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2012年5月14日 (月)

リハビリに関節運動を伴わない筋肉の等尺性収縮。

 関節の固定が必要な時の筋力の維持や増強のリハビリには、関節運動を伴わない等尺性収縮(isometric contraction)のエクササイズを行います。

 代表的なのはベッドの上に膝を伸ばして座り、大腿の下に入れた両手を圧し潰すイメージで大腿に力を入れる大腿四頭筋強化のエクササイズです。

 主動筋のエクササイズはその拮抗筋のストレッチになるので、この時に大腿後側のハムストリングスはストレッチされます。

 指圧で行う受け手の膝伸展で肩に乗せた足を背屈させる『坐骨神経伸展』の時には、股関節の屈曲(足挙上)+足背屈によって下肢後側に等尺性収縮の筋緊張が生まれ、足を下げて背屈を緩めた後には下肢後側がしっかりと緩みます。

 上肢でも同じようにベッドに寝て肘を伸ばして上腕に力を入れる上腕三頭筋の等尺性収縮で、ベッドに腕がついていれば上腕二頭筋の等尺性収縮は弱く、肩関節の屈曲や伸展を伴えば上腕二頭筋の等尺性収縮の力が強くなり力を抜いた後には上腕二頭筋がしっかりと緩みます。

 指圧やマッサージは脳梗塞の手術後からでも本人の意識がなくても可能ですし、関節運動を伴わない等尺性収縮のエクササイズは意識と意欲があればリハビリの初期から可能です。

 リハビリ初期の指圧・マッサージ後に大腿四頭筋強化の等尺性収縮のエクササイズを加える時には、患者様の大腿後側にセラピストが自分の両手を入れて「大腿四頭筋に力を入れて(あるいは膝をしっかりと伸ばすイメージで)手を圧し潰してください」と促してください。

 これによって筋力の状態を知ることができます。

 施術を重ねていくうちに筋力が徐々についていきますから、良きトレーニングパートナーとして励ましながら共に回復を喜び、希望を持って前に進んでいきましょう。

 

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