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2009年5月31日 (日)

指圧後の見通しを説明することが大切だと思うので…。

 昨日の午後は4人連続休みなしに全身指圧をしました(もっとも部分指圧で終えることはありませんが)。

 午前中も指圧があってのことなので、それが終わった7時半過ぎに「肩こりの指圧をしてくれないか」という電話を頂いたのですが、営業時間も終わり、緊急性もないとのことだったので、お断りさせていただきました。

 こういう時は迷います。指圧ができないわけではないのです。しかし休憩をとらなければギックリ腰をやらかしてしまうか、肩を痛めるかという感覚はありました。

 ずーっと考え続けて指圧をしていたので、脳の唯一の栄養である糖分も不足しています。

 5人続けても、力の抜けたかなり良い指圧はできると思います。

 問題は頭の働きです。

 昨日の午後は普通の肩こりの人と普通の背中のこりの人、その後に痛みの強い肩の関節炎と左腸腰筋のギックリ腰の人と続きました。

 指圧の後には、体はそれほど悪くないという説明しをしたり、肩や腰の痛みの部位を示してどのような動きで痛みが出るか、どのようなストレッチをすればいいか、どのような経過で治っていくかなどの見通しを伝えたりしました。

 この現在の状態と予後の見通しを理解してもらえるようにニュアンスを考えながら話すという作業は、とても重要だと思っていますし、エネルギーが必要です。

 営業時間中に電話を頂ければモチベーションをかろうじて保てるのですが、片付け終わってからだと、一度火を消した暖炉のようになかなかヒトサマを温めるまでには燃え上がれません。

 「自分にとっては毎日のことだけれど、お客様にとっては持ち望んでいたことかもしれないから最高のタッチをしよう」というのが毎朝考える朝9時のモチベーションです。

 「キミにとってはたまの指圧かもしれないけれど、こちらとしては毎日やってて、今日はもう限界だから…」、口には出しませんでしたが、昨夜は言っちゃおうかなぁと思い、その後“オマエはナニサマだ!”と反省しました。

 現在は腰や肩を痛めてまで、指が折れるまではやりたくないと思っている頑張らない派に所属しています。

 もしいつか立派な人になれたら、全てのオファーをお受けして、アロマオイルの香りの中で、指圧をしながら倒れたいと思います。

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2009年5月30日 (土)

綱渡りの足の着地をイメージして指圧してみる。

 サーカスの綱渡りは、2点間に張ったロープの上に慎重に足を踏み出していきます。

 この降ろしていく足の下のロープが垂直に沈み、体重を支えます。

 左右にブレたり乱暴な足の降ろし方をすれば、ロープも揺らいでバランスを崩します。

 指圧の垂直圧を自分のものとするには、綱渡りの足の着地をイメージするといいかもしれません。

 2点間は筋肉の起始と停止でも、経絡上の任意の2点のツボでもよいでしょう。

 筋肉をグリンッと滑らせてはずしてしまう指圧は垂直圧ではありません。

 ロープと違って指圧は真上から着地するだけではないのです。

 皮膚の表面に対して垂直という圧をかけるのには、手首の柔軟性、体の柔軟性が必要です。

 『何かある!』と感じて、降ろした母指の指紋部に体重をかけずにいつでも戻せるようになれば一人前です。

 それは強い痛みを持つ傷か、熱か…。

 ロープが急に揺れ出した時の綱渡りで、今踏み出した足に体重をかければ危険だと感じることができなければ、パフォーマンスの成功率は下がります。

 指力に頼らない細心の注意を払った指圧は、見る力がある者が見ればパフォーマンスとして綱渡りと同じくらいに美しいはずです。

 

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2009年5月29日 (金)

宮沢湖温泉 アルカリ性白濁の源泉と人工高濃度炭酸泉

 5月20日に宮沢湖温泉がオープンしました。

 埼玉県では珍しい白濁の源泉が露天にあります。

 宮沢湖が見降ろせるPh9.5のアルカリ性の源泉はカルシウムが多いわけでもなさそうで、空気に触れて白く濁るタイプなのかもしれません。

 内湯の床は今まで入ったどの温泉よりもすべりにくくできていると思いました。そこは後発の温泉の良い所です。

 内湯の人工高濃度炭酸泉は1000ppmと表示され、市販の炭酸入浴剤の10倍の濃度だそうです。

 すぐに肌が泡の粒で覆われ、疲労回復効果と美肌効果が期待できます。アストリンゼント(引き締め)効果と説明書きにはあります。

 15分以上続けて入浴しないようにという注意書きからも、効果はありそうです。

 残念なのは37℃が効果的と書いてありながら、40℃になっていたことです。「ぬるい」という苦情に負けたのか、たんなる管理の怠慢か次回に期待しています。

 洗い場が一人ずつ仕切られているのも気にいりました。

 高温サウナと塩サウナ、寝湯があって1000円の料金なので、まぁまぁリーズナブルな設定だと思います。

 これにプラス280円で岩盤浴ができ、中央加熱式とでも言えばいいのでしょうか、岩盤浴ファンにはお馴染みの鉱物が何種類か用意されています。

 利用していませんが食事はバイキングと蕎麦処があります。

 男湯に限って言えば、脱衣所の狭さとドライアーの少なさなど、入浴の直前と直後に窮屈感がありました。

 総合的には良い温泉施設です。必ずまた行きます。

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2009年5月28日 (木)

指圧のツボと笑いのツボ

 伊東四朗さんがテレビ番組でされていたお話。

 「自分が思ってもいなかったところで、客席から笑いが起きることがある。」

 ライブの空間では変化が起きやすく、ちょっとしたトチリが大うけしたり、セリフが時事ネタとかぶってきたり、観客の年齢層によって笑う場面が違っていたりすること、それは自分の狙った笑いがはずれることでもあります。

 また故・三木のり平さんの芝居に出た時に、客がうけたので同じことを3回かぶせたらさらにうけて喜んでいたら、「四朗ちゃん、3回は粋じゃないよ。2回までにしな…。」と言われたとか。

 気持ちがいいと言われて、同じツボに同じ指圧を続けていると、触圧刺激の感受性が鈍っていきます。

 喜んで「もう十分」と言われたとしても、その時には適量刺激を超えています。

 狙った笑いのツボがはずれることを指圧のツボに当てはめてみると、手の甲の『合谷』や膝裏の『委中』のような四総穴(四つのとても重要なツボ)でさえ、そこにはたいした反応がないことが多いと感じています。

 典型的な笑いのパターンが必ずしもうけるとは言えず、典型的な指圧のツボが反応点として機能しないこともまたライブの空間ではよくあることです。

 人間の体はライブだから変化します。

 5mmツボがずれたり、経絡上の20cm離れた部位に典型的なツボの反応が現れるなどということは日常です。

 つまり何が言いたいのかというと、ライブパフォーマンスは変化をとらえてそこにのっかていかないと成功しないということです。そしてダメ押しをすればせっかくの盛り上がりに自ら水をさすことになります。

 うけたからと言って3回やるのは粋ではないと苦言を呈したのり平さんは、3回続けて後々そのネタが使えなくなっていく様を何度も見てきたのでしょう。

 以前、指圧のお金だけ持って仕事に出かけると仰っていた伊東四朗さん、喜劇役者も指圧師も良し悪しがはっきりとわかる方だと思います。

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2009年5月27日 (水)

“頭痛とマッサージ”『…たけしの…家庭の医学』期待して見たけれど…。

 昨日の『最終警告!たけしの本当はこわい家庭の医学』、頭痛の時のマッサージが批判されるのかと思って“期待して”見ていたのですが、内容はごく普通だったので結構がっかりしました。

 『緊張性頭痛ではマッサージやぬるま湯の半身浴などの血行促進が有効、片頭痛では拡張した血管を収縮させなければならないのでそれらは逆効果になる』ということと、混合性の頭痛もあるということが主な内容でした。

 “期待していた”のはマッサージの刺激が強過ぎると逆にこりを作ってしまうという批判です。

 マッサージ器などの強刺激が習慣になってしまうと、最低刺激量を認識する感度が鈍くなって、『もの足りないくらいで終える』というマッサージの最高レベルから著しくはずれてしまいます。

 これは器械だけでなく、強刺激の手技を受けることでも同じです。

 『肩まで浸かろうシャワシャワ』という入浴剤のCMを覚えている人たちがぬるま湯の半身浴をするのには、練習の積み重ねが必要です。

 このぬるま湯の半身浴という“もの足りなさ”の中にこそ血行促進の黄金則があるわけで、マッサージの刺激も同じことが言えるわけです。

 むしろ頭痛にマッサージなんか良くないと言ってもらえたら、“もの足りないくらいの刺激”について真剣に考えるマッサージ師が増えただろうにと思うとちょっと残念です。

 気持ちの良い刺激が血行を促進し、強刺激や持続的圧迫が血管を収縮させるということを考えてみれば、片頭痛にマッサージが有効なことも明らかです。

 番組でそれに触れていなかったのは、マッサージの専門家が作っている内容ではないので、まぁしかたがないかと思いました。

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2009年5月26日 (火)

思いを込めて、しかし思いを込めすぎたタッチでは重いのです。

 タッチの仕事をしている人は、真面目で優しく温かい人が多いと思います。

 体に触れるセラピーは真面目で優しく温かいものが求められているので、その仕事を志す段階で適性のある人の心に響くのでしょう。

 真面目でイッショウケンメイにタッチをするのは良いことなのですが、何とかしたいという思いが熱過ぎて、適量刺激を超えてしまうということがよくあります。

 体中に力が入ってタッチの当たりが硬く強くなっていれば、快刺激になりません。

 同じ行程の重ね過ぎもやり過ぎです。

 思いを込め過ぎてリズムを殺していたり、むくみが流れていたのに強刺激で止めてしまうということをほとんどのセラピストがやっています。

 『軽く、小粋で、肩の力の抜けた』、その域までは一生到達できないかもしれませんが、頭デッカチなタッチはやめることです。

 もし症状が改善しなくても『命までは取られない、止まない雨はない』のです。

 かく言う私が頭デッカチな思いの重い指圧をしてきたので言えることです。

 肩の関節炎を例にとれば、一回の指圧で治らないことのほういが多いのです。

 それを治すまで帰さない勢いで指圧を続けてきて、やっと力が抜けてきました。

 『ただ気持ちの良いタッチを繰り出すことだけ考えればいい、そのためには全てのタッチの刺激を変えよう』、今はそんな考えで指圧をしています。

 症状の重い人との出会いがなければ、なかなかタッチは上達しません。

 しかし、要は気持ちの良いタッチを創るということをすればよいのです。

 上手くいかないことなんてよくあります。次まで引き摺ることなく、気分を変えてドキドキしながらお客様をお迎えしましょう。

 上手くいかなくても命まで取られない、ニコニコッとアルカイックスマイルで、もっと軽く、もっとタッチを面白くして…。

 その心の軽さは伝わります。セラピストが重く考え込んでいるより、心軽やかにお客様と向き合うほうが、タッチを受ける時の安心感が違います。

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2009年5月25日 (月)

四股と腰 白鵬、朝青龍の腰痛

 昨日、白鵬と朝青龍の横綱土俵入りをたまたま見ていました。

 白鵬の左殿部の筋肉に張りがなく、踏み降ろす左の四股は力が入っていないように見えました。

 相撲をよく見るほうではないので、白鵬についてはほとんど知りませんでしたが、左腸骨筋がストレッチできない状態のように思いました。

 インターネットで調べてみると、腸骨筋を含む左腸腰筋を痛めているようです。

 その後の朝青龍の横綱土俵入りの四股も軽いものでした。

 こちらは昨日、日馬富士(これでハルマフジと読むとは!)に足を払われて倒れた時に右の上半身から土俵に倒れるところを(たまたま)見ていました。

 踏ん張って耐えた右の足首を痛めたように見えたのですが、こちらは右腰を痛めたと報道されています。

 朝青龍の右腰は打撲挫傷の急性腰痛ですからギックリ腰に近いものですが、白鵬の左腰は慢性腰痛です。

 15日間重たい人間を吊り上げたり、投げ飛ばしたりすれば、慢性腰痛は亜急性に悪化することがあります。

 シコとコシ、回文です。

 股関節を柔軟にする股割りをし、四股を踏んで足腰を鍛えても、オーバーワークや転倒で腰痛は起こるということです。

 14日目、日馬富士は取り組み前、肩関節の内旋・外旋運動をしていました。

 朝青龍は壁に左手掌を指先を下に向けて押し当て、肘伸展で前腕屈筋群のストレッチをしていました。

 朝青龍は取り組みでも、ストレッチの形のまま左手を伸ばして日馬富士の前まわしを取りました。

 朝青龍の左肘のテーピングは、そのまま左前腕屈筋の力で強引に投げ飛ばして勝ってきたことを示しています。

 その後日馬富士に足を払われて右上半身を土俵に打ちつけることになりました。

 得意な勝ちパターンのある朝青龍はそれ用のストレッチをし、フレキシブルに体を使わなければ勝てない小柄な日馬富士はそれなりのストレッチをしていました。

 相撲から学ぶことがありました。

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2009年5月24日 (日)

寝違え 右頚部前斜角筋と肩甲挙筋のこり

 寝違えで痛める部位は頚の向きによって違いますが、今回指圧した40代の女性は右頚部の前斜角筋と肩甲挙筋が硬くこって痛みを発していました。

 猫背、腰の後弯という状態で枕無しで寝ていて寝違えたようです。

 寝違えのツボ『落枕(ラクチン:手の甲、示指と中指の間、中手指節関節上5分』があるように、枕から頭が落ちて顎が上がって頚をひねったような時、頚部を痛めます。

 猫背で枕をしないと、顎が上がってしまう場合があります。そうなると頚の向きを変えるにも、後頭部が布団に沈んで無理な力が加わってしまうことがあります。

 おそらく左に頚をひねった時に、右前斜角筋の鎖骨部と右肩甲骨内側上部の肩甲挙筋が強力に引っ張られて寝違えの症状が起きたのでしょう。

 硬結部位ははっきりしていますが、むしろその中心をはずして、頚から鎖骨、頚から肩甲骨というように2線~3線のラインを引いて軽圧でストレッチをするように指圧していきます。

 痛みのない指圧をするためには最後にこりの中心を緩めれば良いので、こりの両側に何線ものラインを引いて丁寧な指圧をします。

 衝撃的な頚の矯正法や頚を回すようなストレッチはこのケースでは有害です。必要ありません。

 前斜角筋だけでなく中斜角筋、後斜角筋、胸鎖乳突筋、また肩甲挙筋だけでなく僧坊筋も指圧し、同じように圧痛があればラインを何本かとります。

 周囲の筋肉に痛みがなければ、細かなラインの指圧は必要ありません。

 あん摩で言うところの2側線、3側線は母指の幅くらいは位置を移動しますが、痛みの強い症状を緩める場合には筋肉の起始から停止へミリ単位でずらすとあたりが変わって非常に効果的です。

 今回は頚のストレッチなしに全身指圧をしました。施術後、頚の右回旋は容易になり頚から肩にかけて筋肉はよく緩みました。

 全身指圧なので頚の痛みの緩和だけでなく、猫背と腰椎後弯の矯正も必ず行います。これができていないと根本的な解決にはなりません。

 姿勢の意識づけのため、腹圧をかけ骨盤を起こしておくことと猫背のストレッチのアドバイスをして今回の指圧を終えました。

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2009年5月23日 (土)

『肩髃(けんぐう)』を軽く押さえながら肩関節を回すストレッチ。

 肩関節痛の治療に応用できるストレッチを紹介します。

 肩関節を90°外転した時に肩関節の前側にできる窪みにある大腸経のツボ『肩髃(けんぐう)』を、中指を中心として3指で軽く押さえながら肩を回します。

 痛みが強い場合は肘伸展で、ゆっくりと内旋と外旋をします。指は当てているだけにして圧は加えません。

 『肩髃(けんぐう)』は上腕二頭筋腱長頭の位置になるので、肩関節の痛みが前にある場合は手仕事で痛めた可能性が高く、かなり有効なストレッチになります。

 強い痛みを伴う炎症であれば、強く圧し込んで症状が改善することはまずありません。

 セラピストが行なった他動的ストレッチを参考に、痛みのポイントを自覚しながら痛みの出ない範囲でセルフストレッチを続けてもらうことで、炎症物質の排出が促され、肩の関節可動域は拡がります。

 痛みが強い場合は症状の改善に時間がかかるものと思ってセラピストは対応すべきで、このストレッチはその見通しをクライアントに伝えるのに良い共同作業となります。

 このストレッチの応用として、五十肩では肩甲骨外側上端を軽く指で押さえながら肩関節の内旋と外旋をします。

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2009年5月22日 (金)

インフルエンザ後の指圧(B型)。

 お得意様の70代女性、B型インフルエンザ後やっと動けるようになって指圧にいらっしゃいました。

 時が時だけに、インフルエンザだったとうかがって『とうとう来たか』と思いましたが、B型と聞いたとたんに少し安心したような、がっかっりしたような…。

 喘息の持病で呼吸器外来に受診した時に、病院で感染したようだというお話しです。

 38度台の発熱が続き、タミフル服用後熱は下がったということですが、一週間寝込んで、咳と喉の痛みで大変だったということです。

 額には微熱があり、蒸し暑い日だったので汗をかいています。

 主訴は肩こり、何もせずに寝ていることでも肩はこります。発熱による関節痛は治まっていますが、背部にもこりがあります。

  寝込んでいたことで下肢にはむくみがあります。指圧をしていくと熱が発散し始め、タオルケットをはずしてほしいということなので、はずしました。

 痩せたということですが、外見からはそれほどでもなく、指圧をしていても感触はありません。

 一週間家にこもっていたのでお話しが溜まっていて、ずーっとしゃべりっぱなしです。

 だるさはないということなので、副交感神経の過剰な興奮はないと判断し、テンポを速めることなく通常の指圧をしました。

 施術後、肩や背部の緊張は緩み、額に手をあてても熱は下がっています。

 以前から指圧で体の調節をしてきた方なので、インフルエンザ後だといっても特別なタッチはいりませんでした。

 指圧をすると体が楽になるということへの厚い信頼を持っている方は、余計なことをしなくても、おそらく御自分で指圧を受けながら体を緩めているということがあると思います。

 受け方が上手いのか、よく緩みます。帰り際、「指圧を受けているからこの前姿勢を誉められた」と、機嫌良く帰っていかれました。

(そんなことがあったかと思えば、今朝は埼玉県でも新型インフルエンザに感染した方見つかりました。)

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2009年5月21日 (木)

「揉んでもとどかないこりに」のCMに?→揉んだらとどかない!

 「ヒラメ貼り」に続いてオヤッ?と思ったのが、同じく消炎鎮痛外用薬のCMの「揉んでもとどかないこりに…」というフレーズです。

 マッサージで「揉む」とは、筋肉を他動的に動かすということです。ピンポイントで刺激を加えるなら、揉むという手技を選択した時点で間違いです。

 揉んだら正確にこりをとらえられません。

 上腕二頭筋腱に肩の痛みの原因があれば、揉んでもほとんど当たりませんし、肩甲骨の内側に張り付いている肩甲下筋のこりが主訴ならば、肩上部から揉んで刺激をしようと考えること自体ナンセンスです。

 揉むという手技は表層で刺激の方向がねじれてこそ体に害がないわけで、洗濯板で揉み洗いをするようにジャブジャブやられてしまっては、筋肉がひどい炎症を起こします。

 CMはインパクトありきだと思いますが、タッチ理論はこうして間違った理解をされていきます。

 タッチセラピストならば、ジャロに報告しなくてもいいので、あのCMを見たらオヤッ?と思ってほしいです。

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2009年5月20日 (水)

新型インフルエンザで切り捨てられるセラピストもいる。

 先週の話。

 「いつもは近所の整体に行く日なんだけど、韓国旅行帰りだと言うので行くのはやめた」と指圧にいらっしゃたお客様がいました。

 敏感なお客様は繊細な対応を選びます。

 この時期だから海外旅行だけで切り捨てられたというわけではないと思います。

 新型インフルエンザの感染者が増えている現在、有用性と有効性がなければ、マッサージのような濃厚な接触は避けられても仕方がありません。

 免疫力を向上させ予防効果があるということと、発熱後の倦怠感を解消できるセラピストでないと、お客様は離れていきます。

 それで淘汰されるようなセラピストなら、今までやってきたことが十分なレベルではなかったということです。

 お客様から個人トレーナーとして体を預けられるという信頼感を得られていなければ、そのセラピストはもっと勉強と工夫が必要です。

 タッチを足していくだけがセラピーではありません。

 いらないタッチは削る、疲労困憊した発熱後の体力に適切な刺激量を診る力が、快方へ向かう仕上げの時期には必要です。

 お付き合いで来ていたようなお客様は、シリアスな局面では最適なものを選択します。

 誰だってインフルエンザをうつされたくないないわけで、普段の言動からお客様は敏感に察知して、今後続々と切り捨てられるセラピストが出てくると思います。

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2009年5月19日 (火)

伸張痛 例えば外転の痛みが内転筋のストレッチで起きる。

 肩関節痛を例にとると、外転・外旋で痛みが出る時の原因として、三角筋・棘上筋・棘下筋・小円筋などの“短縮痛”に注目しがちですが、内転・内旋筋の“伸張痛”が主な原因である場合があります。

 肩関節の内転・内旋筋といえば、大胸筋・烏口腕筋・肩甲下筋・大円筋などが挙げられます。

 猫背+肘屈曲+手の甲が上で手作業をする時、内転・内旋筋に加えて、上腕二頭筋や前腕の主として屈筋群も使うことになります。

 長時間の作業でストレッチがされない場合、大きな負担を感じないままに関節部に炎症が起こり、老廃物が沈着していくのだろうと思います。

 肩甲骨関節上結節に起こる上腕二頭筋腱長頭炎や、肩甲骨烏口突起付近の上腕二頭筋腱短頭や烏口腕筋腱の炎症は、長時間の作業+上肢の重さ+腱と骨との接触刺激で起こるケースもあるだろうと考えています。

 外転・外旋の可動域制限が、その拮抗筋である内転・内旋筋やその協力筋の炎症によって起きていることは見落としがちです。

 触診の手応えと肩関節の動きをしっかりと診ればわかります。

 先入観や典型的な考えのまま対応できる痛みはほとんどないと思っていないと、症状を緩和できないセラピストのまま終わってしまいます。

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2009年5月18日 (月)

ストレスによる背部の緊張 傾聴の指圧

 半年ぶりに指圧にいらっしゃったのは60代の女性、顔が痩せたようで、髪の手入れをする時間もなかったようです。

 予約の電話でも「行きたかったけど家を空けられなかった」という事情はうかがっています。

 旦那様が初期のアルツハイマーで、体は丈夫なだけに厄介な問題が毎日のように起こります。

 やっと最近デイケアに通うことを本人が承諾して、その間に指圧にいらっしゃいました。

 背部のこりは筋トレをしたように盛り上がっています。

 体の弱い女性だったのですが、ある意味、ストレスが体を鍛えたのかもしれません。

 物を買う、何度も同じ所へ電話をかける、お話しをうかがう限り、旦那様の行動には確かに抑制の効かない感じがあります。

 「…なるほどぉ…」

 溢れ出す言葉を遮らない圧加減、今溜め込んだ感情がデトックスされています。

 目が離せず、親戚に不義理をして欠席した葬儀の穴埋めのように、今週は法事へ出かけ、旦那様の兄弟のお見舞いにも行ってくるようです。

 胃下垂気味の方ですが、今日のおなかは悪い状態ではありません。

 「今日のおなかは調子良さそうですよ」と伝えても、「おなかの調子が良くない」とのことなので、舌を出してもらって診ると、きれいなピンク色です。

 胃腸もグーッと動き始めています。

 施術後、来た時より声が大きくなっていて笑顔も自然に浮かんでいます。

 顔が痩せたように思った始めの印象は、体がストレスに鍛えられて締まったということだったのかもしれません。

 “ストレスは人生のスパイス”と、確かアロマ検定の本にも書いてあったと思いますが、そんなふうに綺麗にまとめらてしまうことには反発したくなるような半年間だったことでしょう。

 一時間しゃべるに邪魔にならない傾聴の指圧、これはアリです。

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2009年5月17日 (日)

腰椎後弯で起こるギックリ腰の典型例。

 20代男性、介護職、右の激しい腰痛が主訴です。

 1週間前にいわゆるギックリ腰になり、整体へ行って悪化しました。

 この男性の腰椎は後弯していて椅子に座ると骨盤が寝てしまっています。

 その整体では、この腰に仰臥位で膝を胸のほうに曲げていく『前弯の矯正』をして後弯を増強させ、傷を拡げてしまいました。

 ………(ここは記すに耐えない悪口の数々が…)。

 もちろん、マッサージの資格を持っていようが、整形外科の先生や理学療法士であろうが、考えずに、あるいは考える力もないのに、ただ知っている方法を思い切ってやるだけではこのような『骨格の矯悪』をすることになります。

 腰椎を後弯させ骨盤を寝かして座る癖があると、腰椎腹側から大腿骨上部内側小転子に伸びる大腰筋(腸腰筋)がハンモックのような状態になり、起始の腰椎横突起や腸骨稜で大腰筋を傷つけることがあるのではないかと私は考えています。

 この場合、伏臥位下肢伸展挙上の大腰筋+腰椎後弯のストレッチでも腰の傷に痛みが走ります。

 大事なことは、腰椎の矯正は前弯の矯正も後弯の矯正も、どこでも止められるように、下肢の重さをセラピストが受けとめて徐々に曲げていくことです。

 だから急性腰痛への対応はとても体力が必要で大変なのです。

 幸い筋肉が柔軟で腰椎の後弯と腸腰筋以外の問題点は見出せなかったので、指圧後はかなり可動域が拡がりました。

 来る時は家族に送られ、車の後部座席に横になっていて這い出してきましたが、帰りは座って帰っていきました。

 大腰筋の痛みは腸腰筋の痛みとして腸骨筋に拡がり、中殿筋、下肢(今回は小転子から大腿前側に)へと拡がることがよくあります。

 3日の安静と冷やすこと、そして整体に行ってなかったらもう少し早く治りそうな、始めは小さな傷だったと思います。

 仕事を休んでいて、復帰後の再発を心配していましたが、ちゃんとお辞儀をし自然な形で靴を履いて帰っていきました。

 痛みを再現するような動きをしなければ明日はもっとよくなっているはずです。

 「心配ない、大丈夫」と言うと、「心のケアまでしていただいて」と返していただきました。

 この腰痛は治りかけています。どうしてわかるかというと、それは痛みに対して恐るおそる指圧をしてきたからです。

 自分がされたくないことはしない、痛みを再現しないためにどこでも圧を止められるような指圧をしていると、これはかなり良くなっているということが自然と伝わってくるようになります。

 私もギックリ腰を経験し、下手な体の使い方をすれば今でも軽い腰痛にはなります。

 どうやったら痛みがなく早く治るか、毎日の指圧で考え、自分の体でも試しています。心配ない、大丈夫な感じは“よくわかっているほう”ではないかと思います。

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2009年5月16日 (土)

 90代女性、転倒、左腰痛。

 まだ玄関を開ける前にチャイムが鳴り、別の部屋でとったインターホンに応答はなく、駆けつけるとドアを物凄い力でガチャガチャしていたのは、背中の曲がった高齢の女性でした。

 手押しのカートを杖代わりに歩いていて段差で転倒し、左腰が痛いとのことです。

 近所の方のようですが、通りを隔てた反対側に長く住んでいる方で、何回か擦れ違ったことがあるような気がしますが、こうしてお話しをするのは初めてです。

 散歩の途中に此処を見つけて看板の電話番号と営業時間をメモしていただいたようですが、予約はいただいていませんでした。

 どうやら接骨と間違えているようです。

 保険は医師の同意が必要で(今回は)使えないということと、接骨の治療とは違って、一時間くらいかけて体全体を指圧で伸ばすということを説明すると、返ってきた言葉が「まぁ恐ろしい!」…。

 『違う、違う!』、日本で一番恐ろしくないことをやろうとしているのをわかってもらえないで返すのは残念なので、持ち合わせがなければお金はいらないからということで指圧をさせていただきます(後でちゃんとお支払いしてくれました)。

 持っていた保険証を見せていただくと、大正一ケタ生まれの90代、今まで最年長のお客様です。

 子供は3人いるようですが、なんと一人で暮らしているようです。

 脈を診ると、1分間に120はあります。

 飲んでいる薬を聞いてみると、たくさんもらっているようですがちゃんと飲んでいない様子です。

 仰臥位で両膝を曲げておなかにつけるようにしても、左右に倒しても痛みはありません。股関節の関節運動も硬いなりに動かすことができ、痛みはありません。

 背中の曲がりが大きいので仰臥位では顎が上がってしまいます。

 仰臥位で指圧をしてまず感じるのは、O脚で細い下肢と、左中指から小指の氷のような冷たさです。

 この冷たい3指を指圧し、手で包み込んで温めていると、スーッという寝息が始まります。なかなかポイントというものが浮かんできませんでしたが、ここはツボの反応を示して、温めることが治療になるという感覚を持ちました。

 転倒で骨折まではなかったと思います。体重は左足にかかっているようで、背骨は円弧を描いて大きく曲がりながら左側屈しています。

 もともと左腰痛が起きやすい骨の変形です。

 全身の施術が終わりに近づくと「こんなにやってもらっちゃぁ先生に悪いよ。指が疲れるでしょう」と仰いますが、「誰が来てもこうだから…」と指圧のまとめに入ります。

 指圧が終わって、「いい先生に会えて今日はよかった」との言葉をいただき、手押しのカートにつかまりながら帰っていかれました。

 子供の頃の話、デイケアに通っている話、しっかりと頭は回転していました。

 “いい試合”にはなったと思います。90を過ぎた体に、何かしらの有意義な変化感じていただけたか、それはわかりません。

 お子さんの家に同居しないのは、住み慣れた家で暮らしたいということもあるでしょう。

 淡々と、“手強い相手”を見送ることができました。

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2009年5月15日 (金)

目の奥に頭痛と微熱。

 今朝から目の奥の頭痛と微熱が気になっている30代の女性、右肩が上がっていて両肩甲骨が外側に開き、肩甲棘が後ろに突き出しています。

 アメフト選手のような…。

 前頚部には微熱があり、内頚動脈→眼動脈という流れに充血があるのかもしれません。

 目の奥に頭痛を感じるということですが、激しい痛みが続いているわけではなく今朝からということなので、群発性頭痛のようなものではないと思いました。

 右肩が上がって肩関節は内旋しているので、仰向けに寝るときには肩関節を外旋させるバンザイの格好で寝ているということです。

 つまり仰臥位で上肢を体側に沿わせて寝ると肩が浮いて辛くなります。

 右肩肩甲挙筋のこぶ状のこりを外周から軽圧で緩めていきます。

 上から垂直にこりの中心を潰すことは誰でもそのうちできるようになりますが、目の奥に痛みと熱をもたらしている原因として一番あやしいのがこの肩甲挙筋ですから、炎症に油を注ぐようなまねはしないことです。

 こりの老廃物を流しやすい周囲から緩めることで、目の奥にある充血を静脈性、リンパ行性に流します。ここがダムのような役割をしているようです。

 目の奥には椎骨動脈→脳底動脈のラインもあるので、後頚部の詰まりが主であればそちらに注目します(今回は前頚部の熱感と肩の挙上+内旋に注目しました)。

 仰臥位下肢の指圧からおなかが動きだしたので、こりが緩和され副交感神経が優位になったと考えられます。

 施術後、肩は下がりましたが内旋は少し残りました。前胸部を開くストレッチと、寝るときに肩が浮くようならタオルなどで隙間を埋めて肩を緊張させないようにして寝ることが大切です。

 眠たそうだったので、目の奥の微熱は血液の循環によって発散し、体温は平均化したようです。

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2009年5月14日 (木)

傷めたのは腸腰筋か腰部脊柱起立筋かの判別。

 急性の激しい痛みを伴う筋肉や靭帯由来の腰痛は、背中から圧せない『腸腰筋』のほうに多いと感じていますが、痛みの訴えはほとんど背中側の腰に現れます。

 これが腸腰筋の痛みであっても、腰部脊柱起立筋を圧されると痛みが再現されるので、原因を取り違えやすいことが厄介な問題です。

 腰を後ろに反ったり、体幹の側屈で痛みが出なければ、腰部脊柱起立筋を圧すことが症状の改善に直接はつながりません。

 立ったまま靴下を履くような大腿の挙上動作で痛みが強かったり、体幹の前屈が不自由なほど制限されていれば『腸腰筋』由来の急性腰痛です。

 両膝を曲げて腋に抱え込むようなストレッチはかなり痛みを伴うので、小さな動きで行い、強い痛みを再現させてはいけません。

 基本的には安静と冷やすことから症状改善を目指します。

 おなかを手掌圧で圧していくこと、臀部から下肢後側の指圧は有効です。

 伏臥位で下肢伸展挙上の腸腰筋のストレッチは痛みがないことが多いので、小さな動きから徐々に挙上していきます。

 痛みを再現しなければ、治りも早くなりますが、3日の安静期間を過ぎたら歩く、ストレッチをするということが大切です。

 体育座りのように骨盤が後傾した座り方は、腸腰筋の負担になります。

 車の運転、パソコン作業、骨盤を起こしておかないと激しい腰痛になることがあります。

 今回特に注意したかったのは、伏臥位で腰を強刺激すれば痛みが再現するので、お客様は「何だか治療されているような気がする」、セラピストはそれを「治療していると錯覚してしまう」という残念なことになってはいけないということです。

 腸腰筋に原因がある時、腰部脊柱起立筋にあるのは関連痛です。それほどこっていない筋肉をゴリゴリ圧せば炎症を新たに作ることになります。

 始めに腰の前屈、後屈、側屈、回旋などを診ておけば判断はできるはずです。

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2009年5月13日 (水)

右肩、右手にバッグを持つと左の腰に負担がかかる。

 今朝のウォーキングはTシャツ1枚でよい気温だったので、ウエストバッグを右腰につけて歩いていたのですが、もうこれだけで右へかかる負荷を修正しようと左腰部脊柱起立筋が緊張しています。

 バッグの中身など鍵と携帯電話(今度の携帯は歩数やカロリー消費がわかって重宝しています)くらいで大した重さもないのにです。

 そのことに気づいてバッグを後ろに回し、腰の真ん中にあてて歩いてきました。

 腰部脊柱起立筋はおなかに腰が引っ張られて、腰椎の前弯が増強すると緊張します。

 また体幹を側屈させると緊張するので、右肩や右腰や右手にバッグがあれば、バランスを保つために側屈の緊張が起こり左腰部脊柱起立筋が緊張します。

 ショルダーバッグを右肩にかけると、撫で肩の女性はベルトをずらさないために肩関節を内転内旋させた上、結局肩を上げて僧帽筋や肩甲挙筋を緊張させます。

 この時、左の腰を緊張させて右肩が上がった状態をキープすることになります。

 すごく重たいバッグを右手に持てば、右に倒れないために左の腰は強く緊張します。

 重たくなくても片側に負荷があれば、無意識に反対側は緊張することになります。

 モノは正面で使う、それにこしたことはありませんが、右、左と交互に使うという次善の策でさえなかなかできないものです。

 スカートを折って短くした女子高生が、カバンで後ろを隠して駅の階段を上がるのを見ることがありますが、あれは肩こり・腰痛を防ぐということにおいては良いカバンの持ち方です。

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2009年5月12日 (火)

自分で良しと思うタッチがお客様の満足度の高いタッチではない。

 昨日の会話。

 「こんなに気持がいいのは他にはないわ。わたしばかりがやっていただいて、先生はいつもどうしているのか…」

 お客様の心地良いタッチを想像して、創造して、一所懸命にさせていただいているので、誉められることはよくあります。心配されたりもします。

 いつもお答えするのは、「自分にできるくらい気持ち良く、お客様にできるとは思っていないのです。神経がつながっていて加減がどうにでも調節できる自分にするくらいに、お客様の感覚と一致することができればいいのですが…」というようなことです。

 自分に気持ち良くできなければ論外、お客様に気持ち良い刺激などできるわけがありません。

 誉められるのが自分ではそれほどでもないと思う時だったりもします。タッチの仕事を続けていればよくそういうことがあると思います。

 利き腕でない左手のタッチや、それほどポイントとして重視せずにマニュアル程度の手順で流している時に、誉められることがあります。

 自分の形が決まって、体重移動がすんなりとできたからといって、快刺激になるわけではないのです。

 どれだけお客様の感覚とつながろうとしたかということが重要であって、それよりも偶然や力が抜けていることによって快刺激が生まれることがあります。

 細かく刺激を変える、角度、持続、リズム…。4拍子や3拍子ではなく、2拍の後に2拍3連がきたり、付点4分音符がくるようなタッチも考えられるのです。

 一つタッチは必ず軽く入って圧を上げていき、また抜いていくということの繰り返しです。

 無限大に刺激は工夫できます。そのうちいくつが快刺激となるか。

 また一日が始まります。

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2009年5月11日 (月)

骨盤から腰を曲げて畑仕事をする女性。

 朝のウォーキング中、畑で立ったまま開脚前屈の姿勢で作業をする女性に目が止まりました。

 背中は立った時の良姿勢のままで、腰椎の前弯を保ったまま骨盤からコンパスのように上体を折って雑草を取っています。

 床で開脚前屈のストレッチをしているくらい綺麗な姿勢だったので感心しました。

 おそらく何度も腰痛を経験して編み出した技なのでしょう。

 長い間同じ仕事に従事するためには、疲れにくい姿勢を見つけなければできません。

 開脚で下肢伸展なので、中殿筋や下肢前側でやや外側の外側広筋→前脛骨筋には疲労が溜まることでしょう。

 立っているように腰を曲げる、デパートの開店直後に案内係のおねえさんに挨拶されるのより、もう少しアクロバティックな現場を見ることができました。

 ベテランの域にまで達したプロには、理にかなったプロの姿勢があります。

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2009年5月10日 (日)

便秘に『天枢』『大巨』の軽い拳打のプラスで効果あり。

 便秘の指圧というと、「の」の字の9点の手掌圧から腹部20点の指圧、臍の周囲8点の指圧、S状結腸4点の手根圧…というように腹部の基本指圧をしていくことが胃腸管の走行を考えても有効です。

 しかし、それ以前に背部兪穴(はいぶゆけつ=背中にある内臓のツボ)を緩め、下肢、上肢の内臓の経絡を緩めることがあって、腹部の指圧は効果をもたらします。

 筋肉の緊張=交感神経の興奮を緩めてから、副交感神経支配の腹部に触れていくことで、副交感神経優位に切り替わりやすくなって、胃腸管運動が促進されます。

 便秘の場合、大腸特にS状結腸に注目したくなりますが、臍の周囲にポイントが見つかることがあります。

 胃経の臍の横2寸(受け手の母指第一関節の最も太い横幅が1寸)のツボ『天枢』とその下2寸の『大巨』に軽い拳打を加えてみます。

 当たった瞬間に引き上げるイメージで、まず自分のおなかで確かめておくとよいでしょう。

 便秘が3日目でビールもまずく、生姜湯を飲んでいたという60代の女性に、全身指圧プラスこの拳打をしたところ、おなかがグーッという音とともに動き出し、その夜はビールも美味しく飲めて、翌朝には写メに撮って見せたいほどの快便があったということです。

 もちろん、写メは見たくありませんと申し上げておきました。

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2009年5月 9日 (土)

高血圧の耳鳴り

 70代男性、最近右耳で耳鳴りがしているそうです。

 のぼせているほど上に熱がこもっているわけでもなく、頻脈でもありません。

 指圧をしながらお話をしていくうちに、耳鳴りが始まった時期と降圧薬が切れた時期が一致することがわかりました。

 この男性は血圧の上が140から150になって服薬を始めたということなので、降圧薬が切れても、あまり体に違和感が出なかったのだと思います。

 おそらく今までも薬を飲んだり飲まなかったしていたのだと思います。

 高血圧の随伴症状として耳鳴りが起こることがあります。

 加齢による耳鳴りは難治性のことが多いのですが、耳の穴を圧迫してから離すと耳鳴りがしばらく治まるということなので、収縮した血管の影響による耳鳴りかもしれません。

 指圧が終わると、「これから薬をもらいに行ってくる」と言い残して帰っていかれました。

 指圧をしながら気楽に会話をして、症状のきっかけや原因を考える場になればいいのです。

 そのためにはどうツッコミを入れるかということがとても大切です。会話を広げることができないと原因を拾えないので、自分がお客様の鏡となれるようなニュートラルな状態で会話を楽しむといいと思います。

 興味のないことを言われて返せずに、ドーンと突き放してしまうのなら、癒しの空間など生まれません。

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2009年5月 8日 (金)

尋常性乾癬

 中年以降の男性の方で、下腿前側あたりに『尋常性乾癬』のある方に指圧をすることがあります。

 尋常性とは『ありふれた 普通の』という意味で、乾いた赤黒い湿疹がかなり大きな楕円形に広がっていたり、掻いて乾いた角質が白く剥がれ落ちかけていたりするのを時々見かけます。

 定額給付金が2万円振り込まれていたという年齢の社長さんが指圧にいらっしゃって、湿疹が恥ずかしいと仰います。

 温泉に行ってもタオルで隠しているという湿疹をズボンをまくって見せていただくと、おそらく尋常性乾癬と思われます。

 近所の皮膚科でこれは治らないと言われて大学病院にも行ってきたらしいのですが、薬をもらっても病名まではよく理解できずに不安だったようです。

 「ジンジョウセイ?」

 「尋常小学校の尋常」と説明したのですが、本人にとっては“ありふれたことでも普通のことでもなく”、不安なわけです。

 原因は不明とされ、保湿の外用薬や痒みや炎症を抑える内服薬が対症療法として投薬されることになります。

 皮膚科学の本があったので、写真を見せて尋常性乾癬を説明したのですが、御本人の症状よりも相当に重い症状の写真が掲載されていたので、少しは気が軽くなったようにも感じました。

 アロマオイルのトリートメントでは温める作用のある精油や刺激性の強い精油は避けるべきで、もしその部位にタッチをするならば保湿という意味でキャリアオイルの塗布くらいが正解だと思います。

 指圧やマッサージを衣服の上からする場合でも、尋常性乾癬があることを把握しているか、していないかではタッチが変わってきます。

 特に高齢者の方では、指圧中に体が温まってあちこちを掻き始める方がいらっしゃいます。

 老人性皮膚掻痒症なども考えに入れて、がむしゃらに強刺激はしないことです。

 お帰りいただいた後に、床やベッドに白い角質がボロボロと落ちているようであれば、乾癬の表皮をこそぎ剥がすようなタッチだったかもしれないのです。

 乾癬は他人に移ることはありませんが、白癬なら他のお客様に移ることもあります。

 コロコロカーペット、ガムテープ、私はいつも使っています。

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2009年5月 7日 (木)

「肩をほぐす」という言葉に引っかかる。

 ゴールデンウィークの高速道路の混雑をあてこんで、サービスエリアに出店したクイックマッサージ店の施術者が、ニュースのインタビューで「お客様の肩をほぐす」という言葉を使っていたのに引っかかりました。

 『ほぐす』=ほどいてバラバラにする。

 『ほぐす』には肩こりをゆるめるという意味もありますが、言葉は言霊、そこには施術者のニュアンスが含まれています。

 考えてみれば、私は『ほぐす』と教わった記憶がありません。

 アジの開きの身をほぐしてバラバラにして子供に食べやすくするように、ご丁寧に筋肉を破壊されたら、たまったものではありません。

 『ほぐす』という作業をしてしまった場合のタッチの体に及ぼす生理的影響を考えると、『ほぐす』という言葉を選ばなくなるのが、経験を積んだセラピストではないでしょうか。

 『ほぐす』なら機械的刺激でもできる、だからキミはクイックマッサージをやっているのか、何の疑問も持たずに術を施しているだけなのか…。

 このホドコスジュツという上から目線の言葉を自分で使ってしまう時も、“あぁダメだ、こんな言葉を使っていてはフツーのヒトになってしまう”と、黄色のシグナルが点滅します。

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2009年5月 6日 (水)

パソコン・キーボード奏者

 連休でやっと指圧に来れたという女性、背骨が左から右にねじれています。

 ここのところ食べたくなくても無理に食べていたということで、2週間前から風邪が抜けず、軽い咳が出ます。

 胸骨の上際、『天突』を示指で圧しても痛みはないので、奥に入り込んだのどの炎症はなさそうです。

 両肩上部が硬くこっていて、微熱を感じます。

 背骨のねじれと肩のこりを指摘して伏臥位から指圧を始めました。

 左脊柱の脇、脊柱起立筋を圧してから仙骨の指圧になって、プキッという音とともに左側の仙腸関節がはまったようです。

 仰臥位大腿前側の指圧から大きな音を立てておなかが動き始めます。

 すると彼女から、「私の横にもパソコンがあって、体をねじって使っているんです。何で背骨がねじれてるんだろうと考えていて、やっとわかりました」という言葉が飛び出してきました。

 左から右前斜めに体をねじって手を使う姿勢です

 『キミはロックバンドのキーボード奏者か…』

 パソコンもキーボードには違いないのですが、体をねじって2台を使う仕事って…。

 何台ものパソコンを同時に見るような仕事も株の取引などではあるのでしょうが、どういう職場環境なのでしょう。

 福利厚生や作業能率を考えても、パソコンデスクや椅子をオーダーメードにしたほうがいいと思います。

 施術後姿勢は治り、これなら風邪も抜けるだろうと思いましたが、道具に体を合わせたり、狭い空間で身をよじって仕事をしていれば体調を崩します。

 厳しい経済状況で、社員毎にオーダーメードのオフィス家具を用意できる会社は果たしていくつあることか…。

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2009年5月 5日 (火)

桑田さんのソラミミ「アビィロード」 清志郎さんの追悼のように。

 昨夜の『音楽寅さん』では、桑田さんがビートルズのアルバム「アビィロード」を、歌詞に政治家風刺をたっぷりのせた“ソラミミ(英語の歌詞を日本語的に聞いて歌ってしまう)”で聞かせてくれました。

 リハーサルや創作(妄想?)に、たいへんな時間と労力を費やした今時滅多に出会うことのない傑作でした。CDになれば買います。

 忌野清志郎さんが亡くなったタイミングであの番組を放送したのには、メッセージを感じました。

 『おかしなことにはそれはおかしいと言う』、自分に正直で傷つくかもしれないリスクもわかっていて言ってしまう、素敵です。

 もうずっと前、深夜ラジオから8分の12のピアノのアルペジオ流れ、ただならぬムードに包まれて、清志郎さんの『スローバラード』の歌声に震えました。

 確か、甲斐よしひろさんの番組だったでしょうか。

 『良いものはいい。埋もれているのはおかしい』、甲斐さんはそう思ってあの曲を流したのではないかと思います。

 その後、RCサクセションはブレークします。

 清志郎さんが喉頭癌で声帯をとるのを拒んだことも、その後復活したことも、とても素晴らしかったと思います。

 自分が自分であるためにはどうすればいいか?

 腸骨に癌が転移してからは、腰が痛かったでしょう。仰向けには寝られなかったかもしれません。

 桑田さんがソラミミ「アビィロード」を歌ったこと、とても素晴らしいレクイエムだと思いました。

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2009年5月 4日 (月)

脊柱の前弯と後弯を診ること。

 ヒトの体を横から見ると、頚椎は中央が弓なりに前に突き出していて、胸椎は後ろに、腰椎は前にと、撓んで(タワンデ)います。

 それで衝撃を吸収できたり、柔軟な動きを獲得できたりするわけです。

 それを自分で良い状態に保つのが難しいのは、横から客観的に自分の体を見ることができないということもあると思います。

 猫背であれば頭が前に突き出るので頚椎の前弯がストレートに近くなります。

 撓んでいれば重さを吸収しやすいのですが、頚椎が伸びてクレーンのように頭の重さが下へ向かっていれば、頚をつなぎとめる肩への負担は大きくなります。

 前頚部の胸鎖乳突筋も後頚部の頭板状筋・頭半棘筋も、頭を後ろ側に反らす時に働く筋肉なので、ストレッチならば頚椎の前弯をストレートにして頭を斜め前方に牽引すればいいわけですから、少し話がややこしくなります。

 猫背姿勢を続けていると、頭を支える頚の付け根(肩)から、血行不良に伴って筋肉疲労が頚から頭まで拡がっていきます。

 おなかの出た人の腰痛も、おなかの重さに腰椎が引っ張られて前弯が増強し、椎間板の内圧が高まって、ヘルニアなどの症状を作り出します。

 本人が横から客観的に見ることができない姿勢を、よく診ることがセラピストのファーストコンタクトでは重要です。

 もっと言えば俯瞰的に診る、三次元で診る、原因をプロファイリングしていくことがあって、施術は成果に結びつきます。

 ヒトが背中を後ろに反らしたくなれば、猫背で胸椎の後弯が大きくなり過ぎている、背中を前屈するストレッチがしたくなれば背筋が疲れている、行動から現在の症状を分析する事は可能です。

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2009年5月 3日 (日)

「丁寧に脳まで揉んでいただいて」と87才に言われたこと。

 87才の男性、孫娘さんに付き添われて2回目の指圧です。

 杖をついて左足を引きずって歩いていますが、前回の指圧後は畑仕事ができたそうです。

 両膝はO脚に変形し、腰の筋肉が張っています。

 90才に近い男性に触れることは今までなかったので、若々しい上腕や畑仕事で節くれだった指の関節に触れるたび、貴重な経験をさせていただける喜びが湧いてきます。

 前回傷のあった指先は傷が塞がっていて、命そのもの力に心を揺さぶられる思いがあります。

 全身指圧をし、その間よく眠りました。

 施術後、ズボンにベルトを通しながら「丁寧に脳まで揉んでいただいて」と言われ、思わず「いやいや脳までは揉めないんです」と答えましたが、後になってそれが正しい感想なのではないかと思いました。

 皮膚は脳と同じ外胚葉由来で、最大の感覚器であると言うことができます。

 頭部への垂直圧の指圧は直に脳に到達し、弱い圧刺激であってもそれが正確であれば足先までが動きます。

 夜2時間毎に目が覚めるというこの男性に、「これで熟睡できそうだ」と言っていただいたのは、脳まで到達した圧刺激だったからなのでしょう。

 肉体を超えた肉体とふれあった貴重な時間でした。命そのものが、感覚を最大限に働かせて、私の前にありました。

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2009年5月 2日 (土)

訪問マッサージで単調な強刺激は通用しない。

 昨日NHK教育テレビで、盲学校を卒業してマッサージ師の資格を取った方が、『訪問マッサージではこちらが施術ポイントを探して適切なタッチを提供していかなければならない』と気づき、勉強し直している様子を放送していました。

 この男性は盲学校の先生をしていたことがあって、技術にも自信を持っていたということでしたが、『施術部位を指定できない受け手』を前に、臨床の難しさを実感したようです。

 お客様から部位の指定があって、店の上部からも強刺激を要求されるような所で施術を続けていると、『指先の感覚で探ること』をしなくなります。

 また生徒に教えるには十分であっても、実践の特異な症例には対応できず、レッスンプロのようになってしまっている施術者もいます。

 寝たきりの方で会話が不自由であったり、意思の疎通が難しくなれば施術ポイントの判断は自分で決めなくてはなりません。

 『腰を15分』などと指定されてするマッサージの、施術ポイントが腰にはないことなどよくあります。

 ツボやトリガーポイントを理解していれば、関連痛による痛みの発現部位と施術ポイントが別になることは当たり前くらいに考えていなければいけません。

 『腰を15分』施術して楽になるような腰の疲れを回復させているのは、ほとんど本人の治癒力によるものかもしれず、その強刺激はただ治るのを邪魔しているだけかもしれないと思うのです。

 見るのではなく、診るのです。診ていなければ通用しないのです。

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2009年5月 1日 (金)

新インフルエンザ対策として体の柔軟性やデトックス力が取り上げられていないこと。

 日曜日に露天の温泉で、おさななじみと思える地元のお年寄りが二人、大きな声で食べたことがある肉について話していました。

 エゾシシカの肉は美味いとか、熊は獣臭いとか、本物の狸汁を食べたことがあるがまずかったとか、フィンランドの高級レストランで(そんなところに行ってきたの!)トナカイのステーキを食べたが臭くて食えたもんじゃなかったとか、チャウチャウは肉用だろう?とか、戦後誰々さんは赤犬を潰して食っていたとかあって、豚インフルエンザの話になって、聞くともなしに耳に入ってきたゆるい話から、急に現実に引き戻された感がありました。

 日曜日にはまだ、新インフルエンザは外国で起きている問題でした。

 そして日本でも帰国者の中に感染を疑われる人が発見され、新インフルエンザは“黒船なみ“の騒ぎになり始めています。

 報道ではまだ、手洗い、うがい、マスクの着用や食料の備蓄などが、差し迫ったこととしてではなく伝えられている段階です。

 それならば予防として、ストレスの軽減や体の柔軟性を高め血流を改善しておくことや、異物をしっかりと排出するデトックス力の強化を呼びかけておいてもいいのになぁと思います。

 運動し軽く汗を流し、質の良い睡眠をとり、暴飲暴食をしないということが大切です。

 それで足りない、自分でできないということであれば、全身の指圧やマッサージも効果的です。

 体の柔軟性を回復させ、デトックス力を高め、免疫力を向上させるので、全身の指圧やマッサージは新インフルエンザ対策になります。

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