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2011年10月31日 (月)

「tenderness」の意味には“優しさ”も“圧痛”もある。

 腹痛の方の腹部を触診する時、しばらく圧してから急に離した時に痛みがあればそれは反跳痛=rebound tendernessです。

 反跳痛があれば虫垂炎などの腹膜刺激症状を疑います。

 “tenderness”の意味が“優しさ”だけではないということを、タッチに置き換えて考えてみると、とても大切な教訓となります。

 “tenderness”は“優しさ、親切さ、柔らかさ”だけではなく、そこから転じて“痛みなどの感じやすさ、敏感さ、か弱さ”という意味を持っています。

 そして“痛みなどの感じやすさ”から転じて“tenderness”は学術用語で“圧痛”として使われています。

 自分ではタッチに“優しさ”を込めたつもりでも、受け手の感受性によっては“圧痛”になっているかもしれません。

 “優しさ”を込めたつもりの1,2,3の機械的タイミングの“施術のタッチ”で受け手の期待する最も気持ちの良いタッチと一致したとしたら、それはマグレです。

 反跳痛は圧してから“急に離す”ことによって起こります。触診では必要なタッチですが、タッチセラピーの中で反跳痛を誘発してしまうようでは、漸減圧という“優しさ”のテクニックが足りません。

 どこでも体重移動が止められるように徐々に体重を乗せ、徐々に体重を戻すのが漸増漸減圧のテクニックです。

 そのタッチで優しさが伝わりますか?

 単なる圧痛になっていませんか?

 “tenderness”という言葉は、使われているうちにそのニュアンスが重なる事象にはまって、優しさという意味だけではなく圧痛という意味にもなりました。

 タッチも同じ、優しさにも圧痛にもなります。

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2011年10月30日 (日)

往診前後にはオートロックとの闘いが…。

 頚椎椎間板ヘルニアがあって他にも様々な症状を抱えたお得意様の女性から「便が出なくて調子が悪いので家まで来てほしい」とのこと、お宅に伺うのは初めてです。

 アウェーでの試合はできるだけ避けるようにしてきましたが、お得意様も段々と年齢を重ねて、ホームで有利な試合運びをしようというモクロミにこだわってもいられなくなってきました。

 予約が続いていたので暗くなってからリフォームしたばかりというお宅にうかがうと、セキュリティの強さを感じさせるオートロックの門がまず立ちはだかって、インターフォンをキョロキョロと探しました。

 門の左にインターフォンを見つけて到着を告げ、ロックをはずしていただいたのですが、中央の鍵のマークは指紋認証だったりするのでしょうか、ガチャガチャと門を開けようとしたら、一度変わったロック解除の鍵のマークの点灯がまた施錠の点灯に変わって、閉め出し感に包まれました。

 夜の人通りない住宅街の豪邸の前でポツンと閉め出されている“指圧のセンセイ”にやおら襲う“寂寥感”、(実は自分はマッチ売りの少女だったのではないか)、指圧が続いて気力体力を使ってきた後の往診だけに、メンタルは予想していなかったセキュリティの拒絶に敏感に反応します。

 やがて門が開いて、カーブした階段を上がった先が玄関です。

 玄関の扉も頑丈そうで、中に入るとオートロック+複数の手動ロックがついています。エレベーターもあります。

 リビングの小上がりの和室で指圧をすることになりました。

 近所の病院の対応に不満が重なったようで、「慶応病院とセンセイの指圧で何とか体を治したい」とのこと、慶応病院と並べられることもあるのでタッチセラピーは大変です。

 頚は触れられたくないとのことなので、頚部は触れずに伏臥位、仰臥位と指圧をしました。

 多愁訴で上腹部の痛みや吐き気と微熱が続いていたようですが、指圧の途中からは寒くなったようで暖房をつけました。

 背部がこっていれば背部の筋緊張を緩めることが副交感神経を優位にするスイッチになるのですが、そうでもなく、下肢前側から胃経に反応点があり、両第2趾爪根部外側のツボ“厲兌(れいだ)”は軽く圧しても圧痛があります。

 おなかの指圧をしてもあまり胃腸に動きがなかったので、アロマオイルを使うことにしました。

 ブラックペッパー、カルダモン、マジョラムの香りを嗅いでいただき、どれも好きな香りだということだったので、ブラックペッパーを選択しました。

 ブラックペッパーは腸の蠕動運動を促進し、吐き気を抑え、血行を促進します。

 下腿前側胃経と前腕外側大腸経を中心に1秒間に5センチのタイミングで軽擦を行い、往診は終了しました。

 胃腸の動きはわずかしかありませんでしたが、吐き気と微熱は治まったようです。血行促進により時間がたてばさらに体調は改善されていくでしょう。

 一週間食欲がなく、食べる量が少ないから便が形にならないということもあるようです。

 スパイス系の精油を嗅いでいただいた時に、「インドカレーやタイカレーのようなスパイスが効いたカレーが食べたいような気がしていた」とのこと、上腹部痛がありますから、辛さを控えたカレーなら健胃消化薬になります。

 そして帰りにはまた門にロックが…。

 一度下りてきた階段をまた上がり、玄関のインターフォンでロック解除をお願いし、また戻って門を開けようとすると、またロックが…。

 夜によそのお宅の庭に閉じ込められて階段と門を行ったり来たり、一日の仕事を終えたセラピストに降りかかる思わぬ強敵セキュリティとの闘いです。

 時間にしては5分にも満たないことだったと思いますが、その間セキュリティに阻まれて収監されていた私は、帰りの車を運転しながら大きな声を上げずにはいられませんでした。

 たぶん皆さんはスーッと通れるところが、やたらと難関であったことへのイラダチです。

 指圧の直後に自動ドアが開かなかったりすることもあり(たまたまかもしれませんが)、ジャンプをしてドアの前の地面を強く踏んだりすることもありました。

 あのセキュリティとの相性も相当悪そうです。

 

 

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2011年10月29日 (土)

リフレで椅子に座って施術することをやめてみる。

 昨日は元リフレクソロジストの女性に久々に指圧をしました。

 遠くから来ていただき、主訴は足の疲れですが、“全身の調整をおまかせで”ということだと理解しました。

 座位の触診で頚部を軽く指圧していると目にとまったのが、右手関節橈骨動脈付近の静脈の膨らみです。

 一目で気になる大きさの膨らみでしたが、本人は気にとめていなかったようです。

 よく見ると手関節際にはガングリオンのような7ミリほどの塊もできていました。

 「そういえば右手示指が疲れると動かしにくいような…」ということもあるようです。

 更年期症状が出てもおかしくない年齢の方なので、動脈硬化や腱鞘炎の症状が進行しつつあることは考えられます。

 伏臥位で指圧を始めると、右肩甲間部から腰部にかけては非常に筋肉が硬くなっていました。

 今は調理の仕事をしているということで、右手~右肩甲帯~右腰背部までの筋肉は、使い続けて太くなっています。

 全身指圧後、ほっとしたのか、大きく伸びをしてしばらく間があってから起き上がりました。

 腹部の指圧では内臓の異常な様子もなく、体に疲労は溜まっていたようですが、以前の潰されそうなほどのプレッシャーは感じていないようです。

 右手関節の静脈の膨らみも目立たなくなりました。痛みがないようならガングリオンのような小さな塊で病院を受診しても経過観察くらいのことだろうと思います。

 彼女がリフレの仕事をやめた直接の原因は腰痛です。

 椅子に座っての施術では、自分の体を消耗させない方法が見つからなかったようです。

 椅子に座って施術をすれば腰には負担が大きく、体重移動の施術ができなければ指力や腕力をぶつけていくので、体力の消耗が激しくなります。

 燃費の悪い施術を毎日続けていれば、体と心に破綻が生じ、セラピーからははずれたものになっていきます。

 ベッドでの施術は好きだったというだけに、もったいないことです。

 『リフレを椅子で』ということにこだわる必要はないのです。

 自分の体に合った“施術しやすい道具立て”で施術をすることが基本です。

 自分の体を磨り減らすような環境なら改善するか、それができなければそんな環境で施術をすることはないのです。

 教えられた施術の順番を変えられなかったり、与えられた施術の環境を自分の体に合うように調節できないうちは、人のバットを借りてバッターボックスに立つようなものです。

 一日施術をした後に必ず腰痛になって翌日まで持ち越すようでは、自分はセラピーを受ける側だということなのです。

 それでも彼女はいつかリフレの世界に戻るかもしれないと期待しています。

 リフレの経験は一流の受け手としての彼女の感覚を鍛え、様々な手技療法を受けた感想を聞かせてくれました。

 「外がウルサイ!」とイラついていたリンパドレナージュのセラピストのタッチがいまいちだったという話は、さもありなんというところです。

 

 

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2011年10月28日 (金)

人口70億人時代の幸福感という薬、満足感という薬。

 月末には地球の人口が70億人に達するそうです。

 食糧問題、エネルギー問題、環境問題、深刻さは加速しています。

 物質的な幸福や満足を追求すれば限りがありません。地球上で70億人が共存することを思えばモノを浪費する余裕はなく、これからはモノを譲り合う時代になります。

 モノの足りない時代を健康で生き抜くために必要なのは、心の安定です。

 幸福感や満足感を“今あるモノ”の中で得ていくために、道具を使わないタッチセラピーはこれから存在感をさらに増していくのではないでしょうか。

 人が溢れる時代に人とのストレスを軽減し、タバコや酒、薬などへの依存を軽減することができるのが“気持ちいいタッチ”の持つ力です。

 人間の手の温もりが優しく丁寧に傷を癒していく時間は、これから益々必要になっていくだろうと思います。

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2011年10月27日 (木)

ギターのコードフォームからの気づきを2つ。

 先週の昼休みにNHKBSで映画『イマジン』を見ていました。

 アーミーシャツを着たジョン・レノンがコンサートで歌う「Come together」の声がとても高いので、キーを確認するとEで歌っていました。

 キーが原曲のDでもかなり高音を出す歌なのに、何でEにしたのかとギターで探っていると、開放弦で倍音が出るパワーコードを使った指使いがEでこそ面白くなる音使いの曲なのだと気づきました。

 この曲はEのキーで発想し、ビートルズ時代はボーカルの安定性を重視してキーをDに下げたのでしょう。

 そして昨日の往診の帰り道、車のFMからはローリングストーンズのキース・リチャーズの特集が流れてきました。

 キースはギターのチューニングをオープンG(左手を使わずに開放弦でGの和音が出る)にしているので、5弦の開放弦が主音のGになります。

 (オープンGだったんだ!)

 だからキースはオープンGチューニングではDになる6弦が邪魔だから、はずして5弦ギターで使う発想になったのだと気づきました。

 何で今までこれに気づかなかったのか…。タッチセラピーを続けていなかったらオープンGチューニングだとわかってもそれほど感動はしなかったかもしれません。タッチセラピーを続けて良かったことは、こういう気づきが増え続けていることです。

 ギターに興味がない人にはどうでもいいことだと思うのですが、この気づきと同じ種類の気づきが、タッチセラピーの要点をつかむ時には起こってきます。

 ジョンもキースも次の展開に無理のない指使い、合理的な発想で音楽を作っていたのだなぁと思いました。

 こんなことは知っている人はずっと前から知っていたことでしょうが、或る日ふと気づいた私は「へぇー、そうだったのか!」と感動しました。

 合理的で簡単な指使いだから響きが良くなり、響きを良くするためには合理性を追求する必要がありそうです。

 「ホンキー・トンク・ウーマン」や「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」だけではなく、タッチセラピーにもオープンGチューニングのような発想があると面白いタッチになります。

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2011年10月26日 (水)

湿布の直下から痛みが移動する感覚。

 昨夜から風が吹いて蒸し暑いような昨日と比べると今朝は冷えました。

 「globeのKEIKOさんがクモ膜下出血で緊急手術」というニュースがありましたが、クモ膜下出血は血管ストレスが引き金になるので、冷えや不安定な気候、精神的なストレスなどが重なったことで発症したのかもしれません。

 クモ膜は3層ある髄膜の真ん中にあって、一番外側の硬膜とはくっついていますが、内側の軟膜との間には空洞があります。

 クモ膜下出血の多くは脳動脈瘤が破裂によるもので、クモ膜下腔に出血します。

 今まで経験したことのない激しい頭痛や吐き気、そして項部硬直(後頚部のこわばり)がクモ膜下出血の代表的な症状で、KEIKOさんには頚の痛みが報道されています。

 30代でもクモ膜下出血が起こるのですから、普段から血圧管理やストレスと上手に付き合うようにして、血行促進を心がけておくことが大切です。

 冷えによる血行不良は痛みを強くします。

 昨日も右大腿骨骨折の方のお宅で指圧をしてきました。

 一昨日のデイケア施設でのリハビリで、右大腿の筋肉も働かせてきたようで、筋肉は少し締まっていました。

 それで右大腿の痛みが増したのか、右大腿部には市販の湿布が10枚ほど貼ってありました。

 指圧を始めるとイビキをかいて眠りましたが、いつになく痛がって時々目を覚ますのを繰り返したので、1時間の指圧後トイレに行った後に湿布をはがし、鎮痛作用と加温作用に優れたマジョラム2%で右大腿にアロマオイルマッサージを行いました。

 すると、今度は深い眠りに入って目覚める様子はありませんでした。

 それを確認して帰ってきたのですが、考えてみるに、私が湿布を自分の体に貼っても痛みは湿布の直下の患部から湿布を貼っていない部位にズレていく感覚を持つことがあります。

 薬効成分の浸透によって湿布の直下では鎮痛に作用し、痛み物質は血流によって移動し、しばらくして新たに患部の周囲が痛くなるような感覚を持つことがあります。

 湿布が骨折の痛みにあまり効いていないようなのは、湿布貼ることによって、湿布を貼っていない隙間の痛みを強調することになるからではないかという気がします。

 複数の薬を服用しているために薬が作用を消し合って、鎮痛薬があまり効いていないというような気もしています。

 マジョラムのオイルマッサージでスーッと眠りに落ちるのは、一つは心理的作用、私はこの方に対してはここぞと思った時にだけアロマオイルマッサージをすることにしています。

 指圧で鎮痛ができているといこともあるのですが、アロマオイルマッサージを「とても良く効く治療」として奥の手にしておくことも、長期的な鎮痛管理ではアリだと思っています。

 切断され消滅した神経線維の回復は年齢からすると一日に0.3ミリくらいかもしれません。

 それでも血行を促進し、神経線維の再生のために栄養を送ることは回復への遠大な視野に立った貢献になると思います。

 1秒間に5cm動かすマッサージは認知症にも効果があるようです。

 マジョラム2%濃度というのも臨床での閃きのような選択でしたが、よく効くなぁと思いました。

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2011年10月25日 (火)

母指中手指節関節屈曲の意味。

 指圧では母指の付け根の中手指節関節は屈曲し、指節関節は伸展します。

 中手指節関節を屈曲すると、指節関節を伸展しなければ指紋部を広く当てることができません。

 極弱い圧なら、中手指節関節伸展+指節関節伸展でも作れます。

 これで五指の間隔を開けば最も弱い圧刺激になります。

 手掌をべったりと皮膚表面につけて五指を開き、少しだけ母指指紋部に圧をかければ、最小刺激の圧刺激ができます。

 これに四指の間隔を閉じる→手関節を底屈さて手掌を浮かせる→四指指紋部を手前に引いてさらに手掌と皮膚表面との間の空間を作る、というように手の形だけでも圧の刺激量を大きくしていくことができます。

 さらに肘を伸ばして体重移動をするならば、母指中手指節関節伸展のままでは、母指指節関節に大きな力がかかり、制御できない痛い圧刺激として母指指紋部は皮膚表面とぶつかります。

 自分の体重を受けとめることができなければ手の形は潰れて、強い圧刺激はできません。

 自分の全体重をかけたような圧刺激を実際に臨床で使うことはありませんが、排気量の大きな車のほうが上り坂では運転が滑らかなように、指圧でも大きな力を持ちながら制御された小さな力で対応する時に余裕が生まれるのです。

 四指の間隔を閉じて、四指指紋部で捉えた皮膚を母指の側に寄せて来た時に自然と母指中手指節関節突き出る、こんな感覚がわかれば指圧に近づいてきています。

 母指中手指節関節を屈曲しても指節関節を曲げて鍵型の母指で圧すのは圧迫法です。

 それで強い圧をかければ罰ゲームのような痛い圧刺激になるうえに、やがて指節関節は変形します。

 指紋部の力を抜いて当たりをソフトにするには指節関節伸展が必須です。

 伸筋よりも屈筋に腱鞘炎が多いのは屈筋の方がよく使われているからで、様々な関節は屈曲していることが多いのでストレッチで伸ばすのです。

 指圧をする時に力が入ってガチガチでは困るのですが、リラックスした関節の伸展だけでは体重を落とし込むことができないので、上肢の力を抜いて中手指節関節を屈曲させます。

 この伸展と屈曲を上手に使って力を抜いて指圧をすることを研究していくと、体の力が抜けて、人生観にまで変化が起きると思います。

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2011年10月24日 (月)

温泉のマーライオンおじいさん。

 温泉の洗い場で頭を洗っていると、鏡に映ったのがシャワーの強い水流で喉を洗っている斜め後ろのおじいさんです。

 サンタクロースのような容姿で、口を大きく開けてシャワーの激流を喉の奥の方にまでぶつけています。

 その口からはマーライオンのよう水が吐き出されています。

 「この水は飲めません」と書いてある洗い場の水で、豪快に口の中を洗っています。

 その濁流が足元に流れ来るのではないかというホラーな想像が一瞬頭をよぎりましたが、避難はせずにすみました。

 温泉通いを続けていると、ここまではセーフ、ここからはアウトというマナーの基準が、個人によってかなりの差があることがわかります。

 特に男性では「サウナの汗をシャワーで流してから湯舟にお浸かりください」などは守れない人が多く、「サウナから水風呂ドボーンで潜ってプハァー最高!」みたいなオジサンをよく見かけます。

 おまえはアザラシか!(気持ちはわかりますが…)

 何が他人を不快にし、どういう公共のマナーがあるのかを学ぶにも温泉はとてもためになる施設です。

 膝が悪い人、ペースメーカーを埋めている人、静脈瘤のふくらはぎ、腹部の手術痕、タッチセラピーに役に立つ情報満載なのが温泉であり銭湯です。

 人工高濃度温泉の入浴が15分程度とされているのは強い血管拡張作用があるからで、入り過ぎると男性なら髭剃りあとの顎から喉の皮膚が真っ赤になったりして、その効果のほどを感じることができたりします。

 そういう具体的な血管拡張や血管収縮の体験、交感神経と副交感神経の切り換わりなど、温泉で転地療養感を味わうことはタッチセラピストにとってとてもプラスになります。

 マーライオンおじいさんのような人と遭遇することも土産話になり、こういう小ネタが指圧中の会話の中で思わぬ活躍をすることがあります。

 昨日は温泉でマーライオンおじいさんを発見した後、予想していた通り右大腿骨骨折の方に呼ばれて、夜になって指圧をしてきました。

 マーライオンおじいさんネタは使うことなく、眠っていただいたまま指圧を終えました。

 タッチセラピーを求める声は世の中に溢れています。

 セラピストは休める時間は綿のように眠り、求めに応じて動けるようにしっかりとメンテナンスをして、栄養も摂取して、力に頼らない、疲れないタッチを身につけていきましょう。

 

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2011年10月23日 (日)

車椅子で畳は傷つくので、車輪に巻きつける畳ガードでも付いてくればいいのに。

 昨日も右大腿骨骨折の方に呼ばれて指圧をしてきました。

 3泊4日のショートステイはなんとか勤まりましたが、帰りの日は深夜2時から起き出して、周りの方には迷惑がられたようです。

 奥様はその間なんとか体を休めることができたようですが、夜に何度か「おいっ!」と呼ぶ声が聞こえたとか。

 たぶん、その時は本当に呼ばれていたのでしょう。

 私もショートステイで泊まれずに深夜に帰ってきて指圧に呼ばれるのではないかと覚悟をしていたくらいです。

 介護施設の中ではひとりでトイレにも行き、スタッフがケアをしなければ日常生活動作ができない重症の方と比べられて、家のように何でも頼むというわけにはいかなかったようです。

 玄関を入るなり、「嘘つきババァだ」何だかんだと夫婦で言い合いをしているのが聞こえます。

 ショートステイを1泊のつもりでしぶしぶ出かけたようなのですが、予定ではちゃんと3泊4日になっていて、本人にも伝えていたそうです。

 そのあたりは多少呆けているようでもあり、都合のいいことは理解しても、都合の悪いことは頭の中に入ってこないみたいです。

 骨折患部が痛いということで私は呼ばれたのですが、指圧を始めると安心したのかすぐに眠りました。

 指圧中、仕事が昼前に終わって帰ってきた息子さんが「幸せなもんだ」と言ってお蕎麦を食べていたと、後で奥様からうかがいました。

 帰りたい家があって、ショートステイで受け入れてくれる施設があって、デイケアにも行けて、毎日呼びたい指圧のセンセイがいて…、世の中の要介護の方の中では恵まれています。

 昨日は本当によくイビキをかいて眠りました。眠っている間に2回自分で患部をさすろうとしましたから、寝ていて痛くて目が覚めることもしょっちゅうなのでしょう。

 夜に「おいっ!」と呼ばれて起される奥様は大変です。

 その「おいっ!」の声が決して大きくないのです。

 奥様の神経は張り詰めていて、その声を拾います。ショートステイの夜の「おいっ!」も、いつも気にかけている神経が拾ったのだと思います。言い争いは絶えませんが、良い夫婦です。

 さて、畳の部屋で指圧をしていて初めの頃は帰ってから気がつく“靴下にくっついているもの”の正体が何だかわかりませんでした。

 私が外から枯れた草でもくっつけてきたのか、家の人の服に枯れ草がよくくっつくような庭なのか、などと思っていました。

 これが車椅子のタイヤで畳が磨り減って散らばったものだと気づくまでにはしばらく時間がかかりました。

 介護ベッドよりは上を見ていて、足元は見ていませんでした。

 畳のクズのことを申し上げた日の翌日には、うどんを打つ時に使っていたというゴザが、磨りきれた畳の上に敷かれていました。

 気を使わせて申し訳ないと思いました。

 自動車のタイヤチェーンのように着脱できる車椅子タイヤ用の畳ガードが、車椅子に標準添付されているべきではないかと思います。

 日本の家屋では、要介護の方の寝室は畳の部屋であることが多いはずです。

 介護ベッドの足には保護の足置きが付属されてきて、車椅子のタイヤに畳ガードがないのはどういうことなのでしょう?

 室内で使うことを考えれば、車椅子のタイヤには屋内用の着脱の簡単な保護オプションが標準装備されていてほしいと思います。

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2011年10月22日 (土)

うずらの卵の中心をはずしても安定して母指指紋部を密着させるイメージでこりをとらえる。

 前回の講座でも質問がありましたが、「痛いタッチでもいいのか?」、「1,2,3で定量的に圧すことがいいのか?」という疑問を持ちながら、そのまま施術を続けている方は多いものです。

 もちろん答えはどちらも「間違い」です。

 資格を取るのに3年間学校に通っても、どうしても実技ではまず「どこをどう施術するか」というマニュアルを覚えなければならないので、臨床的、生理学的なタッチにまで、なかなか指導が及ぶことはありません。

 先生方はテクニックや知識を持っていても、多くの学生はそれを受け入れるだけの感性を磨いてきてはいないということもあります。

 タッチの本当の奥深さは、臨床で経験を積む中で微調整を続けて初めて、自分のテクニックとして吸収できるのでしょう。

 ですから「痛いタッチに疑問を持った方」は、経験の中でセラピストとして一段階上のステップに進んだのだと言えます。

 残念なことに「痛いタッチに疑問を持ったことがない厄介な人」が教える立場になっていることもあるので、この疑問は繰り返されることになります。

 「強いほど嬉しい」、「もっと強く」という御客様を前にして、「痛いタッチに疑問を持ったセラピスト」は悩みます。

 この要求が出る時は「タッチがずれている」「タッチがポイントに届いていない」と思ってください。

 タッチがポイントに届いていれば、軽い圧刺激でも持続で強さを調節することができるので、必ず御客様は満足します。

 タッチを強く、強くと重ねていくと、強さだけしか考えていないタッチのほとんどはねじれてもいるので、筋肉は傷つきます。

 ねじれたタッチで足し算をすればセラピー(活法)ではなく、殺法です。

 タッチセラピーの最終的な仕上げは御客様の血流にまかせればよく、一つ一つのタッチをもの足りないくらいの引き算で行うのだと強く意識づけてください。

 そうしていてさえ慢性的な痛みに苦しむ方には痛いと感じさせてしまうことがあるものなのです。

 傷を癒したいと思うのであれば、痛がらせてはいけません。いつも言いますが“イタ気持ちよかった”などと言われてしまうようでは適量刺激ができていないのです。

 セラピストが“イタ気持ちよく圧している”と公言すれば、適量刺激ができないことを世に知らしめるようなもの、ヘタクソの言い訳、“イタ”が余計です。

 殻をむいたうずらの卵があるとします。

 真上から母指の指力で乱暴に強く圧そうとすれば、うずらの卵はグリンッと逃げるか、潰れてしまいます。

 これが肩こりをグリンッと逃がして捉えられない時の“あなた”のタッチです。

 ヘリコプターがゆっくりと着陸するように、例えばうずらの卵の端の斜めになっている部分に指圧をする時にも、曲面に対してゆっくりと母指指紋部を密着させてください。

 その曲面に対しての垂直方向(曲面が斜めなら垂直方向も斜めです)に圧をかければ、うずらの卵のようなコリであっても母指指紋部で捉えることができます。

 指圧は、母指指紋部を皮膚表面に密着させてから、四指指紋部を密着させた皮膚表面を捉えたままそれを逃がさずに母指方向に寄せ、手首を橈屈させて母指指紋部に体重移動をする準備をします。

 栓抜きの要領です。

 そして肘を伸ばし、背中を起こして、足にあった体重を“重力とオトモダチになって”母指指紋部に移動します。

 必ず息を吐きながら、母指指紋部は力を入れず皮膚表面に乗せるだけ、重ね母指圧で上に乗る母指も添えるだけ、体幹の正中線と母指指紋部が重なるようなラインに上半身を向けます。

 頭で理解できても、自分の感性を乗せたタッチができるようになるまでには時間がかかります。

 手首や体の柔軟性の他に、メンタルの充実や感性の研鑽も必要なので難しいのです。

 10年かかっていいんです。一生でもいい。それが本当にわかったと思えた時、感動すると思います。

 

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2011年10月21日 (金)

20代女性、胃痛、吐き気、発熱後の指圧とアロマ。

 金曜日に吐き気と胃痛があり39℃以上の熱が出た20代女性、それから6日経過しています。

 主訴は足のだるさ、昨日は夜勤の仕事をしてきました。

 鼻炎症状があり咳も出ていますが、痰を排出するための咳で、体は回復のために懸命にデトックス作業をしているようです。

 39℃の熱が出たことは、強い免疫反応ができる若い体であると考えることができます。

 高熱が出ないのに肺炎になっていたというような高齢者の体とは違います。

 好きな体位を取ってもらうと仰臥位になりました。

 咳が出る時は、うつ伏せで呼吸器が圧迫されるのが嫌な方もいます。

 発熱後の体は関節痛や炎症反応後のむくみによる体のモヤモヤがあるものなので、御客様の楽な姿勢から指圧を始めます。

 マニュアルの手順にこだわらないことは、タッチがセラピーとなるためにはとても大事なことです。

 指圧をして、足のむくみはそれほど手指に感じませんでした。

 関節の硬さもなく、発熱後に体がフワフワしたような状態なのだろうと感じました。

 伏臥位になり、特に右背部がこっているのを緩めると、もう鼻がグズグズする症状はとまっていました。

 ラベンダー(ブルガリア産)とローズマリー・シネオール各1滴+スイートアーモンドオイル10mlの1%濃度で、足から下腿には胃経と脾経を中心とし、前腕には肺経と大腸経を中心としたアロマオイルマッサージを行いました。

 免疫系の脾経、胃痛の胃経、呼吸器症状の肺経、経脈が小鼻の脇に終わる大腸経に硬さがあり、反応点となっている部位がありました。

 全身指圧+アロマオイルマッサージ後、風邪症状を緩和するハーブティのエキナセアベアを飲んでいただきました。

 咳と鼻の症状は止まり、指圧中咳が出てしきりに口を押さえるので、していただいたマスクはメガネが曇るからいらないと、自転車で風のように帰っていきました。

 若くて強い体です。なかなか大した回復力です。

 最近は朝夕冷えてきたので、疲労が溜まっていて血流が滞っていればウイルスの攻撃に体は抗し切れなくなって、風邪を引きます。

 胃腸症状を伴う風邪が流行りだしたのかもしれません。

 お気をつけください。

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2011年10月20日 (木)

多彩なタッチを持つことが自分の施術の助けになる。

 昨日は生活の木原宿表参道校で「スポーツ前のマッサージとアロマ」というテーマで講座をしてきました。

 スポーツ前、特にスポーツ直前のマッサージは交感神経を優位にしてどんな急な動きにも対処できるように、体のテンションを上げておく必要があります。

 興奮させるタッチ、血圧を上げるタッチ、筋肉に血液を集めてパフォーマンスを向上させるタッチをしなければいけないので、癒し系のベッドで行うタッチとは対極にあるテクニックを必要とします。

 ですから座位や立位で行い、リラックスをさせないようにすることが最初の注意点です。

 「速いテンポのタッチを短時間行う」と興奮作用によって交感神経を優位にし、闘いに備える体の状態に導くことができます。

 試合前の精神的な緊張を他動的なタッチによってさらに亢進させると、緊張のピークの後には程好くリッラクスした精神状態になります。

 そこで心身ともに最高のパフォーマンスができる状態にして試合に送り出すのがスポーツ前のマッサージの目的です。

 選手が健康で故障がなければ、テンポの速い定量的なタッチで良いので、もっともハードルの低い施術的なタッチと言うこともできます。

 自律神経を交感神経優位から副交感神経優位に、またその逆に、スイッチを切り換えることができずにタッチセラピストと名乗るのは、とても恥ずかしいことです。

 多彩なタッチを持っていれば、そのどれかが自律神経のスイッチの鍵穴にはまることがあります。

 スポーツ直前のマッサージとは真逆の副交感神経を優位にする鎮痛のタッチでは、多彩なタッチを持っていることがさらに必要になります。

 叩打法では当たっている時間を最小限にする、ンタ、ンタの頭に休符がくる裏打ち(実際に叩いてしまっては殺法、活法では上へ上へのイメージを忘れないでください)、あん摩の横手、柳手、熊手、拳摩振せんなど、外国の方に施術をすればとても驚いていただけるようなタッチを、自分の中で再構成して噛み砕いて、自分の感覚を乗せて、特に女性のセラピストの方には是非モノにしていただきたいと思います。

 力の入らない、美しく、面白く、ミラクルなオリジナルのタッチを、時間をかけて醸し出してくれることを期待しています。

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2011年10月19日 (水)

緊張からの解放と物忘れ。

 指圧中に50代の女性からうかがったお母さまの物忘れの話。

 高齢の御両親と母方の実家へ墓参りに行った時に、故郷ではお母さまがタクシーの助手席に座って、いつもにないほどの元気な様子で、運転手さんと御近所の話題に話しに花を咲かせていたとか。

 どこどこの誰はその後どうなったとか、地元の景色と地元の言葉は一瞬で時間を飛び越えて過去の記憶の扉を開きます。

 もう遠い親戚しか住んでいないということでその日は旅館に宿泊し、翌日の帰りの電車の中で“旅館の部屋の鍵”がお母さまのバッグに入っていることに気づきました。

 楽しいという刺激、懐かしいという刺激に触発されて、記憶の情報と現実の五感に伝わる情報が洪水のように頭の中で飛び交って、脳も体もとても疲れたのでしょう。

 その翌日に旅館の鍵は宅配便で返却し、ついでに“高価な買い物があるから”というお母さまに付き合ってデパートまでいくと、お母さまは財布を忘れてきて…、というお話し。

 良い刺激も人間を緊張させ疲労させ、良い刺激を得るための移動や違う環境での生活動作は、高齢者の心身に負担をかけます。

 脳のフル回転の後には、脳の疲弊があります。

 高齢者の物忘れのお話しですが、若い人でも長期にわたってストレスにさらされた後に病気になったり、うっかりミスや不注意事故を起します。

 緊張が続いた後に疲弊期が来てやがて胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるというあん摩・マッサージ・指圧理論の中にある『ストレス反応』の文章を思い出します。

 風邪を引くのも、緊張している時よりも緊張から解放された後が多いものです。

 こういう時に指圧・マッサージをすれば、疲労を回復し、脳の血流を改善して、物忘れやうっかりミスを減らします。

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2011年10月18日 (火)

『統合医療がよくわかる老い方上手』渥美和彦著 PHP研究所 ¥1300

 先週の生活の木薬草香園15周年の講演会のおみやげには、講演をされた東大名誉教授で日本統合医療学会理事長の渥美和彦先生がお書きになった『統合医療がよくわかる老い方上手』も入っていました。

 この本は渥美先生の自伝のように書かれていて、ホンダの創始者、本田宗一郎さんが薬マニアでいろいろな薬を集めていたこととか、ソニーの創始者、井深大さんが『脈診』や『遠隔治療』や『気功』の研究をしていたこととか、世界的なVIPの健康や体への尽きない探求の様子が面白いエピソードとして出てきます。

 渥美先生が若い頃には、ヨガから独自の健康法を編み出した中村天風さんのもとに通っていたことがあるとか。

 ここでも“中村天風”、セラピーの世界では避けて通れない人物のようです。

 西洋医学の、病気をミクロの、ナノの世界にまで細分化して追求していく手法では、もはや医療は成り立たなくなっているので、人間の体全体と精神の世界までを診る伝統医学と西洋医学の統合医療がこれからは必要であるというのが渥美先生のお考えです。

 御自分もモデルになっているという“お茶の水博士”のイラストがふんだんに挿入できるのも、手塚治虫先生の友人ならでは。

 後輩のSF作家小松左京さんや、作詞家の阿久悠さんや阿木耀子さんまでに及ぶ広い人脈との交流が、渥美先生の医療との関わり方に大きく影響したようです。

 統合医療の研究はまだまだ進んでいない部分も多く、明確な結論づけをせずに本が終わっていることは、医学的否定要素は表に出さずに“どや顔”ではったりを見せつける痩身矯正などよりはずっと好感が持てます。

 この本を読んで、われわれ後に続く者がコツコツとやっていかなければいけない宿題を感じることができました。

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2011年10月17日 (月)

痛みに日曜日はなく…。

 昨日は昼前の日射しから夏に戻ったような一日でした。

 午前中は御近所の行事に参加し、戻って留守電に往診の依頼がなかったので昼から『川越温泉 小さな旅』に行ってきました。

 この温泉は川越の中心部から離れているので、昨日は川越祭りでしたが、お祭りの交通規制に引っかからずに行くことができました。

 入会料100円で平日650円、土日祝日750円のスーパー銭湯形式ですが、生源泉掛け流し(秋、冬、春、気温が下がれば加温しています)の低温露天風呂があり、低めの湯温設定が嬉しい日帰り温泉施設です。

 寝湯は背中を伝うくらいの浅いものが多いのですが、ここの露天の寝湯は仰臥位で体の半分以上がお湯につかります。

 水風呂以外は温泉を使っていて、人工高濃度炭酸泉も低温の温泉です。

 木の風呂と石の風呂があって、男風呂と女風呂が一日毎に変わるのも嬉しい配慮です。

 まだ新しい温泉なので湯量が豊富で温泉成分が薄まっていないようです。こじんまりしていますが、清潔感があって、穴場です。

 平地にあるので周りの景色を見ることができませんが、武蔵野の青空を見るだけでも転地療養感のある温泉です。

 近くには、いも会席で有名な『いも膳』というお店があり、巨大パエリアを作ってテレビでも紹介されたスペイン料理の『西班牙(スペイン)市場』も車で5分くらいのところにあります。

 そしてスッキリして帰ると、留守番電話が…。

 右大腿骨骨折の方のお宅に暗くなってから出かけて、指圧をしてきました。

 ショートステイのお泊りを嫌がっているので、「指圧を呼んでやるから明日はショートステイに行ってこい!」という、介護する側と介護される側の壮絶な戦いがあったようで、どちらにも痛みや疲労との葛藤があります。

 奥様はもう疲れきっていて、その口から「頚を締めたくなる気持ちもわかる」という言葉を聞いたのが昨日で2回目でした。

 そのまんざら冗談ではない感じに、明日はショートステイに出かけらるように、アスリート並みの調整をしておきました。

 幸い昨日はせん妄のような状態にはなく、会話も頭もはっきりしていて、指圧後はトイレに行き、ベッドに戻って最終調整をし、寝かしつけて帰ってきました。

 川越温泉の効果で指圧後は汗びっしょり、シャワーを浴びて、その後は軽い頭痛がしました。

 セラピストをやっていると、こんな日曜日があります。大変ですが、もう当たり前に思うようになりました。

 今朝はすっかり快調です。また新しい一日が始まります。

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2011年10月16日 (日)

「冷蔵庫のところに白い髭をはやしたおじいさんがいた」と指圧中にお話しが。

 昨日も右大腿骨骨折の方のお宅で指圧をしてきました。

 一昨日のデイケアの帰りには、先生がついていらして、いつもは車椅子に座ったまま車を降りるのですが、車から直接足を着いて降りるということができたそうです。

 しかし私が呼ばれるからには、右殿部から右大腿の痛みは相変わらず続いているということです。

 昨日は顔のむくみと両足のむくみもありました。

 指圧中は眠り、一時間たって目が覚めて「トイレに行きたい」とのこと、私が車椅子を押してトイレまでお連れしました。

 いつもはドアを開けて、奥様が側について用を足しますが、昨日は一人でやってみる気になったようです。

 やればできるのです。

 明日からのショートステイのことも頭にあるようで、できれば行きたくない、行ったなら自分である程度のことはしなければいけないというプレッシャーが見てとれます。

 ショートステイで手のかからない所を見せて、自宅療養で大丈夫だと周りに思われたいということもあるのでしょう。

 トイレから帰ると、いつになく饒舌で、「今朝、冷蔵庫のところに、白い髭をはやしたオジイサンがいた」とお話しになります。

 寝室のベッドから台所の白い冷蔵庫は、寝室のドアを開けておいても見えない位置にあります。

 「入院中にあんまり痛がってうるさいから、3人の患者と一緒に駅前の別の部屋へ連れて行かれた」、このお話しも実際にはなかったことでしょう(事実なら問題になりそうです)。

 脳梗塞後の薬や睡眠薬、前立腺の薬など複数の薬剤を服用しているうえに、今週からは中枢に作用して鎮痛する薬を飲み始めています。

 高齢の痛みの強い重症患者の方が複数の薬剤の影響で、せん妄の状態になるということは十分に考えられます。

 体は日常生活動作が少しずつできるようになり、痛みは続いていますがリハビリの意欲もあるようです。

 冷蔵庫の側面に白い髭のオジイサンが見えないことを確認して、昨日は帰ってきました。

 年齢的に、錯覚や物忘れがあっても仕方ないと思います。

 視力の衰えや白内障で、ボンヤリとした白いモノが見えることもあるかもしれません。

 新しい薬の影響でせん妄の状態がすすむようなら、奥様から主治医の先生にお話ししていただくようです。

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2011年10月15日 (土)

数字の5の形に曲がった腰椎。

 右腰痛の50代女性、右足がしびれています。

 出産の時には腰椎が5の形に曲がっていることがわかり、帝王切開になったそうです。

 “腰椎が5の形”というとイメージするのも難しいのですが、腰痛の原因が第4、第5腰椎付近にあることは触診でわかります。

 一見して体重を減らすと腰への負担は軽くなると思えるくらいのりっぱな体格です。

 調理師で、姿勢は肩関節内転・内旋の手仕事の猫背になっています。

 仰向けで寝ると手をバンザイしたくなり寝る時に仰向けになれないということなので、猫背による胸郭出口の詰まりがあるようです。

 右を下にして横向きで寝ているとのこと、これは典型的な右腰痛症患者の睡眠姿勢です。

 伏臥位の指圧で背部の筋肉を緩め、腰椎の間隔を拡げていきます。

 普段は仰臥位が苦しいということでしたが、伏臥位の指圧後には楽に仰臥位姿勢がとれました。

 右下肢伸展挙上牽引では、脛骨と距骨の距腿関節のあたり(あるいは距骨と踵骨か)でポキッと音がしました。

 右足のしびれは腰の問題だけではなく、足関節の詰まりにも問題があったようです。

 指圧後、腰痛と右足のしびれは嘘のように消えていました。

 本人の言うところの“動ける〇〇”なので、筋肉がしっかりしている分、体重によって座骨神経症状が出ても、筋肉が緩んで関節の間隔が拡がれば神経症状は解消します。

 これで痩せることができれば…。

 お話しをうかがうたびに、親の介護の問題やお子さんの就職の問題などストレスに溢れた毎日のようです。

 お話しをうかがった分の重荷は発散され、指圧の効果もあって痩せるはずなですが、次々と持ち上がる毎日のストレスは強敵です。

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2011年10月14日 (金)

「2枚の板を縫いつけて一週間後に抜糸をしてもくっつかない。しかし人間の傷は…」

 昨日は指圧の合間に、飯能の生活の木薬香草園15周年記念講演に行ってきました。

 手塚治虫先生の同級生で“お茶の水博士のモデル”という東大名誉教授の渥美和彦先生の統合医療の講演の中で印象に残ったのが、「2枚の板を糸で縫って一週間後に抜糸をしてもくっつくことはないが、人間の傷はくっつく」という、人間の中に備わった“治す力”を具体的にイメージさせる例えです。

 先端医療の研究の後に、日本統合医療学会を設立し、現在もその理事長で、長年に渡って医療に携わってきた中から言葉となった“2枚の板と人の傷”の比較には、具体的でインパクトのある説得力が満ちていました。

 遺伝子の研究が進み、自らの細胞から臓器の再生が可能になると、内臓の手術は医療の中心の役割を終えるので、これからは西洋医学と伝統医学を合わせた統合医療による“癒し”や予防医学が重要な時代になるとのお話しで講演は終了しました。

 渥美先生は御自身の心臓の手術の後にアロマオイルトリートメントを受けたこともお話しになり、その効果を高く評価されていました。

 私はアロマセラピストで指圧師ですから、伝統医学の項目のスライドの中で、指圧が一番最初に書いてあったことも嬉しいことでした。

 人間の体の中には“治す力”が備わっています。

 受け手のタッチへの感受性は“治す力”と直結しています。

 講演のお話しを円とすると、その真ん中のことをずっと私はやり続けているようです。

 “お茶ノ水博士”のお話しは、「これは難しいからとばしましょう、次!」と説明に時間がかかりそうなことはスライドを早送りしてしまう非常に簡潔でクレバーな構成でした。

 本質を伝えるためには簡潔さも大切です。

 レモングラスの蒸留(蒸留したてのやや青臭さい感じもホンモノである感じがしました)の見学や、内容豊富なおみやげをいただいた満足感もあり、遅刻、早退の短い時間でしたが、充実したお昼休みになりました。

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2011年10月13日 (木)

川越氷川神社、御神水の池の人形流し。

 昨日も朝から大腿骨折の方の往診でした。

 デイケアをお休みしての指圧です。

 電話をいただいた時に奥様と「デイケアにも行くといいんだがなぁ…」というお話しをしたのですが、朝起きた時に痛みが強いのは膝痛でも腰痛でも同じですから、登校拒否の子供のような80代の指圧に向かいました。

 痛みは強いようですが、指圧をすればいびきをかいて眠ります。

 一昨日は全く起きず、昨日は2回「痛い」と言って右大腿をさすりながら目を開けました。

 膝を曲げているので、殿部から大腿後側の座骨神経に沿っての痛みもあるようでした。

 一時間ほど指圧をすると、車椅子でトイレに行きました。

 トイレに向かう時には痛みから頭が切り離されていて、痛いとは言いません。

 デイケアに行く時の車椅子に移動したり、車に乗ったりするストレスをかけることもリハビリ効果はあるのと思うのですが…。

 ともかく指圧で鎮痛し、体中の筋肉を動かし、眠って体の疲れをとり、リハビリにもなり、血液に循環や消化管活動、泌尿器活動の活発な時間にはなったと思います。

 その後、何とはなしに御参りを思い立ち、川越氷川神社に行ってきました。

 川越氷川神社は、最近は恋愛成就のパワースポットとして有名です。

 狭い境内には不釣合いなほどの巨大なオレンジ色の鳥居が東側にそびえます。

 境内には御神水が流れる池があり、あまり話題になりませんが、紙の人形を流す“人形流し”があります。

 息を3回吹きかけ、体に人形をこすりつけてから池に流しました。

 人形は徐々に水に溶けていきます。

 私と関わる人たちの痛みが溶けて消えていくことを願い、氷川神社で深く頭を下げてきました。

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2011年10月12日 (水)

20代女性、両膝が痛い、触るといろいろな所が痛い。

 20代女性、主訴は肩こりと両膝の痛み、膝は1ヶ月前に“立ったり、座ったりする仕事”で傷めたとのことです(座敷で注文をとるような、居酒屋さんとか、旅館の仲居さんのバイトなどを想像しました)。

 見るからに痩せ型で猫背の虚証、肩の筋肉は細く、肩こりになりやすい体形と姿勢です。

 両手関節際の寸口の脈を感じることができなかったので、肺経、大腸経、心経、小腸経の問題を考えるとともに、手指の腱鞘炎についても考えておきます。

 友だちと2人で指圧に来て、友だちの後に指圧をしたので、待っている間には鼻がグズグズしていて、肩にはバスタオルをかけていました。

 友だちのほうは暖房がいらないということでしたが、待合室にはエアコンで暖房をつけておきました(足が冷えていました)。

 肩こりは猫背で頭がオモリになっていることが原因、筋肉が弱いから疲労しやすいので、ぺットボトルくらいの負荷をかけて、肩周囲の筋肉を鍛えたいところです。

 肩甲骨を寄せて胸を開くことがないので、猫背の胸は貧弱に見えます。

 しかし指圧後に良姿勢をとると、ちゃんとバストアップしました。

 両膝は屈曲痛があり下腿を左右に倒しても痛みが出ます。

 大腿後側の屈筋腱は内側も外側も傷ついているようで、大腿前側膝蓋骨下中央の大腿四頭筋膝蓋腱にも圧すと痛みがあります。

 何と脆い体であることか。

 仰臥位下肢伸展挙上牽引では股関節が2~3cm伸びましたが、この時に下腿後側に痛みが走ります。

 足底内側の痛み、腋窩の肩甲下筋の痛み、眼輪筋では目頭の痛み、鼻の両側の痛み、頬筋の痛み、前頭部の痛み、耳周囲側頭部の痛み、弱い刺激で当てるくらいの指圧でも、あちこちに痛みが出ます。

 本人の言うストレッチ不足、運動不足だけなのか、例えば繊維筋痛症のような難病が隠れていないか…。

 指圧後に処方された薬を見せていただきました。

 外用薬のリンデロンと蕁麻疹の内服薬はアレルギー体質であることを示します。

 問診でも花粉症があるとのこと、しかし指圧後は鼻のグズグズいう感じは止まりました。

 漢方薬は虚証の体質改善の代表薬、補中益気湯と、証にこだわらず処方される鎮痛作用のある芍薬甘草湯が出ていました。

 多愁訴なので加味逍遥散もありそうなところだと思っていましたが、それも最近まで処方されていたとか。

 漢方薬を処方する病院の先生も適切な処方を探しているようです。

 また最近急性胃腸炎にもなったということで、最初の脈診の肺経、大腸経、小腸経の問題はあったということになります。

 心経の問題も血液循環の不良と、神経質そうな感じを絡めれば、はずれてはいない感じがします。

 ともあれ両膝痛でわずかな屈伸もできなかったのが、45°くらいまでは痛みなく曲げられるようになりました。

 下肢伸展挙上のエクササイズで痛みはないので、これで大腿四頭筋を鍛えることによって血行促進により傷の治りも早まるのではないかと思います。

 20才を過ぎると女性ホルモンの増加により、鍛えなければ筋肉が衰えます。

 この女性には、あと何回か指圧をしたいところです。

 その後、予約が続いて、朝電話をいただいた右大腿骨折の方のお宅にうかがったのは3時でした。

 「3時が待ち遠しかった…」と言ったあと、指圧中は一時間眠り、その後胃腸の働きが活発になってトイレに行きました。

 便秘の解消にも指圧が役立ったということです。

 「待ち遠しいもの」になるタッチは、ただ触るだけでなく、不安を晴らすだけの情報や効果が備わったものです。

 昨日は寒がったので布団の中に手を突っ込んで触れたり、布団の上から斜め手前に垂直圧をかけていました。

 手元を見て圧すことはありませんでした。

 外では奥様がナタとノコギリを使って、指圧中は旦那様に呼ばれる心配がないので、庭の木をゴミに出せるサイズに切っていました。

 窓が閉まっていて外は見えませんでしたが、音でそれがわかりました。

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2011年10月11日 (火)

温かい手の可能性をもっと信じること。

 昨日で3日続けて大腿骨骨折の方に呼ばれて指圧をしてきました。

 毎日来てほしいと言われていますが、「良くなっているから、毎日指圧をしなくてよくなるから」と、本人に毎回申し上げています。

 朝は顔や足にむくみがあり、右大腿には熱を感じることがあります。

 患部に手を触れていると眠りますが、全身の筋肉に広く触れようと患部から手を離すと目が覚めることがあります。

 ですからピアノのように、片手は患部に、片手はそれ以外に同時に触れています。

 両膝をついた膝立ちで、右を上にした横臥の背中に両手を当てているので、基本的な指圧の姿勢とは違います。

 それでも指紋部や手掌の密着面を広くとって、それを支点に背中を反るようなイメージで微妙な垂直圧を作っています。

 大腿部に当てた左手は下方向に垂直圧を作り、背中に当てた右手では手前の自分の胸に向かうような垂直圧を作ります。

 温かい手は温熱効果で血行を促進し、顔や足のむくみを流し、患部の熱を発散させます。

 30分ほど指圧をすると寒くなるというのも、解熱鎮痛剤のような効果がある証拠です。

 「明日は動ける?」、おいとまする時のか細い声の質問は、デイケアへ行くことが可能かという問いかけでした。

 「大丈夫です。この体は毎日変わっています。ずっと同じ痛みが続くことはありません」と断言してきました。

 帰りに、奥様の前腕と肩にマッサージと手掌圧の加減を感じてもらうために触れると、「温かい手だ」と驚かれました。

 セラピーモードでは、手に血と熱が集まっています。

 温かい手をもっと信じていいと思います。

 セラピーの感覚から出てきた言葉が揺らぎないものであれば、大丈夫な感じがあれば体は良くなっていきます。

 一昨日も指圧の後に御自分ひとりでシャワーを浴びたとのこと。

 モチベーションを盛り上げていけば、免疫力も高まるはずです。

 温かい手は、困った人がすがりつきたくなるパワーを秘めています。

 指力はその秘めたパワーを減衰します。

 もっと温かい手を信じてください。

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2011年10月10日 (月)

鎮痛薬ノイロトロピン、ロルカム、そしてタッチ。

 昨日も朝から右大腿骨骨折の方のお宅に呼ばれて指圧をしてきました。

 鎮痛薬がノイロトロピンとロルカムに変わり、効果が期待できそうなのですが、痛みは続いていて、朝起きると「センセイを呼んでくれ」ということになるようです。

 ノイロトロピンはワクシニアウイルスを接種して炎症を起こしたウサギの皮膚から抽出された薬で、中枢神経に作用して鎮痛し、発痛物質であるブラジキニンの遊離を抑制します。

 ロルカムは発痛物質プロスタグランジンの産生を抑制します。

 病院の先生も鎮痛のことを考えてくださっているのだとわかり、心強いことです。

 指圧では患部にはソフトな持続圧で鎮痛をし、他の多くの部位には筋力が衰えないように運動させるイメージでタッチをします。

 一昨日も呼ばれて指圧をしましたが、その後には調子が良かったのか浴室内では一人になってシャワーを浴びたということです。

 「鎮痛薬が外用薬も含めて効いていないのではないか」と申し上げておいたことが、多少は処方に影響を与えることになったようです。

 高齢者の病気では、退院の時に治療難民になってしまうことがあります。

 このケースでも診療費の自費分が増えて経済的には負担が大きくなりますが、病院に残るという選択もあったようです。

 支払いができても、本人の帰宅したいという思いが強く、現在に至っているのですが、デイケアやリハビリ、通院事情など、専門的で十分に満足のいくケアができているようには思えません。

 医療コーディネーターが退院の際に治療を継続するための最適な引継ぎをしてくれるような制度を確立することが必要だと強く感じます。

 臓器移植コーディネーターが活躍しているように、この種の医療コーディネートにはビジネスチャンスがあると思うのですが…。

 痛みを抱えていると、一人ぼっちで永遠に終わらない苦しみを抱えているような気にもなりますが、痛みを何とかして緩和したいと思ってくれる人は必ずいると思います。

 そして一つの方法が効かなくても、いくつかの別の方法があって、それを懸命に考えてくれる人もいます。

 体は、良くも、悪くも、変わっていきます。ずっと同じなんていうことはありません。

 良く変わっていくと信じて、手のグー、パーでもよいので、できることから体を動かして、良い変化を促しましょう。

 滑稽なくらいジタバタしてしまうのが人間です。

 誰もがそうだから、セラピーの世界にいれば、それを笑ったり、低く見たりすることはできなくなります。

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2011年10月 9日 (日)

傷を治す筋肉や関節の使い方。

 50代男性、主訴は左肩の外転痛です。

 肩の外転痛で主に問題となるのは棘上筋です。

 外転で使われる棘上筋は末端が肩甲骨の肩峰下にあるので、手が上がるにつれて肩峰との間隔が狭くなり、ぶつかって炎症が起きやすい筋肉です。

 ゴルフのスイングの振り子運動や、剣道の(高段者なので)日々の練習の素振りで痛みはないということです。

 痛みが出るのは毎回ではなく、ふとした肩関節外転の動きで痛みが出るようです。

 剣道の素振りの肩関節伸展+屈曲では痛みがなく、腰のねじりが加わり肩関節が最大外転にはならないようなゴルフのスイングでも痛みが出ないようです。

 全身指圧で、左半身は肩甲骨周囲のこりと下腿後側のむくみ、右半身は腰から大腿後側までの部位にこりが集中していました。

 左は猫背+踵体重の使わな過ぎ、右は腰を中心とした抗重力筋のこりなので体重は右にかかっていると考えられます。

 指圧後、ふと見せた、御自分で動かす頚の回し方や腕の回し方が速過ぎてストレッチにはなっていないことが問題です。

 肩関節の伸展、屈曲という動きや、最大外転まで行かなければできてしまう外転の動きなども、普段は同じように速い動きで息を止めたまま行っているのでしょう。

 この時に肩峰と棘上筋の炎症部位がぶつかって、傷が治る暇がないということがきっとあるのだと思います。

 体はがっちりしていてスポーツも続けてきているので、若いころの感覚のまま十分な安静を考えずに使い続けて傷の治りを遅らせているように思います。

 ストレスを抱え続けるのを当たり前だと考えるには、体力的にもう無理があります。

 全身のバランスを考えて、息を吐きながらゆっくりと関節を痛みの出ない範囲で動かすように生き方そのものも変えなければ、その後には大きな病気が控えています。

 痛いといってリハビリを嫌がるのも回復を遅らせますが、痛みを気にせずに安静を怠れば傷はいつまでも治らず、やがて悪化することがあります。

 クライアントの性格に合った言葉かけが必要ですし、時には健康観を揺さぶる脅し文句を使ってもよいでしょう。

 いくつかの会社のトップとしてストレスを抱える毎日の中、問題のあった会社をひとつ整理して不整脈が治まったということもお聞きしました。

 クライアントが当たり前だと思っていることの中に、改善できるストレスがあれば、やんわりと、時にはしっかりとした警告として、アドバイスすることもセラピーです。

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2011年10月 8日 (土)

緊張を超えたところにリラックスがある。

 セラピーとなるタッチは、力まない、心地良いそよ風のような、日向に干した布団のぬくもりのようなものです。

 幸福感をもたらす神経伝達物質のセロトニンを分泌させるようなタッチをするセラピストは、タッチの一つ一つに幸福感を感じながら緩やかな時間の流れを作っています。

 セラピストも人間ですから、いつも正解のタッチを作れるわけではありません。

 ですから私がお会いした、あるいはマスコミなどで間接的に拝見する私が何かあると感じるセラピストの方は、皆さんとても謙虚です。

 それは命には終わりがあるということを、タッチの経験の中で切実に見てきているからだと思います。

 施術に入る前に勉強して、研究して、緊張して、タッチを始めればセラピストこそが“まな板の鯉”、もうジタバタしても始まりません。

 ステージに立つ前に緊張のピークを迎えて、その後は力を抜いて、恥ずかしい自分の姿を曝け出していくだけです。

 緊張を超えたところにリラックスがあります。

 陸上のスタートをする前にダッシュを繰り返して、自ら緊張を作り出しておけば後は緩むだけです。

 これが自律神経の訓練となります。

 今朝はもう往診のお呼びがかかりました。

 オンデマンドで出かけたほうが、痛みの緩和にはよいようです。

 また忙しく一日が始まります。

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2011年10月 7日 (金)

肩こりは“肩が上がること”、“上肢が重りになること”が二大原因。

 肩こりになる大きな原因は、『手仕事の時に手掌を下に向けて手指を使うと肘が曲がり肩が上がること』と、『何もしていなくても上肢が重りになること』です。

 よって改善策としては『肩を下げること』と、『上肢を重りにしないこと』なのですが、どちらも難しいので肩がこります。

 座禅の姿勢は、手掌を上に向けて両手を膝の上に乗せてしまうので、肩が下がり、上肢の重さから肩関節は解放されます。

 猫背で膝を曲げずに上肢を伸ばして重い荷物を持ち上げようとすると、肩関節には荷物の重さ+上肢の重さがかかります。

 この時に腰には上肢の重さもかかっていることになります。

 膝を曲げて、荷物と体幹の距離を縮めて肘を曲げて固定し、体幹が上後方に重心移動する動きを利用して荷物を持ち上げると、上肢の重さで肩関節が下に引っ張られることはなく、腰への負担も軽減されます。

 船の碇のように、上肢が下方向への重りとして固定されていれば、じっとしていても肩はこります。

 左の肩こりの原因に多い“使わな過ぎ”は、左上肢を重りにしているということになります。

 四足歩行では前足が着地しているので前肢は重りにならず、二足歩行で猿人のように猫背で腕を前に垂らしていれば上肢が重りになります。

 上肢を一定方向(下方向)の重りにしないためには、肩の振り子運動をすること、つまり歩く時に肩関節を前後に振って四足歩行のイメージで歩くと肩こりになりにくいのは明白です。

 肩関節周囲炎の方が寝る時に腕を三角巾で吊るようにパジャマのボタンを一つ開けて患側の手を突っ込んで寝たほうが良いのには、肩関節にかかる上肢(上腕)の重さを軽減できるという理由があります。

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2011年10月 6日 (木)

ヨモギ蒸しスチームサウナ+足湯+背中を流れるお湯。

 湯楽の里熊谷店、ヨモギ蒸しスチームサウナに足湯と背中を流れるお湯を組み合わせている温泉施設は初めてでした。

 座って足浴をしながら、背中にも背もたれをつたってお湯が流れます。

 足裏の『湧泉』からの腎経と、同じく冷えのポイントである脾経、肝経の温熱効果に加えて、『風門』を含む背部の膀胱経を流れ落ちるお湯で温める感覚はなかなか良いものでした。

 ヨモギのアロマ効果もあります。

 残念なのは露天は天然温泉なのですが、スチームサウナ内はカルキ臭の強いお湯が使われていることです。

 ここも温泉にするか、せめてヨモギを袋に詰めて抽出すればヨモギ蒸しの統一感が出ます。

 もうひとつ残念な情報はヨモギのスチームサウナは男風呂だけで、女性用は塩サウナだということです。

 私は塩サウナも大好きなのですが、ヨモギ蒸しのスチームサウナ+足湯+背湯は女風呂にも是非導入していただきたいと思います。

 湯楽の里熊谷店は温泉施設をいくつも運営する湯楽の里のお店です。

 最寄り駅は熊谷ではなく、秩父鉄道で2つ先の石原駅です。

 入会金100円を払えば岩盤浴とワンドリンクがついて平日850円なので、埼玉県内の温泉施設のコストパフォーマンスではトップでしょう。

 岩盤浴着と岩盤浴のタオルはついていますが、入浴のタオルは有料なので用意していきたいところです。

 岩盤浴後におしぼりがサービスされるのも、初めてでした。

 ドリンクは岩泉のヨーグルトドリンク180円(濃厚でとても美味しかったです)をいただいたので、入会金を払っても実質770円でした。

 近所のスーパー銭湯が410円から700円に値上げしたことを考えると、岩盤浴付きですごくお得です。

 泉質は単純温泉で、加熱していますが、ミネラル豊富なまったりとしたお湯でした。

 露天の植木もよく手入れがされていて、寝湯、檜風呂、壺風呂など、ゆったりとできました。

 並びにユニクロとコーヒー館があるのも市街地の街道沿いの温泉施設らしく、温泉ランキングなどにはあまり登場しませんが、穴場だと思いました。

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2011年10月 5日 (水)

頚と肩のこり、猫背と右内転筋群と左前脛骨筋のこりが問題であったケース。

 調理の仕事をしている30代女性、しつこい頚と肩のこりに悩まされてきました。

 椅子に座ると胸椎の後弯が増強し、腰椎も後弯してしまった高齢者のような猫背です。

 Tシャツの襟は右に傾いて、右頚から肩の肌は左より広く見えています。

 おなかを引っ込めて、背中を伸ばして良い座位姿勢をしていただくと、両足が浮く感じになってしまいました。

 座位では爪先が内側を向いていて、X脚気味です。

 伏臥位で「楽な姿勢をとってください」と申し上げると、両手を下げたので、猫背による鎖骨周囲の詰まりを自覚しているだろうことを考慮して指圧をすすめます。

 両僧帽筋と両肩甲挙筋のこり、特に頚の付け根の肩根点がこっているので、頭が肩より前にあってオモリになっていることが、頚と肩のこりの原因です。

 猫背ですから、肩甲間部から背部がこっていましたが、腰や殿部のこりはそれほどではありませんでした。

 下肢後側のこりも問題にしなくていいレベルです。

 しかし左ふくらはぎのむくみは“使わな過ぎ”です。

 仰臥位下肢の指圧では左鼡径部の手掌圧からおなかが音を立てて動き始め、左下腿前側の前脛骨筋は非常に硬く、『足三里』の指圧でおなかが大きく鳴りました。

 左下腿の前後のバランスから考えれば、左足は踵体重が常であることがわかります。

 おまけに爪先が内側を向いているので、足の内反をする前脛骨筋に負担がかかり“使い過ぎ”になります。

 右下肢は股関節が硬く、内転筋がこっていました。

 右股関節を内転内旋気味に使い、左足は踵体重で外側に体重をかけているので、X脚気味の癖がついているのだろうと分析することができます。

 仰臥位下肢伸展のストレッチでは下肢が2~3cmほど伸び、全身指圧で筋肉を緩め、ストレッチで体の各部位を矯正した後に椅子に座ると、自然に背中が伸びて、腰椎も前弯のカーブを描いています。

 最初の座位姿勢では良姿勢をとると足が浮いていましたが、今度はちゃんと足も体を支えていて、爪先も真っ直ぐに前を向いています。

 最初はTシャツの襟から右に広く見えていた頚から肩の肌も、左右のバランスが均等になって、鏡で見ていただくと大きな声で笑っちゃうくらい姿勢は正されていました。

 びっくりするくらい大きな笑い声だったので、裏のお宅が変に思わないかとちょっと気になりました(もっともウラのお宅もお得意様ですし、時々そんなこともあるので馴れているとは思います)。

 一回の指圧でその後の人生が変わるくらい、体のバランス、姿勢の大切さを感じ取る方がいます。私はこの女性がとても上手に私のタッチ受け留めてくれたと感じました。

 いつも言いますが、タッチセラピーは受け手の感受性に助けられて成立します。

 マジッシャンが会心のマジックで拍手喝采をもらった時の気分はこんな感じでしょうか。

 

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2011年10月 4日 (火)

強い痛みを緩和するタッチは体重計にそーっと乗り、そーっと降りるイメージで。

 少しでも体重を減らしたいと思っている人が体重を計る時に、ドカッと乱暴に体重計には乗りません。

 それが実際に体重を大幅に減らすことにはなりませんが、その乙女心であったり人間の心の動きは、心身にダイエットのモチベーションが衰えていないことの現われです。

 また、熱いお風呂に入る時や、冷たい水に入る時も、温度が変わることはありませんが、徐々に足を沈めていくことで、自分の体がその温度に適応する時間をかせげます。

 私が強い痛みを持つ方の患部に触れる時、どうして痛みが緩和されたり、痛がられないのだろうかと考えてみると、体重計に「そーっと乗って、そーっと降りるようなタッチ」をしているからです。

 体重計の針がいきなり大きく振れないように、微圧を徐々に乗せて、また体重計の針が急に戻らないように、微圧を徐々に減らしていきます。

 自分の体の力を抜いて、息を吐きながら、呼気に合わせて圧をほんのわずかに増減するイメージです。圧すというイメージではありません。

 体重計にそーっと乗って、そっーと降りるイメージはみなさんできるのではないでしょうか。

 それを足ではなく手でするのですから、コツをつかめばもっと微妙なニュアンスが出せるはずです。

 こちらから一方的に仕掛けるのではなく、痛みを抱えた方がタッチを受け留めるための時間の余裕を作ってあげてください。

 それは1秒とか2秒とか、ほんのわずかなタイミングの連続です。

 微妙でなだらかな起伏の漸増漸減圧をしていきます。

 フェイシャルのタッチも強過ぎてはいけないことが最近盛んに言われるようになりました。理論的には当たり前のことなので良い傾向です。

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2011年10月 3日 (月)

スポーツイベントのお手伝い。

 昨日は早朝からスポーツイベントのお手伝いをしてきました。

 といっても会場のテント張りとかが仕事で、救護のテントもあるし…と思っていました。

  一度帰宅して、指圧の予約などをチェックして用事をすませ、再びイベント会場に向かいました。

 しばらく退屈していたのですが、昨日から徹夜でイベントの準備をしていたという女性の両下腿前側が強烈につったことから、指圧の時間が始まりました。

 寝不足に加えて、曇り空の薄ら寒い屋外イベントでしたから、交感神経が極度に緊張していて、準備運動もせずプールの冷たい水にいきなり飛び込んだ時のように、特に左の前脛骨筋に強い痙攣が続きました。

 前脛骨筋は足を背屈し内反する筋肉ですから、弱い刺激の指圧をし、足底屈+外反のストレッチをすれば理屈では足がつった状態から解放されるはずです。

 しかし、交感神経の過緊張から起こる血行不良は根深い症状を呈するので、不随意運動の痙攣が繰り返し起こって、一筋縄ではいかないと感じました。

 イベントの準備のため猫背+踵体重の姿勢が続いていたのだろうと思われ、腰から下肢外側を緩めてからでないと、足底屈のストレッチが簡単にはできないような状態です。

 肌寒い早朝から、服装が7分丈のジーンズであったことも原因です。

 膝掛け毛布で下腿を覆い、足を高くして、しばらく指圧やストレッチをしていると、だんだんと下腿の緊張が緩んでいきました。

 “一芸は身をたすける”ということで私の退屈は消え、「じっとしているより指圧をしている方が楽ですから」などと言うと、足がつった方から「そんなことを言うときっと列ができますよ」の言葉通り、その後、頚椎症の方や肩こりの方の指圧をすることになりました。

 何となく予感がした通り、イベントの片付けを終え帰宅して留守電を聞くと、3回メッセージを入れていたのは、大腿骨骨折の方の奥様でした。

 折り返し電話をすると、「昼過ぎから痛くてしょうがねぇからセンセイを呼んでくれと言っている」とのこと。

 指圧が来なければ明日のデイケアには行かないそうで、『何のこっちゃ』と思いながら、暗くなった道を指圧に向かいました。

 始めは痛い、痛いと唸っていましたが、やがて眠り、1時間指圧を続けるとトイレに行きたくなり、車椅子に上手に移乗して用を済ませてきました。

 始めは右横臥位で患部を上にしていましたが、車椅子からベッドに戻ると仰臥位になりました。

 「たいしたもんだなぁ、痛みが止まるのだから」とおほめいただいたので、「車椅子の乗り降りの動作ならテレビ番組のモデルになれます」と誉め返しておきました。

 その後仰臥位でしばらく指圧をし、奥様も交えて満州にいた頃の話や若い頃の話しをうかがいました。

 もう痛みに頭が占領されていないということです。

 朝から忙しい一日でした。

 指圧は名刺にもなるし、私の芸になったのだなぁと感じた一日でした。

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2011年10月 2日 (日)

キンモクセイが香り始めました。

 10月になったのがわかったかのように、昨日から庭のキンモクセイが香り始めました。

 朝まだ暗いうちに庭に出て、ひんやりとした空気を吸い込んで、その甘い香りに気づきました。

 香りの記憶をたどって、それがキンモクセイと結びつくまでに数秒かかりました。

 衣更えに合わせたように、季節の移り変わりを香りが知らせます。

 昨日最初に指圧をした方も、玄関に入る前のこの自然のアロマに気づきました。

 嗅覚が正しく働いて、自然のアロマに情緒を揺さぶられることがあれば、心身が最悪の状態ではありません。

 どんな病気でも、気が病んでいる状態が浅ければ、回復する力を指圧でさらに目覚めさせることができます。

 昨日の指圧は、「玄関を入る前に香りに気づきましたか?」から問診が始まりました。

 室内で行うどんなセラピーも、今の外の環境と密接に結びついています。

 そこに考えが及ばないタッチは机上の空論、マッサージ器がどんなに工夫されてもセラピストの手にかなわないのは適量刺激の調節の甘さだけでなく、そういうところにも遥かに及ばないものがあります。

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2011年10月 1日 (土)

リハビリ後の疲労回復に呼ばれる。

 右大腿骨骨折の方が昨日は久しぶりにデイケアに出かけ、夕方に帰ってくるなり『痛くてしょうがねぇからセンセイを呼んでくれ』ということになったそうで、指圧に行ってきました。

 その時間に予約がなかったので「すぐに行きます」とお伝えして急いで出かけたら、着いた頃には安心したのでしょう、眠っていました。

 指圧をすると眠りはさらに深くなり、いびきをかいて眠っています。

 「指圧が来なかったと思われても残念ですねぇ」と奥様に申し上げると、少し意地悪いくらいに「起きてるかい!」と大きな声で話しかけます。

 「痛ぇんだ…」、それだけむにゃむにゃと言ってまた眠ってしまいましたが、これで指圧が来なかったとは言わないでしょう。

 奥様も「痛ぇんだ」は毎度のことなので、ストレスが溜まっています。

 デイケアで周りにいろいろな人がいる中、車椅子に座っていることも、リハビリをすることも、心身ともに疲れるようです。

 右を上にした横臥位で、背部、下肢を中心にずっと眠ったままで指圧を終えました。

 『リハビリのリハビリだったなぁ』と思いながら、すっかり暗くなった道を帰ってきました。

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