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2011年6月28日 (火)

固有受容性感覚器=筋紡錘と腱紡錘。

 昨日の続きで『Tsuji式 PFNテクニック 入門』について、この本の優れている点を書いておきます。

 まず、辻さんが命に対して深い畏敬の念を抱いて日々のセラピーにあたっていることが、文章の端々から感じられます。

 PNFの効果に対する深い確信が感じられるだけでなく、決して過信もしていない謙虚な姿勢には、セラピストとして修羅場を潜ってきた一流の匂いがあります。

 専門用語の羅列に堕すことなく、説明がわかりやすいのは、自分の言葉で理論を理解し、クライアントとの意思の疎通を大切にしているからだと思います。

 例えば「固有感覚性受容器」と言うとややこしい感じがしますが、「筋紡錘(筋の収縮に伴う筋と腱の長さや張力の変化を感受する受容器)」と「腱紡錘(筋の収縮に関する求心性情報を中枢に伝える受容器)」のことだと言い換えてもらうと、われわれは生理学で習っているので理解しやすくなります。

 「神経筋」も「運動神経と筋肉間で情報をやり取りする仕組みのこと」、「脳から発せられた指令は電気刺激として神経に伝わり、筋肉の手前で神経伝達物質に変換されて…」という説明で、これもアセチルコリンが関与するという生理学の身体運動の章を思い浮かべることができます。

 その「促通」のために、「まずセラピストがクライアントに抵抗の求心性感覚刺激を与えてから、クライアントが脳から指令をして抵抗の力に負けないように身体の部位を動かすことで、『2方向の神経の流れに刺激を与えるのでPNFは効果的である』」というあたりの説明は、とても上手にまとまっていてわかりやすいと思います。

 ここに書いた文章よりも、『Tsuji式 PFNテクニック 入門』のほうが読みやすいので、是非書店でチェックしてみてください。

 昨日は1ミリの喉頭癌がみつかり、粘膜を焼き付ける手術を受けて来た方に、1ヶ月ぶりに指圧をしました。

 腋窩も頚部も鎖骨部も鼡径部もリンパの腫れがなく、むくみもなかったのでひとまずホッとしました。

 全身麻酔と入院生活の影響だと思いますが、筋肉は硬くなり、肘などの関節は冷えていて血流は悪くなっていましたが、指圧後には深部の筋肉の緊張が緩んで体が温かくなりました。

 「退院してもしばらく指圧に来る気がしなかった」ということですが、それでも指圧に来てくれました。

 癌になっても、癌の手術後に体が硬くなっても、指圧にはできることがあります。

 その気になっていただければ、何かできます。

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