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2011年6月26日 (日)

錐体路系と小脳を使った考えるタッチ。

 慣れた運動でも、利き腕ではないほうの手を使って行えば、動きを考えながら行わなければならず“錐体路系”を使った運動になります。

 錐体路系は大脳運動性皮質から脊髄あるいは脳幹まで、直達性に指令を伝え、体幹や四肢の運動を支配します。

 考えながら細かな手指の動きをする時には、錐体路系が使われています。

 一方、慣れた運動を利き腕で頭を使わずに行う時には「錐体外路系」が使われています。

 錐体外路系の伝達は①大脳運動性皮質から脳幹を介して脊髄を下行する②“大脳運動性皮質を介さず”脳幹から脊髄を下行する③“脊髄を介さず”大脳運動性皮質から大脳基底核や視床、小脳を介して大脳運動性皮質にフィードバックする、などの経路があります。

 例えば、練習して慣れた動きでも、緊張して頭で考えながら慎重に動作をしようとする時には、錐体路系の伝達となり、得てしてこういう時の動きはぎこちなかったり、ミスをしてしまったりします。

 しかし、話を指圧に置き換えた場合、1,2,3で機械的に圧し込んでしまうと、診断即治療という大脳皮質を使った触圧覚+その他の感覚情報分析が反映されていないことになり、“高速餅つきのパフォーマンス”のようなものになってしまいます。

 また協調運動をコントロールする小脳が麻痺すると乱暴な動きになることからわかるように、運動を制御する役割の小脳が働いていないと適量刺激はできません。

 頭を使いながら力を制御することで適量刺激に近づけることができます。

 手馴れた動きで考えもせずにタッチを繰り出していく施術では、力をコントロールすることができずに、揉み返しが起こります。

 施術をセラピーにするためには、錐体路系と小脳を働かせて、ぎこちなくても丁寧なタッチをすることです。

 人間の体は例外や特例をはらんでいるものです。次のタッチが今のタッチと同じで良いなどと甘く考えてはいけません。

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