歩いていた人たちには心に“切れ”があるのだと思いました。

 過去を引きずらず、今やることを楽しむ、その心の姿勢が体の姿勢も正します。

 切なさに句点を打つようなこと、それがタッチでできることなのだなぁと月を見ながら歩いてきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月14日 (日)

『あなたに大切な香りの記憶はありますか?』文芸春秋社刊

 『あなたに大切な香りの記憶はありますか?』(文芸春秋社¥1,000)という本の書評を新聞で見つけました。

 阿川佐和子さんや石田衣良さん、角田光代さんなど8人が、“コーヒーと酒”“甘いガム”“ジャケット”“食堂のにおい”など、香りと結びついた過去の思い出を書いた本だということです。

 『香りの刺激が大脳辺縁系で古い記憶や本能行動と結びつき、強い感情を呼び起こした後、視床下部へと伝わって身体に生理反応が現れる』という、アロマテラピーの根源をなす嗅覚の働きを、それぞれの作家はどのように表現しているでしょうか?

 『その人にとって快い香りは自動的に身体のバランスを取る』、『気持ちが落ち着いたり、元気になったり、また悲しみに耐えられるようになったり…』 (これらの『 』の中の文はアロマテラピー1級の検定テキストからの引用です。あらためて読んでみると、とても興味深く心強いことが書いてあります。)

 精油の香りを自分の言葉で表現するのにも、この本は参考になりそうです。今日買って読みたいと思います。

* 香りの刺激は大脳辺縁系に伝わると同時に大脳皮質にも伝わって“意識”を作ります。香りの刺激がホルモンの分泌を促し、食欲や性欲と直結していくということは重要なことですが、本能的・動物的・感情的な生理的反応がアロマテラピーの効果の全てではありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月13日 (土)

大工さんの天井の打診

 雨漏りがして天井に点検口を作ることになりました。

 大工さんが脚立に上って、天井をトントンと叩きます。

 「こには大きな梁(はり)があるはずだから…」と、そこを避けて天井を四角く切り取るのだそうです。

 大工さんの言った通り、雨漏りのする天井のそばには、太くて立派な柱が横向きに家の骨格をなしていました。

 人間を打診するのと同じように、大工さんは天井を叩いて梁の位置を推測しました。

 そこには建物に対する構造的な知識と長年の経験を見ることができ、感動しました。

 これは解剖学的知識を使ってタッチをするわれわれの仕事にも共通します。

 私は人間の体なら叩いたり触ったりして多少わかりますが、天井となるとさっぱりわかりません。

 しかも上を向いて天井を切り取り、蓋を作って閉める作業は大変です。

 人間の頚は後屈に適したようにできていないので、長時間の上向きの作業はとても疲れるはずです。

 私なら作業後にすぐストレッチをしなければ翌日たまったものではないと思いますが、そういう筋肉を鍛えてきたのでしょう、大工さんは当たり前のように仕事を終えました。

 そして2階からベランダに出ると、どうやら屋根ではなくベランダの亀裂から雨漏りがしているようだとのことです。

 屋根に上がってブルーシートをかけた私の素人仕事は、どうやら意味がなかったようです。

 数日前に見積もりに来た別の人も同じ意見だったので、ベランダを塗り直す必要がありそうです。

 なんだか私が腰痛や肩こりの施術をする時の話を、受け手になって聞いているような感覚でした。

 「肩こりの原因は肩ではない。むしろ頚や腕に問題がある」というのと、「雨漏りの原因は真上の屋根ではなく、横のベランダから浸みてきている」というのはよく似ています。

 構造的な知識と経験、それプラス勘や感覚、状況判断が大事です。

 “セラピストの技を見た”と思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月12日 (金)

全身施術のダイエット効果

 先日指圧をした腹部肥満の男性の家族が指圧に来て、「ここでトイレに行ったのにそれからまた途中でトイレによって帰りました」という報告を受けました。

 調子の悪かった左股関節にも痛みはなくなり、また指圧に来たいと言っているとのことです。

 余計な物が溜まっていればいるほど全身施術によるデトックス効果は大きく、指圧を続けて受ければダイエットにもなります。

 でもそんなことは当たり前で、骨格が矯正され、血流が改善されて代謝が良くなれば、ウエストが細くならないほうがおかしいのです。

 アルコールや炭水化物の過剰摂取と運動不足による中性脂肪型の肥満では、動脈硬化や脂肪肝の悪化も心配です。

 すでに高血圧、高血糖で服薬中ですが、自覚症状が乏しいことが問題です。

 近くの職場まで車で通勤し、夜は奥様の手料理でお酒を飲んでソファーで寝てしまう生活は、きっと幸せなのだろうと思います。

 どこかで脳か心臓の梗塞で倒れるまで、リスクを抱えていることを自覚するのは難しいのかもしれません。

 病院でも職場でも家庭でもさんざん言われて来て今の状態があります。

 セラピストとしては、ドクターや身内ができないアプローチで生活の改善を仕向けるのが妙案かと思います。

 その人にできる具体的な努力目標を設定し実行してもらうためには、本意ではありませんが、“健康な人とは違って老廃物が溜まっているとこんなにも痛い”と思い知らせるタッチもありかなぁと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月11日 (木)

閉塞感による冷え

 今年は何度かマンションの改装中のお宅に指圧に行くことがありました。

 マンション全体が塗装のためにビニールで覆われていたり、足場が組んであって工事の人がベランダに出入りしたりで、日中カーテンを閉めて過ごすことになると、かなりストレスが溜まります。

 洗濯物が外に干せず、ペンキやシンナーや建材の臭いも気になります。

 夏にお邪魔した方はむくんでいて、最近うかがった方は顔を見た瞬間に冷えを感じました。

 一日の大半を過ごす棲家がマイペースを乱されていては安らぐ気持ちにはなれません。工事の終わった夜間も工事中の覆いの中にいることに変わりはないのです。

 思い切った自由な気持ちになれないと血流が悪くなります。マイナス思考は運動不足や病気を生み出します。

 転地療養のようなことがこの状況でできれば、冷えやむくみなどの体の不調も緩和されていきます。

 アロマテラピーの芳香浴や指圧・マッサージのようなタッチングを経験すると、入浴に工夫をしたりストレッチや運動に意欲的に取り組むなど、体に対するプラス思考が生まれるようです。

 閉塞感の殻を破るのも、セラピストの仕事だと感じます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月10日 (水)

昨日の『たけしの本当は怖い家庭の医学』 プロでも強く揉んではダメと言ってほしかった

 昨日の『たけしの本当は怖い家庭の医学』で、肩がこった時に“強く揉んでほしいか、弱く揉んでほしいか”という質問がありました。

 出演したドクターは、『プロでなければ、血行促進のために肩から肩甲骨をさするくらいにとどめておいたほうがいい』と説明していました。

 この『プロならば強く揉んでも(技術的に適量刺激ができるはずだから)よい』という発言は残念です。

 生理学的、医学的見解をせっかく出したのに、例外を作ってしまうことになるからです。

 強く揉む施術がOKだとすれば、間違った自信のもとに、クライアントに不利益なタッチが横行する怖れがあります。

 揉む、捻るという手技は筋肉の線維に対して潰しをかけるタッチです。だから強くてはいけないのです。

 プロだから技術があって、適量刺激がいつもできるなどというのは大間違いです。

 お金を貰って施術する人をプロと言ってしまえば、目も当てられないようなレベルのプロのほうが多いのが現状です。

 最近の健康番組は画期的な視点から番組を作りにくくなっているので、内容が“ぬるい”ことも多くなりました。

 強揉みをする手技療法の団体に気を使っているのではないかとさえ思ってしまいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 9日 (火)

深部の冷え

 人間は脳と内臓が大切なのでまずそこに血液が供給され、それ以外に送られる血液量は全体の約3割なので、末梢に行くほど新鮮な動脈血が供給されにくいために手足の冷えが起こります。

 筋肉を使えばそれがポンプの役目を果たすので血流が活発になりますが、こりや痛みや疲労があれば筋肉を使うことがためらわれるので、その症状がいつまでも続き、やがて悪化し、体には常に冷えやむくみが存在することになります。

 30代女性、一時間以上かけて電車を使って毎月指圧にいらっしゃいます。

 今回の主訴は頭痛と左腰痛で、左側頚部、左第5腰椎周囲、右肩上部、右棘下筋に硬結があり、指圧をすると痛みがあります。

 夕方に外を歩いて来たので、髪、手、足、ズボンの裾に冷えがありました。上半身はダウンジャケットを着ていたので冷えはありません。

 指圧をしていくと仰臥位右大腿前側の指圧から、ずーっとおなかが鳴りっぱなしになりました。

 深部の血流が活発になった証拠です。深部の冷え(=内臓の冷え)は、最初に血液が供給されるべき脳と内臓まで血液供給が滞っていたということです。

 だから頭痛が起きました。左腰痛も内臓の反射が影響していたと思います。

 施術後、頬は紅潮し、おぼつかなかったへっぴり腰の歩き方も滑らかな足取りになりました。

 彼女はリュックを背負ってやってきました。おそらくこのリュックを背負っての移動がなければ、もっと状態は悪かったと思います。

 リュックを重りとした一時間の移動が骨格の矯正となり、ここに来た時には本人の自覚よりも症状が軽くなっているように感じていました。

 血管は繋がっているので、足湯だけでも温まった血液が一分間で体を一周することになります。

 温かい手のセラピストが部分の施術をすれば、それがどの部位であっても、足湯と同じような効果は期待できます。

 しかし、深部の冷えに対してはぬるま湯で温まるようなある程度の時間が必要です。

 その意味で、短い時間の強い部分刺激は短時間の高温の入浴で湯冷めが起こるのと同じで血管を収縮させてしまいます。

 芯から冷えを改善するためには、ぬるま湯のように時間をかけて多角的なタッチで血管を拡げることを考えてあげてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 8日 (月)

情緒的なタッチと理論的なタッチをミックスすること

 優秀なプロのスタジオミュージシャンは、初めて耳にする曲に対して様々なリズムで対応することができます。

 情緒的な素材に理論的なリズムが結合して、音楽の形が試行錯誤されながら進化していきます。

 手技療法のタッチは、初めにマニュアルをなぞった機械的なタッチを覚えて、やがて自分の感覚を乗せた情緒的なタッチができるようになります。

 そこで終わればポピュラリティを得るのは難しい“施術のタッチ”です。

 1対1で成立するタッチがポピュラリティを得るためには、相手に合わせて、その時の体調に合わせて、リズムや刺激量を変える必要があります。

 自在。

 だからタッチは難しい。

 スタジオミュージシャンがどれほど練習を重ねてきたかという努力と、自分のタッチに対する努力を比べてみてください。

 嫌いな曲もあるだろうに、苦手な要求もあっただろうに、それでも形にするのがプロです。

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』に海賊の船長役で出演したキース・リチャーズの、チューニングの狂ったギターの音には何か普通ではないものがありました。

 “転がり続けても丸くならない石”の、メロディーを喰ってしまうと言われたリズムを生んだタッチは、ただ“ワルな…”だけではない、指先から血が滲むような歴史を感じました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 7日 (日)

腹部肥満が股関節痛に影響していると思われるケース

 50代男性、ひどい猫背でO脚です。肩を持ち上げようとすると真上に上がらず、内側にねじれたり、外側にねじれたりします。

 前傾姿勢によって使われる肩の内旋筋のこりと、外旋筋の不動性のこりがあると考えられます。

 血圧、血糖値ともに高く、服薬中です。

 背部から腰にかけても筋肉は硬く、以前に左股関節痛で整形外科を受診したことがあり、足には冷えがあります。動脈硬化が進んでいることも間違いないでしょう。

 伏臥位、仰臥位と指圧を進めていくと足が温かくなりました。筋肉の質は若いと感じました。

 驚いたのは腹部の肥満です。

 座位で問診をした時にはそれほど注目せず、背部を触診して指圧に入りましたが、おなかに違和感が詰まっていました。

 前に指圧をした体重130kgで心臓が悪い30代の男性よりも奇異な感じのおなかです。

 おそらく身長は165cmくらいで体重は80kg台だと思いますが、肥満のほぼ全てがおなかに集中しています。

 腹筋が弱いのに硬く、内臓を感じにくいおなかです。触れた手に毒々しい感覚が伝わってくるという印象です。

 肥満のおなかに腰が引っ張られて、股関節は外旋せざるを得ないためにO脚になっています。

 そのおなかのオモリが重過ぎて左股関節の可動性は著しく阻害されています。

 指圧で足が温まったのでよく眠り、顔色も赤く色づいて施術後はトイレに駆け込みました。

 おなかの毒素のデットクスにはなったわけです。

 「指圧にどれくらいの割合で通ったらいいか?」と尋ねられましたが、まずは食事の改善と運動です。

 タバコと毎晩のお酒で右手首寸口の肺・大腸の脈はほとんどとれません。肺経の異常を感じる脈だということです。

 当然、指圧を続ければ今回のように代謝が上がってデットクスにもなり、痩せるでしょうが、私はまず生活習慣の改善をしてほしいと思います。

 受け手の姿勢が指圧にまかせっきりというダイエットには、正直なところ情熱を削がれてしまい、あまりやる気にはなれないのです。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2008年12月 6日 (土)

受け手の気力が私より優っていたと思える回復を見た施術例

 先週指圧をした70代の男性、施術後も寒がっていたので風邪は長引くかと思っていました。

 先日指圧に来て、「翌日インフルエンザの注射が受けられたよ」とおっしゃいます。

 調子が悪いから次の日に病院に点滴を受けに行くということでしたが、インフルエンザの注射も受けられたようであればかなり回復していたということです。

 ワクチン接種の勧められるような回復を見ずに終わった指圧でしたが、一晩の間に体調がかなり好転したのでしょう。

 私は常識的に、体調の回復には時間がかかるだろうと思っていました。

 しかし、その男性には『治りたい!治そう!』という強い思いがあったのでしょう。

 以前、気功治療の先生に指圧をした時に、「私は私の力で全て治そうとは思っていない」とお話しして反論されたことがあります。

 受け手の持つ免疫力を活性化する血流改善の指圧をし、自分で体を調整する余白を残して施術を終えたいと今でも考えています。

 病んだ気に支配されている方にはもっと積極的なアプローチが必要な場合もありますが、今回のように体は病んでいても気を病んでいないケースでは、体に無理やり刺激を足さないことで、功を奏するということがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 5日 (金)

「鍼治療で肺に穴があいて入院…」という話

 指圧中に聞いたお話しです。

 「ゴルフに来なかった友人は、後でわかったんだけど、鍼で肺に穴が開いて、肺が3分の1に縮んじゃって入院してたんだ…」

 鍼刺し事故で気胸、そんなことが度々あっては困りますが、経験不足だったのか、ベテランの鍼師で慢心があったのか…。

 賠償はどうなるのか、その鍼師は仕事を続けるだろうか、気になるところです。

 鍼の先生の鍼刺し事故に、患者さんに刺した鍼を自分に刺してしまって肝炎ウイルスに感染することがあると聞きます。

 鍼の一刺しには、油断のないように、格別の集中があるはずだと思っていました。

 人間だから間違いはありますが、肺を直刺するというのは困ります。

 落語の『たいこ腹』は、若旦那が道楽で鍼を始めるというお話しですが、実験台にされた太鼓もちが、「皮つまみの横刺しですヨ、若旦那…」という場面があります。

 ツボ刺激ということから言えば、深く刺すことが絶対的な必要条件ではないはずです。

 鍼で気胸になった方は年の瀬を病院のベッドで過ごしています。本当にお気の毒です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 4日 (木)

支え手の重要性 四指でブレを防ぐことと関節の向き

 昨日の講座でとても良い質問だと思ったことは、「足関節部の指圧の時に足を背屈して圧すのか、底屈するのか?」ということです。

 仰臥位で足関節部を指圧する時、足を底屈させて圧せば、骨にあたります。

 足を背屈させることで浮き上がってくるのが、(内側から)“商丘”“解谿”“丘墟”といったツボです。

 関節部は血管や神経に直接アプローチしやすいので、指がスポッと入る窪みを作る工夫をすればタッチの効果を向上させることができます。

 もうひとつ、実技をした皆さんが納得してくれたことに『母指の反体側をとらえる四指』がタッチには重要であるということです。

 例えば“足三里”の指圧で、下肢が内旋してしまえば圧を逃がしているということです。

 下肢がふらつかないように四指で固定するから、小さな垂直圧でも深部まで浸透するのです。

 タッチでダメージを与えないためには、小さな力を効率的に集中させるテクニックを持つことです。

 手首の柔軟性やスタンスの微調整など、構えを作るまでには時間がかかりますが、良いタッチに共通するポイントは何となく感じていただけたのではないかと思います。

 いろいろな手技療法のセラピストの方や、手技療法に興味のある方が参加してくれている講座ですが、毎回こちらこそ勉強させていただいています。

 “あぁ、そこでひっかかってしまうんだ”というタッチの迷宮に具体的にアドバイスができるとすれば、こんな幸せなことはなかなかありません。

 どこを探しても答えなどなく、私は施術の中で苦労してきたという思いがあります。

 ただただ、私などの考えでよければ参考にしていただいて、誰かに幸せな時間を提供してあげてくださいと思います。

 私のタッチが受講する方たちより優れているかどうかなんて受け手が決めることで、言い切れるものではありません。

 これから何人もの人が生徒さんたちの素晴らしいタッチで救われることでしょう。そう思うと口元が緩んで、ニコニコしながら期待が広がります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 3日 (水)

即効冷え解消 “スキーのジャンプ”

 今朝ストレッチをしながら、今日の『即効冷え解消』の講座のエクササイズを、もう少し具体的に考えていました。

 『立位下肢伸展で踵を上げて爪先に体重を乗せる』だけでは、ニュアンスが伝わりにくいので、作ったテキストには『前のめりになる』ことで足趾の趾紋部に“より体重が乗る”と書いておきました。

 これをそのままやると大腿四頭筋を緊張させることを忘れがちになります。

 そこで立位で足の間隔を狭くして爪先を正面に向けることで、外旋しやすい股関節に内旋の意識ができ、そこから膝をしっかり伸展させると大腿四頭筋が緊張します。

 そこから爪先立ち→前のめり、というのを鏡を見ながらやっていたのですが、それに膝の屈曲からの伸展を加えてみたところ、それは『スキーのジャンプ』の離陸姿勢だと思いました。

 いいこと考えた!誰かに言ってみようっと!そんな感じです。スキーのジャンプの選手は練習でこの動作を繰り返すので、足の冷えなどないと思います。

 タッチの理論は頭ではわかっても、実技に反映させるのは難しいものです。エクササイズとなるような抵抗を加えるように刺激をしていけば、より血行は促進されます。

 ひとつニュアンスが伝わればいい、誰かひとりでもそれがわかってくれればいいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 2日 (火)

ポスナーシュロスマン症候群

 耳鳴りが指圧で治ったと思ったら1週間ほどしてから目に異常を感じ、眼科で『ポスナーシュロスマン症候群』と診断された60代の女性、病名のメモ書きを見せて「先生、これはどういう病気ですか?」とお尋ねです。

 『私は通訳か!眼科の先生に聞けばいいのに…』という言葉を呑み込んで、医学書を開いてみたのですが、少し古かったからか載っていませんでした。

 次回までに調べておきますと伝えて、わかったことは以下のとおりです。

 『ポスナーシュロスマン症候群』は、発作的な片目の炎症により眼圧が高度に上昇する病気です(虹彩炎(目の茶色の部分の炎症)を伴うようです)。

 症状は目のかすみや軽度の視力低下で、比較的若い人に多く、原因は不明です。

 薬が良く効くので発作以外の時に治療の必要はなく、異常を感じたら眼科へ受診すればいいようです。

 放置しなければ緑内障になることはないらしいので、次回このことをお伝えすれば安心していただけるでしょう。そして今回の指圧も体と心を軽くしたようです。

 (緑内障は前房水の排出ができずに眼圧が上昇して視神経障害が起きる病気です。放置すると、視野が欠ける症状から、やがては失明の恐れがあります。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 1日 (月)

4月から第3水曜日に原宿校でも講座を開きます

 生活の木飯能校での講座が3月まで満員となっています。

 といってもベッドが5台なので定員10名なのですが、今週水曜日の講座は11名参加となっています。

 飯能校で講座を増やすことも考えたのですが、4月から原宿校で第3水曜日の10時から12時に講座を開くことにしました。

 飯能校での講座は、私の1ヶ月の施術を振り返る良い機会となり、もう9年続いています。

 毎回テーマを立てて、理論と実技が一致するタッチを文章に置き換える作業は、私の施術にフィードバックされ、考えるタッチ、安定したタッチを高める上で大きな財産になりました。

 飯能校の講座は1ヶ月に1回だけの研究発表会のような側面もあり、全力投球でやってまいりました。そしてこれからもそれを続けていきたいと思っています。

 原宿校での講座は『アロマセラピストのための指圧テクニック』というタイトルをつけました(受講にアロマセラピストの資格は問いません)。

 飯能校よりテーマを絞って、実践的なタッチテクニックとその理論を学んでいただきたいと思っています。

 原宿校では1回のつもりでテーマを出したのですが、9月まで6回開講することになりました。

 アロマセラピストの養成過程では、タッチの垂直圧に対する理論的な練習が足りないと思っています。

 圧迫法と指圧テクニックの圧倒的な違いを紹介しながら、できればテーマを設けずに一人一人の生徒さんが疑問に思っているタッチに答えていきたいと思っています。

 6回受講する方には、『①肩こり②腰痛③むくみ④頭痛⑤腱鞘炎⑥便秘』などの小テーマを設けて実技をしていただきたいと思います。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »