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2009年1月31日 (土)

ローズが不作

 生活の木に『リンデンのフローラルウォーター』を注文したら、入荷の見込みがたっていないという説明を受けました。

 リンデンは西洋菩提樹のことです。

 生活の木でリンデンフラワーの精油は商品化されていません。

 他のメーカーにはあるもののアブソリュート(溶剤抽出法の精油)です。

 私はアブソリュートを肌に使うことはしません。

 また、生活の木のインストラクター契約に『他のメーカーの精油を使わない』という項目もあり、それで商品をお安く購入できるので、私はこの契約を結構気に入っています。

 リラックス効果があり、不眠や頭痛のヘッドマッサージにフローラルウォーター使うとオイルのようにベトつかずにすむので面白いと考えていたのですが、同じような効果が期待できるラベンダーやローズダマスクを使うことにしました。

 商品が届くと、ローズのハーブティやローズのパウダーが“不作のため品切れ”というお知らせが入っていました。

 不作の時は、需要の高い精油や精油抽出時にできるフローラルウォーターのほうが優先されるようです。

 地球温暖化の影響やアメリカのサブプライムローンの影響が、ブルガリアを含むヨーロッパ諸国にまで直接的、間接的に及んでいるということなのでしょう。

 ブリガリアの薔薇が“電照菊”のように直接重油高騰の影響を受けてはいないでしょうが、環境や不況の影響は地球規模で花やハーブにまで及んでいるのだなぁと思いました。

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2009年1月30日 (金)

体調が良い人へのタッチも気配りが必要

 「おかげさまで調子がよくて…」、そういう時こそ“自分の施術を仕掛けてはいけない”と思っています。

 先日いらっしゃた女性は腰痛持ちでしたが、最近その訴えはありません。

 こういう時の考え方は、まず使えていない筋肉には運動をさせます。

 注意すべき点は、こっていない部位にむやみに自分の考える普通の強さの刺激をして、新たなこりを作らないことです。

 私はこっている部位に弱い丁寧な刺激をするのと同じように、こっていない部位にも弱い丁寧な刺激をするようにしています。

 調子が良ければその体のバランスをセラピストの刺激で崩すことはありません。

 眠れるような、最高にリラックスできるような時間を演出するように努力しています。

 ただし、むくみや冷え、本人の意識にのぼらない痛みや不調はないかと探すことを忘れてはいけません。

 調子が良いと感じている方には、ネジを緩め、油をさし、またネジを締めなをすようなことを全身にしていくとイメージして施術をしています。

 もしかしたらこういう時に適量刺激を見切ることが最高レベルのテクニックなのかもしれません。

 車でもへこみを直すようなことは目的がはっきりしていますが、定期点検後にそれまでよりも車の性能が悪くなっていたらクライアントの心証を害します。

 体調が良いのに『そろそろ行こうか』と思ってくださるお客様には、力ではなく、知識やテクニックや演出や人間性で施術を構成することになります。

 何かを治すのではなく、タッチそのものが問われるのでセラピストの実力が試されることになります。

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2009年1月29日 (木)

感覚には慣れが生じ鈍化する。まことちゃんハウスの印象も…

 昨日“まことちゃんハウス”の裁判で原告側の訴えが退けられました。

 赤と白のストライプの家の外観が環境を大きく害するとまでは言えないという判決は妥当だと思いました。

 久しぶりにテレビで見た“まことちゃんハウス”は、もう驚きも薄れ、私にはすっかり見慣れたもののようになっていました。

 アロマテラピーの作用に欠かせない嗅覚も慣れて鈍化しやすいのですが、視覚も慣れによって初めの頃の強烈な印象は薄れていくようです。

 “まことちゃんハウス”の外観を苦痛に思った方は、私の受けた印象よりも何倍も奇異な外観として、視覚から強烈なストレスを受けていたことでしょう。

 それでも少しは慣れた感じがしていないでしょうか?

 建物は日照権の問題をはじめ、確かに環境に影響を与えます。

 近くに変な建物がいつもあると思えば、それは気持ちも不愉快になるでしょう。

 嗅覚はクサイ臭いにも次第に慣れていくので、作業を進めることができたり劣悪な環境の中でも生き抜くことができるようになります。

 強烈な香水の臭いや体臭も、嫌ですが、面と向かって非難はしなかったり、その方のセンスと思えばそこはあえて干渉しない大人の選択をする人がほとんどだと思います。

 「良い悪いは別としてありちゃっ、ありだな」くらいに“まことちゃんハウス”を思っていましたが、いつのまにか“建物のひとつ”にしか感じなくなっていました。

 感覚は鈍化する、生きるための生理的な選択なのでしょう。

 これが強すぎる刺激のマッサージを認めるかとなると話は別で、この触圧覚の強刺激への慣れは、さらにひどいこりや炎症を作るだけで、もし裁判で負けようとも譲れません。

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2009年1月28日 (水)

左足趾だけ冷えている場合の診方

 左足趾だけが冷えている場合、まず右足に体重があることが考えられます。

 右肩が下がり、右腰背部のこりがあれば右足主動で歩いて、左足は後から引きずっているような使い方をしています。

 足趾の趾紋部に体重が乗れば、動静脈吻合から血液は心臓に還るのですが、足趾の毛細血管まで動脈血が届いていないために足先は冷えています。

 要するに爪先立てば血液は足先まで届くのですから、踵の上げ下げや縄跳びやスクワットのような運動をすれば冷えは解消します。

 理屈はわかっても、この右足主動の体の使い方は余程意識しなければ変えることは不可能です。

 歩行の時に後ろに残した左足の爪先でしっかりと地面を蹴ることができれば、左のお尻も小さくなるはずです。

 左足の爪先のほうが冷えている人は左下半身が使えていないので、左にむくみが溜まってお尻は左側に膨らんでいます。

 見えないから意識しにくいということもありますから、セラピストはその左右の違いを明確に伝える施術と意識付けのアドバイスをさせていただくことが大切です。

 仰臥位膝伸展で足関節から足趾関節は底屈方向に支え手で圧をかけ、趾紋部だけを背屈方向に圧し上げることができれば施術の中で“爪先立ち”のエクササイズを再現できます。

 これを伏臥位でやろうとすると、膝は屈曲方向に動きたがるので股関節からの下肢伸展の統一性が崩れ、血管が曲がって冷え解消の効率が悪くなると考えられます。

 タッチの加減も施術の構成もセラピストのセンスによりますからどれがいいとも言えないのですが、マニュアルを自分の感覚に置き換えないで施術していたり、勘だけで大雑把なことをしているようでは大変残念なことです。

 地図のない島を探すためには、まず地図が必要です。

 基本的な体の構造を理解した上で、自分の美学にのっとた大まかな脚本をもとに施術を構成すると、効果も説得力も違ってきます。

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2009年1月27日 (火)

眼球掌圧で手の温かさを感じなかった人、その後

 眼球掌圧で手の温かさを感じなかった女性が再び指圧にいらっしゃいました。

 前回の指圧後、朝4時まで働くことができたということでした。

 足の冷えもなく、今回は眼球掌圧が「熱い!」と感じたようです。私もいつも以上に気合が入って手掌に熱が集まったのでしょう。

 とすると前回は風邪のあげくに足が冷えて頭部顔面がのぼせる“冷えのぼせ”だったと見ていいようです。

 まだ花粉症の症状は出ていないとのことでした。

 体力がある人だなぁと思いました。仕事が好きだということもあるでしょう。あの日は仕事に行っても早く帰るようだったかなと思っていました。

 体力があって痛みや疲れを溜めることができる人は、時々大きく体のバランスを崩します。

 典型的ではない症状だけに限らず、症状とその答えとも言うべき施術が1対1に対応しないことのほうが実は多いのだと思います。

 指圧という手技療法の性格もあるのだと思いますが、経験を積むほど“人間の体にはこれでいいのだ”と決めつけることができないと感じるようになりました。

 言い切ってしまった時の恥ずかしさ、何かを語ってしまった時の自分の恥ずかしさを感じるのは、人間はとても複雑で個性がありそれぞれの日常の積み重ねを体刻んでいるのが伝わってくるからです。

 命は生きているというそれだけで喜びに溢れたものなのだと思います。

 動かなくなった体も、一部を失った体も、命そのものはいつも躍動感を持って私に何かを訴えてきます。

 それを謳うように読み上げたいと思います。タッチは命の喜びの歌を引き出すことがでる、そう感じています。

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2009年1月26日 (月)

マッサージメニューを理解するのに読解力が必要なようでは…

 ある温泉施設のマッサージ屋さんのメニューを眺めていると、女性の二人連れが来て、どのコースにかかるのがいいか話し始めました。

 「お試しコースがいいか、ふくらはぎまでと書いてある足裏マッサージにしようか…」

 『それはおやめなさい!』、心の叫びです。

 そもそも、そのマッサージ屋さんはメニューが滅茶苦茶です。

 おそらくマッサージがわかっている人が作ったメニューではないでしょう。マッサージ師がいるとも思えません。

 クイックより3つくらい高い料金設定でお試しコースがあります。

 足裏が30分からで、それより時間の長い“ふくらはぎまでのコース”が終わる頃には、下腿から足にかけての筋肉には炎症が起きていることでしょう。

 おそらく資格があって技術のあるマッサージ師なら、そこで働こうとは思わない臭いがプンプンしています。

 一見の客としてマッサージにかかるなら、一番短いコースを選んで、タッチが丁寧であれば延長することです。

 その場で延長できなくても、タッチを確認してから次の予約を取るくらいでないと体を壊されるおそれがあります。

 今までチラ見して一番ひどかったマッサージ屋さんの光景は、『やたら指図をするお客さんだなぁ』と思って見ていたら、ベッドで寝ていたのは白衣を着たそこの施術者でした。

 営業時間中、お客様が隣でマッサージを受けている時間にです。

 指図をしていた者も、指図をされていた者も、どう見ても素人としか言えない立ち居振る舞いでした。

 施術するメンバーは仕方がないにしても(教えさせて頂いていいのならいいアドバイスもできると思いますが)、一般の方が判読するのに難易度が高すぎるメニューを見ると“私に作り直させていただけませんか?”と頭を下げてでも言いたくなります。

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2009年1月25日 (日)

目の熱

 60代女性、いつもはない足の冷えがあります。

 風邪がやっと治ったようで、マスクをしてやってきたので花粉症が始まったのかなと思いました。

 お酒をよく飲む方で、昨日はビールを吐いたということですが、胃腸に強い動悸はありません。

 最近膝が痛かったということですが、お孫さんと公園で走り回った日の翌日から膝の痛みがなくなったということで、膝の周囲の筋肉を使うことと、指圧のような保存的治療でまだいけそうです。

 右背部のこり、車のバックシートの荷物を取ろうとする時の左肩外転外旋での痛み、メンテナンス箇所は多岐にわたります。

 冷えのある足は私の手を温かいと感じました。これが普通です。

 しかし眼球掌圧では手掌を温かいと感じないのだそうです。

 額から目の周囲の皮膚が白く見えます。

 帽子とマスクの保護がなく眼鏡をしていなかった部位が冷えて肌が白くなっているのはわかります。

 一時間近く指圧をして熱を集め続けた手を温かく感じないということは、目が熱を持っているのではないかと思いました。

 すでにスギ花粉の飛散は始まっています。梅も開花し始めているので、梅の花粉症もあるのかもしれません。

 目にアレルギー症状が始まっていれば炎症もあります。風邪の症状と一緒になっていてまだ自覚がないのかもしれません。

 あるいは緑内障で眼圧が上がっているようなこともあるか…。

 風邪のあげく、花粉症の始まり、ビールを吐いた胸焼けもあるでしょう。

 次の予約をいただいているので、今回の施術で改善がみられなかった部位にはさらに考えながらタッチをしようと思っています。

 

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2009年1月24日 (土)

尻餅をついて軽いむち打ちのような頚、全身の痛み

 40代女性、子育てに忙しいうえファミレスでバイトをしています。

 予定外のバイトが入って疲れが溜まった週のある日、重たい土鍋を左手に持って尻餅をつきました。

 手をついた左手掌の母指球に痛みがあり、左手の甲の中心には青痣があります。その時の状況は思い出せないくらい疲れているようですが、たぶん土鍋が手の甲を直撃したのだと思います。

 脊柱の弯曲は全て増強、カーブが大き過ぎます。

 尻餅をついた時に後屈しようとする頚を強く引き戻そうと無意識にしたのでしょう、左胸鎖乳突筋鎖骨部には強い痛みがあります。

 これは交通事故のむち打ち症の時に似ています。

 骨盤が大きく開いているのはファミレスで立ち仕事のため足を開いて立っていた影響のようです。

 疲労が溜まって腰背部の筋肉が硬くなり、腰椎の前弯が増強して骨盤を開かざるを得ないというパターンです。

 両手指の冷えは尻餅をついた時に手掌を床に叩きつけて打撲と言っていい状態になったからだと思います。

 ストレッチのできていない体はちょっとした段差や床の滑りで転倒しやすいという典型です。

 痛みを溜めた体なので、軽く触れただけでも痛がります。

 通常の2倍3倍の気を使って施術をし、痛みを出さないようなタッチを創造していくのですから、当然時間がかかりました。

 『按じて喜ぶのは虚証』ということからすれば、(これだけ痛がるのですから)実証だからこそここまで痛みを溜められたとも考えられます。

 施術が終わり起き上がるのにもだるそうで、目は眠たそうにフラフラとした足取りで椅子までやってきます。

 椅子に座って「体が寒い」と訴えましたが、これは怪我で炎症がある方や動脈硬化で血流が悪い方にはよくあることです。

 全身に血液が回ることで、一部でのぼせて一部で冷えを持っていた体の体温が平均化された状態と診てよいでしょう。

 座位の軽擦や上肢伸展で体を起こしていくと、腫れぼったかった目が締まった感じに変わり、「かなり楽になりました」とのお言葉をいただきました。

 左鎖骨部の胸鎖乳突筋はしばらく痛みを感じると思います。来た時は顎が上がって頭が軽く後屈した状態でしたが、姿勢はかなり矯正できました。

 毎日のストレッチは必要ですし、この頚の状態ではしばらく高い枕は使えないでしょう。

 やっかいなお客様です。しかし、こういう方こそ、他のセラピストではおそらく状態を悪化させてしまいかねない“私のお客様”です。

 .、.(どっと、どっと)疲れました。

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2009年1月23日 (金)

今日は頭痛になりやすい日

 今朝のウォーキングは、雨で湿度も上がっていて体感温度も高く感じられました。

 雨で気圧が低いということは、体全体にかかる大気の圧力も、血管にかかる圧力もわずかながら低くなっているということで、血流は少し悪くなっています。

 これだけでも血行不良により頭痛が起こる条件ですが、午後からは晴れて気温が高くなるということで、気象条件が変われば疲れを溜めて適応能力の衰えた体にはさらに頭痛が起きやすくなります。

 脳への血流には前頚部の頚動脈と頚椎を通る椎骨動脈の2つのルートがあります。

 猫背で頭が肩より前にあるという姿勢は、人間が手作業をする時の宿命のようなものなので、何かしているかぎり脳への血管が曲がったり圧迫されたりして血行不良になりがちです。

 血管が収縮して痛みのある部位を強く圧迫したり叩きつづけたりすると、さらに痛めつけることになり炎症が増して痛みが増大します。

 血管を拡張させるためには、①温める、②息を吐きながらストレッチをする、③痛みのある部位の周囲に軽いマッサージをして誘導的に血行促進する、などが効果的です。

 休み時間にウォーキングをして下半身を使い、その時に肩関節を後ろに引くことを意識すると猫背の矯正になって、全身の血流の改善が収縮した頭痛部位の血流を押し出すように改善していきます。

 ズキズキ痛む場合はその部位の血管が拡張しているので、①冷やす、②暗い静かな所で安静にする、③痛む部位に持続的な圧迫をする、などが血管を収縮させる対処法になります。

 ズキズキ痛んで吐き気がするような偏頭痛でなければ、頭痛薬よりも軽く体を動かすことが効くケースは意外と多いと思います。

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2009年1月22日 (木)

暗い部屋で目を使うと眠れなくなる。

 副交感神経の働きによって瞳孔が縮むので、交感神経と副交感神経の対立する性質を考えれば、瞳孔を大きく開くのは交感神経の働きだとわかります。

 人間も野生の肉食動物と同じように暗闇で獲物を待ち伏せするには、瞳孔を大きく開いて体を緊張させ、いつでも跳びかかれるようにします。

 獲物が見えにくい夜に活動をするためには、目も緊張を強いられます。

 不眠症の方が夜、暗い部屋のベッドで目を開けていると、体にはこの狩猟の時と同じように交感神経の興奮が亢進していきます。

 かつて“ピカチュウ”のテレビを見て発作状態になった子供たちも、暗い部屋と過度の光刺激が交感神経と副交感神経を刺激して自律神経のアンバランスを生み出したことが原因として大きかったのだと思います。

 周りが暗くなった深夜のコンビニの強い照明にも同じ事が言えます。深夜のコンビニにたむろすることは自律神経を狂わせ、体と心には悪影響を与えることになります。

 夜、目を閉じて体を休めることは体の恒常性を保つためにごく自然なことです。

 床に就いてから眠れない時は、目を閉じ、10秒程度軽く手掌で眼球掌圧をすると、アシュネル反射という生理機転により副交感神経の働きが亢進してリラックスモードに移行します。

 指圧では早い段階からこの眼球掌圧を教わります。

 あん摩やマッサージと比べて現在の形を持ったのが一番遅い指圧が何を目指したのか、今思い返せば私がアロマテラピーと指圧を同じ物と感じているは、マイルドで科学的で、そこには芸術に通じるものがあるからなのだということがわかります。

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2009年1月21日 (水)

“カリスマは光を背にする”副交感神経性・対光反射の縮瞳

 人間の眼は、強い日射しを受けると瞳孔が縮んで入射光量を減少させます。

 これが“対光反射”です。光が眼に入ると反射的に副交感神経遠心路の活動が高まって縮瞳が起こります。

 剣の果し合いなどで、太陽を背にして戦うと有利なのは、この対光反射によって相手は副交感神経が優位になり、血管拡張や心拍数の減少というリラックスモードのスイッチが入って、戦意を削ぐことができるという生理学的な理由があります。

 宗教の祭壇が、まばゆいばかりの金箔で覆われていたり、宗教家が強い光を背にして立つことや、カリスマと呼ばれる多くの人たちがスポットライトを浴びてステージに立つことなど、考えてみれば強い光を見つめる聴衆は対光反射によって一様にリラックスモードのスイッチを入れられてしまうことになります。

 眼球後部には三叉神経があるので、強い光刺激が副交感神経の活動を亢進し、血管拡張によって三叉神経支配領域の偏頭痛が起こることがあるのも頷けます。

 強い光を背にした(悪意を持つ)カリスマは、その生理学的な理由は知らずとも、経験的に対光反射によって“抗う力を喪失させることができる”と感じていると思います。

 セラピストは戦うこともカリスマであることも必要ありません。ただし対光反射と副交感神経の関係を理解し、施術を深いリラクセイションに導くためにはこのような生理的現象をどのように応用すればいいかと考えていくことは大切です。

 刑事ドラマのワンシーン、人間の死を確認するために眼に光を当てて瞳孔を見るのは対光反射を見ているのです。

 生きている人間の瞳孔は光によって縮瞳し、すでに死の時から時間が経過していたならば刑事はこうつぶやきます。「瞳孔が開いている…」

 対光反射を起こすのは動眼神経です。動眼神経は交感神経性の眼球運動も行う混合神経だということも理解して施術をしていなければいけません。理論を実技に活かせてこそ、セラピストの仲間入りができるのです。

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2009年1月20日 (火)

“インフルエンザ対策の加湿に濡れタオル”未だに空調、暖房は…。

 鶴川サナトリウム病院のインフルエンザ集団感染後、加湿のための対策が“濡れタオル”だということを知り、未だに機械での加湿には限界があるのかと、ちょっとがっかりしました。

 サナトリウムといえばかつては郊外にある結核の隔離病棟というイメージでしたが、現在は精神疾患や老人病院などの施設でもこの名称が使われているようです。

 今回のインフルエンザの院内感染で亡くなった方の中には100才を超える方も含まれていました。御自分で濡れタオルを用意するようなことはおそらくできなかったでしょう。

 病院の空調・暖房設備が院内を乾燥させてしまうまま、何の対策もとられてこなかったのは残念なことです。

 病室全部に濡れタオルを用意するよりは、暖房をしながら加湿もできるような機械設備が病院には必要だと思いました。

 わが指圧院でもメインのエアコンが壊れ、明日新しいエアコンがやってきます。

 新しい省エネ基準を満たした某家電量販店売れ筋ナンバーワンのエアコンですが、加湿はしません。

 アロマミストと洗面台に張った水に浮かべたペパーミントが、もっぱらの乾燥対策です。

 夏は自分の快適な冷房温度よりも高く、冬も自分の快適な暖房温度よりも高く、汗をかきながら施術をさせていただいておりますが、今度のエアコンは最新型なので、お客様を温めながら、私にも少しは快適さを与えてくれそうな気がします。

 そうそう、このエアコンの機種選定にあたって、最初は某メーカーの人の動きをセンサーで察知して温風の向きを変えるものにしようと思ったのですが、お店のベテラン販売員さんの一言で、はたと気づいたことがあります。

 暖房なら頭寒足熱の風向きが必要だし、冷房ならお客様に風が当たってはいけません。

 さすが▲□電機のベテラン販売員、まんまと買わされてしまいましたが、なかなか営業力のある方でした。

 インフルエンザと空調の話に戻れば、空調機械の除菌なども病院では難しいのではないかと思います。

 タミフル耐性インフルエンザの流行は予想されていたこととはいえ、今年は多くの方を苦しめることになりそうです。

 外出時はマスクをし、帰宅後に手洗い、うがい、顔を濡れタオルで拭く、頭を洗う、服を着替える、これくらいやっていてもインフルエンザにかかることはあります。

 除菌やら何やら満載の最新式エアコン、少しはインフルエンザ対策になりそうですが…。

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2009年1月19日 (月)

グリーフ(悲嘆)ケアワーカー養成の記事

 今朝の産経新聞に、『兵庫県の聖トマス大学で遺族ケアの専門職“グリーフケアワーカー”を3年課程で養成する』という記事がありました。

 グリーフケアワーカー養成課程創設の背景には、大震災の経験から、『遺族を支える人材』の必要性を痛感した地域住民の方が多いということもあったのではないかと思います。

 グリーフケアワーカーは、愛する人を亡くし、悲嘆にくれ、傷つき苦しむ人に寄り添う仕事です。

 苦しむ人と『時間と空間を共有する』という点では、我々指圧師・アロマセラピストも同じです。

 記事の中に、終末期医療の段階では『人生を肯定することが苦しみを和らげる』とありました。

 なるほどその通りだと思いました。

 『あなたはあなたのままでいい。』

 南こうせつさんの歌『愛する人へ』の歌詞に“過去を振り返ると恥ずかしいことでいっぱいさ”とありますが、本当にそうですが、否定したり悔やんだりしないことも“あり”なのです。

 グリーフケアワーカー、お金とは関係なく志のある方が働く仕事のひとつです。

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2009年1月18日 (日)

丁寧に触れる・丁寧に対応する

 電子カルテを導入している病院が多くなり、最近よく耳にするのは、「パソコンの入力をしながらの診察で顔を一度も合わせなかった」というお医者様への不評です。

 一日にたくさんの患者様を診るのですから、カルテを入力しながらでないと間に合わないのだと思うのですが、“何とも冷たい感じ…”と受けとる方が多いのは自然な感情だと思います。

 丁寧なタッチ、丁寧な対応をしていけば、全く逆の感想を持つ方が多くなるのも当然です。

 触診さえしない病院の診察が増えたと嘆くお客様には、タッチそのものが効力を発揮します。

 「今までこんなによくしてもらったことはない」という嬉しいお言葉を頂くことも度々あります。

 逆張りの発想でいくのがタッチの本質です。

 アナログに徹し、時間をかけてお話を聴く、できるだけマイルドで遠回りな施術をする、そうすると自然と現代社会の趨勢からは離れた感覚の世界が生まれ、施術の効果が倍増します。

 クイックでパーツの施術をするのでは、この感覚の世界にまで導くことは難しいと思います。

 気持ちのよいタッチでホリスティックな施術を構築し、物足りないくらいの感覚のうちに終える、その場で満足いくまで刺激をしてしまえば揉み返します。

 血流の改善が症状を改善していく時差を考えて、いつまでも同じ部位を刺激し続けない施術感覚は必須です。

 丁寧に、マイルドに、そして笑顔や声の出し方、立ち居振る舞い、これも勉強し練習して獲得する必要のある大切な演出です。

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2009年1月17日 (土)

ソムリエの上腕三頭筋のこり

 ソムリエの女性、お尻が横に拡がり、内臓が下がって下腹がポッコリと出ています。

 左の骨盤から下肢外側にしびれるような痛みがあり、左下肢を外側に開いて踏ん張っていたことがわかります。

 右大腿四頭筋の硬さから、右足を前に出して膝を伸ばして体重をかけ、左足はやや後ろ外側にあったと考えられます。

 左側からワインを注ぐのにはこの姿勢になるのでしょう。

 右上腕三頭筋が硬く、特に肘に近い部分に痛みがあります。

 これはワインのコルクを抜く時の腕の使い方が、ダンベルなどをもって曲げた肘を後ろに伸ばす上腕三頭筋のエクササイズと似た動きになるからだと思いました。

 パーティーなどで一日に何10本もワインのコルクを抜いていれば、上腕三頭筋の疲労も蓄積します。

 「勝沼あたりで樽ワインを買ってきて、ファミレスのドリンクバーみたいにしたら…」という体優先の指圧師の提案は即座に却下されました。

 “ワインにこだわりのある”ソムリエにワインの品揃えは、譲れない所なのでしょう。

 筋肉を使うことと休めることのバランスが取れなければ、疲労は仕方がありません。

 ここに来た時は疲れきった体を何とかしましょう。

 仕入れや勉強に休みの日も駆け回らずにはいられない性格です。

 下腹ポッコリの内臓は骨盤を絞めて上にあげておきましたが、これには運動不足と年末年始の食べ過ぎもあります。

 腰痛や骨格の矯正は何とかなりますが、忙し過ぎてのストレス喰いがあるとすれば、それは休養が必要な証拠なのですが…。

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2009年1月16日 (金)

「肩関節周囲の石灰化」ではなさそうな症例

 70代女性、整形外科で右肩関節周囲の石灰化による痛みだと言われ、ヒアルロン酸の注射による治療をしていましたが効果が感じられず、知人に紹介されて指圧にいらっしゃいました。

 「石灰化」という言葉に大きな不安を感じていて、これは説明不足だと感じ、骨のカルシウムの放出と再吸収の話やストレッチ不足や使い過ぎによる老廃物の沈着の話などを、肩関節のストレッチをしながらお話しした後、指圧に移りました。

 どうも主訴は前部三角筋周囲の痛みのようで、肩関節は前方も側方も挙上に支障はありません。

 ヒアルロン酸の注射が効いたのかもしれませんが、どうやら始めから典型的な肩関節周囲炎ではないようです。

 降圧薬、抗高脂血症薬、骨粗鬆症の薬を服用中です。

 左膝に変形性関節症があって、左股関節は硬く、右大腿四頭筋が硬くなっています。右足主動で自転車をこぎ、歩く時も左足は後から付いてくるだけのような使い方をしているようです。

 猫背で頚は肩より前にあり、鎖骨周囲に詰まり感があります。これは前部三角筋周囲の痛みと関係しています。

 手足の冷たさ、下着の締め付け過ぎなど、いろいろな改善ポイントを指摘し、施術し、指圧を終えました。

 施術後、右肩周囲の痛みは消失し、唯一動きの悪かった肩関節外旋の動きも軽やかになりました。

 これは全身指圧による改善が顕著である症例の典型です。

 肩関節の石灰化がないとは言えませんが、割合としては本人の主訴からも、原因は他にあったように思いました。

 今度は脳梗塞後遺症の麻痺がある旦那さんを連れてきたいと言って帰っていかれました。

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2009年1月15日 (木)

もし肘を使うとしても上腕骨から肘へ圧刺激を伝えるのではない。

 昨日整体ルームの前を通る時にたまたま見えた光景。

 二人の施術者がベッドを並べて施術中でしたが、二人とも同じように肘をお客様の腰に当てて、上腕骨の延長線方向にその肘で斜めに体重を預けるように刺激をしていました。

 私は肘を使いませんが、われわれが教わったのも、吉田流按摩術のDVDを見ても、肘押しは『手首から尺骨頭の方向に、手首を揺らすことで振動圧をかける』という刺激です。

 繊細な指紋部と違って肘に指圧をさせようとすれば“痛い刺激”になります。

 二人の施術者がマッサージの有資格者であるかどうかはわかりませんが、その整体ルームのマニュアルで、肘押しは上腕骨の延長線上に体重を預けるとなっているのではないかと思いました。

 強刺激のわりには、腰の筋肉に対して意外と浅いところで圧は逃げているように見えました。

 これでは深層筋が緩むことはなく、表面の筋肉を痛めつけているようなものです。

 志村けんさんは『ヒトミばあさんのコント』で老マッサージ師を見事に演じて、見ていて気持ちのいい肘の使い方をしています。

 志村さんは上手い施術者との出会いがあったのだと思います。

 昨日の二人はもしかしたら、基本を教わったことがないのではないかと思いました。

 伝統的な肘の使い方とはまるで逆の肘使いでした。

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2009年1月14日 (水)

音楽に『楽音』と『騒音』があるようにタッチにも『楽触』と『騒触』がある。

 楽典(音楽理論)の最初のページに、『音は“楽音”と“騒音”の2種類に分けられる』と書いてあるのを見つけました。

 『楽音』とは、規則正しい振動持続による音のことで、『騒音』とは、不規則な振動や、瞬間的に発するためにその性質を知ることができないような音のことです。

 これはそのままタッチにも当てはまります。

 規則正しい振動持続によるタッチを『楽触』と呼ぶとすると、不規則な振動や、瞬間的に発せられるタッチは『騒触』になります。

 『騒触』は受け手の感受性や許容刺激量を考えていないタッチなので、セラピストとクライアントの間に共感や同調は起こりません。

 楽しい音をつなげていくからこそ癒しにも芸術にもなり、騒音ならば頭痛の原因にも環境問題にもなります。

 音もタッチも振動が神経を刺激するという点で似ています。

 心地良く楽しい気持ちにさせてくれるようなタッチならば癒しにも芸術にもつながる可能性がありますが、予測のできない瞬間的な強刺激をしていては“音痴な騒音”にしかなりません。

 タッチを音楽的に考えてみれば、目の前のひとりのお客様に対して、バカデカイ騒音はいらないということがよくわかるはずです。

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2009年1月13日 (火)

『三陰交』と『血海』で胸が大きくなると言い切るのは…?

 昨日のフジテレビのバラエティ番組の中での情報なので目くじらを立てることもないのかもしれませんが、『三陰交』と『血海』のツボ刺激で胸が大きくなるというのには少々無理があると思いました。

 下肢内側『脾経』をこの二点のツボで牽引するように刺激するということならば、かなりツボ刺激としては効果的ですが、バストまで届くかというと遠い気がします。

 脾経『三陰交『血海』と臍下1寸5分の任脈『気海』を結ぶ三角形を引っ張るように意識したマッサージが、子宮や卵巣への刺激によって女性ホルモンの分泌を活性化することはあると思います。

 また脾経は任脈と会しながら、腹部→胸部→咽頭→舌根→舌下と連なるので、乳房と関連がないわけではありません。

 しかし乳房を大きくするツボとして正中線脇2寸の『脾経』をとるなら、正中線脇4寸乳頭上を通る『胃経』も刺激したいところです。

 まず何より猫背を解消すれば簡単にバストアップします。これをしなければ下肢のツボ刺激だけではあまり効果がないと思います。

 ツボ刺激を1点だけがむしゃらに続けると、多くのマッサージと同じく健康を害することになります。

 他の美容家の先生との差別化をはかるためのキャッチフレーズのようなものが『三陰交』と『血海』のツボ刺激だと思いますが、自分のダイエット体験から美容家を始められた先生方の発言でよく気になるのが、このような理論の飛躍です。

 もうひとつ番組内で気になったのが『肋骨を絞ってウエストを細くする』という方法です。

 肋間筋を緩める、胸郭を拡げることに健康の意義を見出しているセラピストからすると、『そんなことをして何になる?』という疑問を感じないわけにはいきません。

 『女心』を刺激できれば情報の信憑性を検証しなくてもいいというようでは、かつて健康情報番組が問題にされたような事態がまた繰り返されるだけです。確立されていない健康情報に対する規制がまた少し緩くなってきているように感じました。

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2009年1月12日 (月)

NHKスペシャル『女と男』を見て 女性に尋ねながらタッチをしていくことの意義

 昨夜のNHKスペシャルは『女と男』の性差を脳から解明していくという内容でした。

 『狩猟を担当してきた男性は獲物との突然の遭遇の際に心拍数を急上昇させる必要があり、現在もそれが残っている』

 『子育てを担当してきた女性は感情的だと思われがちだが、心拍数が急激に上がるようなことはなく、質問されることを好む』

 『多くの恋愛が3年程度で冷めるのは、子供がそこそこ動けるまでに成長する間は男が食料を獲ってくる必要があるから…』

 『男性の好むウエストとヒップの割合は太めが好きでも痩せた体型が好きでも7:10』

 ざっと印象に残ったのはこんなことですが、『女性は尋ねられたいのだ』という感覚は、指圧を通しても感じています。

 簡単に言えば「痛くないですか?」、「ここはどうですか?」、「このタッチとこちらのタッチではどちらがよろしいでしょうか?」という問いかけを言葉に出しても出さなくても、投げかけ続けるのが母心の指圧です。

 経験を積めば『答えやすい質問』や『答えたい質問』ができるようになってきます。

 強刺激の手技療法と違って、私がやっているようなタッチに女性のお客様が多いのは当然のことなのでしょう。

 心拍数を上げたい健康な若い男性よりも病気を持った男性のお客様が多いことも、同じ理由かもしれません。

 温泉に行くと時々『女性化乳房』を持った高齢の男性を目にします。前立腺の病気で、女性ホルモン補充療法をしているのかなと思います。

 一方、お母さんがパチンコに行っている間に子供たちが焼死してしまったという最近の火事もありました。

 更年期を過ぎると女性の女性ホルモンは男性以下になるという話も聞きます。

 男性が男性らしく、女性が女性らしくあれば、3年という生殖+子育てを想定した恋愛の期間を過ぎて良い関係を続けていくためには、たゆまぬ努力が必要なようです。

 男性が男性らしくなくなっていき、女性が女性らしくなくなっていく、加齢や社会的な生活(女性の仕事)の問題もあります。

 『タッチは尋ねながらしていく』、セラピストがこの考えに徹すれば乱れたホルモンのバランスを改善することができると思います。

 自分のタッチを押し付け、挙句の果てには黙り込んでしまうような施術では、セラピストとクライアントに冷めた関係しか作り上げることができません。

 クライアントの体を良く変えたいと思って質問を投げ続けながら調整していかなければ、“母心”とは言えません。

 なるほど母心の指圧とは質問をし理解を深めていくコミュニケーション法でもあるのだなぁと、テレビを見ながら感じていました。

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2009年1月11日 (日)

今朝外はコップの水が一瞬で凍る寒さでした。

 昨日は強い風が吹き荒れ、今朝、お墓のお花の水は凍っていました。

 しかしお供えしてあったガラスコップの中の水は凍っていませんでした。

 そしてコップに触れたとたん、一瞬で水は凍りました。水は過冷却の状態にあったようです。

 魔法のようでした。過冷却の瞬間を日常で目にしたのは記憶にある限り初めてです。

 湿気があれば車の窓ガラスも凍り付いているのですが、いつもはシャーベットのようなっている車も今朝は凍り付いていません。一昨日のみぞれの湿気もどうやら風が吹き飛ばして、今朝は筑波山がよく見えました。

 年末年始の国民大移動で現在様々なウイルスがシャッフルされ、土地を離れて空中をさまよっています。そして寒さで弱った体はウイルスへの抵抗力も衰えます。

 『吐き気のある頭痛が主訴の女性』の施術例です。

 全身にむくみがあって足が冷えています。右側頭部と後頚部の天柱・風池・完骨といった項頭線のツボに詰まりがあり、仰臥位の施術を終えると吐き気がするということでトイレに吐きに行きました。

 戻ったところで仰臥位の指圧に移ったのですが、ティッシュにペパーミントとグレープフルーツの精油を滴らして吸入していただきました。

 咳喘息があるので初めからアロマミストではスパイクラベンダーを焚いていましたが、デトックスされてきたところで吐き気を抑える爽やかな香りのティッシュもそのまま枕元に置いて指圧を続けました。

 頭痛があるので冷えのぼせの状態でしたが、手足の指圧の頃にはほぼ血流は改善され、おなかの指圧の時に異常は感じられませんでした。

 右側頭部に痛みが残ったので座位で側頭部と項頭線の指圧をし、肩のストレッチをして施術を終えました。

 このような吐き気のある偏頭痛や緊張性頭痛との混合性の頭痛の時には、頚を回すようなストレッチはしないほうが無難です。

 「ここにたどり着けば何とかしてもらえると思った」と言って帰っていかれましたが、私ならあのような状態で指圧に行こうとはとても思いません。黙って寝ています。

 吐き気がしてまで車で30分かけてやってきてくださる方がいらっしゃるというのは、大変重いことです。何とか良くすることができなければ申し訳のないことです。

 笑顔で帰っていかれたので、この後家で少し眠ることができれば体はかなり楽になると思います。まださほど奥まではウイルスが悪さをしていないという感じでした。

 今朝過冷却のコップの水につけた指はしばらく凍ったような痛みを感じました。厳しい乾燥と冷えのピークです。どうか体を温かくして日曜日をお過ごしください。

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2009年1月10日 (土)

嬉しいキャンセルと残念なキャンセル

 坐骨神経痛と巻き爪の炎症で大晦日と松の内に指圧に訪れた女性から「出かける用事ができたので、明日の予約はキャンセルさせてください」といいう電話をいただきました。

 最初の指圧後から歩けるようにはなっていたので、出かける気になれたのなら不安がなくなった証拠です。これは嬉しいキャンセルでした。

 一方お得意様に紹介されたという初めての男性からは「胃が痛い」ということで予約を受けたのですが、「内科もやっているかと思った」というキャンセルの電話がありました。

 紹介してくださった方は「胃の痛みを治す」と考えた上でのことだと思いますが、一般的には指圧で胃の痛みを緩和できると思わなくても仕方のないことだと思います。

 「胃が痛くて」指圧を選択するのは、以前施術をした方か、相当手技療法の効果を知っている受け手の上級者です。

 肩こりや腰痛といった整形外科的な症状よりも、頭痛や内臓病の施術が私の特長のような気がしているので待ち構えていたのですが、この意気込みは空振りに終わり、ドッと疲れました。

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2009年1月 9日 (金)

テニスの錦織選手の右腕の状態

 テニスの錦織選手が試合中に右上腕二頭筋のマッサージを受けているシーンをテレビで見ました。

 以前腹筋の肉離れを起こしたことでも、錦織選手の体の使い方には注目していました。

 おそらく今回は手首のスナップを強く使ってサーブやストロークを打つために起こったフォアハンドテニス肘という症状で、前腕屈筋群のダメージを上腕二頭筋への誘導的にマッサージで施術していたのは、とても良い納得のいく応急手当だと思いました。

 前腕屈筋群を使って手首を強く屈曲させると同時に、肘も強く屈曲させるので上腕二頭筋にもダメージは溜まります。

 腹筋の肉離れを起こしたのは、ジャンプしてから上体を後ろに反らせて全身を過伸展にした後、ボールを強く前に叩いて上体を屈曲させる“エアケイ”やサーブの影響でしょう。

 プロテニスの試合中に出てくるトレーナーがマッサージをしたのですから、的を射ていなければ話にならないのですが、あの施術部位の選択には『なるほど』と思いました。

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2009年1月 8日 (木)

施術者が答えを持たない時のプレッシャー

 私の生活の木の講座に来るセラピストの方たちは、お客様には“先生”と思われたりしているわけで、質問された時に答えを持っていないと大変困ることになります。

 足裏のいわゆる肝臓の反射区を圧して痛がるので、「あぁこれは肝臓が悪いですね」程度のことを言っていては、的がはずれている場合が多いと思います。

 体全体から総合的に判断する、人間を診るということがホリスティックな施術になるのですが、そこに到達するまでには基礎的な解剖学や生理学、マッサージの理論の勉強を積み重ねていくことが必要で、その知識の蓄積がライブの施術に反映できるかというと、さらに難しくなってセンスも経験も不可欠です。

 インターネットや書物に答えを求めても、もしそこに答えが書いてあったとしても、生身の人間の体となかなか一致していかないと思います。

 「どうして腰部脊柱起立筋が痛くなるのか?」という質問をお客様から受けた場合、背中を起こしているから、脊柱が片側に側弯しているから、前屈みで仕事をしていたから、骨盤の前傾あるいは後傾、内臓病の反射など様々な可能性があり、お客様の生活に踏み込んで考えなければ答えは出ません。

 タッチには感応するものがあるので、たまたま良いタッチができた新米のセラピストでも、たちまち“先生”にさせられてしまいます。

 これにプレッシャーを感じられたら正常、それでいい気になってしまうようなら終わりです。

 ひとつでも情報を拾って自分の知識を更新し、それをタッチの感覚に反映させてタッチも毎回更新していくという姿勢でいてほしいと思います。

 私の講座の中には今まで経験した情報が100も200も盛り込んであるのですが、1回の講座でそこから生徒さんひとりひとりの琴線に触れる情報は一つでもいいと思っています。

 それくらい理解するのに時間がかかるのが人間の体と体に適量刺激をするためのタッチテクニックです。

 今回の講座にも知識や経験を重ねてから、10年後にやっと納得できるようなことがたくさんあったと思います。それでいいのです。

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2009年1月 7日 (水)

猫背のまま枕無しで仰向けに寝ると腰背部のこりを作る

 猫背の女性を指圧中に枕無しで寝ていることがわかったのですが、猫背のまま仰向けに寝られたとすると腹筋をして頭を浮かせているような状態なので、その頭を布団につければ腰が浮いて、寝ている間に腰背部のこりを作ります。

 猫背を矯正しないまま仰向けに寝ようとすれば、高い枕のほうが自然なわけで、枕無しでは結局横向きに寝るしか方法はありません。

 この女性が「ヨガの夜の教室に誘われたがどうしようか迷っている」と言うので、ヨガのポーズを二つやっていただきました。

 開脚し片膝を曲げ、曲げた膝の方向を向いて合掌し、肩を前方挙上していくと135°までが限界の上ふらつきます。

 正座から両手を前方に伸ばしていくことも、背中が伸びるまでにはいきません。

 「夜、寒い中出かけて行くよりは自主トレを積んでからでいいんじゃないですか」と申し上げました。

 ヨガの先生がどれだけ個別の指導をしてくれるかということにかかっているのですが、此処に指圧に来る方でヨガで体を痛めた方が何人かいらっしゃいます。

 肩こりや猫背をヨガで治そうと思えば段階が必要です。

 135°の肩関節前方挙上が限界な人に、無理をさせないで気長につきあってくれるヨガの先生なら、それは冬の夜に通ってもいいと思うのですが…。

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2009年1月 6日 (火)

「くすぐったくない」というお誉めの言葉

 昨日お客様に言われて嬉しく思ったことが、「他のマッサージ師にはくすぐったくて触らせなかった太腿が、くすぐったくなかった」というお言葉です。

 「タッチがくすぐったい」と言われたととしたら、そのタッチは「不快だ!」と言われていることになります。

 腋の下や足裏など、くすぐったい部位というのは血管や神経が集まる敏感な場所です。

 くすっぐったがりの人でも、自分で触る時は予測ができるうえに触圧刺激がくすぐったい感覚より先に伝わるので、他人に触られた時のくすっぐったさはありません。

 これは触圧刺激が先に脳に伝わることによって、痛みの感覚が脳に伝わらなくなるという『ゲートコントロール説』と同じです。

 強い刺激のタッチで痛みを一瞬忘れさせて、治療をしたような勘違いをしているセラピストのタッチは、適量刺激ができていないので、くすっぐったがられることにもなります。

 大事な場所、急所で起こる防衛反応がくすぐったいという感覚なので、くすっぐったがられるタッチセラピストは予測のできない、安心できないタッチで不快にさせているということです。

 子供や思春期の女の子は成長が著しく敏感なのでくすぐったがりが多いのですが、成人男性にもくすっぐったがりはかなりいます。

 お誉めの言葉をいただいたのは成人病を抱えた中年男性でしたが、動脈硬化や糖尿病等による神経障害では過敏な皮膚感覚を持っている場合があります。

 くすっぐったがられることを防ぐには、受け手の望むような丁寧なタッチをすることです。

 自分の感覚でタッチをしていてはくすっぐったがられます。受け手が自分で自分の体を触るようなタッチ、できればそれを上回る素晴らしい感覚のタッチができた時、くすっぐったがりの人でも安心して施術を受けることができます。

 「他のマッサージ師ではくすっぐったくて触らせなかった…」、タッチセラピストにとっては最高の誉め言葉のひとつだと思いました。

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2009年1月 5日 (月)

肘関節のツボ『小海』と『少海』

 小腸経の肘のツボ『小海』は小指背側の延長ですが、小指掌側の延長で肘窩横紋内端には心経の『少海』というツボがあります。

 どちらも読みは「ショウカイ」ですし、肘内端の裏表にあるので混同しやすいツボです。

 この『海』がつくツボには、水が溜まりやすい場所という意味があります。

 関節周囲は血行不良が起こりやすく、肘も例外ではありません。

 基本的なことですが、肘頭は尺骨です。このあたりが曖昧な人は、まだまだタッチが理論的に劣っていると思って解剖学を勉強する必要があります。

 上腕骨と尺骨の腕尺関節は蝶番関節なので、肘の屈伸という一方向の運動のみをします。

 一方、腕橈関節は球関節なので、肘関節の屈伸運動と前腕の回内運動を助けます。

 肘関節の屈伸運動は主に腕尺関節が行うので、尺骨神経溝と一致する『小海』が肘部管症候群のポイントになるということもできます。

 また円回内筋が橈骨に停止することで、橈骨が前腕の回内運動を助けるという構造がよく理解できると思います。

 小腸経の『小海』は背側にあるので、肘をやや曲げて上腕骨内側上顆と肘頭の間で圧してジーンとする場所を探しますが、心経の『少海』は肘関節の掌側にあるので、肘を曲げないでも圧すことができます。

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2009年1月 4日 (日)

小腸経のツボ『小海』と肘部管症候群

 昨日は『手指のしびれ』というテーマで講座のテキストを書いていました。

 手指のしびれが起こる原因として絞扼性神経障害ははずせません。

 手掌側の母指から母指側半分の薬指までがしびれるのが、絞扼性神経障害のひとつ『手根管症候群』です。正中神経が屈筋支帯の下を通る手根管で圧迫されることでしびれが起こります。

 この手掌側の手関節横紋中央には心包経の『大陵』というツボがあります。

 『このツボ強く圧迫することが果たしてしびれに対して最適なタッチなのか?』ということを考えてほしいと思っています。

 『つぶれたホースの潰れた部分を潰しにかかれば水はよく流れるようになるのか?』と考えて遠心性と求心性のマイルドなタッチを作ってほしいと思っています。

 小指と小指側の薬指半分の手背側も手掌側もしびれるのが、肘の絞扼性神経障害の『肘部管症候群』です。

 肘頭と尺側手根屈筋の間には小腸経の『小海』というツボがあって、このツボは尺骨神経が入る肘部管を緩めるポイントになります。ここにも『大陵』と同じく、遠心性と求心性の誘導作用を利用したタッチをすることが大切です。

 肘をタンスの角にぶつけてしびれる感じが、小指と薬指半分まで走るのが肘部管症候群だと考えればいいと思います。臨床ではよく診る症状です。

 箱根駅伝では、外国人選手も肩は出していても肘はサポーター等で覆っていたことが印象的でした。

 曲げた肘、握った拳、ランニングは肘の血行障害や神経障害を起こしやすいのです。

 絞扼の『扼』という字の意味は、「手で災いをもたらす→手で首を絞める」ということです。

 タッチセラピストが一番してはいけないことが『扼』です。

 絞扼性神経障害をさらに絞めるようなタッチをしてはいけないということを、今度の講座ではお話ししたいと思っています。

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2009年1月 3日 (土)

元日の埼玉県広報紙より「無資格者の施術にご注意を!」

 元日の新聞の折り込みには『彩の国だより』という埼玉県の広報紙が入っていました。

 健康・福祉の欄に、埼玉県医療整備課から以下のような注意がありましたので転記します。

 「あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうの営業には国の免許が必要です。無資格者による施術は健康被害を起こす恐れがあります。施術を受ける際は、施術者が有資格者であることを確認してから受けましょう」

 これは埼玉県の公式見解です。もちろん以前から有資格者の団体は各方面に訴えてきているので、国の見解も一致しています。

 職業選択の自由という法的な判断から見逃されてきたマッサージ類似行為も、あまりにもひどいものが多く、官庁も野放しにはできないくらい苦情があるということです。

 タッチセラピストが一人前になるには10年かかると言われます。

 国の免許なしにタッチセラピストを続けるには相当の覚悟が必要です。

 アロマテラピースクールの入学希望者もそろそろ減少傾向にあります。名前だけのセラピストを粗製乱造するようなスクールは立ち行かなくなり、アロマセラピストの資格取得者にはその後のアフターケアが必要になります。

 そう考えて、私は生活の木の講座を続けています。今日はまた、この国でも難しいレベルのテキストを作ります。

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2009年1月 2日 (金)

股関節再手術後痛みなしという年賀状

 高齢の親戚から『股関節の再手術後、痛みのない生活をしています』という年賀状が届きました。

 ウォーキングと水泳を続けているようで、やはり適切なリハビリによる効果が大きいのだろうと思いました。

 人工関節を入れても加齢による骨の変化があれば、人工骨再置換手術が必要になってきます。

 長寿ということは、人工関節と合わなくなっても命が続いているケースがあるということです。

 股関節の手術までの痛み、そしてその後のリハビリ、そしてまた再手術、そしてまたリハビリ…。

 人間が体の痛みを持たずに生きてゆくことはなかなかできないことだと思います。

 人間が心の痛みを持たずに生きていくことも、まずないだろうと思います。

 もし痛みがないと言える人がいたら、気づいていないか、痛みを失くすための努力をしているのだろうと思います。

 年賀状を見て頭が下がりました。

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2009年1月 1日 (木)

2009年元旦 去年最後の施術は“坐骨神経痛+巻き爪”でした。

 “新年あけましておめでとうございます。

 皆様の健康と幸せをお祈り申し上げます。”

 まだ初日の出前ですが、今年最初のトレーニングを終えました。この後、日の出を見ながらウォーキングに出かけようと思っています。

 去年から取り入れたのがいわゆる美腰体操と表情筋のエクササイズで、鍛えることと緩めることのバランスを考えると、見落としがちな部分であったことがわかります。

 指立て、腹筋、背筋、スクワット、ダンベル体操などでカバーできない部位に効果がありました。

 タッチに関しては“もっと弱く”ということが今年のテーマになります。

 型が安定し、小さな体重移動で以前より大きな圧刺激ができるようになっていたことがわかりました。

 このあたりはタッチセラピストが注意したいポイントです。体重計などを指圧してみると、上手くなっていればイメージした圧刺激より大きな力になっていることがあると思います。

 去年最後の指圧は『足がしびれて夜眠れなかった』という70代の女性でした。

 右母趾まで坐骨神経症状があり、生まれたての仔馬のような歩き方でやってきました。

 腰を伸ばし、右大腿の後側・前側・外側、下腿前側・外側を緩めていくと症状は緩和されていきました。

 しかし、右母趾の症状はあまり変わりませんでした。

 外側の4趾・5趾が丸まっていて、母趾を爪根部のツボに当たるように斜めから圧した時よりも、試しに真上から圧した時のほうが痛がったので、これはおかしいと感じました。

 靴下をとって診ると、『巻き爪』が母趾の筋肉に喰い込んでいます。『陥入爪』というほどの炎症はないようです。深爪と小さい靴に無理に足を押し込んでいたことが原因だと思われます。

 冬の厚い靴下を重ね履きしていることで、さらに足は丸まっていたようです。

 2趾内側までが巻き爪になっていました。

 年末年始整形外科は休みでしょうし、本人も病院に行くのは嫌がっています。

 施術後に歩いてもらうと、歩き方も普通になり、右母趾も痛くないようなので、とりあえず窮屈な靴は履かないようにして様子を見るということになりました。

 「明日も来ていいか?」と聞かれましたが「その必要はありません」と答えました。

 大掃除と小さい靴でできた足のしびれと痛みは、お正月の休息でそこそこ楽になるはずです。

 もし巻き爪の痛みがひどくなるようなら整形外科に行くようですが、指圧後あれだけ楽に歩けるようになるなら、爪が伸びてくればもう少し状態はよくなるかもしれません。

 指圧は着衣のままできるという利点がありますが、“何かおかしい”と感じたあの感覚は、去年の施術の中でもなかなかの好判断の一つでした。

 初詣に行く予定ですが、帰ってきても留守番電話に予約がないかと心配な一年がまた始まりました。

 

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