丸椅子の気づき。
腰部脊柱管狭窄症の男性に3回目の指圧をしました。
前回の指圧の翌日は快適だったとのことなので、良姿勢の維持、体重を減らす、禁煙でかなりの効果を上げられると思います。
しかし、どれも簡単なことではなさそうです。タバコの臭いが強く沁みついた体と、20kgは減らしてもよさそうなおなかがそれを物語っています。
「タバコをやめると体重が増える」という錦の御旗は、この体重にすれば説得力はないのですが…。
最初の時から提案している自転車は、座ることができ前屈みの姿勢になれるので比較的痛みを出さない上、下肢の運動になります。
杖や手押しのカートも痛みの軽減になると思いますが、仕事で接客が多いのでなかなかそれはできないことだと思います(痩せると皮膚がたるんで格好悪いとか、なかなか形を気にする方です)。
指圧が仰臥位になってからしばらくして、「先生は人助けだ…」に続けて「こんなに気持ちがいいなら痛みがあるのもいいもんだ…」と仰います。
「それ、前にも誰かに言われました。みなさん同じような事を思うんですねぇ…」
痛みが続けば不安になり、痛みからの解放や痛みの緩和からは強い感動が沸き起こります。
全身指圧後、丸椅子で仕上げの座位指圧をしている時に、「丸椅子にしょうかなぁ」と仰います。
この“気づき”はとても大きな前進です。合戦の殿様のように、背もたれのない椅子で猫背にならない意識を持つことは良姿勢の維持につながります。
具体的に、積極的に、痛みを出さない改善策に気づくことができたわけです。
そして自転車。
数年前まで、脊柱管狭窄症の発症以前は自転車で長距離の移動もしていたことを思い出したようです。
指圧は自分の体と向き合うための時間です。そこにアロマオイルの香り(この時は有機ラベンダー・フレンチ)やヒーリングミュージック(この時は『究極の眠れるCD』)が加わって心身の平安と脳の活性化がもたらされたようです。
セラピストは平易な言葉に噛み砕いて、実効性のある提案をしていくことが大切です。
良い方向へ風向きは変わりました。
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