指圧のツボと笑いのツボ
伊東四朗さんがテレビ番組でされていたお話。
「自分が思ってもいなかったところで、客席から笑いが起きることがある。」
ライブの空間では変化が起きやすく、ちょっとしたトチリが大うけしたり、セリフが時事ネタとかぶってきたり、観客の年齢層によって笑う場面が違っていたりすること、それは自分の狙った笑いがはずれることでもあります。
また故・三木のり平さんの芝居に出た時に、客がうけたので同じことを3回かぶせたらさらにうけて喜んでいたら、「四朗ちゃん、3回は粋じゃないよ。2回までにしな…。」と言われたとか。
気持ちがいいと言われて、同じツボに同じ指圧を続けていると、触圧刺激の感受性が鈍っていきます。
喜んで「もう十分」と言われたとしても、その時には適量刺激を超えています。
狙った笑いのツボがはずれることを指圧のツボに当てはめてみると、手の甲の『合谷』や膝裏の『委中』のような四総穴(四つのとても重要なツボ)でさえ、そこにはたいした反応がないことが多いと感じています。
典型的な笑いのパターンが必ずしもうけるとは言えず、典型的な指圧のツボが反応点として機能しないこともまたライブの空間ではよくあることです。
人間の体はライブだから変化します。
5mmツボがずれたり、経絡上の20cm離れた部位に典型的なツボの反応が現れるなどということは日常です。
つまり何が言いたいのかというと、ライブパフォーマンスは変化をとらえてそこにのっかていかないと成功しないということです。そしてダメ押しをすればせっかくの盛り上がりに自ら水をさすことになります。
うけたからと言って3回やるのは粋ではないと苦言を呈したのり平さんは、3回続けて後々そのネタが使えなくなっていく様を何度も見てきたのでしょう。
以前、指圧のお金だけ持って仕事に出かけると仰っていた伊東四朗さん、喜劇役者も指圧師も良し悪しがはっきりとわかる方だと思います。
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