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2011年9月15日 (木)

母指の指力で圧さないための練習法。

 「母指の指力で圧すのは指圧ではない」と言っても、なかなかイメージがわかないという方も多いと思いますので、母指の指力で圧さないための練習法を紹介します。

 まず自分の前腕内側中央に母指の指紋部を、前腕外側中央に四指を揃えて指紋部を当ててみてください。

 この時には両肘を自然に軽く曲げて、肩の力を抜きます。

 圧される側の前腕と、指を当てている手掌との間には空間ができています。

 この時に両側から圧してしまえば“対立圧”、四指の指紋部と手関節を動かさずにを固定して母指だけを沈めれば“指力で圧したこと”になるので、どちらも指圧ではありません。

 四指指紋部を当てた皮膚をとらえたまま手関節をバイクのスロットルのように軽く背屈させることで“母指が最初に当てた皮膚表面からずれずに自然に沈むこと”、この感覚が指圧です(四指のとらえた皮膚は手前に引っ張られます)。

 この前腕の練習は体重移動を伴っていないので、手の構えの練習、タッチの感覚の練習です。

 同じことを椅子に座って、大腿前側遠位に母指、大腿外側遠位に四指で行います。重ね母指でも練習できます。

 ここで体重移動の垂直圧をするならば、肘を曲げて一定の角度に固定します。

 この時に猫背になって体幹を前屈させるのではなく、頭を起こし、体幹を起してください。それが指圧の垂直圧です。

 またこの時に肘を伸ばし、背中を伸ばしたまま体幹を後ろに引けば、体重移動の指圧にはなりませんが体重移動の型の練習になります。

 実際の指圧では上から体幹をかぶせることができるので、肘の伸展+体幹を起す感覚で体重移動の垂直圧が完成します。

 指力で圧すのではない、猫背になって肘を曲げるのではない、その感覚を徹底して体に覚えさせてください。

 多くの人が逆をやっています。

 3年学んだからといって、資格を取ったからといって、なかなか指圧にはなっていないものです。

 もっと力を入れずに指圧する方法があるのではないかと思っている人は、それだけでも良い感性を持っています。

 重ね母指圧とは、下になる母指を上の母指の力で潰すことではありません。

 上になる母指は添えるだけ、両母指の力は抜いてください。

 セラピーを目指すならば、そうでなければ痛みや傷に対応できないことに気づいてください。

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