« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月30日 (火)

大腸ステント治療。

 今朝の産経新聞で読んだのですが、癌などによる大腸の狭窄を解消するために「大腸ステント治療」という方法があるそうです。

 ステントとは形状記憶金属製の網状の筒のことで、高齢で開腹手術が適応でない患者さんには、これによって便の通りが良くなり、食事が摂れないなどの愁訴が緩和できます。

 ただし現在は保険適応がありません。

 また大腸のどこにでも置けるわけではなく、腸内に傷がついたというケースもあるようです。

 開腹手術後は人工肛門になることが多いので、手術の体への負担と大腸の機能の維持というメリットを考えると、もっと改良が進められて保険適応になると多くの人が助かります。

 できるだけ苦しみを味わうことなく、命を総決算していくことができたら、本人にも見守る周りの人間にも、ありがたいことだと思うのです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年11月29日 (月)

60代男性、右肩外旋痛。

 昨日はお休みでしたが、指圧の予約がありました。

 休みの日に指圧に来たいという方は不安を抱えているものです。

 予定より1時間ほど前に「早く行ってもいいか?」という電話があったので、これはいよいよ大事なのかなと思いました。

 主訴は右肩痛ですが、肩関節の屈曲(前方挙上)と外転では痛みがありません。ということは肩痛の症状の多くに見られる棘上筋(棘上筋腱)の問題ではなさそうだということがわかります。

 右肩外旋の動き(ピッチャーがオーバースローで振りかぶる動作など)で強い痛みが出ます。

 このことから、外旋筋である小円筋か棘下筋に問題がありそうなことがわかります。

 上着を脱ぐ時の痛みや、寝ていて痛みで起きることがあるのが苦痛だそうです。

 内転・内旋の痛みはないので、ゴルフはできるとのこと。

 椅子に座った姿勢は猫背で頭は肩より前にあり、おなかが出て、股関節が開いています。

 左膝痛もあるとのこと。これは以前整形外科に受診しても治らず、放っておいたら自然治癒したものが再発したようだということです。

 伏臥位の姿勢では、やはり右上肢を下げているのが楽です。

 肘を曲げて肩関節外転90°の姿勢をとらせれば肩関節は外旋してしまうから痛みを出させてしまいますね(こういうことがすぐにわからないとセラピストとしては残念なレベルです)。

 右肩甲骨外側の小円筋や肩甲骨上の棘下筋を肩関節に向かって指圧していっても痛みは再現されません。

 ということは関節下の傷か石灰化か、というようなことを頭に置いて全身指圧をしていきます。

 仰臥位大腿前側の指圧で胃腸に動きが出たので、この指圧は効いています。

 左下肢は短縮していましたが、指圧後牽引して伸びました。股関節外旋の姿勢と左大腿四頭筋の弱さが膝痛に影響しています。

 左膝は股関節と膝関節の全方向のストレッチができたので、大腿四頭筋を下肢伸展挙上のエクササイズで鍛えることで保存的な治療のみでいけそうです。

 全身指圧後、ジャケットを勢いよく着てしまったので痛みが出たようですが、来たときよりは相当マシになったようです。

 仰臥位で上腕をマットに密着させ外転30~45°程度で息を吐きながらゆっくりと小さく内旋・外旋を繰り返すストレッチとこの姿勢で前腕を回すストレッチを毎日するように覚えていただきました。

 指圧後は外転90°でもこのストレッチができました。

 痛みが強く傷が大きいと、外転角度が小さくなければこのストレッチはできません。

 意外と早く治るかもしれません。もしかしたら今朝には、それとも3日後くらいには…。そんな感じがしています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月28日 (日)

疲労回復物質“FR”。

 今朝のTBSテレビ『カラダのキモチ』では“癒し”に関与する疲労回復物質“FR”の数値の違いから、半身浴と全身浴ではどちらが“癒し効果が高いか?”という検証をしていました。

 “FR”は今年9月に研究発表されたばかりなのだそうです。

 セラピストの常識からすれば半身浴の癒し効果が高くなければ困るところでしたが、入浴後の血液中のFR値はやはり半身浴のほうが高くなりました。

 これは交感神経と副交感神経のバランスの問題です。

 全身浴でたくさん汗をかいた時の“心地良い疲れ”というような感覚は、実際に疲労を高めていることが検査結果からわかります。

 半身浴のもの足りないくらいの感覚が、疲労物質を増やさずに疲労回復物質を増やす目安です。

 期待して見ていたのですが、残念ながら強刺激のマッサージと弱い刺激のマッサージの比較はありませんでしたが、ここでも結果を比較すれば、当然強刺激のマッサージでは疲労を高めることになるのは明らかです。

 新たに疲れを溜めさせるようなマッサージに癒し効果はありません。

 しかし、何故こんな絶好の比較対象をはずしたのでしょうか?

 スポンサーの医療機器メーカー・テルモさんに、何か気を使う大人の事情でもあったのでしょうか?

 (例えばけっこう痛いマッサージ機を販売しているとか、激痛マッサージ屋を営業しているとか…)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月27日 (土)

電話で遠隔治療をしたことになるのかな?

 左手小指がばね指の女性から「今朝は左手親指もばね指のようで腫れぼったい。整形外科に行ったほうがいいか?」という電話がありました。

「 おそらく使い過ぎが原因ですから熱感があれば冷やして安静にすること、おそらく整形外科に行っても小指のばね指にしたような検査や治療をすることになるでしょう。

 小指がばね指なら、親指はそれ以上使ってきたはずです。冬の朝は関節が動きにくいので、引っ掛かりがあることはよくあります。

 寝ている間は動かさないから、むくんでいるだけかもしれない。それならば手を上にあげているだけでも症状はなくなってきます。」

 このような話をしているうちに、「腫れが引いてきた!」ということ。

 あちらはヒーラーの遠隔治療のような感じを受けたそうですが、心配が血管を収縮させ、末梢の血流を阻害することはよくあることです。

 今までに何度も指圧をしていますから、親指の状態はそこそこ想像がつきます。

 使い過ぎです。休めましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月26日 (金)

「骨が3つつぶれている」と笑いながら医者が言うのって…。

 お得意様の70代の女性が背中のX線検査をしました。

 おそらく常勤ではないたぶん経験の浅い医師は笑いながら「骨が3つつぶれている」と言ったそうです。

 それまでそんなこととは知らずに生活をしていたその女性は、翌日、翌々日と心配でご飯も食べられず、何だか腰が今までになく痛いような気がしてきて、3日目に院長先生に詳しい説明を聞きにいったそうです。

 院長先生は「これは注射で治しましょう」と仰ったそうです。

 そしてまだ心配で今度は私のところに指圧に来ました。

 何だか2つの違う外国語を通訳するみたいな気持ちになりましたが、院長先生のような対応をされていたら、笑って「骨が3つつぶれている」と言われる程の心配はしないですんだはずです。

 だいたい指圧をしていて体位変換が容易にできる人が“ひどい圧迫骨折”であることはありません。

 骨粗鬆症から圧迫骨折になったとしても、結局はどのように治していくかということを治療する側が決め、治療される側が納得することがなければ治療は進みません。

 この女性が「コツミが、コツミが…」と言うので何のことかと考えていたのですが、察するにそれは「骨密度」のことだろうと思います。

 病院という密閉された空間で受動的に聞こえてきた言葉が「コツミ」です。

 医師や看護師の方も、もちろんわれわれも、カツゼツの悪い、語尾のはっきりしない話し方をしていては正しい言葉が伝わりませんね。

 指圧は診断即治療なので、その間に検査機器を使った検査はありません。

 だから指圧では検査はブラックボックスに入れて、( )でくくっておけばいいのです。

 「検査でそうであれば骨はつぶれているかもしれない、それでも少し圧縮されたくらいだ、何故なら歩いて来たし、体位変換や寝起きもできる」、これでいいんです。

 「骨が3つつぶれていると言われた夜に、よっぽど先生に電話で聞こうかと思ったよ。先生が休みの日だったから悪いと思って…」

 皆さんに気を使っていただいてありがたく思っていますが、面白いことも突然の深刻な電話では言えないかもしれませんが、たぶん始めは少し不機嫌な声になると思いますが、「これは何かうまいことを言っておいたほうがいい」と思えば言いますので、あまりにも心配なら少しはお役に立てると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月25日 (木)

リンパ管からの回収は約10%

 細胞に酸素と栄養を供給した動脈血のほとんどは静脈から心臓に還され、リンパ管から回収される血液の液成分は約10%です。

 細胞間に血液の液成分(組織液)が過剰に滞留している状態を水腫といいますが、ほとんどは静脈から回収されることになります。

 皮下静脈に浅リンパ管が伴行し、深リンパ管も静脈に沿っているので、リンパマッサージというのは実は静脈マッサージが主なのでしょう。

 細胞間を組織液が満たしていて正常です。

 余分を排出すればいいだけなので、皮下組織にまで漏れ出した「浮腫」や水腫の分だけマッサージすればいいと考えると、ゴリゴリ圧したりギリギリ絞らなくていいのだとわかります。

 それでもどうしても絞るというのであれば、それはほうれん草を茹でた後に水分を絞り過ぎた時のようなことになります(ほうれん草はグチャグチャに繊維が破壊されますね)。

 1時間ぬるい温泉に使った時のような施術ができれば、力を入れなくてもむくみは非常によく緩和されます。

 筋肉に収縮と弛緩を繰り返させてそれが気持ち良ければ、心臓から出た血液は1分で心臓に戻るので、腎臓は盛んに尿を作ります。

 皮下静脈は見えているので、そんなに深く強く刺激しなくても、浮腫や水腫の余分な血液の液成分は、気持ちの良いタッチをすれば心臓に還っていきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月24日 (水)

セラピストがセルフメンテナンスをする時に、膝を回すことは忘れがちかも。

 肩痛、腰痛、膝痛など、指圧に訪れる方たちは関節可動域制限のある場合が多いので、指圧に不随して行うストレッチの屈曲・伸展・回転・回旋の動きには慎重になります。

 リハビリ的なストレッチをすることが多いので、つい自分のストレッチも丁寧な動かし方をするものを選択しています。

 今朝は右膝の突っ張り感がありました。

 「そういえばしばらく膝を回していなかったなぁ」と思いました。

 立位で軽く体幹を前屈させて両膝の内側を合わせ、膝に手を置いて回す運動です。

 走る前には膝を回して屈伸をしてという感じになるのでしょうが、使い過ぎれば変形性膝関節症の発症を早めるだろうと思い走らないので、膝を回すことはすっかり忘れていました。

 私の指圧では伏臥位下肢の指圧の終わりの股関節のストレッチで膝関節にもストレッチがかかりますし、仰臥位下肢前側の基本指圧では膝蓋骨周囲の指圧の後に膝蓋骨のストレッチを行っています。

 毎日指圧でお客様にはしているのに、自分のストレッチでは見逃しがあったのだと思いました。

 ヨガや治療的ストレッチで膝を回すという動きを見たことがないので、意外とセラピストは自分自身の膝を回すことを忘れているかもしれないと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月23日 (火)

旦那様の頻尿の相談。

 指圧にいらした女性から旦那様の頻尿についての相談を受けました。

 旦那様は前立腺肥大症があり、病院でも薬を処方されているとのことです。

 就寝後にトイレに3回くらい起きるということですが、これは日中の身体活動とも関係があると思いました。

 仕事が営業で1日に車で100kmくらい移動するということですから、長時間の座位姿勢で下肢にはむくみがあるだろうと思われます。

 就寝後、重力から解放されて下肢のむくみが心臓に還りやすくなり、リラックスして腎機能も活発になるのでしょう。

 お茶もお酒も大好き就寝前に飲んでいるということなので、利尿作用を活発にしたくなければこの習慣は改善すべきです。

 お医者様からも言われているようですが、“トイレの場所がわかっていない所に行くのが不安”と思ってしまうようでは気にし過ぎです。

 「商談の途中にトイレに行くようだと困る」というような考えが強いので、「トイレに行きたくなったら行けばいい」と楽に考えられるようになると、緊張によって尿意のスイッチがONになってしまうようなことも少なくなります。

 具体的な改善策としては、むくみを日中の身体活動で減らしておくことです。

 おそらく省エネな体の使い方になっているので、大股+速足で1駅くらい手前の駅で電車を降りてウォーキングする習慣をつけると体は徐々に変わっていきます。

 老化とは様々な詰まりが生まれて、今まで当たり前にできたことが難しくなっていくことです。

 人間は毎日老化していきます。

 筋肉を使わなければ静脈血やリンパは停滞し、皮下に血液の液成分や老廃物が漏れ出してむくみます。

 むくみは細胞の糞尿のようなものです。

 処理できなければ体は錆びついていきます。

 毎日の運動と関節可動域を確保するためのストレッチは全ての人に必要、例外はいません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月22日 (月)

安藤美姫さんのテーピングから推察できること。

 フィギアスケートGPロシア杯のショートプログラムで5位だった安藤美姫さんが、フリーで逆転して1位となりました。

 左腰背部のテーピングは大会前に傷めた腰痛のためで、腰痛を抱えての演技でよく逆転の高得点が出せたものだと驚きました。

 フィギアスケートの演技で行う回転は左回転ですから、脊柱を左に回旋させる動きが非常に多くなります。

 ということは左腸腰筋よりも肩甲骨以下の左脊柱起立筋の負担が大きくなります。

 フリーの演技終了後に腰を丸めていたのは脊柱起立筋をストレッチする動作です。

 今の安藤さんの体をメンテナンスするとすれば、椎骨や靭帯の損傷も頭に入れておく必要があります。

 指圧をする場合は、左腰背部の脊柱起立筋に対して1・2・3と体重の漸増漸減をするようなマニュアルの指圧から始めてはいけません。

 回旋させたり反る演技がフィギアスケートの特徴です。

 背筋の使い過ぎによる筋肉の断裂を考えて、手掌によるソフトタッチから始めます。

 患部が限定できれば仙部骨から後頚部までの脊柱起立筋上で痛みのない部位に軽圧の指圧をして、誘導作用による血行促進をはかります。

 ストレッチも痛みの出ない範囲内で、可動域の拡がる限界を見極めて行います。

 スケート場は冷えますから、なかなか治りにくいと思います。

 世界各地を転戦していくという試合スタイルなので、長時間の移動も腰や背筋の負担です。

 コンディションも悪い中で逆転1位というのは、並みの努力ではないのだろうと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月21日 (日)

伏臥位指圧の頚の向き。殺法と活法の違い。

 柔道で仰向けの相手を押さえこむ時に、片方の肩を決めただけでは下半身と脊柱の回旋で逃げられてしまいます。

 左肩を決めてから、頚を右に回旋させて押さえつければ、下半身を動かすことはできても脊柱の回旋ができなくなるので逃げることは難しくなります。

 これが殺法としての押さえ込みです。

 指圧は活法ですから、伏臥位の指圧で左上半身を指圧する時に頚を左に回旋させます。

 指圧をする側に頚を向けることができれば、脊柱の自由度が失われませんから、お客様に余計な緊張をさせずに指圧をすることができます。

 逮捕術では、伏臥位で相手を押さえ込んでから腕を逆手に取ってねじ上げる時に、取った腕と反対側に頚を回旋させますね。

 だから逃げようとしても動きを封じられて手錠がかけられるのです。

 伏臥位の指圧の時に、寝違えなどで頚を回旋することができなければ、額枕におでこをつけて頚を回旋させないようにします。

 左半身を指圧する時に頚を右に向けられたら、殺されると思って逃げてください。

 おそらくその施術者は何もわかっていません。

 1人用のマッサージベッドに2人乗りしてきて、マウントポジションでガンガン痛めつけられてしまうかもしれません。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月20日 (土)

書道と指圧道。

 80才になる女性の書道の先生が指圧にいらして、「生徒が書道で金賞をとれるように指導している」と仰います。

 「書道で金賞をとるにはどうしたらいいのですか?」と尋ねると、「お手本どおりに書けばよい」とのこと。

 ウチに指圧を受けに来るくらいですから、“人間は皆個性があってマニュアルどおりになんかいかない”ことは心得ている御方、審査には不満もあるようですが、指導のプロとしてお手本に近づける細かい技術を教えているようです。

 例えば右肩上がりに字を書く生徒には、紙と正対するよりは体をやや右に向けることで筆の角度を調整したり、筆圧や膝の間隔なども調整ポイントになるということです。

 そういうところは指圧の指導とも似ています。

 撫で肩の人に指圧をする時と、いかり肩の人に指圧をする時とでは母指の指紋部があたる角度が違ってきますから、膝や足の着地の角度が変わったり、四指の着地部位が変わってきます。

 書の筆圧は指圧と同じように指力に頼って紙を破ることがあってはいけないわけですから、体の力を抜いて重力や慣性の法則を利用しないと、ギザギザとした見苦しい作品になってしまいます。

 指圧と似ていますね。

 型に近づけていくにも個性に合った指導がなければ中途半端で終わってしまいます。

 マニュアルを覚えて模倣するだけの段階でも、優秀な指導者との出会いがなければなかなかスタートラインにエントリーできるレベルまでには達しないものです。

 模倣し、基礎ができて、一生探求し続けるものである事に気づいた時に、書が書道になり、指圧が指圧道になります。

 面白くて価値があってそこには歴史や哲学や人生が凝縮されていることに気づけば、それは道になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月19日 (金)

催眠商法で温熱治療器を販売した会社が3ヶ月の営業停止に。

 催眠商法で温熱治療器を24~26万円で販売した会社が、3ヶ月の営業停止処分を受けました。

 無料の品をプレゼントしてから、“癌に効く”などと謳って商品を販売していたようでう。

 3ヶ月の営業停止期間というのは刑罰として重いのか、軽いのか、営業停止期間が終わればまた同じ営業を再開するのか、私にはよくわかりません。

 温熱治療器は温める器械ですから、部分的な血行促進はできます。

 整形外科や接骨院に行った方が“電気をあててもいいのはその時だけだ”というのも、末梢の患部を温めるだけだと、詰まりの原因の根本的な治療にはならないということに問題があります。

 ばね指なら頚椎からたどっていくようですし、坐骨神経痛の足のしびれは腰椎と仙骨からたどっていかなければなりません。

 一般の高齢者の方が頚椎→鎖骨周囲→腋窩→肘→手関節と、温熱治療器を自分で使う体の柔軟性を獲得しているということはまずありません。

 そんな柔軟性があれば温熱治療器は必要ありませんし、それができれば医学的な知識もかなりあると思うので、そもそも“癌にも効く”などといううっすらとした催眠にはかからないでしょう。

 部分を温めることは何もしないよりはマシです。

 手が冷たいなら手袋をしたりカイロを貼ったりすれば温まります。

 しかし先週くらいから多い手のしびれは、寒くて猫背になり頚をすくめて肩が上がり、肩関節内転内旋で手仕事をしていれば、これだけでも僧帽筋、胸鎖乳突筋、鎖骨周囲、大胸筋、腋窩(肩甲下筋)などの緊張を緩めていく必要があります。

 こたつに入ってテレビをずっと見ていれば腰の筋肉もこり、上腕三頭筋のむくみや背部や下肢のむくみが生まれます。

 手先、足先を温めることや、手足のツボ指圧は何もしないよりは確実に効果があります。

 しかし足裏をどんなに長い時間指圧しても、膝関節や股関節に詰まりがあれば、奇跡のような物語は作れない、少なくとも科学的な宝探しの方法ではありません。

 指圧もアロマテラピーも科学ですから、声の大きな人に従えばいいというようなわけにはいかず、ワンタッチずつ検証しながらコツコツと正解に近づいていく作業をしていくのです。

 浅い深い、表から裏を感じる、足を診て下肢全体を診て体全体を診る、生身の人間は3Dです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月18日 (木)

足趾趾紋部のしわ→2枚履き靴下の圧痕。

 80代女性、主訴は足の冷え、足趾は長湯をした後のようにしわしわです。

 今までの指圧ではこんな足趾ではありませんでした。

 ふくらはぎのむくみもあるので、膝を伸ばして足趾趾紋部に体重を乗せる動きがないからむくみ、足が冷えることはわかります。

 手指は温かいし、腰痛も今日はありません。

 全身指圧を終えて靴下を履く時に足趾がしわしわの理由がわかりました。

 厚手の靴下の上にバレエシューズ型のオーバーソックスを履いていて、締め付けがきついようで、足趾関節は窮屈に曲がっていました。

 ウチでは靴下を履いているのも脱ぐのも受け手の好きなようにしていただければいいので、素足で指圧を受ける方の場合はどんな靴下を履いているか見ておかないとわからないこともあります。

 中には靴下3枚履きのツワモノもいますから、それが血行を妨げて冷えやむくみを作っているようであれば、緩めのオーバーソックスに換えるなどのアドバイスをしなければいけません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月17日 (水)

小学生女子、休日の下痢。

 「朝起きる時にめまいがした。右手(右上肢)がしびれる」という40代の女性が指圧にいらっしゃいました。

 右の頚の付け根、肩上部僧帽筋がこっていて、しびれの原因は右手の使い過ぎです。

 頭が肩の上に乗るように脊柱を矯正する指圧をしてから、斜角筋隙から鎖骨周囲、腋窩と、腕神経叢に沿って右手指先まで緩めていき、右上肢のしびれは解消しました。

朝のめまいも、寒い朝だったので一過性の起立性低血圧だったようです。

 日曜日に久々に自転車で遠出したようですが、右大腿四頭筋の外側広筋が軽くこっている程度です。

 右大腿外側広筋がこるということは、股関節が外側にやや開いていたことがわかります。

 股関節を開かずに大腿直筋のこりが残るよりは、アップダウンの多いコースだったようですから、省エネの体の使い方ができて疲労は少なくてすんだようです。

 短時間で運動量を増やしたい思えば別ですが、左下肢は回転させているだけでほとんど緊張させない右下肢主動のこんな運動でも、全体的に筋肉はついてきます。

 指圧中おなかも良く動いて、右肩もリラックスできました。

 このよくおなかの動くお母さんと違って、小学生の娘さんは家にいる時に下痢になることが多いとか…。

 これは片頭痛と同じで、週末のストレスからの急激な解放が副交感神経を過剰に優位にさせて、腸管運動が必要以上に亢進した結果なのでしょう。 

 「学校では“外面良し子”になって頑張ってお勤めしてくるのでしょう。これが反対に学校でリラックスするような家庭なら問題です」とお話ししました。

 子供は集団の中で様々な細菌に触れ、免疫を獲得していきます。

 抗生物質を服用する機会があれば、腸内善玉菌の環境整備を再構築していかなければなりません。

 初めて経験することばかりで、外では緊張し、家ではリラックスし、時には家でリラックスし過ぎて頭が痛くなったり、体がだるくなったり、眠かったり、下痢をしたりします。

 これはお母さんを安心させるためのトークです。これがあって、お母さんの体もさらに緩みます。

 娘さんの腹部の掌圧法や“天枢”“大巨”などの臍の周囲のツボも、お母さん自身の体で感じていただきました。

 家に帰って指圧していただければ、今日の指圧は二人分の効果があります。

 最近の事件などからすると、リラックスできない家庭環境で育つ子供もたくさんいるようですね…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月16日 (火)

激痛エステとドメスティックバイオレンスを容認する受け手の心理。

 「エステ 内出血 青痣」、これらの言葉で検索すると、ほとんど当然のように「そういうものができることもある」という内容が書かれています。

 中には「それは細胞痛です」などと、聞き慣れない言い訳が書かれていたりします。

 「太ったのはあなたの過ち(あやまち)だから、あなたのために激痩せさせてあげているのよ。血管が潰れたりするのはあなたの体に問題があるのよ」とでも言わんばかりの“青アザ上等!毘沙門天参上!”的な、ガード下の落書きみたいな文章です。

 激痛でも激痩せすればいいという受け手の心理は、ドメスティックバイオレンスの被害者が暴力を受けた後に抱きしめられて“悪いのは私だから”と思ってしまう心理と似ています。

 激痛エステの施術が終わってホッとした時に優しい言葉をかけられると、被害者意識はなくなり、“我慢してもっと暴力を受けよう。悪いのは私だから”と思うのかもしれません。

 内出血して青痣ができれば、動脈からの栄養補給も静脈やリンパからの老廃物の排出も停滞して、老化が進みます。

 外見の無理なスリム化は内面と吊り合わず、良い年齢の重ね方をした方から滲み出す安定した外見と比べると、往々にして危うい若作りということになります。

 気持ちの良い刺激のタッチで徐々にスリムになっていった体と、激痛エステでスリムになった体では施術を受けている間の生活の質も健康も、その後の生活の質も健康も違います。

 大きく変えればリバウンドする、強い薬には副作用がある、これが健康の常識です。

 体の内面から湧き上がる声に耳を傾ければいいのに、そういう声に気づくこともなく忙しく時を過ごしている人がほとんどなのでしょう。

 そりぁあ細胞だって殺される時には悲鳴を上げます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月15日 (月)

妊娠中の横臥位の睡眠で手のしびれ。

 30代女性、前回は悪阻(つわり)で「気持ちが悪い」と指圧に来て、帰りには「気持ちが良くなったから」と飛び起きて帰っていった方が、今回は「手がしびれる。脳梗塞ではないか」と指圧にいらっしゃいました。

 妊娠5ヶ月目に入り、あれから悪阻はなくなったそうで、頭痛もなく、頚から上のむくみもないので脳梗塞の心配はありません。

 「一番楽な姿勢をとってください」と言うと、左横臥位(左半身が下)の姿勢をとりました。

 右手のしびれもありますが、手が握れないほどしびれているのは左手です。

 なるほど、まず普段この姿勢が長いので、左腋の下から左手指の血行が体重による圧迫によって悪くなっています。

 高さのある膝当てクッションを抱きかかえてもらい、両膝の間にも低めのクッションを挟んでもらって指圧を始めます。

 頚は比較的柔らかく、おなかに引っ張られて背中は丸くなっています。

 上半身のむくみは問題にしなくていい程度で、下半身のむくみも前回よりもかなりましです。

 指圧中、今まで2階の和室で寝ていたのを、トイレが近くなって夜中に起きるので1階のフローリングに布団を引いて寝るように変えたことがわかりました。

 どんな症状にも原因はあるものです。

 本人がそこに原因があるとは思っていないちょっとしたことが、実は体を我慢させているということが多いので、われわれがそれに気づいて、本人にも納得させることが大切です。

 抱き枕、置き畳やマットレスなど、体重を柔らかく支えるサポートグッズが必要です。

 横臥位の終わりでトイレに行き、その後はトイレに行かなかったで、前回ほどのむくみはなくなっていることがトイレの回数からもわかります。

 仰臥位で左腋窩から肩甲骨内側の肩甲下筋を指圧すると、ツボをとらえた“かかなり効いている感じ”があるということでした。

 肘頭尺側の肘部管にも神経を詰めた感じの圧痛があり、手関節や中手骨間にも圧痛を感じたようです。

 つまり横臥位で上肢に体重がかかり、フローリングの硬さも手伝って、正座で足がしびれたようになっていたということです。

 毎日のことなので慢性化し、上肢の筋肉は硬く緊張していました。

 左右の上肢の筋肉が緩んで手が握れるようになると、胃腸も動き出しました。

 右下腹部に手掌をあてて「今日はおとなしかったね。寝てるかな」と言うと、産婦人科のエコー検査でも右下腹部を診ているとのこと、微妙な振動があるので妊婦さんのおなかに触れて経験を積めば何となくわかるようになります。

 「ドンキホーテにこれから抱き枕を買いに行ってこようかな」と言って車を運転して帰ったので、脳梗塞などではありません。順調です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月14日 (日)

入浴とストレッチで急性腰痛が悪化したケース。

 『20代女性、15kgの子供を連れて、4ℓの水の容器を2つ抱え、3階のマンションの家まで階段を上がる時には、腰痛を感じていました。

 子供とぬるい温度のお風呂で長めの入浴をすれば治るだろうと(これはいつも私が彼女に言っていることです)入浴し、入浴後腰痛が悪化したので、ストレッチをしたらさらに腰が痛くなりました。

 夜中にトイレに起きる時には、腰が痛くて這いつくばってやっと起き上がるありさまで、翌朝の指圧となりました。』

 このケースでは、(問診と指圧をしながらわかってきたことですが)入浴前から左腸腰筋に傷ができていて出血があったのだろうと考えられます。

 入浴で血行が促進されて充血し、傷口が拡がってしまったようです。

 腸腰筋のストレッチは伏臥位の下肢伸展後方挙上ですが、一般的な座位下肢伸展体幹前屈のようなストレッチをしてしまうと腸腰筋にはエクササイズとなり、筋肉が短縮から伸展、血管が収縮から拡張と刺激されて傷口を拡げてしまうことになります。

 また傷があれば伸展痛もあるので、この場合にはストレッチは不適切で、安静にして冷やすのが最良の選択でした。

 しかし、温めれば治りそうな感じがあって入浴したわけですから、これが傷口の開いていない腰痛ならこの方法でも腰痛は緩和するはずなので、今回の選択は難しかったと思います。

 さて、ぎっくり腰の1日目ですから、腰痛を緩和できる自信がなければ断ってください。

 私も電話では冷やして安静にするという選択肢を与えた上で、「明日は七五三なのでどうしても指圧してほしい」と言われて指圧をすることにしました。

 まずは体全体のむくみと手指の冷えが尋常ではない感じです。

 脊柱がやや左に側屈し、右手を使うために左腰を短縮させるパターンです。

 座位の触診で脊柱起立筋に軽く触れて、今感じている痛みを再現しなければほとんどは腸腰筋の問題です。

 左第4腰椎の付近の腸腰筋に傷があると診ました。

 ぎっくり腰発症24時間以内する指圧で、患部付近の強圧はあり得ません。

 まず気持ちの良い刺激で副交感神経を優位にして、腎機能を活発にさせ、むくみを排出します。

 仰臥位のおなかの指圧から始めます。“腰痛はおなかから”です。この姿勢では右肩が少し浮いています(こういうところをちゃんとチェックしておきましょう)。

 下肢前側の指圧の途中でトイレに行き、胃腸も大きな音を立てて動き始めました。

 右手を使うために股関節が外転外旋し、安定のためにかかと体重になって体幹が軽く前屈し、腰痛になるのが一般的です。

 仰臥位股関節内転内旋のストレッチは矯正方向になるので、必ず痛みを伴いますから慎重に小さく動かします。

 股関節の屈曲のストレッチも曲げる方向に慎重になるだけでなく、降ろす時にも伸展痛があるので、最後の着地まで足首とかかとをしっかりと持ってサポートします。

 手指の冷えも温めてあげることです。腋窩から指先まで指圧で血行促進していき、最終的には包み込んでもいい、両手掌で擦って摩擦熱でもいいい、あるべき体の状態に戻せばいいのです。

 横臥位(指圧の姿勢は受け手の選択に任せましょう)の途中でもトイレに行き、指圧後、起き上がることもかなり楽にできるようになりました。

 今日は着物を着て神社に七五三の御参りです。

 おそらく無事こなせるでしょう、帯はコルセットになります。

 前にも指圧でぎっくり腰が治った感じを持つ方を断ることはできないので、そういう方には指圧をしますが、下肢の重みを支えたり、いつもよりも時間をかけて丁寧に指圧をするしかないので、とても大変であることは確かです。

 でも勉強にはなります。ぎっくり腰を引き受けることでリアルな痛みの対処法と格闘し、マニュアルのタッチでは歯が立たないことを思い知らされておくのは大切です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月13日 (土)

体の60%は水分、水を圧すということ。

 こりと力でぶつかれば、息を止めて一瞬のミートポイントでぶつかり、後は坂を転々と下っていくようなものです。

 ミートポイントでの持続圧は続かず、ギザギザと押し込んでいく不快な圧刺激になります。

 大人の体の60%は水分です。

 人間の体は、通気性のある皮の袋に水を溜めているようなものです。

 水を圧すにはどうしたらいいでしょうか?

 広い面積で密着してとらえ、息を吐きながら重力にまかせて沈めていけばいいのです。

 体を硬いものとしてとらえれば、弾き返されます。

 60%の水を感じて圧をかけていけば、背中から腹部まで圧刺激は浸透します。

 むくみへのタッチとは、水をとらえることです。

 こりの表面やその奥にもまた水があります。

 それがイメージできなければ、いつまでも息を詰めて力でぶつかり続け、ただ弾き返されるだけのことです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月12日 (金)

バスクリン タンカンの香り

 バスクリンから「タンカンの香り」が発売されました。

 タンカンは奄美大島や沖縄で栽培されていて、学名もCitrus tankanなのですね。

 グレープフルーツとタンジェリンの中間くらいの香りで、とても爽やかな良い香りです。

 香りの世界を探求していくと、柑橘系のいろいろな香りを知って使い分けるということが、課題としてあると思います。

 ツムラからバスクリンの事業部が独立して、老舗だけになかなか良いポイントをついてくると思いました。

 最近いただいた入浴剤にオーガニックを謳ったレモングラスの香りのものがあったのですが、内容はバスソルトと精油とキャリアオイルというようなものではなく、あれこれ添加されており、パルマローザとレモンも入って誤魔化された感じもあり、ショウブ根まで入って、“長い葉っぱ祭り”でもしたかったのかと思うような残念な香りでした。

 バスクリンってシアバターが入っていたり、お茶を使ってみたり、中途半端なオーガニックの入浴剤よりは、良いものがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月11日 (木)

「ケイヒ」?

 FMラジオの番組でローズウォーターを紹介するコーナーがあって、たぶんエステの先生なのだろうという女性が、いろいろな効能を話していました。

 その中で「ケイヒ…」と言う言葉が私には「桂皮」と聞こえました。

 何でこの話しの流れでシナモンが出てくるのかよくよく考えてみると「経皮」のことで、皮膚からの吸収のことを言っていたわけです。

 話し方のトーンの暗さやイントネーションの問題もあると思いますが、御自分はわかっているのでしょうけれどわかりやすい説明にはなっていないので、「経皮吸収」のイメージと結びつかなかったのです。

 経皮と言う言葉が日常の会話にいきなり出てくることはまずありません。

 医師、アロマセラピスト、エステティシャン…、「経皮」という言葉を使う職種は限られています。

 ラジオから言葉として聞こえてきた時に、わかりにくい言葉なのだなぁと思いました。

 言葉の前後の繋げ方や言い方の問題なのですが、あんな説明にはならないようにしようと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月10日 (水)

冷たい風が吹く直前に予約の電話が続く。

 昨日は昼頃まで暖かい陽気でした。

 午後1時を過ぎた頃から雲が増えて、2時頃からは指圧の予約の電話が続きました。

 その後、冷たい風が吹き始めて、たくさんの枯葉が庭で踊りました。

 電話は左肘複雑骨折の女性と腰痛と左脇腹痛の女性でした。天候の変化の予兆が体調の変化として現れたのでしょう。

 痛みを抱えた体が天候の変化に敏感に反応するのは、センサーの感度が高まっているからなのでしょう。

 悪くなる前にケアしておこうと強く体が希望するようです。

 こういう時は比較的難しい指圧にならないことが多いようです。

 人間の体の中に常駐するセラピストが私のタッチに協力してくれます。

 「このままでは悪くなるかもしれない」という不安をメンテナンスをしたと言う安心感が払拭してくれるので、とても血行が良くなります。

 複雑骨折の女性の左上肢は、指圧を終えると右と変らないくらいの安定感で伸びていました。

 腰痛と左脇腹痛の女性は、内臓が上がって腸の動きがスムーズになり、指圧後には「命を助けていただきました」とまで言ってくださいました。

 今回は決して難しい状態ではありませんでした。

 血行を良くしてリラックスさせることさえできればおなかは動くだろうと、始めから思える状態でした。

 気候の変化を予測できる体は、指圧をしなければどれだけ悪くなったかということも予測できるのでしょう。

 「命を…」という言葉は過分に思いますが、軽い腸閉塞のような状態ではあったようです。

 どなたかが安心のために期待しているかと思うと、予約のない時間でも急に天気の悪くなった日はドキドキします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 9日 (火)

椎間板へルニア→卵巣のう胞+子宮筋腫+便秘…。

 10年前に第3~4腰椎間の椎間板ヘルニアの既往症がある20代女性、主訴は寝ていて頚が痛くなったということですが、いわゆる寝違えではないようです。

 頚椎から腰椎までの脊柱の前弯、後弯のメリハリに乏しく、ストレートバックボーンとでも言うべき状態です。

 幼稚園教諭をしているということで、園児を抱きかかえる動作や前屈みの動作が多く、肩関節を伸展(後方挙上)することがほとんどないようで、肩から上腕、肩甲骨周囲には贅肉が溜まっています。

 バスケットボールの練習をやめてから肩の周りに贅肉が溜まりだしたようで、僧帽筋そのものは細いのに、肩幅が非常に広く見えます。

 膝を寄せたわりには足が外側に着地する内反膝も気になりました。

 慢性的な肩こりと下剤を飲まなければ1週間も滞る便秘、卵巣のう胞、子宮筋腫、子宮内膜症もあります。

 多愁訴ではありますが、脊柱の湾曲を改善し、肩周りの贅肉を落とすエクササイズをしていくことで、体が良い方向に向かうケースです。

 腰椎椎間板ヘルニア以降、腰の周囲の血行不良が続き、痛みをかばうために姿勢も悪くなって、様々な症状が生まれてきたようです。

 本人は足の冷えを感じていますが、指圧をしていくと末梢の冷えはなく、問題にすべきは玄関で見た履物、わらじです。

 幼稚園教育の方針の一つのようです。足の冷えに関しては動脈血の停滞を考えなくてよいと思いました。

 左股関節が硬く、ここはストレッチが必要、内反膝は多少変形があるかもしれませんが、本人の意識で改善できそうです。

 伏臥位から仰臥位に移り、大腿前側の指圧でおなかが動いたので、ここまでの指圧でリラックスできていると考えてよいでしょう。

 手指の冷たさは肩周りの運動不足と贅肉に原因があると思います。

 2つの便秘のツボ、示指中手骨側面の「合谷」と手関節掌側で尺側の「神門」の指圧では腸が動いたので、自分でも圧すようにポイントを教えておきました。

 下腹部はやや硬いと感じましたが、手術をせずに保存的な治療でもいけるのではないかと思える感触でした(指圧を続けているうちに子宮筋腫が消えていたという女性のおなかと同じくらいの硬さです)。

 全身指圧後、ずいぶんスッキリとした様子だったので、今朝は快便ではないかと期待しています。

 脊柱の弯曲の改善は毎日意識することが必要です。

 彼女にはやはり後ろの意識をすること、つまり腕を後ろに振って歩くことや、後ろに残して爪先で蹴る足の意識を持つことで、体は変っていくと思います。

 ダンベル体操などで、肩周りの贅肉を落として筋肉を強化すれば慢性的な肩こりも緩和され、必ずバストアップします。

 女性には胸が大きいことがコンプレックスだと言う方もいますが、逆の悩みを持つ女性が多い中、何とももったいない話だと思います。

 どうやら彼女はナイスバディ希望のようですから、イマドキの(長過ぎるのではないかと思える)付けまつ毛もあるので、幼稚園児に益々人気の先生になると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 8日 (月)

「…自分で考えなきゃ」 ジョン・レノンの言葉。

 「ぼくがこれまでどうやってきたかは教えられるけど きみがこれからどうするかは自分で考えなきゃ」

 これはジョン・レノンの言葉です。

 時々その通りだと思う言葉に出会って共感したり励まされたりしますが、閉館したジョン・レノン・ミュージアムの最後のコーナーのアクリル板に書かれていたであろう言葉を新聞記事の中で見つけて、先週は何度も頭の中で繰り返していました。

 あれは良い博物館でした。

 真似だけでは自分の仕事にならないということです。

 もう二度と会えない人のとても素敵なハートを受け継いで、それでも自分の頭と体からアウトプットしていくしかありません。

 自分で考えなきゃ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 7日 (日)

頭痛を治すには下半身の筋肉を動かす。

 頭痛の時に、後頭骨下端際で後頚部の頭痛のツボ、『天柱』『風池』『完骨』(頭半棘筋外縁から乳様突起間の3点)を指圧すると効いている感じ、あるいはツボをとらえた感じがあると思います。

 しかし、ほとんどはそこを圧し続けても頭痛は治りません。

 どうしてでしょう?

 筋緊張性頭痛に限定して考えなくても当てはまると思いますが、頭痛の原因はデスクワークで頭の位置が肩より前に傾いたり、高所作業で後ろに傾いたりして頚や肩がこり、頭部への血流が悪化して起こるものがかなりの割合を占めます。

 『天柱』『風池』『完骨』は頭の重さがかかるので隙間が詰まりやすい部位ですが、筋肉の緊張はもっと広範囲に腰までは及んでいます。

 さらに腰まで緊張を追って緩めていっても、まだ頭痛はスッキリ解消しません。

 何故ならば頭痛の原因となった作業姿勢は、パソコンを見つめていたり、高所作業で上を見ていたりするので、下半身は長時間同じ姿勢で止まっていて、筋肉がほとんど使われておらず、心臓に還るべき血液が血行不良の状態にあるからです。

 頭痛の時に頭痛薬を飲んでからでもいいですから、ゆったりと深い呼吸をしながら歩いてみると、早く頭痛が治る人が多いと思います。

 歩き始めは少し不快な感じがあると思いますが、歩いているうちに『歩くのを止めたくない』という気持ちが生まれていることに気づくと思います。

 下半身の筋肉を使うことで、全身の血流のバランスが改善されて、数点のツボを圧し続けるよりも効果があります。

 ですから指圧やマッサージでは痛みのある頭部に近い部位の強刺激よりも、使わなかった下半身を運動させるように刺激することに意味があるのです。

 私は全身指圧しかしないので、当然『天柱』などのツボも指圧しますが、使い過ぎでこった部位は軽擦に準じた気持ちの良い刺激、使われずにむくんでいるような部位にはしっかりとした圧刺激を加えれば全て気持ちの良いタッチになります。

 ちなみに、頭痛のお客様に例えば『天柱』を圧して「気持ちいい」と喜んでいただいた時、私は必ず同じ所を繰り返します。サービス業ですから。

 ただし、2回目以降は“より力を抜いていく”ことがテクニックだと思っています。

 圧して“気持ちいい”と言われた部位に同じ力で圧していけば必ず過剰刺激になります。

 このあたりが経験を積まないと本心からは信じ切れないタッチの難しいところだと思いますが…。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 6日 (土)

片頭痛の治療薬は効いても片頭痛の予防薬は効かないというケース。

 片頭痛持ちの女性が指圧にいらっしゃって、「片頭痛の治療薬はよく効くのに、片頭痛の予防薬は効かないので大量に余ってしまう」と仰います。

 片頭痛の治療薬は神経を圧迫している拡張した血管を収縮させますが、片頭痛の予防薬は血行を良くして血管を拡張させておく薬です。

 おそらく普段血圧が高くない人には、片頭痛の予防薬が効かないケースもあるのでしょう。

 だとすると血管にストレスがかかるのは急なことなので、頭痛日記をつけて行動を分析してみれば片頭痛のきっかけを見つけることができると思います。

 今回は夜間の体操教室から10時頃帰宅し、就寝後の1時過ぎに片頭痛で目覚めています。

 片頭痛の治療薬マグサルトを服用後には片頭痛が治まったということですから、この寒くなった時期の夜間の体操教室は自律神経の乱れを生じさせ、交感神経が優位のまま就寝したことで、血管の収縮から一部の血管の拡張が起こったのでしょう。

 枕の高さが合っていなければ、頚から肩にかけての血管が収縮して脳への血流が阻害され、心臓に還る血液の停滞も起こって血管が拡張して片頭痛になることがあるかもしれません。

 繊細な人ほどストレスには敏感です。ストレスが限界を超えると、急にストレスを抱えきれなくなるのでしょう。

 指圧は血管を拡張させ血流を良くしておくことに関しても、部位によって調整ができるので、薬よりは優れていると思います。

 特に頭痛に関しては、緊張性頭痛も片頭痛も、部位別に血管の拡張と収縮に対応していけば予防効果があります。

 片頭痛の予防薬を処方すると毎日服用することになるので、2週間後の再診などで様子を見ることができ、片頭痛が起きなければいつまでも飲まない頓服薬のマグサルトだけを出すよりは診察する側に都合がいいということがあるようですが、飲まない(合わない)薬なら必要ないと思うのですが…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 5日 (金)

ハンガリーのスパマッサージ。

 BS日テレで木曜夜9時から『世界温泉遺産』という番組を放送しています。

 昨夜はハンガリーのへービーズ温泉湖にあるスパ施設を取り上げていました。

 ヨーロッパのスパ施設で感心するのは、温泉の温度が36℃くらいであることと、ドクターのいる温泉保養施設が多いことです。

 日本の一部の温泉のように45℃のお湯に我慢して入浴するというような習慣はないのでしょう。

 ヨーロッパの温泉施設は水着着用で混浴が多いようで、へービーズ温泉湖は深いので浮き輪で浮いているというような入浴方法になります。

 屋内施設でも深さを利用して、頚をサポートする器具で固定し、腰には重りをつけて、脊柱の牽引を行っていたましたが、これは日本ではなかなかお目にかかることのできない方法です。

 温泉の温熱と水圧と浮力を利用した牽引は、日本にもたくさんあっていいと思うのですが、まず深い温泉がありません。

 温泉医のいる温泉はいくつかありますが、専門家が常駐し、こういった理学療法が受けられる温泉施設がたくさんできれば、日本のスパ施設の質が向上します。

 へービーズ温泉湖のホテルのマッサージは結合織マッサージでした。

 指を鍵型に立てて行う擦過軽擦が中心です。

 スパのマッサージは温泉で体は緩んでいるのですから、力を入れないこんな感じでいいと思うのです。

 世界中から高齢者や病気の方が集まるという保養施設ですから、親の仇に向かっていくような力づくのマッサージでは通用しないわけです。皆さん目や皮膚感覚が肥えていますから。

 温泉湖の底に沈殿した泥で施術する泥パックも、何ともいえない光沢に満ちた黒で、まさに地球の恵み、レアアースそのものだと思いました。

 世界各地から温泉保養地に集まる人々は何であんなに幸せそうなのでしょう?

 国境や人種や言語や宗教や習慣を超えた、命そのものが気持ち良くなるためにそこに在るからだと、私は思います。

 タッチも共通言語だと思いますが、温泉も地球の恵みの共通言語なのですね。

 『世界温泉遺産』、幸せな人々を見て、幸せになることのできる番組です。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 4日 (木)

カリフォルニア州マリファナ合法化法案僅差で否決のニュース。

 アメリカ、カリフォルニア州のマリファナ合法化に関する住民投票は僅差で否決されました。

 日本なら圧倒的多数で否決されていると思います。

 アメリカでは医療用麻薬として鎮痛のためのマリファナが日本より広く用いられているようですし、現実的には州の財政のテコ入れとしてマリファナを収入源として期待する意見も多かったようです。

 国民性の違いはありますが、アメリカが麻薬先進国であることは確かです。

 日本の疼痛緩和目的の麻薬の使用量は十分でないと言われています。

 万が一の事態を考えると消極的な処方になるというのは、日本はまだ麻薬後進国なのでしょう。

 指圧やマッサージにはお酒や麻薬のような酩酊効果があります。

 しかも副作用はありません。

 これも適量刺激でないと、副作用がないとは言えなくなります。

 丁寧な指圧やマッサージは麻薬に負けないくらいの鎮痛効果があると思うのです。

 癌の患者さんや難治性の病気の方がそれを教えてくださいます。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 3日 (水)

骨髄バンク、成分輸血の方法で造血幹細胞採取が可能に。

 今日の産経新聞の記事で知ったのですが、今年の10月から骨髄バンクで、成分輸血の方法での造血幹細胞採取ができるようになっていたのですね。

 今まで血縁者間では行われていたようですが、この方法では造血幹細胞を増やす「G-CSF」という薬を4~5日間注射してからの採血となり、この「G-CSF」に腰痛や肝機能異常などの副作用の疑いがあったようです。

 現在その副作用は否定されています。

 一般のドナーにも行えるようになったので、体への負担は全身麻酔で腰椎穿刺による骨髄採取から比べると格段に減ります。

 現在は2ヶ所で実施され、年内には10ヶ所で実施できるようになり、将来的には100ヶ所になる予定とのことです。

 暗いニュースが多い中、希望の持てるニュースでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 2日 (火)

整形外科の先生の接骨や整体への批判。

 最近、雑誌や新聞で、整形外科の先生の、接骨や整体への批判的な意見を読むことがありました。

 接骨院は、柔道整復師の国家資格を取得した人が、主に打撲や捻挫などの外傷を施術し、緊急の場合に脱臼や骨折の応急処置をする所です。

 「ひーりんぐマガジン」という雑誌では、五ノ橋クリニックの山口真一先生が、柔道整復師が指の骨折と伸筋腱断裂の患部に初日からマッサージをして手術が必要なほど悪化させてしまった例をあげて、技術や知識のレベルの低さを嘆いていました。

 自分の仕事の範囲をわきまえて、医師と信頼関係を築けるくらいのレベルにある柔道整復師の先生はあまり多くはないようです。

 また今朝の産経新聞には、凍結肩(五十肩)では「整体などで無理やり動かすと、関節包が内出血を起し、さらに癒着が悪化する場合があるので要注意」という関東労災病院第2スポーツ整形外科部長・岩噲弘志先生のお話しがのっていました。

 整形外科の先生方は、鍼灸や指圧やマッサージに対しては好意的で、効果を認めている方が多いようです。

 だからといってレベルが低い資格取得者がいないわけではありません。

 資格が取れた段階では、最低限の知識と体に触れるマニュアルができるだけのことです。

 治療の妨げになるようなことをやらないという引き算の判断力は、経験と予習、復習で出来上がっていくものです。

 痛みを思いやる心は、痛みを知らなければ生まれないのかもしれません。

 健康な自分の痛さの基準は、痛みを抱えた方の患部には当てはまりません。

 単なる施術では、心にまで届くことはありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 1日 (月)

11月は雷雨の夜明けから。

 11月最初の朝は、明け方の雷雨から始まりました。

 それでも夜明けとともに小止みになった雨の中を、歩いてみました。

 今朝はさほど寒くなく、鳥も鳴いて、午後には天気予報の通り、晴れてきそうな空模様です。

 少しの時間の間に、雨は止みかけたり、ぶり返したりを繰り返します。

 あまり遠くまで歩かないうちに、雨が雨と感じられるくらいの時間が続いたので帰ってきました。

 こんな感じが痛みの治っていく時の感覚、指圧をしている時の感覚です。

 良くなっていっていることは感じる、しかし波があって、痛みがぶり返すことも小康状態の時もある、積極的に攻めのタッチを重ねていける時も、引き返さなければいけない時もあります。

 天候がままならないように、個々の体の病気や痛みはセラピストがただタッチを積み重ねるだけではマイナスになることがあります。

 冷え、乾燥、運動不足、ストレッチ不足、そして加齢、日常的な個々のケアがなければセラピストの努力だけでは空回りしてしまうことがあります。

 いつも心身が健康でニコニコしているというわけにはなかなかいかないので、セラピストとクライアントが触圧刺激を通してセッションする場が必要とされるのでしょう。

 空が晴れてきました。11月が始まります。

 痣ができたり、皮膚が赤剥けるようなタッチではいけません。

 ちゃんと立ち止まり引き返すことのできるタッチだからこそ、個性的なそれぞれの体の不調と向き合っていくことができます。

 力を抜いて、頑張り過ぎないように、必死や夢中の施術では、客観性や冷静な判断を失って独善的になります。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »