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2009年10月31日 (土)

指圧は30kgの刺激を超えてはいけない。

 指圧の強さは100gまでの触圧、100g~1kgまでの微圧、1kg~5kgまでの軽圧、5kg~15kgまでの快圧、15kg~30kgまでの強圧と分類されます。

 指圧は強圧までで、これを超えてはならないとテキストには明記されています。

 片手をテーブルについて椅子から立ち上がる時、指圧の指の形でこれを行えば体重のかけ方にもよりますが、およそ快圧の体重移動になります。

 体重の4分の1ほどの重さが、プッシュアップの動作時に手指にはかかります。

 たとえ体重が30kgしかなくても、快圧の指圧はプッシュアップの体重移動で可能なのです。

 テキストに指圧の強さの上限が明記されてはいますが、指圧師が体重の半分を母指の指紋部に乗せるのは簡単なことです。

 残念なことに、あマ指法制定後の指圧理論がよく理解できていないあマ指師は多く、強圧し自慢の声はあちらこちらで耳にします。

 “一指立禅”の修行を黙々と続ける中国の修行僧のドキュメントを見たことがあります。

 一指立禅は、片方の示指一本で全体重を支え逆立ちをするという究極の荒行です。

 ただそれができても、人間の体の上でやるわけにはいかない、タッチセラピーというものは、そういうことではありません。

 指圧は、誰にでもできる快圧で人間の体に合わせてタッチの刺激量を臨機応変に使い分けていくことが大切なのです。

 激しい痛みを持つ人には強圧では通用しません。指圧師は強い痛みを持つ人からタッチを教わって上達していきます。

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2009年10月30日 (金)

「力で押しまくらず、響きの中でフォルテ(強勢)を作る」

 今日の産経新聞の記事中に「力で押しまくらず、響きの中でフォルテ(強勢)を作る」という言葉がありました。

 これはアメリカの軍楽隊の演奏会で指揮をしてきた陸上自衛隊中央音楽隊の武田晃隊長の、アメリカ軍楽隊の音の作り方に対する感想です。

 この言葉を読んだ時、瞬間的に共感すると同時に、とても難しく深い意味を持っていることに気づかされました。

 とても弱い力の表現力が増せば、マックスの力でなくても相対的に強い力は際立ちますが、武田さんがそこで得たイメージはそれだけではないはずです。

 同じ力で合っても1拍が弱冠長い、短いというようなことであったり、音のトーンであったり、テンションであったり、これは手技療法の触圧刺激でも同じことが言えます(何しろ手技療法の叩打法はパーカッションなわけですから)。

 例えば指圧は漸増漸減圧ですから、出だしにわずかな間を作って、漸増圧の上昇曲線を急勾配にすれば、単純に考えれば『響きの中のフォルテ』を作り出すことができます。

 それは技術的なことで、これではまだ足りない。

 フォルテを作るというメンタルが乗っているということや、受け手の望む絶妙なフォルテを作るというようなことも要素としてはありそうです。

 特にバンドではメンバーとの協調もあるので、同じようなイメージとテクニックを得るには大変な練習量が必要だと思います。

 ふと目に付いた言葉ですが、深い意味を持つ難解な課題です。

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2009年10月29日 (木)

「アスパラガスの葉を生け花に…」元気と長寿のお話。

 「アスパラガスの葉っぱを生け花に…」と80近い華道の先生が新宿まで出かけて、花屋を3軒回って、手に入らなかったという話。

 近所の花屋さんに頼んでおいたのに手に入らないということで出かけたようですが、その創作のイメージ、こだわり、声のはっきりしていること、大した元気です。

 めげずに別の花を買ってきて、イメージと合わなければ何処かで花を摘んでくるかという勢いまであります。

 指圧をすると右肩上部と背部、下肢前側と外側に緊張があります。

 花を抱えて、踵を地面に踏ん張ってしっかりと落とさないように家まで帰ったということ、その後の指圧です。

 生姜をすりおろして、醤油を少したらし、お茶(ほうじ茶かな?)を注いで飲むという健康法を仕入れてきたようで、それにはまっている様子です。

 醤油の甘草と生姜は漢方薬では御馴染みで、ほうじ茶と一緒に飲めば体を温める作用が強くなり、緑茶と飲めば温める作用は少し減りますが殺菌作用や血糖効果作用などがプラスされます。

 好奇心と創作意欲、自分の足を使って自分の目で確かめること、これがあると元気と長寿はついてくるなぁと思いました。

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2009年10月28日 (水)

ストレス性胃腸炎(どうやらサークルを辞めたいらしい)。

 胃腸が働かないからと指圧にいらっしゃった60代の女性、今月は法事やお祭りや家庭のことでとても忙しかったようです。

 軟便が続いているということで、ウイルス性の胃腸炎もストレス性の胃腸炎も、どちらも考えられます。

 肩がこっていて、やや微熱があります。

 痩せ型で胃下垂体質なので、いつもなら背部の緊張を緩めてから仰臥位左大腿前側、胃経の指圧をすると、おなかがグーッといい音で鳴る人なのですが、今回はゴボッと時々短い音がします。

 腹部の指圧でも開通した音ではなく、時々ゴボッという音がしました。

 夜中におなかが痛くなることがあるそうなので、空腹時の痛みとしては十二指腸潰瘍があるかもしれません。

 指圧が終わり、最近入会した趣味のサークルの話になりました。

 『ここから長そうだぞ…』の予感の通り、初回に欠席してどうやら転校生気分になってしまった様子から、道具の購入など様々なストレスが語られていきます。

 伝家の宝刀『じゃ、辞めちゃえば?』をどこで出すかということなのですが、デトックス、デットックスということで時間は経過し…。

 結局、始めに結論有りきの話なので、落ち着くとこへ落ち着いてニコニコして帰っていかれましたが、このやり取りをした後に、仮面うつ病の男性のことを思い出しました。

 彼にはうつ病の自覚はなく、様々な体の症状を訴えていろいろな診療科を受診したあげくに、仮面うつ病と診断されてから落ち着いたようです。

 心の不調は体に映し出されます。体に症状が現れてから気を病んで病気になることも、気を病んでからそれが体の症状として現れることもあります。

 体を動かすことで心の不調が改善されるというのはよくあること。

 自分で体を動かしたくなければ指圧やマッサージで動かすのもとても良い方法です。

 そして口も動かし、気持ちを声に出してデトックスすることも、とても良い解決策です。

 

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2009年10月27日 (火)

背中が語る(あるいは背中に語らせる)。

 台風が太平洋を通過していき、昨日は雨(時々曇り)の一日でした。

 頭痛持ちの人は、おそらく日曜日くらいから頭に重さを感じ始めていたことと思います。

 そんな中、テレビの報道は傍聴券を求める長蛇の列を映し出し、注目の裁判が一日中、ニュースや情報番組をにぎわしていました。

 見たくはないのですが、指圧師の目に焼きついてしまったのは、法廷画家の方が画いた被告の背中です。

 ジャケットの背中の中心線は大きく右にカーブしていました。

 きっとそれを一枚の画として切り取ったからには、意図があったのでしょう。

 それを描く価値を見出した法廷画家の方と指圧師の見解は一致しているかどうか…。

 そしてこれが弁護する側の演出であるとすれば、それはある意味凄みのあるテクニックです。

 ジャケットの背中の正中線のズレは、簡単に矯正できます。後ろの裾を引っ張って直すだけでいい。

 それは慌てていてそうなったか、演出でそうしたかということで違いますが、背中は確かに訴えを持っていました。

 体や心の歪みを治すのは簡単なことではありませんが、ジャケットの歪みはまるで誰にでも全てが簡単に直せるような隙を見せて、一枚の画となってテレビに映し出されていました。

 こういうひねくれた見方を穿った見方というのでしょう。でもそこにばかり目が奪われた指圧師が一人いました。

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2009年10月26日 (月)

注射1本で変形性膝関節症を治すという新しい治療法。

 昨日18:30からTBSテレビ『夢の扉』という番組で「注射1本で変形性膝関節症治す」という新しい治療法を紹介していました。

 そのイメージで番組を見ていると、実際には軟骨組織や幹細胞を取り出してから培養するのに時間がかかるので、日にちを空けて2回の施術と2本の注射器が必要になります。

 幹細胞を使う新しい治療法の承認には通常10年かかるということです。

 軟骨を培養して使う方法でも、幹細胞を培養して使う方法でも、リハビリは必要なようです。

 期待して見たこちらが悪いのかもしれませんが、注射1本で即走り出せる程の回復というのはなかなかないものだなぁと思いました。

 指圧でも欠損した軟骨を刺激しない姿勢に骨格が矯正できて、即走り出せるということもあります。ただこれは根本治療ではない…。

 注射1本で、リハビリもいらないくらい日帰りで治るようになるといいなぁと思います。

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2009年10月25日 (日)

ブシャー結節

 へバーデン結節の質問をいただいたので、ブシャー結節についてもふれておきます。

 へバーデン結節は指の四指の末端のDIP関節(dist. interphalangeal joint=遠位指節関節=第1関節 *母指は2関節なのでIP関節と呼びます)や母指のIP関節にできる変形性の関節症で、原因は老化や指の使い過ぎです。

 へバーデン結節がある人ではPIP関節((prox. interphalangeal joint=近位指節関節=第2関節 *母指にはありません)にも変形が起きることがあり、これをブシャー結節と呼びます。

 PIP関節の変形ではリウマチとの鑑別が必要になります。

 リウマチは免疫機能の異常で自分の体を攻撃して関節を破壊して進行性に悪化し、指ではPIP関節に発症することが多いのですが、発症の可能性は全身にあります。

 リウマチは左右対称性に発症したり、朝1時間以上こわばりが続くなどの症状が目安になりますが、リウマチの多くはリウマトイド因子が存在するので、診断には病院での血液検査が必要になります。

 私はへバーデン結節やブシャー結節を、中年以降の女性の方で診ることがあります。

 女性ホルモンの減少→骨粗鬆症→骨の変形は、残念ながら避け難い加齢的変化(老化現象)であるようです。

 せめて指先でレジ袋やバッグをいくつも引っ掛けて持たないなどの予防策は取るべきでしょう。

 でも、そういう指を指圧する時、勲章のような気がするなぁ。

 指圧・マッサージのテクニックとしては、へバーデン結節やブシャー結節でもリウマチでも、痛みがあればその部分には触れなくても、患部から先を刺激していけば血行促進と鎮痛効果が得られます。

 私は遠心性と求心性の両方の刺激を臨機応変に使い分けていますが、末端に冷えがあれば遠心性も入れて、そうでなければ求心性の刺激でデトックスしていくことで血行促進+鎮痛効果が得られます。

 アロマトリートメントの精油の選択は血行促進や鎮痛の効果があるものを使用します。

 私なら、セントジョーンズワートの浸出油にローズマリー(あればカンファー)、マジョラム、ジンジャー、ブラックペパー、ペパーミント、ラベンダー、ウインターグリーンあたりの精油から2種類くらいブレンドして使います。

 いろいろやってみましたが、上手なタッチができれば1%濃度で全く問題ありません。

 アロマトリートメントでは患部に痛みがあっても塗布することはできます。炎症部位はいたずらに刺激しないようにして、それより近位をトリートメントすることにより誘導作用で症状の緩和を目指します。

 

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2009年10月24日 (土)

カーディガンのボタンが左下へカーブしている女性の指圧。

 椅子に座った時に、カーディガンのボタンが左下へカーブしているのが気になった女性、ここ2~3日片頭痛があります。

 片頭痛は、側頭部から体の外側を下行する胆経の経絡上の筋肉に緊張が診られる事が多いものです。

 カーディガンのボタンが正中線上にないのは、体の歪みの現れです。

 伏臥位から指圧を始めると、左内踝以下の足に冷えがありますが、右足はそれほどでもありません。

 仰臥位で、左鼡径部の脈は微弱で左下肢にむくみがありますが、右鼡径部の脈はしっかりと脈打ち下肢の筋肉も鍛えられています。

 そのことを伝えると、家で30分ほどエアロバイクをこいでいるとのこと。

 これで全体像がつかめました。

 エアロバイクをこぐ時に、右足主動でペダルを踏んでいて、左足はペダルにただのせているだけでほとんど運動をしていないのです。

 右足を強く踏み込むため、上半身は右側屈気味になり、右半身が鍛えられれ左半身がむくむというアンバランスを作り出しました。

 カーディガンのボタンが左下へカーブするのは、上半身が右に側屈しているためです。

 全身指圧後、カーディガンのボタンは正中線にありました。

 ボタンのズレを最初に指摘していたので、彼女はびっくりしていましたが、密着間のある指圧というものは、体だけでなく衣服にアイロンをかけるようなものです。

 指圧が終わって来た時よりも衣服にしわがよっていたとしたら、それは指圧ではありません。

 密着が甘く、垂直圧でもないからしわを作ります。こねてしまえばブレるのです。それでは指圧みたいなものとさえ呼べません。

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2009年10月23日 (金)

旦那様の指圧、効果ありでした。

 昨夜胸が苦しくなって、旦那様に背中を圧してもらったという50代の女性、喘息の持病があって、時々胸の苦しさを訴えて指圧にいらっしゃいます。

 脈は1分間に66、肩甲骨から上のところで背中のカーブが大きくなっていて、右腕の使い過ぎが原因だと思われます。

 心臓の検査もしていますが、狭心症や高脂血症の診断はありません。

 昨夜は喘息の発作がなかったということを考えると、心臓神経症と更年期症状を頭に置きながら、肩から背部の筋肉の緊張を緩めていけばいいだろうという見通しで指圧を始めます。

 右肩上部のこり、肩甲間部のこりはありますが、腰から下の筋肉はそれほど悪くありません。

 2~3kg太ったということですが、むしろ若く見えます。

 とても弱く疲れた女性でしたが、指圧をしていくうちにたくましくなってきたような感じです。

 更年期の女性ホルモン減少と体が折り合いをつけて、健康でたくましくなっていった何人かの女性と似ています。

 「今日は珍しくそんなに悪くないですねぇ。きっと旦那様の指圧が効いたのでしょう」

 それを聞くとポカンとしていましたが、症状が悪くなっていく時に絶妙なタイミングで指圧をすると、血行を促進したり、交感神経の緊張(アドレナリンの分泌)と心臓の興奮を抑制して鎮痛、鎮静の働きを発揮します。

 昨日は悪かったけれど今日はさほどでもないとしたら、旦那様の指圧はかなり誉めていい出来です。

 もっと評価してあげてほしいな、きっと心のある手当てのタッチだったのだろうなと思います。

 訓練していなければ二度とできないかもしれないタッチですが、そういう火急のタッチというのは侮れない、アナドレナイ(どうでもいいことですがアナドレナイはちょっとアドレナリンに似ている)。

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2009年10月22日 (木)

呼吸運動法としての指圧。

 『指圧をすることで指圧をする人も肩こりが楽になるような指圧』、これを伝えたいと思っています。

 それは、指、腕、肩の力を抜いて、肘を伸ばし、肩甲骨を開くだけの動きで息を吐きながら体重移動をするという指圧法です。

 頭を起こし背中を伸ばした状態から、母指の指紋部を密着させた筋肉を支えとして、さらにわずかにプッシュアップをして上体を起こすと、垂直圧がかかります。

 背中から頭に向かう直線の延長線上に“幻の滑車”があって、その動線は井戸のつるべのように母指の指紋部と結ばれています。

 母指がゆっくりと沈む分だけ体がわずかに起き上がるというプッシュアップが、この幻の滑車をイメージすることによって理解しやすくなると思います。

 プッシュアップしかも母指と揃えた四指による指立て伏せの感覚になりますから、どうしても指の付け根(中手指節関節)を突き出して手掌の位置を高くする必要があります。

 バイクのスロットルを握る形、あるいは影絵の狐のような形、これができずに手掌がべったりと低い位置にあったり四指が揃わず開いていると、母指への垂直圧はかけにくい、あるいはかかりません。

 これにワンタッチには必ずクレッシェンド→デクレッシェンドがある、それを体重移動の加減で操作する、深い呼吸をする、力を抜くなどがあって指圧の形になります。

 痛いところは圧さないくらいでその周囲を緩めれば症状は改善していくことや、こりから1ミリはずしたり、何かありそうな時はその寸前で止めたり、続けていくことでわかることもたくさんあります。

 頭を上げて背中を伸ばした良い姿勢で、力を抜いて指先という末梢に血流を集めていくことと、そしてほとんど使うことを意識しない肩甲骨の外転運動と深い呼吸、これができれば指圧をする側の肩こりも緩和されるはずです。

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2009年10月21日 (水)

脳からの神経伝達が可能な義手。

 脳からの神経の伝達が可能な義手ができたというニュースがありました。

 ただし実用化には5年から10年かかるという見通しです。

 新しい義手を待望する方がそれを手に入れるためには、健康を保って、不慮の事故にも遭わずに、命をつないでおかなければいけません。

 5年~10年先の話ですが、これが希望の光となって生きる力になったという方がいる、そう思いたいニュースでした。

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2009年10月20日 (火)

北山修さん。

 「加藤和彦さんのニュース」を知って、フォーク・クルセイダースのメンバーで精神科医の北山修さんはどんな気持ちの整理をするのだろうということが気になりました。

 鬱のことは相談されていたか、それともうすうす気づいていたか…。

 お別れの会で北山さんは「彼の歌を愛してください」とお別れの言葉を語ったそうです。

 加藤さんの遺書には「自分の音楽が世の役に立ったのか?」という自問が残されていたそうです。

 『もしかしたら自分が力になれた患者であったかもしれない』と思った時の北山さんの苦悩は計り知れないことでしょう。

 私は友人だとかえって自分のセラピーがセラピーにならないと感じることがあります。

 照れもあり、セラピスト以外の自分を見せてきた人の前ではセラピストにはなりきれないような気がします。技術的なことに変わりはないのですが…。

 私ならコメントをしないスタンスでいて、どうしてもということになって当たり障りのないコメントを出して、一生宿題を抱えていくことになりそうです。

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2009年10月19日 (月)

妊婦のワクチン接種がこんなに早く認められるのなら…。

 妊婦への新型インフルエンザのワクチン接種が、“安全性は確立されていない”という注意事項付きで始まります。

 それまでの妊婦に対するインフルエンザワクチン接種の考え方を変えるほど、新型インフルエンザウイルスは手強いということです。

 今の段階では“ワクチン接種をするリスクもあるが、しないリスクよりはましだ”ということ以外、誰もその後の展開は予想できません。

 これほど早く認められる事案があって、外国では承認されていてもわが国では認められない癌の薬があるというのは変な話です。

 今回のインフルエンザワクチンくらいに新薬の承認も迅速に行われたら、どれだけ多くの患者さんの心に希望が芽生えることか…。

 治験も十分ではない外国性のワクチンは、高齢者や小学校高学年以上の子供たちに使われるという発表もありました(20日の新聞では高齢者と高校生になっていました)

 そんなこと、公にしなければいいのに…。

 世間の動揺とパンデミックを抑えるのはどちらも大変なことですが、妊婦へのワクチン接種が“安全性が確立されていない”という注意書き付きで始まるという発表は、ただならぬ事態が拡がりつつあることを伝えるのに十分なニュースでした。

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2009年10月18日 (日)

ブタクサの花粉症。

 初めての30代の女性、鼻がグスグスしているので、「ブタクサかイネ科の植物の花粉症っていわれたことある?」と尋ねると、「何でわかったんですか?」と、とても驚いた様子。

 この時期に風邪ではなさそうな感じがあれば、鼻炎のアレルギー物質は絞ることができます。

 彼女はブタクサの花粉症だということですが、この会話で面白いのはこちらは“ブタクサ”だと断定したわけではないのに、彼女は言い当てたと受け留めたことです。

 このあたりが、易や占いとタッチセラピーが共通の起源を持っているということにも繋がっているのですが、そういえばテレビで占いの先生とお客さんの会話を聞いていると、次は“私もそう言うだろう”というような会話をしています。

 視覚的に人間を見るだけではなく、人間を診るということは、いかに目の前のデータを自分の知識や経験と結びつけるかということです。

 この最初の“つかみ”で、この指圧の効果は約束されたようなものです。

 「先生は気功をやっているのか?」、これも何度も言われたこと、気を配って集中して指先の熱と血流を伝えることができれば、おそらく気功に類することになります。

 あえて否定はしません。私はそのエンターテイメント性の中に、心身が大きく変わる要素があることを見てきています。

 全体的には“腎虚”でむくみがち、パワーの足りない疲れを溜めた体でした。

 指圧が終わって鼻が止まっていたことに気づいたかどうか、もしかしたら今日は体の動きが急に出て運動をした後のような疲労感があるかもしれません。

 「指圧に来た人の悪い病気をもらうことはないか?」、これもよく聞かれること、「それは姿勢が悪い素人のマッサージ師が体調を崩すということで、そうならないように、朝4時に起きてトレーニングしているんだよ」と、答えておきました。

 トレーニングは日課で事実ですが、「飛騨の山中に3年こもって…」、これくらい言っておいたほうがエンターテイメントとしては馬鹿馬鹿しくてよかったなぁと後で悔やみました。

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2009年10月17日 (土)

多発性関節症の女性、2回目指圧。

 多発性関節症で主訴は右肩痛の女性、2回目の指圧です。

 旅行帰りで昨日はもっと苦しかったそうです。

 脈は1分間に78、前回は100を超えていたことからすると落ち着いています。

 「先生に会ってから気持ちも体も楽になって…」、そういえば前回は心療内科にでもかかろうかと思っていたというお話でした。

 提案した、大股で体の中心線の延長に足を出すウォーキングと、肘を曲げて小さく肩関節を回す運動は続けていたようです。

 左肩が下がり、脊柱もわずかに左に側屈していますが、全体的な姿勢はかなりよくなっています。

 右母指球と右手首の手根管に違和感があるようですが、正中神経麻痺の兆候はありません。

 指の関節が変形しているので、右手の屈筋腱は旅行バッグなどを持つことで疲れやすいのだろうと思いました。

 今回は危なげなく全身の指圧ができました。

 確か前回は“強敵現る”の感があったのに、今回はもうお馴染みのおばちゃんになっていました。

 不思議なものです。当たり前のことを言って、当たり前のことをやっただけなのに、とても心に留めてくれる人がいます。

 触らずに治してしまう部分が多ければ多いほど、セラピストとしての完成度は高いのだろうと思います。

 それは新しい情報や正しい知識をたくさん持つことであり、複数の選択肢を持って体に触れることができる技術と経験の豊富さを有するということです。

 うまくいった後は慢心して見逃しが起きやすい、どうもそんな気がする…。

 これが簡単なことではなく、疑問を常に見つけることができるから、飽きずにやっていられるのだろうと思います。

 先生、上手とおだてられて、いい気になれるほど人間の体が甘くないことは痛感しています。

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2009年10月16日 (金)

左肩の痛みが治った女性。3日、2週間、半年、1年という目安。

 仰臥位、上肢の指圧では上肢前方挙上180°伸展、牽引を最後に行います。

 90°まではまず痛みがなく上がりますが、135°を超えられるかどうかが肩の痛みの程度を知る一つの指標になります。

 60代女性、半年ほど前から運転席から左手で車の後部シートの物をとれなくなっていました。

 主としては外転+後方挙上を制限する痛みがあったということです。しかしこの痛みがあると、肩関節可動域は前方挙上も制限することが多いのです。

 三角筋後部と棘上筋、大円筋、上腕三頭筋(これらは後方挙上に関与)、そして三角筋中部と上腕二頭筋腱長頭(これらは外転に関与・棘上筋も)が集合した腱板側部~後部の痛みとして診ていました。

 昨日は左上肢前方挙上180°伸展牽引が痛みなしでできました。

 左腰痛が主訴で来ていたので、こちらはスルーしてしまうところでしたが「あれっ?肩が痛くない!」という声を聞いて、『そういえばそうだった…』と気づいたアリサマで…。あんまり普通に肩が上がったので…。

 この半年、間が空くこともありましたが、だいたい週に一度指圧をして、指圧後は肩の可動域が拡がるということを繰り返していました。完全に治りはしなかったのですが、悪くはならなかったということです。

 肩の動きが痛みによって制限される肩関節周囲炎は、半年で治るということが不思議と多いようです。私もそうでした。

 毎日痛みの出ない範囲で肩関節を小さく動かしておくということがあって、指圧をしたり、オイルマッサージをしたり、メンテナンスをして半年です。

 詰まりの多い肩関節から痛み物質を排出し、組織の修復にかかる日数は、半年くらいということが多いのかもしれません。

 急性の炎症3日、それが慢性化して2週間、組織に大きな修復の必要がある強い痛みでは半年、メンテナンスやリハビリが十分でなければ1年かもっとかかる、だいたいそんなところでしょうか。

 毎日、超適切にメンテナンスができたらどれくらい回復が早まるかと思うのですが、体は個人のデットクス能力の差もありますから、半年で上がらなかった肩が上がるようになれば、セラピストの成果と考えていいのではないかと思います。

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2009年10月15日 (木)

程好く狭いという感覚。

 40℃以下のお風呂というのは、胎児の時の羊水の感覚です。

 根源的な癒しの願望は、子宮回帰へと繋がっているように思います。

 にじり口から茶室へ入るという発想、決して広くはない茶室という空間、これも子宮の中の癒しが記憶されていてこそ生まれたのではないかと思います。

 押入れに入って遊んだり、こたつの中にもぐりこんだり、秘密基地はその狭さ、その不自由さに価値がありそうです。

 トイレのドアを開けて東京ドームの広さの真ん中に一つ便器があったら、ひどく落ち着かないことでしょう。そこで毎日用を足さなければいけないとしたらそれは拷問です。

 体は詰まり過ぎていれば緊張し、緩み過ぎていたら、だるくてこれもまた辛いものです。

 ベッドという狭さを程好く狭い空間にできるとするなら、これはぬるま湯のような、羊水のようなタッチできるかということだと思います。

 緩め過ぎてもいけない、緊張させてはいけない、狭い空間で程好く包まれ感があるような、そんな指圧を今日もしたいと思います。

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2009年10月14日 (水)

上半身のこりから溜めていた熱が発散した指圧。

 昨日の早朝は冷えていて、空には肋骨のような雲が広がっていました。

 衣替えから2週間が過ぎ、そろそろ季節の変化に体が慣れてくる頃です。

 この2週間の間に、早朝と昼過ぎ、そして日没後と、急な温度の上がり下がりが顕著になってきました。

 上半身がこって下半身がむくむというのが、汗をかかない季節になって、代謝が悪く、運動不足という人のほとんどに診られる症状です。

 60代の女性、肩から背部のこりで背中は丸くなり下腹がポッコリと出て、下半身がむくんでいます。

 この女性の指圧をしていた時の室温は、エアコンをつけずに25℃を示していました。

 伏臥位で頚から肩、背部と筋肉の緊張を緩め、脊柱の矯正がされ、下半身のむくみも指圧によって還っていくと、背中に湯気が出ているのではないかと思うほど、汗が滲み出てきました。

 指圧・マッサージは他動運動ですから、筋肉が刺激されてこりが緩んでいくにつれ、炎症を抱えていた筋肉は熱の放散を始めたようです。

 むくみが還って血流に勢いが出たことによって、毛細血管から溜めていた熱を放散する作業が活発になったわけです。これは鎮痛解熱薬の作用と同じです。

 指圧後は姿勢が改善されて、上半身の緊張もとれていました。

 同じ日のその後に指圧をした60代の女性では、そのような汗をかくことはありませんでした。

 これは運動によって下半身が使えている人と、運動不足で上にのぼせている人との違いです。

 そろそろ秋本番を迎える季節と体の折り合う頃ですが汗をかかなくなって体重が増えたというような方は、指圧やマッサージで全身のメンテナンスをしておいたほうが良いと思います。

 上がのぼせて下がむくんだ体は、血行が悪いので免疫力が低下し、ウイルスや細菌に感染しやすい状態だと言えます。

 昨日は同じ時間に3人の方が指圧を希望されたので、おふたりは別の日ということになったのですが、しばらくお会いしていなかった方が急に指圧を必要とする特異日のようなもの、昨日はそんな日でした。

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2009年10月13日 (火)

バラの香りはその細胞死を促す。

 『環境カオリスタ検定 公式テキスト (社団法人日本アロマ環境協会)』の“植物の香りとしくみ”の章の中に、「バラがもつ芳香物質にはその細胞死(アポトーシス)を促す働きがあるのでは、と推察されています」という一文があります。

 「バラの花びらにはある段階であらかじめ細胞が死んでいくようにプログラムされていることが分かっている」ということで、バラは花びらの死に際に香りを振りまいているわけです。

 植物の香りは、誘引作用によって受粉の仲立ちをする虫を呼び寄せて子孫を残したり、逆に虫の発生を知らせて仲間に忌避物質を出させるなど、コミュニケーションにも利用されています。

 そこで加齢臭のノネナールのことを思い出しました。

 脂肪酸や過酸化脂質からできるノネナールは、体に酸化してサビてしまった細胞がたくさんあることを示しています。

 加齢臭は細胞死の多い体であることを周りに知らせます。

 死の臭いを嗅いだ周りの人は、それを避けたいと直感的に判断して遠ざかります。

 “バラの香りについての一文”からそんな発想を昨日は得ました。

 そういえばベテランの看護婦さんが「最期は点滴で延命するので、最近は枯れるように死んで行くことができないから苦しい」と仰っていました。

 自然の摂理に従って枯れていく死と、点滴で延命した後の死と、どちらが人間にとって苦しみの少ない最期なのか、難しい問題です。

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2009年10月12日 (月)

指圧よりも、アロマオイルの軽擦が痛いと言われたこと。

 他人の痛みを理解することは、本当に難しいと思います。

 先日、糖尿病で下肢閉塞性動脈硬化症の男性の大腿に、アロマオイルマッサージをしました。

 これが「指圧よりも痛い」と言われたこと、このことは是非アロマセラピストの方々に知っていただきたいことです。

 オイルの軽擦だから最も癒しの施術になると決めつけるのは間違いです。

 指圧は微弱な刺激を維持できるように訓練してきましたが、オイルの軽擦は『滑るという宿命』によって、制御できない刺激の増強が起こります。

 オイルの軽擦で制御できるのは入り方と終わり方で、中間は入り方のタイミングの違いがあるだけで滑るにまかせているという刺激になります。

 この刺激が痛い人がいるということ、これは頭に入れておいてほしいと思います。

 オイルでも触れない痛みがあります。

 強い痛みのある部位は、滑らせないで手指をそっと当てるだけなら触ることができます。これが手当てです。

 痛覚の神経線維より、触圧覚の神経線維が太いので、タッチによって痛覚の伝達を止めることができるというのが、ゲートコントロール説、つまりこれが“手当て”の理論です。

 滑らせると傷口を開いてしまうかもしれない、刺激の強い精油を選択した場合には傷口に塩を塗るようなことになるかもしれない、アロマオイルトリートメント=癒しと決めずに、そういう注意は必要です。

 下腿から足の感覚がアロマオイルマッサージで復活してきましたが、この大腿の痛み方からすると、オイルの軽擦よりも指圧のほうがマイルドなタッチになることに驚いた事例です。

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2009年10月11日 (日)

40才以上では太り気味が最も余命が長い。

 東北大公衆衛生学の研究グループによると、40才以上の平均余命は「やせ」が最も短く、次いで「肥満」、「普通」の順で、平均余命が最も長いのはBMI25~30の「太りすぎ(太り気味)」であるという記事が今朝の産経新聞に載っていました。

 『高齢者では太り気味のほうが長生き』ということは前から言われてきましたが、「やせ」は循環器疾患の死亡リスクや抵抗力の低下によって肺炎にかかるリスクが上昇するという研究成果も上がっているようです。

 ウエストサイズが強調されてしまったメタボリックシンドロームの判断基準や過激なダイエットを良しとするような風潮は、やはり見直さなければいけないと思います。

 ひとりひとりの個性に合った健康な体を目指すこと、それがメタボやダイエットの新たな基準になってほしいと思います。

 病気を抱えた人にだって健康はあります。マイベストを維持することは健康の指標になります。

 やり過ぎないことだなぁと思います。気持ちのいい方へ努力し続けること、単純ですが、なかなかできないことです。

 指圧・マッサージの時間が苦行にならないということは大事です。

 気持ちのいい刺激の指圧やマッサージから、長く体をもたせることができる人たちがうまれたら、それは嬉しいことです。

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2009年10月10日 (土)

グレープフルーツジュースの薬物代謝阻害作用。

 最近送られてきた(社)日本アロマ環境協会の『Aromatherapy Environment No.53』に、昭和薬科大学教授 田代眞一先生が「種子・果実・根茎由来の精油とその植物の特徴」を寄稿されています。

 その中で目についたのが、「肝臓の薬物代謝酵素CYP(シトクロム)3Aの働きが、グレープフルーツジュースをたくさん飲むと阻害されてしまう」という記述です。

 この記述から連想されたのが、薬の大量摂取で死亡したと言われているマイケル・ジャクソンさんと、先日亡くなった中川昭一さんのことです。

 このお二人がグレープフルーツジュースをたくさん飲んでいたかどうかはわからないのですが、鎮痛剤や睡眠薬の作用が増強することを考えずにグレープフルーツジュースを飲む人はいるだろうと思います。

 お酒を飲んで気持ちが悪い時にグレープフルーツジュースの酸味と苦味は救いになりますし、健康志向でグレープフルーツジュースを愛飲している人もます。

 何の根拠もないのですが、ふとこのお二人の死とグレープフルーツジュースの関連を調べることはしなかっただろうなと、田代先生の文章からそんなことが頭をかすめました。

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2009年10月 9日 (金)

体の不調と携帯電話の圏外。

 体の不調に効くとされているツボを圧しても効果がない時は、携帯電話の圏外を思い出してください。

 そのツボは電波が繋がっていないのです。

 途中のどこで電波(神経の伝達)が途切れているのか、何が電波を障害しているのかということを考えます。

 こりなのか子宮筋腫や前立腺肥大などの大きな障害物があるのか、動脈硬化なのか、神経線維そのものが断裂しているのか、その原因を究明しないのならば効果的なタッチセラピーを成立させることはできません。

 足のツボを圧せば圧された感覚は脳に到達しますが、主訴が改善しないのであればその途中に障害があることは明らかです。

 血液は約1分で心臓から出て心臓に還るので、1点のツボ圧しが温かい指であるということだけでも血液を温めることと、圧刺激によって血液循環のフォローはできます。

 ただ、そこでツボを語るのであれば圏外になっていないか、経絡(神経)の走行に沿って遡って調べてみる必要があります。

 先日病院でリフレクソロジーの講習を受けた看護婦さんから、その有効性についての疑問を投げかけられました。

 おそらくそのリフレクソロジストの方に説得力がなかったか、技術的な未熟さがあったのだろうと思います。

 私はリフレクソロジーを足湯のようなものにできれば、効果があると考えています。

 足湯は時間をかけて体全体を温めるもの、圏外で携帯電話をかけ続けるようなことでは効果がありません。

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2009年10月 8日 (木)

宇宙飛行士若田さんがお風呂を熱いと感じたこと。

 宇宙から帰ってリハビリを終えた若田さんが家へ帰って、子供たちとお風呂に入った時の感想が「熱いと感じた」でした。

 生理学では33℃が熱いとも寒いとも感じない無感温度になっているので、本来は40℃近いお風呂に入れば熱いと感じてもよいわけです。

 お風呂に浸かる習慣がない国の人たちは、日本の銭湯を熱いと感じる人が多いようです。

 熱いとも冷たいとも感じないニュートラルがあるとすると、われわれは入浴の際に我慢に慣れて、温度感覚を鈍らせてきたのだとも言えます。

 触圧刺激も同じで、強い刺激は触圧覚を我慢によって鈍らせます。

 そこで起こってくるのが適量刺激を超えてしまい、手技療法によって痛みを拡げるという悪循環です。

 すごく単純なこと、例えばずっと机に向かっていた後に“伸びをすると気持ちがいい”というようなことを再確認していかなければ、セラピストはデストロイヤー(破壊者)になっていきます。

 若田さんが宇宙ステーションの狭い空間から帰って、日本に帰ってまずしたかったことが“冷やしたぬきそばを食べる”だったそうです。

 本当にしたいこと、本当に欲するもの、を追求していけば、とてもシンプルな形で幸せや快刺激は存在しています。

 『思い込みや習慣でやってきたことは本当に快刺激となっているのだろうか?』、この問いを持っていつもニュートラルな自分を更新し、ニュートラルな刺激を提供する、お仕着せではなくお客様のクオリティ・オブ・ライフに貢献しようと思うなら、これはとても大事なことです。

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2009年10月 7日 (水)

胃癌手術後の肩こり、上肢のしびれ。

 60代男性、主訴は肩こりと上肢のしびれです。

 胃癌の手術で胃は3分の1になっています。

 痩せていて猫背、椅子に座ると大きく股が開き、腰椎が後弯した加齢的腰痛姿勢をします。

 一見して顔と手の甲の赤さが気になります。肝機能障害か尋常性乾癬か、この時点では見分けがつきませんでした。

 両手の爪の全てが爪白癬のように診えます。

 両3指で両手首の脈をとったとたんに、おなかがグーッと動きます。こういう反応があれば指圧がよく効きます。

 25秒くらい脈をとって、脈が1拍跳びました。1分間に84の脈、100を超えてはいませんが不整脈があることを考えて指圧に入ります。

 伏臥位では足を高くしたいようなので半円型のフットマットを使います。これは腰椎後弯によって後ろから前に神経を圧迫している脊柱管狭窄症の人たちに多く聞かれる要望です。

 指圧に対しての反応は非常によく、背部の指圧ではよく胃腸が動きます。

 下肢の筋肉はほとんど使っていません。

 仰臥位の指圧で上肢になると、両肘関節の変形、手指のむくみ、そしてタッチセラピーとして触わってはいけない非常に脆い爪であることがわかりました。

 肘から先のしびれは、肘関節の変形による肘部管症候群が原因と診るのが妥当だと思います。脈が跳んだ時は、小さな動きがあって肘の詰まりで血管が圧迫されたことが原因だったのかもしれません。

 爪白癬は(手術の時?)抗生物質による菌交代現象で起きたのでしょう。

 ここでステロイドの軟膏を処方されている話が出て、白癬ならステロイドということはないので、爪白癬ではないのか…?手指のむくみはステロイドも関係していると考えると腑に落ちます。

 また肝機能の症状にについても検査中とのこと、降圧薬をやめてしまったということや(全身症状の緩和には高血圧の治療も必要です)、“乾癬”という字が読めなかったようですが、ここでやっと尋常性乾癬であることはわかりました。

 指圧中、耳や口の周りをたびたび掻いていましたが、血行が良くなると痒みが出るようです。

 最後に腹部の指圧では軽い胃のあたりの動悸はあるものの、悪い感じは受けませんでした。腫れた肝臓に触れることもありませんでした。

 指圧後、脈は1分間に72、脈は跳びませんでした。とりあえず不整脈は除外して、肘の詰まりを緩め、猫背などの姿勢を矯正して頭を肩の上に置くようにすることで、肩こりと上肢のしびれは緩和されていくはずです。

 

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2009年10月 6日 (火)

右側頭部頭痛と反応点としての左外関。

40代男性、カルテを見ると去年もこの時期に頭痛と腰痛で指圧を受けています。

 衣替えの頃の季節の変化に適応しにくいということはあるようです。イネ科の植物のアレルギーはないとのことですが、季節性の頭痛という診方はできます。

 頭頂部に近い右側頭部の痛みは土曜日から始まったということなので、急激なストレスからの解放→セロトニンの減少による血管拡張、が原因の片頭痛(週末頭痛)の疑いもあります。

 しかし自覚的には、後頚部に湿布の跡があることからも筋緊張性の頭痛を感じているようです。

 指圧前にトイレに行き、背部から腰の緊張を緩めていくと、仰臥位に移る時にまたトイレに行きました。

 代謝が悪くなってむくんでいたということがあるので、水分の停滞による片頭痛も原因の候補に上がってきまた。

 仰臥位、左上肢の指圧に移ると、手関節背面横紋中央“陽池”上2寸の“外関(三焦経)”が、この男性の感覚と一致する反応点となっていました。

 外関を指圧すると、左上肢を上行した刺激が右側頭部に伝わる感覚があるようです。

 眉毛外端“絲竹空”に終わる三焦経は、目尻外5分の“瞳子髎から側頭部を通る胆経に受け継がれていきます。

 “外関”は頭痛のツボであり、脳梗塞などによる麻痺のツボであるとされています。

 右脳梗塞では左上肢の麻痺が交差して起こることからすると、左“外関”の指圧が右側頭部に効いてくる感じがあるとしても納得ができます。

 この男性はCT検査を受けていますが、その時に脳血管障害は発見されていません。しかし、血管が狭くなっている部分で血流が停滞しやすくなっているだろうと考えられます。

 タバコを吸うので、いつもとは違う頭痛を感じたら病院へ受診することも必要だと思います。

 ただ今回は混合性の頭痛ということでよいと思いました。

 指圧後、頭痛が治まり、腰痛も楽になったということは、季節性と、血液循環と、週末の急激なストレスからの解放による混合性頭痛であったと理解しています。

 人間を四足歩行で考えた時の上肢下肢外側と頭痛の関係、つまり頭痛を診る時に三焦経と胆経に注目すると、体の開き→筋肉が使えない→代謝が悪くなってむくむ→片頭痛、という流れがわかるので、これは頭に置いておくとよいでしょう。

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2009年10月 5日 (月)

環境カオリスタ検定。

 先週末に『環境カオリスタ検定』の公式テキストが(社)日本アロマ環境協会から送られてきました。

 この資格の創設には環境省の協力があり、“植物やその香りに親しんで人と環境にやさしい私になる”と表紙に掲げています。

 その内容はECOとアロマテラピーを結ぶもので、このままカルチャーのクラスでも、中高校生くらいからの授業のテキストとしても使えそうです。

 内容は良いのですが、巻末のテストが“やさしすぎないか?”と思います。

 落とすテストではないというのは、環境カオリスタを早く世に出したいということなのでしょうか?

 日本国の地球環境に対する姿勢を厳しく問われ、二酸化炭素排出量25%低減を掲げた新首相のもと、諸外国に国民意識を示すアクションを起こすことは必要なのでしょう。

 ネーミングがもう少し何とかならなかったかと思いますが、とりあえず環境カオリスタになっておこうと思います。

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2009年10月 4日 (日)

“場”の力。

 昨日久々に慌てたことは、「3日で治る」と言っておいた30代の女性の急性腰痛が1ヶ月の間ずっと痛いままだと言われたこと、ほっとしたのは指圧後にその痛みがなくなっていたことです。

 前回も痛みがなくなったので「3日で治る」と言ったはずですが、本人も自覚していた通り、その後腰に無理をさせてしまって前よりも大きな傷を作ってしまったようです。

 左腸骨上外側の痛みが左腰椎側面にまで拡がっていて、主な傷は腸骨筋にあるようです。

 椅子から立ち上がる時の痛みがあり、伏臥位下肢後方伸展挙上で痛みがあるので、腸腰筋がストレッチされる時には痛みが出ます。

 仰臥位膝軽度屈曲で左股関節を外転気味に前方挙上すると、これも痛みが出ます。

 これは左大腿二頭筋のストレッチ痛と考えるよりは、左腸腰筋に収縮痛もあると考えなければいけません。

 左腸腰筋の線維の一部は縦に裂け、おそらく複数の傷口が存在しています。

 左腰は手を当てただけで痛み、微圧の指圧でも響きます。

 このような場合は反動をつけて圧すのは禁物、弱い刺激で傷口を開かないように丁寧に周囲から手指を当てていきます。

 どのくらいの痛みか想像ができない人は、“下手な圧し方をすればベッドをひっくり返して帰りたくなるくらいの痛み”だといつも心に刻んでおいてください。

 こういう方たちのおかげで、私は今のスタイルを作ってきました。つまり、

①抵抗のある筋肉の硬さを突き破ろうとしない。硬いと感じたらそこから自分の体をプッシュアップしていく。

②此処をこれから触りますよというお知らせのタッチからはじめて、周囲から緩め、痛みの中心に近づいてもそこをわずかにはずして触れていく(最終的には確認のために手掌を痛みの中心に当てます。この時は物理的な圧刺激ではなく、治ってくれという気持ちを乗せます)。

 それでも最初は痛いものです。そして指圧後もそれほど画期的によくなっていたわけではないのです。

 夫婦でいらして先に指圧を終えたので、ハーブティを飲みながら1時間ほど待っていただくことになりました。

 普通、椅子に座って待っていると腰痛は悪くなります。しかし旦那様の指圧が終わって立ち上がるとき、痛みは消えていました。

 生活の木のハーブティ『エキナセア・ベア』、プチグレンとクラリセージの芳香浴、ヒーリング・ミュージックといろいろな要素もあり、さらに指圧で治った人たちの感動の記憶のようなもの、それらが複合的に“場”の力を充実させて治療効果に反映されているのではないかと感じます。

 最後のお客様が帰って、1時間ほどして指圧の空間に戻ってみると、エアコンをつけない日であったのに、まだそこは2℃ほど高い熱気がありました。

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2009年10月 3日 (土)

久しぶりの自転車が腰痛の原因だったケース。

 10月に入って朝晩涼しくなって、お馴染みの皆さんが調子が悪くなって代わる代わるやって来ます。

 入って来るなり腰が悪そうな60代の女性、今朝腰をギクッとやってしまったそうです。

 お風呂に入ってから来たのがわかります。温めたいと思ったのなら、それほどひどい状態ではありません。ひどい炎症ならお風呂に入ることなどできません。

 腰を圧して痛みがありますが、本人に左右どちらに痛みがあるかわからないようです。

 しかし伏臥位の姿勢もとれるし、慎重にやれば下肢後方挙上回旋のストレッチもできます。

 仰臥位に移ると、左大腿四頭筋起始からやや外側に筋の硬結があります。

 そこを圧されて『久々に自転車に乗ったこと』に思い当たったようです。子供の頃から自転車は不得意だったとか…。

 腹部の緊張と合わせて考えると、大腿骨小転子に停止する大腰筋(腸腰筋)の筋疲労から急性腰痛が起こったようです。

 このケースは軽い症状ですから、指圧後には腰を圧しても痛みは出なくなっていました。

 この指圧のポイントは『自転車に乗ったこと』を本人が腰痛と結びつけることができたということです。

 この気づきがあれば、腰痛を悪化させないですみます。

 自転車のサイズが体に合っていないかもしれないので、自転車に乗らないことは腰痛予防になります。

 本来自転車は腰痛の予防として適している運動になるのですが、左大腿外側に負担がかかるような乗り方だと、かえって腰痛を作ることにもなります。

 経験上、腹直筋の緊張がある場合の腰痛は、かなりの確率で大腰筋(腸腰筋)の挫傷が関係しているように思います。

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2009年10月 2日 (金)

指圧後の立ちくらみ。

 こちら側からすれば毎日毎回のことなのですが、何日か日を空けて指圧を受けるお客様にとって指圧は全身運動になって、こちらからは思いがけない副反応が起きることがあります。

 夜中に吐いたという女性、主訴は左腰痛、中性脂肪は標準値の3倍くらいありますが肝機能や内臓に病変はありません。

 内臓が丈夫で脂肪肝にはなっていないようですが、血管中にはトリグリセライド(中性脂肪)が溢れているということだと思います。

 夜中に吐いたのも原因はお酒の飲み過ぎです。

 左の腰痛は嘔吐を起こした急性胃腸炎の内臓筋肉反射ともとれないことはないのですが、左臀部や左大腿外側の圧痛からして腰痛と胃腸症状を結びつける必要はないと思いました。

 左の背部から足にかけての緊張をゆるめ、右に移ると、気づいていなかった痛みが左とほぼ同じ部位にあることがわかりました。

 全身指圧を終えると体の緊張がゆるんで、立ち上がる時に立ちくらみのふらつきが起こりました。

 立ち上がったことにより脳の血流が足りなくなったということです。

 中性脂肪による血流の重さも、脳への血液供給を妨げた原因だと思います。

 どちらかというと冷え症というよりはのぼせるタイプなので、指圧で血行が良くなったことによって、上にのぼせて過剰に溜まっていた血液が下に下がりやすくなって、立ち上がった時にいつもと違う血液のバランスに体はとまどったということでしょう。

 少し休んで、どうやら無事に帰っていかれました。

 中性脂肪で渋滞しやすい血流が指圧で良く流れるようになって、副反応が起こりました。

 夜中に吐いたという体調の悪さを考えて、こちらからはいつもよりも刺激の総量の少ない働きかけをしてもこのようなことは起こります。

 亡くなった柳家小さん師匠が脳梗塞を起こしたのもマッサージ中でした。

 血中の脂質が多いと、血流が良くなたっときに脂肪塞栓が脳の血管を詰めることもあるわけです。

 お客様が帰るまで油断はできません。

 こちらがどれだけ配慮しようと、その時のお客様の体調によっては大きな副反応が起きることがあります。

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2009年10月 1日 (木)

スカートとスクワット。

 右に股関節の変形がある60代の女性、股関節周囲の筋肉を緩めてきたので、ズボンを買った時に今までは1.5cm短くしていた右のズボンのすそを詰めなくてもよくなっていたという報告をしてくださいました。

 ふくらはぎがむくむというので「スクワットができるといいんだけれど…」と言ったら、「わたしはスカートはほとんどはかないの」と言われてしまいました。

 少し耳が遠いこともあり、仕方がないかと思って、スクワットの話はそれでやめにしてしまいました(もちろんスコットランドの男性とは違い、スカート体験も無いのでスカート話もそこまでで終わりです)。

 スクワットという言葉を、どなたも当たり前に理解してくれると思ったら大間違いであることに気づかされたというワンシーンです。

 今目の前にいる唯一ニュアンスを伝えなければいけない人に、自分の思い込みでわかっているものと思って横文字を発声するようでは、私もまだまだです。

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