セラピストは勤続疲労の予防法を探し続ける。
初めて全身指圧を終えた時、緊張と手順を頭で追う脳の疲労と、ジョギングをした後のような肉体的な疲労がありました。
指圧をマットで行う場合、約半分は片膝は立て片膝は付いた姿勢、約半分が開脚した正座です。
体重が重かったり、膝が悪かったりして正座が長時間できないと、本格的な指圧をすることは難しいものです。
指圧は受け手と同じ高さに膝を置いて密着のある体重移動をするのがベストなので、ベッドでの本格的な指圧は難しくなります。
一日8時間くらい指圧をすると、4時間正座をしなければなりません。今時落語家さんでも和尚さんでも、そんなに正座はしないでしょう。
私は初めからダブルベッドサイズのマットを使っていましたが、始めた頃は板の間に正座をして指圧をしていました(頭部や足の指圧の時。ダブルベッドサイズでも、お客様の手の位置などの関係で、自分の足は床にはみ出すことがよくあります)。
その後置き畳を敷き、やっと先週からマットの周りに座布団を配置しました。
さすがに一日に指圧をする人数が増えると、膝や足を柔らかく保護するものがないと、後で膝や足の曲げ伸ばしが厳しくなります。
板の間だった頃、お客様が楽なようにとは考えていましたが、自分のことは全く考えていませんでした。
指圧学校に“ここは指圧の道場である”から始まる道場訓があって、何となくその形の良さを尊重して、自分は安楽でないように、苦行をするのが当たり前だと思っていました(指圧学校の道場は板の間ではなくもっと柔らかくなっています)。
本当はひとりずつ終わるたびに下着を代えたいくらいなのですが、お客様の前で水分を補給することも、トイレに行くことも、汗を拭くこともいまだにできません。
期待されていること、調子が悪いと早くやって来て必ず治してもらえると思っている人たち、できれば人間的な当たり前の弱さを見せないほうが治される側に心理的な効果があることなど、セラピスト的な打算がそこにはあります。
しかし、浪越の腹部指圧などは、おそらく初めて練習する人はまず腰が痛くなります。
それほど油断できない、ちょうど良い姿勢が崩れると指圧は肩を痛め、腰を痛めます。これは他のどんな手技療法でも同じです(ベッドを使う場合でも同じです)。
いい姿勢であっても指圧の数をこなせば筋肉は炎症を持ちます。それをそのままにしておけば、やがてセラピストからセラピーを受ける側に回るしかありません。
今はベッドの四方に座布団やクッションが置いてあります。形は悪いです。
しかし、次々とまるで今日始めてのお客様のように対応をしなければクオリティが下がってしまうので、やむをえないと思い座布団を配置しました。
たぶんこんなこと誰も気にしていなかったりするものなのです。
形にこだわってしまうのは、そういう気でいないとミラクルは降りてこないように思ったりして…。
続けることを望まれているセラピストであれば、体の痛みや変形は予防すべきです。
指力で押して指が変形している人など、どうしたものかと思います。
幸い指の変形はなくきていますが、毎朝気づくと腰が痛かったり、頚が痛かったり、『おまえは昨日、何をやらかしたんだ!』と自分を叱りながらストレッチをする毎日です。
ストレッチと筋トレとウォーキングで、何とか全ての痛みを克服してきました(あっ、温泉も!玄米と雑穀もあるかな、そんなことを言い出すとウンザリするほどあげられます)。
なくても何とかやっていられますが、座布団を使ったほうがいい、やっと最近決断しました。
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