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2011年9月30日 (金)

“デコピン”との違いから指圧のタッチを考える。

 おでこをピンと叩くデコピンは、母指を使って屈曲方向に力のためを作った中指で、屈曲からの解放の力を利用して額を叩きます。

 デコピンは硬い爪が当たるので、攻撃的な刺激となります。

 デコピンを殺法か活法かに分けるなら、殺法に属するのでセラピーでは使えません。

 しかし、中指の中手指節関節が屈曲し、他の四指の中手指節関節が伸展する形は空中での対立圧を可能にします。

 その形のまま、中指の指紋部で“額に乗る”のが指圧、中指で圧し込んでしまえば単なる圧迫法です。

 中指の指紋部で額に乗れば、垂直圧の持続が得られます。

 中指で圧し込めば、頭部顔面・頚が傾き、圧の方向がねじれます。

 これがわからなければ、指圧にはなっていないということです。

 指紋部の着地した皮膚表面を支点として体幹をプッシュアップで起す感覚と、猫背で指力で圧し込むことの違い、つまり垂直圧を得るためには“潰す”のではなく、“硬いものと喧嘩しない(乗る)”ということが必要なのです。

 そのイメージトレーニングとして、自分の額に中指の指紋部~指紋部の先端で“乗る感覚”を覚えましょう。

 他の四指の中手指節関節を意識的に伸展させ、この伸展方向の力を意識することが、空中で対立圧の垂直圧を得るための重要なポイントです。

 これがわかると、タッチの難解な疑問の扉を、ひとつ開けたことになります。

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2011年9月29日 (木)

リーボック・イージートーンの効果、内転筋群と大殿筋、腰部背柱起立筋のこり。

 リーボックのスニーカー『イージートーン』の靴底を見ると、母趾球から水の波紋が外側に広がっていくようなクッションになっています。

 踵は逆に外側から内側に水の波紋が広がっていくようなクッションになっていて、踵での着地では下肢が外側に軽く傾き、母趾球が着地する時には下肢が内側に軽く傾くようなバランスになっています。

 右腰が痛いという50代の女性、2日前に初めてイージートーンを履いて30分ほど外出したということです。

 買った時にヒップアップの効果があると店員から説明されたそうで、「そういえばイージートーンを履くと爪先で蹴るというイメージがはっきりわかった」とおっしゃいます。

 歩行で一歩が大きくなり、後ろに残した爪先でしっかりと地面を蹴ると大殿筋を使うエクササイズになります。

 ウォーキングが大殿筋のエクササイズになれば腸腰筋にはストレッチになり、脊柱起立筋のエクササイズにもなるので、右腰痛は腰部脊柱起立筋のこりによるものでした。

 また、踵外側から母趾球への接地により下肢は使われにくい内側の筋肉が使われることになり、大腿内転筋群もこっていました。

 これはイージートーンを履いたことで、普段は使っていない筋肉を使ったということです。

 普段使わない筋肉のこりは、鍛えられていない筋肉なので、弱い刺激で丁寧に緩めていきます。

 全身指圧後、腸が動き出したので、筋肉疲労による緊張は血行促進により緩和の方向に向かっているということです。

 イージートーンには注意書きがあり、「違和感を感じたら使用を控える」というようなことが書かれています。

 宣伝のようになりますが、確かに効果があると思います。

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2011年9月28日 (水)

右利きのゴルファーの左半身の使い方(古閑美保さん、左手首の故障で引退)。

  今朝のテレビや新聞では、女子プロゴルファーの古閑美保さんが左手首の故障が治らず引退というニュースを伝えていました。

 昨日の指圧の最後の御客様は、ゴルフで左腰を傷めたと思われる男性でした。

 左足を前に着地して構え、右から左へ振り子運動のスイングをすると、左腰が強くねじれ、左肩が右肩より上がって、最終的に左手首は後頚部に巻き込まれるように背屈+橈屈します。

 指圧の御客様は毎日のデスクワークの座位+猫背姿勢と、歩きの不足、そしてゴルフのスイングで、左腰の前屈痛+左回旋痛、左肩上部僧帽筋と肩甲挙筋のこりが診られました。

 古閑さんのスイングは上肢から手首がしなるように頚に巻きついてフィニッシュしています。

 古閑さんは2年前の試合中に手首を傷めたということですが、手首の尺屈から橈屈への運動の連続により、それまでの長年の疲労が積み重なっていたことが怪我の大きな要因だったのでしょう。

 プロのレベルの繊細なボールコントロールに、手首の怪我は大きく影響します。

 まだ29才の若さですが、ツアーや怪我のストレスは女性ホルモンの分泌にも影響を与え、妊娠中や更年期のような腱鞘炎が発症しやすい状態も続いていたのだろうと推測します。

 力の抜けた振り子運動なら、ゴルフのスイングは肩こり解消や腰の筋肉のストレッチにもなるのですが、スイングの進行方向に向かって力が入り過ぎると、左半身を傷めます。

 右から左へスイングするゴルファーは、ゴルフの後に左から右への軽い振り子運動で逆のスイングをしておくと、疲労回復のストレッチになります。

 指圧後、左腰痛の男性には、いくつかの腰、肩のストレッチと腸腰筋をストレッチを意識した後ろの蹴り足を大きく取ったウォーキングを覚えていただきました。

 古閑さんが十分な休養をとって、リラックスできる環境で左手首の治療に専念することができれば、プロへの復帰ということもあるかもしれません。

 プロのプレーができないなら引退するという選択は、清々しい引き際です。

 傷が癒えて復活の日が訪れ、新たな境地で活躍されるのではないかと期待しています。

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2011年9月27日 (火)

寒い日に寒さが気にならないのは調子が良い。

 昨日も右大腿骨骨折の方のお宅で指圧をしてきました。

 部屋に入ると患側の右を下にした横臥位をとっていました。

 患側を下にできると体重の圧が患部にかかるので、鎮痛効果が期待できます。

 いつもは触れにくい左背部がしっかりととらえられるので、まず左半身の指圧から始めました。

 右大腿部が痛いと唸ることもなく(痛いから呼ばれたのですが…)、ウトウトとした眠りから覚めた時に「寒くはないかい?」と聞かれました。

 他人の心配ができるのは、調子の良い証拠です。

 その日も『痛いから』とデイケアに行くにをやめたようですが、右を上にした横臥位に体位変換をしても痛がらず、指圧中には奥様との昨日の相撲の会話にも参加できていました。

 昨日は10月中旬並みに冷え込みましたから、万が一の用意に衣服に貼るカイロも持っていきましたが出番がありませんでした。

 両上肢と健側の下肢の筋力維持と患側の下肢を含む全身の血行促進の効果は確かにあるようです。

 これでデイケアに行く気になれば、そこでの座位姿勢やちょとしたリハビリも回復につながっていくと思います。

 午後はむくみがちな30代の女性の指圧をしたのですが、靴下をはかずにやって来たのでそれを注意しました。

 しかし、指圧をして以来、耳鳴りがなくなり、スポーツジムにも通い始めて体の冷えが気にならないので靴下を履いてこなかったようです。

 背筋は鍛えていないようで猫背でやってきて、左肩甲間部の指圧ではポキッと音がするくらい胸椎がずれていましたが、おなかの指圧では締まった腹直筋に触れたのでちょっとびっくりしました。

 それまで運動をしてこなかった人が運動を始めると、筋肉がしっかりとしてきて体温が上がるようです。

 指圧後にはお尻の締まった感覚に手でお尻を触って「ヒップアップした」と喜んで帰っていきました。

 寒かった昨日、それまでは冷えを訴えていた人が寒さを気にしていない様子を続けて目にしました。

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2011年9月26日 (月)

鎮痛と保温。

 今日は彼岸の明け、今週は30℃以上の最高気温が予想されていません。

 すだれをはずし、これからは日射しによる暖房効果も室温の適温維持に利用していくことになります。

 先日も午後4時に指圧を受けにいらした御夫婦の場合、西日の当たる待合室は4時には室温が25℃くらいでしたが、交代で御二人の指圧が終わる6時には20℃近くに下がっていました。

 快適な室温に暖房が必要かどうかが微妙なところです。

 エアコンは切ってありましたが、待合室でお待ちいただく間はハーブティをお出しして、「寒いようでしたらエアコンを点けてください」と申し上げてあります。

 特に先に指圧を受けて、次の指圧が終わるまで待つ方は、体が血行促進されているので、代謝が促進された後に体温が下がってきます。

 その体温の下がり方をちょうど良いと感じるか、寒いと感じるかはその時の体調や外気との関係もあり、一定ではありません。

 そろそろ小さい電気ストーブも待合室に出して、いよいよ冬支度になります。

 この冬の万が一の停電対策としては、エアコンやコンセントからの電気が必要な電気ストーブやファンヒーターは役に立たないので、昔ながらの乾電池で点火する灯油ストーブも用意しなけらばと思っています。

 冷えは血管を収縮させ痛みを増強させるので、昨日は大腿骨骨折のお年寄りの往診のためにサポーターや低温火傷になりにくそうなカイロを探してきました。

 体を冷やさないための室内の用意、万が一指圧→アロマで鎮痛できない時のちょっとしたアイテムの準備、そんなところを御客様は評価してくださるものです。

 今日は玄関の遮光カーテンをはずします。

 白いレースのカーテンをつけるか、つけないか、指圧を始める前に、つけたりはずしたりして考えます。

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2011年9月25日 (日)

上腕三頭筋外側頭がこってしまうような指圧法ではいけない。

 指圧のフォームについて考えてみましょう。

 われわれが最初に学ぶ指圧の基本の一つが『正座をして片側の上肢を伸ばし、床に指紋部を着地して、そこへ軽く体幹を傾ける指圧』です。

 もちろん手指の構えは、中手指節関節屈曲、指節関節伸展で、指紋部の着地は自分の体の側面からあまり離れない自然な位置にします。

 このことからも、『自分の体から斜め前に離れすぎた位置に指紋部を着地するのは正しい指圧ではない』と言い換えてもいいでしょう。

 指圧は自分の体から近い位置に指紋部を着地し、わずかな体重移動で行うものです。

 ですから、ひどいものになるとベッドの上にあがって御客様の上にまたがって自分の体から遠くの位置に指を置いて猫背で押していますが、このようなものが指圧であるはずがないのです。

 指圧をして上腕三頭筋外側頭がこってくるようなフォームなら、これもよろしくありません。

 上腕三頭筋外側頭は、指圧で上腕が伸びた時に上腕外側の一番正中線に近い部位(指圧中に顔を傾けてみるとチラリと見えるくらいの地平線の位置)にあります。

 解剖学的姿勢では手掌を前に向けた上肢内側が正面になりますから、指圧の姿勢では内側にあっても、それが上腕三頭筋の外側頭ですから、ここのところは間違って覚えている人も多いと思うのでチェックしておきましょう。

 上腕三頭筋外側頭は、曲げた肘を前下方向に伸ばすことで鍛えることができます。

 上腕三頭筋外側頭がこってしまうような指圧法は、曲げた肘を伸ばして圧しているか、力が入りすぎて肘関節をのばしたまま上腕三頭筋外側頭の等尺性収縮で圧しているので、よろしくありません。

 もっとふわりと、肘を自然に伸ばして、力を抜いて

 指紋部の着地はできるだけ自分の体に近づけ、圧しにくければ前に出した方の足(伏臥位、左肩甲下部の指圧なら左足)の着地を少し外側に開き、爪先も外側に向けて、野球で打者がミートポイントを遅らせて流し打ちをするようなアウトステップの形を取ります。

 できるだけ小さな動きで正確なミートをするのが指圧のフォームの本質であると私は考えています。

 疲れないフォームでなければ1点3秒圧として1分間に20点、1時間に1200点を適量刺激に調整することは無理、次第に乱雑な刺激となって、痛みや不安を抱えた方の期待に応えることができなくなります。

 指圧のフォームはその日の体調や自分の体の経年的な変化によっても微調整していくしかなく、御客様の体格によっても常に自分の体に合った姿勢をその場で見つけていかなければいけません。

 指力が入って指が疲れる、指の関節が変形するなどは論外、上腕三頭筋にこりを作らず、腰も下肢も疲れないフォームを追求し続けてください。

 とてもとても難しい、一生の課題です。

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2011年9月24日 (土)

網膜剥離手術後は力仕事をしない(血圧を上げない)。

 まだ働き盛りで網膜剥離の手術を受けた男性のお得意様、2ヶ月ぶりの指圧です。

 失明の怖れを危惧されていましたが、幸いにも少し視力が落ちた程度で手術の結果は良好のようです。

 奥様の付き添いが必要かと思っていましたから、一人で玄関から入っていらした時には、大きな視力障害がなさそうなことがわかってほっとしました。

 緊急手術の左目だけでなく、右目の網膜にもレーザー手術を受けたということで、右目は早期なので今後の症状悪化への心配が少なくてすみます。

 まだ左目はやや充血していて、今回の主訴は背部のこりと就寝中に足がつるということです。

 東洋医学では五臓の『肝』と五官の『目』を同じ五行の『木』の性質に分類し、「肝は目に開竅する」としていて、肝は目を通して外界と通じ肝の働きが衰えると目が疲れ、目を酷使すると肝の働きが悪くなるとしています。

 血を蔵する肝は、睡眠中に脳や四肢の血液を集めます。

 脳の血液が肝に下がるので、興奮がおさまって眠気をもよおし、また日中の活動時には血流の盛んな四肢の血液も睡眠中は肝に集まって、栄養の分配やホルモン、胆汁の生成などの活動に利用されます。

 睡眠中に足がつるのは、四肢の血行が悪くなるからです。

 日中の運動や寝る前のストレッチがあれば足がつることは少なくなりますが、医師から「力仕事をしないように」と言われたようなので、運動不足で足がつったようです。

 力仕事で力んだ時には血圧が上がって頭部顔面は紅潮し、目はさらに充血します。

 ストレスや冷えも血圧を上げるので、ストレス管理と体を冷やさないことも網膜剥離の予後には大切です。

 背部のこりは交感神経の緊張を現し、足がつるのは冷えや運動不足の血行不良を示しています(背部に肝兪があることも、背部のこりと網膜剥離を関連付けます)。

 肝と目の関係を考えると、網膜剥離の原因として仕事のストレスも大きかったのではないかと思います。

 全身指圧中、よく眠りました。

 今までいびきをかいて寝ていたのですが、今回はいびきがありませんでした。

 網膜の手術が顔面の血流に変化を与えたのだろうと思いました。

 失明するかもしれないと言われての手術でしたから、大きな不安を抱えて望んだことでしょう。

 一つの試練を乗り越えて、体の緊張が今までよりは少なかったように感じました。

 仕事では上からも下からもストレスのかかる年齢です。

 病気を経験して今までは構えすぎていた肩の力を抜くことができるようになっていけば、それは大きな財産で、手術前後の不安も苦しみも決して無駄にはならないだろうと思いました。

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2011年9月23日 (金)

伝言ゲームのようにタッチの本質は歪曲されて、痛いタッチがまかり通る。

 書店で開いたある手技療法の本には『…指圧のような痛い刺激ではなく…』と書かれていたので、すぐに本を閉じて棚に返しました。

 これを書いた方はおそらく“本物の指圧”を受けたことがないのでしょう。

 昨日のあるニュース番組では、『不況のおり手に職をつけたい人が整体を学んでいる』と、猫背でベッドの受け手の上に馬乗りになって指力で圧迫したり、肘を肩に鋭角に圧し込んだりしている映像を流していました。

 例えば吉田流あん摩の肘の使い方では、肘頭を皮膚表面に当てたら鋭角に圧し込むのではなく、手を握手をする形にして前腕を前後に揺らします。

 拳を握って鋭角に圧しつけるのは、プロレスのエルボーの使い方、つまり“殺法”です。

 活法と殺法では刺激の伝え方に天国と地獄の差があります。

 われわれは天国の刺激を伝えなければいけません。

 例えば肘揉みも、前腕内側を倒して体に当てれば柔らかい刺激の活法ですが、骨の当たる前腕外側を当てていけば殺法の使い方になります。

 感覚の敏感な人もいれば鈍い人もいて、触圧刺激の伝授は歪められながら末端では天国のタッチが地獄のタッチにまで貶められてまかり通っているようです。

 昨日も右大腿骨折の方の家に呼ばれて指圧をしてきました。

 今週はとうとうデイケアをお休みしたようです。

 何が痛みを和らげ、何が痛みを悪化させるか、常に痛みに苦しむ人はセラピストを厳しく選択します。

 せっかく塞がりかけた傷をこじ開けずに鎮痛をはかるにはどうしたらいいでしょうか?

 民間指圧の指力レベルでは痛いタッチになるので、骨折の高齢者からお声がかかることはないでしょう。

 肘を鋭角に入れたり、痛い刺激になる側を使って刺激をするのは、触圧刺激の伝言ゲームで本質を間違ったニュアンスが伝わったのだと思います。

 天国のタッチでなければ、“癒す”などという言葉が手技療法の周辺にチラつくはずがありません。

 ふわりと密着してください。ゼロに近い圧刺激もしっかりと鎮痛効果を示します。

 ふわぁりと。

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2011年9月22日 (木)

台風一過。

 昨日は浜松に上陸した台風が、甲府から秩父、そして宇都宮と内陸を通過するコースを取り、交通機関の運行中止が相次ぎました。

 まだ避難をされている方もいて、土砂災害などの復旧活動に忙しい地域も多いことと思いますが、今朝は台風一過の澄んだ青空が広がっています。

 最高気温が30℃以上になるのも、予報では今日が最後のようです。

 利口なもので季節を知る曼珠沙華をあちこちで目にするようになりました。

 これから彼岸過ぎまで、日高市の巾着田では真っ赤な曼珠沙華が咲き乱れます。

 かつて奥様と巾着田を訪れた武田鉄矢さんが、「まるで死ぬ準備をしているみたいだった」と真っ赤に染まる高麗川の川岸に身を置いた光景と三途の川をだぶらせて、自らがパーソナリティをつとめるラジオ番組でその感想を語っていたことを思い出します。

 ハイキングコースには高麗神社があり、指圧のお客様にお話しをしたところ、高麗神社で御祓いを受けてきたということで、その後に「とても気持ちがスーッと楽になった」と最近の指圧の時にうかがいました。

 高麗神社は、日本に帰化した高句麗の王族を祀り、パワースポットとしても知られています。

 「痛みや不安をどこかに預けてくること」、私はそれが生きるうえでとても賢い昔から皆が経験的に体得してきたデトックス法だと思います。

 大いなるものに頭を下げ、託してしまう、それは台風などの自然災害への不満や苦痛の緩和にもなります。

 彼岸、衣替え、季節は移り、これから冷えが体を硬くし、症状の悪化を誘発します。

 台風一過、気持ちを切り換えて、体を動かして筋肉で熱を作りましょう。

 動かせる筋肉や関節は動かしておく、使い過ぎないように、使わな過ぎないように。

 今日も歩いて、木々にでも、草花にでも、空にでも、山にでも、痛みや不安や不満は託してしまいましょう。

 さぁ今日もまた指圧ができるように体と心の準備をして、一日が始まります。

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2011年9月21日 (水)

70代女性、神経性胃炎+足底痛。

 70代女性、主訴は両足底に時々起こる痛みです。

 また、上腹部が時々痛み、現在病院で処方された胃炎の薬を服薬中です。

 その日の朝はいつもよりも冷えたので、足の痛みが持続して不安になり、指圧にいらっしゃいました。

 座位ではひどく背中が曲がっていて、頚部から腰までの緊張が診られました。

 旦那様の介護で精神的なストレスを溜めて、指圧中は不満をデトックスする会話が続きました。

 御客様が話したいのか、眠りたいのか、これは手技療法の大きなテーマです。

 話したい御客様には、タッチに乗せて溜息を吐かせてください。

 ストレスをセラピストに預けきってしまうくらい会話によって深い呼吸が続けられたら、それも血行促進の手段です。

 伏臥位の指圧で上半身には強い緊張がありました。

 このケースで背部兪穴のこりは内臓(胃)の症状の反映と考えられるので、弱い圧刺激を次第に深くかつ持続を長くしていき、内臓に到達するイメージで指圧を行います。

 下肢はこっていませんでした。

 暑さとストレスの夏が過ぎて、天候不順な季節の変わり目で運動不足が続いて、足底のアーチが崩れています。 

 使わな過ぎによる筋力の低下、筋萎縮、末梢のみの神経症状で、座骨神経に沿って大腿、下腿に神経症状は診られませんでした。

 よって下肢の筋肉には運動させるイメージの指圧でテンポよく刺激していきます。

 胃炎は検査で大きな異常がなかったということなので、介護ストレスによる神経性胃炎を疑います。

 頭部顔面の指圧はストレス緩和に重要なポイントなので、百会穴を中心に全体的に気持ちの良い刺激を追求して、指圧を構成していきます。

 腹部は内臓下垂で下腹がポッコリしています。

 背中が丸くなることと内臓下垂はセットですから、かならず内臓を寄せて上げておきます。

 痩せ型、虚証、胃下垂、神経性胃炎、これもセットであることが非常に多いです。

 腹部臍動(ドキドキ脈打つ)もあり、これもこの体質には付き物です。

 トイレで立ち上がる時に最近めまいがしたということで、血行不良で起立性低血圧の状態になりやすい、上半身の強い緊張、下半身の運動不足というアンバランスによって様々な症状は起こっていたことがわかります。

 全身指圧後、座位で背中が伸びて、胸のほうに垂れ下がっていたTシャツのVネックが、今度はVゾーンが狭くなるくらいになっていました。

 足底痛には週に一回やっているという卓球でも爪先立ちのフットワークをするので効果があること(フットワークは苦手で怠けていたようです)などをアドバイスして指圧を終えました。

 会話でストレスを発散し、猫背が解消し胸を張って笑顔で帰って行かれました。

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2011年9月20日 (火)

大腿骨骨折、それでも一人でシャワーができた。

 昨日も右大腿骨骨折の方のお宅へ指圧に行ってきました。

 夜中にどうしてもシャワーが浴びたくなって、風呂場までは奥様が付き添いましたが、一人でシャワーを浴びることができたようです。

 痛みで眠れないことも多く、昼、夜という時間にズレが生じているので、夜中に呼ばれる奥様は大変な負担です。

 しかし、一昨日の暑さは夜まで続いたので、どうしようもない不快感がシャワーへの意欲となったのでしょう。

 この意欲をうまく活用していけば、リハビリは大きく前進しそうなのですが、デイケアでのリハビリは無事預かればよしという方針に思えて、地域にある病院や施設の取り組み方や質によって、回復の芽の育て方に優劣があるのは残念なことです。

 昨日は右殿部に筋肉の緊張がありました。

 シャワーを浴びる時に右大腿をかばうために力が入ったのでしょう。

 指圧を始めるとすぐに眠り、私のタッチへの信頼の大きさをひしひしと感じます。

 不思議なもので、大きな信頼を寄せてくださる方は薬よりもタッチを選ぶようになります。

 一昨日は家を空けていましたが、2回電話をいただいたとか(留守電だったのでメッセージを残さなかったということですが)。

 昨日の早朝にも電話がありました。聞いてみなかったのですが、『もしかしたら…』と思って電話を取ったらすぐに切れてしまいました。

 頼りにされていると感じてくると、いつも頭のどこかでにその方たちのことがあって、昨日は指圧に呼ばれるだろうと思っていました。

 足のむくみ、右殿部のこり、首から腰を右を上にした横臥位で指圧をして、その間に、奥様に右大腿のふわりとした手掌圧や手の甲の腰腿点のツボ圧しなどを覚えていただきました。

 指圧中は寝ていて、指圧の始めと終わりに合掌で拝まれました。

 少しずつでも回復のお役に立ちたいと思いました。

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2011年9月19日 (月)

顎関節症への対応。

 顎関節症は20~30代の女性に多いとされています。

 食事の欧米化で、噛み応えのある食材を食べることが減った食生活の結果、顎が細く咀嚼筋の弱い人には顎関節症状が起こりやすくなっています。

 指圧で顎関節症状を訴える方は確かに女性が多いのですが、もちろん男性にも、40代以上でも顎関節症状を訴える方がいらっしゃいます。

 原因としては、噛み癖や噛み合わせ、咀嚼筋の緊張や関節円板の変形、ストレスなどが考えられますが、姿勢の傾きや単に加齢によるもの(咀嚼筋の衰え、結合組織のクッションの衰えなど)もあるようです。

 40代以上で大あくびをして顎がはずれたというようなケースでは、相当びっくりしますが、『アガアガとパニックっているうちに』自然と顎がはまったような場合は、その後しばらく口を開けるときに気をつけていれば、何年も気にならないという人が多いようです。

 顎関節症へのタッチは、側頭部→頬の側面→顎まで、咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋、そして下顎の顎二腹筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、口を閉じる筋肉と口を開ける筋肉に軽い指圧やサークリングをしていきます。

 全くこっていないケースは、加齢による顎関節の不安定性(筋肉の衰えや関節円板などの“わずかな”変形)が問題なので、指圧、マッサージによる血行促進が効果を発揮します。

 顎関節周囲の緊張が強く、顎関節症状が緩和されない場合は専門医への受診を薦めます。

 頭痛を伴う場合は側頚部、側頭部や下肢外側に緊張がある場合が多いので、筋肉の緊張を緩和し、姿勢の傾きを矯正することで、顎関節の負担を減らすことを目指します。

 顎がはずれると、“アガアガして”目には涙が溜まるほどびっくりしますが、意外となんとか元のようにはまるものです。

 今まで何の予兆もなく、ある朝起きて、大あくびをして顎がはずれるというようなことが、これからあるかもしれません。

 起床時は、関節の潤滑油が足りないものです。腰痛の方も膝痛の方も、朝の歩き出しは痛みを感じます。

 顎だって、何年も使い続けているとメンテナンスが必要になってきます。

 顎にも軽いマッサージをして、片寄った噛み癖や傾いた姿勢は矯正し、朝起きてすぐあくびをする時は、おそるおそる少しずつ口を開けていきましょう。

 メンテナンスをしなければ、いつまでも柔軟性を保証されていないのが人間の体です。

 ごく最近、加齢によると思われる顎関節症に、顎の周囲の筋肉のエクササイズをイメージして指圧を行いました。

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2011年9月18日 (日)

末梢神経障害に長母趾伸筋と長趾伸筋のオイルストレッチ+振動圧。

 糖尿病で下肢の末梢神経障害がある方に、週一回のペースで指圧とアロマオイルマッサージをしています。

 足関節の重だるさ、特に足の底屈や足趾の屈曲に抵抗があります。

 長母趾伸筋と長趾伸筋のストレッチで、足関節が抵抗から解放される感覚があるようです。

 長母趾伸筋、長趾伸筋は前脛骨筋の下にあって下腿前側から足趾末節骨に停止して、足を背屈、足趾を伸展させる働きがあります。

 よって、長母趾伸筋と長趾伸筋のストレッチは、足関節底屈のストッパーの解除になります。

 オイルストレッチはまず下腿前側の前脛骨筋を緩め、さらにそれより深い部位をイメージして手掌軽擦、母指軽擦を遠心性に行います。

 前脛骨筋は足を背屈させる筋肉ですから、足の底屈方向に向かって伸ばすのが理にかなっていると考えて、下腿前側の伸筋群には遠心性の軽擦をしています。

 足背部(足の甲)から先は腱になっています。

 足背部から足趾にも底屈、屈曲方向に軽擦し、母趾と他の四趾を分けて屈曲のストレッチを行い、この時の最後に足趾を屈曲したまま頭まで揺れるような振動圧を加えます。

 これがとても具合良いとみえて、指圧の開始時とアロマオイルマッサージの終了時では明らかな足関節の感覚にかなりの違いがあるようです。

 私は指圧で全身を緩めて鎮静化させてから、下肢のPNFを短時間行い、さらに下腿以下のアロマオイルマッサージを短時間に早いテンポで行って、神経を興奮させて終了するようにしています。

 オイルには、ゼラニウム1%濃度でキャリアオイルにはスイートアーモンドオイルを使っています。

 精油を換えることなくずっとこれでやってきました。

 血管収縮作用、血糖降下作用、神経痛への効果などがあり、肌質を選ばないゼラニウムは使いやすい精油です。

 オイルストレッチ+振動圧は興奮作用と深部の筋肉への効果が期待できるので、施術に取り入れてみると末梢神経障害改善の打開策になると思います。 

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2011年9月17日 (土)

O脚+下腿外旋+足底のアーチの減弱、仰臥位で膝が浮く→腰痛。

 30代男性、主訴は腰痛です。

 座位で脊柱の前後左右のズレはありません。

 触診では仙腸関節周囲と両殿部中殿筋に圧痛があります。

 伏臥位では両肩から背部のこりがありますが、腰部のこりはそれほどでもありません。

 下肢は座骨神経に沿ってそこそこ緊張していますが、座骨神経痛が主訴の方と比べた場合、問題にしなくていい程度です。

 朝起きると上肢、下肢と、首、腰に重だるさがあるそうで、仰臥位の睡眠姿勢には問題があるだろうと思いました。

 仰臥位で、股関節は軽く外旋し、下腿が大きく外旋しているのでX脚気味に見えます。

 膝を伸ばしても膝が浮いてしまうので、仰臥位で寝るときには、サポート枕を膝下に入れて寝なければ骨盤から下肢にかけての血行は悪くなります。

 また足底のアーチが偏平足気味になっていて、爪先立ちなど、しっかりと足を使って日常生活ができていないことがわかります。

 上肢の指圧では、右母指から中指にしびれがあり、仕事で物を握る動作が多いことが想像されます。

 全身指圧+ストレッチ後、腰痛の症状は緩和されましたが、両手背を胸の前で合わせるファーレンテストが陽性だったので、手根管症候群の疑いがあります。

 上半身と下半身の筋肉の使用のアンバランスから症状が起こっていますので、まず爪先でしっかりと地面を蹴って歩くことや、膝屈曲+股関節屈曲で大腿後側を両手で持って股関節の内旋外旋運動を行うこと、両膝の間にクッションなどを挟んで強く締め付ける下腿の矯正法などを覚えていただいて指圧を終えました。

 右手指のしびれはこれからは血行促進のため入浴時にゆっくり温めることなどが必要になり、使い過ぎであれば可能な限り休めることも大切です。

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2011年9月16日 (金)

デイケア休んで指圧して介護施設の人が来て…。

 昨日も右大腿骨骨折の方に呼ばれて指圧に行ってきました。

 まだ暑さの盛りの午後2時でも「風が当たると痛い」ということなので、熱中症の心配もしながら、体に風が当たらないように細く窓を開けて指圧をしました。

 「腰が痛いから」と昨日はデイケアを休んだようで、指圧をしながら眠ったところへデイケア施設の介護職の方が様子を見にやって来ました。

 指圧中に首から提げたネームのプラスチックを目の前に差し出されましたが、名前は忘れました(指圧中にそれはどうかと思います)。

 せっかく寝ているのに声かけをしてくれて、『うーん、まだアオイな』と思いました。

 指圧中は奥様が休憩できる時間なのですが、今度は茶の間に上がってお茶を飲んでいる様子…。

 「気持ちいいから寝ちゃった」と言って笑顔を見せたのを奥様と確認して、また眠りについたのでほっとしているところだったのですが…。

 前回デイケアで「3年は歩けない」と言われてきたようです。

 もう80才を過ぎています。

 もっと言い方があるでしょうに…。

 デイケアは休んで指圧は自らすすんで受けているところを介護施設の方に見られるのは、学校をサボって繁華街で先生に会ったような、私がそんな気持ちになる必要はないのですが…。

 前回とは違い、今回は右大腿骨のカクカクという不安定さを感じませんでした。

 左手を患部に当てておくと気持ちがいいようで、右を上にした横臥位で、左手は右大腿上を少しずつずらしながら軽い手掌圧をかけ、右手は背部、腰部の指圧をするというのが今回の中心手技になりました。

 かなり要求に合わせることができていると感じました。

 帰り際まだ介護施設の人が茶の間にいたので、『せっかく幸せな笑顔を見せて寝ているのだから、起さないように!』と念を飛ばして帰ってきました。

 

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2011年9月15日 (木)

母指の指力で圧さないための練習法。

 「母指の指力で圧すのは指圧ではない」と言っても、なかなかイメージがわかないという方も多いと思いますので、母指の指力で圧さないための練習法を紹介します。

 まず自分の前腕内側中央に母指の指紋部を、前腕外側中央に四指を揃えて指紋部を当ててみてください。

 この時には両肘を自然に軽く曲げて、肩の力を抜きます。

 圧される側の前腕と、指を当てている手掌との間には空間ができています。

 この時に両側から圧してしまえば“対立圧”、四指の指紋部と手関節を動かさずにを固定して母指だけを沈めれば“指力で圧したこと”になるので、どちらも指圧ではありません。

 四指指紋部を当てた皮膚をとらえたまま手関節をバイクのスロットルのように軽く背屈させることで“母指が最初に当てた皮膚表面からずれずに自然に沈むこと”、この感覚が指圧です(四指のとらえた皮膚は手前に引っ張られます)。

 この前腕の練習は体重移動を伴っていないので、手の構えの練習、タッチの感覚の練習です。

 同じことを椅子に座って、大腿前側遠位に母指、大腿外側遠位に四指で行います。重ね母指でも練習できます。

 ここで体重移動の垂直圧をするならば、肘を曲げて一定の角度に固定します。

 この時に猫背になって体幹を前屈させるのではなく、頭を起こし、体幹を起してください。それが指圧の垂直圧です。

 またこの時に肘を伸ばし、背中を伸ばしたまま体幹を後ろに引けば、体重移動の指圧にはなりませんが体重移動の型の練習になります。

 実際の指圧では上から体幹をかぶせることができるので、肘の伸展+体幹を起す感覚で体重移動の垂直圧が完成します。

 指力で圧すのではない、猫背になって肘を曲げるのではない、その感覚を徹底して体に覚えさせてください。

 多くの人が逆をやっています。

 3年学んだからといって、資格を取ったからといって、なかなか指圧にはなっていないものです。

 もっと力を入れずに指圧する方法があるのではないかと思っている人は、それだけでも良い感性を持っています。

 重ね母指圧とは、下になる母指を上の母指の力で潰すことではありません。

 上になる母指は添えるだけ、両母指の力は抜いてください。

 セラピーを目指すならば、そうでなければ痛みや傷に対応できないことに気づいてください。

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2011年9月14日 (水)

エリック・クラプトンのコードの押さえ方と指圧で四指を揃えることとの対比。

 エリック・クラプトンのコンサート映像を見ていて気づいたことがあります。

 1フレットを示指でバレーし(6弦全て押さえる)、3フレットの2~4弦を薬指で押さえるB♭のコードの時に、使っていない中指を強く伸展させています。

 このB♭の形をハイポジションにずらした形のコードでも、中指がしっかりと伸展されています。

 これは示指から薬指の指節関節伸展で中手指節関節は示指と薬指が屈曲、中指が伸展になっていて、屈曲と伸展の対立圧で弦をしっかりと押さえているという形です。

 指が綺麗な人なので、その形に美学を持っていて、かつ陶酔していて、あの強さを秘めた軽いタッチになっているのだろうと思います。

 これは指圧の時に小指を立ててしまうのとは、話しが違います。

 コードを押さえる時には、ギターのネックの裏側に母指があって、ここにもう一つの対立圧があるからB♭で中指を伸展できるです。

 指圧は母指と四指の対立圧を、体の平面的な曲面上で、四指の圧を母指圧に重ねるようにして作ります。

 ①母指の指紋部を受け手の皮膚に密着させる→②四指の指紋部に密着させた受け手の皮膚をずらさずにとらえたまま母指の側に寄せてくる→③すると手関節のわずかな背屈位がさらにわずかに背屈して受け手の皮膚と手掌の間に空間ができる、この手指の構えと④肘伸展⑤体幹を起す、がほぼ同時に連続動作で行われます。

 これで四指圧を外側から母指圧に乗せ、体幹からは上から母指に体重を預ける垂直圧の指圧が完成します。

 指圧の時に小指(四指)が離れる、浮く、立つ、これらのことで垂直圧はねじれます。

 単純に小指を立てると、尺骨神経支配の筋肉に余計な負担がかかり、いらない疲労を溜めるということでも、小指を立てる意味はありません(小指に余計な力が入れば第8頚神経~第1胸神経支配ですから肩甲間部の上のほうがこってきます)。

 いつも言いますが、おしゃれなティータイムではないのですから、指圧で小指を立てることにメリットはありません。

 エリック・クラプトンのコードを押さえていない指が綺麗に伸びた『ホワイト・ルーム』の古いコンサート映像を見ながら、そんなことを思いました。

 

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2011年9月13日 (火)

圧せないレベルの頚椎症状。

 『しばらく指圧に来ないけど入院でもしたのだろうか…』と思っていると、「先生が心配しているんじゃないかと思っていました」と、久しぶりに指圧にいらっしゃたのは60代女性、頚椎椎間板ヘルニアで左神経根症状が主訴です。

 毎日何十人もの人をどうしているのだろうかと思っていそうなことは、指圧を受ける側にもわかるみたいです。

 タッチセラピーは共感で成立するものですから、毎日思い浮かぶ人たちは、毎日私を思っていてくれるのかもしれません。

 さて、左の頚部から肩上部、そして肩甲間部にかけて『風に当たっても痛い』というのはこのような状態を指すのだと思いました。

 手掌を当てただけで痛み、僧帽筋、肩甲挙筋は硬さのマックスを超えて、筋肉が裂けているのだろう思われる炎症があります。

 体全体が弓なりに左側屈し、左頚部をかばうことで右腰痛が起こっています。

 頚部の痛みは左をかばうことで右にも及び、右にも神経根症状が起こっています。

 頚が曲げられないので、左上腕二頭筋を強く緊張させて、エクササイズをしたような力こぶがあります。

 右上腕は外側と内側に緊張があり、橈骨神経と尺骨神経に沿ったこりを確認しました。

 一応は軽圧を試しましたが、左頚部から肩甲間部は通常ないレベルの反応を感じたので、この部位はスルーします。

 左腰部以下と、右半身の伏臥位指圧、そして仰臥位下肢、上肢、頭部顔面、頚は前頚部のみ、前胸部、腹部と指圧します。

 この指圧のメインは休憩させることにあります。

 仕事、家事、引越しの用意の毎日、これではよくなる要素がありません。

 毎日の仕事の中で何を省き、何を遅らせることができるか、これは本人が持っている答えを肯定することが大切です。

 3日の安静、服薬、湿布でおそらく今の状態からは何割か痛みを軽減することができます。

 しかし、それができないのであれば、それに近い状態に毎日の仕事を整理するお手伝い、それもセラピーだと思います。

 病院での見通しは、今の薬で頚の痛みが緩和されなければ神経ブロック注射か手術ということになっているようです。

 それでも指圧に来る理由は、痛みを緩和するアプローチが此処にあるからだと思います。

 指圧後、頚に手を当てて痛みがありました。

 普通、手掌を乗せただけで鎮痛効果があるものなので、これは傷の痛みだということです。

 しかし、掃除機をかけるのはしばらく旦那様やってもらうだとか、引越しを先に伸ばすだとか、具体的な改善策を御本人の口から聞いて、お互いに笑顔のまま見送ることができました。

 セラピーには成功でも勝利でも解決でもないのに、症状が改善したかのような世界観もあるのです。

 

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2011年9月12日 (月)

『世界で一番美しい人体図鑑』監訳 奈良信雄 訳 三村明子 発行 エクスナレッジ¥2940

 『世界で一番美しい人体図鑑』(監訳 奈良信雄 訳 三村明子 発行 エクスナレッジ¥2940)は、立体に近い感覚で人体の構造を見ることがでます。

 図が大きく、両面印刷のフィルムシートも使われていて、器官の裏側も描かれています。

 タイトル通り色使いが鮮やかで、今までの解剖図にはなかった3Dのスペースファンタジーグラフィックといった趣があります。

 手技療法で足りないと致命的なのが、3D感覚です。

 タッチングはナビのないドライブです。

 体のイメージ、ツボのイメージが平面図では目的地まで到達できません。

 立体的な人体図鑑、一度書店で手に取ってみてください。

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2011年9月11日 (日)

右大腿骨骨折、介護ベッドの指圧。

 昨日、右大腿骨骨折の方のお宅で指圧をしてきました。

 部屋に入ると、右を下にした横臥位で寝ています。

 これだけでも体には変化が起こっていることがわかります。

 横臥位で患部に圧をかけることができれば、鎮痛効果が期待できます。

 しかし右足は前回よりもむくんでいました。

 昨日がデイケアの日で週に3日通っていますが、昨日の理学療法士さんはやる気に溢れた方だそうです。

 そのデイケア施設のリハビリの方針では“歩かせない”ようですが、整形外科に入院中はリハビリとして“歩かせていた”ので、もしものことを考えて、安全に時間を過させればよいということなのかもしれません。

 その中でも、やる気を感じる理学療法士さんがいるということは、要介護者にとって希望の光です。

 指圧を始めると、「先生にやってもらうと気持ちがいいんだ…。この前もあれからしばらく寝ちゃった…」と前回はよく眠れたようで、今回もすぐに爆睡しました。

 痛くて寝られないとのことですが、指圧を重ねる毎に眠りが深くなっています。

 仰臥位で指圧をしていき、右下肢牽引では左大腿部に痛みが出ました。反対側の下肢牽引でもまだしっかりと引っ張ることはできないようです。次回はもう少し加減しましょう。

 それでも一瞬目覚めて、すぐにまた眠りました。

 骨盤内の血流の停滞、腰部、背部、頚部の筋緊張があります。

 寝ながらでも背部の指圧をリクエストするように、介護ベッドの柵を両手で摑んで左を下にした横臥位になりました。

 反対側に回り込むスペースがないので、今回も対面で背部の指圧をします。

 これも回を重ねるうちに、両四指を最長筋にあて、爪先立ってデパートの御辞儀をして両四指を支えにして後ろに腰を引くことで四指に体重をかけるイメージが確立してきました。

 腹部指圧の腰を使った艪棹柔捏(ろとうじゅうねつ)を指紋部の位置をずらさずに横臥位で行うイメージです。

 便秘がちだということなので、骨盤の際、大腸兪あたりは腹部に圧をかける深さを圧の持続で求めます。

 面白がって奥様がやり方を教えてほしいとまねてみましたが、普通に真っ直ぐ圧せないうちは、こういう緊急避難のテクニックはできません。必ず腰を傷めます。

 そんなこともあり、眠りが覚めぬまま指圧を終えました。

 睡眠薬や血管拡張薬が処方されているので、全身指圧で血行が促進できれば、“効かない薬”がよく効いてきます。そういうものです。

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2011年9月10日 (土)

ホルモンの影響で起こる頭痛への全身指圧の効果。

 昨日は重陽の節句でした。

 陰陽に分けると奇数が陽ですから、奇数で最も大きな数字の9が重なる9月9日は、1月1日(正月)、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)と同じようにもっと祝されてよいと思うのですが…。

 東洋医学の陰陽の考え方では「四時の変、寒暑の勝るは、重陰は必ず陽なり、重陽は必ず陰なり、故に陰は寒をつかさどり、陽は熱をつかさどる。故に寒甚だしければ熱し、陽甚だしければ寒す。故に曰く、寒は熱を生じ、熱は寒を生ず。これ陰陽の変なり。(『霊枢』論疾診尺篇)」というものがあります。

 「陽が重なれば陰に転じる」というのが四季の移ろいの中で体の変化を見つめる東洋医学的な重陽の位置づけです。

 今朝のウォーキングでは水田の上の制空権がアキアカネの群れに取って代わられていて、シオカラトンボは小川の上を低く飛んでいました。

 このような自然界の移り変わりを見つめ、季節の変化をタッチに反映させていくように心がけると、変わっていく体に対してタッチの正解も変わっていくことがわかると思います。

 タッチは多くの芸術と同じように絶対的な正解を求めることは不可能に近いのですが、古書を始め、いろいろな考え方に触れることで鑑賞眼を高めていくことができます。

 自分の技術として取り入れなくても、セラピストの常識として、知っておくと役に立つことがたくさんあります。

 この一週間で多かった訴えは、子宮や甲状腺の病気を持つ女性の頭痛です。

 頭痛薬では効かないホルモン由来の頭痛に全身指圧が効果を示すのは、血管を拡張すべき部位と、血管を収縮させる部位に違うタッチをする全身を診ての指圧の構成力があるからです。

 頭痛薬が全身の血管拡張に働き、拡張しなくてよい血管まで拡張させてしまうとだるくなったり、逆に片頭痛になったりします。

 それが嫌で頭痛薬を飲まずに私の指圧を選択する女性が多いということは、血管拡張と血管収縮を仕分けるタッチができているからなのでしょう。

 1、2、3で体中同じタッチで圧し込んでは、頭痛薬と同じことになってしまいます。

 陽が重なれば陰に転じるはずなのに、今日の最高気温は35℃近くなるかもしれません。

 ホルモンは血液に乗って運ばれていきます。

 血行を促進し、使わな過ぎの筋肉を運動させ、使い過ぎの筋肉を気持ち良く緩めること、言ってしまえば単純なことなのですが、普段使わない弱い筋肉の適量の運動量とは?、このお客様のこの部位に気持ちのいいタッチとは?、常に考えて加減しなけれなばいけません。

 弱い刺激のほうに間違ったなら、後で足すことができます。

 強く間違えば組織を潰します。

 さて、今日の指圧が始まります。

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2011年9月 9日 (金)

認知症介護のスキル「バリデーションケア」(今朝の産経新聞より)

 今朝の産経新聞の記事に、タッチングや声のトーンを駆使した認知症介護の手法「バリデーションケア」が紹介されていたので要約して転記させていただきます。

 バリデーションケアはアメリカのナオミ・フェイルさんが考案した認知症に寄り添う介護手法です。

 バリデーションケアでは認知症の進行を4段階に分け、第1段階を「認知の混乱(誰かが財布を取ったなどの妄想など)」、第2段階を「日時、季節の混乱(時間に合わせた行動ができず、家に帰りたい、死にたいなどと言う)」、第3段階を「繰り返し動作」、第4段階を「植物状態(声掛けに反応しない)」としています。

 バリデーションケアには14のテクニックがあり、その一つがタッチングです。

 タッチングには、首の後ろに触れる「子供のことを思い出すタッチング」、肩に触れる「友人としてのタッチング」、頬に触れる「母親のタッチング」などがあるということです。

 また、相手との声のトーンを合わせて話し、言ったことを繰り返して共感を示し、親密なアイコンタクトで愛情を示しつつ話しをすることも重要なテクニックです。

 認知症の人の訴えをまず聞いて、訴えたいことを出してもらうと、感情表現に変化が現れ、穏やかになるということです。

 「認知症の人は無理やり何かされた時の嫌な感情を覚えているので、発言を否定したり訂正したりせずにまず話しを聞き、こちらがその人の世界に入っていくことを継続することで信頼を得られる」というのは、毎日の指圧の対応にも通じるものがあります。

 公認日本バリデーション協会があるので、興味のある方は問い合わせてみてください。

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2011年9月 8日 (木)

乳香、安息香、樹脂系精油を神経性胃腸炎に使ってみる。

 今朝は青空にうろこ雲が広がり、トンボが何匹も高く飛んで、秋の気配を感じながらウォーキングをしてきました。

 昨日の飯能生活の木薬香草園の講座は『おなかの指圧とアロマでリラックス』というテーマでした。

 1秒5cmの軽擦を、東洋医学の骨度法でいう1尺(10寸)5秒に置き換えて、前腕外側消化器系の3経脈の遠心性のアロマトリートメントと腹部の指圧を中心に実技をしていただきました。

 ブレンドオイルには乳香(フランキンセンス)1滴+安息香(ベンゾイン)1滴+スイートアーモンドオイル10ml(濃度1%)を使用しました。

 乳香や安息香など樹脂系の精油は鎮静効果が高く、副交感神経を優位にし、消化管活動を活発にする効果が期待できます。

 乳香、安息香ともに呼吸器系の症状や皮膚の傷を治す効果があるだけでなく、ストレス性胃炎や腸炎などへの効果も期待できます。

 安息香が溶剤抽出法であるためにトリートメントに使うことをためらうアロマセラピストの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は緊張の緩和という点に優れた安息香を消化管活動の促進に使ってみるという選択肢を提案させていただきました。

 期待通り、受講生の方たちのおなかは活発に動き出し、体が温かくなってくるという副交感神経優位の状態に導くことができました。

 強く圧し込むのではないということ、1、2、3、のタイミングで圧し込むのではなく、受け手の呼吸を受けとめることで圧刺激をかけることなど、今後の参考になれば幸いです。

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2011年9月 7日 (水)

脊髄終糸症候群。

 昨夜のテレビ朝日『みんなの家庭の医学』では、脊髄終糸症候群を取り上げていました。

 脊髄終糸は正中を通り尾椎につく長さ25cm、太さ0.5mmの血管に富んだひも状の組織(細胞索)で暗赤色をしていて通電性がなく、淡黄色で通電性のある馬尾との区別ができます。

 脊髄終糸に柔軟性がないと前屈で尾椎に引っ張られるため、指先床間距離が長くなります。

 頻尿、便秘、下痢などの膀胱直腸症状が出る点では、馬尾症状と似ています。

 10代から30代の若い世代に多い病気のようですが、最近では50代以上の人にもこの病気が多くなってきたようです。

 手術ではこの脊髄終糸を切るようですが、われわれの手技療法では背部から下肢後側の緊張を緩める保存的治療となります。

 猫背+頭頚部前屈姿勢で症状が悪化するので、背中を伸ばしたままおなかを引っ込めて御辞儀をするような姿勢を意識させることも大切です。

 下肢の筋肉の緊張を緩めて、下肢牽引で脊髄終糸を下に引っ張っておくという考え方ができると、症状の緩和に貢献できることと思います。

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2011年9月 6日 (火)

1秒間に5cm動かすマッサージ、骨度法では1秒間に2寸と考える。

 『1秒間に5cm動かすマッサージを最も気持ち良いと感じる人が多い』というデータがあるようです。

 この1秒間に5cmのマッサージを看護マッサージで普及に努めている方が先週の『ためしてガッテン』に出演されていました。

 今夜、日が変わって0時15分からNHKで再放送があるので、『脂肪揉み出しは効果がない』という検証も含めて、見逃した方にはお薦めの内容です。

 1秒間に5cm動かすマッサージは欧米で提唱されたもののようなので、約2インチという目安があるのだろうと思います。

 この2インチを東洋医学の骨度法に置き換えれば、2寸に相当するのでしょう。

 骨度法の1寸は母指の最大横幅で現し、人それぞれに1寸の長さが違います。

 施術者の1寸を基にして考えるのではなく、常に受け手の1寸からそれぞれのツボを施術していきます。

 前腕の長さは、“肘尖(あるいは肘関節横紋)から手関節横紋まで1尺=10寸”ですから、前腕の軽擦を1秒間に2寸の速度で行えば、1秒間に5cmのマッサージとほぼ同じ計算、つまり“前腕を5秒程度で軽擦すると、最も気持ちの良い刺激となります”。

 あくまでもこれは目安ですから、だるくて脈拍の極端に少ない方にはもう少しテンポの良い軽擦の方が気持ち良いことは、毎日臨床の現場で施術をしている方はわかっていらっしゃると思います。

 1秒間に5cmのマッサージで、認知症で攻撃的だった方の症状が劇的に改善したというくだりは番組の見所です。

 何が必要なことで、何が余計なことなのか、自分の手技を考える上で参考になる番組だと思います。

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2011年9月 5日 (月)

昨夜のNHKスペシャル、脳卒中のリハビリ。

 昨夜のNHKスペシャルは“脳卒中のリハビリ”を紹介していました。

 脳で途切れた神経の伝達を促通させる方法として映し出されていたのは、脳と動きの悪い手の間にある前腕を刺激するマッサージです。

 PNFを勉強すると理解しやすいと思いますが、臨床での麻痺の指圧はおおよそテレビで映し出されたようなことをやっていきます。

 番組でのリハビリ風景では、母指と示指で円をつくれない正中神経麻痺に対して正中神経支配の前腕内側の筋肉より、橈骨神経支配の橈側手根伸筋や尺骨神経支配の尺側手根屈筋を環状軽擦でしっかりと刺激していました。

 これは全身指圧や経と絡の伝達を思い起せばわかると思いますが、目付けを広くとって協力筋のストッパーをはずすことから神経伝達を促進していると考えることができます。

 脳卒中になった指圧の先生の回復が早くて周りがビックリしたというエピソードをよく聞くのも、この広い目付けによる自己指圧のリハビリ効果なのだろうと考えています。

 正中神経麻痺に患部だけをしつこく治療することでは治療効果が上がらないということ、点の刺激ではなく線の刺激をするということ、番組を見て、いつもやっている指圧の効果に自信を深めた先生がたくさんいらっしゃたのではないかと思います。

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2011年9月 4日 (日)

まだまだ全身指圧を知らない人が多い。

 昨日の午後は急患もあって、営業時間中フルに全身指圧が続きました(もっともアロマも使いますが、基本はシェフのおまかせメニューの全身指圧しかありませんから…)。

 時間をいっぱいに使ってしまうので、休みなく全身指圧で対応すると、さすがにエネルギーメーターがエンピティに近づいたことを感じます。

 一番困るのは御客様のおなかが動いた音なのか、自分のおなかの音なのか、よくわからなくなることです(気持ちいいだろうねぇと信じて疑わないので、われながらそれは幸せなことだと思います)。

 指圧は頭を使うので、血糖を補給せよと体が訴えてきます。

 お得意様の紹介で70代の女性が指圧にいらっしゃいました。

 見るからに腰の曲がった方です。

 お話を始めてすぐ、耳が遠く、視力も悪いことがわかりました。

 腰椎が大きく後弯しています。

 全身指圧を終えると、「こんなに体のいろいろなところを指圧して、いろいろなことをするとは思わなかった」と仰います。

 近所の整形外科の牽引治療に効果を感じられなくて、指圧に来てみたとか…。

 最初に応対した電話の声から受ける御客様との力関係や診察室に入ってきた時の態度、その力関係が全身指圧後に逆転するのはよくあることです。

 単なるサービスの提供者と思って見ていた方が、それ以後“先生”と一歩引いて相談をするような力関係に変わります。

 それは余さず体を診ようとする施術者への感動が信頼や尊重(尊敬)を生んだということなのだと思います。

 まだまだ全身の指圧が心にまで届くという体験をしていない方がたくさんいると思います。

 一人一人への丁寧な布教活動が次の御客様を呼ぶことになります。

 休みなく喋り続け、手当てをし続ける日もあるので、いかに無駄な力を入れずに疲れないようにするか、次の御客様の苦しみに対して新鮮な気持ちで向き合えるか、とてもレベルの高いテーマですが、エネルギーメーターがエンピティになっても少し走れるように、毎日のトレーニングは欠かせません。

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2011年9月 3日 (土)

高齢者の足のしびれに長趾伸筋と長趾屈筋のストレッチ。

 速度の遅い台風の影響で、血行不良による症状の悪化に悩まされている方が多いことと思います。

 こういう天気が続くと、高齢者には運動不足の影響がすぐ現れますから、座骨神経痛がなくても足がつったり、足がしびれるという訴えが多くなります。

 下肢の指圧・マッサージ+股関節、膝関節、足関節、足趾の関節運動は行っていることと思いますが、足趾の伸筋と屈筋の個別のストレッチをしておくとさらにはっきりとした症状の改善がみられます。

 高齢者の方の中には足の爪を切ることも難しい方がいらっしゃいますから、まず長趾伸筋と長趾屈筋のストレッチを施術の中に取り入れてみましょう。

 長趾伸筋は下腿前面外側を起始とし、第2~5趾趾背腱膜にとなって末節骨と中節骨に停止します。

 足趾を伸展、足を背屈させるのが長趾伸筋ですから、ストレッチは伏臥位、膝屈曲、足底屈+内転+回外で反対側の殿部に足趾があたるようにして、第2~5趾を底屈します。

 長趾屈筋は脛骨中央後面を起始とし、足の内側から足底に回って第2~5趾に停止します。

 足趾を屈曲、足を底屈させる筋肉なので、仰臥位、膝軽度屈曲(膝下に低い膝枕をあてる)、足外転(外側に倒す)+背屈で、第2~5趾を伸展させます。

 長趾屈筋のストレッチはほとんどの高齢者がかなり痛いので、足関節をあまり曲げ過ぎないことがポイントです。

 足趾をしっかり伸展、屈曲するということは高齢者がほとんどしない運動ですから非常に効果があります。

 座骨神経痛で足がしびれていて足趾が一回り大きく感じるという方に、特に効果があります。

 仰臥位、伏臥位どちらでも伸筋と屈筋のストレッチができると施術に幅が拡がり、体位変換ができない時にも役に立ちます。

 伏臥位の長趾屈筋のストレッチは膝を立てて下腿を外旋させ、足外転で第2~5趾を背屈させます。

 加えて、長母趾伸筋と長母趾屈筋のストレッチも行います。

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2011年9月 2日 (金)

介護ベッド、対面横臥位で背部の指圧(御辞儀で背中を起すイメージ)。

 昨日は右大腿骨折の80代の男性の家に行って指圧をしてきました。

 前回は両足が倍にも膨らんでいましたが、今回は両足のむくみがはるかに減っていました。

 キャンドゥのゴムチューブ(税込み105円)をベッドの足先に2本結んできたのですが、足関節の運動に使っているようで、こんなことも役に立っているようです。

 右膝軽度屈曲でやや左に傾いた仰臥位の姿勢で居ることが多いようです。

 主訴は右大腿外側の痛み、受傷時の血圧や持病のリスクにより骨折の整復をしていないので、右大腿外側を触るとコキッと小さな音がする部位があります。

 それでも前回は手で軽く触れても痛がったので、軽圧を受けいれられるようになった今回は大きな進歩です。

 健足である左下肢と両上肢の力がつけば、右足を引きずっても歩行器や杖で歩くことができそうです。

 残存機能の維持と筋力アップが主眼、右下肢は拘縮予防を考えて指圧をしていきます。

 眠れないとのことでしたがやがて眠ってしまい、介護ベッドの柵に右肘を引っ掛けて、右半身を上にした横臥位になりました。

 介護ベッドの反対側スペースが狭いので、柵越しに対面の形で背部を指圧します。

 ここからが道場の型ではなく、野原の果し合い、野戦病院の指圧なので参考にできる人はイメージしてみてください。

 デパートの店員さんの御辞儀のように、下肢は伸ばし、骨盤から背中を伸ばしたまま曲げる姿勢で脊柱起立筋をとらえます。

 この時に脊柱の上になっている右最長筋の内縁に両四指の指紋部を密着させます。

 指紋部の密着で体を支えて、今度は背中を起していくことで圧をかけます。

 大袈裟に言えばヨットレースで背中を海に乗り出してセールを操るようなイメージ、より近いのはロックバンドの肩掛けキーボードを演奏するイメージです。

 指で圧し込むと垂直圧の漸増漸減圧にならず、無理な姿勢なので腰を傷めます。

 背中側に回り込めないので、まさかとは思いますが、ベッドの上に上がることを良しとして教わっている人はベッドに上がってしまうのかもしれません。

 しかし普通に考えると痛みを持つ方は施術者の体重でベッドが沈んでも痛いのです。

 ベッド乗らなければ圧せない人は、ベッドに乗っても適量刺激を求めるという感覚で圧していないと思うので、無駄なことですから是非やめてください。普通、ベッドは一人乗りです。

 私は受け手の体のパフォーマンスと現場の環境によって、圧し方はその場で創作しています。

 脊柱の上、右脊柱起立筋の指圧が終われば、脊柱の下、左脊柱起立筋の指圧を行います。

 この間ずっと眠ったまま、全身指圧を終えました。

 野原の果たし合いの時には、道場の型では難しいこともあります。

 『柔軟な体と柔軟な発想が御客様の利益につながる』と私は考えています。

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2011年9月 1日 (木)

昨日の『ためしてガッテン』、ついてしまった脂肪に揉み出しは効果なし。

 昨夜のNHK『ためしてガッテン』は、脂肪の揉み出しの効果を検証していました。

 結論は『ついてしまった脂肪に揉み出しの効果があるとは言えない』ということでした。

 深部熱である高周波治療器を併用しても、精油を使っても、太ってからでは揉み出しをしても脂肪を減らすことにはならないようです。

 揉み出しでサイズダウンしたり、体重が落ちるのは体内の水分が排出されたということで、揉み出された脂肪が血液中に遊離脂肪酸として増えるというような検査結果は得られませんでした。

 このことは“部分痩せはない”ということにも通じるものがあります。

 ただし水分代謝によるサイズダウンは老廃物の排出を意味し、健康体の維持につながります

 エステサロンの代表の方がこの検証結果を受けて、「真のエステの目的は、むくみの排出により、引き締まった体を作り、ダイエットへのモチベーションを高める」というようなことを仰っていましたが、内心は忸怩たる思いがあったのではないかと思います。

 私は揉み過ぎは体に害があると教わってきましたから、“もの足りないくらいがちょうど良い”というところにエステも進化していくことを期待します。

 なお小型(未分化)脂肪細胞を揉めば太りにくくなるということなので、痩せている人は太りにくい体を維持するために揉み出しが有効だということになります。

 太った部位にはむくみの排出促進でよく、真っ赤になるまで揉み込むと組織を傷つけるだけ損をするということになります。

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