精油の鎮痛効果を深く信じること。
アロマテラピーを鎮痛のために用いる場合に必要なのは、精油の鎮痛作用を学び、その化学的、感覚的な効果を信仰に近いところまで引き上げておくことだと思います。
自信を持って薦めることができなければ、クライアントはそれを見抜きます。
昨日の急患は喘息の持病はなく強いアレルギー体質と考えなくてもよかったので、サルチル酸メチルのウインターグリーンを使いました。
関節痛への効果を期待したセントジョーンズワート抽出油とスイートアーモンドオイルを各10mlに、ウインターグリーン2滴、ラベンダー(フランス産)1滴、ゼラニウム1滴の1%濃度のブレンドオイルを使用しました。
ウインターグリーンは急性の強い痛み、ラベンダーは鎮痛、ゼラニウムは神経痛と血流促進のイメージです。
症状は骨粗鬆症による椎体圧迫骨折からくる座骨神経痛の悪化で、パニックになっていました。
精神症状を抑えるために、穏やかな声で、ゆっくりと、自信を持って対応しました。
こういう時に一番大切なことは、鎮痛の方法をいくつか持っていること、そしてそれに信仰に近い自信を持つことです。
始めは全身指圧+牽引のストレッチしました。
大腿後側の座骨神経症状はそれほどひどいものではないことがわかります。
それよりも下肢のむくみと冷えには問題があるとここでは考えました。
全身指圧+下肢牽引、上肢牽引で椎骨の間隔を伸ばすことができます。
忘れてはいけないのは、内臓下垂を上げておかないと結果として椎骨の重りが取れないので、またすぐに椎骨は狭くなり神経の圧迫が強まるということです。
伏臥位腰部の指圧は当然ですが、仰臥位腹部の指圧で内臓を上げる技術がとても重要です。
アロマオイルマッサージは伏臥位で腰背部から仙骨までと、下肢に行いました。
筋肉が緩んでいる下肢には運動をさせ、筋肉に熱を発生させるイメージでマッサージをしました。
下肢後側の座骨神経上を圧迫すれば鎮痛作用がありますが、それは指圧ですでに行っているので、オイルで当てていきたいのは結合織の水平方向の刺激です。
声かけも大切です。
温かくなっていくこと、気持ちがいいこと、それが今あるのか、ないのか?
温かくなって、気持ちがよくって、おなかがグーッと鳴っていたら、それは副交感神経優位にスイッチが切り換わったのだから今までの不安な状態から変わっているわけです。
それを言葉で説明し、お互いに納得を深めていくようにしました。
心配だから夜中に目覚め、パニックになり、痛みを強めて、朝早くから電話をしてきたのです。
ここではその逆をやればいいのです。
眠くなるように、安心するように、痛くないように、慌てずゆっくりタッチをしていけばいいのです。
施術後、足のしびれも取れ、痛みの訴えもなくなりました。
「精油は植物から抽出した薬でその後しばらく体に効果があること」、ここでは薬効成分を含むと言わずに「薬」という言葉を選択して伝えておきました。
いかにわかりやすくするかということがセラピーの効果を高めます。
日曜日の朝、時間外からパニックになった急患を相手にすると、真っ白に燃え尽きた感がありました。
それはセラピストにとって苦痛なことではなく、幸せなことだと思います。
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