20代女性、主訴は肩こりと両膝の痛み、膝は1ヶ月前に“立ったり、座ったりする仕事”で傷めたとのことです(座敷で注文をとるような、居酒屋さんとか、旅館の仲居さんのバイトなどを想像しました)。
見るからに痩せ型で猫背の虚証、肩の筋肉は細く、肩こりになりやすい体形と姿勢です。
両手関節際の寸口の脈を感じることができなかったので、肺経、大腸経、心経、小腸経の問題を考えるとともに、手指の腱鞘炎についても考えておきます。
友だちと2人で指圧に来て、友だちの後に指圧をしたので、待っている間には鼻がグズグズしていて、肩にはバスタオルをかけていました。
友だちのほうは暖房がいらないということでしたが、待合室にはエアコンで暖房をつけておきました(足が冷えていました)。
肩こりは猫背で頭がオモリになっていることが原因、筋肉が弱いから疲労しやすいので、ぺットボトルくらいの負荷をかけて、肩周囲の筋肉を鍛えたいところです。
肩甲骨を寄せて胸を開くことがないので、猫背の胸は貧弱に見えます。
しかし指圧後に良姿勢をとると、ちゃんとバストアップしました。
両膝は屈曲痛があり下腿を左右に倒しても痛みが出ます。
大腿後側の屈筋腱は内側も外側も傷ついているようで、大腿前側膝蓋骨下中央の大腿四頭筋膝蓋腱にも圧すと痛みがあります。
何と脆い体であることか。
仰臥位下肢伸展挙上牽引では股関節が2~3cm伸びましたが、この時に下腿後側に痛みが走ります。
足底内側の痛み、腋窩の肩甲下筋の痛み、眼輪筋では目頭の痛み、鼻の両側の痛み、頬筋の痛み、前頭部の痛み、耳周囲側頭部の痛み、弱い刺激で当てるくらいの指圧でも、あちこちに痛みが出ます。
本人の言うストレッチ不足、運動不足だけなのか、例えば繊維筋痛症のような難病が隠れていないか…。
指圧後に処方された薬を見せていただきました。
外用薬のリンデロンと蕁麻疹の内服薬はアレルギー体質であることを示します。
問診でも花粉症があるとのこと、しかし指圧後は鼻のグズグズいう感じは止まりました。
漢方薬は虚証の体質改善の代表薬、補中益気湯と、証にこだわらず処方される鎮痛作用のある芍薬甘草湯が出ていました。
多愁訴なので加味逍遥散もありそうなところだと思っていましたが、それも最近まで処方されていたとか。
漢方薬を処方する病院の先生も適切な処方を探しているようです。
また最近急性胃腸炎にもなったということで、最初の脈診の肺経、大腸経、小腸経の問題はあったということになります。
心経の問題も血液循環の不良と、神経質そうな感じを絡めれば、はずれてはいない感じがします。
ともあれ両膝痛でわずかな屈伸もできなかったのが、45°くらいまでは痛みなく曲げられるようになりました。
下肢伸展挙上のエクササイズで痛みはないので、これで大腿四頭筋を鍛えることによって血行促進により傷の治りも早まるのではないかと思います。
20才を過ぎると女性ホルモンの増加により、鍛えなければ筋肉が衰えます。
この女性には、あと何回か指圧をしたいところです。
その後、予約が続いて、朝電話をいただいた右大腿骨折の方のお宅にうかがったのは3時でした。
「3時が待ち遠しかった…」と言ったあと、指圧中は一時間眠り、その後胃腸の働きが活発になってトイレに行きました。
便秘の解消にも指圧が役立ったということです。
「待ち遠しいもの」になるタッチは、ただ触るだけでなく、不安を晴らすだけの情報や効果が備わったものです。
昨日は寒がったので布団の中に手を突っ込んで触れたり、布団の上から斜め手前に垂直圧をかけていました。
手元を見て圧すことはありませんでした。
外では奥様がナタとノコギリを使って、指圧中は旦那様に呼ばれる心配がないので、庭の木をゴミに出せるサイズに切っていました。
窓が閉まっていて外は見えませんでしたが、音でそれがわかりました。
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