「アコースティック・ギター・マガジン6月号」のカラダ・メンテ講座。
「アコースティック・ギター・マガジン(リットーミュージック)」6月号には、22ページにわたって“ギタリストのためのカラダ・メンテ講座”が特集されています。
その内容は、ギタリストに多い腱鞘炎やばね指についての解説に続いて、ギタリストの体験談、治療法、ストレッチやエクササイズなどが丁寧に取材、編集されています。
腱鞘炎の対処法の具体例として、足台を使ってギターのネックの角度を変えるなど、健康雑誌では語られない専門誌ならではの具体例が示されています。
実際私も左手関節尺側に痛みが出た時に、椅子に座って足台を使うことでギター演奏が何とかできたという経験がありました。
足台を使って左足を高くすることで、ネックの位置を高くすることができ、体からネックを遠ざけやすくなるので、手関節の屈曲と指の屈曲の角度を浅くすることができます。
普通の健康雑誌ではなかなかない視点なので調べてみると、宮原鍼療所の宮原一浩先生が監修されてました。
宮原先生はクラッシック・ギターの演奏をされ、腱鞘炎の経験もあって、音楽家の腱鞘炎の治療で有名です。
「Fのコードが押さえられなくて」ギターをあきらめたという人は多いと思います。
Fのコードフォームの、①示指を伸ばして全ての弦を押さえるバレー(セーハ)と、②薬指を屈曲させて5弦を押さえ、小指を屈曲させて4弦を押さえること、③その時の手関節尺側の強い屈曲、この3点はギタリストの腱鞘炎の原因となります。
べテランのギタリストになるとバレーをせずに手関節の屈曲を浅くした簡略化したコードフォーム(6弦を母指で押さえるか、6弦は押さえない)を多用する人が多いのも、腱鞘炎があるかその予防や疲労軽減のためなのでしょう。
母指をネックの裏側に当てて、バレーの示指を含めた四指で弦を押さえれば対立圧になるのでFのコードの音が安定しますが、この時には手指の屈筋を強く使うことになります。
スター・ダスト・レビューの根本要さんは、御自分のギターをオーダーメードする時に標準モデルの97~99%くらいにスケールダウンしていると以前語っていました。
この微妙な加減がとても大事なことで、毎日使う“職人”の道具というものは自分の手や体に合ったものであるべきです。
そういう意味では大人サイズのピアノやギターで練習を始める子供も、本当は成長に合わせて楽器の大きさを変えていくことができればいいのですが…。
ここまではギターに興味がなければ「わけのわからないことを…」ということになりそうなので、指圧・マッサージでも使える「アコースティック・ギター・マガジン」の特集にあった手の使い方の注意点をあげておきます。
ギターの弦を押さえる側だけでなく、コード・ストロークなどで弦を弾くほうの手関節も、手関節の動きだけでは腱鞘炎になりやすいのです。
体幹を使い、肩を使い、肘を使い、体全体に連動させて手関節を使うことで、前腕の腱や手指の腱への負担が軽減されます。
これを手技療法の叩打法に置き換えれば、さらさらとした柳手のような手技も手指の動きだけでは腱鞘炎になりやすいということなのです。
ギターのコードストロークと、様々な叩打法の手関節の動きは似ています。
体幹から・肩から・肘から・手指を使えば、小手先のタッチにならず、腱鞘炎の予防にもなり、脳が感じた微妙なフィードバックを乗せた絶妙なタッチができるはずです。
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