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2009年9月30日 (水)

『腰痛に骨セメント治療』というテロップでは期待を裏切られる人が出てくる。

 昨夜のTBSテレビ『これが世界のスーパードクター11』では、脊椎椎体圧迫骨折の骨セメント治療の映像テロップに、ずっと“腰痛”という文字が映し出されていました。

 骨粗鬆症による圧迫骨折の説明は最初だけだったので、これでは“私の腰痛も骨セメント治療で治るかもしれない”と期待してしまう人が出てきます。途中から見た人はきっと勘違いします。

 腰痛の種類や原因をはっきりと理解している人は少ないものです。

 高齢者の方で、今日にもさっそく問い合わせてみようと思っている人がいるのではないかと思います。

 保険適用外で、その病院では28万円の費用がかかるという骨セメント治療のために、骨粗鬆症でも圧迫骨折でもない方が、今日は通帳を開いてお金のやり繰りを考えているかもしれません。

 とても不親切なテロップだと思いました。

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2009年9月29日 (火)

多発性関節症の女性。

 「此処の前はいつも通るけどなかなか来ることができなかった」という女性、体のあちこちに骨の変形があって、多発性関節症と診断されています。

 まずあまり一見の方が入りやすい雰囲気ではないことをお詫びしなければいけませんが、求めて着ていただいた方には出来る限りのおもてなしでお迎えしようと思っています。

 両手指は全ての関節がリウマチ様の変形をしています。

 骨粗鬆症と甲状腺機能低下症があり、脊柱は左側弯、腰は圧迫骨折をしたことがあります。

 右膝、右肘、右1趾、左足首、全ての左足趾に変形が診られます。

 主訴は右肩が上がりにくいことですが、不眠や様々な症状に悩んでいることは明らかです。

 この苦しみは40年前の甲状腺の手術から始まったようです。

 しかし声がはっきりとしていて、今まで診てきた痛みを抱えている方とは違う印象を持ちました。

 痛みを抱えた方の体は悲しく辛い物語を語るものです。しかしこの体は違っていました。

 指圧を始めるとすぐにおなかが動き始め、1分間に100を超えていた脈拍が徐々に落ち着いて指圧が終わる頃には70台になっていました。

 今までマッサージを週に1回のペースで受けてきたということですが、前頚部もおなかも触れられたのは初めてだということです。

 甲状腺の病気があって不眠の訴えがあれば触れなければいけない部位です。

 整形外科や接骨のマッサージ、温泉施設の整体マッサージなどを受けてきて、うちに入ることがためらわれてきたのは、『また期待を裏切られるかもしれない』というあきらめの気持ちもあったことでしょう。

 指圧後にウォーキングレッスンも受けて、大股で足を正中線の延長戦に入れるようにして肩を後ろに引く、おなかを引っ込める、頭を肩の上にのせて無限大遠くを見る姿勢で歩いて帰っていかれました。

 おそらく今の時代なら医療ミスになるだろうことが40年前にあったのだと思います。

 彼女は幾つもの痛みを乗り越え、現在も痛みを抱えて、自分でできることは積極的に採り入れて病気と向き合っていこうとしています。

 少しでもお役に立てれば…と思います。

 あの体は悲しみや痛みをフィルターにかけてぼかしているのではなく、いつからか達観し、自ら治そうという意志がみなぎっていました。

 触れた時に悲しみを感じないあっけらかんとしていてとても深刻な体というのは初めてです。

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2009年9月28日 (月)

マッサージチェアを使わなくなったという男性。

 「此処に指圧に来るようになって、息子からプレゼントされた(すごく高かったという)マッサージチェアを使わなくなった」という男性、それまで週4~5回は使っていたということです。

 そこでマッサージチェアが指圧師に勝てない理由を考えてみました。それまでかかっていたマッサージや整体が、マッサージチェアと同等かそれ以下だった点についてです。

 まず、マッサージチェアの開発は日本指圧学校(浪越)の先生も協力していたようですが、それは鍼の先生や生理学の先生だということです。

 まっとうな指圧ができれる先生は、マッサージチェアの限界がわかります(通販番組でマッサージチェアを誉めるのは、指圧師には絵踏み(踏み絵)の屈辱です)。

 マッサージチェアは座位でリクライニングできる範囲でしか体位を変えられないという欠点があります。

 伏臥位や横臥位が適切な体位であるケースには対応していません。

 そしてそれぞれの筋の起始と停止を正確にとらえることができないので、刺激をしてもストレッチ効果が弱くなるという弱点があります。

 さらに運動法(ストレッチ)自体できないような設計です。

 センサーがこりをとらえて、叩く・揉むということを続けられるとすると、むしろ炎症を拡げる可能性があります。

 適量刺激を見切れるとも思えません。

 こりを周囲から緩めたり、こりの中心をはずすことができてこそ、緊張を強いらないタッチとなるのです。

 我慢をさせたり、個人差のある適量刺激や痛みの散在を確かめることができなければリラクセィションにはなりません。

 昨日、リラクセイションサロンというものが上りのエスカレーターからたまたま見えた時、施術中の男性と目が合いましたが“何故目が合ってしまう?”

 そんな集中のないタッチがリラクセイションになることはあり得ない!

 1ミリと0.1秒を感じて工夫してこそタッチは何かを起こすのです。

 マッサージチェア以下ではいけない、リラクセイションだからと逃げてタッチについて真剣に考えなければ、体に危害を加えているようなものです。

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2009年9月27日 (日)

その「指圧で不整脈が治った」という男性の指圧。

 「指圧で不整脈が治った」と医師に話し嫌な顔をされたという男性、両手首の橈骨動脈を両3指で診ると、1拍目から完璧な不整脈です(キミのリズムは裏打ちか!)。

 前よりヒドイと言っていい、25秒に1回は脈が跳びます。

 本人にも動悸などの自覚症状があるから来たようで、左腰から左大腿後側にかけての筋肉の緊張もあります。

 指圧をしながら左膝が悪い人だったのを思い出し(昨日は前の人の指圧中に早くいらっしゃったので、連続で指圧をしていて直前にカルテを見ていませんした)、かばって筋肉が緊張しているのかな、と思いました。

 早く来るのは心配が有る人だと思っているので、指先を目にし、耳にして、答えを探っていきます。

 仰臥位下肢の指圧1点目鼡径動脈の掌圧でも、上肢1点目腋窩動脈の母指圧でも、脈が跳びます。

 その後眠り、頭部顔面の指圧で脈が穏やかになったことが指先に伝わります。

 アシュネル反射により心拍数を下げる眼球掌圧と、頚動脈洞反射により同じく心拍数を下げる前頚部1点目、そして心臓を直接刺激できる胸骨の指圧は、特に祈り(気)をこめて指圧をしました。

 仕上げの腹部の指圧を含め、これらの部位の指圧は直に副交感神経に働きかけることができます。

 ストレッチを終え、椅子に座ってもらって橈骨動脈を診ると脈は跳ばなくなっています。

 心臓に器質的障害のない、心臓神経症ということなのでしょうか?

 それにしても来た時の脈は休符から始まる裏打ちのリズムだったので安心はできず、病院の先生の話にも真面目に耳を傾けてほしいものです。

 指圧後はスクワットをして左膝が痛くなくなったと喜んでいました。

 この男性を指圧して初めての感覚がありました。

 頬骨に沿って頬をリフトアップした時の手応え→ 面の皮が厚い!

 だから会社の経営で走り回れるのか、だから指圧で単純によくなってしまうのか、自分の抱えているストレスがわかっていないし、けっこうな坐骨神経痛の持ち主だと言ってもいい左下肢の状態なのに気づいていないし…。

 名刺があるかと聞かれ、滅多に渡すことのないパソコン手作り名刺を「紹介したい人が何人かいるから」と3枚持っていきましたが、同じような人種が来たりしたら…、またもや、やれやれ…です。

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2009年9月26日 (土)

子宮筋腫も消えたままのようで…。

 一年ほど前に子宮筋腫がなくなっていたと報告してくれた女性が、最近の検査でも異常は見つからなかったと話してくれました。

 指圧だけの力ではないと思いますが、血流を良くしておくことで改善する体の不調はやはりあるようです。

 一方、子宮筋腫の女性でも指圧そのものが適応とは思えないというケースもあります。

 血流を良くすることで体を辛くする副反応が強く出る方もいるのです。

 私が上出来だと思う時に、お客様の反応はそれほどでもなかったり、すごく良くなったと感激されても、私はそれほど特別な感触がなかったり…。

 亡くなった桂枝雀さんのテレビ特番がBSで連休中に放送されていましたが、枝雀さんもお客さんの笑いに、同じことを感じていたようです。

 緊張と緩和で笑いを理論的に捉えた枝雀さんと、緊張(こり)を緩和することで健康をサポートする指圧をしている私は、ほぼ同じことをやっているのだと思います。

 大爆笑や症状の改善がその時には起こらなくても、後になってそれがとても良かったとあらためて感じることはあるでしょう。

 交感神経の緊張とその緩和によるリラックス、それは体の余裕になり、健康になり、笑いになります。

 私は理論でタッチを捉えたいと思います。それは枝雀さんととてもよく似ています。

 私がどうやって触れたらいいかと毎日考えていると、頭の片隅では浪越徳治郎先生が出てきて、「指圧の心は母心、わっはっはっはっ!」と笑ってしまう。

 これが生理学的にもタッチング理論からも、端的に精髄を凝縮した言葉であることに、頭が下がります。完璧な感じのしない、隙のあるお爺さんであったことも、それがまた凄いと思います。

 ここのところは理屈ではなく、枝雀さんが米朝師匠を選んだように、私は徳治郎先生を選んだのだなぁと思います。

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2009年9月25日 (金)

「指圧で不整脈が治った」とかかりつけの医師に話したら…。

 複数の会社を経営して大変なストレスを抱えて忙しく働いている男性、2回指圧をしただけですが、検査で不整脈がなくなっていたそうです。

 検査をする前から自覚症状は消えていたということで、「指圧で不整脈が治った」とかかりつけの医師に話したら、「そんなはずはない!」と怒られたそうです。

 指圧がただ指の力で刺激するだけのことであれば、不整脈を調整することはないでしょう。

 また心臓の器質的な障害があれば、これもまた指圧で不整脈を治すことは難しいと思います。

 ストレス過多による自律神経の問題、特に交感神経が過緊張して起こる不整脈であれば、タッチング理論に基づいた刺激をすることで、指圧が不整脈を治すことはあるだろうと思います。

 血管の収縮、血圧上昇、脈拍の増加は、弱くて気持ちの良い刺激を丁寧にすることで抑制することができます。

 そして体は、緊張し過ぎている部位と緩み過ぎている部位が混在しているものです。

 緩み過ぎている部位には刺激を変えて、テンポよく運動させるようなタッチで対応して、自律神経の総合的な調整が可能になります。

 そのお医者様が、一本調子な指の力で押すタッチしか知らなければ、指圧で不整脈が治ったなどと言われたら腹も立ちます。

 診察し、検査もし、薬も出してなかなか治らないのが不整脈なのですから…。

 こういうことは時々あって、指圧で治ったと言うとお医者様は気を悪くするので「言わないでね」と言うことにしています。

 治療する側のプライドは私にだってあるように、お医者様も大変な努力をして日々の診療にあたっているのです。

 指圧で毎回のように起こる出来事は、私と“あなた”だけがわかる秘密でいいのだと思います。

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2009年9月24日 (木)

男性の外反母趾。

 初めての50代の男性、主訴は肩こりと腰痛、老化によって不調が起きてきたのではないかと心配しています。

 頚が左に回旋し、明らかな外反母趾、それにO脚です。

 長い間販売の仕事をしていたということで、男性のはっきりとした外反母趾は珍しいとお話したら、今まで受けた整体やマッサージでは一度も指摘されたことがないという…。

 その整体やマッサージの人たちは、いったい何を見て、何をしようとしていたのか?

 伏臥位から指圧を始めると、筋肉のバランスはよく、頚の向きと外反母趾+O脚以外にはこれといった問題は見出せません。

 年齢にしては筋肉の状態が良いので、問題は老化よりも姿勢です。

 指圧中、右目の視力が弱く左目で見ているということに思い当たったようで、頚が左へ回旋する理由に自らの気づきがありました。

 とても大事なことです。

 爪先を内側に入れる意識をし、歩く時にも実行することや、爪先を正面に向けた爪先立ちをして、足趾の指紋部で体重を受け止めることで外反母趾の矯正ができます。またこの意識はO脚も矯正します。

 自らの気づき、これがあればその施術は施術を超えたものになります。

 連休中にいらっしゃったので平日はなかなか来れないとがっかりされていましたが、これも何かの縁、他に無いものが有ると感じていただけたなら、是非機会を見つけてまたお越しください。

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2009年9月23日 (水)

指圧後2kg痩せた男性。

 右股関節に痛みがある50代の男性、初めての指圧後にウォーキングと半身浴をするようになって、2kg減量できたと嬉しそうに報告してくれました。

 「先生が5kgは減らせると言ってくださったことが励みになって

 今の体型を見ると、その時2kg増でも5kgの減量の見込みを伝えるのは『厳しいなぁ』という感想です。

 指圧の直後なのでセラピストの神が降りてきてしまっていたのでしょう。全く記憶にございません。

 2回目の指圧で右股関節周囲の筋肉はだいぶ緊張がとれてきました。

 ウォーキングと小さく股関節を回す運動、それに半身浴で、体重が減れば股関節の負担も減ります。

 確かに標準体重までにはまだまだ体重を落とすことになるのですが、『5kgは痩せられる』にきっとその時は強調して『簡単に』も付け加えていたことと思います。

 それに応えて習慣付けてくれた『あなたが偉い』と思います。

 指圧師の言葉などに耳を貸さずに、好きなように怠けて痛みを持って此処へ帰ってくることもできるわけです。

 よく皆さん言う事を聞いてくれる、有難い事だなぁと思います。

 無視されるよりどれだけ励みになることか。

 痛いだけのマッサージしか受けたことのない人は「これが指圧ですか?」と驚いてくださいます。

 たぶんずっと内容を更新し続けるのがタッチセラピストだと考えているので「「これが指圧ですか?」と聞かれると答えに詰まりますが、ど真ん中ではないにしても指圧の本質は捉えていると思っています。

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2009年9月22日 (火)

たすきがけの圧刺激。

 『たすきがけは肩こりを緩和する』、これは以前にもここで取り上げたことがあります。

 肩甲骨の内縁を前に、三角胸筋溝を後ろに、肩上部(頚の付け根)を下に、ほぼ均等に圧をかけるころができる『たすきがけ』は、圧刺激の模範的な形です。

 肩関節を形成する体の曲面の要所にフレキシブルに密着して垂直圧をかけるのが『たすきがけ』です。

 母指圧も、手掌軽擦も、たすきがけのような密着が理想です。

 たすきをギュウギュウに締め付ければ肩が上がって仕事になりませんが、程好いサポートは肩の筋肉の補強になり、過度の猫背の予防にもなります。

 たすきがけが直接肩こりに効果があったと感じる人はほとんどいないと思いますが、非常に高いレベルでタッチを語らせていただくのなら、“わからない刺激”は強い刺激よりもはるかに効果があります。

 重篤な病気の方は、当たる面が広い密着で構成する“わからない刺激”をよく理解します。これは触圧覚の感受性が敏感になっているからなのでしょう。

 健康で頑丈な体を持つ人なら強い刺激でいいかというと、それは違います。体の強さが強過ぎる刺激のダメージを自ら修復するだけで、どの体も繊細なタッチが望ましいのです。

 タッチは三次元で考えることが大切なので、たすきがけは参考になります。

 前後上下に垂直圧をかける“たすきがけのような圧刺激”ができるようになれたら、タッチセラピストとしての世界が広がります。

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2009年9月21日 (月)

右脇腹に感じる急性腰痛、左足の使わな過ぎ。

 「2週間くらい前に右腰が急に痛くなり、やがて動けないくらいになった。今は右脇腹に痛みを感じる」という50代の女性、椅子に座った時に爪先が内側を向いています。

 問診と触診をしてから仰臥位の指圧を始めました。急性腰痛は回復期に入っていて背部から大腿には特に問題がありません。

 おそらく筋肉が裂けるタイプのぎっくり腰が起きて、安静と冷やす処置をしなかったか、それが不十分で悪化しました。

 問題は爪先の向きです。特に左の爪先が内側に大きな角度で曲がっています。

 指圧をしていると、左足の甲に亀裂骨折をしたことがあることを知らされます。

 さらに弓道とクラッシックギターの趣味があるいという話がでて、これで原因ははっきりしました。

 弓は左手で本体を持って右手で弦を引きます。この時に右足体重になるので、右腰側面に体重がかかります。

 クラッシックギターは座って左足を足台に乗せているということなので、これも右腰側面に体重がかかって、左足は仕事をしていません。

 生活の中で当たり前になっていることの中に、肩こりや腰痛の原因は見つけられます。

 慢性的な右腰の疲労が限界を超えた時、ちょっとした動作でぎっくり腰が起こったのでしょう。

 足は外反母趾もあるので、爪先立つエクササイズで足のアーチを鍛えると内側を向いた爪先の矯正にもなります。

 爪先が内側を向いていると内反捻挫を起こしやすいので、亀裂骨折もそれで起こったのだと思います。

 全身指圧後、今ひとつ効果の実感は薄かったように見受けたのですが、二、三日過ぎてどうなったでしょう?

 爪先を真っ直ぐにしておく、弓やギターの後に負担のかかる右半身のストレッチをし、使わない左半身のエクササイズをする、これで体のバランスがとれ、ぎっくり腰や慢性腰痛を予防することができます。

 丁寧に気持ちよく触れていれば、クライアントの脳の働きも活発になって有意義な情報を思い出してくれます。

 いかに緊張をほぐし、いかに情報を引き出してそれを体の症状に結びつけるか、それがタッチセラピーの醍醐味です。

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2009年9月20日 (日)

脊柱管狭窄症レーザー手術10年待ち。

 脊柱管狭窄症で週に一回指圧をしている男性が、評判の先生のレーザー手術を問い合わせたところ、「10年待ちです」と告げられたそうです。

 60代の評判の名医が、10年後も手術をされているかどうか…?

 きっと後進の指導もされているので、やがては経験を積んだ名医が増えていくと思いますが、手術を受けるためにも健康で長生きしなければいけないという、何とも大変なことになっています。

 指圧を終えると、「気持ちいぃーっ!痛みがすっかり取れた!」と言って帰っていかれますが、それはその時点での本音であっても、やがて疲れが溜まれば痛みを抱えることになります。

 脊髄を傷つければ大変なことになる手術ですから、手術の数が多い先生のところに患者さんは集まります。

 体の負担が少なくてすむレーザー治療を希望する患者さんはたくさんいます。

 加齢による骨の変形が原因の脊柱管狭窄症には、誰もがなる可能性があります。

 あれっ、ヘタをすると、この男性を私は今後10年、毎週指圧することになるのかな?

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2009年9月19日 (土)

「糖尿病が進んでいるのに…」「思い当たるのは指圧しか…」

 病院の検査でHbA1Cが9を超えていたという御馴染みの女性が指圧にいらっしゃいました。

 糖尿病性の網膜症も見つかり、「これで内臓の異常が検査で出ないのは珍しい」と診察した医師が不思議がっていたそうです。

 「何か体に良さそうなことをしていましたか?」と聞かれて、「思い当たるのは指圧くらいしか…」と答えてきたそうです。

 有難いことです。

 彼女は最初に指圧を受けた時に、あり得ないくらい痛がりました。

 おそらくその時も血糖値が高くて、体の隅々に糖の結晶のチクチクとした痛みを感じたのでしょう。

 何度か指圧を続け、やがて痛いと言わなくなるまでに数ヶ月がかかりました。

 昨日は左下腿三頭筋上部外側の痛みを中心に指圧をしましたが、かなり良くなったようです。

 指圧は筋肉の緊張を緩め、骨格を矯正し、最終目的はホルモン調節、内臓調節をする手技療法です。

 糖尿病には効果があることを今までも感じていましたが、さらにその感覚を強く持ちました。

 おそらく代謝機能を促進して、糖の排出を高めるとともに、血糖降下薬の代謝にも働くので、指圧を続けていて低血糖の発作がなくなったという方がいらっしゃます。

 医師に不思議がられることはたびたび起こりますが、もうそういう報告にも慣れてきました。

 糖尿病の薬を飲むことになって、やっと今までの食生活を見直したという彼女の話を聞いて、これから体がもう少し楽になるかもしれないと思いました。

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2009年9月18日 (金)

微笑みと指のない手袋

 「黒部のバス旅行前に指圧をして行ったおかげで、腰痛も出ずに帰ってこれました」とセロリのわさび風味漬けをおみやげにいただき指圧を終えてテレビをつけると、特番が放送されていました。

 保釈されて出てきた注目の彼女は、横にいた関係者に、その場に不似合いな微笑みで会釈をしました。

 場を設けてくれたスタッフにいつもしていたような、それは体に沁みついた反射的な微笑みでした。

 何万回も繰り返してきた観客の前に立つ直前の微笑み、彼女はそこをステージに変え、頭を下げて車に乗り込みました。

 同じく釈放されたその夫が報道陣の前で頭を下げた時、左手には指のない手袋を付けていました。

 しなければ印象が良くなったであろう反省を表すときには必要のない手袋でした。

 スターの微笑みが出てしまう奥さんとカッコつけたいという本音が隠せない旦那さんの夫婦だったのだなぁという印象を強くした釈放と謝罪のシーンでした。

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2009年9月17日 (木)

今日ツナサンドは…、エコナはシーチキンにも。

 『花王のエコナ関連商品には発癌可能性物質が含まれているので販売を自粛し、今後は発癌可能性物質を取り除いた新商品を開発し販売する』という報道がありました。

 食用油のエコナは、ドレッシングにもドッグフードにも、そして“はごろものシーチキン”にも使われています。

 おそらく今日は該当商品が店頭から姿を消すと思いますが、ツナサンドやツナサラダやツナのパスタなどとして、レストランやコンビニでは提供されるかもしれません。

 シーチキンまで報道しているのは今のところ新聞くらいなので、家庭ですでにお弁当に入れて持たせてしまっていたら、後で気がついて嫌な気がするかもしれません。

 気づかずにツナクリームパスタなどとして提供してしまうレストランはきっとあるでしょう。

 発癌可能性物質であって、発癌物質ではないということですが、健康に良いと信じてエコナを使っていた人が癌になれば、穏やかな気持ちでいられるわけがありません。

 後で嫌な思いをしないためにも、今日からエコナ関連商品は使わないほうが無難、今日はツナ~という食べ物を外で食べたり買ったりしないほうが無難、ということです。

 今日はどれだけの人がシーチキン情報を持ってランチタイムを迎えるのでしょう?深刻になり過ぎても仕方のないことだとは思いますが…。

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2009年9月16日 (水)

マリリン・モンローは腰痛持ちだった。

マリリン・モンローは彼女の代名詞でもあるモンローウォークのために、左右高さの違うハーヒールを履いていたので腰痛持ちだったということを最近知りました。

 モンローが来日した時に、胃痙攣で浪越徳治郎先生が指圧をした話は何度も聞きましたが、“腰痛持ち”だったと知って指圧が効いたことに納得ができました。

 浪越の指圧は、前頚部から始めて胃腸管活動をコントロールする迷走神経を調整し、背部から胃腸を刺激した後、下肢、上肢、顔面、頭部、前胸部と続いて最後に腹部の指圧をします。

 腰痛を意識して指圧を始めなくても腰の異常はわかったでしょうし、ヒールの高さが違えば仰臥位下肢の指圧の後の伸展挙上のストレッチは大変効果的です。またこれは胃経の経絡のストレッチにもなります。

 病院嫌いのモンローの急性で激しい胃の症状を治した、しかも気に入られて3回指圧したそうですが、腰痛と下肢の短縮があれば、指圧をしながら『これほそれほど難しくない』という感触を得ていたかもしれません。

 治すポイントが多いほど、症状の緩和は期待できます。

マリリン・モンローの指圧は浪越徳治郎伝説として今も日本指圧学校では語り継がれていると思いますが、“ヒールの高さが違うための腰痛”があったというヒントが加わると、優れた指圧師なら気づくことがあるはずです。

そういう指圧師がたくさんいてほしいと思いますが、伝説としては詳細はわからないほうがいいのかなとも思います。

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2009年9月15日 (火)

自分の体との付き合い方に気づいた人。

 先日、「先生におまかせしたら私を治せますか?」と尋ねた女性の2回目の指圧です。

 頚を意識して真っ直ぐに起こしておくように気をつけているようで、これは大きな進歩です。

 椅子に座って姿勢を見ると、骨盤は後ろに倒れ、おなかを引っ込めておくことも意識できていません。

 一度に全てできるようになる人はまずいません。頚だけでも体に良い変化が起こってきます。

 前回の指圧後とても呼吸が楽になったということです。

 肺疾患がある方は、胸を拡げておくように姿勢を矯正してそれが持続できれば血液への酸素の供給効率を向上させることができます。

 肺循環が悪く運動不足なので、体全体の大循環の流れが滞っているわけです。

 しかしさっきまでタバコを吸っていたことはわかります。前回は命の危険を感じてタバコを吸わずにここまで来たのに、少し良くなるとコレです。

 伏臥位背部の指圧で、今回は湿った咳が出ることはありませんでした。

 タバコは簡単にはやめられないようですが、本数は激減させたようです。

 骨盤が後傾していたことにより腰の張りもありましたが、根深いこりではありませんでした。

 指圧中、余命の話になりました。

 私は「今日一日が無事に過ぎればそれで良しとする」、これを指圧をしてきたお客様を通して学びました。

 人間は一秒の判断ミスで命を落とすことも、不慮の事故で亡くなることもあります。

 痛みを忘れている時間があれば幸せなことです。

 明日できることは今日しない、それも痛みを持つ方たちには必要な考え方だと思います。

 あらかじめ準備して、今すべきことを今する、それが人生の総決算の時期の覚悟です。

 心を動かすことが少しはできたのか、彼女は私へのおまかせではなく、自分の体と付き合う覚悟ができたようです。

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2009年9月14日 (月)

セラピストの体を作るには…。

 セラピストが一人の人の体を楽にすることができても、それで自分がすごく疲れてしまっては、いつまでたっても疲れた人がいなくならないわけで、続けるためには疲れない工夫が必要です。

 施術中猫背にならない、他動的ストレッチをする時に自分の背中も伸ばすなどは疲れにくい施術に不可欠です。

 柔軟な体、特に手指と手関節それに肩、腰、膝の柔らかさがあって、微妙な体重移動が可能になります。

 硬い筋肉は故障しやすいので、柔らかく余裕のある筋肉を作るような有酸素運動のエクササイズを続ける必要があります。

 全くストレッチやエクササイズをしないで施術ができる人もいるかもしれませんが、自分が楽な姿勢で押圧できないような変形のあるお客様に対した時は、思わぬ故障を起こしやすいものです。

 私は半年くらいあった右肩の痛みが消えて、やや硬さのあった右股関節の違和感もなくなりました。

 体は連動していて一箇所の故障は必ず他に影響を与えます。

 大リーグの投手が100球の投球制限を目安にするように、指圧やマッサージなどの手技療法者も限度を超えてしまえば故障します。

 力の入れ方など個人差があり明確な基準はありませんが、気持ちが切れてしまったらそこから先はセラピーにはなりません。

 必要とされているセラピストであれば、無理をして数をこなすよりは、長く続けるために“投球制限”を設けるべきです。

 何時間も続けて指圧をしていると、ジョギングやウォーキングとは別の汗をかいていることを感じます。

 筋肉を使うというよりは、意志のある呼吸を伝えるために熱を作っているという感じがします。

 涼しくなって1kgほど体重が増えましたが体脂肪率は変わりません。私はあまり体重を絞り過ぎないほうが指圧を続ける時は楽です。

 参考にならないかもしれませんが、指圧を何人も続けてもそれほど体重は変わりません。

 たいして筋肉を使っていないのだろうと思います。何時間もただ腹式呼吸をしながら熱を作り出しているようなものです。

 頭は考え過ぎてボーッとしてきます。指圧後は糖が唯一の脳の栄養ですから、甘いものが欲しくなります。

 指圧のいいなと思う先生の体を思い出すと、痩せて見える先生でもおなかは丸かったような…。

 それは嫌なので毎日腹筋を続けていますが、指圧師はそれほど筋骨隆々にならずに、おなかが少し出ているくらいが正解なのかもしれません。

 つまり力ではないということ…。そんな到達点も頭の片隅に置いて、まずはしなやかな体を維持できるように努力してください。

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2009年9月13日 (日)

委中の治療感覚。

 四総穴(四つの重要な経穴)の一つである膝窩中央の『委中』は、坐骨神経の延長である脛骨神経を刺激することができるので、腰痛の特効穴とされています。

 私はこの委中をしっかりと圧すことが嫌いで、大腿後側中央の『殷門』で代用してきました。

 委中も必ず指圧はしますが、坐骨神経痛がある人はここがとても痛いので、殷門ならもう少し痛みの少ない治療ができます。

 しかし昨日はこの委中を、痛くても圧さなければいけないケースに遭遇しました。

 昨日は委中の治療感覚を得た日になるのでしょう。

 腰部脊柱管狭窄症の男性、いつもは後弯している腰椎が前弯して右坐骨神経に沿った痛みがあります。

 座って長時間仕事をしたので、右腕前腕内側のこりと、右腰の外側にこりがあります。

 後ろから前に腰の神経を圧迫する脊柱管狭窄症に加えて、このままでは前から後ろに神経を圧迫するヘルニアも起こりそうな状態です。

 このいつもとは違う右半身を背中から指圧していくと、殷門と同じ感触を委中にも感じました。

 普通は委中のほうが浅いので、同じ感覚を持つことはないのです。

 いつもとは違う姿勢を見て、来た時から指圧の構成の変更は始まっていたのでしょう。

 セラピストの直感のようなものですが、“委中を痛く圧すこと(これは私の指圧感覚に全く背いています)”が効果をもたらすイメージはできあがっていました。

 指圧後、確かに痛かったそうですが腰椎は後弯気味に矯正され(脊柱管狭窄症では健康な人の腰椎のように矯正すると痛みが出ます)、下肢の痛みも消えました。

 加齢的な変化で下肢に痛みを持つ方たちには、硬くなって痛みの原因になっている部位がたとえ痛く圧すことしかできない状態でも、それを緩めることは大きな価値があります。

 しかし、若くて骨格の矯正が可能な方たちには、委中を痛く圧すようなことは必要がないと思います。

 この治療感覚のニュアンスをうまく伝えられるか、アロマ指圧を講師として語る時、また一つ完全な納得は得られそうもない感覚を拾ってしまいました。

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2009年9月12日 (土)

脳と体幹の中継点としての頚。

 自律神経は末梢神経です。

 自律神経は中枢からの循環、呼吸、消化、代謝、分泌、体温維持、排泄、生殖などの司令を体の各部位に連絡します。

 背中がゾクゾクして寒気を感じるのは、体温の低下の連絡が脳に届いたということです。

 この背中がゾクゾクするという感覚を持つ時、手や足などの末梢も冷えています。

 ハンドマッサージやリフレクソロジーの効果は、末梢の刺激が自律神経を調節し脳にまで影響を与えるということです。

 末梢を温め続けても、温かくなった血液は体を循環しやがて体全体を温めることは可能です。これをしているのが手や足のマッサージであり、足湯です。

 一方、のぼせやほてりは主に頭部顔面に感じますが、手足がほてるという人も多く存在します。

 高血圧や動脈硬化、更年期障害などによってのぼせやほてりの症状が現れることが多いようです

 熱が上にこもり、冷えが下に集まるというのはお風呂のお湯やエアコンを考えても理にかなっています。

 中継点としての頚は、実質臓器を持たない「管」であることに気づきます。

 冷えればマフラーを巻き、襟を立て、熱を持てば冷やしますが、頚髄と頚椎と筋肉の他は、咽頭、喉頭、食道といった管(通過点)です。

 頚のマッサージを中心とする手技療法をあまり聞いたことがないのですが、よく考えてみると前頚部重視の浪越の指圧が一番近いのかもしれません。

 末梢神経である自律神経を調節するということにおいては手足のマッサージも有効であろうと考えていた時、中枢との連絡という点において、頚のマッサージも行えばさらに効果的なのではないかという考察に至りました。

 実質臓器を持たないむき出しのジャンクションとしての頚、ここを掘り下げた手技に期待ができそうな、そんな気がしています。

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2009年9月11日 (金)

「先生におまかせしたら私を治せますか?」と言われて。

 いろいろ病気があって、とうとう困り果てた時、「先生のことを思い出した」という女性、「先生におまかせしたら、私を治せますか?」というお尋ねです。

 病院巡りをして期待がかなうことはなく、薬も途中でやめたり、民間薬に頼ったり、とても難しい患者さんです。

 肺と胃を病み、高血圧があり、現在左目に異常を感じているようです。

 ヘビースモーカー、肥満、暴飲暴食、運動はしない、さて…、少し言葉を選んで出てきたのが「楽にすることはできます」…。

 頚の右側屈と猫背、骨盤の開きと右股間節の外転を矯正すれば、肺が拡張できる範囲が拡がって、呼吸が楽になり、血圧はやや下がって安定するでしょう。

 これだけ悪ければ、即効性があります。

 背中を指圧すると、湿った咳が続きます。気道の繊毛運動が活発になってデトックス効果はありますが、この咳には問題があります。

 深刻な病名しか浮かばない…。

 それでも背部が緩むと、仰臥位では寝息を立てて眠りました。

 彼女は指圧後1時間話し込み、たぶんその間にも指圧でよくなった余裕は減っていました。

 右の額の浮き出た静脈が気になり『くも膜下出血』のイメージが浮かびました。

 するとやはり彼女はそれも経験していました。

 まず血圧管理、病院に通い続けることが必須、詳しい検査をすればいくつかの診断はされるでしょう。

 呼吸器科、胃腸科、眼科、治療の必要がある症状は多彩で、本来ならくも膜下出血後は神経内科で血圧管理を続けているのが普通です。

 またひとりのプロジェクトを抱えました。

 動かせる範囲で残存機能を維持するには、“おまかせ”ではダメです。

 この依存体質が、病院とうまく付き合えなかったり、タバコや酒をやめられない元凶でしょう。

 楽にすることはできる、確かにそれはできます。

 病院の先生を本気にさせる患者になれるように、セッションを重ねていくことも私の役割だろうと思いました。

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2009年9月10日 (木)

左手掌の「曲」の文字からわかること。

 腰痛と肩こりで指圧にいらっしゃた40代の女性、指圧をすすめていくと左手掌小指球に「曲」という文字が書いてあります。

 さて、指圧師がそこから読む物語は…。

 自分に見える向きに書いてあるので、これは誰か他の人ではなく自分が書いたものです(ということは右利きであることがわかります)。

 文字がはっきりと筆圧高く書かれていて、縦線の両側が勢いよく横線を突き破っています。

 濃く強く書かれた文字から、これは消えてはいけない重要なメモだということがわかります。

 角ばった力強い文字を書くからには、真面目な性格なのでしょう。ストレスをまともに受けるから、肩がこってくるのではないでしょうか?

 ここまで車を運転してきた彼女にとって、左小指球はハンドル操作でも文字が消えにくい位置です。

 そして他人からは文字が見えない位置です。他人には手にメモを書く人であることを知られたくないという意識はしっかりと持っています。

 何かこちらが体の状態を説明すると、「はい」と生徒のトーンで応えます。

 おそらく学校以外の環境に身を置いたことがない…。

 私はお客様から話が出なければ職業までは問診で聞かないので、おおよそ学校の先生らしいとは思っていましたが、どうやら間違いなさそうです。

 ここからは余計なこと…。

 おっとりとしたしゃべり方から、養護学校(養護学級かも)の低学年を受け持つ先生ではないかと思います。希望的観測ですが、そうだったらとっても仕事が合っているのではないかと感じます。

 「曲」の文字は、運動会か学芸会で出し物に使う音楽を用意しなければいけないということ。

 おそらく音楽の先生ではない。余計な、余計なことですが、なんとなくそんな感じが…。

 聞いてしまえば簡単なのですが、こんなこともセラピストとしての楽しみのひとつです。

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2009年9月 9日 (水)

わかりやすい見せ場を作るための演出をする。

 脱出マジックで一世を風靡した初代引田天功さんが催眠術をかける前に、「馬鹿は催眠術にかからない」という前フリをしていたそうです。

 プリンセス天功さんが催眠術にかからなかったら、「そういう時はかかったふりををしなさい」と叱られたそうです。

 私は指圧で眠くなることと、催眠術には共通するものがあると思っていますが、この催眠術を行う前のフリ(暗示)と、“催眠術に必ずかかる人”の存在はとても大切なポイントであると感じます。

 指圧では口コミが前フリに相当しますし、治った人による口コミはさらに信頼性を高めてくれます。

 “辛い症状が改善できそうだ”という期待があって、期待以上の効果をあげるためには、プロだからできる“見せ場の演出”をしてほしいと思います。

 例えば最終的には肩関節前方挙上の可動域を拡げるという目的があれば、短縮していて障害となっている筋肉を緩めていき、肩関節伸展のストレッチで仕上げていきます。

 具体的には遠くから緩めていき、最後に肩関節前方挙上をして、来た時よりも可動域が拡がっていればいいわけで、最後の最後はrit(だんだんゆっくりと)していき、間があって、フェルマータ(長く伸ばして)で終わります。

 ひとつのタッチも必ずクレッシェンド→デクレシェンドですから、この見せ場を作るためのリズム感がセラピストの個性となります。

 個人的には最後のところでスポットライトが当たったり、『ニューヨーク・ニューヨーク』がかかればいいなと思いますが、そこまではなかなか…。

 いずれ照明とミキサーをつけてステージでショーとしての指圧をやってみたいものですが、そこまではしなくても普段の現場で十分にショーとして成立するような演出は可能です。

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2009年9月 8日 (火)

水中ウォーキングでも注意が必要。

 「水中ウォーキングで腰を痛めた」という女性に指圧をしました。

 水中ウォーキングは浮力によって体重の負担が減るので、腰痛や膝痛の方には適した運動なのですが、どうやらいきなり大股で歩き出した時に腰を痛めたようです。

 ストレッチもそうですが、まず小さな動きから始め水中ウォーキングの前には準備体操が必要です。

 さいわい後ろに反ることができにくい下部腰椎付近の筋肉の問題のようでしたので、指圧後は緩んで眠くなったようです。

 われわれはアドバイスとして水中での運動を勧めることが多いのですが、事前の準備運動をしなかったり、いきなり大きな動きをすると水の抵抗で思わぬ急性腰痛起こすこともあります。

 腹筋や大腿四頭筋が締まっていて水中ウォーキングの効果はあるようなので、無理をしないようにしたら続ける価値は十分にあります。

 我流のリハビリでこりてしまって、その後全く動かさないと確実に症状は悪くなります。

 予防や回復のための運動について、問題点を検討して宿題として与えることも、生活の質を改善するためにとても大切なセラピストの仕事です。

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2009年9月 7日 (月)

施術の工程にこだわらないことでステップアップできる。

 指圧・マッサージに関わる資格(学内資格も含む)は、マニュアルを理解しその実技の最低ラインはクリアできたという証しにしかすぎません。

 施術の工程をお客様の状態に合わせて組み立て直していくことや、マニュアルからはみ出して“セラピストとして今必要と分析したタッチ”をしていくことで確実に内容が充実していきます。

 初心者が、覚えたマニュアルを壊していくのには確信が持てずためらいがあるものです。

 しかし机上の論理と複雑に混線した人間の体の状態が1:1に対応することは滅多にありません。

 施術で終わって相対的な緩和でよしとするのか、そこへ当意即妙のオンリィワンのタッチを乗せていくのかの違いで、その後のセラピストとしての評価が分かれます。

 私はよく我を忘れて指圧をしている時がありますが、“今ここはとばして、指圧をしていなかったかもしれない…”と思って戻ってみると、そこは緩んでいるので“指圧をしていたんだ…”とほっとすることがあります。

 頭で考えていることは支線に反れても痛みの原因を緩めることなので、それほど状態の悪くない本線のことは記憶に残らないことがあるようです。

 マニュアルは何千何万と繰り返しているうちに体に沁み込んでいきます。

 マニュアルを考えながらタッチをしている段階は単なる施術です。

 そして短い言葉で“Ah-ha体験”をしていただけるようなアドバイス(例えばふくらはぎがむくんでいればそれは爪先立っていないからだと言い切ってしまえること)ができるようになって理論と実技が一体となっていきます。

 現場に立つまでの筆記や実技の試験はとても大きなストレスになります。

 しかしそれを経験しないとお客様からセラピストに求められているもっと途方もなくストレスフルな要求に応えることはできません。

 今日初めて現場に立つ人もお客様からみれば“先生”です。

 どんなに下手くそでも、新米だからと逃げても、手技療法で責任をとるべきは施術者です。

 プレッシャーをかけるようですが、私は“あなた”がどれだけ素晴らしいタッチをできるのかわかりません。

 ひとつ言えることは、誰でも(苦しみながら経験を重ね、反省点を分析して次に活かして)素晴らしいセラピストになることができます。

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2009年9月 6日 (日)

ふくらはぎのむくみ→肩のこり

 昨日の午後は3時から8時過ぎまで、5人休みなしに指圧をしていました。

 午前中の指圧もあり、午後は具合が悪くて当日に予約した方が4人だったので、われながらよく気持ちが折れなかったと思います。

 昨日は天気も良く、こんな日はみんなどこかへでかけちゃったかな、とお昼の時点では気を抜いていたので、かなりの上出来です。

 指圧終わりで入念なストレッチをしておいたのが効いたのか、今朝は腰痛も肩の痛みもありません。

 なかなか翌日にどこもおかしくしならないということはないので、昨日は力が抜けた指圧ができていたのでしょう。

 一時間半くらいの内容を一時間に盛り込んでいるので、無理があることは承知ですが、昨日は急患といえる急性症状が多かったにもかかわらず、頭も働き言葉も途切れず、良い仕事ができたと思います。

 急に悪化した症状を診る時には、例えば緊張の強い肩こりなら、上半身が使い過ぎで下半身を使っていないというようなことに気づけば後は簡単です。

 高齢者の方の急に悪化した肩こりは、のぼせ、めまい、耳鳴りなどの高血圧の随伴症状を伴うことが多く、若い人では下半身、特にふくらはぎのむくみを伴うことが多くあります。

 上半身ののぼせを下げ、下半身のむくみを心臓に返すということで急性のパニックを伴う肩こりは緩和します。

 昨日はパニックを指圧していたようなものです。

 何とか落ち着かせて、なだめて、体のバランスをとって、説明して、納得していただきました。

 ほとんどの肩こりは肩だけ触っても治ることはありません。

 老若男女、肩、腰、足、頚、昨日指圧した症状はいろいろでしたが、頭の引き出しからすぐにデータが取り出せて時間の無駄がなかったと思います。

 ゆっくり指圧をすることが許される日は、急がずに余計なことまで考えながら指圧をさせていただきます。

 

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2009年9月 5日 (土)

バストアップのポイント。

 まともな全身指圧やマッサージを受けた後はバストアップしています。

 猫背を矯正し背中に流れた脂肪を胸に集めることができなければ、セラピストとしてのセンスが足りません。

 胸の前で合掌し肘を張って大胸筋を鍛えるエクササイズがありますが、これは背中に流れた脂肪を集める動きとしては不十分です。

 広背筋を使う、つまり肩関節を内転内旋し、肩を前へ持っていくような動きをすると、より効果的なバストアップのエクササイズになります。

 つまり野球のピッチャーや、ボクサーや、テニスやバレーのサーブのイメージです。

 おなかを引っ込めているということは必須で、脊椎の関節の隙間を一つ一つ拡げていく感覚で伸び上がり、1kg程度のダンベルを両手に持って肘を曲げ、ジムのマシーンのように両肘を体の中心に近づけるようにします。

 この時、肘はできるだけ体の前方を通る大きな弧を描くようにします。

 同じように体の遠くに弧を描くフック気味のパンチを左右交互に、下からアッパーで、サイドハンドスローのようになど、角度を変えて行います。

 テニスや卓球のドライブスマッシュのような動きも効果的です。

 これに爪先立ってバンザイをする逆を意識したスクワットと、サッカーのインサイドキックを取り入れると、ふくらはぎと大腿内側がシェイプアップできます。

 やらない動き、やりそうでやらない動き、このあたりにボディの弱点をカバーする秘訣があります。

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2009年9月 4日 (金)

代謝が悪くなる頃。

 台風一過の後は涼しい日が多くなりました。

 蒸し暑い夏の習慣のまま冷たいものを摂り続けていると、体は冷えを溜め、代謝が悪くなって太ります。

 そうでなくても秋の気候と体が折り合いをつけるにはしばらく時間がかかります。

 脇腹に水と冷えを溜めて太ってきたと感じたら、汗をかくくらいの運動が必要だということです。

 しかし夏場の運動量と同じではそれほど汗をかくことができなくなっていることがわかると思います。

 この時期の体は脂肪を溜めて冷えに対抗しようとしています。

 眠たい、二度寝をして遅刻してしまう、何故かよく眠れるというのも、蒸し暑い夏の気候から快適な秋の気候に変わって、体は副交感神経優位の状態にあるということです。

 副交感神経の働きが活発になると消化管活動は促進されますが、興奮して戦闘能力を高めるような活動は不活発になります。

 運動はしたくない、しかし食欲は増進しているという太る条件の真っ只中にあるのがこの時期です。

 快適な環境では、眠いし、おなかが減るし、太る、なるほどなと思います。

 折り合いがつくには個人差がありますが、おそらくあと一週間くらいで秋の気候に慣れてきます。

 それまでに体を温める食事や運動や入浴などに気を配ることができたか、それが今後長い人生の体型の変化に大きく影響します。

 意志の弱い方、この時期に体を自分で動かしたくない方には、気持ちのいい全身指圧が効果的です。

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2009年9月 3日 (木)

伏臥位の枕や足枕、頚の向き、股関節外転+膝屈曲など。

 ケンタさんの御質問、『伏臥位の枕や足枕の使い分け』やお客様に不快感を与えないための姿勢のコツなどについて、私の考え方を書いてみます。

 まず大前提は長時間の伏臥位姿勢は“不快である”ということです。ただし猫背の、特に若い女性の中には伏臥位が気持ちいいという方がいます。

 胸部と腹部を圧迫する伏臥姿勢は、心臓病や高血圧のある方にはできない場合もあると頭に入れておくべきです。当然妊婦さんに伏臥位を強いてはいけません。

 ベッドには上部に穴の開いたものや、先端に円形枕がついたものや、穴も円形枕もないものがあります。

 独立した円形枕は確かに呼吸が苦しい感じで、私は最近使っていません。

 伏臥位では、額枕+胸クッションを通常使っていて、頭は下を向いた状態で後頭部の指圧から始めています。

 頚が曲がっていたり頚に痛みがある方には、曲げやすい方向に回旋していただいています。

 足枕は軽度膝屈曲になるように両足の甲に当てるセラピストが多いかと思いますが、私の経験ではそれを好まない方もたくさんいらっしゃるので、最近は坐骨神経痛や脊柱管狭窄症などで下肢痛がある方に、痛みのある側にだけ使っています。

 腰の痛い方に痛みのある側を指圧する時は、患側の股関節外転外旋+膝屈曲の姿勢をとっていただくと、痛みや不快感が軽減します。

 基本指圧の伏臥位では、胸クッションと足枕なしで、額を枕に当てた後頭部の指圧から始め、後頚部の指圧後は枕をはずし、頚を左回旋で左肩上部肩根点から左背部~下肢と左半身の指圧をします。右肩上部からは頚を右回旋で指圧します。

 額枕も胸クッションも足枕も嫌がり、基本指圧通り頚回旋で指圧を受けている方もいます。

 ひどい腰痛の伏臥位は、その前に仰臥位の指圧をしてからおなかにクッションを当てて腰を高くすると痛みが出にくい場合があります。

 臨機応変に、ケースバイケースなので、額枕も高さの違うものを用意したりタオルで高さ調節をするなどの必要があります。私はいろいろなクッションやサポートグッズをすぐあてがえるように手近に用意してあります。

 業務用のものだけでなく、ニトリとかホームセンターで様々なクッションやタオルやタオルケットを探しておくことも、セラピストとして開業すれば必要になります。

 施術用のベッドはお客様にとって窮屈な空間です(だから全身のアロマオイルマッサージ以外、私はダブルベッドサイズのマットを使っています)。窮屈なベッドを快適にするのはセラピストの経験と目です。

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2009年9月 2日 (水)

足をつっぱて大腿直筋起始部と腸脛靭帯下部の痛み。

 「もう少しで危うく車にぶつかりそうになって、咄嗟に右足を突っ張って以来、大腿前側で下前腸骨棘下の大腿直筋起始部と大腿外側で膝上の腸脛靭帯に痛みがある男性」、もう8年来の痛みだそうです。

 整形外科のMRIで異常はなく、強いマッサージを受けてきましたが全く効果はなかったようです。

 そもそも大腿直筋起始部と腸脛靭帯の痛みであると特定できたマッサージ師が何人いたか…。中国でもマッサージを受けてきたようですが、ただ痛いだけだったということです。

 長年右大腿の付け根をかばったため、肩甲下部の脊柱は左に側弯しています。

 左足に体重をかけ右に腰痛がある対角線の痛みを持っています。

 ひどい猫背で仰向けに寝ることができません。

 右烏口突起付近と三角筋中央の上腕二頭筋腱短頭と長頭に痛みがあり、肩上部の肩こりもあります。

 8年前、体の左側面に車がぶつかりそうになった時、おそらく目をつぶり右下肢やや外転で爪先は正面を向けて体を硬くしたのだと思います。

 衝撃を右大腿直筋起始部と膝上側面に受ける姿勢は、膝を強く伸展し膝関節が外側にしなっているだろうと思います。

 これらをふまえて、気持ちのいい刺激の全身指圧に(右)股関節の後方挙上や下肢牽引、痛みの出ない範囲での股関節内転外転、内旋外旋のストレッチを加えていきます。

 指圧後、脊柱の左側弯と猫背はかなり矯正できました。

 股関節の運動では屈曲や内旋外旋で痛みがありますが、小さな痛みの出ない範囲で動かしていくことで筋肉は再教育されるように痛みが少なくなっていくと思います。

 ここでも股関節伸展(下肢後方挙上)と肩関節伸展(後方挙上)を意識したウォーキングは右下肢の痛みと肩の痛みを時間をかけて解消してくれるはずです。

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2009年9月 1日 (火)

土下座はいらない。

 台風一過の爽やかな9月の朝、ウォーキングコースには雨の滴をまとった朝顔がまだ咲いていました。種類はブルーへブン(天上の青)でしょうか?

 気持ちの良い朝に歩きながら思い出したのが、選挙で土下座をする立候補者の映像です。

 あれは苦いものが込み上げてくるような、見苦しい姿でした。

 すがりつく、しがみつく、執着する、固執する、こういう精神状態にあるとき、気は病んでいます。

 病気になる前には、健全とはいえないことをしてしまいがちです。

 毅然として正面を向いて、健全な肉体と信頼の置ける眼差しと魅力的な発声で志を示していただければ、選挙活動は十分です。

 簡単に、そして何度も土に擦り付けることができるような頭でする土下座は単なる形で、土下座をする度に意味合いは消えていきます。

 教育的にもよくない、いじめの根っこはこんなところからも広がっていきます。

 “改心の股くぐり”などというものと同様に、土下座は屈辱的な行為です。

 一国の政(まつりごと)に関わろうとする者としてふさわしいかどうかを知るのに、土下座は必要ありません。

 土下座そのものがいらない。

 人間としての尊厳を捨ててまで議員様に執着する姿にはドン引きです。

 健康で姿勢の良い、潔い人間でありたいと思います。

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