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2009年3月31日 (火)

お客様の指摘が嬉しかったというセラピストの話

 「爪が伸びているなぁと思いながら施術を始めてしまったら、お客様にそれを指摘されて、私は嬉しいと思った」という話を、指圧を受けに来たセラピストの方からうかがいました。

 その話から見えてくるのは、お客様が真剣にタッチを受けている様子やお互いの信頼関係、そしてこのセラピストの方が施術中“善人”であるということです。

 タッチを通してお客様の感性が磨かれ、セラピストも施術中、素直で穏やかな心になっている、そのような時空間を共有できればタッチセラピーとしてとても上質であると思います。

 爪が長い→爪を当てないようにごくわずかにタッチがぶれる、こういう微妙なことのせめぎあいの中で、セラピストが反省し成長していかなければ、お客様の感性の伸びに追いつけなくなっていきます。

 爪が長くてタッチがぶれるのはいけませんが、それを教訓にすることができればセラピストとしての成長があるでしょう。良い話を聞けました。

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2009年3月30日 (月)

“撫で肩”、“頚細”の肩こり

 筋肉が太く、適度に使っている人の中には、肩こりを感じたことがないという人がいます。

 頚が細く、撫で肩というほうがスタイルとしては好ましいのかもしれませんが、頚が太く短く、いかり肩で筋肉が厚ければ、肩こりにはなりにくいものです。

 頚が細い人は頚が太い人と比べて、頭の重さを支える筋肉の負担が頚の付け根に大きくなります。

 これは撫で肩の人に腕の重さが負担になるのと同じです。

 姿勢が悪ければ頭の重さが『肩根点』に、腕の重さが『肩井』にかかります。

 筋肉が細ければ早く疲労するので、思いあたる人はストレッチの回数を増やす必要があります。

 一時間パソコンワークをしたら必ず頚と肩のストレッチをするくらいでないと、疲労は目からも蓄積します。

 手指を使う宿命で、肩関節の内転・内旋、頚の前傾、猫背を伴うので、後ろ側に伸ばすストレッチが有効です。

 椅子に座っていれば膝の屈曲を長時間維持することになるので、坐骨神経は圧迫され、腸腰筋も疲労します。

 立ち上がって後ろに反ったり、その場で足踏みやスクワットをしておくと、腰痛やふくらはぎのむくみの予防になります。

 撫で肩で頚が細ければ、筋肉をつけることは肩こりの解決策になります。

 ダンベルなどで負荷をかけ肩関節周囲の筋肉を鍛えたり、ブリッジなどで頚を太くすれば、肩の疲労は確実に遅くなります。

 ストレッチとエクササイズの両方を生活に取り入れていくというのは、年齢を問わず一生必要なことです。

 そこに自分らしさと美容を加味して、程好いところで続けることが生活の質を向上させます。

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2009年3月29日 (日)

セラピストの総合力 対角線・表裏・左右を診る

 “右肩に主訴がある場合、バランスをとるために左腰や左背部が緊張する”

 “急性腰痛では腹筋を緊張させて腰の筋肉の負担を減らしている”

 “右の肩が痛かった人が左の肩も痛くなる”

 施術を重ねていくうちに、そういうケースが増えていくと思います。

 対角線の緊張は、ほとんど全ての人に診られ、この対角線を施術するセンスはセラピストの評価に直結するので重要です。

 表裏や左右に痛みが出る場合は、主訴の痛みが非常に強いことが多いので、主訴へのタッチは慎重にするか、あるいはできないこともあります。

 人間の体は一ヶ所に痛みを持つと、それに代わる部位を使って同じ仕事をこなそうとします。

 不慣れな鍛えられていない筋肉を使えば、その筋肉は速く疲労します。右肩を痛めたので左手で重たい荷物を持つなどすれば、左肩に疲労が溜まります。

 右膝を痛めた人が治っていく過程で左膝に痛みが出やすいのは、右膝の代わりに今まで体重をかけてこなかった左膝を使うためです。

 主訴を施術するだけだと効果が持続しないのは、一つ痛みが体の表裏・左右・対角線のバランスを崩すことになり、体の不調は一ヶ所にとどまらなくなってなっているからです。

 心身一如のセラピーを志向するのであれば、総合力を底上げしていかなければできません。

 人間を診ること、自分の体を知ること、とても奥の深い、時間のかかる探求です。

 経験し、考え、実践し、そこから何か気づいた時には、とても嬉しくなってドキドキと興奮し、きっと誰かに話したくなると思います。

 (多くの人にとってはセラピストが見つける再現性のある理屈などどうでもいいのだと思いますが、タッチに関する小さな発見の積み重ねが、セラピストには宝物になります。)

 

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2009年3月28日 (土)

高齢者への施術 変形がある場合の特性

 前日指圧をした70代の女性、今日は歯医者さんに行く日だとうかがっていましたが、午前中に指圧にいらっしゃいました。

 『どうせなら歯医者さんがすんでから来ればいいのに…』と思いましたが、やって来てよく話しを聞いてみると、歯医者さんはキャンセルしたということです。

 歯の治療を始める時の検査で他に虫歯はないということだったのですが、歯の治療が終わる頃になって、今治療をしている歯のとなりに虫歯があると言われ、とても重たい気分になったようです。

 話を聞くかぎり、治療を延ばすために1本ずつ治療をしようとしているような感じです。

 こんなことや春休み中で親戚がやってくることや、あれやこれや考えているうちに、せっかく昨日緩めておいた肩と腰を緊張させてしまったようです。

 明け方寒かったということもあります。

 腰椎が後弯し、加齢による骨の変形と筋肉の衰えがあると、簡単に肩こりや腰痛になります。

 精神的に我慢弱くなってくるということもあり、心配が肩こりや腰痛を憎悪させます。

 高齢者の方の特性は複雑です。症状と原因が1:1に対応していないということをふまえて、懇切丁寧に施術しなければいけません。

 こういう場合、表面の緊張が主で、それほど奥までこっていないことが多いのです。

 何せ昨日指圧しているのですから。

 お話を聞いて、体はそれほど悪くないことを納得させて、気持ちのいい全身指圧を心がけて施術を終えました。

 若い人なら3日は来る必要がないと突き放すところですが、高齢者の体は本当に別格です。

 器用に一晩で腰痛を作り、大騒ぎで指圧にいらっしゃいます。

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2009年3月27日 (金)

『診断即治療』の指圧だからわかったこと “すべてのタッチを変える”

 『診断即治療』という指圧の心得は、触れて感じたことを瞬間的に分析して適量刺激を提供していくことだと理解しています。

 この場合の『診断』は検査に置き換えることができ、『治療』はタッチそのものだけでなく、質と心を含んでいると考えています。

 この『診断即治療』が根本にあるため、指圧のタッチは1点毎に微妙に変わっていくのが当たり前であると思っています。

 神経が興奮していれば持続的圧迫が有効ですし、神経の伝達が鈍いようであれば、弱い刺激を機敏に繰り返して鼓舞することが『アルント・シュルツの法則』からも基本です。

 むくみがあるふくらはぎと、冷えがある足趾のタッチは当然変えなければいけませんし、同じ部位にタッチを繰り返すうちに、効果があれば、刺激量は変えていかなければ間違いになります。

 人間の体は、むくみや冷えや痛みやほてり、そして心の問題が複合的に絡み合っているものです。

 マニュアルで全体を触っていくだけでは、タッチセラピストの合格点からは遙かに及ばないのです。

 検査器としての手指、効果器としての手指、瞬時に使い分けて、そこに自分の心と考えを載せていくのがプロのタッチです。

 医師法やあん摩・マッサージ・指圧師法からはこの診断と治療という文言は使いにくいのですが、法律ができる以前からある指圧の根底を流れるスピリットの部分ですから、なかなか他に適切な言い換えもし難いと思っています。

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2009年3月26日 (木)

指圧の母指~四指間の角度は約60°

 指圧の手の形は、まず母指先端中央を正面に向けてから30°外側に開きます。

 次に、四指の隙間はできないようにして、ごく自然な手の形のまま五指の指紋部を皮膚表面に密着させて支え、手首を上げ、四指の指紋部を皮膚に密着させたまま手前に引いて、手関節から母指の指紋部まで体重移動が一点に凝縮されて通るようにします。

 この時の母指と四指の間の角度は約“60°”になります。

 おそらく多くの人がそのことを知らずに母指と四指の間を“90°”近くまで開いていると思います。

 手掌が皮膚表面にかぶさるようでは、腕立て伏せの体重移動になって、圧は指先まで届きません。

 よって指の力をあらためて繰り出す必要が生じて、効率が悪い上、痛い刺激になります。

 自然な手の形で効率よく母指の指紋部に体重移動をしようとすると、母指の指紋部を支点とした指立て伏せの体重移動になります。

 これができれば強い刺激をする必要がないのです。体重移動の加減だけで自在な圧刺激を生み出すことができます。

 母指~四指間の60°の角度の意味、指立て伏せの体重移動の意味、それがわかった上、垂直圧で漸増漸減の刺激ができて初めて指圧です。

 腕立て伏せの形で母指~四指間を開ききって、四指間も開いて、重ね母指の上の母指で下になった母指を押し込んでいるようなものは、指圧ではありません。

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2009年3月25日 (水)

北海道から指圧に来てくれた

 タッチの勉強がしたくて、東京近郊の気になるセラピストの施術を受けているという男性、北海道在住です。

 よくウチなどがピックアップできたものだと思うのですが…。

 昨日は“筋膜リリース”を受けてきたということですが、とても痛かったそうなので、リリースと言えるかどうか…。

 背中は硬くなっていました。

 タッチを受けて勉強するなら、少なくとも3日は間を空けたほうがいいと思います。

 効果があるタッチなら最低3日くらいは体に変化が続きますし、ダメなタッチなら傷を治す期間が3日くらい必要です。

 筋膜リリースのようなものの後にウチだからまぁよいようなものですが、これが逆だと、体はタッチセラピーを受けなくてもいい時に強い刺激を受けることになるのでダメージが強くなります。

 せっかく来てくれたので、負担がない程度に全身指圧を解説付きで行いました(ウチはよくこんなことをやっております)。

 体の皮膚感覚や深部感覚の感受性は強い刺激を受け続けると低下します。

 上京中にまとめて施術を受けるよりは、一つか二つ、タダモノではない雰囲気を嗅ぎ取って、受けてみるのがよいでしょう。

 もちろんそれでもハズレはあります。

 今世界で一番注目されているタッチセラピストの施術を受けても、ピンとくるかこないかは、受け手の感性の問題です。

 そのタッチは、“とても微妙なタッチだからわからないとしたら受けるのが10年早い”のかもしれませんし、単にろくでもないタッチなのかもしれないのです。

 それでもタッチを勉強したいと思い、上京していろいろな施術を受けてみた行動力は大したものです。

 そこから問題点や疑問点を抜き出し、答えを探していく姿勢があれば、やがて自分の求めるものが見えてくることでしょう。

 そこに何かあると感じても、自分では誰かのようにはできなかったり、なかなかプロのレベルに到達できないところがタッチの深さ、面白さです。

 ほとんど答えのようなヒントをもらって答えがわかっても、そこにたどりつくまでの過程が自分の頭でわかっていなければ、結局わかっていないのです。

 過程を楽しんでください。タッチには一生楽しめるだけの問題があります。

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2009年3月24日 (火)

87才男性 腰痛

 お孫さんであるお得意様の女性が車で連れてきたのは、杖をつき左膝が曲がらない男性です。

 膝が悪いのはすぐにわかりましたが、主訴は腰痛と右ふくらはぎ外側の痛みです。

 整体で矯正を受けても痛いだけで一向に良くならず、鍼の治療も痛みが強くてやめたそうです。

 背骨が右にも左にも側弯し、ねじれて変形しているので、健康な若者に施術するような一方向の矯正をするようではあまりにも未熟です。おそらくその鍼の先生も…。

 高齢者の体は国宝を扱うくらいに、丁寧に丁寧に触れていかなければいけません。プロのセラピストなら、年齢を重ねた体には、若輩者である自分の想像を超えたものが潜んでいることに気づくものです。

 声がしっかりしていて、脈もはっきり強く打っています。降圧薬と神経痛の薬を飲んでいるということなので、それで血管が拡張し血行が良くなっているということはありそうです。

 大病をしたことがないそうで、立派です。

 右中指第二関節は水が溜まり、現在炎症があると考えられます。左右対称性はありませんが、リウマチの可能性もないとは言えません。

 指圧に移る時に、自ら補聴器をはずし、ズボンを脱いで股引になりました。

 どういう形でも結構、耳は遠くても何としてもコミュニケーションはさせていただきます。

 伏臥位の指圧…、すぐ爆睡です。

 この時点で、その整体とその鍼よりは、はるかに生体機能に良い影響を与えられていると考えていいでしょう。

 思ったより、臀部や大腿後側の坐骨神経に沿った硬さはありません。しかし、O脚に固まっていて、伏臥位の指圧では両膝をあまり曲げることができませんでした。

 全身指圧が終わり、声をかけて起こしました(ケッコウ聞こえてるじゃん…)。

 脱いだ時よりもふらつかずにズボンをはき、左膝がかなり曲がるようになりました。これは全身を緩めたことにより、筋肉や関節が協力し合って悪い部位を補えるようになったということです。

 「気分がすっきりして、腰も楽になったようだ」ということで、来た時もトイレに行きましたが、帰りもトイレに行きました。

 老廃物が流れたということです。

 まだ畑をやっているという爪は深爪で、土が指先に喰いこんでいます。

 爪の割れや肉割れがあり、孫娘さんに「それをケアしてあげて」と伝えて施術を終えました。

 初めての方で高齢者となると、骨が脆いかもしれないと考えて、強い刺激や衝撃的な矯正法は避けるべきです。

 O脚の矯正と大腿四頭筋の強化が腰痛と膝痛予防になりますが、一応話しておきましたが、御自分でできるかどうか…。

 ボチボチやりましょう。国宝に触らせていただいたような気持ちです。この施術も『北風と太陽』の教訓を思い出させてくれました。

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2009年3月23日 (月)

歯ブラシ“ふつう”ペングリップの刺激

 去年の秋頃、歯が“知覚過敏かな?”と思ったことがありました。

 “シュミテクト”をはじめ、少しお高い歯磨き粉を試しているうちに、『これは強く磨き過ぎなのでは?』という考えにたどり着きました。

 『古畑任三郎』で大地真央さんが歯科医を演じた回を見て以来、コーヒーを飲んでも歯を磨くようになっていました。

 硬い歯ブラシを使って、小学校で教わって以来、シェイクハンドで歯に対してグリン、グリンと回旋させる磨き方をしてきました。

 当時はデカイ入れ歯のようなものを保健の先生が掲げて、グリン、グリンと磨いて見せたものです。

 歯ブラシ“ふつう”、握りはペングリップで、歯に対して垂直に当たるように磨くようにしてから、知覚過敏は治まりました。

 『道具は垂直に使う』、なるほどそのほうが力の散逸が少なく、大きな力もいりません。

 この経験は『指圧をもっと弱く』という私の考えを、整合性を持って補強してくれました。

 『見てきたことや 聞いたこと 今まで覚えた全部 デタラメだったら面白い…』

 これは、ザ・ブルーハーツの『情熱の薔薇』の歌詞ですが、今まで教わってきたことで修正していかなければいけないことは、まだまだたくさんあるのだと思います。

 運動中の水分補給もそう、肩こりを強く押すのだって、気づいて修正しなければいけません。

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2009年3月22日 (日)

ストレス→セロトニン放出→セロトニン減少→偏頭痛

 偏頭痛の典型例です。

 20代女性、忙しい一週間を過ごした週末、偏頭痛になりました。

 忙しいと感じていたからには、自分の手に余る仕事を抱えてそれをこなしていたということです。

 忙しさはストレスとなり、心拍数増加、血管収縮、血圧上昇を招きます。

 この時に体はイライラもして興奮し、顔などの一部の血管は拡張して充血し、それを抑えるために血管収縮物質であるセロトニンが放出されます。

 週末、体は急激なストレスからの解放により、心拍数減少、血管拡張、血圧低下の状態になる上、セロトニンを使い切ってしまったため、頭部など体の一部で血管拡張を抑えられないということになります。

 これが三叉神経を刺激することによって起こるといわれる偏頭痛のメカニズムです。

 むくみやすい体質では血液が停滞しやすく、偏頭痛が起こりやすくなります。

 指圧をした時には偏頭痛の症状がなかったので、むくみを流すような全身指圧をしました。

 この女性は、腋窩や骨盤周囲から下肢にかけてむくみやすいので、股関節や肩関節を大きく動かすように普段から心がけておくことが偏頭痛の予防になります。

 今回は2週間ぶり2回目の指圧でしたが、ストレッチを心がけていたということで、体は一周り引き締まっていました。

 大きな関節を動かしておくことでストレスを発散できれば、セロトニンを温存できるのではないかと思います。

 これは幸福感のある指圧、マッサージでも同じことが言えます。セロトニンは幸福物質でもあるからです。

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2009年3月21日 (土)

引越し、転勤、入学、環境の変化

 昨日は入学による引越しの話と、また別の方から転勤の話を聞くことになりました。

 4月に向けて、新しい環境に向かう方たちが多くなる時期だというのを身近に感しました。

 新生活に希望を抱いて向かえる方と、自分の意思では新生活を望んでいなかったという方がいます。

 希望を持って新生活に向かう方でさえ、環境の変化やそれまでの準備はかなりのストレスになります。

 “頑張らせない仕事”をしている私ですから、そういうお話を聞いて“頑張れ”とは言えなかったのですが、『どうか楽しいことが一杯ありますように』と、硬く硬く気を張っていた肩を緩め、またもうひとりの方には電話でお話しをうかがっていました。

 また此処に来られる時は、また此処がシェルターであるように、またどこかでお会いする時は、その時間がシェルターになりますように…。

 私に新生活の話をしたことでその肩の重荷を少し降ろすことができたのなら、セラピストとして嬉しいことです。

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2009年3月20日 (金)

筋肉の傷は筋が収縮すれば傷口が開く。だからどうする?

 肩上部僧帽筋に傷があるとします。

 筋の線維の走行に沿って傷口が開いていたとすると、筋肉がストレッチできていて短縮していなければ、傷口は塞がろうとしています。

 この時に、肘を曲げ、手の甲を上にして指先を使って仕事をすれば、肩が上がるので僧帽筋は短縮し傷口は開きます。

 筋肉に傷がある時の安全で効率的な施術は、筋肉にストレッチをかけながら牽引して関節可動域を拡げていくという方法です。

 筋肉の走行に対してストレッチをかける方向のタッチは有効ですが、ここで柔捏をしてしまうと傷口をさらに痛めつけることになります。

 “揉む”ことができるのは傷のない筋肉だけです。こりがあればほとんどは小さな傷があると考えると、揉むことにはもっと慎重であるべきだと思います。

 明らかに傷の位置がわかれば、傷は触れないようにしてその前後の軽擦や軽圧で筋肉の起始から停止までを誘導的に施術します。

 頚椎なら“ネーゲリーの伸頭法(頚をやや後屈させ側頭部に四指、項窩に母指をあて上方向に牽引)、肩関節なら前方、上方、側方と90°、180°の角度で牽引し、それに左右の回旋を痛みの出ない範囲で組み合わせていきます。

 これに頚なら側屈・前屈・後屈・回旋、肩なら野球やソフトボールのシャドウピッチングや陸上での水泳のフォームなどを加えていくことができます。

 “痛みの出る動きの反対の動き”を意識していくことで、これが振り子運動なら両方の動きをしていくことになります。

 タッチでもストレッチでも痛みが出た時は傷口が開いたのだと思って、それより小さな動きに修正していきます。

 これを続けていくうちに関節可動域は拡がり、動かすことで誘導的に傷口が修復されて痛みが出にくくなっていきます。

 5°角度が行き過ぎても痛みは出ます。そこを見切っていくことが大切です。

 クライアントの体と神経が繋がっていない以上、丁寧に、丁寧に施術するしかないのです。

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2009年3月19日 (木)

施術は緊張するし疲れる、さてどうするか?

 タッチセラピストやタッチセラピーを勉強中の方たちと会う機会が増えて、何かお役に立つアドバイスができないかと、いつも考えています。

 初めて現場に出て施術をする時、誰もが緊張し、不安を抱えています。

 昨日も話したのですが、『最低二人の体を楽にしてから自分が疲れないと、この世から疲れた人はいつまでたっても減らないよね』ということは、わかっていてもらいたいと思います。

 タッチセラピーに価値を見出してこの世界でお金を頂くからには、たとえ研修中であってもお客様には“先生”と見えてしまうことを理解していなければいけません。

 お客様を癒すつもりでいるなら、自分が癒しを欲している状態で施術をするのではいけないのです。

 背中を起こしておく、頭を下げない、これを意識していても初心者は必ず肩こりと腰痛を施術で作ってしまうでしょう。

 だからストレッチをする、鏡を見てストレッチの角度と刺激量を適切にする、肩こりや腰痛になったらそれが回復する過程を観察する、このように疲れのピークを遅らせる努力や治ったと言う経験が自信になって自分の健康観に反映され、施術に余裕が生まれます。

 施術で緊張する繊細さがなければ、命と向き合うことはできません。

 緊張していい、数をこなせば疲れるに決まっている、だからそれに対して始める前から不安になっていても何の解決にもなりません。

 施術が終わる毎にストレッチをして、“試合”に夢中になって楽しんでほしいと思います。

 きっとできると信じています。

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2009年3月18日 (水)

臍を母指にぶつける体重移動

 指圧の体重移動を考える時に、床では後ろの膝にかけた体重を母指に移動します。

 中手指節関節を突き出す手の形によって、手掌が高い位置で固定され、母指の指紋部が浮くことなく垂直圧の体重移動が可能になります。

 肘を曲げないことで上肢は肩から一本の線となって圧刺激を伝えることができます。

 上肢を一本の線にするために、私は肩関節内旋を意識してきましたが、最近『もっと上位の意識』に気がつきました。

 それが『臍を母指にぶつける体重移動』です。

 手の形は重要ですが、それ以外の肘の伸展や肩関節の内旋は意識から除外します。

 肩を母指にぶつけていけば肩を痛めます。

 もっとふわっとした感覚でよいのだというのが最近降りてきた考え方です。

 肘と肩の力が抜けていることのほうが重要です。

 例えば指立て伏せをプッシュアップしていく時に、どの位置でも止めて持続することができれば、肘が曲がっていてもそれは指圧です。

 『触れて、感じて、思いを臍から母指に伝える』

 わずかな動きでいい、しかし強い熱を産生していなければならない、そんな感覚がある日降りてきました。

 これは傍から見れば、基本指圧と変わりないかもしれません。

 しかし、感覚をつかんで力を排除した基本指圧は、ひとつ上の境地のような気がしています。

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2009年3月17日 (火)

指圧ギフト

 「是非紹介したいから…」と、紹介者であるお得意様から料金を頂戴しての“指圧ギフト”の指圧をしました。

 『70代女性、左肩から上腕外側にかけての痛みがあり、明け方は痛みで目が覚めるということです。最近は右肩にも同じような痛みがあります。』

 背中は丸くなっていて、両肩は内旋気味で、頚は肩より前にあります。

 現在服用中の薬はないのですが、コレステロールと血圧は高くなってきていて経過観察中のようです。

 座位で左上肢の前方挙上と外転は135°くらいまでは痛みがなくできます。

 これだけ背中が丸くなっていてそこまでできれば、ほとんどは肩の内旋姿勢と外旋筋を使えていないことが痛みの原因です。

 予想した通り、伏臥位で左肩甲骨外側の小円筋、大円筋を指圧すると強い痛みがあります。

 仰臥位では、左鼡径部の脈がとれず、左下肢の筋力は弱く、右下肢外側にこりがあります。

 これらのことから、右足に体重をかけて右手を使っていて、左半身をほとんど使っていないことがわかります。

 全身指圧後、再び座位で左上肢の前方挙上と外転をすると、170°近くまで痛みはありません。

 肘を曲げて左肩上部をつまみ、痛みの出ない範囲で肘を上に打ち上げて外へ回す“肩関節外旋のストレッチ”を覚えてもらって施術を終えました。

 帰りに上着を着る時、肩の動きはかなり楽になっていたようです。

 “指圧gift”は贈り主の期待にもそえたでしょうか?

 考えてみれば、この指圧に価値を感じていただいたお客様から、御家族やお友達にここを紹介していただいたことで、お客様が徐々に増えてきたのです。

 それもギフト、そしてこの指圧も私からお客様へのギフトです。

 「指圧をプレゼントしたい」という言葉を聞いた時、感慨深いものがありました。

 お中元カタログに載るほどの数はこなせませんが、“贈り物に…”と考えていただけるようなレベルの指圧を毎回続けていくつもりです。

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2009年3月16日 (月)

ETC取り付け76人待ち 助成金申請用紙足らず

 町内のカー用品のチェーン店に、ETC車載器を取り付けにいきました。

 助成が始まった最初の日曜日の午前中、最後の1台が残っていて、あまり人気の商品ではないようでしたが、これも何かの縁と購入しました。

 すると、取り付けは76人待ち、しかも助成金申請用紙がなくなっていて手続きもできず、後日電話連絡で取り付け日を連絡するとのことでした。

 大黒埠頭PAのETC無料取り付けキャンペーンには、限定50台に朝からたくさんの人が並び、インターネットの無料キャンペーンも取り付けまで2~3週間かかるということです。

 あっという間に『高速道路1000円』が決まって、助成金の期間も3月いっぱい、ETCをあわてて用意する人たちで混んで当たり前です。

 1~2回高速道路で遠出しても元がとれるかもしれないと思えば、それまでETCを必要と感じなかった人がETC取り付けに殺到します。

 料金所のETC遮断機のバーが何本折れるか?、休日の高速道路の渋滞、事故や逆走ドライバーの増加…。

 あぁこれが政治なのですねぇ。

 庶民感覚は切実に、経済的に、政治によって反応しました。

 76人目って、いつごろ私の車にETCが付くのでしょう?

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2009年3月15日 (日)

ボズ・スキャッグス的表現の変化

 先日ボズ・スキャッグスのコンサートをテレビで見ました。

 当然のように最後は大ヒット曲の『We are all alone』でした。

 驚いたのはkeyがGのこの曲を、keyを7つ下げたCで歌って、しかも嫌な感じを受けなかったことです。

 普通はどの歌手が半音下げて歌っても衰えた感じを受けるのですが、アレンジも原曲に忠実で、違和感のない素敵なバラードに仕上がっていました。

 ギターを取り上げてkeyを確認したくなったのでkeyを下げていることはわかったのですが、さほど低い感じはしていませんでした。

 彼は最後にインタビューで「自分の声が好きだ」と語っていました。

 決して美声ではない、ギターのテクニックもそれほど卓越した感じを受けない、しかし彼は自分の声で歌い、ギターのソロも弾きます。

 自分の技量と見せ方がよくわかっているのでしょう。

 年齢とともに変化した肉体と感覚の“今のマイベスト”を分析し、ステージを続けています。

 バック・ミュージシャンが素晴らしいということもありますが、keyを7つ下げて見事に同じ歌として聞かせたのは物凄いことだと思いました。

 私は指圧に対して、そこまでの思い切ったことを考えたことがありませんでした。

 体力が落ちたらkeyを半音下げたような指圧になるのだろうと思っていました。

 年老いて体力が落ちても自分のマイ・ベストのkeyを探せば、もっともっとタッチを変えて今と同じkeyであるかのような指圧もできそうな気がします。

 ボズ・スキャッグス的表現は“自分の声が好き”だからこそできるのでしょう。

 私も私のタッチが好きだと言い続けたいと思います。

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2009年3月14日 (土)

膝手術後初めて電動アシストのないほうの自転車で指圧に来たこと

 「今日は電動でないほうの自転車で来ました」、半年前に膝の手術をした70代女性が入ってくるなりの第一声です。

 退院後すぐは出歩くこともできず、手術後最初の指圧は娘さんに車で送ってもらい、それが電動自転車になり、調子が良くなった今日は下半身を鍛える意識もあって、電動のない自転車にしたようです。

 同じ日に膝の手術をして一緒に入院した8人の中で、一番手術後の状態が悪かったということですが、今では一番状態が良いと病院でも言われているようです。

 半年の長い時間をかけて、徐々に回復していくのを診てきました。

 指圧の施術とともに大腿四頭筋のエクササイズや抵抗運動もしてきたので、本人もリハビリの要領を覚えて、回復につながったようです。

 膝のむくみも少なく、水があまり溜まらなくなりました。炎症反応が下火になったということです。

 わざわざ電動でない自転車に乗る気になるとは思いませんでした。

 少しはお役に立てたと思います。

 クライアントがセラピストの“気”の上を行っていると思った朝でした。

 玄関から送り出して、カルテを書こうと机に戻って外を見ると、もういなくなっていました。

 たぶんピューッと坂を下りて行ったのでしょう。鼻歌でも歌いながら。

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2009年3月13日 (金)

バッハ無伴奏チェロ組曲 堤剛さんの言葉と指圧

 バッハの無伴奏チェロ組曲について、チェロの第一人者である堤剛さんの言葉が今朝の産経新聞に掲載されていました。

 「バッハも演奏したドイツのライプチヒのホールで、これまで一つの旋律だと思っていた部分が、実はいくつもの旋律が重なり、豊かな和音を含んでいること」を「自然と理解することができた」というのです。

 巨匠パブロ・カザルスも毎朝この無伴奏組曲を演奏し、そのたびに新たな発見があったそうで、堤さん御自身もこの楽譜を見るたびに新鮮な驚きを感じると語っています。

 『単音の連なりの残響が重なり、それが絶妙の和音となるような構成』、これは指圧や他の手技療法にも当てはまります。

 タッチを乱暴に切ってしまえば、単なる1点の刺激にしかなりません。

 余韻を残し、タッチの連なりを共鳴させるにはどうしたらいいか、それを追求していけば、タッチは単なる施術からやがてアートへと昇華していくことでしょう。

 名人上手と謳われる大家でも毎日発見があり、毎日発見があるからこそ第一人者でいられるのだと思います。

 生意気なようですが、堤さんの仰ることは『なるほど!これは指圧にも言えることだ』と、イメージを描くことができました。

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2009年3月12日 (木)

『おくりびと』のタッチとセラピストのタッチの違い

 『おくりびと』で納棺師を演じた本木さんのタッチと、われわれセラピストのタッチを比べてみると、その最も大きな違いは“受け手の呼吸”です。

 御遺体を扱う納棺師のタッチは、受け手の呼吸を反映することができません。

 われわれセラピストのタッチは、受け手の呼吸のタイミングを反映できなければいけないのです。

 納棺の儀で死装束を整えるときの所作が、アロマセラピストは施術の時のタオルワークと重なります。

 違いは呼吸と命です。

 命を留め輝かせようとするタッチセラピストと、命の終わりに尊厳を保ちながら旅立ちのお手伝いをする納棺師のタッチは違います。

 実際に『おくりびと』を見て、それまで断片的な情報から予想していた内容とは大きく違う印象を持ちました。

 この映画は主人公が納棺師でなくても成立する映画だと思いました。

 映像やドラマの展開がとても感動的で、それがアカデミー賞で評価されることになったのでしょう。

 しかしタッチそのものには、それが納棺のタッチであっても、もっと優れたタッチがあると見ている自分がいました。

 タッチは経験が現れます。演技は素晴らしいと思えても、演技のタッチは本物のタッチを超えないということを思いました。

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2009年3月11日 (水)

今週は眠たい人が多い

 今週になって『眠たい』と訴える人が多くなっています。

 昨日の日中は春の陽気で、夕方からは風が強くなりました。

 花粉症や女性ホルモンが関係していると思われる方もいます。

 今宵は満月。

 月の満ち欠けと体のリズムの関係と、春が盛りに近づいたことの相乗効果で、副交感神経優位の状態になりやすい頃なのかもしれません。

 雪まじりの雨や曇りの日が続いた先週と比べて、今週は気の緩みやすい気候です。

 こんな時は、速歩きのウォーキングや、リズミカルな体操を体が必要としています。

 日中に眠たいのは、体が環境の変化についていくことができずに、自律神経のバランスが乱れているということが考えられます。

 車やバイク、自転車に乗る方、また歩行者としても、ぼんやりやうっかりが事故につながります。

 上肢や下肢、体中をポンポンポンとリズミカルに軽く叩くだけでも、体は仕事モードの交感神経優位の状態にスイッチが切り換わります。

 眠たい方はお試しください。

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2009年3月10日 (火)

最近店舗を増やしている女性専用フィットネスジムの求人広告

 『運動が苦手な方でも可…。2週間の研修で…。』

 最近よく見かける女性専用フィットネスジムの求人広告を見て、『あれっ、これで大丈夫か?』と思いました。

 マシンを使った30分のサーキットトレーニングと、街中にあるコンビニ感覚が売りのようです。

 シャワーを設置せず、鍵着きのロッカーなどもはぶき、空き店舗などを利用して初期投資を抑え、利用料金に反映させているようです。

 急展開とも感じる店舗拡大にともなって、人材の確保は急務だと思います。

 2週間の研修だけの、運動の苦手なインストラクターを支えるマニュアルに自信があるということなのでしょうか?

 インストラクターに質問する利用者が少ないのかもしれませんし、細かい筋肉を鍛えたいと思うようなマニアや、専門的なリハビリが必要な方を対象にしていないというスタンスではあるのでしょう。

 あまり感心のしないマッサージ屋さんと同じような求人広告であるなぁと思いました。

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2009年3月 9日 (月)

耳のツボ刺激は迷走神経を介して内臓に影響を与える

 咽頭や喉頭の運動と感覚を支配する迷走神経は、耳管咽頭から耳介まで及んでいます。

 耳ツボの刺激は迷走神経を介して延髄に伝わり、迷走神経は横行結腸3分の1までの内臓を支配しているので、延髄の役目である呼吸・循環・消化などの働きが活発になります。

 耳への刺激は同じ迷走神経によって副交感神経を刺激し、消化管の働きを促進させ、同時に深いリラクセイションをもたらします。

 これは足ツボの刺激が脛骨神経→坐骨神経→仙骨神経と伝わり、仙骨神経の副交感神経である骨盤内臓神経を刺激するのと同じです。

 ツボと神経を関連づけて考えられるようになると、一点の強圧よりも、神経の伝達や血流を促進する広範囲の気持ちの良い刺激が必要であるということがわかってきます。

 自分の頭の中の人体解剖図を常に更新し、精密に書き込んでいく作業をしていかないと、タッチが“その1点”から伝わっていくイメージができないので、いつまでたっても効果的な刺激が見えてこないということになります。

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2009年3月 8日 (日)

右手首の脈がない

 平成生まれの女性、右に頚が回旋+側屈しています。

 主訴は右肩こりと左偏頭痛、背骨は正常に診えたので、伏臥位から指圧をしました。

 全体的にむくんでいて、上半身より下半身のサイズが一回り大きくなっています。

 仰臥位に移ると爪先が外側に開き、股関節が外旋しているのがわかります。

 大腿内側の内転筋群を使っていないため、骨盤が外側に開き、お尻と大腿が外側に膨らんでいます。

 右を向いた頚が右に体重をかけているので、右の肩こりは見ての通り、左の偏頭痛は左足の開きが胆経を通して左側頭部の血行不良の原因のひとつになっています。

 左橈骨動脈も拍動が弱かったのですが、右手首には脈がありません。

 よく見ると、枕をした頚は右斜め前傾し、頚動脈から鎖骨周囲を詰めています。

 仰臥位で寝ている間に、必ずそうなるようです。聞いてみると枕なしで寝ています。

 枕をはずして、腋窩を緩めます。この状態では鎖骨周囲か腋窩動脈につまりがあります。

 腋窩から肩甲下筋を圧すととても痛がりましたが、ここまで指圧を進めてきて詰まりがあるとすると、痛みがあっても緩めないわけにないきません。

 長袖をまくって前腕内側を見ると、全く静脈が見えません。

 「採血の時は大変でしょう?」と聞くと、やはりそのようです。

 全身施術をし、肘を曲げて肩をつまみ、肘打ちを真上にするようして肩関節を外旋方向に拡げるストレッチと、大腿にクッションでも挟むエクササイズをアドバイスしました。

 一見それほど悪くは診えない体でも、このままではやがて腰痛、膝痛も起きてきます。

 股関節を内旋方向に矯正することで下半身はスリムになり、偏頭痛も起こりにくくなります。

 肩のストレッチを続ければ肩こりにもなりにくく、枕をして寝られるようになるでしょう。

 血流が良くなれば右手の脈もはっきりして、万一の採血や点滴も少し楽になると思います。

 平成生まれではありますが、そろそろ自己管理が必要な年頃です。

 このあたりのことを保険体育教育で意識させることができれば、国民が飛躍的に健康になれると思うのですが…。

 

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2009年3月 7日 (土)

20代女性 よく鼻血が出る

 20代女性、肩こりがあって下半身はむくみやすく、よく鼻血が出ます。

 指圧をすると、冷えのぼせというほどではなく、髪の艶や足裏の肌の状態も良いと思いました。

 右肩上部から右腰にかけて筋肉は硬くこっています。

 鼻血の原因には鼻のいじり過ぎの他に、白血病や高血圧や肝臓の病気なども考えられます。

 全体症状や問診からはこれらの疑いはあまり考えられず、となるとこの鼻血は、月経血の量が少ないための代償性の出血か自律神経の問題などが考えられます。

 髪や肌の調子が良さそうなので、月経について問診していなかったことが後で悔やまれました。

 私は男性のセラピストですが、月経の問題はよく相談されることがあります。訴えとして出てこなければあえてこちらからうかがわないので、たまに後で月経の問題かもしれないと気づくことがあります。

 お母さんもお客様なので、電話を頂いた時にお母さんにお話しておきました。

 今この女性は寒い地方で仕事をしているので、もしかしたら寒冷刺激と暖房との急激な血管収縮→拡張の繰り返しで、鼻の毛細血管が脆くなることもあるのかなとも考えています。

 庭の散水用のホースのプラスチック製ノズルも、はずしておかないと凍結と解凍の繰り返しですぐに壊れてしまいます。

 『もしかしたら鼻の毛細血管も…』、娘さんの鼻血を心配していたお母さんにはこんな話も伝えておきました。

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2009年3月 6日 (金)

優秀なタッチセラピストはトリガーポイントの扱い方が上手い

 3月4日のNHK『ためしてガッテン』では、がんこな肩こりとトリガーポイントとの関係を扱っていました。

 “がんこな肩こりが、肩の痛みとして自覚する部位とは別のトリガーポイント(痛みの引き金となる場所)の関連痛として感じているケースがあり、この関連痛としての肩こりを解消するためには、痛みを自覚している部位ばかりマッサージをしてもかえって悪くすることがある”

 要約すると上記のような内容でした。

 実際に肩こりが主訴で指圧を受けに来る方の中には、いわゆる肩(肩上部僧帽筋周囲)のこりが『それほどでもない』と触診で感じる方がいらっしゃいます。

 猫背であれば肩こりのトリガーポイントが肩甲骨の胸側についている肩甲下筋であったり、O脚であれば腰痛のトリガーポイントが中殿筋であったりします。

 この関連痛をたどるセンスがセラピストの技量に大きく影響します。

 肩こりの肩の範囲を、頚、肩甲骨周囲、腋窩、前胸部、上腕と拡げて診ることができるのが優秀なセラピストです。

 優秀な指圧師は、肩こりを点でたどり、“ものたりないくらい”の刺激で、引き金を引かせないようにしながら緩めていきます。

 関連痛である肩上部の痛みを強刺激するのはNO GOOG !、トリガーポイントをゴリゴリ潰すのもNGです。

 『指圧はエステであり、ヨーガであり、トリガーポイント・マッサージであるのだなぁ』、おそらくそれがどのような手技療法であっても、優秀なタッチセラピストの施術は、そのような方向を目指していると思います。

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2009年3月 5日 (木)

口コミ出張

 先日、お宅に出張して指圧をした方が「整形外科よりも楽になった」とお友だちに話をしたようで、そのお友だちも「指圧をしてほしい」ということになりました。

 とても有難いことなのですが、車で片道一時間以上かかる所なので、効率を考えてしまうと「んーっ…」と一瞬は考えてしまいます。

 自由診療なので、交通費の実費や出張料金を頂けばいい事なのですが、拘束時間まで加算してしまうのは「さすがに…」と思うので、こんな時に他のお客様を断ることになってしまうと、あまり出歩いてばかりいるわけにもいかないのかなとも思います。

 考えてみれば埼玉県外から来ていただいているお客様もいるので、そのお客様たちに頼まれたら断ることはできません。

 『声をかけていただくだけ有難いと思え!』、心の声は必ずそう言います。

 マザー・テレサや玄奘三蔵や鑑真は、ただ黙々と自分の使命に邁進したのでしょう。

 いつか指圧した忍者好きのデンマーク人に言われた、「オマエは世界に出るべきだ」という言葉。

 なるほど、やがては外国まで指圧に呼ばれることもあるかと思います。現にアメリカに暮らして、帰国すると指圧にいらっしゃるお客様もいるわけです。

 よく電話のセールスで「ヤフー検索の上位に出るようにしませんか」というのが来て、「一日にたくさんの人を施術できませんから」と断ったら、電話の切際に「こいつはバカかっ!」と言われたことがあります。

 その時一瞬腹も立ちましたが、イッショウケンメイ宣伝をして大儲けができるとも思えないので、その方たちの基準から言えばバカなのでしょう。

 記憶に残る指圧をして、ギリギリご飯がいただければそれでいいか、結局そんな結論になります。

 口コミの宣伝で紹介していただくお客様は、とても大切です。そしてうちに来るお客様は「先生を紹介してもいいか?」と聞いてくださる方もたくさんいます。気を使わせて、すみません。

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2009年3月 4日 (水)

深部感覚 位置感・運動感・抵抗感・重量感

 皮膚感覚である“触圧覚・冷覚・温覚・痛覚・くすぐったさ・かゆさ”がタッチに重要であることは間違いありません。

 これらの皮膚感覚は、受け手にとってもセラピストにとっても“ありのまま”がタッチの質と施術の質を決める要素になります。

 一方、深部感覚である“抵抗感・重量感・運動感・位置感”は、セラピストのセンスによって受け手の感覚がはっきりと違ってきます。

 受け手が施術中に感じる位置感は、“目を閉じていても今どこを圧しているかわかる”ということ、運動感は“セラピストのストレッチで感じる関節の動き”、重量感は“タッチの刺激量”です。

 セラピストはこりの硬さの抵抗感から、刺激量を割り出します。

 皮膚表面に触れてわかる手指着地の瞬間を過ぎて、深部感覚によって適量刺激を作り出す過程が、タッチセラピストにとって最も重要なテクニックです。

 運動後の筋肉痛(局在性に乏しい(→周囲に関連痛がある)、持続性の鈍痛)は、深部感覚のひとつである深部痛覚が関与しています。

 優秀なセラピストを目指すなら、位置感・運動感・抵抗感・重量感を磨くことで、同じ深部感覚である深部痛覚に対しての感性を鍛えることが大切であると私は考えています。

  

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2009年3月 3日 (火)

狭心症の喘鳴

 朝、家族の方から予約を頂いた70代の女性が指圧にいらっしゃいました。

 喉から笛が鳴るような音をさせながら、肩を上下させて苦しい呼吸をしています。

 家族の方からは「足が痛い」とうかがっていましたが、これは心臓が悪い時の呼吸だと直感しました。

 この女性には狭心症があります。

 手足が冷たく、手の甲の静脈がうっ血して青黒く盛り上がっています。

 「明け方3時頃、胸が苦しくて目が覚める」ということなので、典型的な肺か心臓の血管の狭窄による症状です。

 就寝中、布団で圧がかかるので、胸郭は拡がりにくく肺の働きは弱くなります。

 また睡眠中、副交感神経が優位になると心拍数が減少して、狭心症で狭窄がある冠状動脈の血流はさらに減少し、胸の絞扼感が強くなります。

 副交感神経優位で悪化するところは喘息と同じです。

 伏臥位で心臓を圧迫したくないので、仰臥位で下肢の指圧から施術しました。

 足の痛みは坐骨神経痛の症状としてあるようですが、心臓の働きが弱くなったためのむくみや冷えのほうが問題であると感じました。

 少し歩いても息が上がってしまう労作性狭心症の症状が強いので、ここのところ外出さえあまりしていないということでした。

 下肢の指圧が終わり、上肢の指圧で左橈骨動脈をとると、しっかりとした脈があります。

 上肢の指圧を終えると、手の甲の静脈の怒張はおさまっていました。手足も温かくなっています。

 頭部顔面、前胸部、腹部と指圧をして、横臥の指圧に移ります。

 左肩上部のこり、左肩甲間部のこりは、狭心症の内臓反射と考えてよさそうです。

 上肢の指圧から眠り、呼吸は下肢の指圧で、すでに落ち着いていました。

 施術後顔色も良くなり、呼吸で聞こえた喘鳴もありません。

 「病院で先生に症状を伝えてる?」と尋ねると「話してない」との答えです。

 「それを言わなくちゃだめだよ。薬を増やすくらいですむかもしれないんだから」

 検査は必要かもしれない、もしかしたらかかりつけのお医者さんではできない検査になるかもしれませんが、毎日胸が苦しくなるようなら今の治療のままではいけません。

 高齢者の方は『年をとるとこんなものなのかな…』と自分の体の変調の重大さに気づかないことがあります。

 家族の方も『足の問題』と思っていたくらいです。

 確かに第二の心臓である下肢を、指圧師の手指が第三の心臓となって施術をすれば、(第一の)心臓の働きを助けることはできます。

 しかし、この状態は病院で医師の診察を受けなければいけません。

 『今度薬を貰いに行く日が2週間後だから』と甘く考えて緊急の状態になるよりは、薬が一つ二つ増えて、もう少し冠状動脈が拡げられたほうが毎日の生活の質が向上します。

 お年寄りは面倒臭がったり、ナイーブでお医者さんに言い出せなかったり、入院が嫌で病院に行かなかったりします。

 この状態を指圧で引っ張って「先生は名人だ」と言われて喜んでいるようではいけません。

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2009年3月 2日 (月)

春の音は“ミ”

 『今朝はお日様が近いな』と思いながら、歩いてきました。いよいよ3月、春を感じます。

 五行の“木・火・土・金・水”に対応する五音は“角・徴(ち)・宮・商・羽”です。

 五音を音階で表せば“ミ・ソ・ド・レ・ラ”となります。

 五音を五季“春・夏・長夏・秋・冬”と対応させると、春の音は“ミ”です。

 冬の音は、弱々しく力のこもらない“ハヒフヘホの発音を象徴する『ラ』”でしたが、春の音は、強く鋭い“カキクケコの発音を象徴する『ミ』”に代わります。

 寒さで腎機能に不調を起こしやすい冬が、風で肝機能に不調を起こしやすい春に代わりました。

 古代中国の思想家たちは、冬から春への変化のひとつとして、夜、遠くで鳴っている虎落笛(もがりぶえ)の停滞したようなラの音から、『生』の息吹を撒き散らす風の力強いミの音へ変わったことを感じたようです。

 五音は、4度のファと7度のシを抜いた俗に言う『ヨナ抜き』音階です。

 ミから半音上のファと、ドの半音下のシが入ると、流れはマイナー調にも変わりやすくなります。

 伝統的な民族音楽の中に『ヨナ抜き』音階が多いのは、悪魔の音を嫌ったからだという説もあります。

 春の自然音の中には、『ミ』が溢れているのかもしれません。探してみようと思います。

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2009年3月 1日 (日)

「赤ちゃんが青いオシッコをしない!」と質問した新米ママ

 指圧にいらしゃったお客様から聞いたお話です。

 育児講習会で、「うちの子は青いオシッコをしないのですが…」と質問したお母さんがいたそうです。

 オシッコの代わりに青い液体を使うテレビのオムツのCMを見て、『赤ちゃんのオシッコは青いのだ』と思い込んでいたらしいのです。

 ベテランの漫談家さんのネタにありそうですが、本当にあった話だというのでビックリしました。

 人間、わけがわからなくなってしまうと、トコトンおかしな方向へ入り込んでしまうようです。

 自分が青いオシッコをしたことが一度でもあったかと考えてみれば、わかりそうなものですが…。

 人間は群集の中でも簡単に孤独になります。

 思考の入口を間違うと、不安や恐怖でパニック状態にもなります。

 “青いオシッコ”をしない子供の心配をした新米ママを笑ってしまうようでは、セラピストとは言えないでしょう。

 まずは冷静になってもらうこと。

 きっとこのお母さんには、不眠も便秘も胃炎も肩こりもあります。

 今までは群集の側にいても、セラピストがクライアントの不安や孤独の原因を知ったからには、どんな他愛のない問題でも、当人の手に余るその重さを感じて、丁寧に対応できなければいけません。

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