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2009年11月14日 (土)

80代の曲がった背中も伸びることがある。

 80代女性、主訴は左肩の痛みとしびれ、朝から頭がボーッとするということです。

 骨粗鬆症があって背中は円背、頚はかなり肩より前にあります。

 伏臥位で苦しくないことを確認してから、後頭部から足先まで指圧をしていきます。

 左項頭線の『天柱』に詰まりがあり、肩上部の指圧では左斜角筋隙から上腕にかけての痛みとしびれがあります。

 右肩から右背部の筋肉のほうが硬いのは右利きだからで、左頚肩部から上腕の症状はいつも同じ位置に固定された『使わな過ぎ』が原因だと考えられます。

 下半身はむくんでいて、これも左肩の血行を悪くしています。

 仰臥位では左鎖骨周囲と腋窩の肩甲下筋に強い痛みがあります。左肩の内転内旋が固定されたため、腕神経叢に沿った痛みとしびれがあるということになります。

 右肩も同じ円背の影響を受けて内転内旋していますが、こちらはよく使うので関節可動域が確保されて腕神経叢を圧迫していません。

 腹部は明らかな内臓下垂です。へそより下に腸が重積しています。

 腹部の指圧で内臓を上げて指圧を終え、椅子に座ってもらって仕上げに入ります。

 左上肢前方挙上、外転、内旋外旋で痛みとしびれはありません。左肩の痛みとしびれと頭のボーッとした感じはとれました。

 「おなかを引っ込めて」と腹圧をかけてもらうと、なんと背中が真っ直ぐに伸びました。

 骨粗鬆症+背筋が弱い+腹筋が弱いので背中が丸くなるのですが、「やればできるじゃないか」という印象です。

 脊柱管狭窄症や変形性脊椎症で背中を伸ばせない方もいますが、丁寧な刺激で背中を伸ばし、腹圧をかけることで漫画みたいにシャキンッと背中が伸びることもあるのです。

 人間の可能性を簡単にあきらめてはいけないのだ、これでいいのだ、と思いました。

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受信: 2009年11月14日 (土) 22時58分

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