急性腰痛では痛みの部位が移動する。
ぎっくり腰などの急性腰痛では、安静と患部を冷やすことによって、炎症を拡げないようにすることが第一選択です。
どうしてもと言われて指圧をする時には、患部をはずす(手掌を当てておくくらいの手当てはあっても圧さない)、股関節のストレッチでは腰に動きを与えないように慎重に下肢を持ち上げ小さく動かす、などの配慮が必要です。
それでも車で送られてやって来る、車で帰って行く、この動作で急性腰痛を悪化させていることもあります。
指圧後にせっかく楽になったという声を聞いても、帰りの車で悪くなることもあります。
また傷を治そうと患部に集まってきた血液が、指圧によって全身の血行が促進されることによって分散してしまうことで痛みを感じるということがあるかもしれません。
急性腰痛で筋肉の断裂があれば、傷が魔法のようにくっつくことはまずありません。
指圧によって悪くなったという印象を与えてしまった時、それが患部をはずした丁寧な指圧であったならば、もう防ぎようがない、誰が触ってもそういう可能性はあります。
だから丁寧な上にも丁寧なことをやらなければいけません。
私の左仙骨から坐骨の痛みは昨日の温泉と岩盤浴ですっかり回復したように感じていましたが、朝起きると左腸腰筋に緊張が感じられます。
これは左殿部をかばって腸腰筋に負担をかけていたということです。
仰臥位膝屈曲でゆっくりと膝を左右に倒していくと、10回ではまだサイドブレーキがかかった感じ、しかし30回ではサイドブレーキがはずれました。
ウォーキングでは25分くらいで爽快、40分くらいで左殿部から左下肢のしびれ感が再現し、その後ウォーキング強度を緩めるとしびれはなくなりました。
こういった適量刺激の見極めは非常に微妙なのです。
自分の神経とつながっていてこんな感じですから、他人の体の感覚とつながるのは容易なことではありません。
主訴から関連痛への移行を当然あると思っていないと、思わぬところで見落として地雷を踏みます。
圧してはいけないポイントはいつも潜伏していて、それは移動します。
トラップ(罠)を無邪気に1・2・3で圧せば、セラピスト生命を自爆させるようなものなのです。
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