胃癌手術後の肩こり、上肢のしびれ。
60代男性、主訴は肩こりと上肢のしびれです。
胃癌の手術で胃は3分の1になっています。
痩せていて猫背、椅子に座ると大きく股が開き、腰椎が後弯した加齢的腰痛姿勢をします。
一見して顔と手の甲の赤さが気になります。肝機能障害か尋常性乾癬か、この時点では見分けがつきませんでした。
両手の爪の全てが爪白癬のように診えます。
両3指で両手首の脈をとったとたんに、おなかがグーッと動きます。こういう反応があれば指圧がよく効きます。
25秒くらい脈をとって、脈が1拍跳びました。1分間に84の脈、100を超えてはいませんが不整脈があることを考えて指圧に入ります。
伏臥位では足を高くしたいようなので半円型のフットマットを使います。これは腰椎後弯によって後ろから前に神経を圧迫している脊柱管狭窄症の人たちに多く聞かれる要望です。
指圧に対しての反応は非常によく、背部の指圧ではよく胃腸が動きます。
下肢の筋肉はほとんど使っていません。
仰臥位の指圧で上肢になると、両肘関節の変形、手指のむくみ、そしてタッチセラピーとして触わってはいけない非常に脆い爪であることがわかりました。
肘から先のしびれは、肘関節の変形による肘部管症候群が原因と診るのが妥当だと思います。脈が跳んだ時は、小さな動きがあって肘の詰まりで血管が圧迫されたことが原因だったのかもしれません。
爪白癬は(手術の時?)抗生物質による菌交代現象で起きたのでしょう。
ここでステロイドの軟膏を処方されている話が出て、白癬ならステロイドということはないので、爪白癬ではないのか…?手指のむくみはステロイドも関係していると考えると腑に落ちます。
また肝機能の症状にについても検査中とのこと、降圧薬をやめてしまったということや(全身症状の緩和には高血圧の治療も必要です)、“乾癬”という字が読めなかったようですが、ここでやっと尋常性乾癬であることはわかりました。
指圧中、耳や口の周りをたびたび掻いていましたが、血行が良くなると痒みが出るようです。
最後に腹部の指圧では軽い胃のあたりの動悸はあるものの、悪い感じは受けませんでした。腫れた肝臓に触れることもありませんでした。
指圧後、脈は1分間に72、脈は跳びませんでした。とりあえず不整脈は除外して、肘の詰まりを緩め、猫背などの姿勢を矯正して頭を肩の上に置くようにすることで、肩こりと上肢のしびれは緩和されていくはずです。
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