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2010年7月31日 (土)

昨日、一昨日は猛暑の中休み、指圧は忙しい日になりました。

 猛暑で35℃を超えるような日は、指圧に来る方も覚悟が必要です。

 昨日、一昨日のような猛暑の中休みの曇りの日には、高齢者の方も外出する気分になり、頭痛持ちの方や関節症状のある方は症状が悪化するので、指圧が忙しくなります。

 昨日指圧した方たちの主訴を思い出すと、①肩こりの女性の指圧から始まって、②右肩関節痛、③足底の左第4趾中足骨上の痛み、④糖尿病の下肢痛、⑤肩こり、⑥左肘骨折後遺症と続きます。

 アロマオイルマッサージと指圧を組み合わせているケースもあるので、これで8時間を超える施術時間になります。

 それぞれに、それぞれのお話をしながらの一日ですから、話題は福島、千葉、新潟、埼玉、政治、ゴルフ、癌、土地の相続問題、死生観など実に様々です。

 よく体が持っているという感慨もありますが、むしろ頭の回転とモチベーションが保てているということがなければ、最後の方まである水準に達した指圧はできません。

 “懐かしい友だちがやっと猛暑が治まったからと言って訪ねて来た”、そんな感じで一つの指圧が終われば全てリセットするつもりで次の指圧を始めると何とかなるものです。

 これが仕事でしかないようだと、飽きたり、手を抜いたりすることになるかもしれないのですが、ひとりひとりが“私の宗教”を熱心に布教してくれている信者だと思えば、どなたが来ても特別扱いすることになるわけです。

 大した話はしない、極端な思想もない、ただ出て来る話を聴いてセッションとして転がしていけばいい、その間超普通の指圧をし、使い過ぎの部位は緩め、使わな過ぎの部位は運動させるだけです。

 猛暑の合間によく訪ねてくれました。

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2010年7月30日 (金)

突然の脳血管症状後に回復した女性の指圧。

 2週間前、猛暑が始まった頃にめまいと吐き気で倒れた70代の女性、その時には家族が留守で『もう駄目か…』と思ったそうです。

 倒れた時は『電話をかけることもできなかった…』ということですが、幸い検査をする頃には塞栓が流れたのでしょう、大きな脳血管障害は認められず麻痺もなく、降圧薬を服薬すること以外は今までと同じ生活ができるようです。

 肩こりと時々手先のしびれ感があるために指圧にいらっしゃいました。

 発語に異常はなく、ろれつの回らないようなことはありません。

 内反尖足のような足首の硬さもありません。

 猛暑で汗をかき、血液が濃縮されて脳血管が一時的に塞がれたということだったのだと思います。

 肩こりは倒れる時より前から感じていたということで、年齢的に背中が曲がってきていることと、前頚部の硬さも脳の血管に影響を与えたと思います。

 コレステロール値が高いということですから、頚動脈の動脈硬化はあるのでしょう。

 指圧では猫背により頚が前傾し頚動脈が狭窄することを防ぎたいところです。

 初めての降圧薬の治療と、倒れた後も続く猛暑と運動不足によって体はだるいということですので、下半身はテンポの良いタッチで筋肉のエクササイズになるようにします。

 頚、肩、背中は蓄積したこりですから、軽い刺激のタッチで丁寧に緩めていきます。

 全身指圧後、背中が伸びてスッキリしたということです。

 お話を聴いてみると、倒れる前に疲れを感じていたということなので予兆はあったようです。

 元気な方でしたが、“臨死体験”と言ってもいいのでしょう、前よりとても穏やかな印象を受けました。

 命が次の瞬間もある保証などないことを体験した後、人間はひとつ上のステージに進めるのかもしれません。

 

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2010年7月29日 (木)

指節関節のストレッチ。

 外反母趾が爪先立つことで矯正できるように、四指先端のDIP関節(遠位指節関節)や母指先端のIP関節の側屈(尺側偏位・橈側偏位)も、指紋部に体重をかけることで矯正できます。

 つまり四指を揃えて指節関節を伸ばし、手掌の位置を高くした指圧ができれば指の矯正になり、これができていれば指は曲がらないのです。

 指の間隔を開いてDIP関節、IP関節屈曲で指の力で圧せば、DIP関節、IP関節は側方に曲がります。

 これはギタリストやピアニストなどに見られる変形で、指の力で押すマッサージ業従事者にも頻繁に見られます。

 関節部の骨が変形し尖ってくれば、微妙な柔軟性のあるニュアンスは出せなくなります。

 そのニュアンスに気づかないから指の力で押していられるとも言えますが、指圧はできなくても、指の変形予防のストレッチとして指圧の練習は是非したほうがいいと思います。

 その後いろいろな事がわかってきた時に、指がすぐに痛くなるようではもったいないと思います。

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2010年7月28日 (水)

紫外線による目からの疲労。

 昨日のテレビ朝日『みんなの家庭の医学』では疲労物質“FF”がテーマでした。

 トリ胸肉に多く含まれるイミダペプチド+ビタミンCが疲労回復に効果があることなどがその内容でした。

 その他に紫外線は肌のトラブルの原因になるだけでなく、目からも体内に影響を与え、疲労物質を溜める原因になるということなどをあげていました。

 夏の強い日射しの中では確かにサングラスをしているほうがしのぎやすい感じがあります。

 瞳孔反射がなくなって散瞳になれば死を意味しますから、光の刺激で副交感神経である動眼神経が働いて縮瞳するのは大切な防衛反応です。

 裸眼よりはサングラスで紫外線対策をしていたほうが、疲労物質を溜めにくいということはあると思います。

 おそらく健康のためには子供たちも全員サングラスをしたほうがいいのでしょう。

 渡り鳥がタフであることからトリ胸肉のイミダペプチドの研究がされたということですから、これは人間でも大胸筋が豊かな人のほうが疲れにくいということは言えると思います。

 トリ胸肉を食べるだけでなく、大胸筋(及びその他の筋肉)を鍛えるということは、バストアップにもなり夏バテ予防にもなりそうです。

 もちろん屋外ではサングラスをして。

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2010年7月27日 (火)

寝ていて足がつったという人が多くなりました。

 指圧に来る方で最近は「寝ていて足がつった」という訴えが多くなりました。

 運動不足、運動のし過ぎ、ミネラル不足、熱中症、冷房、など原因はいろいろですが、要は血行不良による筋肉の痙攣です。

 多量の発汗によって体液のミネラルバランスが崩れると、筋肉では疲労物質の蓄積や動脈血の不足による酸欠が起こりやすくなります。

 この時期寝ている時にもたくさん汗をかくので血液は煮詰まったような状態になり、同じ姿勢が続いて同じ部位に圧迫が続けば末梢の血行が悪くなります。

 むくんだふくらはぎには痛み物質や疲労物質が溜まっているので、新鮮な酸素に富んだ動脈血は血管が圧迫されて届きにくくなり、こむら返りが起こって目が覚めます。

 普段使わないふくらはぎが爪先立ってもいないのに緊張するわけですから、こむら返りは部分的な強いショック状態に陥ったということなのでしょう。

 冷たいプールに準備運動もせずに飛び込んだ時のようなことが寝ていて起こるのですからたまったものではありません。

 こむら返りが起こった時は、下腿三頭筋は足の底屈筋ですから当然爪先を手前に引いて足関節背屈のストレッチをします。

 予防としては膝の屈伸運動や室内でもいいですから大股でウォーキングをすること、またミネラルを含んだスポーツドリンクや麦茶などを飲んで寝ることも大切です。

 今日も「最近足がつらなかったですか?」この一言を問診に加えようと思います(足がつった人は「ゲッゲッ、どうしてそれを…」と大袈裟に驚いてくれたりするので、セラピストとしてのお見通し感を出すことができます)。

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2010年7月26日 (月)

1箇所の患部が指し示す他の部位の感覚。

 温泉で大腿後側中央のツボ『殷門』に磁気絆創膏を貼っている男性、側面を向くと中殿筋にも同じものが貼ってありました。

 これらのツボは腰痛や坐骨神経痛では効果的なツボですから、一つの磁気絆創膏を見つけるともう一つもありそうな感じは予測できるわけです。

 そして下肢全体に目をやると明らかに上半身とくらべて筋肉が痩せていて、これは尋常ではない何かがあると感じます。

 ちょうどこの男性がぐるりと一回りした時に左右の下腿には血管が浮き出て硬く渦巻く静脈瘤がありました。

 静脈瘤で足の血流が悪く、歩きづらくて下肢の筋肉が衰えたか、脊柱管狭窄症で坐骨神経痛があり下半身が使いづらかったかはわかりませんが、体の1点の患部らは他の部位につながる見えないラインを感じることができます。

 同じ日に別の場所で外反母趾20代女性、まだ固まってしまわないうちなら爪先立つエクササイズで矯正できそうですが、安定して爪先立つことができません。

 踵体重でなければ膝を伸ばせないようで、爪先立つと膝が軽度屈曲します。

 こういう下肢の筋力の弱さは足の変形、さらには膝や股関節の変形と広がって体に大きな故障をもたらします。

 若いうちなら大きな変形にならないうちに筋力をつけることで補えることもあるはずです。

 同じ日に見た人間観察ですが、この繰り返しが施術感覚に反映されていきます。

 いつからか私は、道を歩いている時も、擦れ違う人や前を歩く人の体の傾きから、その体の持つショートストリーを読んでいることが多くなりました。

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2010年7月25日 (日)

左腰痛の解釈の一例。

 お酒をたくさん飲むことがわかっている女性が左腰痛で指圧にいらっしゃいました。

 食欲はなく、気持ちが悪いということから、まず内臓の問題を考えていきます。

 胃、十二指腸、膵臓、食道と肝臓くらいまで考えてみます。

 圧痛部位が左腰下部なので、わりとあっさりと上記の内臓の問題ではなさそうだということでいいと思います。

 激痛でもないようですし、指圧をしながら問診を重ねていくと、長距離ドライブと山菜採りに山歩きをしていることがわかります。

 右肩こりと左腰痛という対角線のこりにも注目します。

 右手の使い過ぎの時にありがちな左腰痛です。

 また右大腿内側のこりから、左大腿の上に右足を乗せて組む座位姿勢も見えてきます。

 少食で便の形をなさないので便秘になっていることが推測でき、便通後には左腰痛が楽になったという最近の様子も聞くことができました。

 始めは飲酒習慣から急性膵炎のようなものを考えましたが、これは姿勢によって起きた筋肉のこりの腰痛です。

 長時間の座位姿勢で悪化し、肩こりや便秘も伴い消化不良になっているので、涼しい環境で運動をすることで状態は改善します。

 これほど熱い日が続けば、疲れを溜めた人は室内エアコン下で運動ということが最適です。

 それがうまくできなければ指圧があります。

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2010年7月24日 (土)

偏西風蛇行で日本は猛暑、南米では寒波で200人以上死亡。

 木・火・土・金・水の五行の考え方からすれば、偏西風蛇行による日本の猛暑と南米の寒波の関係も、地球という体全体の問題としてとらえます。

 日本では熱中症による死者が続出していますが、南米8ヶ国では寒波の襲来で200人以上の死者と家畜数千頭の被害が出ているということです。

 下半身の冷え・上半身ののぼせという体の不均衡と、北半球の猛暑・南半球の寒波という地球の不均衡は、閉じた世界の中で起こる温度のアンバランスです。

 頭に熱を持ったり、おなかに細菌感染があれば熱は移動します。

 外邪や内因によって、ほぼ同じ構成要素であるのに、デコボコと温度は変化しています。

 指圧の時に肝心なのは目先のこりに終始するのではなく、心身の全体像のアンバランスをニュートラルな状態に近づけていくということです。

 急激な温度差は血管ストレスを高め脳や心臓の血管障害を引き起こします。

 セラピーであるためには、地球規模で例えるなら、猛暑に文句を言うだけではなく、南米の寒波も心配するような施術構成が必要です。

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2010年7月23日 (金)

熱がこもり自律神経が乱れ下痢になった症例。

 「朝から5回の下痢で体がだるい」という女性、手足が熱く、夏バテあるいは軽い熱中症と言ってもよさそうです。

 昨日はエアロビをしています。これも体のためにならなかったようです。

 一週間続いている猛暑はストレス以外の何者でもありません。

 運動でストレス解消する体力は残っていなかったようで、下腿は足首までむくんでいます。

 暑さと職場のエアコンで体温調節機能に狂いが生じたうえ、アイスや冷たいお酒の飲み過ぎは胃腸を疲れさせました。

 暑過ぎれば交感神経が優位になり、心拍数増加、血管収縮、血圧上昇、発汗などが起こり、冷え過ぎても交感神経が優位になって血管収縮、血圧上昇などが起こります。

 冷たい飲食物で消化液は薄まりおなかは冷えて、減退していた消化管活動に狂いが生じて腸の動きが亢進して下痢になりました。

 おなかを触診すると腹力弱ですが、熱を感じるほどではなく消化管の動きはおとなしくなっていました。

 猛暑前の疲れもあり、右肩上部のこり、左大腸兪(第4~5腰椎間外側1.5寸)の反応点を軽い指圧で緩めます。

 下半身はだるく、副交感神経優位の状態になっていますからテンポの良い指圧で体を起していきます。

 上肢の大腸経のこりはそれほどひどくなかったので、下痢という強い反応が起きたことで熱が発散され、指圧に来た頃にはかなり回復に向かっていたのだと思います。

 少し眠り、元気になって帰っていきました。

 普段運動から遠ざかっていたなら、疲れをエアロビで解消しようなどと思わないでください。

 荒療治は副作用を伴います。

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2010年7月22日 (木)

熱中症の予防、日中外に出ない、運動もしない。

 昨日車の運転をしていて、エアコンを効かせていても日射しの熱で肌がヒリヒリしました。

 そこそこ紫外線をカットする車の中にいても、頭の中がジリジリしてくるような暑さです。

 午前9時過ぎには昼間と変らないくらいの温度に感じましたが、犬の散歩をしている人やウォーキングをしている人、中には走っている人もいました。

 今日ウォーキングをしていても7時になる頃には、温度がグンと上がってくるのがわかりました。

 早朝ならともかく、日中の犬の散歩は犬の足が火傷になりそうな暑さですし、人間の運動にも適している温度だとは思えません。

 一種の依存になってしまっているとしか思えませんが、この暑さの中で日中の運動はやめたほうが身のためです。

 いつものノルマをこなせなくても、涼しい時間や別の涼しい日に今日の分を取り戻せばいいとフレキシブルに考えれば熱中症を防げます。

 食事制限もそう、今日甘い物を多く摂ってしまったら明日の食事を減らせばいいのです。

 カーテンを閉め、エアコンをつけて指圧をしていても外の暑さがわかるような酷暑です。

 健康のためと思って暑さを我慢してする運動は健康を害します。

 昨日指圧はお休みでしたが、夜帰って来て電話があり指圧を頼まれました。

 全く体の用意ができていなかったので、さすがに昨日はお断りしました。

 2階の閉め切った部屋の温度計は40℃を示し、西側にある1階の指圧の治療室も指圧に適正だとされる温度(25℃前後)をはるかに超えていたことでしょう。

 申し訳なかったですが、(いつもならお受けするところ)、昨日は即答でお断りしたので、心底指圧師になれそうもない限界を感じていたのでしょう。

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2010年7月21日 (水)

無重力ではストレッチができない。

 宇宙飛行士、野口聡一さんの記者会見でのコメントで注目したのは、「無重力では筋トレはできてもストレッチや柔軟体操はできない」ということです。

 無重力空間でも筋トレ(エクササイズ)として、関節を曲げないで筋肉に力を入れる等尺性収縮運動は可能でしょう。

 しかし関節の屈伸や回旋によるストレッチでは、関節から先の部位をおもりとして筋肉の伸展が行われます。

 無重力では肩から先の上肢を下に下げて僧帽筋のストレッチをしても、上肢がおもりにならないので僧帽筋は伸びません。

 なるほどなぁと思いました。

 しかしある筋肉の等尺性収縮運動はその拮抗筋のストレッチになります。

 そのような宇宙ストレッチの研究はこれから進んでいくことでしょう。

 宇宙からの帰還後のリハビリ期間が短縮できれば、より宇宙への旅は身近になります。

 『ストレッチに重力は不可欠』、宇宙飛行士野口さんの体験から学ぶことができました。

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2010年7月20日 (火)

“重力波” アインシュタインの予測。

 『星の周りでは、重力で空間が歪み、時間の進み方が遅くなる』、これがアインシュタインの予言とも言える“重力波”の存在を肯定する考え方です。

 指圧をしていると、大気圧や重力について考えさせられます。

 指圧は重力を利用しています。

 指の力ではありません。

 重力という大きな力を味方にして指圧に利用できるようになると、様々な不思議な感覚を覚えます。

 時間にしても、指圧をしながらとても長い時間がたったと思って時計を見ると、1~2分しかたっていなかったなどということがよくあります。

 ほんの限られた指圧の空間ですが、重力に任せて指圧をしていると歪みが生じ、時間の進み方が実際に遅くなっているということがあるのかもしれません。

 武道でも小さな力で大きな相手を倒す時、体の裁きによって相手の体を傾け重力を利用します。

 こういった体が傾いて倒れる時の感覚はとても長い時間のように記憶され、交通事故や転落事故などで怪我をした人も、やはり同じような感覚を持つようです。

 重力波はまだ解明されていませんが、やがて研究が進んで解明された時、この“時間がゆっくり進む感覚”は上手く利用できれば様々なシーンで有効活用できるのではないかと思います。

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2010年7月19日 (月)

前脛骨筋の麻痺には足底内側まできっちり指圧する。

 前脛骨筋は下腿外側前部の脛骨上3分の2と下腿骨間膜を起始とし、下腿下部を斜めに横断して足底内側の中足骨基部と内側楔状骨に停止します。

 前脛骨筋の働きは足の背屈+内反ですから、前脛骨筋が収縮すると足底の内側が持ち上げられるというイメージまで作っておかないと、下腿前側のみの指圧で終わりにしがちです。

 爪先が上に上がるのが足の背屈ですから、歩行の着地では前脛骨筋を使います。

 歩行で後ろの歩幅を大きく取れずにふくらはぎがむくんでいる人は多いのですが、ほとんどの人は前脛骨筋を使っています(何事もなければ爪先を浮かさずに摺り足で歩く人はいません)。

 足の感覚が鈍いという方に指圧をしてわかるのは、足底の前脛骨筋停止部の刺激が前脛骨筋起始部に伝わる感覚が強いということです。

 神経が通っていく感覚、これを取り戻していくには、強いツボ刺激ではなく適量刺激だけが治療的効果があるようです。

 外側から内側に横断するような筋肉は希ですから、前脛骨筋は足底内側まで指圧する習慣にしてしまうといいと思います。

 

 前脛骨筋は感覚に頼って指圧していると見逃しがあるので、解剖学的なチェックが必要です。

 

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2010年7月18日 (日)

混合性頭痛、大腿四頭筋外側広筋のこり。

 「40代女性、朝から頭痛で、バファリン服用後は片頭痛が残りました。顔を見ても瞼が腫れぼったく、むくみは明らかです。」

 “体側のこり+体のむくみ→片頭痛”、これは公式のように覚えておいていいと思います。

 むくみによって体液が多いわけですから、体側にこりがあると一部の血管は締め付けられ、一部の血管は拡張して三叉神経を刺激し、ズキズキと拍動する片頭痛が起こります。

 これには血管収縮作用があるセロトニンを様々なストレスに対して使ってきたことによる不足も影響します。

 今回のケースでは体側の大腿筋膜張筋や腸脛靭帯にこりがあるのではなく、やや内側の右大腿四頭筋外側広筋が反応点になっていました。

 胃経の反応点も大腿直筋にではなく、この外側広筋の指圧でおなかがよく動きます。

 むくんでいて片頭痛もありますが、この頭痛は緊張性頭痛がかなりの割合を締める混合性頭痛です。

 下肢外側にこりがあれば股関節外転で立っていることが多かったことになりますが、右外側広筋のこりだと股関節はあまり開かず、右骨盤が下がっていた姿勢がイメージできます。

 右殿部は締まっていて、左殿部はむくんでいるというのも右足体重で右骨盤が下がる座位姿勢を証明しています。

 本人は顔のむくみにも慣れてしまって、“加齢的な変化か…”と思ったようですが、大腿直筋を緊張させて膝を伸ばすべき姿勢を外側広筋を緊張させたというわずかな姿勢のズレから起きた頭痛だと言えます。

 指圧後は腫れていたまぶたのむくみがとれたので、急に二重になりました。

 それくらいのことは普通に指圧をしていれば十分改善できます。

 梅雨明け前の重たい空が、指圧が終わる時間には真夏の濃い青空に変っていました。

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2010年7月17日 (土)

他でマッサージを受けてひどい揉み返しになった人(口直しの指圧)。

 80代の女性が他でマッサージを受けて、立ち上がれないほどの揉み返しになり、指圧で治してほしいと電話がありました。

 お得意様なので指圧と駄目なマッサージの違いはわかる方なのですが、お嫁さんに勧められて断りきれなかったという事情があるようです。

 「痛い!」と言っても「痛いほど効くのだ」と言い張ってゴリゴリ押されたそうで、今日は食事も喉を通らず足はだるく、起き上がるのも大変だったということです。

 お嫁さんは頑丈なのでしょう。おそらく揉み返しがあるに違いありませんが、自分から誘った手前、弱っている姿を見せることもできないのだと思います。

 その施術者が女性だというのですから、全く困ったものです。

 無知がこじれて、圧刺激が打撃になっているということが、指圧をしながらお話を聞いて推測できました。

 この女性の背中は加齢により湾曲しているので、骨粗鬆症があるものと思って皮膚表面に軟着陸してから軽く圧をかけるような丁寧なタッチをしなければいけないのです。

 頚から腰だけの施術を短時間受けたそうですが、間違いなく内出血があります。

 骨にヒビが入っていることも考えられますが、体位変換で痛みはなく、指圧で体が逃げることもないので、おそらくヒビが入っていたとしても整形外科でも処置に困るくらいのことだと思います。

 足がだるいのは、頚から腰の強刺激で上半身に炎症による痛み物質が充満し、下半身は比較して運動不足になるので、非常に血流のバランスが悪くなったためです。

 上半身は熱を持ちのぼせるので、車で送られて来たのですが、汗をびっしょりかいていました。

 “口直しの指圧”、これは高度なテクニックを要します。

 頚から背部にかけては“刺激が過剰”だったわけですから、最低量の刺激で痛み物質を流さなければいけません。

 食欲がないのも、背部の消化器のツボを打撃のようの圧せば、副交感神経支配の内臓の働きは停止するということなのです。

 頚、肩、背中は撫でるような指圧で、下半身は筋肉を運動させるような指圧で、上肢、頭部顔面、前胸部、腹部は気持ちの良い刺激で、駄目なマッサージで傷めた体をフォローしていきます。

 指圧後、汗は引いて、立ち上がるのにもふらつきはありませんでした。おなかに動きがあったので、おそらく夕食は美味しく食べることができたと思います。

 いくら職業選択の自由ということがあっても、マッサージ類似行為をするならば自分のタッチが活法であるように勉強し、努力しなければ害をなすだけです。

 あれでは殺法です。クレームも多いことでしょう。

 

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2010年7月16日 (金)

夏の睡眠に指先の冷湿布。

 そろそろ梅雨明けの発表がありそうですが、寝苦しい夏の夜はまだ続きます。

 寝苦しい夜には“指先に冷湿布を巻いて寝る”と安眠できることがあります。

 心臓から送り出された血液は約1分で体を巡って心臓に戻りますから、指先に冷湿布を貼ることでも、冷却された血液がやがて体を循環することになります。

 手指先端には肺・心・心包の経絡の始まりと大腸・小腸・三焦(口から肛門までの消化器)の経絡の末端がありますから、冷湿布を巻くという軽い圧刺激は心肺機能と消化器系の刺激になります。

 指先から腕神経叢への刺激は、脊髄の第5頚神経から第1胸神経の刺激になりますから、頚から上ののぼせを取り興奮を抑える働きもあります。

 肩を冷やすと眠れないような冷えを溜めやすい体には、指先から頚肩部への刺激がマイルドに効果を発揮します。

 エアコンでは冷え過ぎるという方には、指先の冷湿布がツボ刺激にもなってお勧めです。

 のぼせを取る目的なら手指だけでいいですし、念には念を入れて足に貼ってもいいでしょう。

 ツボのことはよくわからなくても、左右の10本の手指先端に冷湿布を貼れば何らかの効果は感じることができると思います。

 爪の根元に圧刺激がかかればいいので、1枚使わずに切って使えば十分です。

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2010年7月15日 (木)

ピアニストの尺側手根伸筋と小指伸筋。

 ピアニストの腱鞘炎を指圧する時に、屈筋だけではなく伸筋にも注意しなければいけません。

 手の小指側に問題がある場合には、手掌側では尺側手根屈筋と小指外転筋、手背側では尺側手根伸筋と小指伸筋の硬さを確認します。

 鍵盤上でオクターブ近く指を開く時には、小指外転+伸展と手関節尺屈が必要で、これにに加えて打鍵には手関節の背屈+底屈と小指の屈曲が必要です。

 小指を外転させて叩きつける動作で腱鞘炎になった場合、指圧のポイントは小指球にある小指外転筋と短小指屈筋ですが、必ず前腕の尺側手根屈筋と尺側手根伸筋及び小指伸筋にも筋肉の緊張を伴います。

 他の病院や治療院で電気や低周波、レーザーなどを患部に当てても症状が改善されないという患者さんは、前腕の治療をされたことがなかったようです。

 プロフェッショナルの動きをする筋肉に緩め過ぎは禁物です。

 プロのパフォーマンスをするためにはテンションも必要ですから、相対的な緩和ができればよしとします。

 前腕を緩めるだけで手指の違和感は変わってきます。

 もちろん母指側や指伸筋、回内筋など、それぞれ個別の筋肉をチェックして緩めます。

 屈筋腱の腱鞘炎が多いのですが、腱鞘炎の原因となる動きを考えていけば伸筋を見逃していいはずがありません。

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2010年7月14日 (水)

指圧の臨床ではIP関節伸展+MP関節屈曲の形にこだわらなくてよい。

 “学生です”さんにはコメント欄でもお答えしましたが、もう少し補足しておきます。

 指圧の母指の形は、IP関節(指節関節)伸展+MP関節(中手指節関節)屈曲が基本です。

 体重移動で指圧をするためには、これに肘伸展+手関節中間位で体幹から母指の指紋部までが1本の線で結ばれるようにしなければいけません。

 これにプラスして、四指も母指と同様に使って手掌の位置を高くします。

 さらに四指の指紋部をあてた皮膚を母指の側に引いて1点に体重を集めます。

 重ね母指の上になる母指は下を圧さずに当てるだけ、体の反対側半分の体重移動を下の母指1点に集めるためだけの役割です。

 肩甲骨から母指へ、もっと言えば広背筋から母指へというイメージで私は指圧をしています。

 しかし、痛みの強いぎっくり腰や五十肩の患部に指圧をする場合は母指を立てず、滅多に体重移動などしません。

 検査器としての母指指紋部が即、治療器と変るのが指圧の特長ですが、痛みの指圧には検査器のままくらいの弱い刺激のギアレンジを広くとらないと不向きです。

 弱い刺激も持続の時間を長くとれば強い刺激に変えることができます。

 指圧で大切なのは、指先の感覚に自分の個性を乗せて発信することです。

 「お母さんがおなかの痛い子供に手を当てている」、そこにある感情や持続や刺激量が出せればそれは第一級のセラピーです。

 無理な力を出して指が変形し、自在な表現ができなくなれば最悪です。

 軽擦と軽圧を切磋琢磨し、それだけで指圧が成立していけば高いレベルに達しています。

 本当にタッチということの物凄さがわかるには何年もかかります。

 私は、死んでいく人、末期癌の人、大学病院の教授が回診する中での入院中の人、など様々な場面を通して、生きるということや指圧を教えていただきました。

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2010年7月13日 (火)

指圧をするという呼吸ストレッチ。

 指圧がエクササイズになっているうちは、まだ体に余計な力が入っています。

 母指と四指の指節関節伸展で行う指圧は、それだけで普段屈筋を酷使する指のストレッチになります。

 指の関節を曲げて圧し続ければ、キーボード操作や道具を扱う時と変らないので、指の酷使が続いて屈筋腱の腱鞘炎や関節の変形が起こります。

 ですから指を酷使するピアニストやパソコン作業が多い方が正しい指圧をすることができれば、それだけで腱鞘炎の予防になります。

 仕事後に疲れて肩こりになる人たちが指圧などしたいとは思うはずもありませんが、指節関節伸展で呼吸をしながら体重移動の指圧ができれば、実はこれが素晴らしい指のストレッチになります。

 私も指圧だけしているなら指は疲れませんが、様々な道具を使い、ほとんどはへとへとになるまで指を使い、その挙句に筋肉痛になります。

 しかし翌日ひとりふたり指圧をすると、もう筋肉痛が治っているということがよくあります。

 それ以外にも毎日のストレッチを欠かさないということもあるのですが、指の使い過ぎの疲れには指圧をすることが絶大な効果を発揮します。

 普段しない動きがストレッチになります。

 呼吸を詰めて作業をするような人は、横隔膜を上下させる深い腹式呼吸と指節関節伸展の指圧ができるととても具合が良いのですが、一般の方は指圧を受けることではなく、指圧をすることがストレッチになるという発想がまずないですし、そこまで行くにはとても長い時間もかかります。

 それが分かる感性がある方は、是非やってみるといいと思います。

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2010年7月12日 (月)

代替医療に厚いはずの民主党は…。

 参議院議員選挙の結果は、大方の予想通り民主党が単独過半数を割りました。

 マニュフェストの語感の古さを強調するように、みんなの党は“アジェンダ”を掲げて選挙では大健闘の結果を残しました。

 民主党は鍼灸・あん摩・マッサージ・指圧などの代替医療に厚い政策を持っていたはずなのですが、大きな変革の影響も感じぬままこのまま政権交代まで行ってしまうのでしょうか?

 (社)日本アロマ環境協会も自民党政権の小池環境大臣の時と現在とでは、少なからず影響があるように感じます。

 医師会に限らず、代替医療の様々な団体にも政治的な支援や要請の上手下手があって、われわれセラピストは直接感じないにしても影響を受けています。

 例えば指圧の保険診療制度を昔から唱えている人たちもいるという一事をとっても、政治に無関心ではいられません。

 嘉納治五郎先生が柔道家の競技生活後の生活安定のために柔道整復師の道を開いたことなどは、政治的な働きかけも努力されてのことだったと思います。

 そういう意味では、あん摩・マッサージではない指圧を看板に掲げる専門学校は浪越しかないのに、あマ指法制定の時によく指圧をねじ込んだなぁというのが、私の師に対する思いです。

 今後うかつな政治家は淘汰され、政党に束縛されない実力のある政治家の時代がやって来そうな予感がします。

 議員定数が削減されれば政治家にはプロフェッショナルな厳しさが求められ、トークも数字に対する記憶力も今のような歯がゆさはなくなることを期待します。

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2010年7月11日 (日)

選挙にセラピスト的視点を活かすなら。

 今日は参議院議員選挙の投票日です。

 投票にセラピスト的な視点を活かすなら、以下のようなことが考えられます。

 ①体(国)は恒常性を保とうとするので、大きく変えられることを嫌がる。

 ②痛みを伴うタッチ(改革)が過ぎれば、必ず弊害がある。

 ③丁寧に懐深く人と接するセラピスト(政治家)に人が集まる

 ④総合的な医療の邪魔になってはいけない。継承すべきことは引き継いで行う。

 ⑤今の状況判断を的確にし、最善のタッチをする。

 挙げればキリがありませんが、現実的、具体的な改善が必要なのがセラピーの現場です。

 到底実現の難しい課題に捉われて、すぐにできる小さなことを解決しないのでは選択の順番が下手くそです。

 素人が信頼のおけるセラピストになるまでは何年もの時間が必要で、政治家も任期の間に素人では困ります。

 指圧の一つのタッチを一秒の何分の一かで決定するように、今日の選挙の選択も間違えば揉み返しが起こります。

 人間の体に触れるセラピストは、セラピストらしい投票の選択ができると思います。

 人間の体について考えるように、国の体についても考えてほしいと思います。

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2010年7月10日 (土)

普段と違う動きによる肩こり。

 先週から各地で豪雨により被害が相次いでいますが、わが町でも落雷による被害があったそうです。

 雷の被害でホームエレベーターが故障したという女性は、食事をおぼんに載せて上の階に運ばなければならなくなって肩がこりました。

 左の棘上筋と右の肩甲挙筋のこりなので、左右で少し肩の上がり具合が違うのがわかります。

 おそらく左は外転の始動位置まで上がり、右肩は腋を締めてすくめ左肩よりもう少し上がっていたと思います。

 皆さんそれぞれの生活スタイルがありますから、肩の使い方はみんな違います。

 普段と違う肩の動きをしていたことは、御馴染みの方ならわかります。

 肩のこりからその使い方を推測することは可能ですから、触診しながら問診をして、一緒に納得する答えに行き着いた後に指圧を始めると、より満足感の高い緊張の緩和を感じていただけます。

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2010年7月 9日 (金)

腹式呼吸がうつ病に効く。

 「腹式呼吸がうつ病に効く」、最近の雑誌の広告にそんな見出しがありました。

 中身を読んでいませんが、腹式呼吸がうつ病に効く理由は自律神経を考えてみるとよくわかります。

 人間の体からは外傷や精神的刺激を受けた時などにアドレナリンが分泌され、緊急反応として心拍数が増加し、血圧や血糖値が上昇します。

 またストレッサー(ストレスを起こす刺激)に対して副腎皮質ホルモンのうちの抗炎症作用のある糖質コルチコイド(コルチゾールとコルチコステロン)の分泌が促進されてショック状態に抵抗した後、この状態が長期間続くと糖質コルチコイドは胃粘液の分泌を抑制し胃酸の分泌を促進する働きもあるため、胃潰瘍が発症しやすくなります。

 胃酸の分泌は副交感神経優位で促進されるので、糖質コルチコイドと、ナトリウムを再吸収して血圧を上昇させ交感神経系の働きをする電解質コルチコイド(アルドステロンなど)とは拮抗関係にあります。

 ストレッサーへの反応で二つの副腎皮質ホルモンの拮抗関係が乱れることからも、自律神経のバランスは崩れます。

 外傷や精神的刺激を受けた時にアドレナリンが体のパフォーマンスを高め緊急避難に対応できるように備え、糖質コルチコイドが炎症を抑えますが、それがずっと続けば体は疲れきって病気になります。

 気が病んで病気、体の病変は心の不安も増強します。

 ちょっとしたことで驚かなくなれば刺激に対してアドレナリンや糖質コルチコイドは乱発しなくてすむようになります。

 胃腸が働くのは副交感神経優位の状態ですから、逆におなかを動かすことができれば副交感神経を優位にすることができます。

 その一つの刺激が腹式呼吸です。

 昨日も肩こりで腰痛の70代の女性に対して、腹式呼吸の練習をしてもらいました。

 なかなか簡単にはできないものです。腹式呼吸に力が入ってしまう…(やれやれ…)。

 腹式呼吸で力が抜けるようになれば臍下丹田に肝(きも)が据わってきます。

 内臓が上がり、腰のあたりの詰まりが解消されれば腰痛も軽くなり、下の血行改善は肩こりも緩和します。

 腹のできた人間になることができれば、精神的にもタフになれるものです。

 ちゃんとはできなくてもいいから腹式呼吸のまねだとしても続けることです。

 それもだめなら、指圧の時には腹式呼吸になります。

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2010年7月 8日 (木)

三焦経の中焦は胃であること。

 三焦経の上焦、中焦、下焦を大まかに説明するならば、中焦である胃を中心として上と下の消化管に分けています。

 しかし中焦の正確な定義は『横隔膜から臍までの間の“機能”』で胃そのものではありません。

 この表現はとても東洋医学的です。私は人間の体を考える時に、こういうニュアンスが必要だと思っています

 胃炎の反応点は肩甲下部に広い範囲で現れ、決して『胃兪』限定ということはありません。

 胃下垂なら胃の位置は下がります。また、胃を切除している人の胃兪のこりを胃の反射と言えるかどうかは難しい問題です。

 薬指から上肢外側を上行し、耳の周囲を周り、眉毛外端の『絲竹空』に終わるのが三焦経です。

 消化器の反応点が背部に現れ、四足歩行で診た時に背部から上肢外側にその影響が及ぶのでしょう。

 三焦経の手の甲の中手骨底には『腰痛点』も存在します。

 大腰筋が大腿骨小転子から斜め上の腰椎腹側に向かって行く位置は下焦に属します。

 だから腰痛点が三焦経にあると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

 中焦は胃とすると、他の消化管よりも独立した大役として見られてきたようです。

 実感としてもそんな気がするというところがとても東洋医学的です。

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2010年7月 7日 (水)

胃カメラで上腕二頭筋停止部に急性のこり。

 胃カメラの検査をしてきた男性に指圧をしました。検査で異常はなかったそうです。

 まず指圧をして気づくのは下肢前側、胃経のこりです

 これは胃の反応として何度も触れるこりなので、“そういうものだ”と経験から自分の感覚にしていってください。

 今回注目したのは、両上腕二頭筋の肘に近い停止部付近のこりです。

 経絡で言えば心包経です。

 心包は心臓を包むものと考えればよく、しかし心膜と同じかといえば、東洋医学では心臓病の多くは心包経の病気であると考えられています。

 心包経は中指から三焦経の薬指に連絡する他に、正中線にある任脈の上脘(臍上5寸)中脘(臍上4寸)、陰交(臍下1寸)からも三焦経に連絡します。

 どうやら口から肛門までの消化器を司る三焦経と心包経の繋がりが見えてきましたね。

 胃カメラが正中線で臍の上にある胃に届くと心包経と三焦経に影響が出るわけです。

 もうひとつ、胃カメラの時の緊張状態のプロファイリングをするならば、両肘を軽く曲げて両肘には力が入り、それはおそらく手を強く握り“異物”の侵入に耐えていたからでしょう。

 指圧はセッションですから、こういうやり取りに中で信頼関係が生まれていきます。

 いつも言う体の物語を読むというのは、体に残された緊張から、近い過去に体の置かれた状況を読み取る作業をするということです。

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2010年7月 6日 (火)

頭頂部の指圧は下肢に効果がある。

 頭頂葉の中心後回には体性感覚野があって、頭頂部中心(やや後ろ)から左右の側頭部に向かって下肢から頭部までの体性感覚に対応する部位が配列されています。

 体性感覚は触圧覚、温冷覚、痛覚、深部覚です。

 よって頭頂部の指圧は下肢の体性感覚を刺激することができます。

 足の冷えに対して足だけの刺激では不十分なことはこのことからもわかると思います。

 膝より下の部位や性器に対応する体性感覚野は大脳縦裂の中に入り込んでいるので、他の部位よりも深い持続的な指圧が必要になります。

 頭頂部を指圧するにも、脳脊髄液に圧をかける、督脈の経絡に沿った指圧をする、体性感覚野の下肢を刺激する、帽状腱膜の指圧をする、頭皮を刺激するなど様々なアプローチができます。

 手技療法でまず最初に悩むのは「何がわからないのかわからない」ということですが、ひとつひとつ丹念にイメージをしながら触れていくことで、やがてニュアンスが出せるようになっていきます。

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2010年7月 5日 (月)

運動後、関節の短時間のアイシング。

 ヤクルトの青木選手がイチロー選手に次ぐ早さで1000本安打を達成しました。

 青木選手はイチロー選手にならい、「試合後に関節の短時間のアイシング」でコンディションを整えているそうです。

 「筋肉を硬くしないため」ということだそうですが、グッドアイデアだと思いました。

 関節のアイシングということは、筋肉の起始と停止のアイシングです。

 ちょうどストレッチとは逆になりますが、関節にある筋肉の起始と停止を刺激すればセンサーである腱紡錘を刺激することになり、筋肉全体に影響を与えることができます。

 冷やせば筋肉や血管は収縮するので、使い過ぎによる充血を抑えるのに短時間関節アイシングをするというのは、筋肉全部を冷やすよりも冷やし過ぎによるダメージを防ぐことができます。

 短時間関節アイシングは、ツボの遠隔操作の一種ということもできます。

 経験から実践的に生み出されたこのようなメンテナンス法は、注目に値します。

 目の付け所と、個に適した選択をするところからは、青木選手もイチロー選手も超一流の身体感覚を持っていることがわかります。

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2010年7月 4日 (日)

「少し痛いくらい」というストレッチの表現だと、かなり我慢してしまう。

 今朝NHKの『きょうの健康』の今週分早出しの放送で、『五十肩のストレッチ』を「少し痛いくらいに」と表現していました。

 言いたいことはよくわかるのですが、我慢するのが当たり前だと思っている方が多いので、「少し痛いくらい」と思ってストレッチをすると、大きな速い動きをして痛みを我慢する人が多くなります。

 これは臨床で得た経験則ですが、「息を吐きながら」「ゆっくりと」ストレッチができる人はほとんどいません。

 「少し痛いくらい」の「少し」のニュアンスがわかる方はまずいないと思います。

 五十肩であれば肩関節の外転や前方挙上、また外旋で痛みが伴うものです。

 痛くないように動かして痛みが出てしまうのが五十肩ですから、「少し痛いくらい」というのは、保険診療的な最大公約数の表現です。

 自由診療でやるのであれば、「痛みが出ないように動かすストレッチ」でさえ痛みを伴うことを考えて、「痛みが出ないように」と伝えたほうがいいと思います。

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2010年7月 3日 (土)

五感を使う。

 指圧は体をベストコンディションに持っていくための誘い水のようなものです。

 コンディショニングの主体は本人ですから、五感を使った生き方(できれば第六感まで使って)をしていただきたいと思います。

 自分の体が拒絶していることをすれば心も体もダメージを受けます。

 しなくてもすむことであれば回避することで、ストレスの蓄積を減らすことができます。そのためには自分の心と体に正直に生きることが必要です。

 だからといって怠惰な生活に流れては心も体も疲弊します。

 動物である人間の体は、動かせる方向には動かしておくことが気持ちいいのです。そこは敏感であってほしいと思います。

 経営者の方や芸術家の方に指圧をして感じることは、皆さん自分の言葉で考えて理解しようとし、その理解にかかる時間が早いということです。

 短時間や一瞬で決断を迫られる修羅場をくぐってきた経験の蓄積がそこにはあります。

 一つの成果を得るためには何通りもの試行錯誤が繰り返され、その一つ一つの成果を積み上げて皆さん仕事を続けてこられたわけです。

 そこには五感を使って心と体に訴える判断があり、第六感を使った未来予測もあったことでしょう。

 受動的に生きることも依存して生きることもできるとは思います。

 しかし、苦しいのであれば何かを変える必要があります。

 それは本当に価値がある情報なのか、自分が好きなものは何であるのか、判断するのは自分です。

 具体的に体を動かし、五感を使って生きていれば、失敗も経験として、やがてかけがえのないお守りになります。

 

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2010年7月 2日 (金)

エストロゲンが骨密度の維持に働くということ。

 女性の骨粗鬆症にはエストロゲンの減少が大きく関わっています。

 骨にはカルシウムやリン、ナトリウム、カリウムなどの電解質を貯蔵する役割があります。

 必要な時に骨の電解質は引き出され、血流によって送り出されます。

 骨は痩せたり太ったりを繰り返しています。

 妊娠中の女性がカルシウムを十分に摂取できなければ、母体の骨のカルシウムは送り出されて、胎児の骨になります。

 妊娠を維持する女性ホルモンはプロゲステロンで、エストロゲンは妊娠前、排卵の時期に分泌量がピークになります。

 女性らしさを象徴するエストロゲンは妊娠の準備のために骨量を蓄えて、いざという時に胎児に分け与えるための準備をするホルモンなのでしょう。

 妊娠を維持し骨を削って分け与えるためには、エストロゲンの働きが活発であっては困ります。

 更年期以後、エストロゲンが減ると骨の備蓄力も衰え、調節のために血液によって送り出されたカルシウムの一部は血管壁にへばりついて血中の脂質を取り込んで石灰化します。これが動脈硬化です。

 女性の妊娠とエストロゲンの関係、妊娠をする年齢を超えてエストロゲンの分泌が減少してからの骨粗鬆症と動脈硬化のことなど、今朝はまとめてみました。

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2010年7月 1日 (木)

人間それぞれのリズムが違う。

 乳児、青年、老人、それぞれ脈拍が違い血圧が違います。

 同じ年齢でも人間には個人差があります。

 一日を日中と夜間に分けて、大まかな体内時計は一致しているとしても、1秒の間隔はそれぞれ微妙に違います。

 南方で暮らす人々がおおらかなのは、高い気温による血管拡張がゆったりとした脈拍のリズムを作るからだろうと思います。

 メンタルの病気で指圧に来る方の中には、1日に2日分の仕事をしていたり、1人で2人分の仕事をしている方がいます。

 それができて“当たり前ではない”ことに気づいていない方は、どこからか詰まりが生じてきます。

 指圧は時計の刻む共通の時間と、個人の脈拍による時間の違いを記憶させる手技療法だとも言えます。

 自分本来の脈拍と呼吸のリズムを大きく変えずに生活ができれば、気持ちもおおらかになります。

 緊張の連続で脈が早くなれば、ストレスは肉体にも精神にも影響を及ぼします。

 指圧の時間は自然と腹式呼吸をする時間になります。

 寝ていて座禅をするようなもの、自分の脈拍と呼吸を取り戻す時間です。

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