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2012年6月30日 (土)

『按腹図解』太田晋斉の「解釈の術」は揉捏法とはいうものの軽いタッチだったはず。

 タッチの正解は相手によって、また健康状態、病状によって毎回変わります。

 タッチに迷った時、その解に導くヒントを古法あん摩やいろいろな手技療法の基本の中に見つけることがあります。

 太田晋斉著『按腹図解』では家法導引三術として「解釈の術」、「利関の術」、「調摩の術」を紹介しています。

  家法導引三術の「導引」の意味は、「(被術者がする)太極拳・気功のような呼吸運動法」ではなく、按摩導引と使われる場合の「筋骨を揺るがし、支節を動かすこと」ととるべきで、施術者にこそ呼吸運動法となる手技療法だと考えると、現代の手技療法者も学ぶべきお手本であることがわかります。

 解釈の術は「婦女子などの三絃を弾くに、其の線を指頭にかけて軽く弾くが如くなす」と書かれています。

 大腿前側「胃経」での解釈の術は、指頭で軽い圧をかけてから、母指で向こう側へ、四指で手前に軽く弾きながら鼡径部から膝へ向かって移動していくとイメージすることができます。

 解釈の意味は「釈」だけでも「解きほぐす、解き放つ」というニュアンスを持っています。

 釈尊とは「解きほぐしてくださる尊いお方」ということなのですね。

 東洋医学と仏教に重なる部分が多いのは、どちらも人間の心と体を「こわばりから解放する」科学(技術と哲学)だからなのでしょう。

 解釈の術=揉捏法と考えてしまうと、「婦女子などの三絃を弾くに…軽く弾く」とあるのをかえりみずに、揉み込んで筋繊維をねじってしまいます。

 太田晋斉さんの解釈の術は、揉捏法と軽擦法のどちらともいえるような中間的なタッチだったのではないかと思います。

 先日たまたまクイーンのギタリスト、ブライアン・メイさんが有名な6ペンスコインをピック代りに使ってではなく、指弾きでインストルメンタルを演奏している映像を見る機会がありましたが、柔らかい素敵な「解釈の術」になっていました。

 頭皮マッサージにはこの解釈の術がはまります。

 頭皮をとらえて前後に動かすだけではなく、頭皮をとらえたまま左右にも動かせばより気血を巡らせることになります。

 結合織マッサージの擦過軽擦やカギ型軽擦が引くのではなく圧していくことと比較すると、解釈の術では引くも圧すも自在に使っていたと考えられ、押して使う西洋のノコギリと、引いて使う日本のノコギリとの違いともだぶって面白いですね。

 家法導引三術の「利関の術」は関節の利き(機能)を良くする運動法、「調摩の術」は摩(撫でて)で調節する軽擦法です。

 『按腹図解』は1828年(文政10年)に著されています。

 この家法導引三術に指圧は入っていません。

 当時から民間療法としての指圧はあったようですが、現在のように体系化されていなかったということは、『按腹図解』からも推測できますね。

 アロマオイルマッサージでも、筋肉の繊維に沿って線状に指頭を前後に揺らしながら移動していく軽いタッチの揉捏は使えます。

 「婦女子が軽く三絃を弾く」ようなタッチができたなら、解釈の術の再現です。

 200年近く前の古典的なタッチに新しい命を吹き込んでください。

 受け継がれてきた技術の歴史と、技術の背景に流れる哲学を学んで、技術は「科学」になります。

 

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