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2009年7月22日 (水)

サイレント・ペイン(隠れている痛み)。

 主訴とは離れた部位にある、お客様が気づいていない痛みを、私は“サイレント・ペイン”と呼ぶことにします(さっき歩きながら考えていて決めました)。

 40代女性、右手掌の屈筋腱が腱鞘炎になって調理のハードな仕事を辞め、体は楽になったはずですが、右肩こりと腰痛を訴えて指圧にいらっしゃいました。

 伏臥位、右下肢伸展挙上で痛みがあるので、まずは右腸腰筋の問題が考えられます。

 仰臥位、左股関節内旋のストレッチで骨のぶつかる音がします。左股関節が大きく動いたことは、このところほとんどなかったようです。

 右肩はごく普通の肩こりで、指圧をし、肩甲骨の可動性を拡げると随分楽になったようです。

 本人が全く気づいていない痛みが左烏口突起周囲にありました。これがサイレント・ペインです。

 調理で食材を切る時に、包丁を使う右肩・右肘・右手首は上下動がありますが、左肩・左肘・左手首は固定されます。

 屈曲に固定された左上腕二頭筋腱短頭に慢性的な炎症が生じて烏口突起あたりの痛みとなったようです。

 これを残してしまうと体調はいつまでも思わしくなりません。

 痛みのあるポイントに指を当てて肩の内旋運動をしていくと痛みが移動し、楽になっていきました。

 ハードな仕事を辞めて、急激なストレスからの解放は血流の停滞を起こしました。

 仕事はハードでもそれによって痛み物質や老廃物を少しずつ排出することはできていたわけです。

 それが急になくなって蓄積した疲労を自覚するようになり、それが右肩こりと右腸腰筋の痛みとなりました。

 しかし左烏口突起周囲の痛みや左股関節の硬さは意識に上がってはこなかったのです。

 全身指圧というのは、点で体全体のポイントをチェックする作業です。

 主訴を緩和するだけにとどまらず、サイレント・ペインを見つけて緩和することはとても重要です。

 もちろん、このケースは副交感神経が過剰に優位になっていますから、テンポの良いタッチをしました。こういう場合、眠くなるような撫でるようなタッチではだるさが増します。

 日曜日の頭痛や夏休み明けのだるさの多くは、これに近い副交感神経の過剰です。

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