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2010年2月28日 (日)

胸鎖乳突筋を緩めるには後頚部も緩める必要がある。

 タッチセラピーで効果が上がらないとしたら、構造的、基本的な所から見直す必要があります。

 例えば前頚部の胸鎖乳突筋が緩まないとしたら、支配神経から考えていきます。

 胸鎖乳突筋は僧帽筋と同じく、副神経と第2・第3頚神経に支配されています(僧帽筋は第4頚神経も)。

 構造的には胸骨と鎖骨を起始として側頭骨の乳様突起に停止します。

 しかし、支配神経は延髄から出る第11脳神経である副神経と頚椎上部の頚神経なので、前頚部の筋肉ではあっても、意識としては頭部の奥や後頚部まで緩めるイメージでタッチをするべきなのです。

 つまり、解剖学的なタッチで筋肉だけとらえても緩まないとしたら、その筋肉が正常に働くための要素は他にもあることに気づかなければいけません。

 肩こりに肩だけの施術をしても緩まなかったり、腰痛に腰だけの施術をしても緩まないのは、その部位が正常に機能するためのスイッチは遠位にも数ヶ所配置されているということです。

 全身性のタッチによっておなかの動きが活発になれば肩こりは緩みます。

 それは肩や背部の筋肉が緩んできたことによって交感神経優位の緊張状態が消化管活動が活発になる副交感神経優位のリラックスモードになった証拠です。

 おなかをタッチしないうちにおなかが動くこと、前頚部だけのタッチでは胸鎖乳突筋が緩まないこと、これに気づいて広範囲に気持ちの良い刺激のタッチを心がければ、タッチの効果を確実に向上させることができます。

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2010年2月27日 (土)

浅田真央さんのマッサージはおかあさんが。

 浅田真央さんがバンクーバーオリンピック女子フィギアスケートで銀メダルを獲得しました。

 浅田さんを支えたのは専属の栄養士やトレーナーなど様々な専門家だけでなく、おかあさんのマッサージも大きな支えとなったようです。

 慢性腰痛を持っていた浅田さんは、体の左右をバランスよくトレーニングすることと、和食中心の食事で腰痛を克服していったということです。

 それに加えておかあさんのマッサージは、心底から癒される時間になっていたと思います。

 「メダルを最初に見せたい人は?」との質問に浅田さんは躊躇なく「おかあさん」と答えていました。

 マッサージ師が“最初にメダルを見せたい人”と言われたら、それは最高の信頼を得ていたということです。

 おかあさんであるという事実を差し引いても、おかあさんが真央さんにしていたマッサージがタッチセラピーの本質です。

 それこそがマニュアルや工程を超えた、最高のレベルのタッチです。

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2010年2月26日 (金)

鍼刺し死亡事故の死因は左右の肺に複数の穴があいて低酸素脳症になったこと。

 鍼刺し事故で気胸というのはよく聞く話ですが、死亡というのは尋常ではないので死因は何だったのか調べてみると、驚くべき事実がわかりました。

 『深く鍼を刺し過ぎたために、左右の肺に複数の穴があいて、低酸素脳症になったことが死亡の原因』だというのです。

 1つ目の穴で気づかないような無資格者が1年半以上鍼治療を続け、事故を起こした時には副院長をしていたというのです。

 院長は鍼灸整骨院を2店舗持っていたということなので、目の届かないこともあったでしょう。副院長にまかせていたとすれば管理責任は重大です。

 しかもこの副院長は鍼灸師の資格をとるために学校に通っている最中だったというのです。

 それで院長が副院長の無資格を知らなかったと言い張るのはおかし過ぎます。

 通っていた鍼の学校も、基本的な心得を教育できていなかったことで評判を落とすことになるでしょう。

 鍼の施術に2時間半をかけたというのもどうかと思います。

 時間をかければどうにかなる、刺激量が大きければ何とかなると考えるのでは素人丸出しです。

 裁判で明らかになると思いますが、カルテは破棄したとか。悪質です。

 この男が鍼で何人に健康被害を与えたかも気になります。

 根底にあるのは、いつも問題になる柔道整復(接骨)の保険不正です。

 別業種なのであまり言いたくはありませんが、病名を当てはめて保険を使う例のアレです。

 そこで無資格者の鍼治療が横行しているという噂はインターネットでも上がっています。

 これは治療行為が利益追求に走り過ぎて腐敗した典型です。

 真面目に仕事をしている鍼の先生にも影響が出るかもしれません。

 一番言いたいことは、おかしな治療だと思ったらとにかく逃げ出すことです。

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2010年2月25日 (木)

ラーメン店を出ようとして自動ドアにぶつかり死亡のニュース。

 昨日ニュースになった鍼刺し事故にあわれた方は亡くなられたのだそうです。

 朝のニュースでは亡くなるほどのことはないだろうと思っていたので、その時に死亡の報道はされなかったのか、聞き落としていたか…。

 往診先でもその話が話題になりました。何ともお気の毒です。

 今朝の産経新聞にも驚きの記事がありました。

 『ラーメン店を出ようとしたお客さんが自動ドアにぶつかり、割れたガラスが刺さって出血性ショックで亡くなった』というのです。

 スライド開きのドアの片側はロックされていたということです。

 このタイプの自動ドアは、いろいろな業種のいろいろな店舗で使われています。

 不慮の事故ですが、われわれにも起こり得ることです。

 また自分の店のドアがお客様を傷つけることもあるかもしれません。

 ウチは自動ではありませんが、マッサージやエステのお店でも自動ドアの入り口はあります。

 開閉のタイミングが遅すぎないかチェックしておく必要はあります。

 ほんの1秒先に命の危険はあると思って行動していかないと、不慮の事故にあってからでは間に合いません。

 昨日も車の横をすり抜けていくバイクが前の車ギリギリに追い越していくのを見ましたが、あれは1秒にも足りないタイミングのズレや数センチの間隔の違いで事故になると思いました。

 慎重さ、行動に移る前にリスクを回避するため1秒の観察をする習慣、命を維持するためには重要です。

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2010年2月24日 (水)

鍼灸整骨院で無資格者が肺を刺す鍼刺し事故。

 今朝のテレビで、無資格者が肺を刺す鍼刺し事故を起こしたというニュースを取り上げていました。

 院長はその施術者が無資格であることを知らなかったと語っているそうですが、従業員の証言からもそれはあり得ないと思います。

 映像からは、数をこなす営業がされていたと感じられるベッドの並びが見てとれました。

 院長だけが有資格者で、従業員は無資格者という治療院もたくさん存在しています。

 当然鍼を扱わせた院長には責任があります。

 肺に穴をあけてしまう鍼刺し事故は、去年お得意様の友人にも起こりました。

 埼玉県は広報で、無資格者の施術による健康被害への注意を喚起しています。

 事故にあわない為にも、資格を確かめて施術を受けるくらいの慎重さが必要です。

 一般的に、看板に鍼灸とあれば、マッサージもやるとしても鍼灸をやりたい先生が開設した治療院です。

 また、あんま、マッサージ、指圧の文字が看板にあればその手技の有資格者が開設した治療院です。

 整体と書いてある場合は、マッサージの資格がないものがマッサージ類似行為を行うために看板に掲げている店舗があるので、よく評判を確かめてから施術を受けたほうが無難です。

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2010年2月23日 (火)

走るおばあさん。

 指圧をしていると不思議なことがよく起こります。

 「肩が痛い」と電話をかけてきた70代の女性、「すぐに指圧をしてほしい」との事でしたが「予約があるので30分くらいでよろしければ」とお応えしました。

 一昨日指圧をしていますし、お得意様ですから体調は長い間診てきましたのでそれほど心配していませんでした。

 驚くほどの早さで指圧に現われると、ひどく荒い息をしています。

 調子の悪い時には家族の車で送ってもらっていたのですが、都合が付かなかった様子です。

 呼吸の整わないまま「途中で〇△さんに『そんなに急いで何処へいくのー?』」言われたとのこと、江口寿史さんのギャグ漫画の名作『すすめパイレーツ』に出てきた“走るバアサン”の巻きを思い出しました。

 電車だったか、車だったか、走っている時に窓の外を見るとオバアサンが走ってついてくるという…。

 椅子に座っていただいてよく話を聴いてみると、痛いのは肩ではなく、足のしびれが気になるとのこと。

 「なるほど…『今“走って”これたから大丈夫じゃないかな』…」

 脊柱は加齢による変形をしていますが、300m歩くのも苦痛な方たちと比べると、もっと長い距離を御自分の足で来たのですから、坐骨神経症状は軽いものです。

 腰椎も一昨日の指圧の効果で前弯を保っています。

 左大腿後側の坐骨神経に部分的な硬さがありましたが、問題があるとすれば使わな過ぎによる足の血行の悪さです。

 寒さと寝方が固定されていたということだけでも起こる症状だと思いました。

 足趾を丁寧に指圧し、股関節、膝関節、足関節、足趾など下肢のストレッチを行っていきます。

 念のため全身指圧をしたので、次の方には10分ほど待っていただきましたが、ウチではそういうこともあると皆さんに御理解いただいています。

 40分くらいでも結構全身のメニューができるもので驚きました。

 やればできるのだなぁということですが、一昨日指圧をしたばかりということもあって…。

 大切なのは不安を取り除くこと、不安が痛みを増強します。

 『走ったこと』は彼女の記憶には残らないでしょう。

 こういう時には私の指圧にもあなどれない訴求力(あるいは商品価値)があるものだなぁと思います。

 〇△さん、いいものを見ました。

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2010年2月22日 (月)

ストレスを数値化して計測するシステムが発売されるようですが…。

 1000分の1秒単位で心拍の間隔を測定し、ストレスを数値化するシステムが発売されます。

 メンタルヘルス関連の医療機関やカウンセリング施設での導入を見込んでいるようです。 

 交感神経が優位か副交感神経が優位かという自律神経のバランスを、脈拍や血圧や体温や発汗から判断できることは、生理学的に明らかですし、東洋医学でも当たり前に行われていることです。

 それを嘘発見器のように器械的、数値的に扱うのがこのストレス数値化のシステムということになります。

 ウチのようなタッチセラピーでも、メンタルヘルスやカウンセリングの専門家の先生のところでも、一般的にストレス数値の高い方が来て、ストレス数値を下げて帰っていきます。

 それができなければ、セラピーの効果がないか、セラピストが未熟か、重症か、ということです。

 このシステムをたくらみを持って使おうとすれば、始めにストレスを上げる対応をすることを考えるやからが出てくるかもしれません。

 心無い一言やワンタッチでそんなことは可能で、無礼な触り方をすれば一気にストレス数値は上がります。

 軽自動車くらいの価格、別にストレスを数値化しなくても…。

 肩の荷を降ろすための一言や、涙がこぼれるような奇跡のワンタッチ、私はそういうものを求めていたいと思います。

 アナログで手作り感があって、少し歪んでいるかもしれないけど、たなごころに温かく、ほっとできるような包まれ感もある、そういうものが提供できればいいなぁと思います。

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2010年2月21日 (日)

フィギアスケート男子銅メダル 高橋大輔選手のリハビリ映像のタッチって?

 フィギアスケート男子で銅メダルを獲得した高橋大輔選手のリハビリ映像を見ました。

 右膝前十字靭帯断裂と半月板の損傷の手術後、おそらくしばらく日にちが経過してからの下腿のマッサージ映像ですが、あれではダメです。

 映像はインパクトのあるところを編集してあると思うので、あのタッチはたまたまあの時だけであったと願わずにはいられません。

 あのタッチでは、痛みを緩和してリハビリ意欲を増すことにはなりません。

 聞くところによると、リハビリが辛くて病院からいなくなり、しばらくの間音信不通になったことがあったようです。

 手術後は歯を削られたようなもので神経が過敏になっています。横向きで下腿を上から潰す必要はありません。

 ゴリゴリ上からかぶさって圧せば痛いに決まっています。

 少なくともアロマテラピーを掲げるもの、マザーズハートのタッチを実践しようとするものが、あれでいいと勘違いしてもらっては困ります。

 鍛えられたスポーツ選手だから、過剰な刺激も自分の体力がダメージをカバーして、銅メダルを獲得するまでの復活をとげたのです。

 臨床では定量の刺激はあり得ない、体の弱い方、高齢者、骨粗鬆症の方、痛がって叫び声をあげたら刺激を弱くしなければいけません。

 タッチセラピストは他人の痛みを知るための努力をすべきです。

 痛みを抱えた方の体に、自分の健康体を基準に自分なら受け入れられるタッチを平気で繰り出すようでは想像力が足りな過ぎます。

 高橋選手が痛みで叫び声をあげていても、ろくでもないタッチは不適切に続けられました。

 私は不愉快でテレビを消しました。

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2010年2月20日 (土)

止血ベルトのようなサポーターは不適切と感じた小指のしびれ。

 60代女性、私とは違う資格の先生に小指のしびれを訴えたところ、前腕上部『手三里』のあたりに止血ベルトのようなサポーターを巻かれたということで、指圧にもサポーターを巻いたままいらっしゃいました。

 このサポーターは、末梢の血行を阻害することになり、まず効果はないと思いました。

 さっそくはずしていただき、頚・肩・背部を触診していきます。

 ここのところの寒さの影響もあるのでしょう、肩上部僧帽筋と肩甲挙筋が硬く、背中がまるくなり、腰椎も後弯しています。

 『小指のしびれ』の訴えがあれば、まず第8頚神経と第1胸神経からなる尺骨神経の出口から考えていくべきです。

 つまり寒くて頚をすくめて猫背になっていれば、頚椎下部~胸椎上部は当然詰まってきます。

 後頚部から背部を緩め、腋窩を緩め、肘部管症候群との鑑別をし、手首の問題、小指自体の問題と診ていくべきです。

 おそらく圧してみて橈骨神経支配の手三里のあたりを痛いと言ったのでここにサポーターをしたのだと思いますが、『そもそも圧し方が痛かったのではないか?』、実際に手三里を触ってそう思いました。

 指圧をしていくと肩こりが主で、肘や手首にポイントは見出せませんでした。

 下半身にはむくみがあって足に冷えがありましたが、この時期にあっては標準的なレベルです。

 指圧後、腰椎の後弯は改善され、肩の関節も滑らかに動かすことができました。

 「あの先生は始めから決め付けてしまって、丁寧に診てくれないから…」、お客様のこの言葉は全てのセラピストの教訓になると思います。

 タッチセラピーが他の治療法より勝っていることの一つは、『途中からでも別の方向性を開拓できる』ということです。

 私も始めにある程度のポイントを絞っていますが、そこに向かって進んでいくだけではなく、途中の分岐点では他の可能性も見極めながら進んでいくことが可能なのです。

 診断(本当は使ってはいけない言葉でしたね)からツボを決めてそこを施術して終わりではないのが、タッチセラピーの真髄です。

 これがわかるか、わからずに終わるかが、タッチセラピストにとってはとても大きな問題です。

 

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2010年2月19日 (金)

肩こりが高血圧の原因かも。

 40代の女性、突然気分が悪くなり血圧を計ったところ上が200、下が100を超えていたということです。

 しばらく休んで病院へ行き、血圧は上が168に下がり、下は100超のままだったということで、とりあえず4日分の降圧薬を処方されたということです。

 更年期症状の疑いもあると言われたそうですが、すぐにウチに電話をいただき、翌日の指圧となりました。

 「他のマッサージとは違うから、すぐ先生に御相談しようと思って…」、この言葉で一気にハードルが上がります。

 顔色は悪く、唇は荒れていて、額に手をあてても熱は感じられません。

 脈は1分間に84、手足にやや冷えがあり、現在血圧が200もあるとは考えられません。

 左肩上部僧帽筋のこり、左前頚部のこり、どちらかというと左半身にこりがあります。

 腋窩の詰まりが予想され、腋窩動脈が絞扼された状態で血圧を計れば血圧は高い数値を示すはずです。

 両三角筋に痛みがあったことを後で聞き出せたので、三角筋は腋窩神経支配ですから、このあたりに狙いをつけたことに間違いはなかったようです。

 伏臥位で胸が苦しいようなことがあれば、この場合仰臥位から始めるしかありません。腋を締めたくないので横臥位からの指圧はあり得ません。 

 伏臥位になってみて苦しくはないということなので、後頭部から指圧を始めます。

 後頚部や肩上部のこりのわりには、背部はそれほどこっていません。

 臀部のむくみ、左下腿のむくみ、足の軽い冷え、下半身もそれほどひどい状態ではありません。

 仰臥位前頚部、鎖骨周囲、耳の周り、そして腋窩、これらの指圧がとても気持ち良かったということで、よく眠りました。

 指圧後立ち上がってもふらつくことなく、ひどく血圧を下げ過ぎることなく指圧を終えることができました。

 1日1回の降圧薬ですから、薬はマイルドに血圧を調整していると思うのですが、指圧は詰まりをとって大きく血圧を下げることもあるので、指圧後の体調の変化は十分注意して観察する必要があります。

 ここのところ寒い日が続き雪の日もあったので、頚をすくめて猫背になって腋窩動脈を詰めて高血圧を示すこともあると思いました。

 高血圧や更年期の随伴症状としての肩こりもありますが、肩こり→交感神経優位→高血圧という図式もあると感じた指圧例です。

  

 

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2010年2月18日 (木)

コーヒーの精油。

 今年になって生活の木からコーヒーの精油が発売されました。

 これは日本のアロマテラピーにとって、とても大きな出来事だと思います。

 “ありそうでなかった”、この半歩くらい先を行く発想が世の中を動かしていくことがあります。

 エチオピア森林コーヒーから抽出した『コーヒーセレモニー・ナチュラルフレグランスオイル 1ml¥630』。

 鈴木指圧院では時々コーヒーの香りがしていますが、営業時間中にコーヒーを飲むことはないので、それはコーヒー精油です。

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2010年2月17日 (水)

熊本から指圧に来ていただきました。

 昨日は熊本から指圧に来ていただきました。

 前回の右坐骨神経痛は指圧後に痛みが消え、その後はウチで教わったストレッチを続けていて、仕事にも支障がないとのことでした。

 70代の女性で肝臓癌の手術もしていますが、声もはっきりと明るく、お元気そうです。

 今回の主訴は耳鳴りで、「指圧を楽しみにして来ました」ということなので、前回に負けないくらいの効果を出したいものです。

 高血圧がある高齢者の耳鳴りは難治性です。彼女も降圧薬を服用しています。

 左の前頚部、肩上部、額関節にこりがあり、左耳の周囲を指圧すると気持ちがいいようです。

 やはり左耳の耳鳴りが気になるようなので、鎖骨から上の血行改善が症状緩和のポイントになります。

 年齢的に背中がまるくなってきているので背部を緩め、股関節、膝関節、足関節、足趾関節と伸ばしていきます。

 仰臥位大腿二頭筋のストレッチでは、左右とも股関節がよく屈曲でき、坐骨神経伸展法も問題なくできました。坐骨神経痛は確かに改善されています。

 頭部顔面の指圧では、前頚部→額関節→耳の周囲といったポイントの硬さを緩めながらストレッチをかけていきます。

 特に鎖骨と第1肋骨間の隙間を拡げることは重要です。

 腹部は寒さで運動不足のため脂肪が溜まっていましたが、肝や胃の動悸はありません。柔らかくて、心配のないおなかだと思いました。

 全身指圧後、耳鳴りが気にならなくなったとのこと、血行が良くなればそういうこともあります。

 「1ヶ月に1回は来たい」とのことですが、飛行機代が心配です。

 近くにいい先生がいれば是非お願いしたいものですが、こればかりはセラピストによって効果が違ってくるものなので、薦めるアテもありません。

 楽しみにしていてくれる人がいる、遠くから指圧を目的に来てくれる人がいる、身が引き締まる思いです。久しぶりに会えて、熊本弁が聞けて、嬉しかった…。

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2010年2月16日 (火)

4人連続で寒さが影響した肩こり。

 昨日の指圧のキーワードは“寒さ”です。4人連続で寒さによって肩こりになったお客様に指圧をしました。

 寒ければ頚をすくめる、背中をまるめる、こたつやエアコンで暖をとりながら同じ姿勢でテレビを見る、それに加えて持病があったり、受験のお子さんがいたり、引越しをしたり、病気の家族がいたり、これらもストレスとして血管を収縮させ体感の寒さを増します。

 頚がわずかに傾いていれば、左右どちらかの『天柱』『風池』『完骨』といった項頭線のツボにこりができます。

 左右どちらかに体重をかけて座れば、体重がかかるほうのお尻以下の血行と腰に影響が出ます。

 肩こりと言っても、右がこって左がむくんでいたり、上半身がこって下半身がむくんでいたり、手足末梢の冷えや、顔面蒼白などお客様それぞれ症状は違います。

 頚をすくめ、背中をまるめて寒さから身を守るわけですから、脊柱は短縮しています。

 指圧は筋肉の端から端までをタッチでストレッチしていくことによって関節の間隔も拡げていきますから、全身指圧の後には全ての関節可動域が拡がっていることになります。

 原因はどうあれ、後頭部と頚との間隔がストレッチできれば、頭部顔面への血流は促進され、顔は赤みを帯びてポカポカしてきます。

 ということは血管が拡張し血圧が下がったわけですから、寒さにによる肩こり憎悪のスパイラルから脱出できたことになります。

 我慢しているのはよくありません。

 薬は全身に影響してしまい、こりのバランスを診て調整してくれるわけではないので、効果を感じない方も多いと思います。

 もし近所に良いと評判の指圧やマッサージの先生がいたら、勇気を出して訪ねてみてください。

 おそらく全く違う快適な体の感覚にしてくださるでしょう。

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2010年2月15日 (月)

女性のメタボの目安、ウエスト90センチから80センチに。

 今まで90センチだった女性のウエストのメタボの目安が、80センチに変更されるようです。

 ショップでいつも棚にある数が少なくなっているジーンズを考えてみても、男性は80センチ前後、それにプラス5センチなら、まぁそんなものかと思います。

 女性のジーンズで棚からよく減るのが85センチ前後ということは、数年前でもなかったと思います。

 個人差はあるにしても、女性のジーンズのほうがやや小さいというイメージはおおむね正解ではないでしょうか。

 なんだろう。この生活感のないウエストの目安って。

 祝日も第~月曜日ではなく、以前のように何日と決めた日に戻るとか。

 当たり前です。

 第~月曜日を誕生日にされたとしたら気分が悪いのと同じくらい、はっきりしたことです。

 センスの悪い決め事の基準で一喜一憂するのではなく、単純に生き物を続けるために『あんまし食うな、運動しろ(伊集院光さんの名言)』ということだと思います。

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2010年2月14日 (日)

ホテルの柔らかいベッドでの指圧が大変だった話。

 毎週指圧をすれば何とか脊柱管狭窄症の症状が抑えられて仕事ができるというお得意様の男性、諸事情あってウチまで来ていただくのではなく、ホテルにこちらから出かけることになりました。

 毎週ホテルに泊まってまでウチに指圧に来ていただいていましたから、前回の疲れきった姿を見るにつけ、出張やむを得ずという気持ちになりました。

 積極的に出張の指圧をしないのは、舞台装置が整わないアウェイ感の中でのタッチは自分が提供できる演出のレベルからしてかなり残念に思うからで、一見のお客様にはほとんどしません。

 小雪舞う暗くなった頃にホテルに着き、受付には連絡をしていただいていたので丁寧に部屋を教えていただきました。

 『どのツラ下げてロビーを通過すればいいか?』、これが結構胸を痛めておきたい問題で、普段から指圧の先生も演じていますから、出張マッサージさんの典型を演じたいところなのですが、先生ヅラするのも、卑屈になるのもどうかと思う間もなく、エレベーターで部屋に到着です。

 『なるほどここで指圧をするか…』

 一本の吸い終わったタバコが灰皿に…、これで持ってきた精油の出番はなしに決めました。

 「テレビつけといてもいい?」と聞かれたので、「いいですよ」と。BGMは民主党のニュースです、やれやれ…。

 「手から薬が出なければいかん!手が冷えていてはいかん!」とどこからか大いなるものの声が聴こえてくるので、着ぶくれて、手にカイロで、完全装備で来たのですが、うぅーんチープな、あるいはカジュアルな、舞台装置で指圧が始まります。

 持参した消毒液で手を擦り合わせ、いざ…。

 ホテルのベッドはヘッドポジションから圧せないので、まず足の側に頭を持ってきていただいて伏臥位になってもらいます。

 するとベッドメイキングで、シーツやら毛布やらがマットの下に潜り込んでいてややこしく…。

 ここまでの前段はどうでもいいことなのですが、指圧をするとベッドが柔らかすぎて体が沈みます。

 そしてウチでは感じたことのない背中の硬さを感じました。

 つまり、ベッドなりマットなり体を受け止める下の部分にある程度の硬さがないと、背中の硬さを支えとしてプッシュアップで静止することができないから、いつまでたっても硬さを圧し続けて沈む感覚になります。

 『これは大変だ…』、普段どんな素晴らしい環境で指圧をしていたか、アウェイに来て気づきます。タバコの臭いの部屋と民主党のニュース、やれやれ…。

 『出張マッサージの人は大変なんだなぁ』とやってみて実感します。

 しかし、大学病院の病室で教授の回診中でも、寝たきりの方の介護ベッドでも、猫の入ってくるお宅でも、小さいお子さんとお話しながらでも(このあたりはみんな得意分野なのです)指圧をしてきたので、柔らかいベッドでもそのうち体重を乗せるタイミングを見つけ出しました。

 終わってみれば、結構いい仕事ができるもんだと、意外に何てことなかったかなぁ…。

 帰りにはホテルの受付にフルーツのお土産まで用意されていて、小雪舞う夜の帰り道、車を運転しながら『こういうのもできなくもないねぇ』などと思いました。こんなことですごく喜んでくれる人がいるのだから。

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2010年2月13日 (土)

NHK『スパー ピアノ レッスン』フセイン・セルメットさんのタッチ

 昨日のお昼はNHK教育テレビで『スーパー ピアノ レッスン』を見ていました。

 今回のシリーズではフセイン・セルメットさんがマン ツー マンでレッスンをしますが、教わるのも一流のピアニストです。

 セルメットさんの素晴らしさを簡単に言ってしまえば、タッチの変化がはっきりとしていることです。

 特に『タッチの強弱でこんなにも音色が変るのか?』と、弾いて違いを浮き出させてしまう実力には圧倒されます。

 教わっている方も一流のピアニストなのに…。

 楽譜を何度も読み込むことにより、演奏の理論的な解釈がしっかりしていることと、その作曲家が曲を作った時の心理的な背景や時代まで考証し、音楽を物語として再構築していることは、私の指圧にも共通します。

 「恋をした時のように情熱的になれ!」、そして一方では「感傷的になり過ぎるな!」、そう、その加減、流れの中で変化が生じていきます。

 そして彼のピアノを弾く姿勢は、全てではないですが肩が下がって見えます。

 指紋部を使う時の宿命、肩が上がることを克服したもの…。

 彼の姿勢を見ていくうちに見えてきたのが、一回り大きな見えない体があって、彼の実際の肩より後ろを基点として指紋部に力が届いていることです。

 「オマエは何を言っているのだ」と思われるかもしれませんが、これが私の言う『幻の滑車』です。

 自分の体の中に滑車があって力を伝えようとすると窮屈になって体が疲れます。

 自分の頭頂部の延長線上や肩と指紋部を結んだ線の外側に滑車を作ることができれば、余裕が生まれて力まなくても大きな力を作り出すことができます。

 『この感覚をどうお考えになるか?』、うかがってみたいものです。

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2010年2月12日 (金)

肩こりに面取りをするイメージのタッチ。

 大根の輪切りにした切断面を上から圧すイメージでは、肩こりへのプロフェッショナルなタッチではありません。

 筋肉は紡錘形ですから、その表面に対して垂直に圧をかけなければ、潰すかねじるかしていることになります。

 紡錘形の筋肉に強い着地で密着すれば、これも潰すかねじるかしてしまうことになります。

 肩上部の筋肉に対して始めから“大根の面取りをするイメージ”で指圧をすれば、マイルドな圧刺激を曲面に沿わせていくことができます。

 肩こり=肩井(けんせい:肩上部僧帽筋中央のツボ)という思い込みや刷り込みが、揉み返しを作り出す原因となってきました。

 頚と肩甲骨と鎖骨に囲まれた肩、もっと言えば上肢帯、肩甲帯、広背筋など背部までが肩の動きに関与しています。

 上から潰すのではなく、少し斜めに角度を振って面取りのようなタッチで丁寧に広い範囲に弱い刺激をしてください。

 これがあんまマッサージ指圧理論に基づいた筋緊張へのタッチです。

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2010年2月11日 (木)

表皮水疱症の方にもできるタッチを考えてみる。

 一昨日、『表皮水疱症の患者さんがガーゼ代の補助を国に求める』というニュースがありました。

 表皮水疱症の患者さんが皮膚を守るために必要なガーゼ代は、年間30万円にもなるということです。

 服の布地でも接触刺激になるわけですから、他人にされるマッサージには恐怖こそあれ、気持ちいいものだという感覚はないのだろうなぁと思いました。

 しかし、まてよ、と…。

 『おまえのところに表皮水疱症の患者さんが、指圧を受けたいといらっしゃったらどうする?』

 軽擦のような手技は擦過傷を作るので、オイルを使ってもNGです。

 広い範囲の手掌圧をふわりと乗せられたら…。

 広い面の母指圧なら、かかとは多少硬くなっているかもしれないので可能なのではないか?

 ただできませんと断るのではなく、ワンタッチでタッチセラピーの気持ち良さを伝えることができてこそ、プロフェッショナルと言えるのではないか…。

 このニュースからそんなことを思い巡らせていました。

 健康そうに見えても、今触れているお客様には重い病気が隠れているかもしれない、今触れたところには湿疹ができていたかもしれない、手術痕かもしれない、切り傷があるかもしれない…。

 安易にタッチを繰り出せばタッチは体を傷つけることもあり、一つ一つのタッチを考えて行えば可能性が広がります。

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2010年2月10日 (水)

「見えると思って!」見れば、見える(TBS「お茶の水ハカセ」より)。

 昨日のTBSテレビ『お茶の水ハカセ』に、視力矯正の先生が登場しました。

 視力矯正のエクササイズ後、視力検査表の今まで見えなかった小さいマークを指した先生は「見えると思って!」と検査をされている人に声をかけます。

 ここが秀逸です。

 視力矯正の目の筋肉のエクササイズは昔からよく知られたものでしたが、「見えると思って!」見ることによって、格段に効果が違うと思いました。

 つまり「見えない」と思って見ると、視覚は現状維持で使われ緊張が解けないのです。

 「見えると思って見る」ことで、緩んで開く扉があります。

 これは低くても、跳べないと思えば体硬くなって跳び箱を跳べないようなことです。

 使わなくて緩んだ筋肉をエクササイズで鍛えるという理論的な実践があった後、視覚の感覚的な緊張を解くことで効果を発揮させるという、素晴らしい指導法でした。

 肩こりでも硬いイメージで圧すと、触れる前に緊張してしまうので、硬いタッチになります。

 鉄のようでも石のようでも、硬いイメージを持たずに、肩こりの表面に柔らかく着地して自分が浮き上がれば、硬くはないのです。

 柔らかく触れれば、鉄のようでも石のようでも、肩こりそのものが柔らかくなっていくものです。

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2010年2月 9日 (火)

岩盤浴で触圧刺激の本質を知る実験ができる。

 岩盤浴で圧発汗射を知る実験ができます。

 圧発汗反射は、横向きに寝た場合、下になる圧迫側で副交感神経が優位になり、上になる側で交感神経が優位なるという生理学的な反射です。

 発汗は、交感神経が優位になる上側で起こり、下になる圧迫側の発汗は抑制されます。

 岩盤浴の平らな面に横向きになる必要はありません。

 例えば伏臥位で顔を左に向け、左肘と左膝を90°に屈曲させて、右上肢は体側に沿わせて下げ、右下肢伸展にすれば、体重は右半身にかかります。

 すると左半身からだけ発汗します。

 ここで理解すべきことは、発汗している左半身は交感神経が優位になっていますから、血管は収縮、血圧は上昇しています。

 一方、圧のかかった右半身は血管は拡張し、血圧は下がっています。

 左の鼻がつまった状態でこの姿勢をとれば、血管が収縮するので鼻づまりは解消します。

 高温サウナと比べれば物足りないくらい低温の岩盤浴で、この実験はできます。

 ここから学んでほしいのは、半身に自分の体重をかけるだけでも副交感神経優位にスイッチを切り換えることができるという事実です。

 このことがわかれば、こりとぶつかって、ねじふせようとするような指力はいらないことに気づくはずです。

 岩盤を指力で圧し込むようなことをすれば、指を痛める上、ぶつかることによって戦いモードの交感神経が優位にスイッチが切り換わってしまいます。

 寝そべるくらいの体重をかければいいこと、広い範囲の圧刺激ということ、高温ではなく物足りないくらいの低温でいいということ、勉強になるはずです。

 もしわからなけらば閾値(最低刺激レベルの感度)が高い位置にあるということ、感度が鈍くなっています。

 自分の感じる刺激のニュートラルのレベルを下げられるほど、タッチの表現力は豊かになります。

 わからなければわかるまで、自分の体で勉強してください。

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2010年2月 8日 (月)

通りがかりに塀の応急手当をした話。

 昨日の午前中はとても強い風が吹き荒れました。

 車で出かける途中、ウォーキングの時は何事もなかった御近所の御宅の木製の塀が、強風で根元から浮き上がって道のほうへ倒れかかって揺れています。

 車から降りて、玄関のチャイムを鳴らしそのことを伝えると、まだ気づいていなかった様子でした。

 強風吹きすさぶ中、外に出た一人住まいの高齢の御婦人が「とりあえずひもで縛っておきましょう」と仰るので、塀を立て直し支えながら待っていました。

 ひもを持って塀の柵に結ぼうとしても老婦人はなかなか上手くいかないようだったので、「代わりましょう」と庭の隅にはいつくばって木の柵をつげの木に結びつけることにしました。

 木の根元が腐っていて釘が効かなくなっていたようです。

 そのことを伝えながら荷造り結びで柵とつげの木を固定していると、「人間も年をとるとあちこちボロボロになってくるからねぇ」と仰るので、「いや、人間はいくつになってもご飯を食べたら元気も出るし、筋肉を丈夫にすることができます」と答えていました。

 『あれ、今はオフのはずなのに指圧の先生モードになっているぞ…』

 「風が吹いて寒いのに外に呼び出してすみません。後はひとりでできますから中に入っていてください」、何度言っても(あまり必要はないのに)柵を支えたままの老婦人に、とても申し訳ないことをしたような気になりました。

 「ごめんなさい、こんなにひもを使っちゃって。あまり役に立たないかもしれないけど…。寒いから早く中に入ってください」

 『急いで立ち去るオマエはナニモノなのだ?』

 車を運転しながらも柵を固定金具で止めたら…などと考えたり、業者に相談するということだったので、素人仕事よりはそのほうが安心です。

 ダウンジャケットとズボンは土埃だらけ、ミラーに映った左目の横は5cm程の木の枝での引っかき傷、車のサイドミラーも塀をよけた時のわずかな引っかき傷。

 夕方帰ってきてその塀を見ると、ひもでしっかりと固定されていて、まだ業者さんの手は入っていない様子。

 車も無事脇を通り抜けることができ、『あの時は指圧師になって手当てをしていたんだぁ』と思いました。

 指圧師の指が結んだ結び目です。何かの力がきっと加わっています。

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2010年2月 7日 (日)

某有名アロマサロンで腰が痛いと言ったばかりに揉み返しになった女性。

 コンサルテーション(問診)で「どこか気になるところがありますか?」と尋ねられたので「腰が痛い」と答えた女性、アロマトリートメントを受けたのですが腰中心の施術を受け、ベッドに上がって体重をかけた圧迫のおまけがついて、見事に揉み返しになったというお話でした。

 これはセラピストがただ一生懸命に施術をするだけでは、かえって悪くするという典型です。

 ぎっくり腰のような急性腰痛であれば、たとえアロマトリートメントの軽擦だけでも、それを腰に集中させれば患部の炎症を拡げます。

 一生懸命にお客様の体を楽にしてさしあげたいという気持ちはわかります。

 しかし、体重をかけた女性の細い指紋部やその先端がピンポイントで患部を刺激した時には、足趾をタンスの角にぶつけた時の16~50kgの衝撃があってもおかしくありません。

 圧刺激は、刺激する手指の面積が狭いほど強くなります。

 また皮膚への着地から圧し込む時の速度が速いほど衝撃は強く、刺激はねじれやすくなり、揉み返しの原因となります。

 女性だから、指が細いから、体重が軽いからなどという前提は、タンスに足をぶつけた時の痛みを考えてみれば、通用しないことがわかるはずです。

 どんな有名なアロマサロンに行っても、経験の浅いセラピストの施術を受けることがあるかもしれません。

 もしかしたらそういう新人を使っているところは有名なアロマサロンであっても、ベテランのセラピストさえ刺激の理論を理解していないかもしれません。

 自分の技術を施すだけではなく、お客様の感覚に合わせ、お客様の体が翌日、さらにその翌日と、もっと良くなっていってこそのタッチセラピーです。

 われわれセラピストはお客様に育てられていくのです。

 お客様それぞれの様々な感性から学ぶことで、タッチは多様性を獲得します。

 セラピストは慢心せず、お客様の苦情を真摯に反省して、技術の向上を目指すべきです。

 そのセラピストさんは、お客様のリピートがなく反省する機会がないかもしれませんが、もし見所があるセラピストならば必ず育ててあげようと思ってくださるお客様がいるはずです。

 一つのタッチでは通用しません。万能のタッチはありません。

 タッチは置きに行く、常にお客様に合わせようという気持ちで、物足りないくらいの刺激で終わりにしなければいけません。

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2010年2月 6日 (土)

薬代が高額で健保組合脱退を求められたという記事。

 今日の産経新聞で『肺動脈性高血圧症の治療薬フローランの1ヶ月の薬代が高額(500万円を超えることも)なため、健保組合脱退を求められた人がいる』という記事を目にしました。

 肺動脈性高血圧症は難病に指定されているため、患者の負担は抑えられていますが残りの負担は健康保険から支払われます。

 健保組合の中には財政破綻を回避するため、フローランの全額保険適応を認めなかったり、患者の組合脱退を求めるケースもあったということです。

 医師の処方が保険で認められず病院が不足分を負担したケースもあったということで、そのことを危惧して治療に必要な量を投与しなかったり、フローランの処方をやめた病院もあるということです。

 日本では平成11年に使用が認められたフローランですが、月額500万円を超えるような薬価のままでは、患者さんの不安は消えません。

 発症率の低い病気の治療薬は開発されにくく、使用が認められても高額です。

 「命を守りたい」と訴えたわが国の首相は、具体的に動いてくださるでしょうか。

 予算配分の優先順位を考えることはやむをえないのかもしれませんが、命に優先順位があるとすればとても苦しいことです。

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2010年2月 5日 (金)

赤ちゃんのでべそ(臍(さい)ヘルニア)の相談を受けて。

 赤ちゃんのでべそ(臍ヘルニア)の相談を受けました。

 臍ヘルニアは、おなかに力が入ると腹壁ごと腸がとび出してでべそになります。

 腹壁が柔らかいことが原因で、多くは1才くらいで目立たないようになります。

 御相談を受けた赤ちゃんは生後半年くらいなので、腹壁がしっかりしてきたら目立たなくなるのではないかとお話しました。

 小児科の先生の見解も、臍を絆創膏などで上から圧迫するという意見と、何もしないという意見に分かれているようです。

 考えてみれば、骨も筋肉も結合組織も柔らかい新生児が、やがて立ち上がり、母乳やミルクが離乳食に変り、そしていろいろな味を覚えながら成長していくわけです。

 男の子なので、腹筋がついてくれば(たとえ少しでべそだとしても)大きなコンプレックスになるような問題はないと思います。

 お母さんとそのまたお母さんに見守られながら、立派な腹壁が成長していくことと思います。

 指圧師にできることは、お母さんとそのまたお母さんの体の緊張をほぐして、心配の風船をへこませることです。

 生後1年未満の赤ちゃんの臍ヘルニアに有効な手技療法は、お母さんやそのまたお母さんの日常的なスキンシップです。

 「でべそが引っ込むようなのでおんぶをしていて肩がこった」おばあさまを、小さい君が大きくなったら、大切にたいせつに、してあげてください。

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2010年2月 4日 (木)

不眠は高血糖の状態をつくる。

 眠りたくても眠れない不眠の状態では、交感神経が優位になっています。

 交感神経は戦う時の神経ですから、興奮して血圧と血糖値が上昇し、この時にはインスリンの分泌が抑制されます。

 よって不眠の体は高血糖の状態にあると言えます。

 糖尿病の方に指圧をする時に感じることは、筋肉が癒着したようなべったりとした硬さです。

 高血糖の状態は血管収縮と筋緊張を生み出し、しつこい肩こりや腰のこりを作ります。

 この状態を放置すれば筋緊張のスパイラルに巻き込まれ、肩こり、腰痛は悪化します。

 副交感神経のスイッチを切り替えるには早朝に日光を浴びることが一つの方法ですが、夜働くというような生活のリズムであれば、なかなか不眠の解消にはつながらないかもしれません。

 指圧やマッサージが不眠の解消につながるのは、こりを緩めることによって血管を拡張し、血圧を下げ、副交感神経を優位にしてインスリンの分泌を高め血糖値を下げるという、逆の流れを作ることができるからです。

 眠れないから夜中に食べてしまうということを繰り返していると高血糖の状態を続けていることになり、成人病へひた走っているようなことになります。

 不眠は高血糖の状態を続けることになるので、しつこい肩こりがあれば是非指圧を受けてみてください。

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2010年2月 3日 (水)

雪の備え お客様から学ぶことも。

 昨日は朝から予約が入っていたので雪かきをするつもりでいましたが、幸い道路と駐車場の積雪はさほどでもなく、足を滑らせないように玄関周りの雪を取り除くだけですみました。

 しかしお客様の車が出られないということがあって、朝一番の予約はキャンセルになりました。

 すると、先日予約が一杯でお断りした男性のお客様が「雪かきで疲れたので指圧をしてもらいたい」とのこと。

 昨夜のうちに車のタイヤを雪用に交換していたということを聞き、長く商売をされている方は違うなぁと感心しました。

 もう70才を超えていらっしゃいますが、埼玉県内で4店舗を経営する社長さんです。

 自宅と2店舗の駐車場の雪かきをしてから、指圧にいらっしゃいました。

 お客様が駐車場の雪で滑ることあってはいけないという思いは私も同じですが、万が一のためにスノータイヤに換えて備えておくという考えまでは私にはありませんでした。

 車で毎日店舗を行き来して商売をしてきた経験が、リスクを避ける行動の早さにつながっているのでしょう。

 無駄になるかもしれないのですが、自らの行動範囲を狭めないための選択です。

 雪をかく両上肢の屈筋、踏ん張る両下肢の外側、そして雪をとらえるために丸める背中と腰に強い急性の筋肉のこりがありました。

 そして早朝から雪かきをしてきた体が緩むと、よく眠りました。

 指圧を終えるとまた別のお店に向かうということで、とにかくタフです。

 指圧をしていなければ、様々な業種の方からこのような学びをすることもなかったと思います。

 長く一つのことを続けてきた方が当たり前のようにしているちょっとした準備は、実はなかなか簡単にできることではありません。

 形がしっかりしている、軸がぶれない、格好いいと言ってしまいましょう。

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2010年2月 2日 (火)

一日8ヶ所でマッサージを受ければ当然…。

 昨日ラジオから流れてきたのは「取材のため1日8ヶ所でマッサージを受けた」という女性タレントのお話です。

 当然、揉み返しで筋肉痛になったということでした。

 仕事を受ける側も問題ですが、マッサージをする側も問診の段階で断るべきです。

 確か5ヶ所目以降は苦痛だったと話していましたが、1ヶ所目で筋肉を壊されていた可能性だってあります。

 チャレンジして触診まですることはあるかもしれませんが、運動のし過ぎの筋肉に必要なことは休養です。

 炎症が起きていれば冷やしたほうがよかったでしょう。

 マッサージはたとえ不味くても口直しをしないほうが無難です。

 1ヶ所目はともかく、後のセラピストは施術をしたこと自体に認識の甘さがあります。

 突撃レポーターという体を張った仕事だとしても、体を壊されてしまっては仕事ができなくなります。

 良心的なセラピストならば、マッサージのはしごをしている人は断ります。

 様々なタッチの痕が混在してしまった体は、混乱するしかないのです。

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2010年2月 1日 (月)

鼻づまりの解消に綱引き。

 鼻風邪を引いたのか、花粉症のようなものなのか、薄い鼻水が出てくしゃみが出るようなことがありました。

 他人にうつすほどの症状でもないだろうと、いつものように指圧をしていて、仰臥位下肢伸展挙上牽引の動作で、鼻の通りがすっかりよくなった感じがしました。

 足首を両手でつかんで上体を後ろに反らせるこの動作は、綱引きに似ています。

 この動作は、握手をした時に上になる上肢のライン、つまり小鼻の脇で終わる大腸経の刺激になるので鼻が通ったのでしょう。

 鼻がつまった時にすぐ綱引きができるわけではないので、この大腸経のツボ刺激を知っておくと花粉症にも役に立ちます。

 これに加えて鼻づまりの側を上にして横になると鼻が通るという『圧発汗反射』を知っておくと、さらに役立ちます。

 圧迫側では血管が拡張し血圧が下がり発汗を抑制するので、上にした側ではその逆の反応が起こり血管は収縮します。

 鼻の血管が拡張して起こる鼻づまりは、血管を収縮させれば解消するわけです。

 これに加えて、弱い刺激は神経機能を鼓舞し、強い刺激は神経機能を低下させるという『アルントシュルツの法則』が実践できれば、手技療養の要諦をおさえられたと言っていいでしょう。

 この実践できるというのは、頭で理解しただけでなく、臨床で実際に経験して、自分の言葉で書き直して、お客様に理解できる説明ができるように再構築できているということです。

 自分の鼻づまりも無駄にできません。研究対象です。

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