ホルモンの影響で起こる頭痛への全身指圧の効果。
昨日は重陽の節句でした。
陰陽に分けると奇数が陽ですから、奇数で最も大きな数字の9が重なる9月9日は、1月1日(正月)、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)と同じようにもっと祝されてよいと思うのですが…。
東洋医学の陰陽の考え方では「四時の変、寒暑の勝るは、重陰は必ず陽なり、重陽は必ず陰なり、故に陰は寒をつかさどり、陽は熱をつかさどる。故に寒甚だしければ熱し、陽甚だしければ寒す。故に曰く、寒は熱を生じ、熱は寒を生ず。これ陰陽の変なり。(『霊枢』論疾診尺篇)」というものがあります。
「陽が重なれば陰に転じる」というのが四季の移ろいの中で体の変化を見つめる東洋医学的な重陽の位置づけです。
今朝のウォーキングでは水田の上の制空権がアキアカネの群れに取って代わられていて、シオカラトンボは小川の上を低く飛んでいました。
このような自然界の移り変わりを見つめ、季節の変化をタッチに反映させていくように心がけると、変わっていく体に対してタッチの正解も変わっていくことがわかると思います。
タッチは多くの芸術と同じように絶対的な正解を求めることは不可能に近いのですが、古書を始め、いろいろな考え方に触れることで鑑賞眼を高めていくことができます。
自分の技術として取り入れなくても、セラピストの常識として、知っておくと役に立つことがたくさんあります。
この一週間で多かった訴えは、子宮や甲状腺の病気を持つ女性の頭痛です。
頭痛薬では効かないホルモン由来の頭痛に全身指圧が効果を示すのは、血管を拡張すべき部位と、血管を収縮させる部位に違うタッチをする全身を診ての指圧の構成力があるからです。
頭痛薬が全身の血管拡張に働き、拡張しなくてよい血管まで拡張させてしまうとだるくなったり、逆に片頭痛になったりします。
それが嫌で頭痛薬を飲まずに私の指圧を選択する女性が多いということは、血管拡張と血管収縮を仕分けるタッチができているからなのでしょう。
1、2、3で体中同じタッチで圧し込んでは、頭痛薬と同じことになってしまいます。
陽が重なれば陰に転じるはずなのに、今日の最高気温は35℃近くなるかもしれません。
ホルモンは血液に乗って運ばれていきます。
血行を促進し、使わな過ぎの筋肉を運動させ、使い過ぎの筋肉を気持ち良く緩めること、言ってしまえば単純なことなのですが、普段使わない弱い筋肉の適量の運動量とは?、このお客様のこの部位に気持ちのいいタッチとは?、常に考えて加減しなけれなばいけません。
弱い刺激のほうに間違ったなら、後で足すことができます。
強く間違えば組織を潰します。
さて、今日の指圧が始まります。
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