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2011年12月31日 (土)

毎年大晦日は…。

 毎年大晦日は、大掃除で椅子から落ちたとか、駅で転んだとか、ギックリ腰になったとか、どなたかがやってきます。

 病院がお休みの時は「そこそこのことはあいつができるだろう」と思い出されてしまうことがあるので油断できません。

 昨日もデイケアの施設は営業していたのですね。

 大腿骨骨折の方はデイケアをずる休みして、私を呼んだみたいです。

 指圧中はよく眠っていて、帰りに声をかけたら起きて「もっとやって」だって。

 年末年始は家族が集まるということですが、呼ばれたら邪魔にならないように影を薄くして指圧をします。

 今年、特に10月以降に、タッチをセラピーにしようとする時に自分の体から大量放出されるエネルギーとの折り合いがついたような気がします。

 ずっと見ていた「車でここから抜け出して遠くへ行き、着いた場所も目的地ではないという夢」も見なくなりました。

 大きな力が自分の体から放出される感覚から、大きな力は自分の体を通るだけという感覚に変わりました。

 本当に重力とオトモダチになれたのかもしれません。

 ライブのノリでいいアドリブを引き出すためには理論と型と練習が必要です。

 いろいろな準備が当たり前になり、ライブに余裕が出てきたのでしょう。

 大変なことを大変だと感じなくなるまでには努力がいります。

 努力は裏切らないということなのでしょう。

 今日はさすがに予約はありませんが、準備はできています。体を楽にする職人さんですから。

 私は私の気持ちの良いフレーズの中から、それぞれの御客様に気持ちの良いフレーズを探します。

 良質のエンターテイメントの時間を作りたいと思います。

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2011年12月30日 (金)

『大丈夫やで』 坂本フジヱ著

 日本最高齢現役助産師、坂本フジヱさんの『大丈夫やで』(産業編集センター発行 1400円+税)を読みました。

 明解な文章で、1時間ほどで読むことができました。

 「おなかの中の赤ちゃんは、人類発生からの40億年の進化を40週で行うので、1日に1400万年の進化をとげる。壮大なエネルギーを必要とし、壮絶な成長過程をたどる赤ちゃんの大変さがお母さんにも伝わって、つわりになっているような気がしてならない」

 素晴らしい“からだ読み”です。

 そのニュアンスの伝え方ができれば、つわりに苦しんでいる妊婦さんでも妊娠期間中のモチベーションが高まりそうです。

 「つわりの時に脊柱の両側を指圧すると楽になる人がいる」、指圧師が内臓筋肉反射を利用して治療することを、坂本先生が経験的に理解していらしゃったことも嬉しいことでした。

 「満潮の時に出産が多いので、毎日満潮の時間を調べておく」、海の近い田辺市に助産所があるので、その実感もひとしおでしょう。

 非常にクレバーな方なのに、専門用語でわかる人だけに語るようなことをせず、わかりやすい言葉に噛み砕いて、命の神々しさを伝えてくださっています。

 セラピストに、そして全ての女性に、是非読んでいただきたい一冊です。

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2011年12月29日 (木)

狐が人間に化けて電車に乗った話。

 指圧をしている時に80才の女性から「狐が人間に化けて駅員さんに木の葉の切符を渡して電車に乗って、駅で降りたらまた狐に戻った」という話を聞きました。

 実際に見たのではなく聞いた話のようですが、昔から民話という都市伝説があったわけです。

 作り話として片付けてしまわずに、例えば一日働いて疲労が溜まった夜遅く、おなかが空いて低血糖の時、脳の唯一のエネルギーが不足すると、判断力が著しく低下します。

 レム睡眠の状態でウツラウツラしていたり、お酒を飲んでいたり、薬を飲んでいたりすると、実像をとらえるのではなく、恐怖や不安や期待がミックスされた虚像が網膜に映り込むようです。

 以前400mlの献血をした後、空腹で飲食店の駐車場に車を止めようとした時、介護施設の車の助手席に人が乗っているのを確認して、その車の運転席側に車を止めた後に助手席を見ると、誰もいなかったということがありました。

 昼食時の飲食店の駐車場で、車の助手席に見た寂しそうなおじいさんの背中は、介護施設の車から連想した虚像だったのかなとも思います。この時は献血をしたので貧血気味、食事をしていなかったので低血糖気味になっています。

 科学と、恐怖を煽るような流言飛語なら、どちらを取るかといえば私は科学をとります。

 科学とファンタジーなら、私はファンタジーをとることが多い人間です。

 タッチセラピーやアロマテラピーと向かい合う時、私は科学でもありファンタジーでもあるところにいたいと思います。

 狐が人間に化けて木の葉の切符で電車に乗った話を聞いた時、民俗学者が土地の古老に伝説を聞いている時はこんな感じかなと思いました。

 面白ければそれも良し、ただし不安にかられてがんじがらめになっている人には、“(万が一)金田一…(ウルフルズで…)”になって、都市伝説におびえるように病気を不安に思っているのなら、科学的な検証をするのが21世紀のセラピストです。

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2011年12月28日 (水)

メンタルの病気に具体的で実現可能な改善点を提案する。

 メンタルの病気になると、自分の心の煩悶にばかり囚われて、他人が目にする身だしなみへの注意がおろそかになる傾向があります。

 髪の乱れ、洗髪ができていない、爪が汚れている、唇が荒れている、肌が荒れている、姿勢が悪いなど、具体的に改善できる目標がまず目に付きます。

 メンタルの病気になる原因のほとんどが、人間関係のストレスです。

 食欲がない、眠れない、胃が痛い、吐き気がする、めまいがする、肩がこる、だるい、何もやる気が起きない、仕事に行けない、これらはストレスが心と体にもたらした産物です。

 メンタルの病気の方が来ました。

 何かの縁なのでしょう。

 心療内科をいくつか回ってもそこに答えはなかったようです。

 処方されている薬はごく軽いものでした。

 パニック障害の方や心臓神経症の方の脈とは違いました。

 病院の様々な検査でも異常はなかったようです。

 全身指圧をしました。

 心と体が連れてきた物語を読みました。

 指圧が終わってお話をしました。

 指圧以外に1時間以上かかりました。

 具体的に変えていけることがたくさんありました。

 身だしなみ、姿勢、歩き方、朝食を摂る習慣…。

 早く起きて一日の準備をし、ルーティンワークの一つ一つをお守りにしていくことができれば、まだ起きていないことへの不安を頭でっかちに考え続ける時間を減らしていくことができます。

 “あなた”は苦行をすれば何か変わるのではないかと思っていました。

 今大きくジャンプをしても、また同じ足場に着地をするだけです。

 ぬかるみからはゆっくりでいいから一歩一歩着実に抜け出せばいい。

 誰だって“恥ずかしい私が歩いていく”のです。

 あの人は幸せで輝いていて、自分はこんなに苦しいのではなく、幸せに見えるあの人も“恥ずかしい私のまま”歩き続けたから、あなたには輝いているように見えるのでしょう。

 輝く人は、もがきながら現実的な努力をした時間に磨かれたのです。

 メンタルを強くしていくには時間がかかるし、性格はそう変わるものではありません。

 しかし、私はあなたが具体的にごく日常の身だしなみから変えていくことで、周りの対応も変わってくるだろうと思いました。

 あなたは何かに支配されているのではなく、あなたを動かすのはあなた自身です。

 人間は動物だから動くのが自然、人間はナマモノだから傷みやすい、動いてください、自分を丁寧に扱ってください、ストレッチとエクササイズをしてください、早く起きて準備をすればそれがお守りになります。

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2011年12月27日 (火)

皮膚を捉えたまま重力にまかせて指が弧を描く、とても軽い揉捏。

 微妙なタッチの練習として、仰臥位で目頭に指を乗せてみます。

 両眼窩内側の上のカーブに合わせて、母指なら手背橈側が顔を向き、中指なら手掌が顔を向きます。

 肘屈曲で上肢の力を抜き、手首から先の重さ、前腕から先の重さを感じます。

 そのままでも良し、やがて重力によって自然に肘が外側に開いた時は、目頭にあてた指紋部が皮膚を捉えながらねじれます。

 そういう揉捏、わずかに弧を描くサークリングです。

 それ以前にリラックスした状態で仰臥しておきますが、さらに息を吐き、体全体の力を抜いていきます。

 手や腕を重りにして重力を使う触圧覚の学習(鍛錬)です。体の力は使いません。

 気持ちいいということが条件、指の角度や回転、当てる位置などは工夫してみてください。

 私はこれで自分を眠らせることができます。

 これがわかると御客様を眠らせることができるようになります。

 渦巻き状揉捏や強擦のサークリングは実際には臨床で使いにくいものです(これらは傷があれば不適切です)。

 サークリングほどではないわずかな弧を描くということ、気持ちが良ければそれは美しい弧を描き、絶妙な間を持っています。

 指は目頭を捉えたまま動かなくても良し、動いてまた良し、そういうタッチを作ってください。

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2011年12月26日 (月)

息を吐きながら圧すとは、無駄な力を入れないためだけでなく、肺の反跳を母指に伝えること。

 息を吐きながら圧すのは血管収縮と血圧上昇を防ぐことが目的です。

 息を詰めて瞬間的な強い力を出せばそれは殺法です。

 セラピストの呼吸が御客様の呼吸を作るのですから、穏やかな呼吸を心がけて自分をもリラックスさせながらタッチをします。

 吸気の時は横隔膜が収縮し、肺が伸展して拡がります。

 吸気の時は肋骨の挙上に伴い肩が上がる感じになっています。

 よって息を吐くことによって肩が下がります。

 横隔膜と肺の“吸気時の動きからの戻り”を母指の指紋部に伝えます。

 息を吐く時の横隔膜と肺の反跳に逆らうタイミングで圧せば、せっかくの自然エネルギーを捨てているようなもの、エコではありません。

 重力や呼吸を利用できるようになれば、今までどれだけ無駄な力を入れていたのかがわかり、疲れにくくなり、肩が下がるので肩がこることはありません。

 その逆で息を詰めて圧せば、肩が上がり血管が収縮して血圧が上昇し、イラッとしたタッチになって御客様には不快な刺激となり、終わってみれば自分は肩がこって疲れています。

 あまりにも身近過ぎて見逃しがちな息を吐く時の肺の反跳を母指の指紋部に伝える、このテーマだけでも相当“遊べます”。

 その微妙な感覚を面白がってください。

 力ずくでやればやるほど御客様の筋肉は硬くなります。

 殺法ではなく活法のタッチを探求してください。

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2011年12月25日 (日)

日本最高齢現役助産師坂本フジヱさんの的確さ、自由ということ。

 昨日BS-TBSテレビで見た『ヒポクラテスの誓い』は、87才で現役助産師の坂本フジヱさんの日常を追った番組で、感動しました。

 和歌山県田辺市に坂本さんの助産所はあります。深夜の出産にも立ち会い、御自分で車を運転して往診もしています。

 坂本さんは助産師として立ち会える出産と立ち会えない出産の法律的な線引きを厳格に守っていて、陣痛が来ても妊婦さんに発熱があれば病院へ搬送する、出産予定日から遅れてリミットを過ぎればまた病院で出産してもらうことに決めています。

 出産となれば判断が早く的確であること、そして赤ちゃんの力、人間の能力を信じて慌てずに「待つこと」「まかせること」ができるのが素晴らしいと思いました。

 赤ちゃんやお母さんとの“間の詰め方”も素晴らしく、いつの間にかふっと距離が縮まっている感じです。

 ふところに飛び込もうという感じは微塵もなく、自然に互いが近づいています。

 近づいてもちゃんと適度な距離がある、それは坂本さんが常に命に対して頭を下げて向き合っていることの現われでしょう。

 的確な判断は、知識や経験を沁みこませた『体の自由さ』から生まれているのだと思いました。

 本やパソコンに頼らなければいけない頭や手では不自由です。大変な努力、勉強を積み重ねてきたものだけにある自由さを感じました。

 深夜の出産に立ち会ってもまた朝から仕事をする坂本さん、体はきつくてもそれができるのは、それを天職と感じ、天職と向き合いながら自由を獲得したからなのでしょう。

 理論や経験がライブの実技に滲み出ていて、しかも臨機応変に伸び伸びと自由である、これぞプロフェッショナルです。

 無理をしないこと、自然で自在で口調がおだやかで笑顔があること、それがセラピストです。

 坂本フジヱさんの出産育児のアドバイス集『大丈夫やで』が産業編集サンターから1470円で発売されています。

 凄い人がいます。

 

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2011年12月24日 (土)

今晩9時NHKテレビ『ミラクルセンスを磨け』。

 今晩9時からNHK総合テレビで『ミラクルセンスを磨け 知られざる脳の力』という番組があります。

 2000種類のワインを嗅ぎ分ける嗅覚、サッカー選手の視覚、全盲の方の聴覚など、テレビ欄から興味深い内容がうかがいしれます。

 タッチセラピストの触圧覚のミラクルセンスも、つまりは一般の方よりも微妙な感覚を感じられるかどうかということです。

 ワインのわずかな味の違いを見分けるには、一つ一つの味を記憶し、その記憶を即座に引き出す能力が必要です。

 サッカー選手の視覚も広範囲の視覚情報が得られるだけでなく、そこからいくつかの必要な視覚情報をピックアップするセンスが重要になってきます。

 塩辛過ぎる味を記憶したり、360°全てが見えてしまう視覚は必要ありません。

 タッチセラピストにおいては、微妙な弱い触圧覚のレンジを広く持つことや、臨床経験から即座に過去の症例を引き出して照らし合わせることのできる能力こそがミラクルセンスです。

 強い力を良しとするならそれは殺法です。

 ふわりと触れて、たとえそこが底なし沼であっても、またふわりと戻すことができるか、そういうセンスです。

 圧し込むことよりも、持続や戻す時のセンスが優れていたほうがミラクルなタッチセラピストです。

 いろいろ参考になりそうな番組なので今晩見ます。

 

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2011年12月23日 (金)

にんべん「だし場」のかつおだしを飲んで思った残念なこと。

 年内にやり残したくないことに、コレド室町のにんべん「だし場」でかつおだしをいただくというのがあって原宿の講座の後に行ってきました(3時まで原宿にいたら買い物に来たレディ・ガガを見ることができたかも)。

 にんべんはかつお節の専門店ですから、頭の中では料亭のお吸い物を想像し、もしかしたらミラクルな味覚の感動も…と期待して行ったのですが…。

 100円のかつおだしは、ランチバイキングにあるスープを温めておく銀色・大きめ・楕円形の鍋から紙コップで供されます。

 その立ち上る湯気の香りも、一口飲んでみたかつおだしの味も、紙コップの口触りも、とても残念なものでした。

 味の調整用に、立ち飲みのテーブルには「クリスマス島の塩」と醤油が置いてあって、紙コップについてきたハンバーガー屋さんにあるようなプラスチックの細い(先っちょが穴あきハート型だったかな?)マドラーでかきまぜます。

 塩を少し入れて味見、醤油を少し入れて味見とやってみると、そこそこお店で出されてもそうかなと思う味になりました。

 これではクリスマス島の塩や醤油の販売促進をやっているようなものです。

 ガラス越しのブースでは職人さんがかつお節を削っていて、そこには削りたてのかつお節があるのです。

 何故コーヒーをドリップするように削りたてのかつお節を使って1杯1杯丁寧に供さないのでしょう?

 カウンターでいいから椅子席を設けて、削りたてのかつお節を使って御椀で提供すれば、200円でも300円でも売れると思います。

 おだしの文化の先頭に立って情報を発信し続けてほしい専門店が、かつおだしを温め続けて陳腐な味にして提供するのはどんなものかと大変残念に思いました。

 ブースの中でかつお節を削る職人さんには忸怩たる思いがあるのではないでしょうか?

 厳選した素材を使って丹精を込めて作ったかつお節を最高の状態で味見していただければ、商品の販売促進につながるだけでなく、日本のだし文化を伝えることになります。

 タッチを最高の状態で提供する、アロマで最高の演出をするということも、ちょっとした面倒臭いことをやるのが大切なんです。

 効率を考えたり、数にとらわれたりすると、質を見失います。

 モノが持つ本来の性質のグレード下げて供するのでは残念です。

 森羅万象全てが先生となってくれますから、その教えに気づく感性を磨きましょう。

 豊かな表現力のタッチを磨くためには、他の五感や第六感までの刺激や気づきも栄養になります。

 テレビ番組で食のレポータが誉めたかつおだしですが、私はこれではいけないと思いました。

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2011年12月22日 (木)

スポーツ後や急性期のタッチは痛みを拡げないように、つまり自分の指が痛ければ強い力をかけてはいけない。

 昨日は生活の木原宿表参道校で『スポーツ後のマッサージとアロマ』をテーマに講座を行いました。

 スポーツ後に怪我や使い過ぎの炎症による強い痛みがあれば、RICE処置を行いマッサージはしません。

 マッサージをしない選択肢や患部の刺激を避ける選択肢を常に頭に置いておかないと、適量刺激の調節はできません。

 怪我や発熱を伴うような炎症性の痛みがなくても、スポーツをした翌日のほうが痛みや緊張部位がはっきりしてくるので、スポーツの直後は指圧、マッサージではなくジョギングやストレッチで体のバランスを調整するのが良いと思います。

 汗や空腹など、体が不快な状態では指圧・マッサージの効果も薄れるので、シャワーや食事が優先です。

 スポーツの翌日の筋肉疲労は腰痛の急性期と同じで、弱い刺激のタッチで対応します。

 強く刺激をして痛みを感じさせるようでは傷口が拡がってしまいます。

 指圧の手指の構えの基本は中手指節関節(指の付け根)を屈曲して母指を立て気味に使いますが、痛みがある急性期では母指を寝かせ気味に使います。

 中手指節関節屈曲+指節関節伸展で母指の指紋部を広く使う指圧の構えは、大きく体重を預けた圧刺激を深い部位にまで到達させるためのものです。

 急性期の指圧では炎症が広範囲にあるかもしれないので、浅い部位を探っていくしかありません。

 母指を立てず、弱い刺激に終始することになるのが急性期の指圧です。

 誘導作用を利用して患部の血行促進をすればよいわけですから、強く深い圧刺激はいりません。軽擦のような指圧で十分効果があります。

 定員を超えて受講していただいた生徒さんの中にはマッサージ関連の仕事をしている方が多く、その中の一人から「中手指節関節が痛いがどうしたらいいか?」という質問がありました。

 そのお店では母指の中手指節関節を屈曲して圧すことを指導しているようです。

 それは正しいのですが、関節に痛みがあるなら話は別です。

 痛みを緩和するセラピーをするセラピストが、自分の体の痛みを悪化させるようなことを続けてはいけません。

 痛ければ安静にすることです。右母指が痛ければ左母指だけを使って施術すればいいのです。

 使わないというわけにもいかなければ、中手指節関節伸展で母指を寝かせて指紋部を広く使います。

 母指を寝かせても指紋部の皮膚への密着がしっかりしていれば垂直圧を作ることができ、持続を長くすれば圧刺激は強くなります。

 自分の体の痛みを積極的に治そうとしないのなら、御客様の体の不調を治す取り組みの前提ができていません。

 痛みを緩和する努力をするのがセラピストです。

 自分の痛みを我慢したり悪化させてはいけません。

 タッチをする時は、自分が気持ちいいように、力を入れずに肩を下げることを意識し、息を吐きながら行います。

 リラックスしてタッチができれば、自分の肩こりが治るはずです。

 中手指節関節を痛めたのは力の入れ過ぎが原因だと思います。

 もっとふわりと手指を構えます。

 「息=生き」です。

 息を吐きながら自分のストレッチになるようにタッチをしてください。

 それができるようになると、体から指に伝わってくる情報をもっとたくさんキャッチできるようになります。

 疲れた人々を世の中から減らしてください。

 そして自分も疲れないように、力に頼らず、重力とオトモダチになってください。

 

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2011年12月21日 (水)

トイレの立ち上がりを助ける斜め昇降リフト機能付き便座。

 大腿骨骨折の方のお宅での指圧が続いています。

 大腿骨を骨折して大変なのはズボンをはく時で、トイレまで車椅子で連れていけば自分でズボンを降ろすことはできますが、用を足した後に大腿が伸ばせないためにお尻を浮かせてズボンをはくことができません。

 元気な高齢者でもズボンをはこうとして転倒、骨折することはよくあるようですから、大腿骨骨折でズボンをはくのは至難の業です。

 介護ベッドが置いてある部屋にも椅子の形にカモフラージュされた介護用の簡易トイレがありますが、それもオムツも嫌でトイレで用を足したいので、深夜でも毎回お手伝いをする奥様は大変です。

 インターネットで、立ち上がりを補助する『斜め昇降リフト機能付き便座』を見つけて、資料をプリントアウトしてお渡ししてきました。

 購入には介護保険が使えるようです。

 介護用品についての情報をもっとケアマネジャーからサービスを受ける家庭に伝えていただけるといいのですが…。

 サービスを受け始めた時の状態では使えなかった介護用品でも、病状が回復してくればその介護用品を使って介護が楽になることもあります。

 リフト機能付き便座には手すりに昇降スイッチがついているタイプがあって、手すりにつかまったまま操作をして便座に座ったまま中腰の姿勢になれるので、斜めにお尻が持ち上がって大腿にかかる体重が減って、ズボンがはきやすくなるのではないかと思います。

 介護施設の人から「何かあると危ないから歩かせるな」と奥様は言われたそうで、ヘルパーさんは髭をそったり、爪を切ったり、体を拭いたりして帰っていきます。

 どれもしてもらって特別助かることでもありません。そんなことは奥様でもできるし、本人もそこそこできます。

 大変なのは夜中のトイレや痛い時のマッサージです(こういう事例を目の当たりにするとタッチセラピーの有効性と有用性を確信します)。そこをヘルプしてほしいものです。

 斜め昇降リフト機能つきの便座を介護保険を使って購入するにはケアマネージャーに相談することになると思いますが、何て言われるでしょう?

 そんなものを使うよりはオムツにしなさいと言われてしまうか…。

 歩きたい、トイレに行きたいという意思は尊重したいと思います。

 昨日も奥様は歩かせるなと言われたにもかかわらず旦那様の腰を持って歩行器を使わせて廊下を2往復し、立ち上がりの運動も10回やらせたとか。

 適切な補助具を使って、本人の力でトイレが済ませられるようになれば、奥様の夜中の介護がとても楽になります。

 指圧中はよく眠りました。

 夜も痛みやトイレで起きずに眠れるとよいのですが。

 

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2011年12月20日 (火)

起こりそうなことを話しておく。

 先週の水曜日の指圧中に“あの国の指導者も…”という話をしていたら、昨日の昼のニュースです。

 “ミサイルを発射するのではないか”と思っていたら、予定通りの訓練だったらしいのですが、もう午前中に2発発射していたとか…。

 起こりそうなことは起きることがあるので、閃いたら話題にしておいて損はありません。

 腰痛や五十肩の予後(治癒までの見通し)などをお話しすることが多いので、セラピストを続けることでデータ分析を基にした先を読む力が磨かれてきたような感じがあります。

 例えば腰痛の方の生活上の注意として、座位姿勢を続ければ腰痛が悪化することは目に見えています。

 藁にもすがる思いで訪ねて来た方の症状が嘘のように治ると、セラピストの言葉を予言やお告げのように感じてしまうこともあるので、セラピストは独裁者になる必要はありませんから、肖像画やお守りグッズの販売などはするべきではないときつく自分を戒めています(まぁ、欲しがる人はいないでしょうが…)。

 生活の質に貢献できるようなアドバイスができればそれがお守りです。

 最近とても調子が良く、睡眠時間が少なくても疲れないので、何が良かったのか分析してみました。

 生活の木のコーディアル「有機ディードックス」を飲んでいることで、とても体の調子が良いのかもしれません。

 「有機ディードックス」はタンポポ、ゴボウ、ネトル、マテ、ジンジャー、フェンネル、ジュニパーその他数種のハーブの入った濃縮りんご果汁ベースのシロップです。

 「ダンデライオン(タンポポ)とバードック(ゴボウ)をデトックスにかけてディードックスというシャレか!(ここはさまぁーず三村さんの声で)」ということで、デトックスの働きをし、貧血や冷えに効果があるハーブが入っています。

 いろいろな効能のあるハーブを入れているので一つの効果に秀でることを目指したブレンドではなさそうで、お湯で割って飲んでも「あぁー温まった」とか、即トイレに行きたくなるという感じではありませんが、何となくまた飲みたくなります。

 表現するのが難しい味で、りんごの味とまったりしたカラメル風の甘さと、ほのかなアニス?の香りとその美味過ぎなさが次第にやみつきとなり、なかなか良いではないかと思わせます。

 「有機ディードックス」で起こりそうなこと。

 ディードックスの箱や瓶のラベルのデザインを見て、あなたは寂しくなります(そろそろもう少し明るいデザインに変えたほうがよいのでは?)。

 ディードックスを注ぐとネットリと重たいシロップが液ダレします。瓶と、冷蔵庫の瓶を立てておくところの下がネトネトになります(注ぎ口を工夫してもよいのでは?)。

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2011年12月19日 (月)

震災を経験して無駄な力が抜けた人たち。

 東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって人生が変わった人、人生観に何らかの変化があった人がほとんどではないかと思います。

 昨日はテレビで『日本昔話』の製作と演出をされていた画家の又野龍也先生のお宅に行ってきました。

 年末の御自宅での個展で、先生の画いた来年の干支の扇子を購入するのが毎年恒例の年越しの準備です。

 『日本昔話』の龍に乗った子供のイメージ(現在CMで樹木希林さんがやっていますが…)があって、先生の御名前にも龍があるので、辰年の龍の扇子にはパワーがありそうです。

 案内のはがきに画かれていたのが、メルヘンチックで色鮮やかな「少女が犬の散歩をしている絵」だったので、作風が大きく変わったのではないかと思い、これは是非確かめたいと思いました。

 私の知る範囲の先生の作品は、水墨画風であったり、野仏や観音様や自然がテーマでした。

 御自宅のギャラリーに入ると、壁に並んだ作品の鮮やかな色彩が目に飛び込んできました。

 旅僧姿の山頭火とその詩の世界を淡彩で表現した画のイメージが強かったのですが、まるで冬から春に季節が変わったように、壁に飾られたカラフルな色彩の少女をモチーフにした作品の数々は、愛おしい命の普通の幸せを謳っているように感じました。

 先生とお話しをさせていただいて、やはり震災の影響が大きかったことがわかりました。

 この色鮮やかな作風こそが先生の原点なのだそうです。

 プロフェッショナルとしてのクォリティーであるとか、時代や大衆の要望であるとか、制約にとらわれずに今描きたいものを表現する、そういうことなのだろうと思いました。

 私も今年は震災を経験して「もう一つ力を抜く」ことができるようになったと感じています。

 無駄な力をいれない、かまえすぎない、やる前に過剰に不安要素にとらわれて嫌だ嫌だと思っても何も解決はしません。

 恥ずかしい私であるかもしれないけれども、不得意なことをやらなければならないこともあります。

 腱鞘炎で指圧にいらしゃった女性も、その後「力が抜けるようになった」そうで、プロも参加するピアノのコンテストで優勝したそうです。

 震災後に「より楽しめるようになった」、「肩の力を抜くことができるようになった」というお仲間がどうやらたくさんいるようです。

 個性に逆らわず、おだやかに刹那を重ねていくことができれば、それを大いなるものが祝福してくれることでしょう。

 大いなるものとは神をも宿す自分の命そのものなのでしょう。 

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2011年12月18日 (日)

可愛い孫の世話では肩こりになりにくく、アルツハイマーの方の介護は肩がこる。

 しばらく指圧に来ることのなかった70代の女性、8ヶ月になる孫の世話が忙しく、最近は肩こりを感じなかったそうです。

 それでも昨夜は眠れなかったので、年末でもあるしメンテナンスにいらっしゃいました。

 確かに肩上部僧帽筋や胸鎖乳突筋はいつもよりもかなり緩んでいます。

 娘さんが妊娠高血圧の重篤症状で救急搬送され、母子ともに命の危険な状態から緊急手術で産まれた超未熟児の赤ちゃんは、3月の地震の時には新生児集中治療室の哺育器の中でした。

 家族の愛に包まれて成長を続ける赤ちゃんですが、おばあさんにはリハビリトレーナーの役割を果たしているようです。

 赤ちゃんの成長による体重の増加が抱きかかえる筋肉への負荷を徐々に大きくしていったことで、腕や体全体の筋力アップの調度良いエクササイズとなって肩がこりにくくなったようです。

 一方、息子さん夫婦は、お嫁さんのお母さんがアルツハイマーになって、お嫁さんの実家でお母さんと同居を始めたばかりなのに疲れきっている様子なのだそうです。

 昨夜眠れなかったのは、その心配が原因なのでしょう。

 アルツハイマーのお母さんにとっては実の娘でも同居したい子供は別の人だったようで、被害妄想もあって、御世話をしようとしても辛い仕打ちが返ってくるような困った状態なのだそうです。

 まだ始めたばかりの同居ですが早くも解消したいという相談の電話が来たそうですから、息子さん夫婦のストレスと肩こりは相当なものでしょう。

 孫を可愛いと思って世話をすると肩こりが消え、アルツハイマーの方に振り回されながら御世話をして、それがストレスとなり心身の許容レベルを超えてしまうと、肩こりだけですまずに気が病んで病気になります。

 可愛いか可愛くないか、可愛いと思えるかそうでないか、それで疲労とストレスの蓄積はずいぶんと違ってきます。

 高齢者の介護では、振り回されてヘトヘトになっても、それでもどこかに愛が残っていれば続けていけます。

 アルツハイマーの方の介護では、見たくないものを見ることも、聞きたくない言葉を聞くこともあります。

 気分転換の天才を目指し、自分を低くおとしめることのないようにできればいいのですが…。

 一人に指圧をしても抱えている天国と地獄をみることがあります。

 人は人との関りの中で、嬉しい楽しい大好きなことばかりを味わえないものですね。

 「あの苦しかった毎日が人生のスパイスになった」、そう言える日が訪れますように…。

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2011年12月17日 (土)

体には急性期の部位、慢性期の部位、健康な部位が混在していると考えてタッチを加減する。

 体のどこにも傷がない、炎症がない、痛みがない、病気がない、1、2、3のマニュアル通りの施術が許されるのはそんな御客様の場合です。

 そして普通、そんな御客様は来ませんし、そんな人はいません。

 指圧、マッサージを受けようと思う動機は、こりやむくみ、冷えや痛みなどの不快な症状があるからということが多く、しかも全ての部位が一つの症状ではありません。

 様々な症状に加えて健康な部位もあるので、適量刺激のタッチをするには一点ごとに力加減を調節します。

 例えば肩上部僧帽筋のこりも、中央の『肩井』にこりがある場合、頚に近い場合、肩関節に近い場合、まんべんなくこっている場合、少し前のライン、少し後ろのラインなど、体の使い方でも違いがでます。

 こりには弱い刺激で、強い痛みや炎症の存在を触知したらそこは触れずにはずして誘導作用による血行促進を考えます。

 筋肉を使わなくてむくんでいれば、運動させるために少しテンポの速い強めの刺激が気持ち良いはずです。

 むくんでだるい部位に癒し系のまったりとしたタッチをしてしまえば、御客様の体をさらにだるくしてしまうことになります。

 冷えに強い刺激も逆効果で、血管を拡張させるためには温かく包み込む春の日差しのような手掌と、おだやかでゆったりとしたリズムのタッチを作っておいてください。

 動脈硬化の冷えに強い刺激をすれば、血管をさらに収縮させて…、結果がよろしくないことはわかりますね。

 灯り一つない暗闇の沼地を、爪先と足底で着地のできる足場を探しながら進んで行く、それを手指に置き換えて丁寧なタッチをしましょう。

 その面白さ、ゲーム感覚とともに、幸せな時間が経過していきます。

 セラピストが楽しむことができれば、御客様も仕事を楽しんで味わっている人と一緒に過す時間はそうでない人に触れられるよりもずっと気持ちがおだやかでいられます。

 今日もどんな体の迷宮が待っているのか、とても楽しみです。

 

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2011年12月16日 (金)

下り坂で小学校低学年くらいの女の子が乗った車椅子を走りながら押すおじいさん。

 朝の8時少し前に、かなり長くそこそこ傾斜のきつい下り坂で、小学校低学年くらいの女の子を乗せた車椅子を走って押していくおじいさんがいます。

 舗装された道路ですがそこそこデコボコもあり、車椅子の前の車輪はクルクル回って、たぶん後輪だけで飛ばしているのでしょう。

 擦れ違った時、女の子が喜んでいるようでもなく、いったい何のつもりで下り坂を走っているのでしょう、車椅子が転倒しないかとハラハラします。

 養護学校のバスの送迎場所まで行くのだろうと思いますが、70才くらいに見えるおじいさんが、車椅子を走って押す意味がわかりません。

 自分の運動のためだけなら、乗っているたぶんお孫さんだろう女の子には冷たい朝の風がきつく当たって迷惑でしょうし、毎朝バスの時間に遅刻しそうで急いでいるのなら何とも残念な方です。

 昨日はいつもの骨折の方のお宅に指圧に行き、自転車で転倒した奥様の膝も診ました。

 まだ走り出した時で、危ないと思って自ら受身のようにゆっくりと倒れたそうで、左膝下に擦過傷ができたくらいですんだようです。

 一昨日の夕方は旦那様が2泊3日のショートステイから帰ってきて、夜中にはマッサージをせがまれて寝不足だったとか。

 ケアマネージャーの訪問があり、来月の予定を相談した後、近所の人からの電話で「菜っ葉をあげるので取りに来ないか」と言われ、自転車で出かけようとした時の転倒だそうです。

 その後、歩いて菜っ葉をもらってきたそうで、こういう用心がこの奥様を生かしてきたのだろうと思いました。

 年末は気ぜわしさを煽るように、クリスマスや年賀状やお歳暮やおせちの情報がマスコミにも街にも溢れます。

 一つ一つの動作を丁寧に行い、ストレッチをするつもりで面倒臭いことでも力まずに行えば疲労も軽減できます。

 面倒臭いことでも動作を気持ち良く行う、経過を楽しむことができれば人生を楽しむことができます。

 昨日は初めて骨折をしている旦那様の方から、「今日はこれくらいで、ありがとうございました」と言われました。

 頭もはっきりしていて調子が良さそうです。

 玄関を入った時は奥様に「おまえは何でも俺のせいにする」と、自転車で転んだことや寝不足のことで喧嘩をしていましたが、そのおかげか興奮してテンションが高く、語彙も奥様への皮肉もなかなかのものでした。

 日本の介護問題の改善点は、介護する家族の負担軽減の点でも、要介護者へのサービスの点でも数々目につきます。

 走る車椅子おじいさんも、介護、養護の問題点が生み出した“救いの手が必要な現実”の一つなのかもしれません。

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2011年12月15日 (木)

浅田真央さんのコメントに宿る命とタッチのとても大事なこと。

 先日御母様が亡くなった後に浅田真央さんが発表したコメントは、悲しみと真剣に取り組んだ心の葛藤と昇華を感じる、とても優れた名文でした。

 「最期の痛み」を見守り続ける家族は、やがて、痛みから解放されることの幸せも選択肢として受け入れることができるようになっていきます。

 心の準備期間があって、その間いつ終わりの時が来るかわからない不安な毎日があって、それが覚悟となり、死という現実となります。

 「お母さんがより身近にいるような気がする」、母を失くした子の心がそこにたどりつけば救われる、とても立派な答えを浅田真央さんは出しました。

 自分の体の中に両親の情報はDNAとして溢れています。

 自分のルーツを探りたくなる、先祖のことを知りたい、若いうちはそういうことをほとんど考えない人が多いと思いますが、年齢を重ね、肉親の死を経験して、連綿と続く命の継承のおかげで自分が存在していることに心の底から気づきます。

 浅田真央さんの御母様は娘の体調管理にマッサージをされていたそうです。

 その触圧覚は残ります。

 タッチがセラピーになる時、愛されている感覚が脳に伝わっています。

 1,2,3のタイミングで行う施術にはないとても大事なタッチの極意は、愛のあるキャッチボールで最適な刺激を調整する細やかな配慮です。

 痛がっていれば痛みを止めたいと思うこと、痛がらせてしまったら刺激を弱めること、呼吸や脈拍を妨げないこと、気持ちが良いと感じているなと思ったらそれをもう一度繰り返す気づきがあること、やり過ぎないこと、眠ったら眠らせておくこと。

 母が子にするマッサージ、病の母に子がするマッサージ、どちらもかけがえのない命に対する愛情に溢れています。

 そしてそれはいつ終わるかわからない命に対してゆっくりとお別れをする儀式です。

 健康な人でも不慮の事故や天災に遭うことがあります。体に触れている時間が多かった人となかった人とでは、その後の心の昇華に違いが出ます。

 タッチは命を尊ぶ行為です。

 より御母様を身近なものにした浅田真央さんの次の試合が楽しみです。

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2011年12月14日 (水)

夜の異常な訪問者、そして深夜のサイレンというストレス。

 「夜になってロレツの回らない男性が病気のお母さんのために署名をしてほしいと言ってやってきた」、これは昨日指圧をした高齢の女性からうかがったお話です。

 趣旨のよくわからない署名はできないと言って断ったそうですが、その後深夜になって近所でその男性が騒ぎを起したようで、パトカーが出動する事態となったようです。

 そのロレツの回らない男性は近所に住んでいる人で、精神の病気を抱えていて、ここ10日ほどおかしな行動が増えたのだとその家族が話していたそうです。

 サイレンの音を聞くと、心には不安が沸き起こります。深夜や早朝のサイレンで目覚めれば、眠りの質や疲労回復にも影響します。

 この女性の主訴は肩こりと坐骨神経痛で、その夜のストレスが背部の緊張や下肢のしびれを強くしていました。

 この指圧で重要なのは、ストレス緩和のために胸に溜まっている不安を話していただくことです。

 ロレツの回らない男性は行動が外へ向き始めていました。

 通学路の近くでもあり、暴力的な傾向もあるようなので、状況がわかるまでは不安が強かったことでしょう。

 適切な治療を受けていたのか、今の病状に対して薬の処方が適切であったのか、服薬を適切にしていたのか、あるいは非合法な麻薬などを使っていたのか、はっきりとしたことはわかりません。

 強制的な措置入院でもいいような状態ではないかと思います。少し前から異常な行動が続いていたようなので、大事件にならなかったことは幸いでした。

 指圧の御客様のお話をうかがっていると、振り込め詐欺、押し買い(貴金属などを家に上がり込んで威圧的な態度で不当に安く買い叩く)、催眠商法、マルチ商法など、世の中に流行る悪事に巻き込まれた方がたくさんいらっしゃいます。

 普通なら話さずに隠しておきたいようなことを「センセイだから話すけど…」と指圧を受けることで話したくなるのも気持ちの良いデトックスです。

 いつ、何が降りかかってくるかわからない油断のできない毎日です。

 今まで知らなくても、「近所に自分を抑えられない精神的な病気を抱えた人がいて、それを家族も抑えられなくなった…」、そういうことがあるのです。

 家族はその男性を入院させることにしたそうです。

 そしてその男性のことや今後のことなどを推測しながらお話するうちに、この女性の不安は軽くなったようで、肩こりや坐骨神経痛による下肢のしびれが緩和されました。

 高齢者が不安になって外にウォーキングに出ることもできなければ、座位を続けて背中が曲がり、様々な症状が悪化します。

 安心してウォーキングができる世の中でなければいけません。

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2011年12月13日 (火)

足がつりやすい、足底屈の重さ→下腿後側の血行不良。

 糖尿病の方への全身指圧とゼラニウムを使った下腿のアロマオイルマッサージも続いています。

 ゼラニウムは便利な精油で肌質を選ばず、肌の引き締め効果があるのに皮膚を柔らかくしたり、血液を固まりにくくするのに止血作用もあったり、鎮痛、利尿、殺虫、消臭、消毒、傷を治す作用があるなど、使い勝手の良い不思議な精油です。

 そして血糖値を下げる効果が期待できます。

 フローラル系の香りですが、リラックスさせ過ぎず、テンションを上げ過ぎないので、タッチの加減で交感神経優位にも副交感神経優位にも操作しやすい精油です。

 糖尿病でインシュリン自己注射や服薬の後に血糖値が下がり過ぎると、低血糖により意識消失が起こることがあります。

 私が毎週指圧をしている方は意識を失って6回救急車で運ばれたことがあるということで、現在血糖値はやや高めに維持しています。

 そのためにやや多目の血糖が筋肉や関節の運動の障害となっています。

 特に筋肉を使い過ぎると筋肉の中には詰まりが生じやすく、それを排出しようとアロマオイルを使って軽擦をしても強い痛みを伴うことになります。

 指圧とアロマオイルマッサージを続けることによって脈のとれなかった右鼡径動脈の拍動はしっかりと手応えがあるようになり、細かったふくらはぎも二周りくらい太くなりました。

 ふくらはぎの筋肉が太くなったことによって使い過ぎると下腿後側の詰まり感が強まります。

 末梢神経障害があり足趾を壊疽で手術していますが今はゴルフができますから、それだけでも指圧とアロマオイルマッサージの効果があったのだと思います。

 ゴルフの後に足の底屈が重く、車の運転でペダルを踏みにくい、夜に足がつるなどが現在の主な訴えです。

 最近は年齢のせいもあって、背中が丸くなってきて、アキレス腱が硬くなってきたようです。

 排出しても排出しても詰まってくるモノとの戦いが続いています。

 加齢によって骨が弱くなり、コラーゲンなどが減り、何もしなければ関節の柔軟性は乏しくなっていきます。

 毎回手指が伝える情報は油断できないレベルの体の変化を警告し、命とともに歩むトレーナーの仕事をしているのだなぁと感じます。

 どんなにやってもまた新たに詰まる、その繰り返しです。

 崩れたらまた積み上げ、破れたら縫い、汚れたら拭く。

 それが大変であることなど考えず、体の情報が伝わる瞬間のドキドキを味わっているうちに、時間はとても速く過ぎていきます。

 調度いい時間、調度よい分量の老廃物を排出するお手伝いをする、できる限り頭を使って。

 昨日も時間が速く過ぎていきました。

 

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2011年12月12日 (月)

しっかりと圧しているのに触れていることに気づかれないタッチ。

 昨日も夕方になって大腿骨骨折の方のお宅で指圧をしてきました。

 今日から2泊3日のショートステイの予定で、「センセイを呼んでやるから明日はショートステイに行け」という奥様の交換条件だったようです。

 介護制度は介護経験のある元厚生労働大臣の枡添要一さんもその制定に関っていて、『介護する家族を休ませ、用を足す時間を作る』ことが目的の一つです。

 まだ介護制度がなかった頃に、九州まで飛行機を使って毎週お母様の介護をしていた枡添さんは、介護の大変さがわかっています。

 政党の枠を超えて、また是非要職についていただきたい政治家です。

 さて、私の指圧にはまってくれたので毎日呼ばれるのですが、昨日は面白いことがありました。

 痛いから呼ばれる、指圧をすると寝てしまう、これは骨折でお宅に呼ばれてるようになってからずっとそうでした。

 普通に圧せば痛い、少し乱暴に体を扱って股関節が動けば骨折部位が痛い、これも続いています。

 指圧をしてぐっすりと眠ってから目覚めた時、まだ指圧は続いていて、終盤はかなりしっかりと圧をかけ、関節運動もしていました。

 「そろそろ終わる頃だから」と入ってきた奥様の声で起きた旦那様が奥様の顔を見て「センセイを呼んでくれ」…。

 「今してもらってるじゃないか…」と奥様が言うと、照れなのか大きな笑い声が。

 センセイは名人だから、と奥様に言われましたが、それは御自分が圧してもさすっても痛がられるから、実感としてこの体を扱う難しさがわかっていらっしゃるからでしょう。

 “しっかりと圧しているのに、触れているのに気づかれないような一体化”がそこにあったのだと思います。

 鎮痛薬にはないタッチの根底に潜む力を感じた1コマでした。

 今日はショートステイに行ってくれるか、行きたくなくて行かずにやっぱり呼ばれるか、どっちになるでしょう…。

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2011年12月11日 (日)

マイコプラズマ感染症、激しい咳で肺経と胃経に強い緊張がみられた症例。

 マイコプラズマ感染症で発熱と激しい咳が続いた女性の症例です。

 服薬後、“今までに経験したことのない強い症状”は治まりましたが、咳と“冷えのぼせ”のような頭部顔面の熱感は続いています。

 伏臥位の指圧で左半身を緩めた後に右に移ると、後頭部の体温が上昇していました。

 左肩甲間部の指圧で何度か咳が出たので、まだ呼吸器には炎症があって、指圧による血行促進で、その熱を溜めた血液が頭部にも流れたのでしょう。

 左半身よりも右半身に強い緊張がみられました。

 仰臥位の指圧では、右大腿前側の『胃経』に沿って強い緊張がみられました。

 また左右の鎖骨周囲外側から上腕内側の『肺経』に強い緊張がみられました。

 リンパ節のある鼡径部と腋窩にも詰まり感がありました。感染症の免疫反応でリンパ節は硬くなります。

 鼡径部と腋窩、この四肢の付け根の硬さと、肺経と胃経の緊張を結びつけるものに激しい咳があります。

 激しい咳は強い筋肉運動になります。

 仰臥位で寝ている患者が激しく咳き込む時、体幹が瞬間的に起き上がり、肩関節は瞬間的に強く内転し、この時普通は肘が軽度屈曲しています。

 激しく咳き込む時には大胸筋と三角筋の隙間が狭くなり、軽く曲げている肘にも瞬間的な強い力が入るので、肺経に沿った上碗二頭筋が緊張がします。

 また、仰臥位の激しい咳は、膝を伸ばして腹筋をするような筋肉の使い方をします。

 当然、腹直筋が硬くなり、膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋が緊張し、下肢前側に走る瞬間的な緊張で下腿前側の前脛骨筋も硬くなります。

 この御客様は右利きなので、激しい咳が出る時に右半身の筋肉を強く使っていたようです。

 右の肺経のツボ鎖骨下の『中府』から、右上腕二頭筋溝上『侠白』(腋窩横紋前端から4寸)までと、右季肋部中央(肝臓に触れる部位)、そして大腿直筋の起始である右下前腸骨棘から膝蓋骨手前までは、治療ポイントとしての確かな手応えがありました。

 全身指圧後、肺経と胃経の緊張がとれ、咳も止まっていました。

 顔が真っ赤にのぼせてしまいましたが、これはまだ気道に炎症があって、その熱が指圧による血行促進で頭部顔面から発散しているのだろうと思いました。

 指圧後しばらくすると、血行が改善され、のぼせは落ち着いてくるはずです。

 食事が摂れていなかったようですが、おなかの動きもあったので、おそらく翌日には食事が摂れるのではないかと思います。

 3週間前に指圧した娘さんがマイコプラズマ肺炎の治ったところで、その娘さんと一緒に指圧をした時に、「お母さんのほうがかなり状態が悪いようです」と申し上げていました。

 激しい症状が出るまでにしばらく時間がかかったので、医師からは「娘さんから感染したかどうかはわからない」と言われたそうです。

 今回指圧をした体調のほうが、前回よりも良いように感じました。

 これはセラピストの感覚なので根拠はありませんが、私が感染しそうな嫌な感じは全くありませんでした。

 マイコプラズマ感染症が増えています。手洗い、うがい、そして疲れを溜めないようにしましょう。疲れたら気持ちの良い指圧を受けてください。

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2011年12月10日 (土)

13才から下半身麻痺のオランダ人女性、事故をきっかけにリハビリで回復。

 今朝はテレビでも新聞でも、『13才から下半身麻痺になったオランダのモニク・ファンデルホルストさん(27才)が、車椅子競技の練習中に自転車と衝突する事故に遭い、その後のリハビリで麻痺を克服し、オランダのプロ自転車チームと健常者として契約し、オリンピックを目指すことになった』というニュースを取り上げています。

 “医師にも説明のできない奇跡的な回復”だとされていますが、モニクさんがパラリンピックの車椅子競技で2つの銀メダルを取ったアスリートであったことも、自転車との衝突が何らかのショック療法となった可能性も、そしておそらく本格的なリハビリに初めて取り組んだことも、下半身麻痺の克服に関係があったのだろうと思います。

 下半身麻痺になってから車椅子競技をするスポーツウーマンとして鍛えた筋肉があるので、麻痺を患った10代の頃よりも体の多くの部分で神経の伝達が活性化しているはずです。

 自転車との衝突は車椅子競技の練習中に起こった事故ですから、リハビリを始めた当初はおそらく車椅子競技への復帰を考えていたことでしょう。

 ところが本格的なリハビリを続けたところ、神経のつながりにくかった部位に神経線維が再生したり、迂回路ができて、下半身の麻痺が改善されたのだろうと思います。

 自転車との衝突でできた傷が回復する過程で血管や神経線維も再生されます。

 その新たな神経の再生が途切れた神経との迂回路になったのではないでしょうか。

 奇跡的という言葉で回復の過程をブラックボックスに閉じ込めてしまうのでは物足りません。

 最近ではちょっとした傷の治療は流水で洗うだけで、消毒液を使いません。

 体の免疫力による修復にまかせています。

 免疫の研究が進んで傷の処置が変わったように、今まであきらめていた麻痺もリハビリによって治すことができる病気として認識が変わっていくかもしれません。

 体の傷を治そうとする力は、神経の再生をも促します。

 だからといって、事故と同じような過激なショック療法がよいというようなことではないと思います。

 リハビリには本人の意欲と周りの医療従事者の的確なサポートが必要です。

 今日はこのニュースを大腿骨骨折の方にも教えてあげましょう。

 

 

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2011年12月 9日 (金)

横臥位の自己指圧で上から『完骨』を圧す時、前腕を回内し四指を後頭部に当てる。

 横臥位の自己指圧で下になる側の母指で乳様突起際の『完骨』を圧す時には、肘を曲げて、母指指紋部あるいは母指先端を当て、前腕をやや回内させて四指は頭頂部の後部からやや側頭部よりに当てます。

 自分の頭の重さで圧がかかるので、指力は入れません。

 これで弱い圧ができない人、痛いと感じる人は、座位で四指を今度は後頭部に当て、肩関節の外旋で圧してみます。

 肘を後ろに引くことが肩関節の外旋になります。

 これに肩関節の外転を加え、肘を上にあげると圧刺激は強くなります。

 横臥位で上になる側の母指で『完骨』を圧す時は、前腕の回内をもう少し大きくして、四指は後頭部に当てます。

 四指で後頭部の頭皮をとららえたまま“ずらさず”に四指を母指の方向に引き、手関節を背屈させることで母指だけに圧がかかるように操作し、肩関節を外旋させることで圧刺激を作ります。

 これに肩関節の外転を加えると、上から圧される感覚が強くなります。

 母指で圧し込むのではありません。

 この圧し方だと肩関節の動きで圧刺激の強弱をつけることができるので、痛みがある時にはマイルドな刺激が作れます。

 指力を使わなくても固定された上肢の重さが圧刺激となります。

 この感覚を身につけてください。

 おそらく世の中の半分以上の手技療法者が、このことを理解しないまま施術を続けているのではないかと思います。

 毎日の自己指圧で、もう一つ上の感性を磨いてください。

 良かれと思ってやっていることが痛みを抱えた方を苦しめているとしたら…、心あるセラピストならもっと高いレベルのタッチを獲得することができます。

 

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2011年12月 8日 (木)

『路線バスの旅』の蛭子さんから学ぶこと。

 昨日は鬱病の方とお話しをしていました。

 ずいぶん長い時間、普通のごく何気ない世間話をしていました。

 前回よりもかなり調子が良いようでした。

 彼女はよく笑いました。

 自然な会話の中で、感性の心地良い刺激があれば、それがクスリです。

 数種のハーブエキス入りのコーディアル(濃縮シロップ)『ディードックス』、シトラス系のロールオンアロマ、乾燥肌にシアバターのボディクリームとマンゴー&ハニーの石鹸など(生活の木の商品)を使ってみてはどうかと提案させていただきました。

 アロマテラピーのアイテムはエッセンシャルオイルだけではありません。

 暮らしの中に様々なアロマを取り込めば、それはお守りになります。

 例えばシトラス系のロールオンアロマを手首に塗ってから出かければ、人ごみや騒音の中でもその香りによって気持ちを爽やかに盛り上げることができ、ひどい落ち込みは回避することができます。

 体の不調があれば、誰でも気持ちが沈みます。

 私はカウンセリングをしようとはせず、頑張れとも言いません。

 会話の中で、心のツボ、笑いのツボ、そしてその方の感性に気持ちの良いツボを探るようにしています。

 健康な人でも気持ちがずっとウキウキと持続するようになことはありません。

 気持ちには浮き沈みがあって、コンチクショーと思うことも、やる気が起きないこともあります。

 鬱病から回復するには時間がかかります。いっそ鬱病を抱えたまま、気持ちの良い時間を増やしていくくらいの心構えでいいのではないかと思います。

 そこで思い出したのが『路線バスの旅』の蛭子さんです。

 太川陽介さんと蛭子能収さんに女性タレントを加えた路線バスの旅のシリーズは、先週の放送で10回目でした。

 普通は目的地に早く着く交通手段を選ぶところをわざわざ路線バスを使い、蛭子さんは見事に旅のハンデとして活躍します。

 蛭子さんがパチンコをしていたためにバスに乗り遅れた回もありました。

 蛭子さんは一本のバナナを他の人に分けることができません。

 蛭子さんは土地の名物料理よりも揚げ物を好み、炭水化物の料理を2つ注文したりします。

 私は番組が始まった頃は旅のハンデ、道化の役割として蛭子さんを見ていましたが、今では蛭子さんはセラピーになっているのだと感じています。

 バスでよく寝る蛭子さん、黙って食べてしまえばいいのに分けることができないと言ってからバナナを食べる蛭子さん、その自分の気持ちに嘘をつかない雰囲気の中に、鬱病から回復するヒントもあると思います。

 初めは困った人だと上から目線で見ていましたが、近頃は蛭子さんがボロをまとった神様(失礼!)やセラピストの一つの姿のように思えてきました。

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2011年12月 7日 (水)

妊娠3ヶ月、右肩甲骨外側の痛み。

 体が弱く細かった女の子が妊娠3ヶ月だということに時の流れを感じ、感慨もひとしおですが、電話では右の肩甲骨の外側が痛いとのことでした。

 電話をかけてきたのは妊娠した娘の体が心配なお母さんで、「骨折でもしているのではないか」という痛さなのだそうです。

 娘さんが来るとそれほどでもない様子、顔には吹き出物がたくさんできていますが、手や腕の肌は綺麗です。

 痩せているからか、おなかはもう張ってきています。つわりが全くないというのは幸せなことです。

 座位では猫背で腰椎が後弯し、右肩が左肩よりも前に位置しています。

 エステの仕事をしているということで、右手は使い過ぎのようです。

 触診では右肩甲骨外周の小円筋、広背筋に圧痛があります。右手の前での使い過ぎでは、小円筋、広背筋は使わな過ぎで硬くなります。

 肩関節の動きには問題なく、他動的な肩の挙上、下制でも痛みは出ません。

 転倒したとか、ぶつけたという記憶もないようですから、骨折や骨にひびが入ったというようなことではなさそうです。

 妊娠中なので仰臥位から指圧をしていきます。

 主訴は肩甲骨外側、遠回りをする原則に従って、下肢の指圧から始めます。

 左大腿はむくんでいます。

 右肩が前に出て右手をよく使っている、左足はあまり使っていない、だんだん体のバランスが浮き上がってきました。

 左下肢の指圧後、左下肢伸展挙上牽引をすると、足関節から先の長さくらい左下肢長が伸びます。

 妊娠3ヶ月くらいから、出産に備えて骨盤の靭帯を緩めるリラキシンが分泌されるので、左下肢長が伸びたのにはその影響もあるようです。

 骨盤の靭帯が緩むと体幹の支えが不安定になり、腰痛が起きたり、背部の筋肉が緊張します。

 現在腰痛はありませんが、右肩甲骨外側の筋緊張はリラキシンによって骨盤の靭帯が緩み始めた影響もあるのでしょう。

 上肢の指圧ではこっている部位がいくつもあったので、手、腕は使い過ぎだったようです。

 右上肢の指圧後、右肩の関節運動では右肩甲骨外側の痛みは再現されませんでした。

 頭部、前胸部と指圧をして、腹部には軽い手掌のタッチを繰り返しました。

 おなかにはもう堅固な要塞が構築されています。

 腹部大動脈の動悸に混じって新しい命の気配が手掌に伝わってきました。

 その後、横臥位で抱き枕を抱え、膝の間にも挟んでもらって、背部の指圧をしました。

 仕上げのストレッチは右肩甲骨外側の柔軟性を重視して行いました。

 仰臥位で、右膝を浅く曲げ、左膝は伸展、両肩関節外転180°、頭頚部右回旋で、右膝を左に倒します。

 セラピストは右肩をマット(ベッド)に向けておさえ、右膝に手を添えて行います。

 背中の上部に効くストレッチです。右に続いて左も行いました。

 妊娠しておなかが大きくなると、股関節や膝関節を大きく曲げたストレッチが難しくなるので、上記の姿勢で上肢を下に下げれば、膝の曲げ方が浅くても腰部のストレッチができることを自分でも確認しておくとよいでしょう。

 妊娠中に、くれぐれもツボを強く圧すなどということはしないでください。

 触れるくらいで十分、彼女は“エステの勉強になりました”と言って、それから産婦人科の健診に向かいました。

 妊娠によって変わっていく体が発するちょっとしたシグナルを冷静に分析してください。

 妊娠中の体を安心して委ねられるセラピストがいることは、妊婦さんの大きな支えになります。

 今回はアロマミストでグレープフルーツを使いました。

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2011年12月 6日 (火)

手元を見ないタッチ、スティービー・ワンダーのように。

 ここのところほとんど毎日骨折の方のお宅で指圧をしています。

 介護ベッドの周りの限られたスペースから、しかも掛け布団の中に手を突っ込んで指圧をしているので、上から体重をかぶせるようなことはしていません。

 手首の橈屈と尺屈を使ったテコの原理で、四指から母指指紋部へ、母指から四指指紋部への圧刺激を作っています。

 そこで思い出すのが『リボン・イン・ザ・スカイ』という歌を歌う時のスティービー・ワンダーさんの楽しそうな表情です。

 歌の終わりに「リボン・イン・ザ・スカイ~リボン・イン・ザ・スカイ~」と繰り返すところがあって、そこで背中を伸ばしてやや上を向いて気持ち良さそうに笑いながら声を張り上げます。

 ピアノのタッチも、指圧・マッサージのタッチも、御客様と共鳴・共振するノリがあって、共感が生まれます。

 セラピストの感じている気持ち良さが、御客様の感じる触圧刺激の心地良さに影響しないはずがありません。

 力ではない、見えないものを見ても仕方がない、手元を見ないで触圧覚が伝える情報を味わうことが大切です。

 服の上からのタッチ、タオルの上からのタッチで、直に筋肉は見えません。

 裸であっても深部の筋肉は見えず、表面の筋肉を緊張させても起始停止までが明確になるわけではありません。

 だから見なくても、着地が少しくらいずれても、体を傷つけないゼロに近い圧の着地から漸増していく圧刺激を獲得してください。

 布団の中はブラックボックスです。

 手の感触で指圧をします。

 目は座禅の半眼のようにぼんやりと周囲に気を配っておきます。

 耳は呼吸を聴き寝息を聴き、体臭や臭いの変化にも注意して、室温や湿度も気にかけておきます。

 昨日は「暑くなった」との声にファンヒーターを切って、「喉が渇いた」という声に奥様に吸い飲みで水を持ってきていただきました。

 それ以外は痛がることもなく眠っていました。いつも痛くて呼ばれるわけですから、タッチの効果には薬では換われないものがあるようです。

 布団の中に手を突っ込んで触れられる部位はできる限り指圧で筋肉に運動をさせ、痛みが出ないように注意しながら関節運動もし、時々「リボン・イン・ザ・スカイ」をイメージしながらタッチをしてきました。

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2011年12月 5日 (月)

クリスマスイルミネーションで副交感神経が優位になる。

 昨日は雪化粧をした富士山が青空にくっきりと縁取られて、運転中に車の窓から眺めただけでしたが、とても爽やかな気持ちになりました。

 そんな時に思い出すのは『龍馬がゆく』で司馬遼太郎さんが坂本龍馬に語らせている言葉です。

 富士山は何度も見ているからとさして感動もない様子の旅の連れ“寝待の藤兵衛”に、初めて富士山を見て感動した龍馬が「そんなことだからおまえは盗っ人なのだ」という台詞がそれです。

 富士山が日本人に特別な感情を湧き上がらせるのは、雪をかぶった富士山が晴れの日の光刺激を際立たせ、縮瞳が起こることも大きな要因なのだろうと思います。

 縮瞳が起こったということは、瞳孔括約筋が興奮したということ、それは副交感神経が優位になったことでもあります。

 今年のニューヨーク、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーが特に鮮やかに見えるのはLEDの加減でしょうか、ツリーに選ばれた木の形が絶妙だからでしょうか。

 クリスマスイルミネーションを見ると幸福感に包まれるのも、この光と副交感神経が関係しています。

 今年は震災でキャンドル体験をした人も大勢います。

 暗闇に灯る一筋の明かりは救いです。

 昨日も夜になって大腿骨骨折の方に呼ばれて指圧をしてきました。

 富士山が綺麗に見えたことを話すと、ニコニコッと笑いました。

 美しい富士山の姿を想像するだけでも副交感神経を優位にします。

 だからセラピストは美しい感動を外で体験して、それをタッチに乗せて、あるいは幸せなニュースとして御客様に伝えてください。

 それが室内で行うセラピーの転地療養感になります。

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2011年12月 4日 (日)

最も丁寧な他動的ストレッチとしてタッチをする。

 昨日は末梢神経障害のある糖尿病の方に全身指圧と下腿のアロマオイルマッサージをしました。

 この御客様に指圧を始めてからもう5年以上になりますが、以前は血行が悪くて細かったふくらはぎに、今では見違えるくらいの太い筋肉がついてきました。

 右鼡径動脈の脈がとれないくらい血行が悪く、明らかな動脈硬化と強い冷えに悩まされていたのが、もう遠い昔のことのようです。

 定年となり最近は毎日ゴルフの練習場に通っているそうです。

 現在の指圧でのテーマは、足関節の底屈時の重だるい感覚を取り除くことです。

 糖尿病の末梢神経障害の改善は難しいテーマですが、毎週の指圧はセラピストとクライアントの共同プロジェクトのようなもの、これからも“白熱した試合”が続きそうです。

 この方もそうですが、高齢者で神経痛などの一般的に不可逆的な病気を持つ方に、健康なスポーツマンにするようなタッチやストレッチはできません。無理です。

 時間をかけて少しずつ症状を改善していく、この考えをしっかりと持って対応していかないと、大きく変化させた時には体に無理が生じます。

 その代表がいきなり最大限のストレッチをすることです。

 スポーツマンやヨガの先生と、高齢者や運動器の障害を持つ方の体の柔軟性は違います。

 いきなり股関節を最大限に開いたり、いきなり肩関節を最大限に前方挙上させてはいけないのです。

 指圧、マッサージのタッチが体幹から緩めていくのが普通なのは、四肢の関節を大きく動かすためには背部、腰部を緩めておくことが重要だからです。

 背部、腰部の柔軟性が獲得できないうちに肩関節や股関節を大きく動かせば、肩甲骨の動きはどうなりますか?腸腰筋が硬いまま引っ張られるとどうなりますか?

 背部、腰部があってこそ、それと繋がる頚部、上肢、下肢の動きが可能になります。

 だから指圧やマッサージで体幹を緩めた後に上肢、下肢のストレッチをすれば高齢の神経障害がある方でも関節可動域が拡がります。

 最も丁寧な他動的ストレッチとしてタッチを考えてください。

 その一つ一つのタッチの積み重ねが神経障害の改善につながり、生活の質も向上させることができます。

 個人トレーナーとして長期契約されるセラピストになってください。

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2011年12月 3日 (土)

歯髄幹細胞移植で脊髄損傷のラットが8週間で歩けるようになった。

 『親知らずや乳歯の歯髄から取り出した幹細胞を下肢の運動機能を失った脊髄損傷のラットに移植したところ8週間で歩けるようになった』、このニュースを昨日のテレビで知りました。

 これは名古屋大大学院医学研究科の上田実教授らのグループによる研究だそうです。

 今後人体への移植が可能になれば、今まで抜歯後廃棄されていた歯が、貴重な治療資源となります。

 歯髄幹細胞は脳への移植でも治療効果があるようです。

 昨日は痴呆の旦那様を抱える方に指圧をした後に、大腿骨骨折の方のお宅へ指圧に行ってきました。

 どちらの奥様も夜中に起されて寝不足のようでした。

 介護をする家族の毎日の努力が、医学の進歩によって報われることを願わずにはいられません。

 『体が思うようにならなくても、生きていれば医学の進歩によって問題が解決されるかもしれないという希望を持って命を存続させていく』、このモチベーションが介護される側にも介護する側にも大切なことだと思います。

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2011年12月 2日 (金)

「練習は120%体を使って振りなさい。試合は80%でいい」、王貞治会長の内川選手へのアドバイス。

 「練習は120%体を使って(バットを)振りなさい。試合は80%でいい」

 移籍したソフトバンクでパリーグの首位打者となり、史上2人目のセパ両リーグでの首位打者となった内川聖一選手は、王貞治会長からのこのアドバイスで練習への意識が変わり、今季の好成績につながったということです。

 『タイミングだけを合わせていた従来の調整方法を変えたことによって、フリー打撃の打球が劇的に変わり、飛距離に自信が持てるようになった』ということで、王会長のアドバイスの効果は絶大だったようです。(今日の産経新聞より)。

 練習で全力以上のものを出し切れば、その緊張の後にはリラックスした状態が生まれます。

 練習では意識してテンションを上げておき、本番では投手のボールに冷静に柔軟に対応することができた結果が、内川選手のヒットの量産だったようです。

 タッチの世界でも、臨床で力まないでできるようになれば一人前です。

 適量刺激をするためには常に冷静な判断が必要ですから、80%の力加減のイメージは参考になります。

 プッシュアップで体重を支えるだけで自分の体重の4分の1くらいの圧刺激になりますから、実際には25%程度の力加減が通常の圧刺激(15kg以下)になります。

 タッチセラピーの練習では、120%の力を使うなどもってのほかなので、施術前にダンベルを使ったエクササイズをしておくと、内川選手の試合前の打撃練習と同じことになります。

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2011年12月 1日 (木)

メトロノームを使ってタッチを練習してみる。

 束縛から解放された時、自由を感じます。

 自由自在な、ゆらぎのあるタッチを獲得しようとするならば、少し速いテンポや少し遅いテンポなどにタッチのタイミングを変えながら、決まったリズムの中にタッチを押し込んでみるという練習方法があります。

 メトロノームがあれば使ってみましょう。

 軽擦でも指圧でも、体の曲面に密着して水平方向や垂直方向に圧刺激を移動させるためには、とらえにくい部位があります。

 一定のリズムで体の曲面に触圧刺激を続けるためには、より素早い体のさばきが必要になってくる部位があるのです。

 一定のリズムのタッチには、一定のリズムでは収まらない体の動きを必要とすることがわかると、メトロノームという束縛から解放された時に、より自由で微妙なタッチのニュアンスが出せるようになります。

 それがタッチの個性です。

 個性を伸ばすために、あえて束縛の中で自分のタッチを感じてみましょう。

 メトロノームを使うと、少し速いタッチも、少し遅いタッチも、一定のリズムの中で収めようとすればテクニックが必要であることがわかります。

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