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2009年11月30日 (月)

事業仕分けの漢方薬、湿布薬などの保険適用除外問題。

 事業仕分けで、漢方薬、湿布薬、うがい薬など、市販されている薬剤は保険適用から除外するという方向が打ち出され、その基準が検討されることになっています。

 当然、医師会や東洋医学会、そして漢方薬の投与で治療効果を上げている先生方からは反対の声が上がっています。

 保険診療費が国家財政を圧迫しているので、削れる所から削ろうということなのでしょうが、この提案をした方が自ら病んで、漢方薬が自分の体を唯一癒してくれる内服薬であった時、愕然とすることでしょう。

 漢方薬が治す症状は確かにあって、うちに来る方たちの中には指圧と漢方薬で元気になっている方が何人もいます。

 湿布にしても、適切な時期、的確な使用法ならとてもよく効くことがあります。

 問題は証を立てずに(体質を考えずに)、症状に対して漫然と漢方薬を出してしまったり、湿布を出し続けるだけでリハビリ運動の指導はしていないというようなことにあります。

 月経不順の処方でも、痩せた冷え性の女性と太った便秘症の女性では薬が違ってくるのが漢方ですし、冷湿布と温湿布でも使い方を間違えれば逆効果のこともあります。

 その知識があったにしても使い分けに自信がないのが一般人で、専門家の適切な指示があれば(プラシーボ効果的な要素も加味されて)効果は違ってくるものです。

 プラシーボならだめじゃん、と思うかもしれませんが、専門家に託したという安心感だけでも血圧は下がり血行は良くなるものです。

 ドラッグストアで薬剤師を介さずに薬を買って、自分で判断するだけの知識を持ちなさいと国民は言われているのでしょう。

 保険は早く効き体に大きな変化をもたらす薬を残し、マイルドな薬は少しずつ適用外になっていきそうです。

 指圧でも強過ぎるタッチでは副反応があり、決して適量刺激にはならないのです。

 薬も大は小を兼ねません。これは現場で病気の人を診てきた経験がないとわからないと思います。

 事業仕分けの卓上にのせるべき問題ではなかったように思います。

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2009年11月29日 (日)

環境カオリスタ誕生。

 昨日『環境カオリスタ認定カード』が届きました。

 おそらく全国で数千の環境カオリスタが初めて認定されたのではないでしょうか。

 環境カオリスタ認定試験は社団法人日本アロマ環境協会が行っています。

 環境カオリスタ憲章には、「私たち環境カオリスタは“植物やその香りを知り親しみます”“植物を慈しみ緑ゆたかな自然を大切にします”“人と地球環境にやさしい行動をします”」と掲げられています。

 テキストを買えば試験は郵送ですむので、誰でも環境カオリスタになることができます。

 アロマ・グリーン・エコの勉強を始めるきっかけとして、挑戦してみるのもいいと思います。

 (カオリスタのネーミングはバリスタあたりの語尾感覚なのでしょうが、この日本語+英語の語尾は“ショウガラー”のように、何とも残念な響きがあります。

 事業仕分けのように“カオラー”や“カオリスト”の候補を会議で切り捨ててカオリスタになったと想像するにつけ、より残念な感じが増します。)

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2009年11月28日 (土)

左母指のばね指が治った女性の2回目の指圧。

 実際見て触って確認するまでは疑っていましたが、確かにこの女性の左母指の動きに違和感はなくなっていました。

 その回復の様子も、指圧後から一週間をかけて動きの制限がどんどん取れていったということなので、これはとてもマイルドに症状が改善した症例です。

 痛みの出ない範囲で動かしていくそのやり方を教えて、モチベイションを高めて帰宅させるということはとても重要です。

 さて今回は右肩が上げにくいということなのですが、肩関節の前方挙上や外転は180°近くできるので、これは肩の周囲の筋肉を緩めればまず問題はありません。

 気になるのは肩の力が抜けないこと。

 そして返事が早すぎるということ。

 いろいろな人に指圧をし、会話をしてきましたが、言葉尻にかぶるくらいに早くしゃべり始めてしまう人はなかなかお目にかかれません。

 気が急いている、力が抜けない、これは性格なのでしょうが、今までいろいろな場面で損をしてきたのではないかと思います。

 もっとふわりと軽く、まぁるいイメージを持っていたほうが生きるのには楽です。

 この右肩も、力が抜ければもっと楽に上がります。

 今までそんな指摘は面と向かってされてこなかっただろうと思いますが、体にタッチでふわぁりと軽いまぁるいイメージを記憶していただきました。

 指圧後、自然な笑顔がこぼれ、言葉を発するタイミングは穏やかになっています

 正直、イラッとする間を詰めた会話だったのが、おそらく血圧下降、脈拍減少という効果もあってとてもいい間ができたのだと思います。

 これから力を抜くレッスンを一緒にしていきましょう。

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2009年11月27日 (金)

坐骨神経痛で大腿二頭筋とひらめ筋外側の痛みが浮き上がってきた。

 坐骨神経痛で右臀部から右下腿外側の痛みが強い60代の女性、3回目の指圧です。

 前回は杖を両手でついていましたが、今は杖に添えるのは片手でよくなったそうです。

 体位変換で痛みがありますが、坐骨神経そのものを圧した痛みは今回もそれほど強いものではありません。

 右を下にした横臥位で寝たほうが楽だということは、体重をかけることによって患部に圧を加えることが鎮痛になっているわけです。

 全身指圧後、今回は左を下にした横臥位で右骨盤を下げて体幹を後ろにねじるストレッチを加えてみました(前回はとてもできる状態ではありませんでした)。

 すると、ストレッチ自体では痛みがなく、戻す時に痛みが出現します。

 また伏臥位で右下肢やや後方挙上+外転のストレッチで痛みが出現します。

 咳をして痛むなどのギックリ腰様の痛みも含め、これらのことから、右仙腸関節付近や骨盤内の右腸腰筋に傷があるイメージができあがってきました。

 この後に伏臥位で右下肢を指圧してみると、大腿後側で外側の大腿二頭筋と下腿外側深部のひらめ筋に明らかに今までとらえられなかった硬い筋肉のラインが浮かび上がってきました。

 これは本人の痛みの感覚と一致しています。

 前回まで下腿外側の痛みを長腓骨筋のイメージでとらえていたのですが、仰臥位で見る外側やや下側と伏臥位で見る外側深部では大きな違いがあります。

 鍼治療の痕や坐骨神経痛という診断から、それに沿った指圧をしてきましたが、どうやらギックリ腰と大腿二頭筋とひらめ筋を治していくことに目標を置いたほうが結果はよさそうです。

 このように症状が改善していく過程で本質が診えてくることはよくあって、だからこそ、無理のない全身指圧とストレッチで体全体を緩めていくことに価値があるのです。

 この右下肢の痛みは糖尿病があることも原因となっているような気がします。さて次回は何に気づくことができるでしょうか。

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2009年11月26日 (木)

母指球屈筋腱の腱鞘炎が治った女性。

 「先日はありがとうございました。おかげさまで腱鞘炎は治りました。今度は肩を診ていただきたいので…」という電話を頂きました。

 時々一回の指圧では治りそうもないとこちらが思っても治ってしまう人がいて、こういう方は体の不調を次々と訴えるかわりに、その度に治ってしまうというようなことが起こります。

 安静にし過ぎて動かさないためにいつまでも症状が改善しないケースでは痛みの出ない範囲で動かすことで、使い過ぎで状態が悪ければ安静のアドバイスを守っていただくことで治るということがあります。

 怪我でプロスポーツを引退した選手が、練習をしなくなってしばらくしたら怪我が回復して『これならもっと現役を続けておけばよかった』という談話を耳にすることがあります。

 それほど体を酷使するのがプロスポーツということですが、その故障の中には体を休めることができれば回復する症状もあるはずです。

 子育て中のお母さんの抱っこによる腱鞘炎や手根管症候群も体の酷使と言えるでしょう。

 人間の体は、いろいろな管が刺激の連続によって詰まることがあります。

 傷の部分をはずして誘導的な指圧・マッサージによる血行促進と無理のない機能回復運動をしていれば、ある日詰まりがとれることがあります。

 それが一回の指圧で起こることもあり、ミラクルは何時起こるか油断はできません。

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2009年11月25日 (水)

一定の声を出しながらだと力が出ない事から分かるストレッチで息を吐く事の大切さ。

 昨日のテレビ朝日『たけしの本当は怖い家庭の医学』は「声の老化」がテーマでしたが、その中でバーベールを持ち上げる時に、アーという声を出し続けながらだと力が出ないという実験をしていました。

 これは声帯筋の支配神経が反回神経で、反回神経は副交感神経性の迷走神経の枝であることに原因があります。

 声を出すということには声帯筋を使いますが、それによって副交感神経が刺激されて体は緩みます。

 歌うことやおしゃべりが気分転換になるのは、副交感神経が刺激されてリラックスできるという理由があります。

 一定の声を出しながらバーベルを持ち上げるということは息を吐いていることにもなります。

 これらのことから、息を吐くことで血圧上昇を抑制し、血管を収縮させずに筋肉の弛緩をするのがストレッチであることはよく理解できます。

 砲丸投げや剣道で投げる時や打ち込む時に声を出すのは、その前に息の溜めがあるからで、息を溜めずに小さくアーと声を出し続けながらでは力を出すことはできません。

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2009年11月24日 (火)

興福寺金剛力士像阿形が両肩関節外旋であること。

 奈良興福寺の金剛力士像阿形の、右上肢は肘関節伸展+肩関節30°外転+外旋、左上肢は肘屈曲+肩関節110°外転+外旋で、怒りの形相で寺門に立ち魔物の侵入を防いでいました(現在は国宝館で展示中)。

 実はこの体勢は、まともなパンチひとつ繰り出せない“何も仕事ができない姿勢”です。

 ストレッチとしても中途半端で、実際にやってみると気に入らないことがあって“キーっ”となった時くらいしか役に立たない形です。

 連続動作ではなく単独でやってみると、肩関節外旋はその動き自体に非日常感があります。

 “キーっ!”と力むことはできる、しかし肩関節外旋だけでは何の仕事もできない、その非日常性を魔除けのポーズとして選んだことはとても面白い着眼点です。

 人間が宿命として手仕事で使う肩関節内転内旋のこりを緩めるために、指圧やマッサージでは肩関節外転外旋のストレッチをすることが多くなります。

 長年人間が仕事で使う動きとは逆の姿勢を続けている金剛力士像阿形に、肩関節内転内旋のストレッチをしたら、きっと怒りの形相も緩んでしまってその役目を果たせなくなることと思います。

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2009年11月23日 (月)

草津温泉の時間湯から学ぶこと。

 草津温泉の時間湯は、強酸性の泉質と高温を活かしたプログラムになっていて、セラピーとしての形がしっかりしています。

 特に進行役としての湯長の存在は大きく、トレーナーとして絶妙のタイミングで激励の声をかけているのが注目に値します。

 始めの神棚への御参りは儀式性を高めていて、日常との結界を結ぶ神聖な行為であることの意識づけをさせています。

 頭からのかぶり湯30杯の後、長い板を使って行う湯揉みは、お湯の抵抗を利用したエクササイズにもなっています。

 湯揉みを“草津よいとーこ…”と歌いながら行うことも、湯長の号令に腹式呼吸で応えることも、エクササイズにもセラピーにもなっています。

 45℃の温泉に3分間の入浴中、1分、2分、残り30秒、残り15秒と絶妙のタイミングで湯長が時間と励ましを伝えます。

 3分間我慢する入浴を一日3回行うというのが時間湯本来の姿だそうですが、これは立派なセラピーになっています。

 全身性の運動にもなり、達成感もあり、温泉そのものの効能もあり、スピリチャルな効果も期待できます。

 強刺激や我慢には否定的な私ですが、泉質から経験的に割り出した湯治法としてよく完成されていると思います。

 草津の時間湯は湯長の存在がとても大きな役割を果たしています。そこにはセラピストとして学ぶべき点があります。

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2009年11月22日 (日)

微妙なタッチの練習法。

 テーブルに両肘をついて、両母指を左右の下顎骨内側に沿わせ、両四指の指紋部を頬骨にあてます。

 肘と母指の固定がしっかりしていれば、わずかに下に顔を向けるだけでとても上質な指圧が完成します。

 四指は頬の曲面にあてるだけで、指の力は使いません。

 ここからとてもゆっくりと時間をかけて顔を下に向けたり、下に向ける意識だけにしたり、四指を浮かせ気味にしたり、呼吸だけにしたり、いろいろな変化をさせることができます。

 0~1の間にたくさんのボリュームを作ることができれば、タッチの表現力を格段に増すことができます。

 私は自分の体に対してはこのような微妙なタッチだけをするようになりました。

 “気持ちがいいから”というのがその理由ですが、一番微妙なタッチを自分の通常のタッチにしたいので、ニュートラルのボリュームを下げる練習にもなっています。

 腋を閉めることでも肘の固定はできるので、入浴中のリラックスした状態でやってみると、顔へのタッチに対して新しい感覚を手に入れる人も出てくると思います。

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2009年11月21日 (土)

体のほうから近づいてくる表面張力のような密着のあるタッチ。

 強く圧したり、予想外の的はずれなタッチをすれば、体は逃げます。

 密着があり、心地良い包まれ感のあるタッチなら、体のほうから近づいてきます。

 それはまるでコップに満たされた水の表面張力のように、皮膚が盛り上がって隙間がなくなり、手に近づいてきたような密着感です。

 いつでもそのような密着感のあるタッチができることが望ましいのですが、自分から働きかけ過ぎるタッチをしていては体は逃げていきます。

 体が逃げるのは無駄な力があるからですが、力が入り過ぎている人はそれを追いかけてさらに力を加えるという間違いをおかしやすいものです。

 軽く、温かく、気持ちが良いタッチを完成させるためには、手と体の隙間を埋めるのに、こちらから働きかけるだけでなく、体が近づいてくるのを待つ余裕も大切です。

 

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2009年11月20日 (金)

普通の部位をもっと良くするという考え方(痛みにぶつけないタッチ)

 東洋医学には『実を瀉し、虚を補す』という考え方があります。

 過剰なものはデトックスし、足りないものは補うということですから理にかなっています。

 実の場合は充血し熱や痛みを持っていたり、虚の場合は冷えていたり機能が衰えていたりで、実には直接触われなかったり、虚には勢いをつけるにも加減が難しいということがあります。

 手技療法の間違いのほとんどは、実を瀉し過ぎて筋肉を傷めたり、虚を補し過ぎて体が受け入れられる適量刺激を超えてしまうということにあります。

 もう少し力を抜いて、体の普通の部位をもっと良くすると考えてみたらどうでしょう?

 あるいは体の健康な部位をもっと健康にすると考えてみます。

 するとタッチは軽くなり、触れる側と触れられる側の親和性が増していきます。

 坐骨神経痛の60代の女性に2回目の指圧をしました。

 前回の指圧で問題は坐骨神経痛よりも、不適切な治療で何ヶ所か傷ができて、ギックリ腰のような痛みを持ってしまったことだ思いました。

 前回、痛みのある部位には軽く触れただけで、痛みのない部位の指圧とストレッチをしたくらいでしたが、今回、関節の可動域が明らかに拡がっています。

 今回の指圧では、痛みのある部位に丁寧に触れて垂直に圧せば、しっかり圧しても痛みは出ませんでした。

 どうやら小さな筋肉の傷は回復に向かっているようです。

 普通の部位をもっと良くするというイメージでも『実を瀉し、虚を補す』ということは可能なようです。

 時間をかけて治すしかない症状だと判断できたならば、軽さを中心に据えた対応ができると、意外とこれが早い回復につながるように感じています。

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2009年11月19日 (木)

手掌の内出血に気づいていなかった60代の女性。

 腰痛が主訴の60代の女性、指圧が後半を過ぎて左手掌を見ると母指球に赤紫色の内出血があります。

 痛いだろうと思ってそこには触らなかったのですが、指圧の後にそこはどうしたのかとうかがったら、今まで気づかなかったとのこと。

 どこかに手をついた時に内出血したのだと思うのですが。

 脛や足をどこかにぶつけたことを忘れていて、後で青アザに気づいたことがある人も多いと思います。

 朝起きる時に落ちていた固い鋭角なものに手を乗せてしまったり、よろけて倒れそうな時に手をついてだったり、朝の忙しい時はどこかにぶつけたりしてもそれどころではないということにもなります。

 体が完全に目覚めていないということと、近頃の寒さも神経の伝達を鈍くしているということはあるでしょう。

 末梢の感覚が鈍くなる原因には、糖尿病や動脈硬化や脳の病気、そして冷えや加齢も含まれます。

 血行を促進する指圧をした後は、冷えや神経の伝達が改善されます。

 それで気づかなかった痛みが強くなるということはまずないので(誘導作用によって内出血や打撲の治療効果があります)、気づかない青アザがあったら転倒などの予防としても全身性の指圧をする価値はあります。

 出かける時に閉めた鍵をもう一度確認しに戻るような行動が増えてくると、軽い鬱の傾向かもしれないので、問診時にわかれば『心ここにあらず』というような状態を包み込めるような温かいタッチをしていきましょう。

 素肌が見える部位は最初に確認しておくことも大切です。

 今回は脈をとらなかったので私も始めは気づいていませんでしたが、指圧中に本人が気づいていないことに気づくことができれば信頼は深まります。

 マイナスのメッセージなどのお客様に言う必要がないことには配慮がいりますが、気づいたことでメリットがありそうなことは自分の中にしまわずに言葉にして伝えることがサービスです。

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2009年11月18日 (水)

青空+黄葉=緑。

 今朝ウォーキング中、とても単純なことですが「青空+黄葉」は「緑」の色彩感覚として捉えるのだろうということに思い至りました。

 これで天気の良い日にイチョウの黄葉に魅かれた理由がわかりました。青空の下で黄葉を見ると緑のイメージになるから目にやさしいのでしょう。

 晴天の高気圧が体にかける圧力が血行を促進し、歩いて下半身の血行を促進することで、全身の血行がさらに促進されて肩こりや眼精疲労が解消します。

 そして緑は目にやさしい。なるほど…。

 話は変わって、エアロバイクで運動をしているという40代の女性に「左足が使えていないこと」指摘したところ、きっちりと左下肢を鍛えて指圧にやってきました。

 前日は気圧も低く頭が重かったということですが、エアロバイクで下半身を使ったら血行が促進されて不調が改善されたということです。

 これも気圧と下半身の運動が体に影響するということの事例です。

 左下肢は少々鍛えすぎたか、いつもならすぐにグーッとおなかが鳴る大腿前側の指圧での反応が鈍くなっていました。

 体は左下肢を使い過ぎだと感じていて、胃経の経絡の反応が鈍くなっていたわけです。

 言われたことをきっちりトレーニングしてきたうえ、少し筋肉が張っていることも御自分のおなかの反応で納得できたようです。

 丁度良く鍛えるのと筋肉疲労は紙一重、それを超えるとまた筋肉が強くなったり…。

 気持ちよく動かすことで変わっていく体、見ていてとても興味深いものがあります。

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2009年11月17日 (火)

1週間食べなくても5~6kgしか痩せない。

 食事を拒否して水とお茶だけを飲んでいるという容疑者について「1週間食べなければ5~6kg痩せるだろう」という医師のコメントをテレビで見ました。

 これを5~6kgも!と思うか、5~6kgしか!と思うかで全く違ってきますが、私は後者の“…しか!!”のほうで、これが昨日一番びっくりしたことでした。

 つまり飢餓状態になれば体は恒常性を保とうとして代謝を鈍らせていくということです。

 ここにダイエットのポイントがあり、大きく変えようとすればリバウンドすることもよく理解できます。

 “苦行のわりにはたいしたことないな”という感覚を皆が共有した時に、指圧やマッサージで代謝を促すということはどういうことなのか、はっきりと見えてくると思います。

 ウエストを揉み出し、絞って、他動運動で数cmサイズダウンさせた時に働く元に戻ろうとする力と、1週間の断食で5~6kgしか痩せないということは同じ原理です。

 食べることが悪いことであるはずがありません。病気は別として、太る食事をしていてエネルギー消費が足りないから太るのです。

 100か0かのような極端な考え方は、健康には結びつきません。

 1週間の断食で5~6kgしか痩せないのなら、栄養のバランスを考えた食事と適度な運動と健康的な生活を続けてそこそこ痩せるくらいのほうがよっぽど利口そうに見えます。

 1週間食べなくて5~6kgしか痩せないのかぁ…。具体的な数字を聞いて昨日はびっくりしました。

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2009年11月16日 (月)

晴れた日に黄葉を見ると目が喜ぶ。

 昨日はとても穏やかな秋の一日でした。

 黄色く、時には黄金色に輝くイチョウの木と青空とのコントラストを眺めていて、“目が喜んでいる”“目が気持ちいい”と感じました。

 緑の木々の中にある黄葉と紅葉、青い空と刈り取りの終わった田んぼなど、自然の色彩は視覚の栄養と目のストレッチになるようです。

 パソコンワークの眼精疲労と肩こりに、秋の野山の景色の中を散策するだけで効果があると実感しました。

 人工的な色合いや形ではなく、いびつを許す自然の色彩と造形は、古代人の単純でも手に馴染む石器のぬくもりにも通じる根源的な要求に合致しています。

 つまり石器が“触りたいもの”であるように、自然の色や形はわれわれ人間が“見たい”ものだということ。

 そこには獲物がいて食料が採集でき、敵から身を守るためにも見ている価値があったわけです。

 体の正中線に対して無理のない程度に左右対称に近づけていくことが全身指圧であると私は考えています。

 普段そういうことをしているのにもかかわらず私の目は、形など気にせず自らの主張が爆発しているようなイチョウの黄葉を見て、とても喜んでいました。もっと気持ちよくなりたいと目は野山を追っていました。

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2009年11月15日 (日)

ばね指が曲がらなくなった60代女性の指圧。

 「知人に紹介されたのだが、(アンタは)曲がらなくなったばね指を治せるか?」というニュアンスに聞こえた電話に、「曲がらなくなったばね指が完全に元通りになるのは難しいでしょう」とお答えしたところ、翌週の予約をいただきましたが、その翌日、また電話があって「今日指圧を受けたい」とのこと、空いている時間があったので指圧をすることになりました。

 何かトッチラカッテいます。こういう方は人物的に合わせるのが難しい…。

 左母指屈筋腱の腱鞘炎が、曲げようとすると弾かれるばね指に悪化し、それが曲げられない状態まで進行したということらしい…。

 実際に触れてみると、母指を触って痛みはないようです。普通はばね指では触らせてくれないようなこともあると覚悟していたのですが…。

 左手掌を指圧していくと、母指球内側の短母指屈筋深頭~母指内転筋斜頭に痛みがあります。

 右肩を左母指を屈曲させて強く押したことがばね指の引き金になったとのこと、その動作をしてくれましたが、なるほどひどい押し方です。

 母指の関節を曲げて強く押すような圧迫法をしている人は是非やめてほしいと思います。仕事として続けていこうと思っている人は特に気をつけてください。

 脊柱が左に側弯しているので頚はやや右に側屈しています。骨盤は右下がりでジャージのお尻の中心線は右にずれています。

 そして内臓下垂で下腹部がぽっこり突き出ています。

 それらを念頭にまず全身指圧をして体全体の歪みを矯正しました。

 指圧後、椅子に座ってもらった時、ジャージの中心の縫い目と仙骨の中心は一致していました。

 ここでペパーミント1滴+ラベンダー(ブルガリア)1滴+スイートアーモンドオイル10ml(濃度1%)のブレンドオイルを使ってアロマオイルマッサージをします。

 手首内側屈筋支帯の硬さと前腕内側の腕橈骨筋の硬さを緩め、母指球と母指の指節関節に軽い母指軽擦をしました。

 結果は「曲がる」ということです。

 原因は動かさな過ぎ、安静にし過ぎて、曲がらないほうに固定し過ぎたために曲がらなかったようです。

 指を触れせてもらえるようなばね指であれば、痛みの出ない範囲で動かすリハビリを始めていなければいけません。

 どうも不確かな情報に振り回されて、動かしてはいけないと過敏になっていたようです。

 誰もが初めての痛みを持った時にはどうしていいかわからないものです。なかなかわかるように説明してくれる人もいなかったりして不安を募らせています。

 セラピストであるためにはその説明力をつけることも欠かせません。

 曲がらなくなったばね指は、曲がるようになりましたが引っ掛かりはあります。

 これからばね指と上手に付き合って、少しずつ動かしていくことで症状は軽くなっていくことでしょう。

 「頚椎症で頚が動かしにくい人がいるが(アンタは)治せるか?」、指圧中に聞かれましたがやはり答えは「頚椎症は変形があると難しいですねぇ…」です。

 「指圧は痛いものだと思っていたが、こんなにやさしいタッチなのか?」この質問にも私のタッチはこういう感じですと答えるしかありませんでした。

 ぶっきらぼうな物言いの少しあわてた感じの女性のばね指は、落ち着いてよく考えて、丁寧な指圧とアロマオイルマッサージをしたら曲がったというお話でした。

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2009年11月14日 (土)

80代の曲がった背中も伸びることがある。

 80代女性、主訴は左肩の痛みとしびれ、朝から頭がボーッとするということです。

 骨粗鬆症があって背中は円背、頚はかなり肩より前にあります。

 伏臥位で苦しくないことを確認してから、後頭部から足先まで指圧をしていきます。

 左項頭線の『天柱』に詰まりがあり、肩上部の指圧では左斜角筋隙から上腕にかけての痛みとしびれがあります。

 右肩から右背部の筋肉のほうが硬いのは右利きだからで、左頚肩部から上腕の症状はいつも同じ位置に固定された『使わな過ぎ』が原因だと考えられます。

 下半身はむくんでいて、これも左肩の血行を悪くしています。

 仰臥位では左鎖骨周囲と腋窩の肩甲下筋に強い痛みがあります。左肩の内転内旋が固定されたため、腕神経叢に沿った痛みとしびれがあるということになります。

 右肩も同じ円背の影響を受けて内転内旋していますが、こちらはよく使うので関節可動域が確保されて腕神経叢を圧迫していません。

 腹部は明らかな内臓下垂です。へそより下に腸が重積しています。

 腹部の指圧で内臓を上げて指圧を終え、椅子に座ってもらって仕上げに入ります。

 左上肢前方挙上、外転、内旋外旋で痛みとしびれはありません。左肩の痛みとしびれと頭のボーッとした感じはとれました。

 「おなかを引っ込めて」と腹圧をかけてもらうと、なんと背中が真っ直ぐに伸びました。

 骨粗鬆症+背筋が弱い+腹筋が弱いので背中が丸くなるのですが、「やればできるじゃないか」という印象です。

 脊柱管狭窄症や変形性脊椎症で背中を伸ばせない方もいますが、丁寧な刺激で背中を伸ばし、腹圧をかけることで漫画みたいにシャキンッと背中が伸びることもあるのです。

 人間の可能性を簡単にあきらめてはいけないのだ、これでいいのだ、と思いました。

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2009年11月13日 (金)

局所麻酔注射と電気鍼の効果がなかった坐骨神経痛。

 MRI検査で手術の必要はないと言われた坐骨神経痛の70代女性。

 知人に勧められた別の診療所で局所麻酔注射(仙骨硬膜外ブロック注射と尾骨に坐骨神経ブロック注射)を合計7回受けましたが、全く効果がなかったということです。

 そこでは電気鍼の治療も受けたといことですが、これも効果はなかったようです。

 右大腿後側のしびれと足の冷えがあり、旦那様運転の車から玄関まで、杖につかまって歩いていらっしゃいました。

 下腿外側に冷湿布を貼っていましたが、鍼の痕が下腿内側の膝下に7ヶ所ありました。

 『膝関』『陰陵泉』と数えてもその周りに7つの経穴は思い浮かびません。

 (あたっていませんでしたが)『陰谷』『曲泉』を入れたとしても4つしかなく、下腿の外側や後側に走る痛みに対して、この下腿内側の鍼の痕は何か深い意味でもあったのでしょうか?

 腎経のツボが腰痛の反応点となることはよくあるのでそれならばいいのですが、阿是穴としてその時に特別な反応点となっていたならばともかく、あまり意味のなさそうな7つの鍼の跡です。

 その鍼の痕は3ヶ月たった今でも時々真っ赤に腫れることがあるそうです。

 全身指圧をし、右下肢伸展挙上+右足背屈の坐骨神経伸展での痛みはそれほど強いものではありません。

 年齢的に骨の変形があって坐骨神経痛の症状があればこれくらいかという痛みです。

 しかし体位変換の時や指圧が終わって起き上がる時の痛みは、ギックリ腰の人のようです。

 どうも局所麻酔注射や電気鍼が効かなかっただけでなく、その時に普通の坐骨神経痛にはない傷を作ってしまったように思えます。

 右大腿後側で電気をあてたような不随意運動が何回か起こりましたが、ここにも電気鍼の治療を受けているということです。

 高齢のお医者様が御夫婦で、歯科も含めていろいろな診療科を標榜してやっている診療所だということですが、これってどうなんでしょう?

 神経内科の治療を受けていることを話したら、「それもウチで治療しなさい」と言われたそうですが治療は全て断ったということです。

 指圧後、上がらなかった右足が上がるようになったのは効果があったのですが、歩くと坐骨神経痛というよりはギックリ腰の人のようです。

 しばらく時間をかけて回復のための指圧を考えていこうと思います。

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2009年11月12日 (木)

横隔膜のこりは頚から腰まで影響する。

 横隔膜は胸部と腹部を分け、主要な吸気筋として働くドーム状の筋肉です。

 起始は第1~4腰椎椎体前面、第12肋骨先端、第7~12肋軟骨内面、胸骨の剣状突起よりの部分で、腱中心に停止します。

 腰椎から起こる筋肉であるということから、横隔膜と腰痛は密接な関係にあります。

 ギックリ腰の時にくしゃみをしても痛いというのは、横隔膜が吸気で緊張して腰椎が引っ張られるからで、これは横隔膜のけいれんであるしゃっくりでも同じです。

 横隔膜には胸部と腹部の連絡のために、大動脈裂孔、食道裂孔、大静脈孔があります。

 支配神経の横隔神経は頚神経叢の枝なので、横隔膜は頚とも密接な関係があるわけです。

 このように、横隔膜は呼吸にも消化にも血液循環にも関係してくるので、筋肉である横隔膜を使わない、または逆に横隔膜がこっているとしたら、体の多くの部分が影響を受けることになります。

 横隔膜を使う腹式呼吸が重要であることは、これらのことからもわかると思います。

 胸式呼吸になりがちな女性では、横隔膜の使わな過ぎが様々な体の不調をもたらしていることがあると思います。

 また大動脈瘤や胃や食道の病気などで、横隔膜のこりを感じている人もいるのではないかと思います。

 指圧では腹部の軽い持続的な手掌圧が横隔膜のこりには有効であると思いますが、心窩部の硬さを感じたならば、時間をかけて緩めていく姿勢を崩さないことが大切です。

 そこにあるとても深く広い痛みは、お客様が抱えてきた不安でもあります。この症状のニュアンスがお互いに一致するまでには時間がかかると思います。

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2009年11月11日 (水)

腸骨稜中殿筋の痛み

 坐骨神経痛のような症状がどうやら他に原因がありそうな症例の考察です。

 右腸骨稜の中殿筋を圧すと痛みがあり、この痛みは右腹部を指圧しても再現されます。

 ということは、右腸骨稜中殿筋にはギックリ腰のような痛みがあるということになります。

 椅子に座った時、右臀部は浮いていて骨盤は左に側屈しています。

 右腸骨稜の中殿筋起始部を使う動きをしてみると、やや外側に足を開いてからお尻を突き出す『骨盤の前傾を増強する動き』が該当します。

 これは結果として腰椎前弯増強の腰痛姿勢になります。

 すると腸腰筋にも負担がかかるという腰痛悪化の循環が生まれることになります。

 右腸骨稜中殿筋は筋肉の断裂がありそうで、おそらく右腸腰筋にも小さな傷があるという印象です。

 整体や鍼治療の適切ではない患部への刺激が傷を悪化させたのではないかという疑いも持ちました。

 仰臥位で右膝を両手で抱えた起き上がり運動で骨盤の矯正はできそうです。

 慢性化した痛みの強い腰痛は根気よく小さな運動で血行促進をしていくことが改善につながります。

 座位や仰臥位で座面や布団に隙間ができるようならタオルなどで埋めて、体を安定させることも大切です。

 このケースでは急性期のギックリ腰に近い痛みがあるので(痛みの連続によって痛みが強くなっているように思いました)、痛みのない患部周囲からの血行促進で根気良く症状を改善していくことが必要だと思いました。

 

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2009年11月10日 (火)

腰痛の85%は原因を特定できないという話。

 NHKの「きょうの健康」という番組の早出しを、その週の日曜の朝に放送しています。

 今日は腰痛がテーマのようですが、「腰痛の85%は原因を特定できない」という話が出てくると思います。

 これは検査をして画像でわかる変形やヘルニアや狭窄がない“筋膜や筋肉や靭帯に問題がある腰痛”が85%ということになるのだと思います。

 画像診断で原因を特定できない腰痛もあれば、ヘルニアがあっても腰痛がないというケースもあります。

 おそらく腰の周囲の筋肉がしっかりと腰椎をサポートできて、ヘルニアが神経に触れることを防ぐことができていれば、腰痛として症状が現れないこともあるのでしょう。

 一方傷ついた組織では神経線維や毛細血管が挫滅するので、画像では治ってからも、そこに痛みが続くことはあります。

 われわれは代替医療としてこの85%の腰痛を担当することが多くなります。

 もちろん原因を特定できる15%の腰痛にも指圧をしています。

 画像検査のデータなしに問診で、そして触れて感じ、タッチを繰り出していくわけです。

 腰痛を改善していけばいいわけで、要するにその原因がわからなくて困るということはありません。

 大事なのは痛みが出ない範囲で体を動かすことができて日常生活に支障がなければ、それは悲観する状態ではないということをしっかりと伝えるということです。

 痛みを出さないように体を使うということは、患部の安静を保ちながらストレッチとエクササイズを続けているようなものです。

 われわれは体が治ろうとする力を邪魔をしないように全身性に血行促進をしていけばそれでいいということです。

 不安を取り除き心理的に腰痛を悪化させないようにして、治っていった人たちの経験をもとに、予後の見通しを話せるトレーナーでありたいものです。

 治っていく経過には、いつの間にか痛みを忘れていたという時期が必ずあるものです。

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2009年11月 9日 (月)

「完璧な料理というものがあったら、料理は一種類でいいわけだろう?」陳建一さんの言葉。

 「完璧な料理というものがあったら、料理は一種類でいいわけだろう?」、これは昨日のテレビ東京『ソロモン流』の中で、料理学校の講師に招かれた陳建一さんが生徒たちに語った言葉です。

 料理人を目指す生徒たちに贈る言葉として、とてもわかりやすく的確だったので感銘を受けました。

 現状に満足せず料理を探求し続ける自らの姿勢を示すとともに、この言葉は生徒たちに新しい料理への可能性と将来への希望も与えています。

 お父さんの陳建民さんからの「一つの料理は十の料理になる」という言葉を心に留めて、素材を代え調味料を工夫するなどの数々のチャレンジをしてきたからこそ「完璧な料理というものが…」という料理哲学にたどりついたのでしょう。

 この料理という味覚を中心とした感覚に訴える世界を、手技療法に置き換えても同じことが言えます。

 完璧なタッチというものがあったら、タッチは一種類でいいわけだろう?

 

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2009年11月 8日 (日)

入浴後痛みが悪化する人。

 疲労原因たんぱく質“FF”が入浴で増加するということの証明のような人が、毎週指圧をしている脊柱管狭窄症の男性です。

 仕事後に入浴してから指圧にいらっしゃいますが、入浴後痛みは悪化し、指圧中眠った後、痛みは完全に消えるようです。

 仕事が忙しいと症状は悪化し、最近買えるようになったボルタレン系の湿布薬で痛みは抑えられますが、皮膚がかぶれるのではがすと麻酔が切れたように痛みが悪化します。

 これは慢性的な痛みを持つ人の痛覚が過敏なのではなく、健康な体であればありがたいことに痛覚が鈍感でいられるのではないか、痛みを持つ方たちに指圧をしているとそんな考えが思い浮かびます。

 我慢や辛抱を必然として生きていると、痛覚や疲労感には鈍感なほうが生きやすいことになります。

 人や予約の時間を待つということ、行列や車の渋滞に並ぶということ、満員電車、働くということ、生活には我慢や辛抱が付いて回ります。

 我慢しきれなくなった時に痛みが現れ、そこで本来のレベルで痛覚が働き始めるのかもしれません。

 NHKドラマ『行列48時間』は最近では秀逸だと思って見ています。大晦日の寒空の中、デパートの初売りに並ぶいわくありげな人たちが、おそらくエンドルフィンやドーパミンを出しながら我慢に勝るモノを手に入れようとしています。

 健康で体力があればありがたいことに痛覚を鈍感にできるということがあって成立している本来なら不快なことはたくさんあります。

 痛みを持つ人が教えてくれることもたくさんあります。

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2009年11月 7日 (土)

オキシトシンは食欲抑制にも働く。

 『自治医大の矢田俊彦教授と前島裕子助教授らの研究グループが、食欲抑制タンパク質“ネスファチン”が脳で働く仕組みを解明し米専門誌に発表した』という記事が産経新聞にありました。

 ネスファチンが視床下部の摂食中枢に作用すると“オキシトシン”が放出され、オキシトシンが神経を刺激すると食欲が低下する仕組みなのだそうです。

 “レプチン”も食欲抑制ホルモンですが、レプチン抵抗性を持つ患者にもオキシトシンの効果が期待できるということです。

 オキシトシンは出産時の子宮収縮や母乳分泌のホルモンですが、生殖そのものにも関与する愛情ホルモンだとも言われています。

 ストレスで過食だという女性に指圧をすると、その後過食がやめられたという話を後でよく聞きます。

 この記事を読んで、タッチングというスキンシップがオキシトシンの分泌を促して食欲を抑制するということはあるだろうなと思いました。

 授乳中のお母さんの幸せそうな顔を見ても、オキシトシンが精神安定、血圧降下に働くことがよくわかります。

 同じ脳下垂体後葉ホルモンである“バゾプレッシン”が尿管から血液を再吸収して血圧を上げるのとオキシトシンの血圧降下が拮抗作用になっていることが注目されます。

 とすると、バゾプレッシンが過食ホルモンだったりして…?

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2009年11月 6日 (金)

疲労原因たんぱく質“FF”は入浴でもストレッチでも増加する。

 11月4日放送のNHK『ためしてガッテン』は、疲労の原因がたんぱく質“FF”の増加であるということを紹介する番組となっていました。

 『“FF”は入浴によってもストレッチなどの運動によっても増加し、睡眠によって減少する』、要約するとこんなところでしょうか。

 疲労回復に良かれと思って行った温泉での湯当たりや運動による疲労感の増加、これは確かに経験があります。

 疲労回復を期待して受けたマッサージでの揉み返しにも同じ事が言えます。

 強い刺激のタッチをしてはいけない、寝た子を起こすようなまねをしてはいけない、これは指圧をしていて学んだ人間の体からの警告です。

 気持ちの良い刺激をして眠れるような指圧が大切であることは、指圧中寝て、起きた方たちの顔を見ればわかります。

 指圧中の質の良い睡眠は“FF”を減少させ、疲労回復効果があるのでしょう。

 入浴やストレッチもその後の睡眠の質を向上させることができれば、決して疲労回復に悪いものではありません。

 やり過ぎはいけないということです。

 気持ちがいいという範囲で、お湯につかり、ストレッチや運動をすればよいわけです。

 疲労の原因とその回復の方法が科学的に立証されて慌てる人もいるかもしれませんが、私は我が意を得たりという感じです。

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2009年11月 5日 (木)

月下香(チュベローズ)

 『月がデカイ、朝になっても十五夜よりもデカイ』、日本シリーズが始まる頃、東に現れて、朝のウオーキングでは西に拝んだというこの2日間でした。

 ちょうど月下香(チュベローズ)の精油が届いて、アロマスプレーか香水でも作ろうかと思っていた矢先に、大きく涼しい月を見ることができました。

 インターネットで調べると、李香蘭の歌のタイトルになった『夜来香(イェイライシャン)』は月下香ではないという、何とも残念な事実がたくさん並んでいます。

 月下香はリュウゼツラン科、夜来香はガガイモ科、なるほど精油としての商品化にガガイモ科は、何となく後回しにしたくなります。

 夜来香(テロスマ 和名トンキンカズラ)、このトンキンはベトナム北部の地名だそうです。

 『月下香はハワイのレイに使われ、かつては葬式花としても使われた』ということ。

 アブソリュートなのでアロマスプレーにしたところ香りの立ち上がりが早く、ジャスミンでもローズでもカサブランカでもない気品漂う香りがします。

 見事に涼しくデカイ月の下、月下香の香りのお月見。月下香の芳香浴の月光浴。

 精油には“これは私的にはパス”という香りがありますが、月下香は使えそうです。これに歌のエピソードが乗ってくると説得力がもう一段階上がったのに…。

 夜来香と月下香は別物でしたか…。

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2009年11月 4日 (水)

階段を下りる時にぎっくり腰になった人。

 40代男性、階段を下りる時にぎっくり腰になったということで、病院で鎮痛剤と湿布薬が処方されています。

 ぎっくり腰になった日に電話をいただいたので、家で安静にしていることをお勧めしたのですが、是非にということで受傷後2日目の指圧です。

 診察は痛ければ立ったままでもいいですと申し上げましたが、比較的簡単に椅子に腰掛けました。

 背部から診ると腰椎が左に側弯しています。

 左足で一段階段を下りる時に左下肢長が伸びるので、結果として脊柱が左側弯する、その時にギクッときたようです。

 脊柱起立筋は右のほうが硬くなっていますが、これは体を硬くして脊柱を側弯の形に固定していると考えられます。

 左第4~5腰椎周囲の筋肉や靭帯の強い痛みを、使えるほうの筋肉を使って患部を固定することで防いでいるようです。

 腰椎棘突起を触診して痛みはないので、とりあえずヘルニアや椎間関節の亜脱臼は除外できます。

 一番楽な姿勢でマットに寝てもらうと右を下にした横臥位になりました。

 普通痛みのある側を下にして寝たほうが圧刺激がかかって鎮痛と固定の効果があるのでそれを選びますが、このケースでは側弯の形を崩さないことが鎮痛になっているようです。

 この横臥位(指圧では右を下にした場合は左横臥位と呼びます)で指圧を始めます。

 咳をしても痛いということなので、急激に圧し込んだり、急に手指を離すと患部が揺れて痛みがでます。

 受傷3日以内にぎっくり腰の指圧を引き受けるなら、安静を破らない超上等なタッチをしなければいけません。

 例えば患部は触診以外では触れない、患部の上か下に片手を当てて固定し、患部を揺らさないようにして指圧をするというようなことです。

 腰椎左側弯に対して、下肢伸展挙上牽引はとても効果的でした。

 考えてみれば階段を下りるときに詰めたと想像できるので、仰臥位で患部を自分の体重で固定している時に、下肢を引っ張ればかなり理にかなった矯正方法になります。

 これを馬鹿の一つ覚えで、両膝をおなかにくっつけるような腰椎前弯の矯正をしているようでは駄目です。

 このケースで股関節は90°を超えて曲がりませんでした。つまり膝を立てるより押し込めないような股関節の状態には、腰椎前弯以外の原因があるということです。

 軽い刺激で触れる所は指圧する、緩めるられ所は緩めるというような方針で全身指圧を終えました。

 起き上がる時に痛みはありましたが、立ってから、そしてもう一度椅子に座る時にはかなり痛みが軽減されていました。

 その理由は腰椎左側弯の改善です。大して触れてもいないのに、ほとんど真っ直ぐに近づいています。

 ぎっくり腰は傷ですから、しばらくは痛みが残ります。しかし体力もありそうなので回復は意外と早いかもしれません。

 今回は自然治癒力の邪魔をしない、安静より効果のある指圧になったと思います。

 

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2009年11月 3日 (火)

指圧で除圧する。

 週1回指圧をしている脊柱管狭窄症の男性は「指圧後は完全に症状が消える」そうです。

 背中を丸めていることで痛みを抑えている脊柱管狭窄症では、その姿勢を続けていることで腸腰筋などに負担をかけています。

 その結果、体の内圧の不均衡が様々な方向から生じて、主訴の脊柱管狭窄症の症状が悪化するようです。

 へこんだペットボトルがあるとします。

 ペットボトルのへこんだ部分に痛みがあるとして、そこを圧してもへこみを大きくするだけです。

 強く圧せば反対側とくっつくほどにへこみます。

 こんなことが解決につながるとは到底思えません。

 この脊柱管狭窄症の男性への指圧は、体のあらゆる角度からの内圧に拮抗するような刺激です。

 痛みがあって体の中心に圧し込むようなバランスの不均衡に対して、圧をあてて凹みを戻すイメージです。

 突き抜ける強刺激ではありません。

 背中から内臓の背面に届く圧刺激、おなかから内臓の腹側に届く圧刺激、これが治療的な除圧になっているように思います。

 もちろん足底から頭部へ向かう、頭部から足底へ向かう、あらゆる斜めの角度から反対側へ向かう垂直圧があっての除圧です。

 この3次元的なイメージができると、激しい痛みを持った方へのタッチにとまどわずにすむと思います。

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2009年11月 2日 (月)

下肢振り子運動による除圧で腰痛を緩和する。

 昨夜の日本シリーズ第2戦、腰痛で登板が危ぶまれていた日ハムのダルビッシュ投手は先発し、6回まで巨人打線を2点に抑える見事な投球で勝利に大きく貢献しました。

 下半身を大きく使わない投球フォームは、明らかに腰に負担をかけないためのものでしたが、その棒立ちのような投げ方で時速150km近い速球を投げ込み、当日インターネットの映像を見て参考にしたというスローカーブを使いこなしてしまうのですからただものではありません。

 無駄な力みを抜いた時に大きな力が出せるということを体調の完璧な時にできるようになっていったら、この先どれだけ凄い投手になることか、末恐ろしいものがあります。

 ノーベル物理学賞を受けた米シカゴ大名誉教授・南部陽一郎先生の「対称性の自発的破れ」理論は、“自然法則では物質は対称性を保つはずであるのに、ビッグバーンから宇宙が冷えていく段階で物質の状態が自然に変化して対称性のバランスが崩れた”ということを研究し考察したものです。

 人間の腰部のバランスも腹部側からの圧と背部側からの圧、側面からの圧、上下からの圧、これに動作時のあらゆる方向からの圧をうまく流して均衡を保っています。

 これが上下と腹部側からの圧に抗しきれなくなって椎間板ヘルニアが背側に飛び出して神経を圧迫し激痛が起こります。

 脊柱管狭窄症では背中を丸めていると痛みが出にくいわけですから、背筋を収縮させては痛みが悪化する、つまり背部から腹側への圧のバランスが強くなって痛みを起こしていると考えられます。

 そこでダルビッシュ投手の昨日の投球ということになるのですが…。

 腰椎椎間板ヘルニアでも脊柱管狭窄症でも、仰臥位で片側の膝裏に両手を入れて、膝伸展+屈曲の背中を丸めて起き上がり運動をすることで、ダルビッシュ投手のように腰に大きな負担をかけない腰の運動が可能になります。

 小さな振り子運動から始めればいいのです。この振り子運動は腹側からの除圧も背側からの除圧もします。

 これに小さな回旋運動が加わればもっと効果が上がっていきます。

 実際にこの運動を腰痛持ち、特に脊柱管狭窄症の方に勧めているのですが対称性の破れとダルビッシュ投手の投球術と合わさったのは今朝のインスピレーションです。

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2009年11月 1日 (日)

体の不調のスピンオフ(サイドストーリー)を語るということ。

 指圧の後には必ず、私が読んだ体の物語についてお話します。

 お客様が考えていた主観的な物語と、指圧師が語る客観的な物語の違いは、同じドラマでも主人公を替えたスピンオフの物語ようでもあり、気づきを生み、涙を流すことでカタルシス(浄化)効果をもたらすこともあります。

 泣いてもらって、笑ってもらって帰っていただく、それがとても大切なことです。

 感動がないタッチはセラピーとして十分ではありません。

 手技療法の特徴(是非とも特長にしなければいけません)である反射区やツボの考え方は、主訴に対するサイドストーリーそのものです。

 腰痛に対して下肢後側を指圧するというような考え方は、外堀から埋めていくような作戦ですが、坐骨神経に沿っての指圧は第4腰神経から第3仙骨神経の範囲での治療的な刺激になります。

 腰痛に対して腰の物語を考えていたお客様にとっては、腰の指圧ではないというストーリー展開は意外です。

 片頭痛に下半身のむくみのストーリーを語ることもあります。また、同じ片頭痛でも使わないほうの左前腕外側“外関”の物語を読むことも、下肢外側の物語を読むこともあります。

 指圧師が語る客観的な事実から、自分の見逃していたことへの気づきや、とらわれていた不安からの解放、そして涙…ということはよく起こります。

 そこで緞帳が下りて、客席にライトが灯るわけです。

 いつも観客が一人の一人芝居ですが、主人公はあくまでもお客様で、私は物語の構成作家でナレーターであるだけで、原作を作り上げたのはお客様です。

 「指圧は芸術である」、その言葉が自分の心にストンとはまって、ずっと今のスタイルで続けています。

 涙を溜めた人には、ダメ押しで感動的な言葉を足したりして…(ちょっとあざといなと後で反省することもあります)。

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