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2011年1月31日 (月)

月経前・妊娠中の便秘は黄体ホルモンが原因。

 黄体ホルモンは月経前や妊娠で増加します。

 黄体ホルモンには子宮収縮を抑制して流産を防ぐ働きがあり、腸の蠕動運動も低下させます。

 また黄体ホルモンには水分や塩分を体に溜める働きがあって、大腸からの水分の吸収が活発になるので、便は硬くなります。

 月経前や妊娠中ににむくんだり便秘になるのは、黄体ホルモンが大きく関わっています。

 月経前に怒りっぽくなったり、妊娠高血圧になるのも、黄体ホルモンの塩分を溜める働きと結びつきます。

 しかし、気持ちの良いタッチの指圧やマッサージを受けると、血管は拡張し、血圧は下がり、副交感神経が優位になることによって腸の蠕動運動が活発になり、便秘は解消します。

 強い刺激を我慢して受けていたのでは便秘はより悪化します。

 受け手の側にとって大切なのは、それが幸福感で全身を肯定してもらえるようなタッチであることです。

 セラピストは腸の蠕動のスイッチをオンにするために、使われずにいる筋肉を探して運動させていくという作業が必要です。

 使われずにむくんだ筋肉は、他動的にでも動くことが気持ち良いのです。

 そういう視点が大切です。いろいろな工夫をしないうちに“これはしょうがないことだ”とあきらめるのは、とてももったいないことだと思います。

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2011年1月30日 (日)

緊張性頭痛にも片頭痛にも効果があるとされる精油の使い方。

 緊張性頭痛は慢性的な肩こりが悪化したようなもので血管は収縮していて、片頭痛は拍動性の痛みの部位で血管が拡張しています。

 精油にはこの両方の頭痛に効果があるとされているものが多いのですが、頭痛の違いによって使い方には注意が必要です。

 例えばローズマリーは収斂作用の強い精油で肌を引き締めたり、血管を収縮させて血圧を上げる効果があありますが、低濃度で使った場合には鎮静作用の強い精油と似た働きが期待できます。

 ローズマリーは本来、局所的な片頭痛に効果のある精油なのですが、低濃度で全身の血行促進に使った場合、緊張性頭痛にも効果がある精油だと言えます。

 逆にラベンダーやカモマイルは鎮静作用の強い精油ですから、緊張を緩め血管を拡張させる効果が期待できます。

 血管を拡張させる作用のある精油を、片頭痛の局所に使うのは逆効果ですが、全身の血行を促進して局所の血管拡張を誘導的に収縮させることは可能です。

 基本的には片頭痛がある場合には、片頭痛を優先させた選択をします。

 暗く静かな環境を作って、ズキズキ痛む部位は冷やすか、持続的圧迫で血管を収縮させます。

 この時にローズマリーを使うなら濃く使うのが理にかなっています。

 と言っても、0.5%ではないくらいに考えていればいいでしょう。

 それを2%で使うか、それ以上で使うかはセラピストの判断です。

 私はタッチで調節するので1%で使います。

 片頭痛でも拍動部以外は緊張性頭痛であることが多いので、こりに準じた部位には強い刺激や持続的圧迫はいりません。

 問題になるのは、片頭痛に効くということで安心してラベンダーなどの鎮静系の精油を使って、ズキズキ痛む部位やむくんだ部位に癒し系のタッチをしてしまうことです。

 そうすればぬるま湯で半身浴をしたようにさらに血管が拡張して、片頭痛の痛みは強まります。

 アロマテラピーで曖昧にしていてはいけないポイントです。

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2011年1月29日 (土)

咳をして左腰痛+左下肢伸展痛。

 “30代後半の男性、1週間ほど前、咳が続いた後に左腰部から殿部に強い痛みを感じ、現在はトラックのクラッチペダルを踏み込む時に、左下肢伸展痛があります。”

 このケースでは咳はきっかけに過ぎず、それまでに左の腰の緊張は限界に近づいていたと考えられます。

 座位では脊柱が左側弯し、左腰部背柱起立筋の短縮が診られます。

 左腰部から殿部、そして左下肢伸展痛があるということですから、第4腰神経から第3仙骨神経までの坐骨神経領域の問題をまず考えます。

 問診で車の運転やデスクワークで悪化することがわかったので、座位姿勢で負担になる左腸腰筋の傷を頭に置いて指圧を始めます。

 伸展痛は、治りかけで患部が動かせるようになった時に多くなる訴えです。

 痛みを防ぐための姿勢は軽度屈曲ですから、この1週間の間、左腸腰筋の働きである左股関節を大きく曲げることも、しっかりと伸ばすこともしたくなかったはずです。

 クラッチのある車では股関節を伸展気味に使うことになるので、クラッチ操作で痛みが出るのは納得です。

 左腰部にはソフトなタッチで指圧を行い、患部に負担をかけないようにします。

 筋肉がしっかりしていて、腸腰筋の傷だけを考えればよいケースでは、左大腿後側の坐骨神経のラインにやや強めの持続的な圧迫をして問題ありません。

 坐骨神経の機能を停止(低下)させることによって鎮痛効果が期待できます。

 その時に、大腿後側の中央のラインと外側に分かれる総腸骨神経のラインとを触診します。

 足の使い方によってはセンターラインだけ指圧をしても効果が薄くなるので、ここはしっかり押さえておきたいポイントです。

 全身指圧を終えた後には指圧の部位ごとのストレッチよりも、もう少し時間をかけて腰部のストレッチをしておきましょう。

 腰椎回旋のストレッチでは、腰椎下部から骨盤内の患部によく響くのは、股関節最大屈曲で(膝を体幹につけるようにして)行うストレッチですが、これはNO GOODです。

 痛みを再現してはいけません。

 痛みを緩和するためには痛みを出さないように、しっかりとはストレッチしないことが肝心です。

 そこで股関節屈曲90°前後で痛みの出ないギリギリを探っていきます。

 最悪の場合なら膝伸展、股関節伸展でかかとを浮かせないで爪先を左右に動かすだけでも良しとします。

 当然左腰部の回旋のストレッチ運動では右下肢伸展、上肢外転90°で顔は左に向けます。

 この時の左股関節屈曲と左膝屈曲の角度にセラピストのセンスが現れますので、丁寧に行ってください。

 そして下肢伸展挙上牽引でストレッチを終えました。

 このケースは傷が治っていく途中の腰痛ですから、痛みが出ないように小さく動かしていくことが早い回復につながります。

 座位姿勢の連続では腰痛の治りは悪いという意識を植え付けることも大切です。

 簡単にできる腸腰筋のストレッチは後ろに股関節を大きく伸ばして歩くこと、それが圧倒的に足りなければ腰痛はまた起こります。

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2011年1月28日 (金)

鎮痛解熱薬ロキソニンの市販解禁から1週間。

 鎮痛解熱薬ロキソニンの市販解禁から1週間がたちました。

 ロキソニンの特長は、発痛物質プロスタグランジンの発生を抑制することにあります。

 損傷された組織の細胞からは、プロスタグランジンの他、セロトニン、ヒスタミン、カリウムイオン、水素イオンなどが放出されて、痛覚過敏を起します。

 生理の時の子宮内膜の剥離による痛みも、これらの発痛物質が放出されて起こるので、ロキソニンは鎮痛効果を発揮します。

 のどの痛みなどの上気道炎や関節痛や腰痛などで処方されることが多いロキソニンですから、服用したことがある人はたくさんいると思います。

 しかし、安易にドラッグストアで購入して自分の判断で服用を続けるのはいけません。

 胃腸の副作用の少ない薬ですが、連用すれば負担になります。

 それに運動器の痛みでは鎮痛薬よりもストレッチやエクササイズのほうが適応の場合が多いのです。

 何故なら、私は毎日のようにあちこちの筋肉を使い過ぎ、たまには強い腰痛や関節痛になることがありますが、ロキソニンを服用したことが一度もないのです。

 ぎっくり腰のような激しい急性の腰痛にではなく、一般的な筋肉疲労による腰痛や肩こりにまでロキソニンを使うのはやり過ぎです。

 ロキソニンの市販解禁をすでに今年の十大ニュースに上げている方がいましたが、私がそうは思わないのは、鎮痛解熱剤よりも指圧やマッサージのほうが効果がある場面を毎日見せていただいているからなのでしょう。

 ロキソニン中毒などという依存症がニュースにならないことを祈っています。

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2011年1月27日 (木)

お笑い芸人のマッサージですが、あえて言わせてもらえば…。

 バラエティ番組で激痛マッサージを受けるだけでなく、最近はマッサージ的なことをするお笑い芸人さんも出てきました。

 綾小路きみまろさんはあんま・マッサージ・指圧師の資格を持っているようですが、テレビで見たかぎりでは施術の域を超えていませんでした。

 やはり本業が忙しい方なので、触圧感覚を切磋琢磨する時間も意識も今はないのでしょう。

 最近売り出してきた芸人さんは整体ができるそうで…。

 本人もアロマテラピーとは言っていないので目くじらを立てる必要はないのですが、あえて言わせてもらえば、深海鮫のスクワランを使ってオイルマッサージをするのはアロマテラピーではありません。

 アロマテラピーは植物芳香療法ですから、アロマセラピストがスクワランを使うならオリーブ・スクワランを使います。

 まぁそれはいいとして、密着したり、受け手に恥ずかしいポーズを取らせたり、それもお笑いだからギリギリ許しましょう。

 気になったのは、それが“施術でしかないこと”です。

 芸ではない。

 志村けんさんは本質を盗んだ肘の使い方のタイミングを持っています。

 単なる施術のタッチには、施術者と被術者の間に通う“間”が存在しないんですね。

 脈拍や呼吸のタイミングが取れないタッチというのは、芸にはなりません。

 それにオイルマッサージの軽擦の腕の使い方が硬い、伏臥位のふくらはぎのマッサージは編集されていたのかもしれませんが、すね毛と脛骨でやりにくい仰臥位の男性の下腿であえてオイルを使わなくてもと思いましたが(何か笑いが取れたのならいいのですが、面白くもなかったので)…。

 もしお笑いとして見せるマッサージをテレビやステージでやりたいなら、タッチが芸になっていないと成立しません。

 エンターテイメントとして見せるマッサージがあってもいいので、もう少し時間を支配できるようなタッチ(難しいですけど)ができないのかなぁと思いました。

(* インターネットでニュースの見出しに出ていたので見たら整体とエステ的なことをやって芸人の収入より稼ぎがある人なんですね。な~んか納得です。そんなタッチです。)

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2011年1月26日 (水)

妊娠高血圧で緊急手術、無事出産。

 年末に指圧をした妊娠中の女性が高血圧ではあったのですが、年が明けて激しい頭痛で緊急入院し、帝王切開で出産をしていたそうです。

 指圧にいらっしゃったお疲れのお母様から伺いました。

 “赤ちゃんは助からないだろう…”という医師の説明を受けての手術だったそうですが、母子ともに命は助かり、すでに娘さんは実家に帰ってきているということでした。

 7ヶ月で生まれた赤ちゃんはまだ病院ですが、お母さんのほうは実家で療養しながら母乳を搾って病院に通っているとのこと…。

 母乳が出にくくなれば指圧の出番です。

 年末の指圧でもむくみと太り過ぎと高血圧のことはわかっていたのですが、まさか正月早々このような事が起きていたとは思ってもみませんでした。

 4月生まれのはずの赤ちゃんは思いがけず早生まれとなり、一年早く学校に上がることになります(特例措置はあるのかな?)。

 終わってしまうかもしれなかった命ですから、多少周りの子よりできないことがあっても、どうか大目に見てあげてほしいものです。

 太り過ぎていた母体は入院後14キロ落ちたということで、帝王切開と同時に2つの子宮筋腫を摘出することもできました。

 麻酔で痛みがなかったという本人はケロッとしたもので、「出産の実感がなかったからもう1人産みたい」と言っているそうです。

 初産や高齢出産や様々な条件で妊娠中の高血圧は起こるようです。

 本人が我慢強かったからか、高血圧でも正月までは激しい頭痛などはなかったようです。

 かかりつけの産婦人科の病院も正月モードで、今まで痛がらなかった人への対応は甘かったようでしたが、救急車で搬送された高度専門医療の病院では大慌ててで緊急手術になったという話しでした。

 友だちが様子のおかしいのを察知してくれたので今回の手術となりました。いくつかのラッキーがなければ母子ともに無事ではいられなかったかもしれません。

 妊娠中の高血圧を甘く見てはいけないですね。

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2011年1月25日 (火)

「再生医療ビジネス」という言葉の響き…。

 人体の再生に幹細胞の研究が進んでいます。

 再生医療をビジネスとして成り立たせようという動きも本格化してきました。

 「再生医療ビジネス」、この言葉には人間の体の痛みを伴わなず、血の通わない響きがあります。

 臓器売買よりはマシだと思います。

 昔、テレビ番組で、「腎臓を売って借金を払え!」と叫ぶ高利貸しの人を映していたことがあります。

 貧困のため実際に臓器売買をする人もいると聞きます。

 インドを旅した人からは、手足のない物乞いの子供の話を聞きました。

 不幸にも手足を失くした子供が物乞いをしていたのか、物乞いをするために手足を奪われたのか…、そういう話がゴロゴロしている国もあります。

 工場で幹細胞を培養し、筋肉を作り、臓器を作り、売る。

 なるほど丸の内のビルの中の工場で野菜や稲ができる時代です。

 宮崎の鳥インフルエンザでの鶏の殺処分のような事態を今後防ぐためには、クリーンに管理され、外からのウイルスの侵入をシャットアウトする“ドーム球場型の養鶏工場”ができてくるかもしれません。

 もしかしたら人間も病院で治療するのではなく、工場で整備する時代がやって来るのかも…。

 再生医療という言葉の下に“ビジネス”を付けた時、人間は痛みのない無機質な血の通わないものになっていきそうで心配です。

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2011年1月24日 (月)

神経という言葉は『解体新書』の翻訳で生まれた神気+経脈の造語。

 「神経」という言葉は、杉田玄白、前野良沢らが『解体新書』の翻訳の際に、「神気」と「経脈」を合わせて作ったのだそうです。

 神気は“五臓の中におさまって、生命活動を支配・統制している気”です。

 経は縦糸の意味ですから、経脈はツボが縦に並んだ連なりです。

 正経十二脈、奇経八脈とありますが、神経の縦糸はもっともっとたくさんありますね。

 神気は心拍数や呼吸、知覚、運動、言語、精神活動を統制します。

 現代に当てはめれば、中枢(脳・脊髄)と言い換えてもいいかもしれません。

  神気という言葉には、生命に対する畏敬の念を感じます。

 中枢に直に触れることはできませんが、タッチセラピストは末梢から中枢に働きかけています。

 神の姿は見えませんが、私たちはその大いなるものに、少し離れたところからお伺いをたてることができます。

 納得のできる答えは返ってこないかもしれない、だからタッチセラピーは答えを探し続けていく修養です。

 神経が繊細であることは良いことです。

 侵害的な刺激に早く気づくということは優れた防御体制なのですが、感受性が強過ぎると痛みや不調を持ちやすいということにもなります。

 人間は感覚を敏感にする修養と、不要で過剰な感覚を遮断する修養が必要です。

 神経質は感覚が敏感だという点で悪い事ではないのです。

 神経質な人が、先のことの心配をし過ぎないように遮断する修養を積めば、生きることが楽になってきます。

 タッチセラピストは敏感な感覚をオフにするスイッチを持たなければ潰れてしまいます。

 感覚をオフにするスイッチがいつになったらできるか、それは経験を積んで、修羅場をくぐって、いつの間にか険しい山道だったのが開けた山頂の広場に着いているようなもの、ただただ丁寧なタッチを続けてください。

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2011年1月23日 (日)

風邪がなかなか治らない妊婦さんへの指圧。

 風邪がなかなか治らない妊婦さんに指圧をしました。

 食事がのどを通らず、頭痛や鼻づまりでぐっすり眠ることもできません。

 受診した病院では薬が出してもらえず、子供の頃にお世話になった小児科の病院へ行ってみたら、栄養剤の点滴をしてくれたそうです。

 その小児科の先生でさえも「吐いてもいいから肉でも魚でも食べろ!」と仰ったとか。

 我慢や苦行や根性論ではなく、『良い方法があるのに…』と私は思います。

 それがソフトな指圧です。

 彼女の対処法の間違いは、鼻づまりを蒸タオルで温めてしまったことと(血管拡張→充血ですから冷やすのが正解です)、筋緊張性頭痛の後頚部をゴリゴリ自分で揉んでしまったこと(こりにはソフトなタッチ)です。

 そして、寒いし、薬もないので実家に帰って寝込んでいたそうで、運動不足で上肢下肢はむくんでいます。

 妊娠中はむくみますが、血行促進をはからなければ毒が体に回ったようにだるくなります。

 全身指圧後、トイレに行き、自分のむくみを自覚したようです。こういう時はびっくりするほど大量の尿が出ます。

 妊娠中や癌の患者さんへのタッチは『刺激をし過ぎない』ということに尽きます。

 セラピストは弱いタッチを基準にして、自然に沈むような筋肉ならそれにまかせます。強く圧し込むのではありません。

 強いタッチを基準にして、病気の方には弱いタッチで対応しようとするのは間違いで、いざそのようにやろうとしてもそうはうまくいきません。

 気持ち良ければニコニコして帰っていきます。

 タッチは薬に替わることのできる方法なのです。

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2011年1月22日 (土)

桂三枝さんの創作落語「相部屋」がすごくよかった!

 早朝に桂三枝さんの創作落語「相部屋」をNHKテレビで見ました。

 人間観察の巧みさ、それを表現する上手さ、前半の描写を無駄にしないストーリー展開の上手さ、そして最後のほろりとさせられるような落ち(サゲ)、これは見ておいたほうがいいです。どなたでも納得できる面白さがあります。

 タッチセラピストは、施術をこのように構成すべきだという意味で、見てその良さをわかってほしいと思います。

 病院とその病室の出来事なのですが、とてもよく情景が描写されています。

 新作落語、創作落語で古典となって残りそうな作品にはあまり出会ったことがありませんが、「相部屋」は古典となって残るくらい、他の落語家さんも演目にしたい作品ではないでしょうか。

 立川志の輔さんの「バールのようなもの」という落語も傑作だと思っているのですが、最近テレビでお目にかからないのは、テレビでの放送は自粛しているのか…。

 落語「バールのようなもの」は、見てもいない凶器の“バール(鉄の棒)かどうかはっきりしないもの”を“バールのようなもの”と言ってしまうその曖昧さに対してあれこれ難癖をつけていくお話で、すごく面白かった覚えがあります。

 三枝さんの「相部屋」は落語の“芯をくった(本質をついた)”という点で「バールのようなもの」の上を行く、今までの見た新作落語の中では最高の作品かもしれません。

 朝から脳が活性化されました。

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2011年1月21日 (金)

入浴中のむくみマッサージ。膝を曲げ遠位のふくらはぎを両手指指紋部密着で持ち上げ、ゆっくりと膝を伸ばす。

 入浴中のふくらはぎのセルフマッサージというと、手指を動かすことを考えがちですが、逆転の発想をしてください。

 お湯の中で片方の膝を曲げて、ふくらはぎの足首に近い部位に両手指の指紋部を密着させて持ち上げ、下腿の重さを指紋部に預けます。

 外側面、内側面ともに少し斜め上の部位にまで指紋部が当たるようにします。

 後は密着を保ったまま、お湯の中でゆっくりと膝を伸ばすだけです。

 膝を伸ばすことも意識せず、下腿の重さで膝が自然に伸びていく感覚がわかれば最高の触圧刺激が完成です。

 指で圧す力も加えず、肩にも力が入らず、指の間を下腿が滑っていくことで、求心性のむくみマッサージになります。

 温熱と水圧と浮力を利用しているので、数回でもよし、気持ちが良ければ数十回行っても侵害的な刺激にはなりにくいタッチです。

 よく自分でマッサージをして肩がこってしまったという方がいます。

 それは人間の体は指に力を入れるときに肩が上がるようにできているからで、いかに肩を下げ、指力を入れずにタッチをするかということを考えるのがプロフェッショナルです。

 各部位の重さを利用して、しっかりとした密着を保ち、最小限の力で最大限の効果を発揮すれば、組織を傷めない安全な、そして自分が疲れないタッチになります。

 自分が疲れないタッチができるようになれば、セルフメンテナンスをしている時の手指は、もはや自分の手指ではないのです。

 そこまでいけば専属のセラピストといつも一緒にいるようなもの、私の専属セラピストはとても優秀です。

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2011年1月20日 (木)

大寒とはいえ、月曜の朝よりは…。

 今日は大寒です。

 今朝、西の森に沈む月は満月より大きく、森に帰りそびれた星も、日が昇るにつれ姿を消していきました。

 『星は輝くのをやめてしまうのではなく、太陽という、より眩しいスポットライトの光で見えなくなるだけで、日中も光続けているのだ…』、それに気づかせてくれるようなシンと静かな朝のウォーキングの風景でした。

 月曜の朝、やっと周りが白みかけた頃は強い風が吹いて、大きなアオサギが風に抗しきれずに、目の前の畑に不時着しました。

 立ち姿は1メートルもあるかと思う程でしたが、まだ魍魎の時間ですから幻惑されて、それほどではなかったのかもしれません。

 カラスは風に飛ばされ、止まろうとした電線よりも吹き飛ばされ、自力の倍のスピードで南の林の方に流されていきました。

 木にぶつかって下に落ちたか、太平洋までも飛ばされたか…、そんな想像をしながら、この冬初めてウインドブレーカーのフードをかぶって歩いたのが月曜の朝でした。

 今朝は風もなく、梅の花がほころび、春を告げる小鳥の声もしていました。

 月曜の朝に小鳥の姿も見えず、声も全くしなかったのは、どこかに身を潜めて風の吹き荒れる空を飛ばなかったからなのでしょう。

 アオサギやカラスと比べると、小鳥は身の程をよくわきまえているようです。

 節分の頃になると急に活動が活発になる小鳥たちが、今朝は準備体操でもしていたようです。

 大寒とはいえ、春の予感はしてきました。

 

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2011年1月19日 (水)

「人体の不思議展」、厚労省は標本を遺体という見解。

 京都で行われている「人体の不思議展」の標本に対して、厚労省は“遺体”という見解を示したようです。

 死体解剖保存法によれば、死体標本を保存できる場所は大学医学部か医科大、あるいは特定の病院とされ、それ以外での場所での保存は届出の義務が定められています。

 今回の展示も(おそらく今までも)届出はされておらず、これには主催者側が標本を遺体とは考えていないという見解の相違があります。

 この人体標本を特殊加工する技術は“プラストミック”とよばれ、体の水分や脂質をシリコンやポリエステル樹脂に加工して半永久的に保存できるようにしています。

 死者への尊厳を考える立場から、展示を反対する声も各国からあがっていて、フランスでは最高裁が展示を中止する判決を下し、ハワイでは法律によって展示が禁止されています。

 私もかつてこの展示を見ましたが、専門機関での研究や学習のためでなければ、死亡した人体を加工した標本でなくても、全てつくりものであっても問題はないと思います。

 懸命に生きる、よく生きる、ということの向こう側に、安らかに永眠する、よく死ぬ、ということもあるなぁと考えます。

 献体をされた方(中国で作られたということですからおそらく中国の方なのでしょう)は、世界各地を周ることまで承知していらしたかどうか…。

 厚労省が見解を示したことで、各国の遺体に対する敬意や畏怖を知ることができました。

 遺体に対する畏敬の念が人間の自然な感情としてあるということは確かです。

 わが国の法律では、主催者側が届出をすれば展示は続けられることになるでしょう。

 平成14年来開催されてきた展示がここにきて京都府警の捜査の対象となるというのもずいぶんと遅まきな話しだと思いますが、これをきっかけに遺体の展示が議論の対象となるのは大事なことだと思います。

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2011年1月18日 (火)

ギターは伸筋腱を傷めやすい(オベイションを使うギタリストが少ない理由)。

 駅の広告などで御馴染みの“新堀ギター教室”の新堀先生は、「手を傷めたのでもうギターは弾かない」と、新春のバラエティ番組のお宅訪問で仰っていました。

 ギターはネックの裏から手掌を回しこんで、指頭で弦を押さえます。

 肘関節屈曲、手関節掌屈、指節関節屈曲は同じですが、手掌を下に向けないところがピアノや一般的な道具の使い方とは違います。

 弦楽器はほとんど指板を押さえる手の使い方はこの形です。

 オベイションというギターがあります。

 かつてはクイーンのフレディ・マーキュリーさんや尾崎豊さんも使っていました。

 最近はボディの薄いタイプをラブサイケデリコがステージで使っていたのを見たくらいで、ボディの厚いタイプを使うギタリストはとんと見かけなくなりました。

 オベイションのボディは裏が球状になっていて、おなかで押さえても安定せず、上部が内側に入り込んで下が前に突き出る、つまり斜めに弾くことになります。

 この時に手首を回りこませる角度が大きくなり、ボディの厚いタイプでは体からネックが遠くなるので、より大きく手首を回りこませなければいけません。

 ボディの厚いオベイションを弾く時には前腕の伸筋が過伸展になり、とても伸筋腱を傷めやすいのです。

 裏が平らなギターでも(弦楽器全てに当てはまりますが)手指を傷めやすいですから、オベイションをステージで使い続けるというのは難しいことです。

 小さいサウンドホールをたくさん空けた独特の形状や音色、もっと使いやすい人間工学的な改良が加えられたらと思うのですが、サウンドの特長からあのラウンドボディは譲れないということかもしれません。

 去年左の手指を傷めた原因で一番あやしいのはオベイションです。

 これはもう治らないかと思っていたら(体って治るものですねぇ!)、正月には完治したので、こりもせずにまたオベイションを弾いてみました。

 30分で手指が以前のようにおかしくなってきたことに気づいたので、ここで初めて「左の手指は指圧で傷めたのではない」ことがはっきりしたようなものです。

 指圧や体の感覚がわかってくると、人間工学的にどうかと思う道具は、いくら音が良くても使えないですね…、うぅーン、惜しい…。

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2011年1月17日 (月)

『コンフォート・タッチ』Mary kathleen Rose著 医道の日本社 3.360円

 医道の日本社が1月末に発行予定の新刊に『コンフォート・タッチ』Mary kathleen Rose著 本間生夫/小岩信義 監訳(3.360円)があります(まだ題名は仮題だということです)。

 「高齢者へのケアとマッサージ」というサブタイトルがついています。

 “コンフォート・タッチとは、高齢者や病を持った方の身体的・精神的ニーズを満たす安全で効果的なマッサージ法。触れることによって、患者に深いリラクゼーションをもたらし、痛みの軽減、睡眠の質の改善等に役立つ。治療前に行うと、患者の気持ちを落ち着かせ、より効果的な治療ができる。”(紹介文より)

 タッチセラピーの本質はこのようなことにあると私も常々思っています。

 マッサージ関連の仕事をしている人、要介護の高齢者の御世話をしている方、参考になると思います。

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2011年1月16日 (日)

鍼の先生とのタッチを通した会話。

 70代後半の鍼の先生が、遠い所から指圧を受けに来てくださいました。

 高齢でもあり、持病もあるのに、よく私のタッチの意図に気づいてくださり、『これは侮れないゲームになるなぁ』と早い段階から感じました。

 胸椎の後弯が増強し、骨粗鬆症だと考えられるので強い刺激はできません。

 しかし、肩から胃に向かうタッチや、腰から足先に向かうタッチをしっかりと拾ってくださり、“上手いツッコミの相方を持ったボケ担当の漫才師”のように、少しずつツボをはずして触圧覚の感性に訴えていくと、普通の人は見逃していまうようなことに気づいてくださいました。

 ゲームに気合が入り過ぎて、タッチでの会話を続けていたので、刺激は強くしていないのですが、疲れさせてしまったかもしれません。

 何故なら私が疲れました。

 単なる馬鹿者かもしれないのに、遠くからやって来て“良い所を感じ取ろうとする姿勢”には頭が下がります。

 私がその年齢でその気持ちでいられるかはあやしいところです。

 私のアロマ指圧なるものは、ツボ指圧のようなものとは違いますから、鍼の先生の感覚の隙間にあるようなことだと思います。

 私のタッチの加減の意図を理解して、驚き、誉めるポイントの上手さは、誉め上手がセラピストを育てると思っている私を、ゲームに勝った気にはさせませんでした。

 感性の豊かな鍼治療をされてきた先生なのだろうと感じました。

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2011年1月15日 (土)

いつも使っているから治りにくい肩甲挙筋のこり。

 肩こりが治りにくい原因には、①いつも使っている、②いじり過ぎている、ということがあります。

 手仕事をする時に肩が上がる、物を見る時に猫背になる、作業中にこの2つはやむを得ないことでもあるので、1時間に1回はストレッチをする意識が必要です。

 40代女性、右の首の付け根から肩甲骨に向かう肩上部のやや後方にしつこい肩こりがあります。

 保育の仕事をしていて、抱っこは左手で、ショルダーバッグは左肩に、ピアノは弾き過ぎないなど、こちらからのアドバイスを守ってもらっても肩こりが長引いています。

 頭の重さが右肩甲挙筋にかかる姿勢が、日常の何気ない動作でも続いて、筋肉を休ませることが難しいようです。

 右肩甲骨内側上角を起始とする肩甲挙筋の、肩上部からやや後ろの位置に硬結があります。

 全身指圧後に筋肉は緩みましたが、右肩を下に下げ、頚を左側屈し左回旋する肩甲挙筋のストレッチでは痛みがあります。

 この場合は肩甲挙筋に傷又は繊維に沿った小さな断裂があると考えて、小さな動きのストレッチや軽擦程度のタッチ、温めるなどに留め、いじり過ぎない、できるだけ患部を休めるということが必要です。

 今回の指圧でも患部は手掌で温めたり、指紋部を当てるだけの軽擦程度の指圧を行いました。

 本人が意識していなくても肩を叩き続けてしまう、揉んでしまうというようなことがあると、この肩こりは治りません。

 自分で揉む癖がついてしまうと最終的には赤黒い瘤になります。

 痛みが常にある時には頚椎の問題が考えられますが、今回はいつも痛いわけではありません。

 常に使う筋肉が緊張し血行不良になり、寒さでさらに血行が悪くなって、年齢的に膠質(コラーゲン)などの接着剤が不足してくると、筋線維に沿った小さな裂け目ができることもあります。

 安静の難しい部位ですが、難治性の症状には小さく動かすことと、温めること、そして休めること、これが回復への王道です。

 撫で肩、いかり肩など、肩の角度や筋肉の太さ、強さには個人差があります

 適量刺激には量的な要素の他に、手指の当たりの角度や面積も大切です。

 一つの筋肉、一つの当て方ではなく広く診てください。

 腹部から肩に向けるタッチだって、考えてもよいのです。

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2011年1月14日 (金)

五行と中国の黄色いだるま。

 縁起物のだるまが、中国から日本に始めってやってきたときには黄色だったといいます。

 これを東洋医学の五行学説に当てはめて考えてみると、納得する答えに行き着きます。

 自然現象や人体の各部位、動植物などを「木火土金水」という五つの代表的な性質に分類したものが五行説です。

 「木・火・土・金・水」に対応するの臓器は「肝・心・脾・肺・腎」、方位は「東・南・中央・西・北」、色は「青・赤・黄・白・黒」です。

 中国は自分の国を世界の中心と考えて名付けられていることもあり、また方位の中心を黄河としていますから、中国を象徴する色は“黄色”です。

 そこで中国ではだるまの色も黄色となったのでしょう。

 中国のように黄河を中心とした広大な国土と比べると東西に長い日本は、“南面に座す”ことが治世のトップの高貴な位置となりましたから、中央の色を取るより南の色、日の本の色、“赤”がだるまの色として定着したのでしょう。

 国民性や政治姿勢まで、国土や気候風土から読み取れるのが五行説の面白いところです。

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2011年1月13日 (木)

今日はスーパーから“深蒸し茶”が消える!?

 昨夜のNHKテレビ『ためしてガッテン』では、「掛川市民が健康長寿である理由は深蒸し茶をたくさん飲むことにある」という研究結果をもとに番組を構成していました。

 掛川の気候風土でできる渋いお茶を美味しく飲むために工夫された深蒸しが、お茶を淹れたときの細かい茶殻を生み、この掛川茶を毎日飲んでいる人は支払う医療費が少なく、健康長寿なのだそうです。

 腸内善玉菌の増加、便通の改善など、数日で成果が出る体調改善の報告もあり、今日はおそらく掛川茶、深蒸し茶が、スーパーなどで品切れになるほど売れることでしょう。

 花粉症の季節に入ったので、腸内善玉菌が増えるなら『べにふうき』や『甜茶』でなくても深蒸し茶でよさそうです。

 番組の中では普通のお茶の葉に小さじ1杯程度の熱湯を入れて、すり鉢で1分間ほどする、“深蒸し茶風”のお茶の作り方を紹介していました。

 昨年来の生姜ブームに続いて、今年は茶殻入りの商品がブームになりそうです。

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2011年1月12日 (水)

腰痛、第4腰椎棘突起が後方突出していた症例。

 60代女性、前日の朝起きた時から腰痛です。

 座位では腰椎の前弯が減弱してやや後弯し、第4腰椎棘突起が後方に突き出て、周囲の起立筋は硬く緊張しています。

 加齢的な腰です。

 内臓下垂、腹筋の弱さ、足の冷えなどを加味すると、年末年始の寒さと腰椎後弯姿勢で腰部の筋緊張と腰椎のズレが起こったようです。

 カイロプラティックならピンポイントに第4腰椎周囲の矯正の施術を目指しますが、指圧やマッサージでは遠回りをしてどれだけマイルドな施術を構成するかが大切だと思います。

 伏臥位の指圧では左腰部に痛みがあり、仰臥位下肢伸展挙上+足背屈の坐骨神経のストレッチで痛みがあったのも左下肢でした。

 冷えている足は温めるために足趾の趾紋部を丁寧に指圧し、足底や足の甲の指圧の時には反対側の手掌で足先を包んでおきます。

 腹部の指圧で内臓を上げたら、両膝を曲げて股関節を開き、膝を体に近づけていくストレッチをします。この時にはまだ痛みがありました。

 腰椎後弯なら背中を後ろに反らしたり、伏臥位で股関節を後方挙上(伸展)するストレッチのほうが理にはかなっています。

 しかし、加齢的な腰の特徴は、その腰椎後弯を矯正するストレッチがしにくいということにあります。

 特に脊柱管狭窄症や座骨神経痛があれば、生活の中であまりしてこなかった腰椎後弯を矯正する動きには強い痛みを伴います。

 高齢者では、本人がしやすい方向に関節可動域を拡げることでも、その逆方向に下ろす時に、少しですが患部に必要なストレッチをかけることができることを利用します。

 それと腰椎の縦軸に対して腰を左右にしっかりと回旋させる動きを、膝の屈曲90°の他に、膝の最大屈曲で殿部のストレッチを、膝の浅い屈曲で背部外側上部をなどに分けて行い、関節可動域を拡げていきます。

 これプラス下肢伸展挙上+牽引や両膝を立てて左右の軽く倒すストレッチなどをして、再度、股関節を開いて両膝を体に近づけるストレッチをしていきます。

 今回はこれで腰の痛みは再現されず、第4腰椎棘突起の後方突出も矯正されていました。

 要は筋肉を気持ちの良い刺激の指圧で緩めていき、脊柱の縦の関節の間隔を拡げ、それに回旋運動を加えてさらに詰まり除いたということです。

 筋肉の弱くなってきた方、特に女性は骨も脆くなってきているので、衝撃的な矯正法は避けたほうが無難です。

 施術だけでなくストレッチも遠回りして、しやすいストレッチの方向からしていくと、これが抜群の効果を発揮したりするものです。

 

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2011年1月11日 (火)

仰臥位下肢伸展で反対側の足首で大腿四頭筋を圧す方法。

 仰臥位下肢伸展で、反対側の膝を曲げて足首外側面を大腿四頭筋の上に乗せます。

 足首を乗せる位置は無理をせず、膝蓋骨近くの大腿前側にします。

 伸ばした下肢の足先を左右に振ることで、反対側の足首外側が当たる位置の大腿四頭筋には気持ちのいい圧刺激を感じることができます。

 これは圧し込まない指圧の感覚を知るのには良い方法だと思います。

 皮膚に密着させた母指の指紋部に指力を入れて圧し込むのではないという感覚を、指圧セラピストは持っていなければいけません。

 この方法なら寝たきりの方であっても、足先の小さな左右の動きだけで指圧感覚を得られます。

 足が4の字固めのような形にできない方以外は、力を使わずに筋肉に適量刺激を与えることができます。

 圧の刺激量は、足先を左右に振る速さや角度の大きさに比例します。

 足首を圧しつけるのではなく、乗せているだけで密着をずらさずに圧刺激をする感覚を理解することは、指の使い方にも活きてきます。

 この方法は指圧と柔捏の中間的な刺激になります。

 大気圧や水圧のような良い揉み方を考えた時に、この方法はヒントになると思います。

 

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2011年1月10日 (月)

前腕のツボ「曲池」「手三里」のストレッチ。

 大腸経の前腕のツボ「曲池」「手三里」をストレッチする感覚は、治療感覚として大切なので是非覚えておいてください。

 大腸経の肘までのツボの取り方は、握手をする形をした時に真上に緩い弧を作る長・短橈側手根伸筋のラインです。

 肘窩横紋の外端が「曲池」、曲池から2寸手関節寄りが「手三里」です。

 長・短橈側手根伸筋は手関節の背屈(手の甲と前腕外側の角度が小さくなる)と橈屈(握手をした時に手を上に持ち上げる)に働きます。

 手関節を背屈して橈屈する動きは、ペンを持つ時にも、包丁を使う時にも、手仕事ではほとんど行っています。

 この時に、肘を屈曲していることが普通なので、ストレッチではその反対の動きをします。

 肘伸展で、手関節掌屈(手掌と前腕内側の角度が小さくなる)+尺屈(握手をした時に手を下げる)が「曲池」「手三里」のストレッチになります。

 手仕事は座位でも立位でも止まって行うので、「歩く+肩関節伸展(肩を後ろに振る)+肘伸展+手関節掌屈+手関節尺屈」が大腸経前腕のツボ「曲池」「手三里」のストレッチとしては理にかなっています。

 長橈側手根伸筋は第2中手骨底に停止するのでやや橈側がこることになり尺屈のストレッチが必要になりますが、短橈側手根伸筋だけがこるということがもしあるとすれば、第3中手骨底に停止するので尺屈は不要となります。

 しかし、この両筋が単独で働くことはなく、「曲池」「手三里」の定義も筋肉が重なる肘付近の長・短橈側手根伸筋上ですから細かく考えなくて良いでしょう。

 肩関節伸展時に手関節掌屈のみで肘を伸展してみる、手関節掌屈+尺屈で軽く肘を曲げてみる、などいくつかのバリエーションを持ってストレッチをしてみると、こりの本体が浮き上がってきます。

 そういうアイデアを施術に活かすためにも、セラピストは歩きながら考えることが大切です。

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2011年1月 9日 (日)

髪の毛の内巻きカールのような肩関節の内旋。

 起きた時に手がむくむという40代の女性、肩関節内旋でパソコンワークをしていることによる腋窩の詰まりなどが原因と考えられますが、猫背ではありません。

 仰臥位で寝ると肩が上がって、髪の毛の内巻きカールを逆にして見たような肩の形になります。

 仕事中、無意識に強く腋を締めているのでしょう。

 猫背で肩関節が内旋している人よりも、頚椎から胸椎の弯曲が正常で肩関節だけ内旋している人のほうが、一般的に腋窩後面の肩甲下筋の緊張が強くなっています。

 無意識に力が入っていると、寝ている時にも力を抜くことがあまりないのかもしれません。

 このケースで肩関節外転90°にして腋窩後面をいきなり指圧すると、跳び上がるくらい痛いので、前腕にフェイクの手掌圧などを加えておきます。

 気持ちのいい前腕の手掌圧で気をそらせつつ、砂場の山崩しのように腋窩後面の周囲から徐々に圧を加えていきます。

 普通に圧してしまえば一、二を争うほど痛いところなので、肘を屈曲させて内旋・外旋の運動を加えながら、母指を腋窩後面に当てておくだけというのも、痛みの少ない指圧になります。

 肩関節が内旋していて仰臥位で肩が浮いている人は、肩関節外旋で圧したほうが痛みは軽くてすみます。

 さらに鎖骨下筋や大胸筋も緩めることで、肩関節は下がります。

 仰臥位で肩が下がれば腋窩が拡がったことになるので、腋窩の動脈・静脈・リンパ・神経の通りがよくなり、手のむくみやしびれは緩和されます。

 痛いところを痛く圧すのはアマチュアです。

 プロフェッショナルなら、痛いところにどうやって痛くないアプローチをしていくかを考えてください。

 「指圧は芸術である」と私は教わりました。

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2011年1月 8日 (土)

東京マラソンEXPO2011、アロマセラピスト募集の依頼。

 2月27日(日)に行われる東京マラソンに先立って、有明ビッグサイトで「東京マラソンEXPO 2011」(2/24~2/26)が開催されます。

 (社)日本アロマ環境協会(AEAJ)から、「出展ブースでハンドトリートメントを行うアロマトリートメントスタッフを募集」というメールが届きました。

 アロマセラピスト希望とのことなので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?

 時間は11:00~20:00、1日でも可ということです。

 資格だけを取って実際にはトリートメントの仕事をしていない方は、こういう場所で施術をするのも良い経験になります。

 手軽だからハンドなのだと思いますが、ちょっとした更衣スペースを作って、足と下腿のトリートメントくらいはしないのかな?と思います。

 マラソンですし…。

 予約があって、行かれない私が言うのもナンですが…。

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2011年1月 7日 (金)

膝の半月板再生を自分の幹細胞で(東京医科歯科大 )。

 今日の産経新聞の記事によると、東京医科歯科大学で膝の半月板再生に、自己の幹細胞を使った治療が行われるそうです。

 この治療法は軟骨再生学の関矢一郎準教授により、治験が進められてきたということです。  

 変形性膝関節症の手術は、内視鏡下で削って形を整えたり、人工関節に置換するなど、手術後もリハビリが大変でした。

 自分の幹細胞による再生となれば、かなりの負担軽減になります。

 ヒアルロン酸などの注射より間違いなく効果があるでしょう。

 コンドロイチンやヒアルロン酸やあらゆるサプリメントは肝臓で解毒分解されて体中に運ばれるので、患部に効果を発揮するとは言えない以上、患部に直に細胞を補うことができれば、これこそ理にかなった治療法です。

 保存的な治療を選択している方やリハビリが必要な方に指圧をする私も、手術をしてぎこちなくなった膝関節を扱うよりかなり負担が軽くなります。

 医療の進歩はこの先も続きます。

 長く生きていれば得をすることもあります。

 

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2011年1月 6日 (木)

前腕の経絡を指圧する時、ラインを真上に向ける。

 毎年冬になると、「花粉症と大腸経と圧発汗反射」を関連させた講座をしています。

 横臥位に寝た時に、下になる側が血管拡張・血圧下降・発汗抑制、上になる側が血管収縮・血圧上昇・発汗するというのが「圧発汗反射」です。

 鼻づまりは血管拡張・充血の状態ですから、詰まったほうを上にして横向きに寝れば鼻は通ってきます。

 これとよく似ているのが大腸経の指圧をした時の反応で、大腸経は示指橈側爪根部に始まり、反対側の小鼻の横で終わるので、花粉症で左側の鼻づまりの時に、大腸経の右前腕の指圧をすれば左側の鼻が通ってきます。

 花粉症と腸内細菌層の免疫の関係と大腸経を関連させていくと、ツボを考えた東洋医学の奥深さ、面白さが味わえます。

 前腕の大腸経の指圧で配慮すべき点は、仰臥位肩関節外転45°前後で上腕をリラックスさせておくことと、長橈側手根伸筋のラインが真上にくるようにキープすることです。

 左前腕の大腸経なら、受け手と左手同士で握手をして大腸経のラインを上から垂直に圧せるようにします。

 これはアロマトリートメントでも同じで、握手をするか手首を握るかして「合谷」から「曲池」までのラインを真上に向けます。

 橈骨側面をガイドにして指圧なり軽擦なりすればいいのですが、これが直線ではないわけです。

 視覚に頼ると筋肉をとらえられないので、ライン取りを目視したら顔を上げて、指紋部の感覚でたどっていくようにします。

 経験を積んでいくうちに大腸経のラインが盛り上がって見えるようになり、盛り上がって見えないような筋肉の細い人にでも、指紋部の触圧覚をガイドとしてたどっていけるようになります。

 アロマトリートメントで、握手をした手関節を手前に引く、それがあって、求心性の母指軽擦で肘の「曲池」を上腕の方向に引っ張ることができると、腱紡錘のセンサーの働きで、それ以上ストレッチされて筋肉が伸びすぎないように、筋肉は緊張を緩めます。

 こういうこともストレッチのメカニズムとして知っておくことが重要です。

 まずは受け手の上腕のリラックスと、前腕のこれから圧すラインを真上に向けて圧し易い形を作ることで、最小限の力で最大限の効果を発揮できるような準備をするということが、とても重要です。

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2011年1月 5日 (水)

リンパマッサージでNK細胞活性「みんなの家庭の医学」での実験。

 昨夜のテレビ朝日「みんなの家庭の医学」の特番では、リンパマッサージによるNK細胞の活性を、施術前と施術後の採血によって測定する実験を行っていました。

 初の実験だと番組の中では謳っていましたが、われわれにとっては常識となっていることなので、この手の実験が今まで全く行われていなかったということはないと思うのですが…。

 下肢の施術と全身施術をそれぞれ1セットと3セットに分けて実験したところ、下肢1セットのグループに最も効果が出たようです。

 ただし、治験例があまりにも少なく、半分は効果が見られなかったという結果にもなりました。

 下肢1セットのグループに最も効果が出たことを考えてみると、リンパというのは流れがゆっくりなので、2セット、3セットと、むくみが次々と送られてくると流れの停滞が起きるのでしょう。

 特に上半身は使い過ぎであることが普通なので、筋肉の緊張や組織の癒着を緩和してからでないと停滞が起きやすいのでしょう。

 下半身をしっかりと使えていない高齢者を対象にもう少し大人数で実験をしてみると、下肢1セットのリンパマッサージの効果は非常に高くなると思います。

 リンパの処理能力を考えてみると、この実験から得られる答えは、いかに強刺激が無駄なことかということです。

 リンパマッサージは“スポンジを圧すくらいの力加減で”というのがありましたが、“雑巾を絞るくらいの力で揉んでしまうとリンパは停滞する”と言い換えることもできます。

 リンパ節が腋窩、鼡径部、膝窩などの大きな関節にあるのは、隙間があるからプールが作れたということです。

 その大関節の可動域が狭くなれば、プールは小さくなって免疫細胞の戦闘要員の数が減少します。

 全身施術で考える指圧では、リンパマッサージのような指圧+筋肉の緊張緩和や関節可動域を細部まで拡げていくことで、もっと効果を上げることができると考えられます。

 つまり施術後30分を効果のピークと(して採血)するのではなく、指圧の効果のピークはもっと後にやってきて、その効果はリンパマッサージより持続するだろうと思います。

 NK細胞活性の実験は、筑波大学あたりでやっていなかったかな?

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2011年1月 4日 (火)

頚動脈小体の知覚神経は舌咽神経、延髄を介し迷走神経から心臓の洞房結節を刺激し心拍数減少。

 このタイトルは頚動脈洞反射の神経伝達を示しています。

 頚動脈小体の知覚神経は舌咽神経で、前頚部1点目、胸鎖乳突筋上部内縁のふくらんだ拍動部に圧刺激を加えると球心路は延髄に向かい、迷走神経を刺激して遠心路は心臓の上大静脈開口部にある洞房結節を刺激します。

 洞房結節は心臓の刺激伝導系の主たるペースメーカーですから、副交感神経の迷走神経からの刺激を受けると、心臓の収縮リズムのテンポを遅らせます。

 頚動脈小体は圧刺激をしなくても、血圧の上昇、血管の収縮を感知して血圧を下げるセンサーですから、前頚部1点目を圧す時に、強く圧す必要などないわけです(リラックスポイントですから)。

 頚動脈小体を強く圧し続けると、延髄を含む脳幹の血流減少→酸欠→失神という事態を招きます。

 ここを圧し続けることは殺法であり、柔道の締め技で“落ちる”というのは頚動脈洞反射が関係しているのです。

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2011年1月 3日 (月)

セラピストは粘膜に触れないというモラルが問われている。

 今年の元旦にも県の広報が届き、健康福祉のページには「無資格者の施術による健康被害への注意」が掲載されていました。

 去年“コーヒー浣腸のサロン”が摘発されたことからも、サロンという曖昧なくくりで行われている有象無象の施術で問題なのは皮膚、筋肉、骨、靭帯などを傷つけることであり、粘膜を扱うことです。

 皮膚を削ることや、粘膜に触れたり器具を挿入することは、手技療法者がすべきことではありません。

 あマ指師のモラルがあればしないことをしてしまうから“無資格者”が問題とされてしまうのです。

 私は個人的には誰もがタッチング理論がわかって、適切なタッチやストレッチによる健康法を実践することが好ましいと思っていますし、その中で周囲から頼まれるほどの優秀な人材はあんま・マッサージ・指圧類似行為を仕事として選択して良いと思っています。

 自分のために、大切な家族や友人が苦しい時のために医療の根本であるタッチが活かせたら、とても素敵なことです。

  資格があっても、ただ漫然と考えもなく体につかまって時間を潰しているようなヤカラはろくなもんじゃありません。

 レーシック手術で器具の消毒を十分にせずに、何人もの方に感染症を発症させた医師は「セレブになりたかった」と言ったようですが、体を扱う仕事でお金をいただく限りは、流行やお金儲けだけでは成り立たない部分があります。

 一方では長年地元で医療を続けてきた小児科の開業医の先生は、体を壊されて診療は休みが多くなったと聞きます。

 コツコツと真面目に続けていても、やがて思うようにならない事態が起きて、第一線を退く日はやってきます。

 コツコツと積み上げる事もなく、ファッションや勢いで自分の範疇を超えた何かに手を出そうなど、不届き者のすることです。

 届けを出さずに不届きだから、無資格者と言われて捕まりますか、なるほど。

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2011年1月 2日 (日)

毎日の運動を欠かさない85才からの年賀状。

 毎年年賀状は元日に書いています。

 一日の決まり事を優先してルーティンワークが終わる頃には、イレギュラーな事に向ける気力体力ともわずかにあるかないかの状態なので、毎度このような有様で、いただいた年賀状にお返事をするようなことになっています。

 今朝も歩いて来ましたが、元日、2日と早朝に擦れ違う人もわずかで、ルーティンワークもお正月はお休みか時間変更の方が多いようです。

 それでも毎日一万歩近く歩き、週一で水泳、月一でゴルフをしていますという85才の男性からの年賀状もあって、ルーティンワークを崩さないことが健康の秘訣であると感じて実行しているのは、私だけではないようです。

 人間は動物ですから動いた方が良く、動けるようにしておくための運動を毎日することは怪我や転倒の予防になります。

 寒い中(列を作っての)初詣はそれからのことです。

 大雪で車に閉じ込められた方たちが、肘を伸ばして指紋部を当てる指圧ができたら自己指圧でも体が温まっただろうに、と思います。

 力ではなく、母指の指紋部と対立する四指の指紋部を皮膚の表面からずらさずに手関節の背屈で調節する指圧ができれば、場所を取らずに肘を曲げていても指圧をすることができます。

 車で一夜明かした方の中で、車に乗る前にストレッチやウォーキングをしておいた方は何人いるでしょう?

 寒い車中で座位姿勢を続ければ、腰痛持ちの方は大変です。

 一秒先には何があるかわかりません。

 だから私はストレッチをして、エクササイズをして、歩いて、一日のルーティンワークをして、余力があればイレギュラーな事をします。

 そんなテイタラクですから私の年賀状はゆっくり届きます。

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2011年1月 1日 (土)

2011年元旦 あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。

 皆様の健康と幸せを心よりお祈り申し上げます。

 今はまだ夜明け前ですが、南東の低い空に月齢25夜の月が、食べ終わったメロンの皮のように木陰から覗いています。

 しばらくすると、同じくらいの方角から初日が昇り、また新たな一年が始まります。

 昨日も指圧をしていて、年末年始のメリハリのないことになっていますが、年末が一番体に無理のかかる頃なので、強い緊張でがんじがらめになった体を引きずって、抜け殻のようになった方がやってきます。

 我慢を重ねずに、できるだけ早いうちにメンテナンスをしておいたほうが、御自分にも、指圧をする私にも楽チンです。

 私なんぞは“Small One(小さきもの)”ですから、人間誰しもの体の中に潜む“Little People”の力をお借りして、何とかこの一年、皆様の体に触れさせていただきました。

 私の体は、夜な夜な“Little People”が修繕してくれているように思っています。

 それは血流に乗ってやってくる免疫の力…、いやいや、面白いほうに取りましょう。

 人間は皆“Small One(小さきもの)”かもしれない、でも誰かが誰かの世話を焼いたり、おせっかいやら人情やら、たとえ“Small One”でも二人、三人と集まれば、美しいことや、嬉しくて泣けてくるようなことが起こります。

 私は“Little People”の力を信じて、“Small One”の分際をわきまえて、余計なことをしないように、絶妙の微圧を今年も追及していきたいと思います。

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