« チリの落盤事故、Bトンネル掘削にあったた技術者の技。 | トップページ | 柔軟な思考が老化を防ぐ。 »

2010年10月19日 (火)

転倒、左殿部打撲挫傷の指圧。

 「1週間前、山をほとんど下りきった下り坂で転倒し、左殿部を打ったという60代の女性」、くしゃみをしても痛いということです。

 背中が丸くなって椅子に座ると、右のお尻に体重をかけています。

 左前頚部まで硬く緊張していることから、ぎっくり腰と言ってよいでしょう。

 座っているよりも歩いているほうが痛みが少ないということで、左腸骨を強く打ったようですが、仙腸関節のズレは問題にしなくてもよさそうです。

 転倒の衝撃による殿部の打撲と腸腰筋や骨盤内靭帯の挫傷が考えられ、股関節の外転で痛みが増強します。

 殿部の外側からわかる腫れはなく、1週間で症状は軽くなってきているということなので骨折も問題にしなくてよさそうです。

 しかし寝起きや伏臥位から仰臥位へなどの体位変換の痛がり方からすると、骨盤内にはちょっとした動きで刺激してしまうような傷口が開いているようです。

 靴が履けなくなったということで、左下半身をかばうために右大腿の前側と外側、右下腿前側は強い緊張があって、右ふくらはぎから足底はむくんで足が一周り大きくなっています。

 経験上、あと1週間は体位変換に痛みが伴いそうな状態です。

 このケースでは打撲と骨盤内の傷の回復を早める指圧をするのですから、全身指圧で誘導的に患部の血行促進をはかります。

 特に、痛みの影響で緊張している左頚部、丸くなった背部、左下半身をかばっている右下肢の緊張やむくみは、しっかりと指圧によって緩和しなければいけません。

 主訴によって二次的にできた緊張を放っておけば、やがて反対側に患部を作り主訴の回復も遅くなります。

 小さい範囲で丁寧な痛みを出さない股関節のストレッチをすることは、しっかりと支える必要があり体力がいりますが、とても重要です。

 クライアントにストレッチの方法とコツを教えるのはセラピストの役割です。

 指圧をする前は痛みを意識していなかった右下肢の緊張を自覚してもらったということだけでも、全身指圧の価値はあります。

 転倒打撲による外から骨盤内の衝撃ですから、仙腸関節を強く押し込むような手技はこのケースでは無意味です。

 地味で確実なワンタッチの積み重ねでしか、傷口を塞ぐ手立てはないのです。

 受傷後3日目くらいまでは患部を冷やして安静にしたり、湿布や服薬で鎮痛をはかるといいのですが、これくらいの状態まで回復すれば、指圧やウオーキング、ストレッチで全身の血行促進をしていく時期です。

 来た時は車の乗り降りも大変だったそうですが、指圧後は楽になったようで、とても喜んで御自分で車を運転して帰っていかれました。

|

« チリの落盤事故、Bトンネル掘削にあったた技術者の技。 | トップページ | 柔軟な思考が老化を防ぐ。 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 転倒、左殿部打撲挫傷の指圧。:

« チリの落盤事故、Bトンネル掘削にあったた技術者の技。 | トップページ | 柔軟な思考が老化を防ぐ。 »