右側頭部頭痛と反応点としての左外関。
40代男性、カルテを見ると去年もこの時期に頭痛と腰痛で指圧を受けています。
衣替えの頃の季節の変化に適応しにくいということはあるようです。イネ科の植物のアレルギーはないとのことですが、季節性の頭痛という診方はできます。
頭頂部に近い右側頭部の痛みは土曜日から始まったということなので、急激なストレスからの解放→セロトニンの減少による血管拡張、が原因の片頭痛(週末頭痛)の疑いもあります。
しかし自覚的には、後頚部に湿布の跡があることからも筋緊張性の頭痛を感じているようです。
指圧前にトイレに行き、背部から腰の緊張を緩めていくと、仰臥位に移る時にまたトイレに行きました。
代謝が悪くなってむくんでいたということがあるので、水分の停滞による片頭痛も原因の候補に上がってきまた。
仰臥位、左上肢の指圧に移ると、手関節背面横紋中央“陽池”上2寸の“外関(三焦経)”が、この男性の感覚と一致する反応点となっていました。
外関を指圧すると、左上肢を上行した刺激が右側頭部に伝わる感覚があるようです。
眉毛外端“絲竹空”に終わる三焦経は、目尻外5分の“瞳子髎”から側頭部を通る胆経に受け継がれていきます。
“外関”は頭痛のツボであり、脳梗塞などによる麻痺のツボであるとされています。
右脳梗塞では左上肢の麻痺が交差して起こることからすると、左“外関”の指圧が右側頭部に効いてくる感じがあるとしても納得ができます。
この男性はCT検査を受けていますが、その時に脳血管障害は発見されていません。しかし、血管が狭くなっている部分で血流が停滞しやすくなっているだろうと考えられます。
タバコを吸うので、いつもとは違う頭痛を感じたら病院へ受診することも必要だと思います。
ただ今回は混合性の頭痛ということでよいと思いました。
指圧後、頭痛が治まり、腰痛も楽になったということは、季節性と、血液循環と、週末の急激なストレスからの解放による混合性頭痛であったと理解しています。
人間を四足歩行で考えた時の上肢下肢外側と頭痛の関係、つまり頭痛を診る時に三焦経と胆経に注目すると、体の開き→筋肉が使えない→代謝が悪くなってむくむ→片頭痛、という流れがわかるので、これは頭に置いておくとよいでしょう。
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