老人心理、特定健診で肝炎の血液検査を勧める言葉の使い方で感じたこと。
今年から特定健診にB型とC型の肝炎の検査が含まれるようになりました。
健診の受付前に肝炎の血液検査を勧める保健師さんのトークを聴いていると、「その言い方では内容がわからないので断るだろう」というような話の持っていき方をしていて、半分くらいの高齢者の方は断っていたようです。
つまり、内容のわからないこと、理解できないことは断るのが普通だからです。
特に老人の心理は、必要性がわからないこととかかわっている余裕などなく、身が引けるようになっています。
「一生に一度でいい検査だから」という言い方も厳密に言えばそうでない場合もありますし、「他の血液検査と一緒にできる」と言うのも免疫学的検査になりますから別の試験管にもう少し血液を採ることになります。
「近年、献血時にはこの検査をしている」ことも説明されていませんし、医師の診察があるのですから、そこで簡単な説明をしてもらえばもう少し肝炎検査を受ける人が増えるはずです。
あるいは健診前に受診者全員に説明するという形をとれば、肝炎検査が自分にとってマイナスになるものではないということが全体の雰囲気を通してわかりやすくなったはずです。
特定健診自体何のことかよくわからずに書類が配達されてきたのでやって来たというような高齢者の方がたくさんいらっしゃると思います。
問診表を書いてこなかったり、保険証を持ってこなかったり、そんな方もたくさんいるだろうと思います。
老人心理は本当の気持ちを表しにくくなっていて、「とりあえあずよくわからないことからは身を引く」というスイッチが瞬時に入ります。
昨日外出から帰ってくると留守電に死にそうな声で「指圧をしてほしい」というお得意様の声が入っていました。
準備を整えて電話をするとケロッとした声で「お嫁さんに送って行ってもらいます」とのこと。
なかなか来ないので状態が良くなったのかと思ったら、お嫁さんの手前、いろいろと気を使うことがあったようで…。
朝の留守電に夕方電話をかけ直しましたから、指圧中に「センセイから電話が来て嬉しかった!」と言われました。
老人心理は本当の安心の中で本音が出てくるものです。
そういうコミュニケーションの取り方が、もう少し特定健診の説明にもあっていいと思いました。
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